JP5403431B2 - 断層画像処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

本技術は、CT(Computed Tomography)画像、MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像や超音波エコー画像といった、心臓を含む生体の断層画像を処理する技術に関する。
生体の断層画像を取得して病気やけがの診断を行うことは、現在一般に行われている。断層画像を得る技術としてはCT、MRI、超音波エコー像といった方法がある。これらの技術は、実際に人体を切開しなくても体内の様子が判明する、という大きな利点を有するものの、得られる画像は2次元画像の集合であり、3次元形状を有する臓器の現在の様子や位置関係を把握するにはそれなりの経験とノウハウが必要である。特に心臓のように3次元的に複雑な形状をしていて、且つ拍動運動をしていて時間的に形状が変化している場合は尚更困難が伴う。
そこで、心臓の断層画像から3次元モデルを構築して表示し、位置関係や時間的な変化を把握しやすくする技術が近年研究されている。これはそのまま診断に用いることもでき、また医学生に対する教育の場で臓器への理解を早める教育分野への貢献が期待されている。更に生体シミュレーションによって仮想心臓を構築し、薬学・生理学などに応用しようという研究もある。
一方、生体に限らず2次元画像を積層して3次元モデルに見せる技術としてボリュームレンダリングや陰線処理といった方法がある。これを行うには3次元物体の表面がどこにあり、空気や液体のように透過して見えてよい箇所はどこであるか、という情報が必要になる。
心臓に対してこのような情報を定めるのには以下のような2つの方法がある。すなわち、(1)CT画像等による断層画像を見て、心臓とその他の部分の境界を定めて心臓表面を特定し、印をつけていく方法。
(2)3次元の標準的な心臓形状テンプレートデータを予め用意し、その形状変形によって患者個々の心臓形状を得る方法。
前者については、1人の患者の心臓について数百枚にわたる断層画像に対して、知識を十分に持った医師が境界線を引き、更にどの境界線が心房・心室・大動脈といったいずれの部分に該当するかを決定する、という作業が必要となる。この作業に関して近年は自動化して作業負担を下げる研究がなされている。
しかしながら、現実の患者の心臓の位置や角度にはバラツキが大きく、ノウハウを有する医師でないとCT画像等から3次元の位置情報を把握することは困難である。そこで医師でなくても心臓の位置が把握できるようにするためのアルゴリズムがいくつか提案されている。例えば、しきい値処理によるエッジ抽出により抽出処理の自動化を図る従来技術や、切断面を回転させて断層像内の心臓領域が最小になる画像を探索する従来技術もある。
しかし、これらの従来技術は一旦心臓心筋部の抽出を行わなければならない、という問題点がある。一般には心臓内部の、造影剤の作用によって輝度が高くなった部分を、しきい値処理によって抽出するが、この方法は造影剤のムラなどが原因で輝度が不安定な場合にはうまく処理できない。
これに対して後者の場合、個々の患者の心臓CT画像に対して特徴点を抽出し、それを3次元テンプレートデータに対応付けて変形を行うことによって、個々の断層画像に対して作業を行わなくても自動的に境界線や部分決定がなされる、という利点がある。但し、心臓CT画像と3次元テンプレートデータとの間で空間的な位置や角度が正しく対応していないと正確なデータが得られない。
特開平07−88106号公報 特開2004−283483号公報
上でも述べたように、後者の技術を採用する場合には正確に特徴点を抽出する必要がある。心臓の場合、この特徴点には心軸が含まれている。
従って、本技術の目的は、心臓を含む生体の断層画像から、心軸に関するデータを自動的に抽出する技術を提供することである。
本断層画像処理方法は、断層画像格納部に格納されている、複数の断層画像の中から、第1の条件を満たす楕円を含む断層画像を抽出する抽出ステップと、抽出された断層画像における楕円の短軸を特定し、当該楕円の短軸を特定するためのデータを記憶装置に格納するステップと、特定された楕円の短軸を回転軸として回転させた平面で、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を変化させつつ生成し、当該切断画像において第2の条件を満たす円を特定し、当該円が検出された切断画像についての回転角を、基準回転角として記憶装置に格納するステップと、記憶装置に格納されている楕円の短軸を特定するためのデータ及び基準回転角から、楕円の短軸を回転軸として基準回転角だけ抽出ステップで抽出された断層画像を回転させた平面の法線を特定し、心軸方向のデータとして記憶装置に格納するステップとを含む。
第2の態様に係る断層画像処理方法は、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとの第1のパターンマッチングを行うステップと、第1のパターンマッチングにおいて算出される、楕円テンプレートとの相関値が最も高い断層画像を特定するステップと、特定された断層画像における楕円の短軸を特定するステップと、特定された短軸を回転軸として回転させた平面で、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を適宜変化させつつ生成し、生成された切断画像と円形テンプレートとの第2のパターンマッチングを行う第2パターンマッチング・ステップと、第2のパターンマッチングにおいて算出される、円形テンプレートとの相関値が最も高い切断画像を特定するステップと、特定された切断画像の法線を心軸として算出するステップとを含む。
心臓を含む生体の断層画像から、心軸に関するデータを自動的に抽出することができるようになる。
図1は、断層画像処理装置の機能ブロック図である。 図2は、心臓の模式図である。 図3は、人体における心臓の左心室と断層画像との関係を説明するための模式図である。 図4は、断層画像の一例を示す模式図である。 図5は、楕円テンプレートの一例を示す図である。 図6は、本実施の形態のメインの処理フローを示す図である。 図7は、楕円探索処理を説明するための図である。 図8(1)乃至(5)は、楕円探索処理を説明するための図である。 図9は、楕円探索処理の処理フローを示す図である。 図10は、左心室に相当する円を検出するための処理を説明するための図である。 図11(1)乃至(5)は、左心室に相当する円を検出するための処理を説明するための図である。 図12は、心尖部を検出するための処理を説明するための図である。 図13は、心尖部を検出するための処理を説明するための図である。 図14は、コンピュータの機能ブロック図である。 図15は、断層画像処理方法の処理フローを示す図である。 図16は、断層画像処理装置の機能ブロック図である。 図17は、第2の態様に係る断層画像処理方法の処理フローを示す図である。
本技術の一実施の形態に係る断層画像処理装置の機能ブロック図を図1に示す。本実施の形態に係る断層画像処理装置は、断層画像データ格納部1と、楕円テンプレートデータ格納部3と、断層画像データ格納部1及び楕円テンプレートデータ格納部3に格納されているデータを用いて処理を実施する楕円処理部5と、楕円処理部5の処理結果を格納する楕円データ格納部7と、断層画像データ格納部1及び楕円データ格納部7に格納されているデータを用いて処理を実施する心軸処理部9と、心軸処理部9による処理結果などを格納する特徴データ格納部11とを有する。
心軸処理部9は、特徴データ格納部11に格納されているデータを用いて処理を実施する場合もある。また、心軸処理部9は、3次元ボリュームデータ切断画像生成部91と、円検出処理部93と、心軸検出部95と、心尖部検出部97とを含む。
断層画像データ格納部1には、心臓を含む生体のCT画像などであり、図示しないCTスキャン装置などによって撮影された患者の断層画像が格納されている。このような断層画像自体は周知であるから、これ以上述べない。但し、断層画像データ格納部1は、本断層画像処理装置も接続されているネットワークに接続されている他のコンピュータ又はCTスキャン装置に含まれる場合もある。
楕円テンプレートデータ格納部3には、複数の楕円テンプレートのデータが格納されている。楕円テンプレートは、典型的には、心臓の左心室を切断した際に断層画像上現れる左心室に相当する楕円を含む画像テンプレートである。楕円テンプレートは、断層画像上経験的に最も出現しそうな楕円を含む画像テンプレートであるが、以下に、どのように楕円テンプレートを決定するのかについて簡単に説明する。
心臓は図2に模式的に示すような形状を有している。心臓の左心室は、典型的には回転楕円体のような形状を有しており、その中心軸が心軸である。また、心軸と心筋外表面との交点を心尖部と呼ぶ。本実施の形態では、心臓の特徴データとして、心軸及び心尖部を検出する。
典型的なCTスキャン装置では、図3で模式的に示すように、横たわった人体を水平に移動させて当該移動方向に垂直なスライス面における断層画像が撮影される。心臓の左心室は、人体の移動方向と平行ではなく、ある程度傾いた形で配置されており、そのため移動方向に垂直なスライス面で切断すれば、回転楕円体である左心室の断面も楕円となる。
このスライス面での断層画像を模式的に示すと図4のようになる。ほぼ左心室の中央部分で切断した場合には、左心室と右心室とを含む心臓が断層画像に含まれるが、図4に示すように左心室の切断輪郭は楕円となる。このような楕円をテンプレートとして採用する。例えば、図5に示すような楕円テンプレートを採用して、楕円テンプレートデータ格納部3に予め格納しておく。なお、サイズや角度、楕円率などを、実際の出現状況に合わせて変化させた複数の楕円テンプレートを用意しておく。
次に、図6乃至図13を用いて、断層画像処理装置の動作について説明する。まず、楕円処理部5は、断層画像データ格納部1と楕円テンプレートデータ格納部3とに格納されているデータを用いて楕円探索処理を実施する(図6:ステップS1)。楕円探索処理については、図7乃至図9を用いて説明する。
まず、図7及び図8を用いて楕円探索処理の概要を説明する。図7に示すように、左心室100を例えば5枚の断層画像で撮影した場合を考える。図7の(1)の位置で撮影した場合、図8(1)のような断層画像が得られ、図7の(2)の位置で撮影した場合、図8(2)のような断層が得られ、図7の(3)の位置で撮影した場合、図8(3)のような断層画像が得られ、図7の(4)の位置で撮影した場合、図8(4)のような断層画像が得られ、図7の(5)の位置で撮影した場合、図8(5)のような断層画像が得られる。このような断層画像の各々について、楕円テンプレートを用いたパターンマッチングを実施して、最もマッチングがとれた断層画像及びその画像部分を特定する。なお、特定された断層画像及びその画像部分から心軸を特定するので、左心室の中心又はそれに近い断層画像を特定することが好ましい。左心室は回転楕円体であるので、左心室の中心又はそれに近い位置の断層画像であれば、楕円のサイズが大きくなる。従って、本実施の形態では楕円テンプレートと最もマッチングがとれて且つ楕円のサイズがより大きい断層画像及びその画像部分を特定する。図8の場合には、図8(3)の断層画像の点線部分が該当する。図8(3)において、図中楕円状の部分が、左心室の候補となる画像部分に相当する。
具体的な処理は以下のとおりである。楕円処理部5は、楕円テンプレートデータ格納部3に格納されている楕円テンプレートのうち未処理の楕円テンプレートを1つ特定する(図9:ステップS21)。さらに、楕円処理部5は、断層画像データ格納部1に格納されている断層画像のうち未処理の断層画像を1つ特定する(ステップS23)。そして、楕円処理部5は、特定された断層画像において、特定された楕円テンプレートと最も相関値が高い画像部分を特定する(ステップS25)。すなわち、楕円テンプレートと断層画像とのパターンマッチングを行う。このパターンマッチングでは、楕円テンプレートと断層画像との相関値を算出する。相関値は、正規化相互相関の係数Cであり、例えば以下の式で算出される。
Figure 0005403431
上で示した式のxiは、楕円テンプレートにおけるi番目の画素の輝度を表しており、x~(xの上にバーがのった記号)はxiの平均輝度を表している。yiは、楕円テンプレートにおけるi番目の画素と同一の位置における断層画像の画素の輝度を表しており、y~(yの上にバーがのった記号)はyiの平均輝度を表しており、nが楕円テンプレートの画素数を表す。正規化相互相関は、大きさや角度の変化に弱いという問題点があるが、輝度むらに強いので、CT画像などには好ましい。また、問題点については大きさや角度の異なるテンプレートを用意することで対処可能である。但し、他の種類の相関値を採用するようにしても良い。例えば、単に輝度値の差を累積するようなものであってもよい。
例えば、図4のような断層画像に対して図5のような楕円テンプレートを用いてパターンマッチングを行った場合には、図4の点線の位置に楕円テンプレートを配置した際に最も相関値が大きくなる。
ステップS23では、断層画像上楕円テンプレートとの相関値が最も大きくなった画像部分の位置データ(例えば画像部分の4頂点の座標、又はテンプレートサイズと画像部分の左上の座標)及びその際の相関値を、例えばメインメモリ等の記憶装置に保持しておく。この段階で、画像部分内においてエッジ抽出などにより楕円と判断される輪郭の座標を特定して、記憶装置に保持しておいても良い。
そして、楕円処理部5は、これまでに処理した楕円テンプレート及び断層画像の組み合わせについての相関値の最大値(楕円データ格納部7に格納されている)とステップS25で算出した相関値とを比較して、ステップS25で算出された相関値がこれまで取得した相関値の中での最大値となったか、すなわち過去に取得した相関値の最大値以上となったかを確認する。そして、ステップS25で算出した相関値が最大値となっている場合には、特定された断層画像のID、相関値及び画像部分の位置データを、楕円データ格納部7に格納する(ステップS27)。なお、図6で最初に断層画像を処理する場合には、必ず最初に処理する断層画像のID、相関値及び画像部分の位置データを格納することになる。また、過去の最大相関値と同じ相関値が今回算出された場合には、追加で断層画像のID、相関値及び画像部分の位置データを、楕円データ格納部7に格納する。
そして、楕円処理部5は、全ての断層画像について処理したか判断する(ステップS29)。未処理の断層画像が存在する場合には、ステップS23に戻る。一方、全ての断層画像について処理した場合には、楕円処理部5は、全ての楕円テンプレートについて処理したか判断する(ステップS31)。未処理の楕円テンプレートが存在する場合にはステップS21に戻る。全ての楕円テンプレートについて処理した場合には、楕円処理部5は、楕円データ格納部7に複数のデータ・セットが格納されているのか確認し、複数のデータセットが格納されている場合には、格納されているIDで特定される断層画像において、格納されている位置データで特定される画像部分における楕円のサイズを算出し、当該サイズが最大のデータセットのみを選択して残しておき、残りのデータを楕円データ格納部7の別領域に格納する(ステップS33)。サイズは、楕円を構成する画素を例えばエッジ抽出などで抽出した上で、当該楕円に含まれる画素数又は楕円の面積で特定する。そして処理は元の処理に戻る。
このようにすれば、いずれかの楕円テンプレートについて相関値が最大となる断層画像の画像部分を特定することができる。さらに、異なる複数の断層画像について同じ最大相関値が算出された場合には、サイズが最大となる楕円を含む断層画像及びその画像部分が特定される。
すなわち、サイズが最大となる楕円を含む断層画像及び画像部分を特定することで、左心室の中心又は中心に最も近い断層画像及び左心室に相当する楕円が特定される。楕円の輪郭を構成する画素の座標についても、楕円データ格納部7に格納しておく。
図6の処理に戻って、次に、心軸処理部9の円検出処理部93は、ステップS1の楕円探索処理で特定された楕円の短軸を特定し、例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS3)。左心室は楕円(ステップS1の楕円探索処理で特定された楕円とは異なる)の長軸を回転軸として当該楕円を回転させた回転楕円体とみなすことができ、この左心室の心軸と回転軸である長軸は一致している。従って、長軸と垂直の面で左心室を切断すれば左心室の断面は円となるので、断層画像から円を探索する処理を実施する。但し、現在の断層画像が長軸からどの程度傾いているか分からないので、図10(1)乃至(5)に示すように、楕円探索処理で特定された楕円の短軸を回転軸として生体の切断面を適宜傾けてゆき、傾けた切断面における切断画像を生成した上で、生成した切断画像から円が検出されるか確認する。切断画像は、断層画像の積層によって形成される3次元ボリュームデータを、傾けた切断面で切断することによって生成される。このような処理を行う上で、ステップS3で楕円の短軸を周知の方法で特定する。楕円の短軸を特定するためのデータは、例えば断層画像のIDと、楕円と当該楕円の短軸との交点の座標とを含む。
次に、円検出処理部93は、ステップS3で特定された楕円の短軸を用いて当該楕円の短半径(楕円と当該楕円の短軸との交点間の長さの半分)を算出し、当該短半径の円を含む円テンプレートを生成し、当該円テンプレートのデータをメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS5)。検出すべき円は、楕円の短半径を半径とする円であるので、本ステップで適切な半径の円を含む円テンプレート(例えば図11(3)における点線の範囲のような画像テンプレート)を生成する。その後、円検出処理部93は、切断面の傾き角θをΔtに設定する(ステップS6)。Δtは、切断面を傾ける角度の刻みであり、予め設定しておく。
その後、円検出処理部93は、3次元ボリュームデータ切断画像生成部91に、ステップS3で特定された楕円の短軸を回転軸として、断層画像の面からθ傾けた切断面の画像(以下、切断画像と呼ぶ)を生成させる(ステップS7)。3次元ボリュームデータ切断画像生成部91は、断層画像を積層した3次元ボリュームデータを、上で述べたような、傾けた切断面で切断することによって得られる切断画像を、周知の方法で生成する。生成した切断画像のデータは、円検出処理部93に出力される。
そして、円検出処理部93は、ステップS5で生成した円テンプレートと生成した切断画像との相関値を算出し、角度θに対応付けて例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS9)。パターンマッチングを行うべき切断画像の画像部分は、楕円が検出された断層画像の画像部分の位置とほぼ同じであるから、この位置データに基づき、円テンプレートを移動させるなどして、最も相関値が高くなった画像部分の値を採用する。相関値は、上で述べた正規化相互相関の係数であってもよい。なお、最も相関値が高くなった画像部分の位置データを、例えばメインメモリなどの記憶装置に保持しておく。
そして、円検出処理部93は、これまでに算出された相関値よりも、今回算出された相関値が減少しているか判断する(ステップS11)。今回の相関値がこれまで算出した相関値と同じ又は増加している場合には、円検出処理部93は、角度θをΔtだけ増加させ(ステップS13)、ステップS7に戻る。
本実施の形態では、図10に示すように、傾き角度θを徐々に増加させ、切断面を(1)から(5)へ変化させると、図11に示すように、徐々に楕円が円に近くなり、円になった後には切断面は再度楕円に戻ってゆく。すなわち、図11の例では、(1)から(2)、そして(3)まで相関値は上昇するが、(4)に至ると相関値は減少する。そのため、どの切断面が最も円に近いのかを判断するために、このような相関値の減少を検出したか判断する。図11の例では、(3)の切断画像における傾き角θを特定する。
相関値の減少を検出した場合には、円テンプレートにマッチする円が検出されたことになるので、円検出処理部93は、相関値最大となる切断面の傾き角θを心軸検出部95に出力する。心軸検出部95は、相関値最大となる切断面を楕円の短軸と傾き角θとから特定した上で、周知の方法で当該相関値最大となる切断面の法線を算出する。さらに、相関値最大となる切断面における切断画像に含まれる円及び当該円の中心を特定し、法線のデータ及び円の中心座標を心軸のデータとして、特徴データ格納部11に格納する(ステップS15)。円の中心を通過する法線方向の直線を表すデータを生成して、心軸のデータとして特徴データ格納部11に格納するようにしてもよい。
さらに、心尖部検出部97は、相関値最大となる切断面を楕円の短軸と傾き角θとから特定した上で、図12に示すように、ステップS15で特定された心軸方向に切断面を心臓外側にΔLだけ移動させつつ、当該切断面についての切断画像を3次元ボリュームデータ切断画像生成部91に生成させる。そして、生成された切断画像において、円が検出された画像部分で左心室(より具体的には左心室領域の心筋)に相当する画像領域を探索する。図12(1)乃至(5)に示すように、このような処理を左心室に相当する画像領域が検出できなくなるまで繰り返し、検出できなくなった場合にはその直前の切断画像における左心室に相当する画像領域(通常は点。例えば図13(4))を心尖部として特定し、当該心尖部の座標を特徴データ格納部11に格納する(ステップS17)。左心室に相当する画像領域の探索は、エッジ検出などで輪郭を抽出した上でその内部の画素を特定すればよい。
以上のような処理を実施することによって、特徴データ格納部11には、心軸のデータ及び心尖部のデータとが格納されるようになる。
実際には、心軸及び心尖部は、さらに心臓の3次元モデル化処理に用いられるので、心軸及び心尖部がこのように自動的に特定されると心臓の3次元モデルの生成が容易になる。
以上本技術の実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、図1に示した断層画像処理装置の機能ブロックは必ずしも実際のプログラムモジュール構成と一致するわけではない。データ格納部の構成も同様に一例にすぎない。
また、ステップS17については、切断面を移動させて切断画像を生成するような処理例を示したが、他の手法を採用するようにしても良い。例えば、心軸の延長線と心筋外表面との交点を、心尖部として特定するようにしても良い。心筋外表面については、例えば円について相関値最大となる切断面を楕円の短軸と傾き角θとから特定した上で、心軸を通り且つ当該切断面と直交する平面における切断画像を生成することによって左心室を縦に切断し、心筋外表面に相当する輪郭線を特定するようにしても良い。他の手法であっても良い。
さらに、上で述べた手法では、心臓疾患により左心室に変形があるような場合には楕円や円が検出されない可能性がある。このため、典型的な変形が生じている場合のためのテンプレートを用意しておき、検出不可という判断がなされた場合(すなわち相関値が所定の閾値以下にしかならない場合)には、そのようなテンプレートを用いてパターンマッチングをやり直すような処理を実施しても良い。
なお、上で述べた断層画像処理装置は、コンピュータ装置であって、図14に示すように、メモリ2501とCPU2503とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。本技術の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
以上述べた本実施の形態をまとめると、以下のようになる。
本断層画像処理方法は、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の中から、第1の条件を満たす楕円を含む断層画像を抽出する抽出ステップ(図15:ステップS1001)と、抽出された断層画像における楕円の短軸を特定し、当該楕円の短軸を特定するためのデータを記憶装置に格納するステップと(図15:ステップS1003)、特定された楕円の短軸を回転軸として回転させた平面で、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を変化させつつ生成し、当該切断画像において第2の条件を満たす円を特定し、当該円が検出された切断画像についての回転角を、基準回転角として記憶装置に格納するステップと(図15:ステップS1005)、記憶装置に格納されている楕円の短軸を特定するためのデータ及び基準回転角から、楕円の短軸を回転軸として基準回転角だけ抽出ステップで抽出された断層画像を回転させた平面の法線を特定し、心軸方向のデータとして記憶装置に格納するステップと(図15:ステップS1007)を含む。
このようにすれば、心臓の特徴パラメータの一つである心軸の方向を断層画像から自動的に特定することができ、標準的な心臓形状テンプレートの変形による心臓のモデル化が容易になる。
また、本断層画像処理方法は、特定された円の中心を通る心軸方向の直線を用いて心尖部を特定し、当該特定された心尖部の位置データを記憶装置に格納する心尖部特定ステップをさらに含むようにしても良い。心軸方向が特定されれば、心臓の特徴パラメータの一つである心尖部も容易に特定できるようになる。
さらに、上で述べた第1の条件が、楕円テンプレート格納部に格納されている楕円テンプレートとの相関値が最も高いという条件であってもよい。すなわち、パターンマッチングにより最も確からしい左心室の画像部分を特定するものである。
また、上で述べた抽出ステップが、複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとのパターンマッチングを実施して、最も相関値の高い断層画像を特定するステップを含むようにしてもよい。
また、上で述べた第1の条件が、楕円テンプレートとの相関値が最も高いという条件を満たす楕円の中でサイズが最大という条件をさらに含むようにしてもよい。サイズが最大であれば、左心室の中心である可能性が高く、これ以降の処理に適しているからである。
さらに、上で述べた第2の条件が、特定された楕円の短軸と当該楕円との交点間の長さを直径とする円テンプレートとの相関値が最も高いという条件であってもよい。心軸に垂直な平面を特定する際にもパターンマッチングを実施するものである。
また、本断層画像処理方法は、特定された円の中心を通る心軸方向の直線を、心軸として特定し、当該心軸のデータを記憶装置に格納するステップをさらに含むようにしても良い。
また、上で述べた心尖部特定ステップが、心軸方向に、当該心軸と直交する切断面を平行移動させつつ、3次元ボリュームデータの切断画像を生成し、当該切断画像において左心室領域が消失する直前の切断画像における左心室領域を心尖部として特定するステップを含むようにしても良い。左心室領域はほぼ円であり、上記平面を心筋の外側方向に移動させれば円が次第に小さくなって最後は消失する。この消失直前の左心室領域(ほぼ点)を、心尖部として特定するものである。このような処理は、3次元ボリュームデータの切断画像を生成して円を検出する処理と連続的に行うことができる。
さらに、上で述べた心尖部特定ステップが、特定された円の中心を通る心軸方向の直線と心筋外表面との交点を、心尖部として特定するステップを含むようにしても良い。心筋外表面を特定できれば容易に心尖部を特定できる。
本断層画像処理装置は、複数の断層画像を格納する断層画像格納部(図16:1501)と、断層画像格納部に格納されている、複数の断層画像の中から、第1の条件を満たす楕円を含む断層画像を抽出し、抽出された断層画像における楕円の短軸を特定し、当該楕円の短軸を特定するためのデータを記憶装置(図16:1505)に格納する楕円処理部(図16:1503)と、特定された楕円の短軸を回転軸として回転させた平面で、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を変化させつつ生成し、当該切断画像において第2の条件を満たす円を特定し、当該円が検出された切断画像についての回転角を、基準回転角として記憶装置に格納し、記憶装置に格納されている楕円の短軸を特定するためのデータ及び基準回転角から、楕円の短軸を回転軸として基準回転角だけ楕円処理部によって抽出された断層画像を回転させた平面の法線を特定し、心軸方向のデータとして記憶装置に格納する心軸処理部(図16:1507)とを有する。
第2の態様に係る断層画像処理方法は、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとの第1のパターンマッチングを行うステップ(図17:ステップ1101)と、第1のパターンマッチングにおいて算出される、楕円テンプレートとの相関値が最も高い断層画像を特定するステップ(図17:ステップS1103)と、特定された断層画像における楕円の短軸を特定するステップ(図17:ステップ1105)と、特定された短軸を回転軸として回転させた平面で、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を適宜変化させつつ生成し、生成された切断画像と円形テンプレートとの第2のパターンマッチングを行う第2パターンマッチング・ステップ(図17:ステップS1107)と、第2のパターンマッチングにおいて算出される、円形テンプレートとの相関値が最も高い切断画像を特定するステップ(図17:ステップS1109)と、特定された切断画像の法線を心軸として算出するステップ(図17:ステップS1111)とを含む。
また、上で述べた第2パターンマッチング・ステップにおいて、切断画像と円形テンプレートとの相関値の減少を検出した場合、第2のパターンマッチングを終了するようにしても良い。これにより処理が高速化される。
第2の態様に係る断層画像処理装置は、複数の断層画像を格納する断層画像格納部(図16:1501)と、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとの第1のパターンマッチングを行い、当該第1のパターンマッチングにおいて算出された、楕円テンプレートとの相関値が最も高い断層画像を特定し、特定された断層画像における楕円の短軸を特定する楕円処理部(図16:1503)と、特定された短軸を回転軸として回転させた平面で、断層画像格納部に格納されている複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を適宜変化させつつ生成し、生成された切断画像と円形テンプレートとの第2のパターンマッチングを行い、第2のパターンマッチングにおいて算出された、円形テンプレートとの相関値が最も高い切断画像を特定し、特定された切断画像の法線を心軸として算出する心軸処理部(図16:1507)とを有する。
なお、上で述べたような処理をコンピュータに実施させるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリ等の記憶装置に一時保管される。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の中から、第1の条件を満たす楕円を含む断層画像を抽出する抽出ステップと、
抽出された前記断層画像における楕円の短軸を特定し、当該楕円の短軸を特定するためのデータを記憶装置に格納するステップと、
特定された前記楕円の短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を変化させつつ生成し、当該切断画像において第2の条件を満たす円を特定し、当該円が検出された切断画像についての回転角を、基準回転角として前記記憶装置に格納するステップと、
前記記憶装置に格納されている前記楕円の短軸を特定するためのデータ及び前記基準回転角から、前記楕円の短軸を回転軸として前記基準回転角だけ前記抽出ステップで抽出された断層画像を回転させた平面の法線を特定し、心軸方向のデータとして前記記憶装置に格納するステップと、
を含み、コンピュータにより実行されるプログラム。
(付記2)
特定された前記円の中心を通る前記心軸方向の直線を用いて心尖部を特定し、当該特定された心尖部の位置データを前記記憶装置に格納する心尖部特定ステップ
をさらに前記コンピュータに実行させるための付記1記載のプログラム。
(付記3)
前記第1の条件が、楕円テンプレート格納部に格納されている楕円テンプレートとの相関値が最も高いという条件である
付記1又は2記載のプログラム。
(付記4)
前記抽出ステップが、
前記複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとのパターンマッチングを実施して、最も相関値の高い断層画像を特定するステップ
を含む請求項1又は2記載のプログラム。
(付記5)
前記第1の条件が、前記楕円テンプレートとの相関値が最も高いという条件を満たす楕円の中でサイズが最大という条件をさらに含む
付記3記載のプログラム。
(付記6)
前記第2の条件が、特定された前記楕円の短軸と当該楕円との交点間の長さを直径とする円テンプレートとの相関値が最も高いという条件である
付記1乃至5のいずれか1つ記載のプログラム。
(付記7)
特定された前記円の中心を通る前記心軸方向の直線を、心軸として特定し、当該心軸のデータを前記記憶装置に格納するステップ
をさらに前記コンピュータに実行させるための付記1乃至6記載のプログラム。
(付記8)
前記心尖部特定ステップが、
前記心軸方向に、当該心軸と直交する切断面を平行移動させつつ、前記3次元ボリュームデータの切断画像を生成し、当該切断画像において左心室領域が消失する直前の前記切断画像における前記左心室領域を心尖部として特定するステップ
を含む付記2記載のプログラム。
(付記9)
前記心尖部特定ステップが、
特定された前記円の中心を通る前記心軸方向の直線と心筋外表面との交点を、前記心尖部として特定するステップ
を含む付記2記載のプログラム。
(付記10)
断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の中から、第1の条件を満たす楕円を含む断層画像を抽出する抽出ステップと、
抽出された前記断層画像における楕円の短軸を特定し、当該楕円の短軸を特定するためのデータを記憶装置に格納するステップと、
特定された前記楕円の短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を変化させつつ生成し、当該切断画像において第2の条件を満たす円を特定し、当該円が検出された切断画像についての回転角を、基準回転角として前記記憶装置に格納するステップと、
前記記憶装置に格納されている前記楕円の短軸を特定するためのデータ及び前記基準回転角から、前記楕円の短軸を回転軸として前記基準回転角だけ前記抽出ステップで抽出された断層画像を回転させた平面の法線を特定し、心軸方向のデータとして前記記憶装置に格納するステップと、
を含み、コンピュータに実行される断層画像処理方法。
(付記11)
複数の断層画像を格納する断層画像格納部と、
前記断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の中から、第1の条件を満たす楕円を含む断層画像を抽出し、抽出された前記断層画像における楕円の短軸を特定し、当該楕円の短軸を特定するためのデータを記憶装置に格納する楕円処理部と、
特定された前記楕円の短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を変化させつつ生成し、当該切断画像において第2の条件を満たす円を特定し、当該円が検出された切断画像についての回転角を、基準回転角として前記記憶装置に格納し、前記記憶装置に格納されている前記楕円の短軸を特定するためのデータ及び前記基準回転角から、前記楕円の短軸を回転軸として前記基準回転角だけ前記楕円処理部によって抽出された断層画像を回転させた平面の法線を特定し、心軸方向のデータとして前記記憶装置に格納する心軸処理部と、
を有する断層画像処理装置。
(付記12)
断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとの第1のパターンマッチングを行うステップと、
前記第1のパターンマッチングにおいて算出される、前記楕円テンプレートとの相関値が最も高い断層画像を特定するステップと、
特定された前記断層画像における楕円の短軸を特定するステップと、
特定された前記短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を適宜変化させつつ生成し、生成された前記切断画像と円形テンプレートとの第2のパターンマッチングを行う第2パターンマッチング・ステップと、
前記第2のパターンマッチングにおいて算出される、前記円形テンプレートとの相関値が最も高い切断画像を特定するステップと、
特定された前記切断画像の法線を心軸として算出するステップと、
を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記13)
前記第2パターンマッチング・ステップにおいて、
前記切断画像と前記円形テンプレートとの相関値の減少を検出した場合、前記第2のパターンマッチングを終了する
付記12記載のプログラム。
(付記14)
断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとの第1のパターンマッチングを行うステップと、
前記第1のパターンマッチングにおいて算出される、前記楕円テンプレートとの相関値が最も高い断層画像を特定するステップと、
特定された前記断層画像における楕円の短軸を特定するステップと、
特定された前記短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を適宜変化させつつ生成し、生成された前記切断画像と円形テンプレートとの第2のパターンマッチングを行う第2パターンマッチング・ステップと、
前記第2のパターンマッチングにおいて算出される、前記円形テンプレートとの相関値が最も高い切断画像を特定するステップと、
特定された前記切断画像の法線を心軸として算出するステップと、
を含み、コンピュータに実行される断層画像処理方法。
(付記15)
複数の断層画像を格納する断層画像格納部と、
断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとの第1のパターンマッチングを行い、当該第1のパターンマッチングにおいて算出された、前記楕円テンプレートとの相関値が最も高い断層画像を特定し、特定された前記断層画像における楕円の短軸を特定する楕円処理部と、
特定された前記短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を適宜変化させつつ生成し、生成された前記切断画像と円形テンプレートとの第2のパターンマッチングを行い、前記第2のパターンマッチングにおいて算出された、前記円形テンプレートとの相関値が最も高い切断画像を特定し、特定された前記切断画像の法線を心軸として算出する心軸処理部と、
を有する断層画像処理装置。
1 断層画像データ格納部 3 楕円テンプレートデータ格納部
5 楕円処理部 7 楕円データ格納部
9 心軸処理部 11 特徴データ格納部
91 3次元ボリュームデータ切断画像生成部
93 円検出処理部 95 心軸検出部
97 心尖部検出部

Claims (11)

  1. 断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の中から、第1の条件を満たす楕円を含む断層画像を抽出する抽出ステップと、
    抽出された前記断層画像における楕円の短軸を特定し、当該楕円の短軸を特定するためのデータを記憶装置に格納するステップと、
    特定された前記楕円の短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を変化させつつ生成し、当該切断画像において第2の条件を満たす円を特定し、当該円が検出された切断画像についての回転角を、基準回転角として前記記憶装置に格納するステップと、
    前記記憶装置に格納されている前記楕円の短軸を特定するためのデータ及び前記基準回転角から、前記楕円の短軸を回転軸として前記基準回転角だけ前記抽出ステップで抽出された断層画像を回転させた平面の法線を特定し、心軸方向のデータとして前記記憶装置に格納するステップと、
    を含み、コンピュータにより実行されるプログラム。
  2. 特定された前記円の中心を通る前記心軸方向の直線を用いて心尖部を特定し、当該特定された心尖部の位置データを前記記憶装置に格納する心尖部特定ステップ
    をさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1記載のプログラム。
  3. 前記第1の条件が、楕円テンプレート格納部に格納されている楕円テンプレートとの相関値が最も高いという条件である
    請求項1又は2記載のプログラム。
  4. 前記第2の条件が、特定された前記楕円の短軸と当該楕円との交点間の長さを直径とする円テンプレートとの相関値が最も高いという条件である
    請求項1乃至3のいずれか1つ記載のプログラム。
  5. 前記心尖部特定ステップが、
    前記心軸方向に、当該心軸と直交する切断面を平行移動させつつ、前記3次元ボリュームデータの切断画像を生成し、当該切断画像において左心室領域が消失する直前の前記切断画像における前記左心室領域を心尖部として特定するステップ
    を含む請求項2記載のプログラム。
  6. 断層画像格納部に格納されている、心臓を含む生体の複数の断層画像から、前記心臓の左心室に相当し且つ第1の条件を満たす楕円及び当該楕円を含む断層画像を抽出する抽出ステップと、
    抽出された前記断層画像における前記楕円の短軸を特定し、当該楕円の短軸を特定するためのデータを記憶装置に格納するステップと、
    前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータについて、前記楕円の短軸を回転軸として回転される平面における切断画像を回転角を変化させつつ生成し、当該切断画像において前記心臓の左心室に相当し且つ第2の条件を満たす円を特定し、当該円が検出された切断画像についての回転角を、基準回転角として前記記憶装置に格納するステップと、
    前記記憶装置に格納されている前記楕円の短軸を特定するためのデータ及び前記基準回転角から、前記楕円の短軸を回転軸として前記基準回転角だけ回転させた平面の法線を特定し、心軸方向のデータとして前記記憶装置に格納するステップと、
    を含み、コンピュータに実行される断層画像処理方法。
  7. 心臓を含む生体の複数の断層画像を格納する断層画像格納部と、
    前記断層画像格納部に格納されている、心臓を含む生体の複数の断層画像から、前記心臓の左心室に相当し且つ第1の条件を満たす楕円及び当該楕円を含む断層画像を抽出し、抽出された前記断層画像における前記楕円の短軸を特定し、当該楕円の短軸を特定するためのデータを記憶装置に格納する楕円処理部と、
    前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータについて、前記楕円の短軸を回転軸として回転される平面における切断画像を回転角を変化させつつ生成し、当該切断画像において前記心臓の左心室に相当し且つ第2の条件を満たす円を特定し、当該円が検出された切断画像についての回転角を、基準回転角として前記記憶装置に格納し、前記記憶装置に格納されている前記楕円の短軸を特定するためのデータ及び前記基準回転角から、前記楕円の短軸を回転軸として前記基準回転角だけ回転させた平面の法線を特定し、心軸方向のデータとして前記記憶装置に格納する心軸処理部と、
    を有する断層画像処理装置。
  8. 断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとの第1のパターンマッチングを行うステップと、
    前記第1のパターンマッチングにおいて算出される、前記楕円テンプレートとの相関値が最も高い断層画像を特定するステップと、
    特定された前記断層画像における楕円の短軸を特定するステップと、
    特定された前記短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を適宜変化させつつ生成し、生成された前記切断画像と円形テンプレートとの第2のパターンマッチングを行う第2パターンマッチング・ステップと、
    前記第2のパターンマッチングにおいて算出される、前記円形テンプレートとの相関値が最も高い切断画像を特定するステップと、
    特定された前記切断画像の法線を心軸として算出するステップと、
    を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  9. 前記第2パターンマッチング・ステップにおいて、
    前記切断画像と前記円形テンプレートとの相関値の減少を検出した場合、前記第2のパターンマッチングを終了する
    請求項8記載のプログラム。
  10. 断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとの第1のパターンマッチングを行うステップと、
    前記第1のパターンマッチングにおいて算出される、前記楕円テンプレートとの相関値が最も高い断層画像を特定するステップと、
    特定された前記断層画像における楕円の短軸を特定するステップと、
    特定された前記短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を適宜変化させつつ生成し、生成された前記切断画像と円形テンプレートとの第2のパターンマッチングを行う第2パターンマッチング・ステップと、
    前記第2のパターンマッチングにおいて算出される、前記円形テンプレートとの相関値が最も高い切断画像を特定するステップと、
    特定された前記切断画像の法線を心軸として算出するステップと、
    を含み、コンピュータに実行される断層画像処理方法。
  11. 複数の断層画像を格納する断層画像格納部と、
    断層画像格納部に格納されている複数の断層画像の各々と、複数の楕円テンプレートとの第1のパターンマッチングを行い、当該第1のパターンマッチングにおいて算出された、前記楕円テンプレートとの相関値が最も高い断層画像を特定し、特定された前記断層画像における楕円の短軸を特定する楕円処理部と、
    特定された前記短軸を回転軸として回転させた平面で、前記断層画像格納部に格納されている前記複数の断層画像から構成される3次元ボリュームデータを切断した切断画像を、回転角を適宜変化させつつ生成し、生成された前記切断画像と円形テンプレートとの第2のパターンマッチングを行い、前記第2のパターンマッチングにおいて算出された、前記円形テンプレートとの相関値が最も高い切断画像を特定し、特定された前記切断画像の法線を心軸として算出する心軸処理部と、
    を有する断層画像処理装置。
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