JP6450519B2 - 血管検出装置、磁気共鳴装置、およびプログラム - Google Patents

血管検出装置、磁気共鳴装置、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、血管を検出する血管検出装置、被検体の画像を取得し、取得した画像から血管を検出する磁気共鳴装置、および血管を検出するためのプログラムに関する。
従来より、造影剤を用いて被検体を撮影する磁気共鳴装置が知られている(特許文献1)。
特開2009−261904号公報
造影剤を用いて被検体を撮影する方法の一例として、オペレータが、画像の中から大動脈の位置を見つけて、大動脈の位置に、造影剤を検出するためのトラッカー領域を設定する方法がある。この方法では、トラッカー領域に所定量の造影剤が到達したときに、撮影が実行される。しかし、経験の浅いオペレータは、大動脈の位置を見つけるのに長時間を要したり、大動脈とは別の場所にトラッカー領域を設定しまうことがある。したがって、大動脈を短時間で自動的に検出する手法の開発が望まれている。大動脈を短時間で自動的に検出する手法の一例が、論文“Med Imag Tech Vol.31 No.2 March 2013”で発表されている。
上記の論文では、勾配磁場のZdephaserの面積を大きくすることより、大動脈内の血液の信号をできるだけ低減させている。したがって、各スライスから低信号の領域を検出することにより、スライスごとに大動脈を検出することができる。しかし、肺を横切るスライスでは、大動脈だけでなく、肺に含まれる空気の領域も低信号となるので、肺に含まれる空気の領域が大動脈として誤検出されることがある。したがって、大動脈などの血管の検出精度を向上させるための技術が望まれている。
本発明の第1の観点は、第1の部位と第2の部位と血管とを含む撮影部位を横切るm枚のスライスの画像を作成する画像作成手段と、
前記スライスの画像に基づいて、前記スライスが前記第1の部位を横切るか否かを判断するための指標を求める手段と、
前記指標に基づいて、前記m枚のスライスの中から、前記第1の部位を横切る第1のスライスを選択する選択手段と、
前記第1のスライスにおける前記血管を検出する検出手段であって、前記第1のスライスにおける前記血管の位置に基づいて、前記第2の部位を横切る第2のスライスにおける血管を検出する検出手段と、
を有する血管検出装置である。
本発明の第2の観点は、上記の血管検出装置を有する磁気共鳴装置である。
本発明の第3の観点は、第1の部位と第2の部位と血管とを含む撮影部位を横切るm枚のスライスの画像を作成する画像作成処理と、
前記スライスの画像に基づいて、前記スライスが前記第1の部位を横切るか否かを判断するための指標を求める処理と、
前記指標に基づいて、前記m枚のスライスの中から、前記第1の部位を横切る第1のスライスを選択する選択処理と、
前記第1のスライスにおける前記血管を検出する検出処理であって、前記第1のスライスにおける前記血管の位置に基づいて、前記第2の部位を横切る第2のスライスにおける血管を検出する検出処理と、
を計算機に実行させるためのプログラムである。
第2のスライスにおいて第2の部位を血管として誤検出する可能性を低減することができる。
本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。 本形態で実行されるスキャンを示す図である。 撮影部位を概略的に示す図である。 ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMSを実行するときのフローの一例を示す図である。 ローカライザスキャンLSの説明図である。 識別器Cを作成するために使用された教師データを概略的に示す図である。 アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。 検索領域Rに設定されたウィンドウWを示す図である。 識別器Cを用いて、大動脈AがウィンドウWの先端部に内接するときのウィンドウWの回転角θ、ピクセル数x、およびピクセル数yを求めるときの説明図である。 アキシャル画像Dの大動脈AがウィンドウWの先端部に内接しているときのウィンドウWのパラメータ(θ,x,y)=(θ,x,y)を示す図である。 アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。 検索領域Rから大動脈Aが検出されたときの様子を概略的に示す図である。 アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。 検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す図である。 スライスSL〜SL10から検出された大動脈Aの位置を表す回転角θ=θ〜θ10を概略的に示す図である。 誤検出の例を示す図である。 スライスSLに設定された検索領域Rを示す図である。 本形態におけるステップST3のフローを示す図である。 選択されたスライスSLのアキシャル画像Dを概略的に示す図である。 シード領域Rseedの一例を示す図である。 領域拡張法でスライスSLの画像Dを2値化することにより得られた2値画像DAを概略的に示す図である。 通常の閾値処理でスライスSLの画像Dを2値化することにより得られた2値画像DBを概略的に示す図である。 ステップST340で実行される処理を説明するための図である。 スライスSLの画像に対してステップST30を実行するときの説明図である。 スライスSLの画像に対してステップST3を実行するときの説明図である。 各スライスと面積比Rとの関係を表すプロファイルを示す図である。 スライスSL〜SL10の中から、肝臓側に位置するスライスを求めるときの説明図である。 アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。 検索領域Rから大動脈Aが検出されたときの様子を概略的に示す図である。 アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。 検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す図である。 アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。 検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す図である。 スライスSL〜SL10から検出された大動脈Aの位置を表す回転角θ=θ〜θ10を概略的に示す。 アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。 検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す図である。 アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。 検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す図である。 スライスSL〜SLから検出された大動脈Aの位置を表す回転角θ=θ〜θを概略的に示す図である。 スライスSL〜SL10の大動脈Aの中心を概略的に示す図である。 トラッカー領域Rを概略的に示す図である。 第2の形態のMR装置200を概略的に示す図である。 第2の形態においてステップST3を実行するときのフローの説明図である。 腕部が削除された2値画像DCを概略的に示す図である。 通常の閾値処理でスライスSLのアキシャル画像Dを2値化することにより得られた2値画像DBを概略的に示す。 腕部が削除された2値画像DDを概略的に示す図である。 ステップST340で実行される処理を説明するための図である。 各スライスと面積比Rとの関係を表すプロファイルを示す図である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
(1)第1の形態
図1は、本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
マグネット2は、被検体12が収容されるボア21を有している。また、マグネット2は、超伝導コイル、勾配コイル、およびRFコイルなどが内蔵されている。
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体12はボア21に搬送される。
受信コイル4は、被検体12に取り付けられている。受信コイル4は、被検体12からの磁気共鳴信号を受信する。
MR装置100は、更に、造影剤注入装置5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、制御部9、操作部10、および表示部11などを有している。
造影剤注入装置5は、被検体12に造影剤を注入する。
送信器6はRFコイルに電流を供給し、勾配磁場電源7は勾配コイルに電流を供給する。
受信器8は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。
制御部9は、表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。制御部9は、画像作成手段91〜設定手段97などを有している。
画像作成手段91は、被検体12のアキシャル画像(例えば、図5参照)を作成する。
第1の2値化手段92は領域拡張法を用いて画像を2値化する。
第2の2値化手段93は閾値処理を用いて画像を2値化する。
算出手段94は後述する面積比R(例えば、図26参照)を算出する。
選択手段95は大動脈を検出するときの基準となるスライスを選択する。
検出手段96は大動脈を検出する。
設定手段97は、造影剤を検出するためのトラッカー領域を設定する。
制御部9は、画像作成手段91〜設定手段97を構成する一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。制御部9は血管検出装置に相当する。
操作部10は、オペレータにより操作され、種々の情報を制御部9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
図2は本形態で実行されるスキャンを示す図、図3は撮影部位を概略的に示す図である。
本形態では、ローカライザスキャンLSと本スキャンMSなどが実行される。
ローカライザスキャンLSは、スライス位置やトラッカー領域Rを設定するときに使用される画像を取得するためのスキャンである。トラッカー領域Rは、大動脈Aに流れる造影剤を検出するために設定される領域である。
ローカライザスキャンLSの後に本スキャンMSが実行される。
本スキャンMSでは、被検体に造影剤が注入され、トラッカー領域Rから造影剤を検出するためのシーケンスが繰り返し実行される。そして、トラッカー領域Rに所定量の造影剤が注入したときに、肝臓の画像を取得するためのイメージングシーケンスが実行される。以下に、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMSを実行するときのフローの一例について説明する。
図4は、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMSを実行するときのフローの一例を示す図である。
ステップST1では、ローカライザスキャンLS(図2参照)を実行する。
図5は、ローカライザスキャンLSの説明図である。
ローカライザスキャンLSは、被検体の肺および肝臓を含む部位の画像を取得するためのスキャンである。図5には、ローカライザスキャンLSを実行するときのスライスが示されている。ローカライザスキャンLSでは、アキシャル、サジタル、およびコロナルの画像が取得されるが、図5では、説明の便宜上、アキシャルの画像を取得するためのm枚のスライス(ここでは、m=10枚のスライスSL〜SL10)が示されている。スライスSL〜SL10にはスライス番号n(n=1〜10)が対応付けられている。スライス番号nは、スライス位置がS側からI側に向かうに従って「1」づつ大きくなるように設定されている。画像作成手段91(図1参照)は、ローカライザスキャンLSにより収集されたデータに基づいて、スライスSL〜SL10の画像D〜D10を作成する(以下では、この画像を「アキシャル画像」と呼ぶ)。スライスSL〜SL10は大動脈Aを横切っているので、アキシャル画像D〜D10には、大動脈Aの断面が描出される。アキシャル画像D〜D10の大動脈Aの断面の位置を比較すると、大動脈Aの断面は、S側からI側に近づくに従って、背骨を中心にして反時計方向ANに回転していることが分かる。
ローカライザスキャンLSで使用されるシーケンスは、流速の速い血液のエコー信号ができるだけ収束しないように設計されている。したがって、流速の速い血液の信号は十分に低減することができる。例えば、大動脈Aを流れる血液の流速について考えると、大動脈Aを流れる血液の流速は速いので、大動脈Aの血液の信号は十分に低減することができる。図5では、大動脈Aを黒で表している。
アキシャル画像D〜D10を作成した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、アキシャル画像D〜D10の各々から、脳脊髄液CSFを検出する。脳脊髄液CSFの検出方法は、例えば、“Med Imag Tech Vol.31 No.2 March 2013”に記載されている方法を用いることができる。アキシャル画像D〜D10ごとに脳脊髄液CSFを検出した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、検出手段96(図1参照)が、アキシャル画像D〜D10の各々から大動脈Aを検出する。本形態では、大動脈Aを識別するための識別器を用いて大動脈Aを検出する。以下に、識別器の作成方法について説明する。
識別器は、被検体を撮影する前に予め準備されている。本形態では、識別器は、機械学習により作成されている。具体的には、教師データを用意し、機械学習で教師データを学習させることにより、大動脈Aを検出するのに適した識別器Cを作成している(図6参照)。
図6は、識別器Cを作成するために使用された教師データの一例を概略的に示す図である。
教師データv〜vは、実際の複数の人間を撮影することにより得られた腹部のアキシャル画像や胸部のアキシャル画像などを用いて作成することができる。
教師データv〜vは、大動脈の断面が長方形領域の右側に内接するように規定されている。教師データv〜vの大動脈は黒色で示されている。
これらの教師データv〜vを機械学習で学習させることにより、アキシャル画像の中から大動脈を検出するのに適した識別器Cを作成する。
本形態では、検出手段96が、上記のようにして作成された識別器Cを用いて、スライスSL〜SL10の各々から大動脈Aを検出する。以下に、本形態における大動脈Aの検出方法について説明する。尚、本形態における大動脈Aの検出方法の説明にあたっては、本形態における大動脈Aの検出方法の効果を明確にするために、先ず、検出手段96が、本形態とは別の方法で大動脈Aを検出するやり方について説明する。
図7〜図15は、本形態とは別の方法で大動脈Aを検出するときの手順を示す図である。
先ず、肺側に位置するスライスSLのアキシャル画像Dに、大動脈Aの検索範囲を規定する検索領域を設定する(図7参照)。
図7は、アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。
検出手段96は、脳脊髄液CSFから水平に延びるラインL0と、脳脊髄液CSFを中心としてラインL0に対してθ=θだけ傾いたラインL1とを規定する。ラインL0とラインL1とに挟まれる領域が、大動脈Aの検索範囲を規定する検索領域Rとして設定される。検索領域Rは、大動脈Aが含まれるように設定される。θは、例えば、θ=45°である。
次に、検出手段96は、検索領域Rに、大動脈Aを検出するときに使用するウィンドウを設定する(図8参照)。
図8は、検索領域Rに設定されたウィンドウWを示す図である。
ウィンドウWは、x×yのピクセルサイズを有している。検出手段96は、脳脊髄液CSFを基準にして、ラインL0上にウィンドウWを設定する。ウィンドウWを設定した後、検出手段96は、検索領域R内で、脳脊髄液CSFを中心としてウィンドウWを回転させることによりウィンドウWの回転角θを変更し、更にウィンドウWのサイズ(ピクセル数x、ピクセル数y)も変更する。そして、識別器C(図6参照)を用いて、大動脈AがウィンドウWの先端部に内接するときのウィンドウWの回転角θ、ピクセル数x、およびピクセル数yを求める(図9参照)。
図9は、識別器Cを用いて、大動脈AがウィンドウWの先端部に内接するときのウィンドウWの回転角θ、ピクセル数x、およびピクセル数yを求めるときの説明図である。
検出手段96は、アキシャル画像Dに設定されたウィンドウWの3つのパラメータ(θ,x,y)のうちのいずれかのパラメータを変更するたびに、ウィンドウW内のピクセルデータを抽出する。識別器Cは、抽出されたデータに基づいて、アキシャル画像Dの大動脈AがウィンドウWの先端部に内接している可能性が高いか低いかを判断するための値を出力する。検出手段96は、識別器Cの出力値Outに基づいて、アキシャル画像Dの大動脈AがウィンドウWの先端部に内接している可能性が高いか低いかを判断する。本形態では、ウィンドウWの先端部に大動脈Aが内接している可能性が高いほど出力値Outが大きくなるように、識別器Cが構成されている。したがって、識別器Cの出力値Outが最大のときに、アキシャル画像Dの大動脈AがウィンドウWの先端部に内接している可能性が最も高いと判断することができる。ここでは、回転角θ=θ、ピクセル数x=x、およびピクセル数y=yのときに、識別器Cの出力値Outが最大になったとする。したがって、ウィンドウWのパラメータ(θ,x,y)=(θ,x,y)のときに、アキシャル画像Dの大動脈AがウィンドウWの先端部に内接していると判断される。図10に、アキシャル画像Dの大動脈AがウィンドウWの先端部に内接しているときのウィンドウWのパラメータ(θ,x,y)=(θ,x,y)を示す。
ウィンドウWの回転角θおよびピクセル数yは、スライスSLにおける大動脈Aの位置を表しており、ウィンドウWのピクセル数xはスライスSLにおける大動脈Aの内径を表している。したがって、ウィンドウWのパラメータ(θ,x,y)=(θ,x,y)を求めることによって、スライスSLの中から大動脈Aを検出することができる。
スライスSLにおいてウィンドウWのパラメータ(θ,x,y)=(θ,x,y)を求めた後、隣のスライスSLにおけるアキシャル画像Dに、大動脈Aの検索範囲を規定する検索領域を設定する(図11参照)。
図11は、アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。
スライスSLはスライスSLの隣に位置しているので、スライスSLにおける大動脈Aの位置は、スライスSLにおける大動脈Aの位置に近いと考えられる。そこで、検出手段96は、スライスSLのアキシャル画像Dから検出した大動脈Aの位置を表す回転角θを基準にして、回転角θを含む角度範囲θs2≦θ≦θe2を規定し、この角度範囲θs2≦θ≦θe2を検索領域Rとして設定する。
次に、検出手段96は、ウィンドウWを用いて、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図12に、検索領域Rから大動脈Aが検出されたときの様子を概略的に示す。検出手段96は、先に説明したように、ウィンドウWの回転角θおよびウィンドウWのサイズ(ピクセル数x、ピクセル数y)を変更し、アキシャル画像Dの大動脈AがウィンドウWの先端部に内接するときのウィンドウWの回転角θ、ピクセル数xおよびyを求める。図12から、大動脈Aは、θ=θのライン上に位置していることがわかる。
スライスSLにおける大動脈Aを検出した後、検出手段96は、スライスSLに隣接するスライスSLのアキシャル画像Dに、大動脈Aの検索範囲を規定する検索領域を設定する(図13参照)。
図13は、アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。
スライスSLはスライスSLの隣に位置しているので、スライスSLにおける大動脈Aの位置は、スライスSLにおける大動脈Aの位置に近いと考えられる。そこで、検出手段96は、スライスSLのアキシャル画像Dから検出した大動脈Aの位置を表す回転角θを基準にして、回転角θを含む角度範囲θs3≦θ≦θe3を規定し、この角度範囲θs3≦θ≦θe3を、検索領域Rとして設定する。
次に、検出手段96は、ウィンドウWを用いて、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図14に、検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す。大動脈Aは、θ=θのライン上に位置している。
スライスSLの大動脈Aを検出した後も、同様の手法で、隣のスライスのアキシャル画像に検索領域を設定し、ウィンドウWを用いて検索領域の中から大動脈Aを検出する。したがって、全てのスライスSL〜SL10における大動脈Aを検出することができる。図15に、スライスSL〜SL10から検出された大動脈Aの位置を表す回転角θ=θ〜θ10を概略的に示す。
上記のように、図7〜図15の方法では、スライスSLからスライスSL10に向かう順(スライス番号nの小さい順)に大動脈Aが検出される。しかし、スライスSLは、肺を横切る位置に設定されているので、スライスSLのアキシャル画像Dには、大動脈Aの他に、肺の領域も低信号で描出される。したがって、スライスSLのアキシャル画像Dから大動脈Aを検出する場合、大動脈Aと同様に低信号で描出された肺の領域を、大動脈として誤検出することがある。図16に、誤検出の例を示す。図16では、回転角θ=θ´において、肺の一部の領域を大動脈として誤検出している。したがって、隣のスライスSLに検索領域Rを設定する場合、スライスSLにおいて大動脈として誤検出された領域の回転角θ=θ´に基づいて、スライスSLの検索領域Rが設定される。図17に、スライスSLに設定された検索領域Rを示す。図17では、スライスSLにおける大動脈Aが検索領域Rに含まれていないので、スライスSLの大動脈Aを検出することができない。したがって、残りのスライスSL〜SL10でも大動脈を検出することができないという問題がある。この問題に対処する方法として、肺から最も離れた位置のスライスSL10から、肺を横切るスライスSLに向かう順(スライス番号nの大きい順)に大動脈Aを検出することが考えられる。しかし、スライスSL10のように、肝臓の下端に近いスライスには、大動脈Aとは別の動脈の断面も現れやすいので、スライスSL10から大動脈Aの検出を開始すると、別の動脈を大動脈Aとして検出する可能性がある。したがって、やはり、大動脈Aを正しく検出することができないという問題がある。そこで、本形態では、各スライスの大動脈を正しく検出することができるように、ステップST3の処理を工夫している。以下に、本形態におけるステップST3の処理について説明する。
図18は、本形態におけるステップST3のフローを示す図である。
ステップST30では、スライスが肝臓を横切るか否かを判断するための指標を算出する。ステップST30は、ステップST310〜ST340を有している。以下、各ステップについて説明する。
ステップST310では、スライスSL〜SL10のアキシャル画像D〜D10の中から、1枚のアキシャル画像を選択する。ここでは、肺を横切るスライスSLのアキシャル画像Dが選択されたとする。図19に、選択されたスライスSLのアキシャル画像Dを概略的に示す。アキシャル画像Dには、被検体の胴部だけでなく、左腕部および右腕部も描出されている。スライスSLのアキシャル画像Dを選択した後、ステップST320に進む。
ステップST320では、第1の2値化手段92が、領域拡張法を用いて、スライスSLの2値化を実行する。
第1の2値化手段92は、先ず、アキシャル画像Dの中の背景領域(被検体の体外領域)にシード領域を設定する。図20にシード領域Rseedの一例を示す。シード領域Rseedを背景領域に設定する方法としては、クレードル3aの位置情報を用いる方法がある。クレードル3aは被検体の体外に位置しているので、クレードル3aの位置にシード領域Rseedを設定することにより、シード領域Rseedを確実に背景領域(体外領域)に設定することができる。尚、オペレータがシード領域Rseedを手動で設定してもよい。
シード領域Rseedを設定した後、第1の2値化手段92は、アキシャル画像Dの信号値に基づいて、被検体の体外と体内とを区別するときに使用する信号値の閾値vを求める。
被検体の体外の空間には、クレードル3aや、ボア内の空気などが存在しているが、クレードル3aの信号値や空気の信号値は、被検体の体内組織の信号値よりも十分に小さい値になる。このように、体外と体内組織との間には信号値に大きな差があるので、スライスSLのアキシャル画像Dの信号値に基づいて、被検体の体外と体内とを区別するための信号値の閾値vを求めることが可能となる。閾値vを求める方法の一例としては、シード領域Rseed内の信号値を用いる方法がある。シード領域Rseedは被検体の体外に設定されているので、シード領域Rseedの信号値は、被検体の体内の信号値よりも十分に小さい値(ノイズ)を有している。したがって、シード領域Rseedの信号値を用いることにより、被検体の体外と体内とを区別するための信号値の閾値vを求めることができる。
次に、第1の2値化手段92は、ピクセルの信号値と閾値vとを比較しながら、閾値vより小さい信号値を有するピクセルの領域を拡張し、スライスSLのアキシャル画像Dを2値化する。図21に、領域拡張法でスライスSLの画像Dを2値化することにより得られた2値画像DAを概略的に示す。被検体の体外における大部分のピクセルの信号値は閾値vよりも小さいが、被検体の体表面における大部分のピクセルの信号値は閾値vよりも大きい。したがって、ピクセルの領域は、被検体の体外領域の全体に渡って拡張されるが、被検体の体内領域の内側には拡張されないので、背景領域(被検体の体外)と被検体の体内とを区別することができる。図21では、拡張された領域内のピクセルが論理値0(黒)で表され、他の領域内のピクセルが論理値1(白)で表されている。
領域拡張法を用いて2値化を実行した場合、背景領域(被検体の体外)には論理値0が割り当てられ、被検体の体内には論理値1が割り当てられる。尚、被検体の体内には論理値1が割り当てられるので、肺にも論理値1が割り当てられる。
領域拡張法を用いてスライスSLの2値画像DAを得た後、ステップST330に進む。
ステップST330では、第2の2値化手段93が、領域拡張法を用いずに、通常の閾値処理を用いて、スライスSLのアキシャル画像Dの2値化を実行する。具体的には、スライスSLのアキシャル画像Dの中で、ピクセルの信号値が閾値THより小さい領域に論理値0を割り当て、一方、ピクセルの信号値が閾値THより大きい領域に論理値1を割り当てることにより、スライスSLのアキシャル画像Dを2値化する。図22に、通常の閾値処理でスライスSLのアキシャル画像Dを2値化することにより得られた2値画像DBを概略的に示す。閾値THは、例えば、ステップST320の領域拡張法を用いた2値化を実行するときに求めた閾値vを使用することができる。
先に説明したように、体内組織と空気との間には信号値に大きな差があり、体内組織の信号値は大きくなるが、空気の信号値は小さくなる。したがって、体内組織に位置するピクセルの大部分は閾値THよりも大きい信号値を有するが、空気で占められる空間に位置するピクセルの大部分は閾値THよりも小さい信号値を有する。このような信号値の差異が生じているので、通常の閾値処理により得られた2値画像DBは、被検体の体内組織の大部分に論理値1が割り当てられるが、背景領域(被検体の体外)や肺の内側(空気が含まれている空間)の大部分に論理値0が割り当てられる。2値化処理を実行した後、ステップST340に進む。
図23は、ステップST340で実行される処理を説明するための図である。
ステップST340では、算出手段94(図1参照)が、2値画像DAの中の論理値1が割り当てられている領域の面積Aと、2値画像DBの中の論理値1が割り当てられている領域の面積Bとを計算する。面積AおよびBの値を求めたら、算出手段94は、面積比R=B/Aを計算する。この面積比Rが、スライスSLが肝臓を横切るか否かを判断するための指標として用いられる。面積比Rを用いてスライスが肝臓を横切るか否かを判断する具体的なやり方については後述する。
図23に示すように、領域拡張法を用いた2値化を実行した場合、肺に論理値1を割り当てることができる。一方、閾値処理を用いた2値化を実行した場合、被検体の体内組織は論理値1が割り当てられるが、肺の内側は論理値0が割り当てられる。したがって、2つの2値画像DAおよびDBを比較すると、2値画像DBの論理値1が割り当てられている領域の面積Bは、2値画像DAの論理値1が割り当てられている領域の面積Aよりも小さい値となる。したがって、スライスSLにおける面積比Rは、1よりもかなり小さい値になる。
このようにして、ステップST30が実行される。尚、図19〜図23では、スライスSLのアキシャル画像Dに対してステップST30を実行した例について説明されているが、他のスライスSL〜SL10のアキシャル画像に対しても、スライスSLのアキシャル画像Dと同様に、ステップST30を実行する。図24および図25に、他のスライスの画像に対してステップST30を実行する例を示す。以下、図24および図25について順に説明する。
図24は、スライスSLの画像に対してステップST30を実行するときの説明図である。
先ず、ステップST310において、スライスSLのアキシャル画像Dを選択する。スライスSLは、肺と肝臓との境界付近に位置しており、肺と肝臓との両方の臓器を横切っている。スライスSLのアキシャル画像Dを選択した後、ステップST320に進む。
ステップST320では、第1の2値化手段92が、アキシャル画像Dの中の背景領域(被検体の体外領域)にシード領域を設定し、領域拡張法を用いて2値化を実行する。したがって、スライスSLの2値画像DAが得られる。領域拡張法を用いて2値化を実行した場合、背景領域(被検体の体外)には論理値0が割り当てられ、被検体の体内には論理値1が割り当てられる。被検体の体内は論理値1で表されるので、肺にも肝臓にも論理値1が割り当てられる。
領域拡張法を用いてスライスSLの2値画像DAを得た後、ステップST330に進む。
ステップST330では、第2の2値化手段93が、領域拡張法を用いずに、通常の閾値処理を用いて、スライスSLのアキシャル画像Dの2値化を実行する。これにより、スライスSLの2値画像DBが得られる。通常の閾値処理により得られたスライスSLの2値画像DBは、背景領域(被検体の体外)や肺の内側(空気が含まれている空間)の大部分に論理値0が割り当てられるが、肝臓の大部分には論理値1が割り当てられる。したがって、スライスSLの2値画像DBは、スライスSLの2値画像DB(図23参照)と比較すると、論理値1が割り当てられている領域の面積が広くなる。2値化処理を実行した後、ステップST340に進む。
ステップST340では、算出手段94が、2値画像DAの中の論理値1が割り当てられている領域の面積Aと、2値画像DBの中の論理値1が割り当てられている領域の面積Bとを計算する。面積AおよびBの値を求めたら、算出手段94は、面積比R=B/Aを計算する。
2値画像DAおよびDBを比較すると、2値画像DBの論理値1が割り当てられている領域の面積Bは、2値画像DAの論理値1が割り当てられている領域の面積Aよりも小さい値となる。したがって、スライスSLにおける面積比Rは、1よりも小さい値になる。
このようにして、スライスSLのアキシャル画像に対してステップST3が実行される。次に、スライスSLのアキシャル画像に対してステップST3を実行する場合について説明する。
図25は、スライスSLの画像に対してステップST3を実行するときの説明図である。
先ず、ステップST310において、スライスSLのアキシャル画像Dを選択する。スライスSLは、肺を横切っておらず、肝臓を横切っている。スライスSLのアキシャル画像Dを選択した後、ステップST320に進む。
ステップST320では、第1の2値化手段92が、アキシャル画像Dの中の背景領域(被検体の体外領域)にシード領域を設定し、領域拡張法を用いて2値化を実行する。したがって、スライスSLの2値画像DAが得られる。領域拡張法を用いて2値化を実行した場合、背景領域(被検体の体外)には論理値0が割り当てられ、被検体の体内には論理値1が割り当てられる。被検体の体内は論理値1で表されるので、肝臓には論理値1が割り当てられる。
領域拡張法を用いてスライスSLの2値画像DAを得た後、ステップST330に進む。
ステップST330では、第2の2値化手段93が、領域拡張法を用いずに、通常の閾値処理を用いて、スライスSLのアキシャル画像Dの2値化を実行する。これにより、スライスSLの2値画像DBが得られる。スライスSLは肺を横切っておらず、肝臓を横切っているので、2値画像DBは、被検体の体内の大部分の領域に、論理値1が割り当てられている。2値化処理を実行した後、ステップST340に進む。
ステップST340では、算出手段94が、2値画像DAの中の論理値1が割り当てられている領域の面積Aと、2値画像DBの中の論理値1が割り当てられている領域の面積Bとを計算する。面積AおよびBの値を求めたら、算出手段94は、面積比R=B/Aを計算する。
2値画像DAおよびDBを比較すると、2値画像DBの論理値1が割り当てられている領域の面積Bは、2値画像DAの論理値1が割り当てられている領域の面積Aとほぼ同じである。したがって、スライスSLにおける面積比Rは、1に近い値になる。
このように、算出手段94は、各スライスの画像に対して面積比Rを算出する。したがって、各スライスと面積比Rとの関係を表すプロファイルを得ることができる。図26に、各スライスと面積比Rとの関係を表すプロファイルを示す。
図26のプロファイルを参照すると、スライスが肺側に位置しているか、肝臓側に位置しているかに応じて、面積比Rが異なることがわかる。以下に、スライスSL〜SL10のうち、代表して、3つのスライスSL、SL、およびSLを取り上げ、3つのスライスSL、SL、およびSLの面積比Rの違いについて説明する。尚、説明の便宜上、肺を横切るスライスSLの面積比Rと、肝臓を横切るスライスSLの面積比Rを先に説明し、最後に、肝臓と肺との境界を横切るスライスSLの面積比Rについて説明する。
(1)肺を横切るスライスSLの面積比Rについて
スライスSLでは、2値画像DAの肺の領域には論理値1が割り当てられるが、2値画像DBの肺の領域には論理値0が割り当てられる。したがって、2値画像DBの論理値1の面積Bは、2値画像DAの論理値1の面積Aよりもかなり小さいので、スライスSLにおける面積比Rは1よりもかなり小さい値になる。
(2)肝臓を横切るスライスSLの面積比Rについて
スライスSLでは、2値画像DAの肝臓の領域には論理値1が割り当てられ、2値画像DBの肝臓の領域にも論理値1が割り当てられる。したがって、2値画像DBの論理値1の面積Bは、2値画像DAの論理値1の面積Aにほぼ等しいので、スライスSLにおける面積比Rは1に近い値になる。
(3)肝臓と肺との境界を横切るスライスSLの面積比Rについて
スライスSLの2値画像DAでは、肝臓の領域に論理値1が割り当てられ、肺の領域にも論理値1が割り当てられる。一方、スライスSLの2値画像DBでは、肝臓の領域には論理値1が割り当てられるが、肺の領域には論理値0が割り当てられる。したがって、スライスSLにおける面積比Rは、スライスSLにおける面積比Rよりも大きいが、スライスSLにおける面積比Rよりも小さくなる。
したがって、面積比Rが1に近いほど、スライスが肝臓を横切る可能性は高く、面積比Rが小さくなるに従って、スライスが肝臓を横切る可能性は低くなることがわかる。
スライスSL〜SL10の面積比Rを求めた後、ステップST31に進む。
ステップST31では、選択手段95が、面積比Rに基づいて、スライスSL〜SL10の中から、大動脈Aを検出するときの基準となるスライスSL(スライス番号n=j)を選択する。以下に、スライスSLを選択する方法について説明する。
選択手段95は、先ず、スライスSL〜SL10の中から、肝臓側に位置するスライスを求める(図27参照)。
図27は、スライスSL〜SL10の中から、肝臓側に位置するスライスを求めるときの説明図である。
選択手段95は、面積比Rの最大値maxと面積比Rの最小値minとの差ΔRを求める。そして、ΔRに基づいて、面積比Rが1に近いか否かを判断するための閾値THを設定する。閾値THは、以下の式で表すことができる。
TH=min+k・ΔR ・・・(1)
ここで、min:面積比Rの最小値
k:係数
kは、例えば、k=0.9である。本形態では、閾値TH以上の面積比Rを有するスライスを、肝臓側に位置するスライスとして求める。図27では、スライスSL〜SL10が、肝臓側に位置するスライスとして求められる。先に説明したように、スライスの面積比Rが1に近いほど、スライスが肝臓側に位置している可能性は高いと考えられるので、閾値TH以上の面積比Rを有するスライスSL〜SL10は、肝臓を横切っていると考えることができる。
スライスSL〜SL10を求めた後、選択手段95は、スライスSL〜SL10の中から、一つのスライスを、大動脈を検出するときの基準となるスライスSLとして選択する。ここでは、j=5、すなわち、スライスSL〜SL10のうち、一番肺側に位置するスライスSL(スライス番号n=5)が、大動脈Aを検出するときの基準となるスライスSLとして選択される。スライスSLは面積比Rが1に近い値であるので、スライスSLは肺をほとんど横切っていないと考えることができる。したがって、スライスSLにおける大動脈Aの周囲には、肺が原因で生じる低信号領域は存在していないと考えられる。スライスSLを選択した後、ステップST32に進む。
ステップST32では、検出手段96が、ステップST31で選択されたスライスSLの大動脈Aを検出する。
図28および図29は、スライスSLの大動脈Aを検出するときの説明図である。
検出手段96は、先ず、スライスSLのアキシャル画像Dに、検索範囲を規定する検索領域を設定する。図28に、アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す。
検出手段96は、脳脊髄液CSFから水平に延びるラインL0と、脳脊髄液CSFを中心としてラインL0に対してθ=θだけ傾いたラインL1とを規定する。ラインL0とラインL1とに挟まれる領域が、大動脈Aの検索範囲を規定する検索領域Rとして設定される。検索領域Rは、大動脈Aが含まれるように設定される。θは、例えば、θ=90°である。
次に、検出手段96は、ウィンドウWを用いて、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図29に、検索領域Rから大動脈Aが検出されたときの様子を概略的に示す。検出手段96は、先に説明したように、ウィンドウWの回転角θおよびウィンドウWのサイズ(ピクセル数x、ピクセル数y)を変更し、アキシャル画像Dの大動脈AがウィンドウWの先端部に内接するときのウィンドウWの回転角θ、ピクセル数xおよびyを求める。図29から、大動脈Aは、θ=θのライン上に位置していることがわかる。
スライスSLの大動脈Aを検出した後、ステップST33に進む。
ステップST33では、検出手段96が、スライスSLに対してスライス番号nが大きくなる方向に並ぶスライスSL〜SL10の大動脈Aを検出する。
図30〜図34は、スライスSL〜SL10の大動脈Aを検出するときの説明図である。
ステップST33では、検出手段96は、先ず、スライスSL〜SL10のうち、スライスSLに隣接するスライスSLの大動脈Aを検出する(図30および図31参照)。
図30および図31は、スライスSLの大動脈Aを検出するときの説明図である。
検出手段96は、先ず、スライスSLのアキシャル画像Dに、検索範囲を規定する検索領域を設定する。図30に、アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す。
スライスSLはスライスSLの隣に位置しているので、スライスSLにおける大動脈Aの位置は、スライスSLにおける大動脈Aの位置に近いと考えられる。そこで、検出手段96は、スライスSLのアキシャル画像Dから検出した大動脈Aの位置を表す回転角θを基準にして、回転角θを含む角度範囲θs6≦θ≦θe6を規定し、この角度範囲θs6≦θ≦θe6を検索領域Rとして設定する。
尚、先に説明したように、大動脈Aの断面は、S側からI側に近づくに従って、背骨を中心にして反時計方向ANに回転している。したがって、アキシャル画像Dにおける大動脈Aは、θ=θに対して反時計方向ANに位置している可能性が高いので、検索領域Rのうちのθs6≦θ≦θの角度範囲は狭くし、θ≦θ≦θe6の角度範囲を広く設定してもよい。このように、大動脈Aの走行方向に基づいて検索領域Rを設定することにより、大動脈Aが存在している可能性が低い領域を、検索領域Rから除外することができる。
検索領域Rを設定した後、検出手段96は、ウィンドウWを用いて、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図31に、検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す。大動脈Aは、θ=θのライン上に位置している。
スライスSLにおける大動脈Aを検出した後、検出手段96は、スライスSLに対してI方向(スライス番号nが大きくなる方向)に隣接するスライスSLのアキシャル画像Dに、大動脈Aの検索範囲を規定する検索領域を設定する(図32参照)。
図32は、アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。
スライスSLはスライスSLの隣に位置しているので、スライスSLにおける大動脈Aの位置は、スライスSLにおける大動脈Aの位置に近いと考えられる。そこで、検出手段96は、スライスSLのアキシャル画像Dから検出した大動脈Aの位置を表す回転角θを基準にして、回転角θを含む角度範囲θs7≦θ≦θe7を規定し、この角度範囲θs7≦θ≦θe7を検索領域Rとして設定する。尚、大動脈Aの走行方向を考慮して、検索領域Rのうちのθs7≦θ≦θの角度範囲は狭くし、θ≦θ≦θe7の角度範囲を広く設定してもよい。
検索領域Rを設定した後、検出手段96は、ウィンドウWを用いて、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図33に、検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す。大動脈Aは、θ=θのライン上に位置している。
スライスSLの大動脈Aを検出した後も、同様の手法で、スライスSL、SL、およびSL10の大動脈Aを検出する。したがって、スライスSLに対してスライス番号nが大きい方向に並ぶスライスSL〜SL10の大動脈Aを検出することができる。図34に、スライスSL〜SL10から検出された大動脈Aの位置を表す回転角θ=θ〜θ10を概略的に示す。
スライスSLの大動脈Aを検出する場合、検出手段96は、スライスSLから検出された大動脈の位置を表す回転角θ=θに基づいて、スライスSLのアキシャル画像Dに検索領域Rを設定し、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図34では、スライスSLの大動脈Aは、θ=θのライン上に位置している。スライスSLの大動脈Aを検出した後、θ=θに基づいて、隣のスライスSLのアキシャル画像Dに検索領域Rを設定し、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図34では、スライスSLの大動脈Aは、θ=θのライン上に位置している。スライスSLの大動脈Aを検出した後、θ=θに基づいて、隣のスライスSL10のアキシャル画像D10に検索領域R10を設定し、検索領域R10の中から大動脈Aを検出する。このようにして、スライスSL〜SL10の大動脈Aを検出することができる。
スライスSL〜SL10の大動脈Aを検出した後、ステップST34に進む。
ステップST34では、検出手段96が、スライスSLに対してスライス番号nが小さくなる方向に並ぶスライスSL〜SLの大動脈Aを検出する。
図35〜図39は、スライスSL〜SLの大動脈Aを検出するときの説明図である。
ステップST34では、検出手段96は、先ず、SL〜SLのうち、スライスSLに隣接するスライスSL4の大動脈Aを検出する(図35および図36参照)。
図35および図36は、スライスSLの大動脈Aを検出するときの説明図である。
検出手段96は、先ず、スライスSLのアキシャル画像Dに、検索範囲を規定する検索領域を設定する。図35に、アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す。
スライスSLはスライスSLの隣に位置しているので、スライスSLにおける大動脈Aの位置は、スライスSLにおける大動脈Aの位置に近いと考えられる。そこで、検出手段96は、スライスSLのアキシャル画像Dから検出した大動脈Aの位置を表す回転角θを基準にして、回転角θを含む角度範囲θs4≧θ≧θe4を規定し、この角度範囲θs4≧θ≧θe4を検索領域Rとして設定する。
尚、図35から、大動脈Aの断面は、I側からS側に近づくに従って、背骨を中心にして時計方向CRに回転している。したがって、アキシャル画像Dにおける大動脈Aは、θ=θに対して時計方向CRに位置している可能性が高いので、検索領域Rのうちのθs4≧θ≧θの角度範囲は狭くし、θ≧θ≧θe4の角度範囲を広く設定してもよい。このように、大動脈Aの走行方向に基づいて検索領域Rを設定することにより、大動脈Aが存在している可能性が低い領域を、検索領域Rから除外することができる。
検索領域Rを設定した後、検出手段96は、ウィンドウWを用いて、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図36に、検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す。大動脈Aは、θ=θのライン上に位置している。
スライスSLにおける大動脈Aを検出した後、検出手段96は、スライスSLに対してS方向(スライス番号nが小さくなる方向)に隣接するスライスSLのアキシャル画像Dに、大動脈Aの検索範囲を規定する検索領域を設定する(図37参照)。
図37は、アキシャル画像Dに設定された検索領域Rを示す図である。
スライスSLはスライスSLの隣に位置しているので、スライスSLにおける大動脈Aの位置は、スライスSLにおける大動脈Aの位置に近いと考えられる。そこで、検出手段96は、スライスSLのアキシャル画像Dから検出した大動脈Aの位置を表す回転角θを基準にして、回転角θを含む角度範囲θs3≧θ≧θe3を規定し、この角度範囲θs3≧θ≧θe3を検索領域Rとして設定する。尚、大動脈Aの走行方向を考慮して、検索領域Rのうちのθs3≧θ≧θの角度範囲は狭くし、θ≧θ≧θe3の角度範囲を広く設定してもよい。
検索領域Rを設定した後、検出手段96は、ウィンドウWを用いて、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図38に、検索領域Rから検出された大動脈Aの位置を示す。大動脈Aは、θ=θのライン上に位置している。
スライスSLの大動脈Aを検出した後も、同様の手法で、スライスSLおよびSLの大動脈Aを検出する。したがって、スライスSLに対してスライス番号nが小さい方向に並ぶスライスSL〜SLの大動脈Aを検出することができる。図39に、スライスSL〜SLから検出された大動脈Aの位置を表す回転角θ=θ〜θを概略的に示す。
スライスSLの大動脈Aを検出する場合、検出手段96は、スライスSLから検出された大動脈の位置を表す回転角θ=θに基づいて、スライスSLのアキシャル画像Dに検索領域Rを設定し、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。図39では、スライスSLの大動脈Aは、θ=θのライン上に位置している。スライスSLの大動脈Aを検出した後、θ=θに基づいて、隣のスライスSLのアキシャル画像Dに検索領域Rを設定し、検索領域Rの中から大動脈Aを検出する。このようにして、スライスSL〜SLの大動脈Aを検出することができる。
したがって、ステップST32〜ST34を実行することにより、全てのスライスSL〜SL10の大動脈Aを検出することができる。全てのスライスSL〜SL10の大動脈Aを検出した後、ステップST4(図4参照)に進む。
ステップST4では、検出手段96が、スライスSL〜SL10から検出された大動脈Aの中心を求める。図40に、スライスSL〜SL10の大動脈Aの中心を概略的に示す。図40には、紙面の制約上、スライスSL、SL、SL、およびSL10の大動脈Aの中心のみを示してある。大動脈Aの断面形状は略円形と見なすことができるので、ウィンドウWに内接する円を考え、その円の中心を検出することにより、大動脈Aの中心を求めることができる。大動脈Aの中心を求めた後、ステップST5に進む。
ステップST5では、設定手段97(図1参照)が、検出された血管の中心に基づいて、造影剤を検出するためのトラッカー領域を設定する。図41に、設定されたトラッカー領域Rを概略的に示す。トラッカー領域Rは、大動脈Aの内側に位置するように設定される。トラッカー領域Rを設定した後、ステップST6に進む。
ステップST6では、本スキャンMS(図2参照)が実行される。本スキャンMSでは、被検体に造影剤が注入され、トラッカー領域Rから造影剤を検出するためのシーケンスが繰り返し実行される。そして、トラッカー領域Rに所定量の造影剤が注入したときに、肝臓の画像を取得するためのスキャンが実行され、フローが終了する。
本形態では、スライスSL〜SL10と面積比Rとの関係を表すプロファイルを求め(図27参照)、このプロファイルに基づいて、大動脈Aを検出するときの基準となるスライスSLを選択する。そして、スライスSL〜SL10のうち、選択されたスライスSLの大動脈を最初に検出する。スライスSLの面積比Rは1に近い値であるので、スライスSLにおける大動脈Aの周囲には、肺が原因で生じる低信号領域は存在していないと考えられる。したがって、スライスSLの大動脈を検出する場合、肺が原因で生じる低信号領域を大動脈として誤検出せずに、大動脈を正しく検出することができる。本形態では、スライスSLの大動脈を検出した後、スライスSLの大動脈の位置を基準にして、スライスSL〜SL10の検索領域とスライスSL〜SLの検索領域を設定する。したがって、スライスSLのように、肺を横切るスライスであっても、肺による低信号領域を大動脈として誤検出しないようにすることができる。
本形態では、スライスSL〜SL10の大動脈を検出した後(ステップST33)、スライスSL〜SLの大動脈を検出している(ステップST34)。しかし、スライスSL〜SL10の大動脈を検出するためのステップST33と、スライスSL〜SLの大動脈を検出するためのステップST34とを並列で実行してもよい。ステップST33とST34とを並列で実行することにより、スライスSL〜SL10の大動脈の検出に係る時間を短縮することができる。
本形態では、スライスSL〜SL10のうちのスライスSLを、大動脈を検出するときの基準となるスライスSLとして選択している。しかし、スライスSL〜SL10の中から、スライスSLとは別のスライス(例えば、スライスSL)を、大動脈を検出するときの基準とスライスSLとして選択してもよい。ただし、スライスSL10のように、肝臓の下端に近いスライスには、大動脈Aとは別の動脈の断面も現れやすいので、スライスSL10から大動脈Aの検出を開始すると、別の動脈を大動脈Aとして検出する可能性がある。したがって、スライスSL〜SL10の中から、大動脈を検出するときの基準となるスライスSLを選択する場合、肝臓の下端から離れた位置のスライス(肺に近いスライス)を選択することが望ましい。
本形態では、脳脊髄液CSFを基準にしてウィンドウWを設定しているが、脳脊髄液CSFとは別の部位を基準にしてウィンドウWを設定してもよい。また、本形態では大動脈Aを検出しているが、本発明は、大動脈Aとは別の血管を検出する場合にも適用することができる。
本形態では、アキシャル画像に基づいて、大動脈を検出しているが、アキシャル面とは別の面(例えば、アキシャル面に対して斜めに交差するオブリーク面)の画像に基づいて大動脈を決定してもよい。
本形態では、ウィンドウWは矩形状であるが、別の形状(例えば、楕円形状)であってもよい。
(2)第2の形態
第1の形態では、図18に示すフローに従ってステップST3が実行されているが、第2の形態では、図18に示すフローとは別のフローに従ってステップST3を実行する例について説明する。
図42は、第2の形態のMR装置200を概略的に示す図である。
尚、第2の形態のMR装置200は、第1の形態のMR装置100と比較すると、2値画像から腕部を削除するための削除手段98を有する点が異なっているが、その他の構成は第1の形態のMR装置100と同じである。したがって、第2の形態のMR装置200の説明にあたっては、削除手段98について主に説明する。
制御部9は、画像作成手段91〜削除手段98を構成する一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
図43は、第2の形態においてステップST3を実行するときのフローの説明図である。
ステップST310およびST320は第1の形態と同じであるので説明は省略する。
ステップST320により、2値画像DA(図21参照)が得られる。尚、2値画像DAには、被検体の胴部だけでなく、左腕部および右腕部も描出されている。第2の形態では、左腕部および右腕部を削除する処理をする。この処理を実行するために、ステップST321に進む。
ステップST321では、削除手段98が、2値画像DAから、腕部を削除する処理を実行する(図44参照)。
図44は、腕部が削除された2値画像DCを概略的に示す図である。
ステップST321では、2値画像DAから、左腕部と右腕部とを削除するための画像処理を実行する。これにより、腕部が削除された2値画像DCを得ることができる。腕部を削除する方法としては、例えば、“Med Imag Tech Vol.31 No.2 March 2013”に記載されているにように、縮小処理、領域拡張処理、および拡大処理を実行する方法を用いることができる。腕部が削除された2値画像DCを得た後、ステップST330に進む。
ステップST330では、第2の2値化手段93が、領域拡張法を用いずに、通常の閾値処理を用いて、スライスSLのアキシャル画像Dの2値化を実行する。この2値化は、第1の形態のステップST330で実行される2値化と同じである。図45に、通常の閾値処理でスライスSLのアキシャル画像Dを2値化することにより得られた2値画像DBを概略的に示す。2値画像DBを得た後、ステップST331に進む。
ステップST331では、削除手段98が、2値画像DBに対して、左腕部と右腕部とを削除するための画像処理を実行する。ステップST331で実行される画像処理は、ステップST321と同様に、縮小処理、領域拡張処理、および拡大処理を実行する方法を用いることができる。2値画像DBは肺に論理値0が割り当てられているので、縮小処理、領域拡張処理、拡大処理を実行すると、腕部が削除されるだけでなく、胴部の領域が狭くなる。図46に、腕部が削除された2値画像DDを概略的に示す。腕部を削除した後、ステップST340に進む(図47参照)。
図47は、ステップST340で実行される処理を説明するための図である。
ステップST340では、算出手段94が、2値画像DCの中の論理値1が割り当てられている領域の面積Aと、2値画像DDの中の論理値1が割り当てられている領域の面積Bとを計算する。面積AおよびBの値を求めたら、算出手段94は、面積比R=B/Aを計算する。
図47に示すように、面積Bは面積Aよりもかなり小さいので、面積比Rは、1よりもかなり小さい値になることがわかる。
このようにして、ステップST30が実行される。尚、図44〜図47では、スライスSLのアキシャル画像Dに対してステップST30を実行した例について説明されている。しかし、他のスライスSL〜SL10の各々の画像に対しても、スライスSLのアキシャル画像Dと同様に、ステップST30を実行し、面積比Rを求める。したがって、各スライスと面積比Rとの関係を表すプロファイルを得ることができる。図48に、各スライスと面積比Rとの関係を表すプロファイルを示す。各スライスのアキシャル画像に対してステップST30を実行した後、ステップST31に進む。
ステップST31〜ST34は第1の形態と同じであるので、説明は省略する。
第2の形態では、腕部が削除された2値画像を用いて面積比Rを求めている。面積比Rは、肝臓側では1に近い値になり、肺側では0に近い値になる。したがって、肝臓側の面積比と肺側の面積比との差が、第1の形態の場合(図26参照)よりも大きくなるので、肺と肝臓との境界の検出精度を更に向上させることが可能となる。
尚、第1および第2の形態では、スライスが肝臓を横切るか否かを判断するための指標として、面積比R=A/Bを用いている。しかし、大動脈Aを検出するときの基準となるスライスSLを求めることができるのであれば、面積比Rとは別の指標を用いてもよい。例えば、面積比Rの代わりに、面積Bを、スライスが肝臓を横切るか否かを判断するための指標として用いてもよい。
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 造影剤注入装置
6 送信器
7 勾配磁場電源
8 受信器
9 制御部
10 操作部
11 表示部
12 被検体
21 ボア
91 画像作成手段
92 第1の2値化手段
93 第2の2値化手段
94 算出手段
95 選択手段
96 検出手段
97 設定手段
98 削除手段

Claims (17)

  1. 肝臓を含む第1の部位と肺を含む第2の部位と血管とを含む撮影部位を横切るm枚のスライスの画像を作成する画像作成手段と、
    前記スライスの画像に基づいて、前記スライスが前記第1の部位を横切るか否かを判断するための指標を求める手段と、
    前記指標に基づいて、前記m枚のスライスの中から、前記第1の部位を横切る第1のスライスを選択する選択手段と、
    前記第1のスライスにおける前記血管を検出し、前記第1のスライスから肺に向かう方向に並ぶスライスに対して、前記第1のスライスに近いスライスから順に、前記血管を検出し、前記第2の部位を横切る第2のスライスにおける血管を検出する検出手段と、
    を有する血管検出装置。
  2. 前記選択手段は、
    前記指標に基づいて、前記m枚のスライスの中から、前記第1の部位を横切る2枚以上のスライスを求め、前記2枚以上のスライスの中から、前記第1のスライスを選択する、請求項1に記載の血管検出装置。
  3. 前記選択手段は、
    前記2枚以上のスライスのうち、前記第2の部位に最も近いスライスを、前記第1のスライスとして選択する、請求項2に記載の血管検出装置。
  4. 前記検出手段は、
    前記スライスごとに前記血管の検索領域を設定し、前記検索領域の中から前記血管を検出する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の血管検出装置。
  5. 前記m枚のスライスには、それぞれスライス番号n=1,2,3,・・・mが対応付けられており、
    前記第1のスライスのスライス番号nはn=j(1<j<m)であり、
    前記検出手段は、
    前記第1のスライスにおける前記血管を検出する第1のステップと、
    前記第1のスライスに対してスライス番号が大きくなる方向に並ぶスライス番号n=j+1〜mのスライスにおける前記血管を検出する第2のステップと、
    前記第1のスライスに対してスライス番号が小さくなる方向に並ぶスライス番号n=j−1〜1のスライスにおける前記血管を検出する第3のステップと、
    を実行する、請求項4に記載の血管検出装置。
  6. 前記検出手段は、
    前記第2のステップにおいて、
    スライス番号n(j≦n≦m−1)のスライスにおける前記血管の位置に基づいて、スライス番号n+1(j≦n≦m−1)のスライスに第1の検索領域を設定し、
    前記第3のステップにおいて、
    スライス番号n(j≧n≧2)のスライスにおける前記血管の位置に基づいて、スライス番号n−1(j≧n≧2)のスライスに第2の検索領域を設定する、請求項5に記載の血管検出装置。
  7. 前記検出手段は、
    前記第2のステップにおいて、
    スライス番号n(j≦n≦m−1)のスライスにおける前記血管の位置を表す第1の角度に基づいて、前記第1の検索領域を設定し、
    前記第3のステップにおいて、
    スライス番号n(j≧n≧2)のスライスにおける前記血管の位置を表す第2の角度に基づいて、前記第2の検索領域を設定する、請求項6に記載の血管検出装置。
  8. 前記検出手段は、
    前記第2のステップと前記第3のステップとを並列に実行する、請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の血管検出装置。
  9. 前記指標を求める手段は、
    前記第1の部位および前記第2の部位が第1の論理値を有し、背景領域が第2の論理値を有するように、前記m枚のスライスの各々の画像を2値化する第1の2値化手段と、
    前記第1の部位が前記第1の論理値を有し、前記第2の部位および前記背景領域が前記第2の論理値を有するように、前記m枚のスライスの各々の画像を2値化する第2の2値化手段と、
    前記第1の2値化手段により得られた第1の2値画像の特徴量と、前記第2の2値化手段により得られた第2の2値画像の特徴量とに基づいて、前記指標を算出する算出手段と、
    を有する、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の血管検出装置。
  10. 前記第1の2値画像の特徴量は、前記第1の2値画像における前記第1の論理値の面積であり、
    前記第2の2値画像の特徴量は、前記第2の2値画像における前記第1の論理値の面積である、請求項9に記載の血管検出装置。
  11. 前記算出手段は、
    前記第1の2値画像における前記第1の論理値の面積と、前記第2の2値画像における前記第1の論理値の面積とを求め、これらの面積の比に基づいて、前記指標を算出する、請求項10に記載の血管検出装置。
  12. 前記指標を求める手段は、
    前記第1の部位および前記第2の部位が第1の論理値を有し、背景領域が第2の論理値を有するように、前記m枚のスライスの各々の画像を2値化する第1の2値化手段と、
    前記第1の部位が前記第1の論理値を有し、前記第2の部位および前記背景領域が前記第2の論理値を有するように、前記m枚のスライスの各々の画像を2値化する第2の2値化手段と、
    前記第1の2値化手段により得られた第1の2値画像から所定の部位を削除する第1の削除処理と、前記第2の2値化手段により得られた第2の2値画像から前記所定の部位を削除する第2の削除処理とを実行する削除手段と、
    前記第1の削除処理後の第1の2値画像の特徴量と、前記第2の削除処理後の第2の2値画像の特徴量とに基づいて、前記指標を算出する算出手段と、
    を有する、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の血管検出装置。
  13. 前記第1の削除処理後の第1の2値画像の特徴量は、前記第1の削除処理後の第1の2値画像における前記第1の論理値の面積であり、
    前記第2の削除処理後の第2の2値画像の特徴量は、前記第2の削除処理後の第2の2値画像における前記第1の論理値の面積である、請求項12に記載の血管検出装置。
  14. 前記算出手段は、
    前記第1の削除処理後の第1の2値画像における前記第1の論理値の面積と、前記第2の削除処理後の第2の2値画像における前記第1の論理値の面積とを求め、これらの面積の比に基づいて、前記指標を算出する、請求項13に記載の血管検出装置。
  15. 前記第1の2値化手段は、領域拡張法を用いた2値化であり、
    前記第2の2値化手段は、閾値処理を用いた2値化である、請求項9〜14のうちのいずれか一項に記載の血管検出装置。
  16. 請求項1〜15のうちのいずれか一項に記載の血管検出装置を有する医用装置。
  17. 肝臓を含む第1の部位と肺を含む第2の部位と血管とを含む撮影部位を横切るm枚のスライスの画像を作成する画像作成処理と、
    前記スライスの画像に基づいて、前記スライスが前記第1の部位を横切るか否かを判断するための指標を求める処理と、
    前記指標に基づいて、前記m枚のスライスの中から、前記第1の部位を横切る第1のスライスを選択する選択処理と、
    前記第1のスライスにおける前記血管を検出し、前記第1のスライスから肺に向かう方向に並ぶスライスに対して、前記第1のスライスに近いスライスから順に、前記血管を検出し、前記第2の部位を横切る第2のスライスにおける血管を検出する検出処理と、
    を計算機に実行させるためのプログラム。
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