JP6454206B2 - 連続鋳造用タンディッシュ、及びそのタンディッシュを用いた連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造用タンディッシュ、及びそのタンディッシュを用いた連続鋳造方法 Download PDF

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本発明は、注入室とストランド室とを仕切る仕切堰に、注入室からストランド室へ溶鋼を流通させる湯道(湯道)が設けられた連続鋳造用のタンディッシュ、及びそのタンディッシュを用いた連続鋳造方法に関する。
従来より、連続鋳造設備では、転炉や二次精錬設備等から出鋼された溶鋼を取鍋によってタンディッシュまで搬送し、搬送された取鍋内の溶鋼をタンディッシュへ注入後、このタンディッシュから鋳型へ溶鋼を供給することで、溶鋼を連続的に鋳造している。
連続鋳造を効率よく操業を行うためには、例えばタンディッシュ内において、注入室からストランド室へ溶鋼をスムーズに流通させることが必要となる。
このようなタンディッシュ内の溶鋼をスムーズに流通させるための手段として、特許文献1、2に開示されているものがある。
特許文献1は、注入室とストランド室とが仕切堰で仕切られ、この注入室とストランド室とを、仕切堰に設けられた湯道(孔)で繋いだタンディッシュが開示されている。
特許文献2は、注入室とストランド室が仕切堰で仕切られ、その仕切堰に設けられた湯道が底部で注入室とストランド室とを繋ぎ、さらに仕切堰に加熱装置を備えているタンディッシュにおいて、仕切堰に設けられた湯道が、ストランド室側に向かって下方を向くことが開示されている。
特開2005−957号公報 特開平5−104212号公報
ところで、操業中のタンディッシュにおいては、ストランド室内の溶鋼の湯面上にスラグなどが、浮上している。ストランド室内で浮上したスラグは、溶鋼の保温、酸化防止の役割を果たしているものの、溶鋼中に巻き込まれた場合、製品の品質を低下させることになる。
さて、鍋を交換する連々鋳においては、成分混じりを少なくするために前チャージの溶鋼をできる限り鋳造してから後チャージの溶鋼を注入している。特に、前チャージと後チャージの成分が異なる(異鋼種連々)場合には、成分混じりを極めて少なくして、クロップ(鋳片同士の接続部分で成分が規定値を満たさず、廃棄せざるを得ない部分)を可能なかぎり少なくするために、前チャージの溶鋼が可能な限り少なくなるまで鋳造してから後チャージの溶鋼を注入している。
例えば、特許文献1、2に開示されているようなタンディシュを用いても、溶鋼が注入口を通過して鋳型に装入されるに従って湯面が降下する際に、湯面上のスラグが、注入室側とストランド室とを貫通する孔内を逆流して、注入室内に浸入してしまう虞がある。このように、逆流したスラグが注入室に残存した状態で、後チャージの溶鋼を注入すると、注入室内でスラグが溶鋼に巻き込まれて微細に分散し、介在物性欠陥となってしまうという虞がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、異鋼種連々時に前チャージにおいて、ストランド室内における溶鋼の湯面を降下させる際に、溶鋼の湯面上のスラグが、湯道を介して注入室に逆流することを抑制するタンディッシュと、そのタンディッシュを用いた連続鋳造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかるタンディッシュは、取鍋からの溶鋼が注入される注入室と、前記溶鋼を鋳型に装入する注入口を有するストランド室と、前記注入室と前記ストランド室とを仕切る仕切堰と、前記仕切堰に設けられ且つ前記注入室から前記ストランド室へ直線状に貫通する湯道と、を備えたタンディッシュであって、前記湯道の出口と繋がる前記ストランド室の底部は、前記湯道の出口の下端以下に位置し、且つ、式(1)〜式(10)を満たしている。
0.08≦D (円相当径) [m] ・・・(1)
d1≦0.3 [m] ・・・(2)
0.115≦(x1 2+y1 2)0.5≦1 [m] ・・・(3)
0.05≦y1/x1≦1 [-] ・・・(4)
0≦y3/x3≦0.36 [-] ・・・(5)
x3≧0.5 [m] ・・・(6)
0.57≦y4/x4≦1 [-] ・・・(7)
y4≧0.05 [m] ・・・(8)
0≦x5≦d2/2[m] ・・・(9)
B≦-0.7tanh(15A-6)+1.9 ・・・(10)
ただし、A=(x1 2/(x1 2+y1 2))2・(x4 2/(x4 2+y4 2))3・((x4+x5)/x4)0.4
B=y2/x1、y2=d1(1+y1 2/x1 2)0.5-y1
D:湯道の円相当径
d1:湯道の縦径
d 2 :湯道の横径
x1:湯道の水平方向の長さ
y1:湯道の上下方向の高さ
x2:注入室の水平方向の長さ
y2湯道のストランド室側の出口の上端と、湯道の注入室側の入口の下端との高低差
x3:注入室の湯当たり部の長さ
y3:注入室の湯当たり部の高さ
x4:注入室の段差部の水平距離
x5:注入室の入口から段差までの平坦部の距離
y4:注入室の段差部の高さ
本発明にかかる連続鋳造方法は、連続鋳造用のタンディッシュを用いて連続鋳造を行うに際し、前記ストランド室側の溶鋼の湯面が前記湯道の上端より上方に位置しているときに、前チャージの溶鋼を注入室に注入することを終了し、式(11)を満たしながら、前記前チャージにおける溶鋼の湯面を、前記湯道の傾斜高さy以下に低下させた後、後チャージの溶鋼における前記注入室への注入を開始する。
S(U S )≦x 1 +x 5 ・・・(11)
ただし、
S(US)=124.5d2b(t/T)0.7(x1 2/(x1 2+y1 2))2(x4 2/(x4 2+y4 2))3((x4+x5)/x4)0.4(1-Fr)3
T=98901(d2b)4/3
Fr=UL/(9.8d1)0.5
t=y2/US
Us:溶鋼の湯面降下速度 [m/s]
UL:湯道内の平均溶鋼速度 [m/s]
b:スラグ厚 [m]
S(US):湯道内をスラグが逆流する距離 [m]
Fr:フルード数 [-]
t:湯面がストランド室側の湯道上端に達してから注入室側の湯道下端に達するまでの時間 [s]
本発明によれば、異鋼種連々時に前チャージにおいて、ストランド室内における溶鋼の湯面を降下させる際に、溶鋼の湯面上のスラグが、湯道を介して注入室に逆流することを抑制することができる。
本発明の連続鋳造用タンディッシュが適用される連続鋳造装置の概念図である。 本発明の連続鋳造用タンディッシュの平面図である。 ストランド室の底部の形状を示す第1図である。 ストランド室の底部の形状を示す第2図である。 本発明のタンディッシュに形成された湯道の形状を示した図である。 仕切堰の湯道を直線状にした場合の状態を示した図である。 仕切堰の湯道を途中で屈曲した場合の状態を示した図である。 本発明の連続鋳造用タンディッシュの第1例を示す側方断面図である。 本発明の連続鋳造用タンディッシュの第2例を示す側方断面図である。 本発明の連続鋳造用タンディッシュの第3例を示す側方断面図である。 湯道の入口から出たスラグの様子を示す図である。 本発明のタンディッシュにおける条件を示した図である。 本発明の連続鋳造用タンディッシュを用いた連続鋳造方法を示した図である。 水モデルのタンディッシュを示す図である。 水モデルの実測値及び計算値の関係を示す図である。 スラグが逆流した場合の様子を示す図である。 スラグの逆流によるクロップ等を示す図である。 湯道よりも上方で後チャージの溶鋼を注入した図である。 前チャージと後チャージとの混合よるクロップ等を示す図である。
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、連続鋳造を行う連続鋳造装置の全体図である。まず、連続鋳造装置の構造について説明する。連続鋳造装置は、例えば、二次精錬処理後の溶鋼を連続的に鋳造する装置である。
図1に示すように、連続鋳造装置1は、取鍋2内の溶鋼3が注入されるタンディッシュ4と、当該タンディッシュ4内の溶鋼3を鋳込む鋳型5と、鋳型5によって形成された鋳片6を支持するサポートロール7を備えている。
図1,2に示すように、タンディッシュ4は、溶鋼2を鋳型5に装入する注入口10が設けられた底部11と、底部11の周縁から立ち上がる周壁12とを備えている。また、タンディッシュ4は、取鍋2内の溶鋼3を注入する注入室13と、溶鋼3を鋳型5に鋳込むストランド室14とに仕切る仕切堰15を有している。注入室13は、注入口10が設けられていない底部11aと、周壁12と、仕切堰15とで囲まれた部分で構成されている。また、ストランド室14は、注入口10が設けられた底部11bと、周壁12と、仕切堰15とで囲まれた部分で構成されている。図2には、平面視でT字状のタンディッシュ4aと、I型のタンディッシュ4b,4cが示されているが、本発明のタンディッシュ4の平面視の形状は限定されず、図2に示したいずれのタンディッシュ4a、4b、4cでもよいし、その他の形状のタンディッシュであってもよい。また、タンディッシュ4のストランド数についても限定されない。また、連続鋳造装置1で鋳造される鋳片6の形状は、限定されず、スラブ、ブルーム、ビレット等であってもよい。
図3A及び図3Bは、注入室及びストランド室の断面図である。図3Aに示すように、タンディッシュ4の仕切堰15には、注入室13とストランド室14とを連通させる湯道16が形成されている。ストランド室14の底部11bであって、湯道16のストランド室側の出口17と繋がる底部11bを見たとき、当該底部11bの内面は、湯道16の出口17の下端以下に位置している。言い換えれば、湯道16の出口17と繋がるストランド室14の底部11bは、湯道16の出口17の最下端部と同じ高さ、或いは、湯道16の出口17の最下端部よりも低い位置である。
図3Bに示すように、タンディッシュ4の仕切堰15に湯道16を形成した場合であって、湯道16の出口17と繋がる底部11bを見たとき、当該底部11bが、湯道16の出口17の下端よりも上方に位置する場合があるが、本発明のタンディッシュ4では、このような構造のタンディッシュは対象としていない。つまり、ストランド室14の底部11bが湯道16の出口17の最下端部よりも高いのは対象としていない。
図4は、仕切堰15を幅方向で且つ垂直に断面した場合(図2のA−A断面)の断面図である。図4に示すように、仕切堰15に形成する湯道16の個数は、1個、或いは、複数(例えば、2個、3個)であってもよく個数は限定されない。仕切堰15に複数の湯道16を設ける場合は、仕切堰15を正面視した場合に幅方向に並べて配置することが望ましい。また、図4に示すように、断面視の湯道16の形状は、円形であっても、楕円形であっても、四角形であってもよい。
図5A及び図5Bは、仕切堰15を奥行方向で且つ垂直に断面した場合(図2のB−B断面)の湯道16の形状を示している。図5Aに示すように、本発明のタンディッシュ4の湯道16は、注入室13からストランド室14へ直線状に貫通する形状であって、図5Bに示すように、途中で屈曲した形状ではない。図5A及び図5Bに示すように、タンディッシュの整備を行う際は、タンディッシュを略90度傾動させた後、湯道16にパイプを挿入して、パイプから酸素等を吹き込むことにより、湯道16に付着した地金等を燃焼熱によって溶融し、地金を除去する。図5Aに示すように、湯道16が直線状である場合には、パイプを問題無く湯道16に挿入することができるが、図5Bに示すように、湯道16が途中で屈曲している場合は、パイプを湯道16の全体に挿入することができない。場合によっては、湯道16及び仕切堰15を溶損させてしまう虞がある。それゆえ、本発明のタンディッシュ4の湯道16は、仕切堰15内を注入室13からストランド室14へ直線的に貫通するものを対象としている。
以下、さらに、タンディッシュの構成について詳しく説明する。
湯道の内径(円相当径)Dは、式(1)に示すように、0.08m以上である。
0.08≦D (円相当径) [m] ・・・(1)
湯道の内径が0.08m未満の場合は、鋳造中に湯道16内に介在物等が詰まってしまい鋳造できなくなる可能性がある。なお、上述したように、湯道16は、楕円形や四角形も含むため、式(1)で示したように湯道16の内径は、円に換算したときの円相当径である。
湯道の縦径d1は、式(2)に示すように、0.3m以下である。
d1≦0.3 [m] ・・・(2)
湯道の縦径d1が0.3mを超えている場合、取鍋2のノズルの開口時に当該ノズルから落下した砂等の大部分が湯道16を通ってストランド室14に流入し易くなる。取鍋2の開口時における多量の砂がストランド室14に入ってしまうと、介在物の欠陥になり易い。つまり、湯道の縦径d1を0.3m以下にすることによって、ストランド室14ではなく注入室13側で砂を浮上させることができる。なお、湯道の縦径d1は、図4に示すように、湯道16を垂直に断面した場合の垂直方向の径である。
さて、図6に示すように、注入室13側の湯道16の入口18と、ストランド室14側の湯道16の出口17との水平距離(湯道の水平方向の長さ)を「x1」、湯道16の出口17と湯道16の入口18との高低差(湯道の上下方向の高さ)を「y1」としたとき、湯道16の長さである「(x1 2+y1 2)0.5」は、式(3)を満たしている。
0.115≦(x1 2+y1 2)0.5≦1 [m] ・・・(3)
湯道16の長さ((x1 2+y1 2)0.5)が式(3)の下限値を下回る場合、仕切堰15の厚みが薄すぎて、当該仕切堰15が不安定になる虞がある。湯道16の長さ((x1 2+y1 2)0.5)が式(3)の上限値を上回る場合、湯道16が長すぎるために、鋳造中等に湯道16が詰まる虞がある。特に、湯道の内径(円相当径)Dが小さい場合には、顕著になる。
また、湯道16の傾きを表す「y1/x1」は、式(4)を満たしている。
0.05≦y1/x1≦1 [-] ・・・(4)
湯道16の傾き(y1/x1)が式(4)の下限値を下回る場合、湯道16が緩やか過ぎて、鋳造終了時に、注入室13や湯道16内の溶鋼3がストランド室14に排出され難い。溶鋼3が注入室13や湯道16に残ってしまうと、歩留が低下するうえに、タンディッシュ4を整備する際に、溶解するための酸素洗浄の負荷が大きくなる。式(4)の下限値を、湯道16の角度に変換すると、3degである。一方、湯道16の傾き(y1/x1)が式(4)の上限値を上回る場合、湯道16を構成する仕切堰15の端部P1(図6参照)が鋭利になり過ぎて、鋭利になった部分が欠損する虞がある。式(4)の上限値を、湯道16の角度に変換すると、45degである。
図6に示すように、注入室13の底部11aを見たとき、当該底部11aは、湯道16の入口18に繋がり且つ水平である平坦部11aと、平坦部11aに繋がっていて傾斜する段差部11aと、段差部11aに繋がっている湯当たり部(連続部)11aとを有していたとする。この場合、湯当たり部11aの開始から終わりまでの高低差(注入室の湯当たり部の高さ)を「y」、湯当たり部11aの開始から終わりまでの水平長さ(注入室の湯当たり部の長さ)を「x」としたとき、注入室13の湯当たり部11aの傾き(y3/x3)は、式(5)を満たしている。
0≦y3/x3≦0.36 [-] ・・・(5)
湯当たり部11aの傾き(y/x)が式(5)の下限値を下回る場合、湯当たり部11aは下方に傾斜していることになり、鋳造終了時に、注入室13に溶鋼3が残り易くなる。溶鋼3が注入室13に残ってしまうと、歩留が低下する。一方、湯当たり部11aの傾き(y/x)が式(4)の上限値を上回る場合、湯当たり部11aの傾斜が大き過ぎる。そのため、取鍋2から溶鋼3を注入した場合、溶鋼3の仕切堰15に向かう流れが強すぎて、一気に仕切堰15に沿って溶鋼3が上昇して、タンディッシュ4の上端を閉鎖する蓋にまで達する虞がある。タンディッシュ4の上端を閉鎖する蓋に溶鋼3が達した場合は、蓋とタンディッシュ4との隙間から溶鋼3が流れ出る虞がある。式(5)の上限値を、湯当たり部11aの角度に変換すると、20degである。
また、注入室の湯当たり部の長さ(x3)は、式(6)を満たしている。
x3≧0.5 [m] ・・・(6)
注入室の湯当たり部の長さ(x3)が下限値を下回る場合、取鍋2のノズルから注入した溶鋼3が平坦部11aや段差部11aに直接当たり易くなり、溶損する虞があると共に溶鋼3の流れが不安定になり易い。取鍋2のノズルは、溶鋼3の注入量の調整のために100mm程度芯がズレる可能性があるため、湯当たり部11aに直接、溶鋼3を当てるためにも注入室の湯当たり部の長さ(x3)は0.5m以上あることが望ましい。
図6に示すように、平坦部11a及び段差部11aの境界と、湯当たり部11a及び段差部11aの境界との水平距離、即ち、段差部11aの水平距離を「x」、段差部11aの高低差(注入室の段差部の高さ)を「y」としたとき、段差部11a(y4/x4)の傾きは、式(7)を満たしている。
0.57≦y4/x4≦1 [-] ・・・(7)
段差部11a(y4/x4)の傾きが下限値を下回る場合、鋳造終了時に平坦部11aまでスラグが達した際に、段差部11aによってスラグを押し戻すことが難しく、スラグがタンディッシュ内で分散したり、湯当たり部11aまでスラグが到達してしまうことがある。その結果、注入室13に入ったスラグによって鋳片における介在物が増加してしまう虞がある。
段差部11a(y4/x4)の傾きが上限値を上回る場合、段差部11aと湯当たり部11aの境界が鋭利になりすぎて欠損しやすくなると共に、溶鋼3が段差部11aを通過した際に流れが速くなり過ぎて、タンディッシュ内の耐火物を溶損し易くなる。
また、段差部11aの高低差y(段差部の高さいう)は、式(8)を満たしている。
y4≧0.05 [m] ・・・(8)
段差部の高さが式(8)の下限値を下回る場合、鋳造終了時に平坦部11aまでスラグが達した際に、段差部11aによってスラグを押し戻すことが難しく、スラグが分散してしまう場合がある。その結果、注入室13に入ったスラグによって鋳片における介在物が増加してしまう虞がある。
図6に示すように、平坦部11a及び湯道16の入口18の境界と、平坦部11a及び段差部11aの境界との水平距離(入口18から段差部11aまでの水平距離)を「x」としたとき、当該水平距離xと、湯道16の湯道の内径(入口18側の横径d)との関係は、式(9)を満たしている。
0≦x5≦d2/2 [m] ・・・(9)
なお、「x」をさらに言い換えると、入口18の下端から段差部11aの開始点までの距離である。
ここで、湯道16の出口17から入ったスラグが湯道16の入口18から出た場合、図9に示すように、注入室13側では、スラグは、平面視で入口18から円弧を描きながら広がることになる。水平距離xが湯道の横径dの1/2以下の場合は、スラグが直ぐに段差部11aに到達して止まり、このスラグの幅方向の広がりは、湯道の横径d以下である。それゆえ、入口18側で広がったスラグは、後チャージの溶鋼を注入した場合などに、湯道16に溶鋼に押し戻されることになる。一方、水平距離xが湯道の横径dの1/2を超えて式(9)の上限値を上回っている場合、スラグが段差部11aに到達し難く、このスラグの幅方向の広がりは、湯道の横径dよりも大きくなる。この場合は、入口18側で広がったスラグの一部は、後チャージの溶鋼によって湯道16内に押し戻されずに残ってしまう虞がある。
上述した実施形態では、注入室13の湯当たり部11aが傾斜し(y3≧0, x3≧0)且つ平坦部11aがある(x2≧0)ことを前提として説明したが、図7に示すように、湯当たり部11aが傾斜していない(y3=0)の場合がある。この場合は、式(5)の値は、零となるが、条件を満たしているため、図7の形状も適用可能である。
また、図8に示すように、注入室13の湯当たり部11aが傾斜し(y3≧0, x3≧0)ているものの、平坦部11aが無い(x5=0)場合がある。この場合は、x=0として、上述した式を満たせばよく、図8の形状も適用可能である。
以下の説明では、図6〜図8に示したタンディッシュ4の全てに適用するとして説明を続ける。図6のタンディッシュの場合は、y3≧0, x3≧0,x5≧0、図7のタンディッシュの場合は、y3=0,x3≧0,x5≧0、図8のタンディッシュの場合は、y3≧0,x3≧0,x5=0を満たすとする。
さて、前チャージ(前ヒート)での鋳造を終了する場合は、取鍋2のノズルから注入室13への溶鋼3の注入を停止しつつ、タンディッシュ4内の溶鋼3を鋳型5に供給する。即ち、前ヒートでの鋳造を終了する場合は、タンディッシュ4内の溶鋼3の湯面を定常状態から徐々に低下させ、タンディッシュ4内の前チャージの溶鋼3をできるだけ鋳型5に供給する。このとき、注入室13及びストランド室14の湯面は徐々に下降して、湯道16の高さになった場合には、ストランド室14の湯面上のスラグが注入室13へと逆流する虞がある。
そこで、発明者は、湯道16の形状及び注入室13の形状について検証を行い。湯道16の形状及び注入室13の形状を、後述するように指数A及び指数Bに指数化したうえで、これら指数A及び指数Bが式(7)を満たすようにすることによって、ストランド室14の湯面上のスラグが注入室13へと逆流しない形状を見出した。
B≦-0.7tanh(15A-6)+1.9 ・・・(10)
A=(x1 2/(x1 2+y1 2))2・(x4 2/(x4 2+y4 2))3・((x4+x5)/x4)0.4
B=y2/x1、y2=d1(1+y1 2/x1 2)0.5-y1
次に、式(10)で示されたパラメータ、指数A、指数Bについて説明する。
図6に示すように、式(10)の「y2」は、湯道16のストランド室側の出口17と、湯道16の注入室側の入口18との高低差(湯道の上下方向の重なり度合)である。
指数Aは、「湯道と注入室の底部の形状の指数」である。即ち、指数Aにおいて、(x1 2/(x1 2+y1 2))2は、湯道の形状であって傾斜及び長さの指数であり、(x4 2/(x4 2+y4 2))3は、段差部11aの傾斜の指数であり、((x4+x5)/x4)0.4は、平坦部11aの長さ及び段差部11aの長さを指数である。指数Aの数値が小さいほど湯道の形状が急になり、スラグの逆流抑制を図ることができる。
また、上述したように、式(10)の「y」は、湯道の上下方向の重なり度合であるが、鋳造終了時に湯面を降下させ、湯面が湯道に到達した場合の状況を考えると、「y」は、「湯面下降時における注入室13とストランド室14とを湯面が繋がる上下距離」と見ることができる。また、指数Bの「x」は、湯道の水平方向の長さであり、「x」は、注入室13の入口18から段差部11aまでの平坦部11aの距離であるが、湯面が湯道に到達した場合の状況を考えると、「x+x」は、スラグが湯道から段差部11aに向かって流れる距離(スラグ逆流可能距離)と見ることができる。
つまり、指数Bが小さいほど、スラグが注入室13の段差部11aを超えて、湯当たり部11a等に到達し難く、指数Aが小さい場合は、指数Bが大きくてもスラグが注入室13に到達し難い。式(10)の範囲は、図10に示す範囲となる。式(10)を満たす場合、スラグが注入室13に入り難く、鋳造停止後、溶鋼3の湯面を下降させた場合に、ストランド室14のスラグが注入室13に逆流することを防止することができる。
以上、本発明のタンディッシュ4によれば、タンディッシュ4を、式(1)〜式(10)を満たす構造にすることによって、前チャージにおいて、ストランド室14内における溶鋼の湯面を降下させる場合に、溶鋼の湯面上に存在するスラグが、ストランド室14と注入室13とを貫通する湯道を介して注入室13に逆流することを抑制することができる。
さて、上述したタンディッシュ4を異鋼種連々鋳造に用いることによって、前チャージと後チャージの切替時におけるスラグの逆流を防止することができるが、より、下記の方法で連続鋳造することによって、よりスラグの逆流を防止することができる。
図11を用いて、異鋼種連々鋳造における前チャージと後チャージとの切替について説明する。まず、異鋼種連々鋳造においては、前チャージの溶鋼3と、後チャージの溶鋼3との成分が異なるため、溶鋼3同士が混ざることによる成分変化を防止するため(成分まじりを防止するために、前チャージの溶鋼3を出来る限り少なくしてから後チャージの溶鋼3を注入する。
鋳造をそのまま続ける稀釈鋳造では、前チャージの溶鋼3の注入終了は、図11のS1に示すように、タンディッシュ4内の湯面がストランド室14の湯道16よりも上方で行う。即ち、ストランド室14側の溶鋼の湯面が湯道16の上端より上方に位置しているときに、前チャージの溶鋼を注入室13に注入することを終了する。
図11のS2に示すように、前チャージの溶鋼3の注入終了後も、タンディッシュ4内の溶鋼3は鋳型5に供給するため、湯面は次第に低下し、湯面は湯道16の上端に達する。湯面が湯道16の上端に達すると、ストランド室14側に留まっていた湯面上のスラグが、次第にストランド室14側から注入室13側へ移動する。
ここで、図11に示すように、スラグが湯道16を移動する距離(逆流距離)を「S(US)」としたとき、スラグの逆流距離S(US)が湯道の水平方向の長さx1と平坦部11aの水平距離x5を超えないようにすればよい。即ち、式(11)を満たしながら、前チャージにおける溶鋼の湯面を、湯道16の傾斜高さy以下に低下させる。つまり、式(a)で求められる逆流距離S(US)が湯道の水平方向の長さx1+x5に到達してしまう前に、湯面を湯道16の傾斜高さy以下まで低下させる。
S(US)≦x1+x5 ・・・(11)
ただし、S(US)=124.5d2b(t/T)0.7(x1 2/(x1 2+y1 2))2(x4 2/(x4 2+y4 2))3((x4+x5)/x4)0.4(1-Fr)3 …(a)
T=98901(d2b)4/3,Fr=UL/(9.8d1)0.5,t=y2/USである。
なお、逆流距離S(US)の始点は、スラグが湯道16に入り始める地点であるため、湯道16の出口17の上端である。また、逆流距離S(US)の始点から注入室13側の水平方向を逆流距離S(US)の正としている。逆流距離S(US)は、式(a)により求めることができるが、y2>0である場合は式(a)を適用し、y2≦0である場合は、逆流距離S(US)=0とする。
そして、図11のS3に示すように、湯面を湯道16の傾斜高さy以下まで低下させた後は、後チャージの溶鋼を注入室13に注入する。即ち、後チャージの注入を開始する。なお、湯面を湯道16の傾斜高さy以下まで低下させない場合は、注入室13にスラグが逆流する。
鋳造を一端停止する鋳造でも、前チャージの溶鋼3の注入終了は、稀釈鋳造と同じである(図11のS4)。次に、図11のS5に示すように、湯面を湯道16の傾斜高さy以下まで低下させた後は、シーケンスブロックを鋳型に挿入した後(図11のS5)、後チャージの溶鋼を注入室13に注入する(図11のS6)。
さて、上述した式(a)は、水モデルの実験で求めたものである。水モデルの実験による式(a)の導出について説明する。
水モデル実験では、実機を相似的に1/3にした1/3モデルで実験を行った。水モデルのタンディッシュは、図12に示すT型タンディッシュとした。ストランド数は5ストランドとした。また、水モデルのタンディッシュにおいて、仕切堰15に設けた湯道16は、ストランド室14から注入室13へ向けて延びる直線状とした。湯道16の出口17と繋がるストランド室14の底部11aは、湯道16の出口下端以下に位置させた。
図12の1/3モデルのタンディッシュの仕切堰15は、水の流れが分かるように、透明のアクリル樹脂を用いた。水モデルでは、水を溶鋼とし、オイルをスラグとして実験を行った。水及び溶鋼の流体の物性の関係は、表1に示す通りである。また、オイル及びスラグの物性の関係は、表2に示す通りである。
水モデルでは、タンディッシュ内に水を満たし、ストランド室14側の水面には、スラグのモデルであるオイルを成層させた。一定の流量で水をストランド室14のノズルから抜き、その様子をタンディッシュ4の上方に設けたビデオカメラで撮像した。ビデオカメラの撮像では、オイルが湯道16を逆流する様子を中心に撮像した。そして、オイルが湯道16の出口17から入口18までに到達する時間を計測した。水モデルの結果は、表3の通りである。
発明者らは、水モデルの結果に基づき、湯道を通るスラグ(オイル)の移動距離について検証を行った。検証を行うにあたって、高橋らによって導出された式(b)を参考にした。式(b)は、油膜の広がりに対する液体の物性値の影響を考慮した油膜の広がり距離Sに関する実験式である。
S=1.19M(1.25+μLU)0.5(t/T)0.7 ・・・(b)
ただし、 M=5d2b/4(2(σLUUL)/ρU(1-ρUL)g)0.5
T=(8.3ρU(1-ρUL)g(d2b)2LμL)0.5/16(σLUUL)2)2/3
g:重力加速度
t:時間
なお、式(b)は、「高橋照男ら:化学工学論文集、第5巻第5号(1979)pp.526-531)」に記載されている。
上述した式(b)では、タンディッシュの底面の形状の影響、湯道におけるスラグの逆流等の影響が考慮されていない。そこで、式(b)及び水モデルの実験結果を基にして、タンディッシュの底面の形状の影響、湯道におけるスラグの逆流等が考慮された回帰式(c)を導出した。
S(US)=0.2M(1.25+μLU)0.5(t/T)0.7(x1 2/(x1 2+y1 2))2(x4 2/(x4 2+y4 2))3((x4+x5)/x4)0.4(1-Fr)3・・・(c)
ただし、 Fr=UL/(9.8d1)0.5
t=y2/US
d1:湯道の縦径
d2:湯道の横径
Us:湯面(水)の降下速度
UL:湯道内の平均溶鋼速度
b:オイル厚(スラグ厚)
そして、式(b)の液体の物性値に実機の値を代入して整理すると、上述した式(a)になる。
S(US)=124.5d2b(t/T)0.7(x1 2/(x1 2+y1 2))2(x4 2/(x4 2+y4 2))3((x4+x5)/x4)0.4(1-Fr)3
・・・(a)
ただし、 T=98901(d2b)4/3
Fr=UL/(9.8d1)0.5
t=y2/US
スラグ(オイル)の逆流距離S(US)の実測値と計算値とをまとめると、図13に示すようになった。
図13に示すように、スラグ(オイル)の逆流距離S(US)の実測値と計算値とは相関関係があることを確認できる。したがって、式(11)を満たすように、連続鋳造を行うことによって、異鋼種連々鋳造における前チャージと後チャージとの切替時、即ち、湯面の降下時に注入室13にストランド室14からのスラグが逆流することを防止することができる。
表4,5は、本発明の連続鋳造用タンディッシュ、及びそのタンディッシュを用いた連続鋳造方法を用いた実施例と、本発明とは異なるタンディッシュ及び連続鋳造方法を用いた比較例とを示している。なお、実施例及び比較例は、水モデルによる結果である。この水モデルの実験は、1/3のスケールで行った。また、実施例及び比較例での実施条件は上述した水モデルと同様である。
なお、水モデルのタンディッシュにおいて、仕切堰15に設けた湯道16は、ストランド室14から注入室13へ向けて延びる直線状とした。湯道16の出口17と繋がるストランド室14の底部11aは、湯道16の出口下端以下に位置させた。
実施例及び比較例では、スラグ逆流抑制、操業性の2項目について評価を行った。表には評価として、良好「○」、不良「×」を示した。全ての項目について良好である場合は、総合評価の欄に良好を示す「○」を示した。
図14に示すように、前チャージの鋳造終了後、湯面を降下させた場合にストランド室14のスラグが湯道16を通って注入室13に逆流することがある。この場合には、注入室13に逆流したスラグと後チャージの溶鋼3とが混ざってしまう。即ち、スラグ叩き込みが発生する。スラグ叩き込みが発生した場合、図15に示すように、稀釈連続鋳造であってもシーケンスブロックを挿入する鋳造であっても、前チャージと後チャージとを繋ぐ鋳片では、スラグ系介在物による増加した長いクロップが発生する。
このように、スラグが注入室13まで逆流してしまった場合は、長いクロップが発生するため、スラグ逆流抑制の評価は不良「×」となる。一方、スラグが湯道16を通過したものの、注入室13内に入らなかった場合は、図15に示すように、稀釈連続鋳造であってもシーケンスブロックを挿入する鋳造であっても、前チャージと後チャージとを繋ぐ鋳片の一部は、成分規格外れクロップが発生するものの、スラグ系介在物によるクロップよりも長さは非常に短い。この場合は、スラグの逆流抑制ができているため、スラグ逆流抑制の評価は良好「〇」となる。操作性の不良とは、湯道の詰まり等が発生する虞があり、耐火物の耐久性が低下すること、取鍋2の砂がストランド室14へ流出することなどを示している。
なお、図16に示すように、前チャージと後チャージとの切替において、前チャージの湯面を低くせずに、即ち、湯面を湯道に到達させる前に溶鋼を注入した場合、図17に示すように、稀釈連続鋳造であってもシーケンスブロックを挿入する鋳造であっても、前チャージの溶鋼と後チャージの溶鋼とが大量に混ざり成分が規格から外れる長いクロップが発生する。
実施例では、タンディッシュは、式(1)〜式(10)及び式(11)を全て満たしているため、スラグ逆流抑制及び操作性も良好であった。
一方、比較例1では、式(1)の下限値を下回っており、比較例2では、式(2)の上限値を上回っている。また、比較例3では、式(3)の上限値を上回っており、比較例4では、式(4)の上限値を上回っている。比較例5では、式(4)の下限値を下回っている。比較例6では、式(7)の上限値を上回っている。比較例7では、式(3)の下限値を下回っており、比較例8では、式(9)を満たしていない。比較例9では、式(8)の下限値を下回っている。比較例10及び11では、式(10)を満たしていない。したがって、比較例1〜8では、操業性が不良であった。
また、比較例12では、式(11)を満たしていないため、スラグ逆流抑制が不良であった。
以上、本発明によれば、タンディッシュの形状や連続鋳造の鋳造方法を適正に設定することにより、操業性を確保しつつ、スラグが逆流して注入室に入ることを抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 連続鋳造装置
2 取鍋
3 溶鋼
4、4a、4b、4c タンディッシュ
5 鋳型
6 鋳片
7 サポートロール
10 注入口
11 底部
11a 注入室側の底部
11a平坦部
11a傾斜部
11a湯当たり部(連続部)
11b ストランド室側の底部
11b出口と繋がる底部
12 周壁
13 注入室
14 ストランド室
15 仕切堰
16 湯道
17 出口
18 入口

Claims (2)

  1. 取鍋からの溶鋼が注入される注入室と、前記溶鋼を鋳型に装入する注入口を有するストランド室と、前記注入室と前記ストランド室とを仕切る仕切堰と、前記仕切堰に設けられ且つ前記注入室から前記ストランド室へ直線状に貫通する湯道と、を備えたタンディッシュであって、
    前記湯道の出口と繋がる前記ストランド室の底部は、前記湯道の出口の下端以下に位置し、且つ、式(1)〜式(10)を満たしていることを特徴とする連続鋳造用のタンディッシュ。
    0.08≦D (円相当径) [m] ・・・(1)
    d1≦0.3 [m] ・・・(2)
    0.115≦(x1 2+y1 2)0.5≦1 [m] ・・・(3)
    0.05≦y1/x1≦1 [-] ・・・(4)
    0≦y3/x3≦0.36 [-] ・・・(5)
    x3≧0.5 [m] ・・・(6)
    0.57≦y4/x4≦1 [-] ・・・(7)
    y4≧0.05 [m] ・・・(8)
    0≦x5≦d2/2[m] ・・・(9)
    B≦-0.7tanh(15A-6)+1.9 ・・・(10)
    ただし、A=(x1 2/(x1 2+y1 2))2・(x4 2/(x4 2+y4 2))3・((x4+x5)/x4)0.4
    B=y2/x1、y2=d1(1+y1 2/x1 2)0.5-y1
    D:湯道の円相当径
    d1:湯道の縦径
    d 2 :湯道の横径
    x1:湯道の水平方向の長さ
    y1:湯道の上下方向の高さ
    x2:注入室の水平方向の長さ
    y2湯道のストランド室側の出口の上端と、湯道の注入室側の入口の下端との高低差
    x3:注入室の湯当たり部の長さ
    y3:注入室の湯当たり部の高さ
    x4:注入室の段差部の水平距離
    x5:注入室の入口から段差までの平坦部の距離
    y4:注入室の段差部の高さ
  2. 請求項1に記載された連続鋳造用のタンディッシュを用いて連続鋳造を行うに際し、
    前記ストランド室側の溶鋼の湯面が前記湯道の上端より上方に位置しているときに、前チャージの溶鋼を注入室に注入することを終了し、
    式(11)を満たしながら、前記前チャージにおける溶鋼の湯面を、前記湯道の傾斜高さy以下に低下させた後、後チャージの溶鋼における前記注入室への注入を開始することを特徴とする連続鋳造方法。
    S(U S )≦x 1 +x 5 ・・・(11)
    ただし、
    S(US)=124.5d2b(t/T)0.7(x1 2/(x1 2+y1 2))2(x4 2/(x4 2+y4 2))3((x4+x5)/x4)0.4(1-Fr)3
    T=98901(d2b)4/3
    Fr=UL/(9.8d1)0.5
    t=y2/US
    Us:溶鋼の湯面降下速度 [m/s]
    UL:湯道内の平均溶鋼速度 [m/s]
    b:スラグ厚 [m]
    S(US):湯道内をスラグが逆流する距離 [m]
    Fr:フルード数 [-]
    t:湯面がストランド室側の湯道上端に達してから注入室側の湯道下端に達するまでの時間 [s]
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