JP2005161032A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、心臓の運動機能解析処理のための操作者負担を軽減すると共に解析結果の信頼性を向上することにある。
【解決手段】被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶装置112と、ボリュームデータから得た断層像の肺に対応する空気領域に基づいて心臓を含む範囲を心臓探索範囲として特定する探索範囲設定部118と、特定された心臓探索範囲から心室領域を検出する心室クラスタ検出部119と、検出された心室領域から心室長軸を検出する長軸検出部120と、検出された心室長軸に直交する複数の断面画像をボリュームデータから生成する断面変換処理部121と、複数の断面画像各々から心室内壁と外壁とをそれぞれ検出する心室壁検出部122と、検出された心室内壁と外壁に基づいて心室解析を行う心室解析部123とを具備する。
【選択図】図1
【解決手段】被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶装置112と、ボリュームデータから得た断層像の肺に対応する空気領域に基づいて心臓を含む範囲を心臓探索範囲として特定する探索範囲設定部118と、特定された心臓探索範囲から心室領域を検出する心室クラスタ検出部119と、検出された心室領域から心室長軸を検出する長軸検出部120と、検出された心室長軸に直交する複数の断面画像をボリュームデータから生成する断面変換処理部121と、複数の断面画像各々から心室内壁と外壁とをそれぞれ検出する心室壁検出部122と、検出された心室内壁と外壁に基づいて心室解析を行う心室解析部123とを具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、被検体胸部を含むX線CTによるボリュームデータから心臓解析を行う画像処理装置に関する。
ヘリカルスキャンの高速化及び2次元検出器を使ったボリュームスキャンの開発は、X線コンピュータ断層撮影装置の概念を、単なる断面画像化装置からボリューム映像化装置へ大きく移行させた。つまり、これらスキャン形式を備えたX線コンピュータ断層撮影装置により、被検体のボリュームを短い時間分解能で高速にスキャンすることが可能になった。このような機能を備えたX線コンピュータ断層撮影装置の実用化と共に、これまで使われていなかった多くの診断分野への進出が試みられ、また全く新しい診断方法を模索する動きが始まっている。その一つの方向性として、心臓の心拍運動に関する評価診断への適用がある。ボリュームスキャンは、セグメントスキャン方式とあいまって、心臓全体を短いサイクルで連続的にスキャンすることを実質的に実現しているので、例えば左心室の内壁や外壁の経時的な変化、心筋厚の経時的な変化等の心臓の運動機能に関する解析が可能となる。
この心臓機能解析でその精度を左右する最も重要な事項の一つは、解析対象の断面を例えば左心室の長軸に直交する向きに正確に合わせることにある。左心室の長軸をさらに左の内壁と外壁の抽出精度を向上することとがある。従来では、これら処理に操作者が介在して精度を向上するようにしている。左心室の長軸は操作者が手動で設定し、また左心室の内壁と外壁のトレースの始点や探索範囲を操作者が指定する。そのため操作者の作業負担が増大し、しかも操作者によって解析結果にばらつきが生じてしまう。
本発明の目的は、心臓の運動機能解析処理のための操作者負担を軽減すると共に解析結果の信頼性を向上することにある。
本発明の第1局面は、被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、前記ボリュームデータから得た断層像の肺に対応する空気領域に基づいて心臓を含む範囲を心臓探索範囲として特定する手段と、前記特定された心臓探索範囲から心室領域を検出する手段と、前記検出された心室領域から心室長軸を検出する手段と、前記検出された心室長軸に直交する複数の断面画像を前記ボリュームデータから生成する手段と、前記複数の断面画像各々から心室内壁と外壁とをそれぞれ検出する手段と、前記検出された心室内壁と外壁に基づいて心室解析を行う手段とを具備する。
本発明の第2局面は、被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、前記ボリュームデータから心室長軸を検出する手段と、前記検出された心室長軸を使って心室解析を行う手段とを具備し、前記心室長軸を検出する手段は、前記ボリュームデータの多段断層画像各々から心室領域を抽出する手段と、前記抽出した心室領域を3次元の楕円形に近似する手段と、前記楕円形の長軸を前記心室長軸として特定する手段とを有する。
本発明の第3局面は、被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、前記ボリュームデータから心室長軸を検出する手段と、前記検出された心室長軸を使って心室解析を行う手段とを具備し、前記心室長軸を検出する手段は、前記ボリュームデータの多段断層画像各々から左右の肺に対応する一対の空気領域を特定する手段と、前記特定した一対の空気領域に挟まれた範囲から心室領域を抽出する手段と、前記抽出した心室領域に基づいて前記心室長軸を特定する手段とを有する。
本発明の第4局面は、被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、前記ボリュームデータから心室領域を抽出する手段と、前記抽出した心室領域から心室長軸を検出する手段と、前記検出された心室長軸を使って心室解析を行う手段とを具備し、前記心室領域を抽出する手段は、前記ボリュームデータの多段断層画像各々から左右の肺に対応する一対の空気領域を特定する手段と、前記特定した一対の空気領域の全体を楕円に近似する手段と、前記特定した一対の空気領域を拡大を含む処理により単一の空気領域に連結する手段と、前記楕円領域から前記単一の空気領域を除く領域に限定して心室領域を抽出する手段とを有する。
本発明の第5局面は、被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、前記被検体の心臓に関する自動解析開始を指示するための手段と、前記自動解析開始の指示に呼応して、前記ボリュームデータから心室長軸を検出する処理から、前記検出された心室長軸による心室解析処理までの一連の処理を実行する手段と、前記一連の処理を自動的に進行するように前記一連の処理を実行する手段を制御する制御部とを具備する。
本発明の第6局面は、被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、前記被検体の心臓を含む範囲を体軸方向に沿って指定するための入力手段と、前記心臓を含む範囲から左右肺に対応する一対の空気領域を抽出する手段と、前記一対の空気領域の全体を楕円に近似する手段と、前記楕円領域から前記一対の空気領域を除外することにより心臓探索領域を特定する手段と、前記特定された心臓探索範囲から心室領域を検出する手段と、前記検出された心室領域を3次元の楕円に近似するとともに、前記3次元の楕円の長軸を心室長軸として検出する手段と、前記検出された心室長軸に直交する複数の断面画像を前記ボリュームデータから生成する手段と、前記複数の断面画像各々から心室内壁と外壁とを検出する手段と、前記検出された心室内壁と外壁に基づいて心室解析を行う手段とを具備する。
本発明によれば、心臓の運動機能解析処理のための操作者負担を軽減すると共に解析結果の信頼性を向上することができる。
以下、図面を参照して本発明による画像処理装置の実施形態を説明する。本発明による画像処理装置は単独で又はX線コンピュータ断層撮影装置若しくはPACSに組み込まれて構成される。ここでは本発明による画像処理装置はX線コンピュータ断層撮影装置に組み込まれたものとして説明する。
ここで、X線コンピュータ断層撮影装置には、X線管と放射線検出器とが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転型と、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転型等様々なタイプがあり、いずれの型でも適用可能である。ここでは、現在、主流を占めている回転/回転型として説明する。また、1スライスの断層画像データを再構成するには、被検体の周囲1周、約360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ビュー角分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式にも適用可能である。ここでは、前者を例に説明する。また、入射X線を電荷に変換するメカニズムは、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とが主流である。X線検出素子としては、それらのいずれの方式を採用してもよいが、ここでは、前者の間接変換形として説明する。また、近年では、X線管とX線検出器との複数のペアを回転フレームに搭載したいわゆる多管球型のX線CT装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本発明では、従来からの一管球型のX線CT装置であっても、多管球型のX線CT装置であってもいずれにも適用可能である。ここでは、一管球型として説明する。
図1に、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成をブロック図により示している。架台部100は、架台駆動部107により回転駆動される円環形状の回転フレーム102を有する。回転フレーム102には、X線管101とX線検出器103とが搭載される。X線検出器103は、撮影時に被検体が挿入される空洞(撮影領域)Sを挟んでX線管101に対向する。X線管101には、高電圧発生装置109から連続的又は周期的に発生される高電圧がスリップリング108を経由して印加される。それによりコーンビーム状のX線が発生される。X線検出器103は、複数の検出素子を有する。複数の検出素子は、チャンネル方向とスライス方向との直交2方向に沿って配列される。このようなX線検出器103は、一般的に、マルチスライス形(2次元アレイ形ともいう)と呼ばれる。
X線検出器103の出力には、一般的にDAS(data acquisition system) と呼ばれているデータ収集回路104が接続されている。このデータ収集回路104には、X線検出器103の各チャンネルの電流信号を電圧に変換するI−V変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このプリアンプの出力信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル・コンバータとが、チャンネルごとに設けられている。前処理装置106は、データ収集回路104の出力(ディジタル信号(純生データと呼ばれる))を光又は磁気を媒介して非接触のデータ伝送を実現する非接触データ伝送装置105を経由して受け取り、純生データに対して、チャンネル間の感度不均一を補正したり、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正する等の前処理を実行する。前処理装置106から出力されるデータは、生データ又は投影データと呼ばれる。投影データは補助記憶装置112に記憶され、ホストコントローラ110の制御に従って再構成装置114に読み出される。再構成装置114は、記憶装置112からの投影データのセットに基づいてフェルドカンプ法又は他の再構成法に従ってスライス又はボリュームに関する画像データを再構成する。この画像データは記憶装置112に記憶され、また表示装置116に可視画像として表示される。
ホストコントローラ110には、X線CT装置としての基本的な構成要素としての上記記憶装置112、再構成装置114、表示装置116、キーボードやポインティングデバイス等を有する入力装置115の他に、心室解析制御部117、探索範囲設定部118、心室クラスタ検出部119、長軸検出部120、断面変換処理部121、心室壁検出部122、心室解析部123が接続される。心室解析制御部117は、上記記憶装置112、表示装置116、探索範囲設定部118、心室クラスタ検出部119、長軸検出部120、断面変換処理部121、心室壁検出部122、心室解析部123とともに画像処理装置を構成する。
これら構成要素の機能を本実施形態による画像処理動作と共に説明する。本動作前に、被検体に造影剤を静注し、被検体の心臓を含む胸部のデータがボリュームスキャンにより収集される。当該スキャンにより収集されたデータに基づいて再構成装置114で画像データがマルチスライス又はボリューム形式で再構成され、記憶装置112に記憶される。なお、マルチスライスデータはスライス番号とXY座標で特定されるピクセル集合であり、一方、ボリュームデータはXYZ座標で特定される立方体のボクセル集合である。ピクセル又はボクセルはそれぞれX線吸収計数に対応するCT値を有する。なお、ここではボリュームデータとして説明する。
図2には画像処理動作の流れを示している。まず、スキャン計画段階で撮影した、またはボリュームデータから再構築したスキャノ画像が表示装置116に表示される。図3に示すように、操作者による入力装置115の操作により、スキャノ画像上に心臓を含む範囲が体軸方向に沿って指定される(S1)。また、それとともに心臓機能解析処理の開始の指示が入力される。
心臓機能解析処理の開始の指示に呼応して、心室解析制御部117は、所定のシーケンスに従って、各部118〜123の動作及び部間のデータ入出力を制御することで、後述のS2の左心室探索範囲の設定処理から最終的な解析処理に至る一連の処理を、自動的に進行させる。
まず、断面変換処理部121で、心臓を含む範囲に限定して、ボリュームデータからそのXY面(回転軸に直交する面)の断層画像が所定の間隔で複数構築され、記憶装置112に記憶される。この断層画像を初期的に使って左心室の長軸を設定する。なお、本実施形態では、心機能解析にあたって、操作者が入力すべき事項は、これらスキャノ画像上への心臓を含む範囲の指定と、心臓機能解析処理の開始の指示とに絞り込まれている。他の事項の入力作業を不要としている。
周知のとおり、心臓機能とは、主に心筋の収縮及び拡張機能をいう。その解析では、全身に血液を送り出すための左心室の機能が重要である。左心室の機能解析精度を向上するには、左心室の心軸(長軸)を規定し、その長軸に対して直交する短軸面の断層画像を構築することが重要である。左心室の長軸を設定するには、まず左心室の領域を各断層画像から探索する必要がある。左心室領域を探索するに際してその探索範囲を絞り込むことが、作業効率及び探索精度向上のために効果的である(S2)。探索範囲設定部118は、各断層画像を、図4に示すように、クラスタリング処理として例えばk−平均法により、空気領域(低CT値範囲(例えば-1000〜0)の領域)、軟部組織領域(中CT値範囲(例えば0〜300)の領域)、造影血液及び骨領域(高CT値範囲(例えば300〜1000)の領域)の3種の領域に分類する(各断層画像をCT値に応じて分類した3値画像に変換する)。これら3種の領域の中から、左右の肺野に対応する一対の空気領域を抽出する。抽出にあたっては、画像の外周から画像中央に向かって空気の値を示すオブジェクトを検索することで行われる。そして図5に示すように、抽出した一対の空気領域を楕円近似する。それとともに、例えば拡大縮小処理の繰り返しにより、一対の空気領域の外輪輪郭を連結して単一の空気領域を構成する。図6に示すように、近似させた楕円領域から単一の空気領域を除外することにより、心臓を含む限局された範囲、つまり左心室を探索する範囲が設定される。なお、近似させた楕円領域から、抽出した一対の空気領域を除外することにより、左心室を探索する範囲を設定するようにしてもよい。
このように、断層画像から心臓領域を直接的に抽出するのではなく、空気領域はCT画像から抽出容易であり、しかも心臓は左右の肺の間に存在するという解剖学的事由を利用することにより、断層画像から左右の肺領域に基づいて、心臓を必ず含む最小限またはそれに近い非常に限局された範囲を設定することができる。
図7に示すように、心室クラスタ検出部119は、設定された左心室探索範囲の中から、左心室クラスタを検出する(S3)。上述したように造影撮影であるので、当該範囲の中から、造影剤のCT値を有するピクセルを抽出することが容易である。左心室探索範囲を対象として抽出したピクセルは大きな2つの集合(クラスタ)を構成する。その一方が左心室クラスタであり、他方が右心室クラスタである。左心室断面は略円形で、右心室断面は略三日月形である。形状に基づいて左心室クラスタが特定される。
全ての断層画像についてそれぞれから左心室クラスタが特定される。長軸検出部120は、図8に示すように複数の断層画像から特定された複数の左心室クラスタに対してそれぞれ重心点を求め、また図9に示すようにラグビーボール様の立体的な楕円体で近似する。楕円体の長軸が左心室の長軸として検出される(S4)。
このように左心室の長軸を自動的に検出可能としたことで、それを手動で指定する従来とは操作者の作業負担は大幅に軽減され得る。また、操作者の経験と知識等に依存して左心室の長軸の位置や向きがばらついてしまうという事態も回避することができる。
左心室の長軸が設定されると、断面変換処理部121で、図10に示すように、設定された左心室の長軸に直交する断層画像(上記初期的な断層画像と区別するために短軸像という)を一定の間隔で複数構築する(S5)。このような多段の短軸像を対象として心機能解析が行われる。
心機能解析の初期段階として、一般的には、左心室の内外壁の検出が行われる(S6)。
そのために先ず、心室壁検出部120は、各短軸像を、上述したと同様にクラスタリング処理として例えばk−平均法により、空気領域、軟部組織領域、造影血液及び骨領域の3つの領域に分類した複数の3値画像に変換する。これら3値画像各々から左心室の血液クラスタを検出し、左心室クラスタを含む図11に示すような簡易な形状として例えば円柱と半球の合成形状の探索範囲を設定する。この探索範囲を限界として、心室壁検出部120は、各短軸像ごとに、左心室の内壁と外壁を検出する。例えば、図12に示すように、左心室クラスタの重心から放射状に画素値を追跡し、画素値が造影血管に対応する値から心筋の軟部組織に対応する値に変化する位置を内壁上の点として特定する。
これら特定した点を連結することで心筋内壁を多角形に近似することができる。同様に、左心室クラスタの重心から放射状に画素値を追跡し、画素値が心筋の軟部組織に対応する値から空気に対応する値又は造影血液に対応する値に変化する位置を外壁上の点として特定する。これら特定した点を連結することで心筋外壁を多角形に近似することができる。こうして検出された左心室の内壁と外壁を使って、心室解析部123で例えば左心室の心筋厚の経時的な変化、その変化率、左心室内腔の容積、その変化率等の左心室機能を表す様々なインデックスを計算することができる(S7)。
右心室についても同様で、心室クラスタ検出部119により抽出された2つの血液クラスタから形状に基づいて右心室クラスタを特定する。全ての断層画像についてそれぞれから右心室クラスタを特定し、長軸検出部120でラグビーボール様の立体的な楕円体で近似する。この楕円体の長軸を右心室の長軸として検出する。右心室の長軸に直交する多段面についてボリュームデータから右心室の短軸像を構築する。これら右心室の短軸像各々に対してS6と同様に右心室の内外壁の検出が行われる(S8)。こうして検出された右心室の内壁と外壁を使って、心室解析部123で例えば右心室の心筋厚の経時的な変化、その変化率、右心室内腔の容積、その変化率等の右心室機能を表す様々なインデックスを計算する(S9)。
これら計算された左心室及び右心室の機能解析結果は、心室解析制御部117の制御のもとで、左心室の例えば中央の短軸像及び右心室の例えば中央の短軸像と共に、表示装置116に表示される。
上述した画像処理ステップS2〜S9の各処理結果は、制御部117の制御のもとで、処理の進行とともに次々と表示される。図13に示すように、例えばステップS3の処理中には、直前のステップS2のクラスタリング処理結果201が表示装置116に表示される。クラスタリング処理結果201とともに、処理進行表202が表示される。処理完了したステップのブロックは例えばメッシュパターンで表示される。処理中のステップのブロックは例えばハッチングパターンで表示される。未処理のステップのブロックは無地で表示される。クラスタリング処理結果201及び処理進行表202とともに、「修正」、「中断」、「再開」、「中止」と表記された4種のファンクションボタン203−206が表示される。
画像処理進行中に、「中止」ボタン206がクリックされたとき、当該画像処理は、その時点までの処理結果を保存することなく、停止される。画像処理進行中に、「中断」ボタン204がクリックされたとき、当該画像処理は、その時点までの処理結果が保存された状態で停止される。中止は、画像処理を再開することができない。中断は、画像処理を中断時点から再開することができる。
中断後、処理進行表202の任意のステップボックスがクリックされたとき、そのクリックされたステップの処理結果が、表示される。その段階で「修正」ボタン203がクリックされたとき、当該ステップの処理結果が修正対象に設定される。操作者は、当該ステップの処理結果を修正するために入力装置115を操作する。例えばクラスタリング処理結果201の中の空気に関する第1領域(図4参照)が、拡大、縮小、変形、回転又は移動される。所望の修正が完了したとき、操作者は、「再開」ボタン205をクリックする。画像処理は、修正された処理結果を用いて、修正された処理結果に対応するステップの次のステップから、再開される。操作者は随時、任意のステップまで戻り、そのステップの処理結果を確認し、必要に応じて処理結果を修正することができる。
このように本実施形態によると、解析対象範囲を大きく体軸方向に限定する簡易な作業を除いて、最も手間のかかる心室の長軸設定、さらに心室の内外壁探索を含むすべての処理を操作者が介在することなく、自動化することができる。それにより操作者の作業負担の軽減はもちろん、左心室の長軸の位置や向きのばらつきに起因する解析結果の変動を抑えて信頼性の高い解析結果を出力することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100…架台部、107…架台駆動部、102…回転フレーム、101…X線管、103…X線検出器、109…高電圧発生装置、108…スリップリング、104…データ収集回路、106…前処理装置、105…非接触データ伝送装置、112…記憶装置、110…ホストコントローラ、114…再構成装置、116…表示装置、115…入力装置、117…心室解析制御部、118…探索範囲設定部、119…心室クラスタ検出部、120…長軸検出部、121…断面変換処理部、122…心室壁検出部、123…心室解析部。
Claims (20)
- 被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、
前記ボリュームデータから得た断層像の肺に対応する空気領域に基づいて心臓を含む範囲を心臓探索範囲として特定する手段と、
前記特定された心臓探索範囲から心室領域を検出する手段と、
前記検出された心室領域から心室長軸を検出する手段と、
前記検出された心室長軸に直交する複数の断面画像を前記ボリュームデータから生成する手段と、
前記複数の断面画像各々から心室内壁と外壁とをそれぞれ検出する手段と、
前記検出された心室内壁と外壁に基づいて心室解析を行う手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 前記特定された心臓探索範囲、前記検出された心室領域、前記検出された心室長軸又は前記検出された心室内外壁を、処理の進行とともに表示する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記処理の中断を指示するための手段と、前記中断中に前記特定された心臓探索範囲、前記検出された心室領域、前記検出された心室長軸又は前記検出された心室内外壁を操作者指示に従って修正する手段と、前記修正された心臓探索範囲、心室領域、心室長軸又は心室内外壁により前記中断された処理を再開する手段とをさらに備えることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記心臓探索範囲の特定処理から前記心室解析処理までの処理工程表を表示する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記処理工程表において処理完了工程と処理中の工程と未処理工程とが視覚的に区別して表示されることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
- 前記処理工程表の中から任意の工程を指定する手段と、前記指定された工程の処理結果を表示する手段とをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
- 前記処理工程表とともに、処理中断ボタンが表示されることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
- 前記心室内壁と外壁を検出する手段は、前記心室領域の内部の点から放射状に画素値を探索し、前記画素値の特定の変化に基づいて前記心室内壁と外壁を検出することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記心臓探索範囲の特定処理から前記心室解析処理までの一連の処理工程が自動的に進行されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、
前記ボリュームデータから心室長軸を検出する手段と、
前記検出された心室長軸を使って心室解析を行う手段とを具備し、
前記心室長軸を検出する手段は、
前記ボリュームデータの多段断層画像各々から心室領域を抽出する手段と、
前記抽出した心室領域を3次元の楕円形に近似する手段と、
前記楕円形の長軸を前記心室長軸として特定する手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、
前記ボリュームデータから心室長軸を検出する手段と、
前記検出された心室長軸を使って心室解析を行う手段とを具備し、
前記心室長軸を検出する手段は、
前記ボリュームデータの多段断層画像各々から左右の肺に対応する一対の空気領域を特定する手段と、
前記特定した一対の空気領域に挟まれた範囲から心室領域を抽出する手段と、
前記抽出した心室領域に基づいて前記心室長軸を特定する手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、
前記ボリュームデータから心室領域を抽出する手段と
前記抽出した心室領域から心室長軸を検出する手段と、
前記検出された心室長軸を使って心室解析を行う手段とを具備し、
前記心室領域を抽出する手段は、
前記ボリュームデータの多段断層画像各々から左右の肺に対応する一対の空気領域を特定する手段と、
前記特定した一対の空気領域の全体を楕円に近似する手段と、
前記特定した一対の空気領域を拡大を含む処理により単一の空気領域に連結する手段と、
前記楕円領域から前記単一の空気領域を除く領域に限定して心室領域を抽出する手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、
前記被検体の心臓に関する自動解析開始を指示するための手段と、
前記自動解析開始の指示に呼応して、前記ボリュームデータから心室長軸を検出する処理から、前記検出された心室長軸による心室解析処理までの一連の処理を実行する手段と、
前記一連の処理を自動的に進行するように前記一連の処理を実行する手段を制御する制御部とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 被検体胸部を含む医療画像のボリュームデータを記憶する記憶部と、
前記被検体の心臓を含む範囲を体軸方向に沿って指定するための入力手段と、
前記心臓を含む範囲から左右肺に対応する一対の空気領域を抽出する手段と、
前記一対の空気領域の全体を楕円に近似する手段と、
前記楕円領域から前記一対の空気領域を除外することにより心臓探索領域を特定する手段と、
前記特定された心臓探索範囲から心室領域を検出する手段と、
前記検出された心室領域を3次元の楕円に近似するとともに、前記3次元の楕円の長軸を心室長軸として検出する手段と、
前記検出された心室長軸に直交する複数の断面画像を前記ボリュームデータから生成する手段と、
前記複数の断面画像各々から心室内壁と外壁とを検出する手段と、
前記検出された心室内壁と外壁に基づいて心室解析を行う手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 被検体胸部をスキャンして投影データを収集するスキャン部と、
前記投影データに基づいて前記被検体胸部に関するボリュームデータを再構成する手段と、
前記ボリュームデータから得た断層像の肺に対応する空気領域に基づいて心臓を含む範囲を心臓探索範囲として特定する手段と、
前記特定された心臓探索範囲から心室領域を検出する手段と、
前記検出された心室領域から心室長軸を検出する手段と、
前記検出された心室長軸に直交する複数の断面画像を前記ボリュームデータから生成する手段と、
前記複数の断面画像各々から心室内壁と外壁とをそれぞれ検出する手段と、
前記検出された心室内壁と外壁に基づいて心室解析を行う手段とを具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 - 被検体胸部をスキャンして投影データを収集するスキャン部と、
前記投影データに基づいて前記被検体胸部に関するボリュームデータを再構成する手段と、
前記ボリュームデータから心室長軸を検出する手段と、
前記検出された心室長軸を使って心室解析を行う手段とを具備し、
前記心室長軸を検出する手段は、
前記ボリュームデータの多段断層画像各々から心室領域を抽出する手段と、
前記抽出した心室領域を3次元の楕円形に近似する手段と、
前記楕円形の長軸を前記心室長軸として特定する手段とを有することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 - 被検体胸部をスキャンして投影データを収集するスキャン部と、
前記投影データに基づいて前記被検体胸部に関するボリュームデータを再構成する手段と、
前記ボリュームデータから心室長軸を検出する手段と、
前記検出された心室長軸を使って心室解析を行う手段とを具備し、
前記心室長軸を検出する手段は、
前記ボリュームデータの多段断層画像各々から左右の肺に対応する一対の空気領域を特定する手段と、
前記特定した一対の空気領域に挟まれた範囲から心室領域を抽出する手段と、
前記抽出した心室領域に基づいて前記心室長軸を特定する手段とを有することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 - 被検体胸部をスキャンして投影データを収集するスキャン部と、
前記投影データに基づいて前記被検体胸部に関するボリュームデータを再構成する手段と、
前記ボリュームデータから心室領域を抽出する手段と
前記抽出した心室領域から心室長軸を検出する手段と、
前記検出された心室長軸を使って心室解析を行う手段とを具備し、
前記心室領域を抽出する手段は、
前記ボリュームデータの多段断層画像各々から左右の肺に対応する一対の空気領域を特定する手段と、
前記特定した一対の空気領域の全体を楕円に近似する手段と、
前記特定した一対の空気領域を拡大を含む処理により単一の空気領域に連結する手段と、
前記楕円領域から前記単一の空気領域を除く領域に限定して心室領域を抽出する手段とを有することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 - 被検体胸部をスキャンして投影データを収集するスキャン部と、
前記投影データに基づいて前記被検体胸部に関するボリュームデータを再構成する手段と、
前記被検体の心臓に関する自動解析開始を指示するための手段と、
前記自動解析開始の指示に呼応して、前記ボリュームデータから心室長軸を検出する処理から、前記検出された心室長軸による心室解析処理までの一連の処理を実行する手段と、
前記一連の処理を自動的に進行するように前記一連の処理を実行する手段を制御する制御部とを具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。 - 被検体胸部をスキャンして投影データを収集するスキャン部と、
前記投影データに基づいて前記被検体胸部に関するボリュームデータを再構成する手段と、
前記被検体の心臓を含む範囲を体軸方向に沿って指定するための入力手段と、
前記心臓を含む範囲から左右肺に対応する一対の空気領域を抽出する手段と、
前記一対の空気領域の全体を楕円に近似する手段と、
前記楕円領域から前記一対の空気領域を除外することにより心臓探索領域を特定する手段と、
前記特定された心臓探索範囲から心室領域を検出する手段と、
前記検出された心室領域を3次元の楕円に近似するとともに、前記3次元の楕円の長軸を心室長軸として検出する手段と、
前記検出された心室長軸に直交する複数の断面画像を前記ボリュームデータから生成する手段と、
前記複数の断面画像各々から心室内壁と外壁とを検出する手段と、
前記検出された心室内壁と外壁に基づいて心室解析を行う手段とを具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
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