JP6454182B2 - ボールジョイント用ボールシートおよびこれを有するボールジョイント - Google Patents

ボールジョイント用ボールシートおよびこれを有するボールジョイント Download PDF

Info

Publication number
JP6454182B2
JP6454182B2 JP2015044579A JP2015044579A JP6454182B2 JP 6454182 B2 JP6454182 B2 JP 6454182B2 JP 2015044579 A JP2015044579 A JP 2015044579A JP 2015044579 A JP2015044579 A JP 2015044579A JP 6454182 B2 JP6454182 B2 JP 6454182B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
ball
semi
aromatic
elastomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015044579A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016164430A (ja
Inventor
剛 田崎
剛 田崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2015044579A priority Critical patent/JP6454182B2/ja
Publication of JP2016164430A publication Critical patent/JP2016164430A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6454182B2 publication Critical patent/JP6454182B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ボールジョイント用ボールシートに関する。さらに詳しくは、摺動性および耐久性に優れるボールジョイント用のボールシート、およびこれを有するボールジョイントに関する。
ボールジョイントは、一般に、車両用のサスペンションあるいはステアリング装置などに用いられる構成部品である。ボールジョイントの構成としては、ロッドの少なくとも一端にボールヘッドを有してなるボールスタッドと、該ボールヘッドを回転可能な状態で収容するボールシートとを少なくとも有するものが挙げられる。
ボールジョイント用ボールシートを構成する材料として、ポリアミド樹脂をはじめとする合成樹脂を用いた例が知られている。例えば特許文献1には、一端に球頭部を有するボールスタッドと、前記球頭部を覆う樹脂シートと、前記樹脂シートおよび球頭部を収容する収容室を有するハウジングとを含み、前記樹脂シートを、ガラス転移温度Tgが+120℃以上の熱可塑性樹脂で形成したボールジョイントが開示され、該熱可塑性樹脂としてポリアミド9Tなどが挙げられている。特許文献2にはボールシート用の合成樹脂製のボールシートが開示され、該ボールシートを形成する合成樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリアリーレート樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタンエラストマー系樹脂、ポリエーテルケトン樹脂およびポリエステルエラストマー系樹脂などが好ましい例として挙げられている。
特開2009−299710号公報 特開2012−52602号公報
ボールジョイント用ボールシートには、摺動性および耐久性が要求される。該ボールシートの耐久性に関しては、ボールジョイントを組み付け挿入する際に変形による割れが発生し難く、ボールジョイントの軸動作時の変形にも追従可能な機械的物性を有すること、耐摩耗性を有すること、およびボールジョイントを繰り返し揺動させた後にもトルク変動が少ないこと、などが求められる。
しかしながら、ポリアミド樹脂により構成されるボールシートは引張強度には優れるものの、摺動性や耐久性には改善の余地がある。
以上の事情を鑑み、本発明は摺動性および上述した耐久性に優れるボールジョイント用ボールシート、および該ボールシートを有するボールジョイントを提供することを課題とする。
本発明者らは、特定のポリアミド樹脂およびエラストマーを所定の割合で含むボールシートとすることにより上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記[1]〜[5]に関する。
[1]半芳香族ポリアミド(A)とエラストマー(B)とを含有するボールジョイント用ボールシートであって、該エラストマー(B)がα−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体、並びにこれらをカルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物で変性した重合体から選ばれる少なくとも1種であり、該半芳香族ポリアミド(A)および該エラストマー(B)の総量を100質量%とした場合に、該半芳香族ポリアミド(A)の含有量が80〜99質量%、該エラストマー(B)の含有量が1〜20質量%である、ボールジョイント用ボールシート。
[2]前記半芳香族ポリアミド(A)が芳香族ジカルボン酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位と、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを含む、上記[2]に記載のボールシート。
[3]前記芳香族ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位および/またはナフタレンジカルボン酸単位である、上記[2]に記載のボールシート。
[4]前記エラストマー(B)がα−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー、並びに芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体から選ばれる重合体を、カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物で変性した重合体である、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のボールシート。
[5]上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のボールシートを有するボールジョイント。
本発明によれば、摺動性および耐久性に優れるボールシート、および該ボールシートを有するボールジョイントを提供することができる。本発明のボールジョイントは特に自動車などの車両用サスペンションあるいはステアリング装置において好適に用いられる。
本発明のボールシートおよびボールジョイントの実施形態の一例を示す断面模式図である。
[ボールジョイント用ボールシート]
本発明のボールジョイント用ボールシート(以下、単に「ボールシート」ともいう)は、半芳香族ポリアミド(A)とエラストマー(B)とを含有し、該エラストマー(B)がα−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体、並びにこれらをカルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物で変性した重合体から選ばれる少なくとも1種であり、該半芳香族ポリアミド(A)および該エラストマー(B)の総量を100質量%とした場合に、該半芳香族ポリアミド(A)の含有量が80〜99質量%、該エラストマー(B)の含有量が1〜20質量%であることを特徴とする。
本発明のボールシートは、上記(A)および(B)成分を上記割合で含むことにより、摺動性および耐久性が良好なものとなる。この理由については定かではないが、本発明のボールシートが半芳香族ポリアミド(A)に加えて所定量のエラストマー(B)を含むと、強度を保持しつつ適度な靭性が付与されるため、ボールジョイントを組み付け挿入する際に変形による割れが発生し難く、ボールジョイントの軸動作時の変形にも追従可能になると考えられる。また、上記効果に伴い耐摩耗性や摺動性も向上すると考えられる。
<半芳香族ポリアミド(A)>
本発明において半芳香族ポリアミドとは、芳香族ジカルボン酸単位を主成分とするジカルボン酸単位と、脂肪族ジアミン単位を主成分とするジアミン単位とを含む半芳香族ポリアミド(a1)、または、脂肪族ジカルボン酸単位を主成分とするジカルボン酸単位と、芳香族ジアミン単位を主成分とするジアミン単位とを含む半芳香族ポリアミド(a2)をいう。ここで「主成分とする」とは、全単位中50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%の範囲で含有することをいう。
本発明のボールシートは、半芳香族ポリアミド(A)を含むことにより機械的強度、摺動性、および寸法安定性が良好である。
本発明に用いる半芳香族ポリアミド(A)としては、芳香族ジカルボン酸単位を主成分とするジカルボン酸単位と、脂肪族ジアミン単位を主成分とするジアミン単位とを含む半芳香族ポリアミド(a1)が好ましく、半芳香族ポリアミド(a1)の中でも、芳香族ジカルボン酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位と、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを含む半芳香族ポリアミドがより好ましい。
以下、半芳香族ポリアミド(a1)についてより詳細に説明する。
(半芳香族ポリアミド(a1))
半芳香族ポリアミド(a1)を構成するジカルボン酸単位は、芳香族ジカルボン酸単位を主成分とするものである。これにより、ボールシートの高温領域での強度、および耐久性が向上する。ジカルボン酸単位における芳香族ジカルボン酸単位の含有率は、75〜100モル%の範囲にあることがより好ましく、90〜100モル%の範囲にあることがさらに好ましい。
芳香族ジカルボン酸単位としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を含むことができる。
中でも、半芳香族ポリアミド(a1)を構成するジカルボン酸単位は、テレフタル酸単位および/またはナフタレンジカルボン酸単位であることが好ましく、テレフタル酸単位であることがより好ましい。なお、ナフタレンジカルボン酸単位としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、および1,4−ナフタレンジカルボン酸から誘導される単位が挙げられ、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位が好ましい。
半芳香族ポリアミド(a1)を構成するジカルボン酸単位は、好ましくは50モル%以下の範囲で、芳香族ジカルボン酸単位以外の他のジカルボン酸単位を含んでもよい。かかる他のカルボン酸単位としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;などから誘導される単位を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を含むことができる。ジカルボン酸単位におけるこれらの他のジカルボン酸単位の含有率は、25モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸から誘導される単位を溶融成形が可能な範囲内で含んでいてもよい。
また、半芳香族ポリアミド(a1)を構成するジアミン単位は、脂肪族ジアミン単位を主成分とするものである。該ジアミン単位は、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含有することが好ましい。炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位をこの割合で含有する半芳香族ポリアミドを使用すると、靭性、摺動性、耐熱性、成形性、低吸水性、軽量性に優れたボールシートが得られる。ジアミン単位における炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位の含有率は、75〜100モル%の範囲にあることがより好ましく、90〜100モル%の範囲にあることがさらに好ましい。
上記の炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位としては、例えば、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミンなどの直鎖状脂肪族ジアミン;2−メチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの分岐鎖状脂肪族ジアミン;などから誘導される単位を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を含むことができる。
上記の炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位は、ボールシートの摺動性および耐久性の観点から、炭素数6〜18の脂肪族ジアミン単位であることが好ましく、炭素数8〜12の脂肪族ジアミン単位であることがより好ましく、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位であることがさらに好ましく、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位であることがさらに好ましい。ジアミン単位が1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を共に含む場合には、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比は、1,9−ノナンジアミン単位/2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位=95/5〜40/60の範囲にあることが好ましく、90/10〜50/50の範囲にあることがより好ましく、85/15〜40/60の範囲にあることがさらに好ましい。
半芳香族ポリアミド(a1)を構成するジアミン単位は、好ましくは40モル%以下の範囲で、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位以外の他のジアミン単位を含んでもよい。かかる他のジアミン単位としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を含むことができる。ジアミン単位におけるこれらの他のジアミン単位の含有率は25モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。
半芳香族ポリアミド(a1)は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、アミノカルボン酸単位を含んでいてもよい。当該アミノカルボン酸単位としては、例えば、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などから誘導される単位を挙げることができ、アミノカルボン酸単位は、2種以上含まれていてもよい。半芳香族ポリアミド(a1)におけるアミノカルボン酸単位の含有率は、半芳香族ポリアミド(a1)を構成する全モノマー単位100モル%に対して、40モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。
半芳香族ポリアミド(a1)は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、ラクタム単位を含んでいてもよい。当該ラクタム単位としては、例えば、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ラウリルラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドンなどなどから誘導される単位を挙げることができ、ラクタム単位は2種以上含まれていてもよい。半芳香族ポリアミド(a1)におけるラクタム単位の含有率は、半芳香族ポリアミド(a1)を構成する全モノマー単位100モル%に対して、40モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。
代表的な半芳香族ポリアミド(a1)としては、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリアミド6Iとポリアミド6Tとの共重合体(ポリアミド6I/6T)、およびポリアミド6Tとポリウンデカンアミド(ポリアミド11)との共重合体(ポリアミド6T/11)などが挙げられる。
(半芳香族ポリアミド(a2))
脂肪族ジカルボン酸単位を主成分とするジカルボン酸単位と、芳香族ジアミン単位を主成分とするジアミン単位とを含む半芳香族ポリアミド(a2)は、ジカルボン酸単位における脂肪族ジカルボン酸単位の含有率が50〜100モル%であり、75〜100モル%の範囲にあることがより好ましく、90〜100モル%の範囲にあることがさらに好ましい。脂肪族ジカルボン酸単位としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位が挙げられ、これらのうち1種または2種以上含むことができる。
また半芳香族ポリアミド(a2)におけるジアミン単位は、芳香族ジアミン単位を60〜100モル%含有することが好ましく、75〜100モル%含有することがより好ましく、90〜100モル%含有することがさらに好ましい。芳香族ジアミン単位としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンから誘導される単位が挙げられ、これらのうち1種または2種以上含むことができる。
半芳香族ポリアミド(a2)は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他の単位を含んでもよい。他の単位としては、脂肪族ジカルボン酸単位以外のジカルボン酸単位、芳香族ジアミン単位以外のジアミン単位、並びに、半芳香族ポリアミド(a1)において例示したアミノカルボン酸単位、ラクタム単位などが挙げられる。他の単位の含有率は、半芳香族ポリアミド(a1)の場合と同様である。
代表的な半芳香族ポリアミド(a2)としては、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)、ポリパラキシリレンセバカミド(PXD10)などが挙げられる。
半芳香族ポリアミド(A)は、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましい。分子鎖の末端基が末端封止剤により封止されている割合(末端封止率)は、20%以上であることがより好ましい。末端封止率が10%以上の半芳香族ポリアミド(A)を使用すると、溶融安定性などがより優れたボールシートを得ることができる。
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましく、取扱いの容易さなどの点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを末端封止剤として使用することもできる。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらのなかでも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましい。
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらのなかでも、反応性、沸点、封止末端の安定性、価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
半芳香族ポリアミド(A)の末端封止率は、半芳香族ポリアミド(A)に存在しているカルボキシル基末端、アミノ基末端および末端封止剤によって封止された末端基の数をそれぞれ測定し、下記の式(1)に従って求められる。各末端基の数は、H−NMRにより各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めるのが精度、簡便さの点で好ましい。
末端封止率(%)=[(T−S)/T]×100 (1)
[式中、Tは半芳香族ポリアミド(A)の分子鎖の末端基の総数(これは通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい)を表し、Sは封止されずに残ったカルボキシル基末端およびアミノ基末端の合計数を表す。]
半芳香族ポリアミド(A)は、ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造できる。例えば、ジカルボン酸単位とジアミン単位とを含むポリアミドであれば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出重合法などの方法により製造できる。
半芳香族ポリアミド(A)を製造する際に、触媒として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、それらの塩またはエステルなどを添加することができる。上記の塩またはエステルとしては、例えば、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸と、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなどの金属との塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のアンモニウム塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸の、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどが挙げられる。中でも次亜リン酸ナトリウムと亜リン酸が、安価で、かつポリアミド製造時の副生成物であるトリアミンの生成量が少なくなるため好ましい。
半芳香族ポリアミド(A)は、濃硫酸中、30℃の条件下で測定した極限粘度[η]が、0.6〜2.0dl/gの範囲にあることが好ましく、0.7〜1.9dl/gの範囲にあることがより好ましく、0.8〜1.8dl/gの範囲にあることがさらに好ましい。極限粘度が0.6dl/g以上の半芳香族ポリアミド(A)を使用すれば、ボールシートの機械的物性が良好になる。また極限粘度が2.0dl/g以下の半芳香族ポリアミド(A)を使用すれば、成形性が良好である。
半芳香族ポリアミド(A)は、その末端アミノ基含量([NH])が5〜60μモル/gであることが好ましく、5〜50μモル/gの範囲内にあることがより好ましく、5〜30μモル/gの範囲内にあることがさらに好ましい。末端アミノ基含量([NH])が5μモル/g以上であれば、半芳香族ポリアミド(A)と、後述するエラストマー(B)との相容性が良好である。また、該末端アミノ基含量が60μモル/g以下であれば、長期耐熱性の低下、ウエルド強さの低下を回避できる。
本明細書でいう末端アミノ基含量([NH])は、半芳香族ポリアミド(A)が1g中に含有する末端アミノ基の量(単位:μモル)を指し、指示薬を用いた中和滴定法より求めることができる。
ジカルボン酸単位とジアミン単位とを含み、末端アミノ基含量([NH])が上記した範囲にある半芳香族ポリアミド(A)は、例えば、以下のようにして製造できる。
まず、ジカルボン酸、ジアミン、および必要に応じてアミノカルボン酸、ラクタム、触媒、末端封止剤を混合し、ナイロン塩を製造する。この際、上記の反応原料に含まれる全てのカルボキシル基のモル数(X)と全てのアミノ基のモル数(Y)が下記の式(2)
−0.5≦[(Y−X)/Y]×100≦2.0 (2)
を満足するようにすると、末端アミノ基含量([NH])が5〜60μモル/gである半芳香族ポリアミド(A)を製造し易くなり好ましい。次に、生成したナイロン塩を200〜250℃の温度に加熱し、濃硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gのプレポリマーとし、さらに高重合度化することにより、本発明において使用される半芳香族ポリアミド(A)を得ることができる。プレポリマーの極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gの範囲内にあると、高重合度化の段階においてカルボキシル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さらに分子量分布の小さい、各種性能や成形性により優れた半芳香族ポリアミド(A)が得られる。高重合度化の段階を固相重合法により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うことが好ましく、重合温度が200〜280℃の範囲内であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色およびゲル化を有効に抑制することができる。また、高重合度化の段階を溶融押出機により行う場合、重合温度は370℃以下であることが好ましく、かかる条件で重合を行うと、ポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の少ない半芳香族ポリアミド(A)が得られる。
また、末端アミノ基含量([NH])が異なる複数種のポリアミドを併用することによっても、所望とする末端アミノ基含量([NH])を有する半芳香族ポリアミド(A)とすることができる。複数種のポリアミドを併用する場合には、複数種のポリアミドは、エラストマー(B)と溶融混練する前に予め混合して使用しても、予め混合していない状態で使用してもよい。
<エラストマー(B)>
本発明のボールシートは、エラストマー(B)として、α−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体、並びにこれらをカルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物で変性した重合体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
本発明のボールシートは上記特定のエラストマー(B)を含むことにより、摺動性および耐久性に優れるものとなる。
エラストマー(B)として用いられるα−オレフィン系共重合体としては、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体や、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体などが挙げられる。
炭素数3以上のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンが挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
また、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエンなどの非共役ジエンのポリエンを共重合してもよい。これらは1種または2種以上を用いることができる。
エラストマー(B)として用いられる(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体は、エチレンおよび/またはプロピレンとα,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル単量体を共重合した重合体である。α,β−不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられ、α,β−不飽和カルボン酸エステル単量体としては、これら不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステルなどが挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
エラストマー(B)として用いられるアイオノマーは、オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が金属イオンの中和によりイオン化されたものである。オレフィンとしては、エチレンが好ましく用いられ、α,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられるが、ここに例示したものに限定されるものではなく、不飽和カルボン酸エステル単量体が共重合されていてもよい。また、金属イオンはLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の他、Al、Sn、Sb、Ti、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Cdなどが挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
また、エラストマー(B)として用いられる芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックからなるブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックを少なくとも1個と、共役ジエン系重合体ブロックを少なくとも1個有するブロック共重合体が用いられる。また、上記のブロック共重合体では、共役ジエン系重合体ブロックにおける不飽和結合が水素添加されていてもよい。
芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位から主としてなる重合体ブロックである。その場合の芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を用いることができる。また、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、場合により少量の他の不飽和単量体からなる構造単位を有していてもよい。共役ジエン系重合体ブロックは、1,3−ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン化合物の1種または2種以上から形成された重合体ブロックであり、水素添加した芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体では、その共役ジエン重合体ブロックにおける不飽和結合部分の一部または全部が水素添加により飽和結合になっている。
芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体およびその水素添加物の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状、またはそれら任意の組み合わせのいずれであってもよい。これらの中でも、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体および/またはその水素添加物として、1個の芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと1個の共役ジエン系重合体ブロックが直鎖状に結合したジブロック共重合体、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック−共役ジエン系重合体ブロック−芳香族ビニル化合物系重合体ブロックの順に3つの重合体ブロックが直鎖状に結合しているトリブロック共重合体、およびそれらの水素添加物の1種または2種以上が好ましく用いられ、未水添または水添スチレン/ブタジエンブロック共重合体、未水添または水添スチレン/イソプレンブロック共重合体、未水添または水添スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、未水添または水添スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、未水添または水添スチレン/イソプレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
エラストマー(B)は、上記重合体、すなわちα−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー、並びに芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体から選ばれる重合体を、カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物で変性した重合体(以下、単に「変性重合体」ともいう)でもよい。本発明に用いるエラストマー(B)は上記変性重合体であることが好ましい。半芳香族ポリアミド(A)が有する末端アミノ基と、上記変性重合体が有するカルボキシル基および/または酸無水物基とが反応することによって、(A)相と(B)相との界面の親和性が強くなり、耐衝撃性や伸び特性などの機械的物性がより向上するためである。
上記変性重合体における、カルボキシル基を有する不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などが挙げられる。また、酸無水物基を有する不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和結合を有するジカルボン酸無水物などが挙げられる。当該カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物としては、α,β−不飽和結合を有するジカルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
上記変性重合体における、カルボキシル基および酸無水物基の含有量は、25〜200μモル/gの範囲内にあることが好ましく、50〜100μモル/gの範囲内にあることがより好ましい。上記した官能基の含有量が25μモル/g以上であれば、機械的特性の改良効果が充分であり、一方200μモル/g以下であれば、ボールシートの成形性が低下することを回避できる。
カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物による変性方法としては、上記のα−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体(以下「ベース樹脂」ともいう)を付加重合によって製造する際に、カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物と共重合させる方法や、上記のベース樹脂にカルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物をグラフト化反応させる方法が挙げられる。なかでも、上記のベース樹脂にカルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物をグラフト化反応することにより変性することが好ましい。
エラストマー(B)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。本発明の効果を得る観点からは、エラストマー(B)はα−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー、並びに芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体から選ばれる重合体を、カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物で変性した重合体であることが好ましく、α−オレフィン系共重合体をカルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物で変性した重合体がより好ましく、エチレン−プロピレン共重合体の無水マレイン酸変性体がさらに好ましい。
本発明に用いられるエラストマー(B)の市販品としては、三井化学(株)製「タフマー」などが挙げられる。
本発明のボールシートは、半芳香族ポリアミド(A)およびエラストマー(B)の総量を100質量%とした場合に、半芳香族ポリアミド(A)の含有量が80〜99質量%、エラストマー(B)の含有量が1〜20質量%である。(A)成分と(B)成分との含有割合が上記範囲であると、摺動性および耐久性に優れるボールシートを得ることができる。エラストマー(B)の含有量が1質量%未満であると変形に伴う割れが発生しやすく、軸動作時の変形にも追従し難くなり、摺動性および耐磨耗性も低下する。またエラストマー(B)の含有量が20質量%を超えると、引張強度が低下する。
本発明の効果を得る観点から、本発明のボールシートは半芳香族ポリアミド(A)およびエラストマー(B)の総量を100質量%とした場合に、半芳香族ポリアミド(A)の含有量が85〜99質量%、エラストマー(B)の含有量が1〜15質量%であることが好ましく、半芳香族ポリアミド(A)の含有量が90〜99質量%、エラストマー(B)の含有量が1〜10質量%であることがより好ましく、半芳香族ポリアミド(A)の含有量が92〜98質量%、エラストマー(B)の含有量が2〜8質量%であることがさらに好ましく、半芳香族ポリアミド(A)の含有量が93〜97質量%、エラストマー(B)の含有量が3〜7質量%であることがよりさらに好ましい。
また本発明の効果を得る観点から、本発明のボールシートにおける半芳香族ポリアミド(A)およびエラストマー(B)の総量は、ボールシート全体を100質量%とした場合、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%である。
本発明のボールシートは、必要に応じて、半芳香族ポリアミド(A)およびエラストマー(B)以外の他の樹脂、充填剤、結晶核剤、熱、光または酸素に対する安定化剤、銅系安定剤、着色剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤などの他の成分を含んでもよい。
他の樹脂としては、例えば、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシドなどのポリエーテル樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリスルホン樹脂;ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルスルホンなどのポリチオエーテル系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトンなどのポリケトン系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのポリニトリル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルなどのポリメタクリレート系樹脂;ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン−メチルアクリレート共重合体などのポリ塩化ビニル系樹脂;酢酸セルロース、酪酸セルロースなどのセルロース系樹脂;ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体などのフッ素系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのポリイミド系樹脂;熱可塑性ポリウレタン樹脂;などが挙げられる。
充填剤としては、例えば、ガラス繊維などの繊維状充填剤、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、二酸化チタン、チタン酸カリウム、水酸化マグネシウム、二硫化モリブデンなどの粉末状充填剤;ハイドロタルサイト、ガラスフレーク、マイカ、クレー、モンモリロナイト、カオリンなどのフレーク状充填剤などが挙げられる。
結晶核剤としては、ポリアミドの結晶核剤として一般的に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、これらの任意の混合物などが挙げられる。これらのうちでも、ポリアミドの結晶化速度を増大させる効果が大きいことから、タルクが好ましい。結晶核剤は、半芳香族ポリアミドとの相容性を向上させる目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などで処理されていてもよい。
熱、光または酸素に対する安定化剤としては、ポリアミドの安定化剤として一般的に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、フェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸フェニル化合物、エポキシ化合物、ホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物、リン系化合物、チオ系化合物、チオエーテル系化合物、スズ化合物、ハロゲン化金属などが挙げられる。好ましくは、周期律表第I族の金属(例、ナトリウム、カリウム、リチウム)のハロゲン化物(例、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、銅(I)ハロゲン化物(例、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I))、周期律表第I族の金属のハロゲン化物と銅(I)ハロゲン化物との組み合わせであり、銅(I)ハロゲン化物がより好ましい。
可塑剤としては、ポリアミドの可塑剤として一般的に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、ベンゼンスルホン酸アルキルアミド系化合物、トルエンスルホン酸アルキルアミド系化合物、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル系化合物などが挙げられる。
滑剤としては、ポリアミドの滑剤として一般的に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、高級脂肪酸系化合物、オキシ脂肪酸系化合物、脂肪酸アミド系化合物、アルキレンビス脂肪酸アミド系化合物、脂肪酸低級アルコールエステル系化合物、金属石鹸系化合物、ポリオレフィンワックスなどが挙げられる。脂肪酸アミド系化合物、例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミドなどは、外部滑性効果に優れるため好ましい。
ボールシートにおけるこれらの他の成分の含有量は、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
本発明のボールシートの製造方法には特に制限はなく、一般に熱可塑性樹脂材料の成形に使用される、射出成形などの成形方法を用いて製造することができる。また各種成形方法を組み合わせた成形方法を採用することもできる。例えば、半芳香族ポリアミド(A)、エラストマー(B)、および必要に応じてその他の成分をドライブレンドした混合物を溶融混練して樹脂組成物を調製した後、ペレット化し、該ペレットを射出成形などの各種成形に供する方法などが挙げられる。
本発明のボールシートは、機械的強度が高く、かつ靭性を有する。具体的には、ISO527に規定される方法で測定した引張強度が好ましくは70MPa以上、より好ましくは75MPa以上であり、引張伸度が好ましくは9%以上、より好ましくは10%以上である。引張伸度は、過度な変形を抑制する観点および強度の観点から、好ましくは50%以下である。ボールシートの引張強度および引張伸度が上記範囲であると、組み付け挿入する際にも変形による割れが発生し難く、ボールジョイントの軸動作時の変形にも追従可能であり、並びに、ボールジョイントを繰り返し揺動させた後にもトルク変動が少なく、耐久性が良好である。
ボールシートの引張強度および引張伸度は、ISO527に規定される方法で測定され、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
また本発明のボールシートは、摺動性および耐磨耗性にも優れる。ボールシートの摺動性は動摩擦係数、耐摩耗性は磨耗量を測定することにより評価できる。ボールシートの動摩擦係数および磨耗量は、JIS K7218−Aに規定される方法で、荷重10kgf/cmの条件にて測定される。摺動性の観点から、上記条件で測定されるボールシートの動摩擦係数は好ましくは0.25以下、より好ましくは0.20以下である。また耐摩耗性の観点から、上記条件で測定されるボールシートの磨耗量は、好ましくは100mg以下、より好ましくは50mg以下である。
ボールシートの上記動摩擦係数および磨耗量は、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
[ボールジョイント]
本発明のボールジョイントは、上述した本発明のボールシートを有する。図1は本発明のボールシートおよびこれを有するボールジョイントの実施形態の一例を示す断面模式図である。図1において、ボールジョイント1は、ロッド21の少なくとも一端にボールヘッド22を有してなるボールスタッド2と、ボールヘッド22を回転可能な状態で収容するボールシート3とを少なくとも有する。ボールヘッド22とボールシート3とが接する面には、通常グリースが充填されている。グリースの種類には特に制限はないが、潤滑剤成分として、二硫化モリブデン、金属石鹸などの固体潤滑剤;鉱油、合成油、ワックスなどの液体潤滑剤;フッ素系樹脂、ポリオレフィンなどを含むものが挙げられる。
ボールヘッド22はボールシート3に覆われるように嵌合し、かつボールシート3内において回転可能な状態で収容されている。ボールシート3は開口部を有し(図1のボールシート3の上部側)、該開口部から、ボールヘッド22に接合されたロッド21が突出している。ボールシート3の開口部の他端側は封止されているが、該他端側内側に、グリース充填用の溝部31(図示せず)を設けてもよい。
外部応力から保護するため、ボールヘッド22およびボールシート3は、さらにハウジング4に収容されていることが好ましい。
本発明のボールシート3は、例えばその開口部からボールヘッド部を組み付け挿入する際にも変形に伴う割れが少ない。
なお本発明のボールジョイントは、ボールスタッドのロッドの他端に、同様の形状のボールヘッド、ボールシートおよびハウジングを有してもよい。
ボールシート以外のボールジョイントの構成部材の材質には特に制限はなく、ボールジョイントの使用部位や用途に応じて選択することができる。ボールスタッド2は炭素鋼、合金鋼、チタン合金などの金属製であることが好ましい。
本発明のボールジョイントは、特に自動車などの車両用サスペンションあるいはステアリング装置において好適に用いられる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における各評価は、以下に示す方法に従って行った。
(融点)
ポリアミドの融点は、メトラー・トレド(株)製の示差走査熱量分析装置「DSC822」を使用して、窒素雰囲気下で、30℃から360℃へ10℃/minの速度で昇温した時に現れる融解ピークのピーク温度を融点(℃)とした。なお、融解ピークが複数ある場合は最も高温側の融解ピークのピーク温度を融点とした。
(極限粘度[η])
濃硫酸中、30℃にて、0.05,0.1,0.2,0.4g/dlの濃度の試料の固有粘度(ηinh)を測定し、これを濃度0に外挿した値を極限粘度[η]とした。
ηinh=[ln(t1/t0)]/c
〔式中、ηinhは固有粘度(dl/g)を表し、t0は溶媒の流下時間(秒)を表し、t1は試料溶液の流下時間(秒)を表し、cは溶液中の試料の濃度(g/dl)を表す。〕
(引張強度および引張伸度)
ボールシートの耐久性は、ISO527に規定される方法で引張強度および引張伸度を測定することにより評価した。各実施例等で使用したポリアミドまたはポリアミド樹脂組成物をシリンダー温度320℃、金型温度140℃で射出成形し、ISO527に規定される所定の大きさの試験片を作製して評価に用いた。
引張強度70MPa以上、引張伸度9%以上であれば、ボールシートとしての機械的強度および耐久性は良好である。
(動摩擦係数)
ボールシートの摺動性は、JIS K7218−Aに規定される方法で、荷重10kgf/cmの条件にて動摩擦係数を測定することにより評価した。動摩擦係数が0.25以下であれば、ボールシートとしての摺動性は良好である。
(磨耗量)
ボールシートの耐磨耗性は、JIS K7218−Aに規定される方法で、荷重10kgf/cmの条件にて磨耗量を測定することにより評価した。磨耗量が100mg以下であれば、ボールシートとしての耐摩耗性は良好である。
(揺動トルク試験)
各実施例等で使用したポリアミドまたはポリアミド樹脂組成物を用いて、射出成形法により図1に示すボールシートを作製し、これにボールスタッドを組み付け挿入して、図1の構成を有するボールジョイントを作製した。このボールジョイントを用いて荷重4kN、温度70℃において揺動トルク試験を50万回行い、以下の基準で評価した。
A:50万回揺動後のトルクの変動率が10%未満
C:50万回揺動後のトルクの変動率が10%以上
製造例1(半芳香族ポリアミドPA1の製造)
テレフタル酸5111.2g(29.7モル)、1,9−ノナメチレンジアミン4117.6g(26.0モル)、2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミン726.6g(4.59モル)、末端封止剤として酢酸110.4g(1.84モル)、触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物10g、および蒸留水2.5Lを、内容積40Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。2時間かけて内部温度を200℃に昇温した。この時、オートクレーブは2MPaまで昇圧した。その後、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2MPaに保ちながら2時間反応させた。次いで、30分かけて圧力を1.2MPaまで下げ、プレポリマーを得た。このプレポリマーを粉砕し、120℃、減圧下で12時間乾燥した。これを温度230℃、圧力13.3Paの条件で10時間固相重合し、融点300℃、極限粘度1.2dl/g、末端アミノ基含量7.5μモル/gの半芳香族ポリアミドPA1を得た。
実施例1
半芳香族ポリアミド(A)として製造例1で得られた半芳香族ポリアミドPA1、エラストマー(B)として、エチレン−プロピレン共重合体を無水マレイン酸で変性した変性重合体「タフマー」(三井化学(株)製)とを用いた。
半芳香族ポリアミドPA1を減圧下、120℃で24時間乾燥し、該PA1とエラストマーとを質量比95/5でドライブレンドし、樹脂混合物を調製した。該樹脂混合物を二軸押出機(スクリュー径:30mm、L/D=28、シリンダー温度320℃、回転数150rpm)のホッパーからフィードして溶融混練し、ストランド状に押出した後、ペレタイザにより切断してペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。得られたポリアミド樹脂組成物を使用し、前述した方法に従って所定形状の試験片およびボールシートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1においてエラストマーを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様に試験片およびボールシートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
表1に示すとおり、本発明のボールシートは機械的物性が良好であり、摺動性および耐久性にも優れることがわかる。
本発明によれば、摺動性および耐久性に優れるボールシート、および該ボールシートを有するボールジョイントを提供することができる。本発明のボールジョイントは特に自動車などの車両用サスペンションあるいはステアリング装置において好適に用いられる。
1 ボールジョイント
2 ボールスタッド
21 ロッド
22 ボールヘッド
3 ボールシート
4 ハウジング

Claims (5)

  1. 半芳香族ポリアミド(A)とエラストマー(B)とを含有するボールジョイント用ボールシートであって、
    該エラストマー(B)がα−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体、並びにこれらをカルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物で変性した重合体から選ばれる少なくとも1種であり、
    該半芳香族ポリアミド(A)および該エラストマー(B)の総量を100質量%とした場合に、該半芳香族ポリアミド(A)の含有量が92〜98質量%、該エラストマー(B)の含有量が2〜8質量%であり、
    かつ、それぞれ、ISO527に規定される方法で測定した、引張強度が70MP以上であり、引張伸度が9〜50%である、
    ボールジョイント用ボールシート。
  2. 前記半芳香族ポリアミド(A)が芳香族ジカルボン酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位と、炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを含む、請求項1に記載のボールシート。
  3. 前記芳香族ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位および/またはナフタレンジカルボン酸単位である、請求項2に記載のボールシート。
  4. 前記エラストマー(B)がα−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー、並びに芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体から選ばれる重合体を、カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物で変性した重合体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のボールシート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のボールシートを有するボールジョイント。
JP2015044579A 2015-03-06 2015-03-06 ボールジョイント用ボールシートおよびこれを有するボールジョイント Active JP6454182B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015044579A JP6454182B2 (ja) 2015-03-06 2015-03-06 ボールジョイント用ボールシートおよびこれを有するボールジョイント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015044579A JP6454182B2 (ja) 2015-03-06 2015-03-06 ボールジョイント用ボールシートおよびこれを有するボールジョイント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016164430A JP2016164430A (ja) 2016-09-08
JP6454182B2 true JP6454182B2 (ja) 2019-01-16

Family

ID=56876652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015044579A Active JP6454182B2 (ja) 2015-03-06 2015-03-06 ボールジョイント用ボールシートおよびこれを有するボールジョイント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6454182B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111433026B (zh) * 2017-12-05 2021-09-17 利安德巴塞尔先进聚合物公司 高性能聚酰胺化合物及其用途
JP7542519B2 (ja) * 2019-02-25 2024-08-30 株式会社クラレ チューブ及びポリアミド樹脂組成物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60144362A (ja) * 1984-01-06 1985-07-30 Mitsui Petrochem Ind Ltd ポリアミド組成物
JP2006152256A (ja) * 2004-10-29 2006-06-15 Kuraray Co Ltd ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品
US20130272776A1 (en) * 2010-12-24 2013-10-17 Honda Motor Co., Ltd Ball joint
JP2013060495A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Unitika Ltd ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016164430A (ja) 2016-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6951075B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物および成形品
JP6881618B2 (ja) 薬液輸送用多層チューブの製造方法
US10421860B2 (en) Thermoplastic resin composition and molded body comprising the same
EP2212383A1 (en) Use of polyamide compositions for making molded articles having improved adhesion, molded articles thereof and methods for adhering such materials
TWI804479B (zh) 聚醯胺樹脂組成物、成形品及聚醯胺樹脂丸粒之製造方法
KR101574846B1 (ko) 폴리아미드 몰딩 재료, 생산 방법 및 그에 따라 생산된 폴리아미드 몰딩 재료로 제조된 성형체 및 자동차에서 배기 가스와 접촉하게 되는 덕트로서의 그것의 용도
JP2015104830A (ja) 積層チューブ
KR101838784B1 (ko) 자동차용 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 자동차용 성형품
JP6454182B2 (ja) ボールジョイント用ボールシートおよびこれを有するボールジョイント
JP6202253B2 (ja) 導電性積層チューブ
WO2017159418A1 (ja) ポリアミド樹脂組成物および成形品
KR102472750B1 (ko) 연료 수송용 다층 튜브 및 그것을 구비한 연료 펌프 모듈, 그리고 이것들의 사용 방법
JP2006002113A (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその成形品
JP2006002113A5 (ja)
WO2017115699A1 (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2008069190A (ja) 高剛性および低温耐衝撃性ポリアミド樹脂組成物
JP2014240148A (ja) 導電性積層チューブ
JP6202254B2 (ja) 導電性積層チューブ
WO2023282154A1 (ja) ポリアミド組成物
JP7542519B2 (ja) チューブ及びポリアミド樹脂組成物
JP6827815B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物および成形品
WO2021039661A1 (ja) 複合成形体の製造方法
JP2023039227A (ja) 成形体、及び成形体の使用方法
KR20220108044A (ko) 반방향족 폴리아미드 수지 조성물, 및 금속 도금 성형체

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180717

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6454182

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150