JP6453112B2 - 水栓 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品等が吐水管内に配置される水栓に関する。
従来より、吐水を開始させるためのセンサを備える自動水栓が知られている。特許文献1には、手をかざすことで吐水を開始させる手かざしセンサと、吐水管内に挿入され吐水管の内径に沿って延びるセンサホルダと、を備え、手かざしセンサがセンサホルダの上面に載置される構造の自動水栓が開示されている。この自動水栓では、センサから延びるコネクタおよびハーネスは、センサホルダの下側に回り込ませ、センサホルダにハーネスを巻き付けた状態で吐水管内に収納されている。
特許5247392号
上記特許文献1のような収納方法では、自動水栓のメンテナンスの際に、まずセンサホルダを吐水管から引き抜き、センサホルダに巻き付いているハーネスをほどき、さらにセンサホルダに固定されているコネクタを外さないと、センサを取り出すことができず、煩雑な作業になる。また、ハーネスおよびコネクタをセンサホルダに巻き付けているので、センサホルダの吐水管内への収納時に、ハーネスの絡まり、ハーネスの屈曲に起因する断線、コネクタと他部材との干渉などが発生しないよう慎重に作業する必要があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、電子部品、電線、コネクタ等が吐水管内に配置される水栓において、メンテナンス性を向上させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、電線と、電線から電力供給を受ける電子部品と、電線と電子部品とを接続するコネクタと、を保持部材の一面上に一体化し、保持部材を吐水管内に挿入してなる水栓を提供する。
この態様によると、電子部品、電線およびコネクタを吐水管から一度に引き出すことができるので、水栓のメンテナンス性が向上する。
吐水管の吐水口側から、電子部品、コネクタ、電線の順番で保持部材上に並んでいてもよい。これによると、保持部材上で各部品がシンプルな配置となるので、電線の絡まりや断線を防止することができる。
電子部品、電線およびコネクタが保持部材上に直線状に並んでいてもよい。これによると、保持部材を出し入れするときに、電線が絡まったり断線したりすることを防止できる。
保持部材は、吐水管の吐水口側に突出する摘み部を有してもよい。これによると、摘み部を摘んで保持部材を引き出しやすくなる。
保持部材は薄いシート状であってもよい。これによると、吐水管内で保持部材が占めるスペースを小さくできる。また、シートが変形しやすいため、例えばグースネック形状の吐水管内にも保持部材を挿入しやすくなる。
シート状の保持部材は貫通穴を有し、電線がシートの上面側から貫通穴に挿通されてもよい。これによると、シートの後端部が電線で持ち上がるため、吐水管内のインナー等の他の部材との干渉を防止することができる。
保持部材を吐水管の内面に押し付けるための部材をさらに備えてもよい。これによると、センサ等の電子部品を吐水管の適所に保持することができる。
本発明によれば、電子部品、電線、コネクタ等が吐水管内に配置される水栓において、メンテナンス性および組み付け性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る水栓を備えたキッチンの概略図である。 水栓の全体斜視図である。 吐水管の側面図である。 吐水管の先端の拡大斜視図である。 吐水口部材を引き出した状態の斜視図である。 吐水管の側面方向の断面図である。 センサホルダの斜視図である。 シート状の保持部材の斜視図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る水栓10を備えたキッチンの概略図である。キッチン100にはシンク102が設けられ、シンク102の後側には、天面に対して段差を有するカウンタ104が設けられている。カウンタ104の左側には水栓10が設置され、カウンタ104の右側には浄水水栓106が設置されている。水栓10は水道管に接続され通常の水道水を供給するのに対し、浄水水栓106はシンク102の下方に設置される浄水装置に接続されており、浄化された水を供給する。
以下、本明細書において「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「手前」、「奧」等の方向を表す用語が用いられる場合、それらは水栓10がキッチン等に取り付けられたときの姿勢における方向を意味する。
図2は、図1の水栓10の全体斜視図である。水栓10は、基端部24と、ハンドルレバー22と、基端部24の上端面から延出した、吐水部としての吐水管12と、を主に備える。図3は、基端部24から取り外した状態の吐水管12の側面図である。
吐水管12は、その中間部12aが湾曲して逆U字状に形成され、その先端12bが斜め下方に延び出した、いわゆるグースネック状に形成される。吐水管12は、金属材料を素材とする鋳物により形成される。詳細は後述するが、吐水管12の先端12bには、吐水口38を有する吐水口部材30と、吐水口38からの吐水を制御するための自動吐水用センサ40とが設けられている。図3に示すように、吐水管12の基端部側には、基端部24と連結するための連結部材26が設けられている。
図1に示したように、基端部24は、キッチンのカウンタ104の上面に配置される。基端部24の上端には、ハンドルレバー22が設けられている。
基端部24の内部には、冷水および温水の供給源とそれぞれ接続された冷水管および温水管(図示せず)が延在している。冷水管および温水管と、吐水管12内に収納され吐水口38に給水するための給水ホースとの間には、電磁弁(図示せず)が設けられる。この電磁弁は、図示しない制御部による制御のもと弁を開閉して、冷水管および温水管から給水ホースへの水の流れを制御できるようになっている。
基端部24の内部には、水と湯とを所定比率で混合して適温の温水とする混合弁(図示せず)が設けられている。ハンドルレバー22はこの混合弁を操作するレバーであり、左右回動操作によって水と湯との混合比率を調節し、すなわち混合水の温度を調節し、また上下回動操作によって温水の吐水流量を調節する。
吐水管12の先端12bには、自動吐水用センサ40が設けられている。自動吐水用センサ40は、例えば、発光部と受光部を有する赤外線式測距センサである。自動吐水用センサ40は、発光部から吐水口部材30の吐水口38の下方に光を投光し、投光した光による使用者の手または食器等の被検知物からの反射光を受光部で受光し、所定の検知エリア内に被検知物があるか否かを検知する。自動吐水用センサ40は、被検知物の検知結果を示す信号を制御部に出力する。
吐水管12の手前側、すなわちキッチンに立つ使用者と面する側には、手かざしセンサ14が設けられている。手かざしセンサ14は、発光部と受光部を有する赤外線式光量センサである。手かざしセンサ14は、センサ14の斜め上方に光を投光し、投光した光による使用者の手等の被検知物からの反射光を受光部で受光し、所定の検知エリア内に被検知物があるか否かを検知する。手かざしセンサ14は、被検知物の検知結果を示す信号を制御部に出力する。
制御部は、マイコンを搭載した回路基板により構成される。制御部は、自動吐水用センサ40または手かざしセンサ14からの出力信号に基づき電磁弁を開閉し、吐水口部材30の吐水口38からの給水の有無を切り替える。なお、制御部は、コンピュータのCPU、メモリをはじめとする素子や回路を組み合わせて実現されていればよい。
なお、自動吐水用センサ40では、検知エリア内で被検知物が検知されている間だけ、吐水口38から給水を行うように制御されるのに対し、手かざしセンサ14では、一旦検知エリア内で被検知物が検知されると、その後被検知物が検知されなくなっても吐水口38からの給水が継続される。検知エリア内でもう一度被検知物が検知されると、吐水口38からの給水が停止される。
吐水管12の使用者から見て手前側、かつ手かざしセンサ14よりも下側(吐水管12の先端12b側)には、押しボタン式のオンオフスイッチ16が設けられている。オンオフスイッチ16がオフにされているときは、自動吐水用センサ40は作動せず、センサ40の下方に物体が存在しても吐水口38から給水されることはない。
図3から分かるように、本実施形態では、吐水管12は一定の曲率となるように形成されている。さらに、吐水管12の中間部12aの頂点に近い部分から吐水管の先端12bにかけて、吐水管12の下側に向けて膨らんだ中空の張出部18が形成されている。この張出部18の下面は、吐水管12自体よりも曲率が小さいが、吐水管12の基端部24側から連続的な滑らかな曲線でつながるように形成されている。張出部18の先端18aは、吐水管12の先端12bよりも吐水管の軸方向の奧側(吐水管12の上流側、図3では右斜め上側)に位置している。このような吐水管の製造方法としては、バルジ加工、亜鉛ダイキャスト、樹脂成形等がある。
自動吐水用センサ40よりも、使用者から見て吐水管12の奥側には、引き出し自在に構成された吐水口部材30が取り付けられている。図3から分かるように、吐水口部材30は、張出部18の先端、および吐水管12の先端12bよりも使用者から見て奧側に取り付けられる。吐水口部材30が取り付けられた状態で、吐水口部材30の湾曲の内周側は、吐水管12の基端部24側および張出部18の内周側の面と連続的に滑らかな曲線でつながるように形成されている。
図4は、吐水管12の先端12b付近の拡大斜視図であり、図5は、吐水口部材30を引き出した状態を示す図である。
吐水口部材30は、カバー部32と、切替操作部34と、吐水口38とを有している。
図5に示すように、吐水口部材30には、可撓性のある金属製の給水ホース50が接続されている。給水ホース50の他端は、上述の電磁弁に接続されている。給水ホース50は、吐水管12および張出部18の内部を管軸方向に所定の長さだけ移動自在に収納されている。したがって、吐水口部材30を吐水管12から引き出すと、給水ホース50もそれにつれて引き出される。吐水口部材30を引き出す方向は、吐水管12の軸方向とほぼ同じ方向である。吐水口部材30を吐水管12に取り付けるとき、給水ホース50は張出部18および吐水管12の中を基端部24側に向けて移動する。給水ホース50内を流れる水は、吐水口38を通して吐出される。
カバー部32は、給水ホース50と切替操作部34を接続するとともに、吐水口部材30を吐水管12から取り外すときに使用者が把持する部分を構成している。また、カバー部32は、吐水口部材30を吐水管12に対して容易に着脱可能とするアタッチメントとしての機能も有している。
吐水管12の先端12bには、管の内側に向けて凹んだ端面42が形成されており、この端面42と面一になるように自動吐水用センサ40が配置されている。吐水管12の管壁12cにより、自動吐水用センサ40の周囲が奥まったかたちとなるので、センサ40に使用者の手が接触することによるセンサ発光面および受光面の汚染や、食器がぶつかることによる損傷を防止することができる。
吐水管12の先端12bでは、管壁12cの一部が切り欠かれて、切り欠かれた部分には、吐水口部材30の収納時にガイドとして機能する凹み形状の保持部44が設けられている。吐水口部材30のカバー部32の上面(使用者から見て手前側の面)には、吐水口部材30の収納時に保持部44と対向する凸部31が形成されている。
上述したように、張出部18と吐水管12の下面は滑らかに連続しており、管の内部に角や大きな曲率変化が存在しないようにされている。このため、吐水口部材30を引き出したり収納したりするときに、吐水口部材30に接続されている給水ホース50が吐水管12および張出部18内で引っかかることがないので、吐水口部材30の操作がしやすい。また、屈曲部がないため、吐水管12および張出部18の外面の清掃が容易になる。
収納状態にある吐水口部材30の後端が接する張出部18の先端18aは、吐水管12の先端12bよりも吐水管の軸方向の奧側(吐水管12の上流側)に位置している。このため、吐水口部材30が収納された状態では、吐水口部材30の吐水口38は自動吐水用センサ40の比較的近傍に位置するようになる。このように、吐水口部材30を自動吐水用センサ40よりも管軸方向の吐水管の軸方向の奧側すなわちセンサ40の背後から引き出す構造とすることで、センサ40の発光部に対する吐水口部材の下方への突出量を小さくしてセンサの発光部と吐水口の距離を近づけることができる。よって、吐水口の下に手を出した際にセンサが反応しやすくなり、使用感が向上する。また、吐水口部材の下方への突出量を小さくすることで、吐水口下方の空間を広く確保することができる。
吐水口部材30の切替操作部34は、給水ホース50から流れる水をシャワー吐水またはストレート吐水に切り替えるための部材である。切替操作部34は、カバー部32の外周の下面側と滑らかに連続する形状となっており、全体として円筒形をなしている。切替操作部34は、カバー部32に対して中心軸回りに所定の角度(例えば90度)だけ回転するように構成されている。切替操作部34の円筒面には、使用者が指を掛けるための摘み部36が形成されている。摘み部36の位置を所定の角度回転させると、シャワー吐水とストレート吐水を切り替えることができる。
図6は、吐水管12をその中心軸を含む平面で切断した、側面方向の断面図である。
本実施形態では、手かざしセンサ14とオンオフスイッチ16は、薄いシート状の保持部材70の上面に固定され一体化されている。保持部材70は、例えば樹脂成形されたシートであってもよいし、既存のシート材をトムソン型などで打ち抜いたものであってもよい。手かざしセンサ14とオンオフスイッチ16は、ハーネス76によって上述の制御部および電源に接続されている。なお、本明細書において「ハーネス」とは、複数の電線が束にされたものを指す。ハーネスを用いる代わりに、1本の電線で手かざしセンサ14とオンオフスイッチ16とを制御部および電源に接続してもよい。
吐水管12および張出部18の内部には、センサホルダ64が挿入されている。センサホルダ64は、吐水管の内径に沿って吐水管の軸方向に延びる、樹脂製の一体成形部材である。センサホルダ64は、保持部材70、自動吐水用センサ40、およびこれらから延びるコネクタとハーネスを、吐水管内で適所に保持するための部材である。自動吐水用センサ40は、ハーネス77によって上述の制御部および電源に接続されている。したがって、手かざしセンサ14と自動吐水用センサ40は、独立したそれぞれのハーネスにより水栓の基端部から外側に延出し、制御部および電源にそれぞれ接続される。これにより、水栓内部で両方のハーネスをまとめる場合と比較して水栓をコンパクトにできるほか、電源からそれぞれに電力供給するため安定した電圧でセンサを動作させることができるといった効果がある。
センサホルダ64の後方、すなわち水栓10の基端部側には、筒状のインナー80が配置される。インナー80は、保持部材70およびハーネス76と給水ホース50とを離隔して干渉を防止するための部材である(図6では、給水ホースの一部が省略して示されている)。
図7は、センサホルダ64の斜視図である。
センサホルダ64は、その上面に、シート状の保持部材70が載置される保持部材載置面64eを有している。保持部材載置面64eは、凹凸のない滑らかな面に形成される。
センサホルダ64は、吐水口38側の先端に、自動吐水用センサ40が検出面を下向きにして収納されるセンサ収納部64bを有している。また、センサホルダ64は、センサ収納部64bの後方、すなわち吐水管12の基端部に向かう方向に、自動吐水用センサ40と制御部から延びるハーネスとを接続するためのコネクタ43が収納されるコネクタ収納部64cを有している。センサホルダ64は、コネクタ収納部64cのさらに後方、すなわち吐水管12の基端部に向かう方向に、ハーネスを保持するためのハーネス収納部64g(図7では裏側に位置する)を有している。
上記のように、センサ収納部64b、コネクタ収納部64c、ハーネス収納部64gが吐水管の軸方向に並べて設けられたセンサホルダ64を使用することで、自動吐水用センサ40、コネクタおよびハーネスを、吐水管内の比較的小さい空間に収まり良く収納することが可能になる。
センサホルダ64は、吐水口部材30の収納時に吐水口部材30を保持するための円筒状の吐水口保持部64aと、吐水口部材30に連結される給水ホース50を収納するホース収納部64hと、をさらに備えている。吐水口保持部64aには、給水ホース50が挿通される穴64jが形成されている。センサホルダ64が吐水管12内に装着された状態では、図5に示すように、吐水口保持部64aが張出部18の先端18aから突出する。
図示しないが、吐水口部材30の張出部18に面する後端には、吐水口保持部64aと嵌合する凹部が形成されている。吐水口部材30を収納する場合、吐水口保持部64aの穴64jの中に給水ホース50が押し込まれることにより、吐水口部材30の後端が吐水口保持部64aに導かれる。吐水口部材30をそのまま押し込んでいくと、吐水口部材30の上面に形成された凸部31が吐水管12の保持部44により誘導され、吐水口部材30と吐水口保持部64aとが嵌合することにより、吐水口部材30が吐水管12に対して保持される。吐水口部材30を引き出す場合は、吐水口部材30を斜め下方に向けて引くと、凸部31が保持部44により誘導されて引き出される。
このように、吐水口保持部64aをセンサホルダ64と一体化したことによって、吐水口部材周りがすっきりとしたコンパクトな外観となり、したがって清掃性も向上する。
図8は、シート状の保持部材70の斜視図である。上述したように、保持部材70の上面に、手かざしセンサ14とオンオフスイッチ16が固定される。手かざしセンサ14とオンオフスイッチ16は、別個に保持部材70に固定されてもよいが、図8に示すように、手かざしセンサ14とオンオフスイッチ16を一体化した成形部材78を保持部材70に固定するとより好ましい。この成形部材78は、吐水管12の内径に沿うように湾曲している。手かざしセンサ14、オンオフスイッチ16、または成形部材78は、両面テープによって保持部材70の上面に貼付されてもよいし、手かざしセンサ14、オンオフスイッチ16、または成形部材78に形成された爪部(図示せず)を、保持部材70に開けられた穴に係合させることで、保持部材70に固定されてもよい。あるいは、手かざしセンサ14とオンオフスイッチ16を保持部材70と一体的に成形してもよい。
手かざしセンサ14およびオンオフスイッチ16は、それぞれコネクタ72、74を有している。コネクタ72、74は、水栓10の基端部24から延びるハーネス76にそれぞれ接続される。コネクタ72、74は、両面テープまたは爪部などにより、保持部材70の上面に固定される。ハーネス76は、手かざしセンサ14およびオンオフスイッチ16に電力を供給するラインと、手かざしセンサ14およびオンオフスイッチ16からの信号を制御部に通信するラインと、を含む。
図示するように、成形部材78、コネクタ72、74、およびハーネス76は、保持部材70上に直線状に配置されている。また、コネクタ72、74およびハーネス76は、保持部材70によってセンサホルダ64から離隔されている。こうすることで、保持部材70を吐水管12に出し入れするときに、ハーネスが絡まったり断線したりすることを防止できる。
保持部材70の吐水口側の端部には、成形部材78の先端よりも吐水口側に突出する舌状の摘み部70aが形成されている。保持部材70の基端部側の端部には、貫通穴70bが形成されている。ハーネス76は、保持部材70の上面側から貫通穴70bに挿通される。ハーネス76は、貫通穴70bに挿通されることにより保持部材70と一体化されているが、両面テープまたは爪部などにより保持部材70の上面に固定されてもよい。
図6を再び参照して、水栓10のメンテナンス方法について説明する。まず、吐水口部材30を吐水口保持部64aから引き出し、続いてセンサホルダ64を吐水管12から引き抜く。次に保持部材70の摘み部70aを摘んで保持部材70を引き出すことで、保持部材70と一体化された成形部材78、コネクタ72、74、およびハーネス76を一度に引き出すことができる。このとき、保持部材70とハーネス76はインナー80の上に乗っているので、給水ホース等の他の部材と干渉することはない。
組み付け時には、先にインナー80が挿入された状態で、保持部材70を吐水管12内に挿入する。このとき、キッチンのカウンタ下からハーネス76を引っ張ることで、保持部材70を吐水管内に引き入れることができる。上述したように、ハーネス76が保持部材70の吐水口側の上面側から貫通穴70bに挿通されているので、保持部材70の基端部側端部70cが持ち上がった状態になる。したがって、基端部側端部70cがインナー80の先端に引っかかることなく、インナー80の上部に保持部材70を乗せることができる。
保持部材70が薄いシート状であるため、吐水管の形状に沿ってシートが変形しながら吐水管内に収納される。そのため、グースネック形状の吐水管であっても保持部材を組み付けしやすくなっている。また、保持部材70が薄いシート状であれば、狭い空間でも収納しやすいため、吐水管をコンパクトにすることができる。
保持部材70の挿入後、センサホルダ64を吐水管内に挿入する。図6から分かるように、センサホルダ64は、保持部材70を吐水管12の内面に押し付ける役割も有している。センサホルダ64を吐水管内に完全に収納することによって、手かざしセンサ14およびオンオフスイッチ16が吐水管の管壁に形成された穴を通して突出して固定される。
以上説明したように、本実施の形態では、手かざしセンサ、オンオフスイッチ、コネクタおよびハーネスを保持部材上で一体化することで、メンテナンス時にこれらの部品を一度に引き出すことができ、メンテナンス性が向上する。また、保持部材上にコネクタが固定されているので、保持部材の組み付け/取り外し時のコネクタのずれや脱落、他部材との干渉を防止することができる。
また、ハーネスをセンサガイドに巻き付ける必要がなく、保持部材上に固定されてセンサホルダやインナーと離隔されているので、保持部材の組み付け/取り外し時のハーネスの噛み込みや絡みを防止することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
実施の形態では、吐水口部材が自動吐水用センサよりも使用者から見て奧側(カウンタ側)に設けられているが、張出部を吐水管の手前側(シンク側)に形成して吐水口部材を自動吐水用センサよりも手前側に設けてもよい。また、吐水口部材が引き出し式でなく固定されている水栓でも、実施の形態に係る保持部材およびセンサホルダを使用することができる。
保持部材はシート状に限られず、吐水管内に配置することができれば他の形状であってもよく、センサホルダと一体になっていてもよい。また、保持部材上に固定されるのは、手かざしセンサとオンオフスイッチの組み合わせに限られない。いずれか一方でもよいし、これらの代わりにあるいはこれらとともに、タッチセンサ、LED、薄型ディスプレイ等の、ハーネスから電力供給を受ける電子部品が保持部材上に固定されてもよい。
保持部材上の部品の配置として、吐水管の吐水口側から、電子部品、コネクタ、電線の順番で保持部材上に直線上に並んでいる例を説明したが、電子部品よりも吐水口側にコネクタが配置されたり、または電線が保持部材上で曲線を描くように配置されていてもよい。
本発明に係る水栓は、建物、船舶等に設置される設備に用いることができ、キッチンの他に、洗面台、手洗器、浴室等に用いられてもよい。また、水栓の基端部が固定される基体としてカウンタを例示したが、基体は、浴室等の設備の外内を区画する壁部材等であってもよい。
また、吐水部の形状はグースネック状の吐水管に限定されず、直線状の吐水管などの他の形状に形成されていてもよい。センサホルダは、吐水部の形状に合わせて成形される。
10 水栓、 12 吐水管、 14 手かざしセンサ、 30 吐水口部材、 38 吐水口、 40 自動吐水用センサ、 50 給水ホース、 64 センサホルダ、 64a 吐水口保持部、 64e 保持部材載置面、 70 シート、 70a 摘み部、 70b 貫通穴、 76 ハーネス(電線)、 80 インナー。

Claims (7)

  1. 電線と
    電線から電力供給を受ける電子部品と
    記電線と前記電子部品とを接続するコネクタと
    前記電線と前記電子部品と前記コネクタとを一面上に一体化する保持部材と、を備え、
    前記電子部品と前記コネクタは、前記保持部材の前記一面上に固定され、
    前記保持部材を吐水管内に挿入してなることを特徴とする水栓。
  2. 電線と、該電線から電力供給を受ける電子部品と、前記電線と前記電子部品とを接続するコネクタと、を保持部材の一面上に一体化し、該保持部材を吐水管内に挿入してなり、
    前記保持部材は、吐水管の吐水口側に突出する摘み部を有することを特徴とする水栓。
  3. 電線と、該電線から電力供給を受ける電子部品と、前記電線と前記電子部品とを接続するコネクタと、を保持部材の一面上に一体化し、該保持部材を吐水管内に挿入してなり、
    前記保持部材は薄いシート状であることを特徴とする水栓。
  4. 前記シート状の保持部材は貫通穴を有し、前記電線がシートの上面側から前記貫通穴に挿通されることを特徴とする請求項3に記載の水栓。
  5. 吐水管の吐水口側から、前記電子部品、前記コネクタ、前記電線の順番で前記保持部材上に並んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の水栓。
  6. 前記電子部品、前記電線および前記コネクタが前記保持部材上に直線状に並んでいることを特徴とする請求項に記載の水栓。
  7. 前記保持部材を前記吐水管の内面に押し付けるための部材をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の水栓。
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