JP4357928B2 - 脳虚血診断支援装置及びx線コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

脳虚血診断支援装置及びx線コンピュータ断層撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4357928B2
JP4357928B2 JP2003368893A JP2003368893A JP4357928B2 JP 4357928 B2 JP4357928 B2 JP 4357928B2 JP 2003368893 A JP2003368893 A JP 2003368893A JP 2003368893 A JP2003368893 A JP 2003368893A JP 4357928 B2 JP4357928 B2 JP 4357928B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
region
cerebral ischemia
brain
tomographic image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003368893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005131010A (ja
Inventor
佳弘 池田
恭子 藤澤
裕介 東木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Medical Systems Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2003368893A priority Critical patent/JP4357928B2/ja
Priority to US10/971,010 priority patent/US20050113680A1/en
Priority to CNB2004100878008A priority patent/CN100431495C/zh
Publication of JP2005131010A publication Critical patent/JP2005131010A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4357928B2 publication Critical patent/JP4357928B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

本発明は、脳虚血診断支援に有益な情報を提供するための脳虚血診断支援装置及びその機能を装備したX線コンピュータ断層撮影装置に関する。
医療分野において急性期の脳梗塞において脳のX線CT画像を読影することで虚血領域の位置及び大きさ、さらにその重症度を定性的に判定し、治療適応の可否を診断初期段階で速やかに決定することは非常に重要である。虚血領域やその程度を判定するためにはCT画像からCT値低下を起こしている部分や脳溝が消失している部分を読み取る必要がある。
しかし実際には、虚血に起因するCT値低下や脳溝の消失は非常に微妙であり、経験及び知識の豊富な専門医でなければ読み取ることができないのが現状である。
本発明の目的は、ユーザによる単純(非造影)CT画像からの脳虚血領域の読み取りを支援することにある。
本発明の局面に係る被検体頭部に関するマルチスライス又はボリュームデータを記憶する記憶部と、前記マルチスライス又はボリュームデータから、左右脳を分離する中心面に対して垂直な面の断層画像を生成する画像生成部と、コントラスト強調画像及び脳溝強調画像あるいはいずれか一方を生成するために、前記断層画像を処理する画像処理部と、前記断層画像を、前記コントラスト強調画像及び前記脳溝強調画像とともに表示する表示部とを具備する。
本発明によれば、ユーザによる単純(非造影)CT画像からの脳虚血領域の読み取りを支援することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る脳虚血診断支援装置及びX線コンピュータ断層撮影装置の実施形態を説明する。なお、X線コンピュータ断層撮影装置には、X線管と放射線検出器とが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転タイプと、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転タイプ等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本発明を適用可能である。ここでは、現在、主流を占めている回転/回転タイプとして説明する。また、1スライスの断層像データを再構成するには、被検体の周囲1周、約360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+α(α:ファン角)分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式にも本発明を適用可能である。ここでは、ハーフスキャン法を例に説明する。また、入射X線を電荷に変換するメカニズムは、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とが主流である。X線検出素子としては、それらのいずれの方式を採用してもよいが、ここでは、前者の間接変換形として説明する。また、近年では、X線管とX線検出器との複数のペアを回転リングに搭載したいわゆる多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本発明では、従来からの一管球型のX線コンピュータ断層撮影装置であっても、多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置であってもいずれにも適用可能である。ここでは、一管球型として説明する。
図1に示すように、X線コンピュータ断層撮影装置は、被検体に関する投影データを収集するために構成された架台1を有する。架台1は、X線管10とX線検出器23を有する。X線管10とX線検出器23は、架台駆動装置25により回転駆動されるリング状の回転フレーム12に搭載される。回転フレーム12の中央部分は開口され、その開口部に、寝台2の天板2a上に載置された被検体Pが挿入される。なお、回転フレーム12の回転中心軸をZ軸(スライス方向軸)、Z軸に直交する平面をXYの直交2軸で定義する。
X線管10の陰極陽極間には高電圧発生器21から管電圧が印加され、またX線管10のフィラメントには高電圧発生器21からフィラメント電流が供給される。管電圧の印加及びフィラメント電流の供給によりX線が発生される。X線検出器23としては、1次元アレイ型検出器と2次元アレイ型検出器(マルチスライス型検出器ともいう)とのいずれを採用してもよい。X線検出素子は例えば0.5mm×0.5mmの正方の受光面を有する。例えば916個のX線検出素子がチャンネル方向に配列される。この列がスライス方向に例えば40列並設されたものが2次元アレイ型検出器である。単一の列からなるものが1次元アレイ型検出器である。
一般的にDAS(data acquisition system) と呼ばれているデータ収集装置26は、検出器23からチャンネルごとに出力される信号を電圧信号に変換し、増幅し、さらにディジタル信号に変換する。このデータ(生データ)は架台外部の計算機ユニット3に供給される。計算機ユニット3の前処理部34は、データ収集装置26から出力されるデータ(生データ)に対して感度補正等の補正処理を施して投影データを出力する。この投影データは計算機システム3のデータ記憶装置37に送られ記憶される。
計算機システム3は、上記前処理部34及び記憶装置37とともに、システムコントローラ29、スキャンコントローラ30、再構成処理部36、ディスプレイ部38、マウスやキーボード等を備えた入力器39、脳虚血診断支援装置(脳虚血解析(CT−DE)装置ともいう)40から構成される。再構成処理部36は、例えばヘリカルスキャン、コーンビームX線を使ったボリュームスキャン又はそれらの併用により収集された投影データに基づいて、フェルドカンプ再構成法又はコーンビーム再構成法等任意の再構成手法により、マルチスライス又はボリュームの画像データ(以下説明の便宜上、ボリュームデータという)を再構成する。なお、マルチスライスデータは、Z位置が一定のスライス間隔で少しずつ異なるXY座標系とスライス番号とで表現された多数枚の画像の集合であり、一般的に、スライス方向(Z軸)の分解能(スライス間隔)はXY軸の分解能(ピクセルピッチ)より長い。ボリュームデータは、XYZ座標系で表現された立方体のボクセル集合でありる。再構成されたボリュームデータはデータ記憶装置37に送られ記憶される。
脳虚血診断支援装置40は、脳虚血解析制御部41、画像表示方向補正部42、画像処理部43、インデックス計算部44、ガイダンス発生部45を有する。画像表示方向補正部42は、画像処理部43でボリュームデータから初期的に生成された断層画像の表示方向を補正する。実際的には、画像表示方向補正部42は、初期的に生成された断層画像から左右脳を分離する中心面を手動又は自動的に検出し、その左右脳を分離する中心面に対して垂直な面の断層画像をボリュームデータから断面変換処理(MPR)により生成する。画像処理部43は、画像表示方向補正部42で生成された断層画像(オリジナル画像という)を処理して、出血の有無を判定すると共に、コントラスト強調画像と脳溝強調画像とを生成する。オリジナル画像は、システムコントローラ29又はCT−DE制御部41の制御のもとで、コントラスト強調画像及び脳溝強調画像とともにディスプレイ部38に表示される。コントラスト強調画像は、オリジナル画像の脳組織領域がCT値に応じて少なくとも2種類に色分けされた画像である。脳溝強調画像は、オリジナル画像の脳脊髄液領域がCT値に応じて少なくとも2種類に色分けされた画像である。インデックス計算部44は、左脳と右脳との間の対称性を表す脳虚血診断の有用な指標として、例えば、左脳領域と右脳領域との間の体積比、オリジナル画像の左脳領域と右脳領域との間の面積比、オリジナル画像と、オリジナル画像の中心線を挟んで左右反転画像との間の相関係数が計算される。ガイダンス発生部45は、ユーザ判断による複数の診断結果の組み合わせに基づいて治療(血栓溶解療法)の可否を判定する。
図2には、本実施形態による脳虚血診断支援処理の大まかな流れを示している。図3には、本実施形態による脳虚血診断支援処理の詳細な流れを示している。まず、スキャンが開始される(S1)。当該スキャンは、被検体の頭部を範囲とするヘリカルスキャン又はボリュームスキャンである。1枚の断層画像再構成に必要な角度分の投影データが収集されるごとに、スキャンと並行して断層画像が次々と再構成される(S2)。このスキャンと並行して断層画像を次々と再構成する技術はリアルタイムCT又はCT透視と呼ばれて周知の技術である。被検体の頭部を含む予定範囲のデータの収集が完了した時点で、スキャンは終了する(S3)。
スキャンの開始と共に、解析制御部41により脳虚血解析(CT−DE)のための機能が起動する(S4)。解析制御部41により制御された画像処理部43は、リアルタイムCTで再構成された断層画像を、出血領域の発見を容易にするために次のように例えば5種類に色分けして表示する(S5)。リアルタイムで再構成される断層画像は、回転軸(Z軸)に対して垂直な面に関する画像である。
CT値が、−2051以上、0未満の範囲の領域(主に空気及び水)を黒で表示する。
CT値が、0以上、32未満の範囲の領域(主に白質)を青で表示する。
CT値が、32以上、40未満の範囲の領域(主に灰白質)を青で表示する。
CT値が、40以上、200未満の範囲の領域(主に出血個所)を緑で表示する。
CT値が、200以上、4048未満の範囲の領域(主に骨)を白で表示する。
緑で表示される領域が出血の可能性が高い個所である。観察者は、CT値に応じて色分けされてリアルタイムに表示される断層画像から脳虚血診断のための概略的な情報を事前に取得することができる。
スキャン終了後に、解析制御部41の制御のもとで、脳虚血診断支援処理が開始される。まず、画像表示方向補正部42により、画像の表示方向が補正される(S6)。上述したようにリアルタイムで再構成される断層画像は、回転軸(Z軸)に対して垂直な面に関する画像である。画像表示方向補正部42は、リアルタイムで再構成される断層画像(以下、リアルタイム断層画像という)の表示方向を補正する。実際的には、画像表示方向補正部42は、リアルタイム断層画像から左右脳を分離する中心面を手動又は自動的に検出し、その左右脳を分離する中心面に対して垂直な面の断層画像をボリュームデータから断面変換処理(MPR)により生成する。
左右脳中心面は、Z軸位置の異なる少なくとも2本の左右脳中心線により既定され得る。左右脳中心線は、スライス面(XY面)内で脳の左脳(左半球)と右脳(右半球)を分離する線である。左右脳中心線の計算方法は後述する。図4に示すように、n枚のスライス面の断層画像からn本の左右脳中心線CL1、CL2…CLnが計算される。図5に示すように、これらn本の左右脳中心線CL1、CL2…CLnに対する距離(ずれ)の総和が最小となる面Aを探索する。この面Aが左右脳中心面として既定される。ここでは、以後の画像生成処理を容易にするために、左右脳中心面Aを、YZ面に一致させるように、図6に示すように、ボリュームデータを移動・回転する(座標変換)。座標変換したボリュームデータからXY面の画像を切り出すことにより、左脳と右脳とが最も対称に近いスライス面の断層画像を生成することができる。脳虚血により脳が部分的に膨張しまたは萎縮する。そのため、脳虚血診断では、脳の左右の対称性が重要である。スライス面が左右いずれかに傾斜しているとき、その対称性に基づく診断の信頼性は低下する。左右脳中心面に対して垂直な面をスライスとして断層画像を生成することで、その対称性に基づく診断の信頼性は向上する。脳の左・右半球はほぼ対称であり、対称の中心となる面Aがスライス面(XY面)と垂直であれば、画像内に描出される脳も左右対称となるので、読影者は左・右半球を見比べることによって、低吸収領域の発見や、脳の膨張、脳室の狭小化などを判断することができる。また、画像内の対称の中心となる線が、Y軸と一致していれば、左・右半球が比較しやすい。よって、面AがYZ平面と一致するように、それぞれの画像を作成し直すことにより、読影に非常に有効である。
なお、上述では、左右脳中心面を自動的に計算しているが、マニュアルにて設定しても良い。この場合、図7に示すように、少なくとも2スライスの断層画像を生成し、2スライスの断層画像各々から、操作者が想定した中心面上の少なくとも3点を指定する。指定された3点から左右脳中心面が計算され得る。また、ボリュームデータから脳の3次元画像を生成し、半透明のYZ面と共に表示する。操作者による手動操作により3次元画像を自由に移動、回転することにより、操作者が想定した左右脳中心面をYZ面に一致させるようにしてもよい。
次に、左右脳中心線の算出方法について説明する。左右脳中心線の算出は、画像の右半分と左半分との間の対称性が最も高くなる線を探すアルゴリズムである。実際には、対称性の高低は、想定した左右脳中心線を中心に断層画像を折り返した左右反転画像と、反転前の画断層画像との間の相互相関として求められる。
例えば、図8において、画像FがX方向にNxピクセル、Y方向にNyピクセルの幅を持っているとする。CT画像の場合、典型的には、Nxは、Nyと同じ512である。
i={0,1,・・・,Nx-1}
j={0,1,・・・,Ny-1}
ここで、xiとyjを次のように定義する。
xi=[i−(Nx-1)/2]dx
yj=[j−(Ny-1)/2]dy
なお、dx,dyは、それぞれx、y方向のピクセル間の幅である。
ここで、初期的に画像中心線を左右脳中心線として設定し、画像Fを左右脳中心線を中心として左右反転した画像Gを作成する。そして、画像F上の点f(xi,yi)に対応する、画像G上の点g(xi,yi)を求める。g(xi,yi)は、図9に示すように、周囲の点から線形補間により求める。そして、f(xi,yi)とg(xi,yi)の相関係数R(f,g)を求める。
R(f,g)=Sfg/√(Sf*Sg)
なお、Mf=Σf(xi,yi)/(Nx*Ny)
Sf=Σ[{f(xi,yi)−Mf}2]
Mg=Σg(xi,yi)/(Nx*Ny)
Sg=Σ[{g(xi,yi)−Mg}2]
Sfg=Σ[{f(xi,yi)-Mf }*{g(xi,yi)-Mg }]
相関係数R(f,g)の値が最大となる左右脳中心線の式を反復法により求める。
画像処理部43では、画像表示方向補正部42で生成された左右脳中心面に垂直なXY面の断層画像(オリジナル断層画像)に対してS5と同様の処理を施し、出血の有無を判定する(S7)。つまり、オリジナル断層画像から、CT値が、40以上、200未満の範囲の領域を抽出し、その領域の大きさを所定の大きさより大きいか否かを判定する。具体的には、当該領域内の画素数をしきい値と比較する。この領域内の画素数に代えて、0以上、40未満の範囲内のCT値を持つ画素の数に対する当該40以上、200未満の範囲内のCT値を持つ画素数の割合、または200以上のCT値を持つ画素数に対する当該40以上、200未満の範囲内のCT値を持つ画素数の割合を、それぞれに対応するしきい値と比較してもよい。
当該領域内画素数がしきい値と等しいか又はしきい値より多いとき、当該領域を出血の可能性が高い領域と判定し、当該領域内画素数がしきい値より少ないとき、当該領域を出血の可能性が低くノイズの可能性が高いと判定する。出血の可能性が高い判定されたとき、オリジナル断層画像に当該領域の輪郭線を特定色で重ねて表示し(S8)、虚血診断支援を終了することができる。
CT値が40以上、200未満の範囲の領域が存在しないとき、又は存在したとしても、その領域の大きさが所定の大きさより小さいとき、出血の可能性が低いと判定され、虚血診断支援が続行される。
画像処理部43はオリジナル画像を処理して、コントラスト強調画像と脳溝強調画像とを生成し、またインデックス計算部44はオリジナル画像から脳虚血診断に有効なインデックス(指標)を計算し(S9、S10)、図10に示すように表示する(S11)。
コントラスト強調画像は、オリジナル画像の脳組織領域がCT値に応じて少なくとも2種類に色分けされた画像である。脳溝強調画像は、オリジナル画像の脳脊髄液領域がCT値に応じて少なくとも2種類に色分けされた画像である。インデックス計算部44は、左脳と右脳との間の対称性を表す脳虚血診断の有用な指標として、例えば、左脳領域と右脳領域との間の体積比、オリジナル画像の左脳領域と右脳領域との間の面積比、オリジナル画像と、オリジナル画像の中心線を挟んで左右反転画像との間の相関係数が計算される。
コントラスト強調画像は、CTの断層画像におけるX線低吸収領域を観察しやすいようにカラーコーディングされた画像である。例えば虚血判断を容易にするカラースケールとして、脳組織のCT値範囲(20〜40)を色付けの対象範囲として、次のように3種類に色分けをする。
高い(34〜40)・・・赤
普通(27〜33)・・・ピンク
低い(20〜27)・・・青
正常な頭部画像の場合、CT値の分布はほぼ左右対称であるが、虚血領域では、反対側に比べて、低いCT値に相当する色(青)が広く分布する。これを観察することによって、虚血領域を判断することができる。なおCT値は、断層画像の作成条件によって変動する。よって、次の方法にて、脳組織のCT値範囲と色分けの区分とを自動的に調整してもよい。周知のとおり、CT値は、再構成関数と管電圧に対して依存性が高い。そこで、再構成関数と管電圧ととの複数の組み合わせに対して、脳組織のCT値範囲と色分けの区分との複数の組み合わせ対応付けておき、画像の付帯情報から管電圧・再構成関数を読み込むと、その組み合わせに応じて脳組織のCT値範囲と色分けの区分を適用する。
脳組織のCT値範囲と色分けの区分を、CT値ヒストグラムから自動的に決定する方法を採用しても良い。画像において、脳組織のCT値範囲の変動を許容する程度の広い例えば5〜60までのCT値範囲内の値を有するピクセルのみを処理範囲として、脳組織のピクセルだけのCT値ごとのピクセル数を表すヒストグラムを作成する。そして、あるCT値X以上のピクセルの数が脳組織の全ピクセル数の40%にあたるXの値を求め、これを虚血の可能性が高い領域(青領域)のか上限閾値とする。この閾値により検出されるのは、厳密には皮質ではないが、低吸収領域(CT値が低い領域)を見つける目的には十分である。ここで、ヒストグラムの横軸はCT値、縦軸は全体のピクセル数に対しての割合[%]とし、左右のヒストグラムを重ねてグラフ表示した場合に、左右の差が比較しやすくする。
脳溝強調画像は、CTの断層画像における脳溝を観察するために脳溝領域がカラーコーディングされた画像である。脳溝が判断しやすいカラースケールとして、脳溝に存在する脳脊髄液のCT値範囲(−200〜20)を色付け対象範囲としてが、その範囲を次のように2種類に色分けされるようなカラースケールにする。
高い(10〜20)・・・オレンジ
低い(−200〜10)・・・黄色
正常な頭部のCT断層画像の場合、脳溝はほぼ左右対称に描出される。しかし、虚血領域付近では、脳が腫れることにより脳溝が狭くなり、反対側に比べて脳溝が描出されない。これを観察することによって、虚血領域を判断することができる。
また、脳溝をカラー化する代わりに、脳の輪郭線を引くことで脳溝の存在を強調しても良い。正常の場合、脳溝の存在により、輪郭線はうねうねと曲がった線になるが、虚血領域付近では、脳溝が描出されないことにより、輪郭線はうねりが無く滑らかな線になる。ここで、輪郭線を左右に2分割、前・真中・後ろに3分割、合計6分割して6つの線を作成し、この長さを比較することによって、脳溝の有無を数値によって表現できる。そして、短かった線を色付けし、脳溝の消失している部分を強調する。これにより、ユーザは虚血流域の判断が行える。
虚血診断に有効なインデックスとして、右脳領域と左脳領域との対称度と、脳表面付近の領域を体軸中心に円周方向に分割した6つの領域(ROI)各々の平均CT値と、6つのROI各々のCT値ごとのピクセル数分布とがインデックス計算部44で計算される。脳表面付近領域を限定するために、まず脳の輪郭が抽出される。この輪郭を平曲線Cとし、Cを70%ほどに縮小した閉曲線をDとすると、CとDに囲まれた円環形状の領域ができる。この領域を左右に2分割、前・真中・後ろに3分割、合計6分割して6つの領域(ROI)に分割する。そして、この6つのROI各々の平均CT値を計算する。インデックス計算部44ではさらに右側の前方のROIの平均CT値と左側の前方のROIの平均CT値との差を計算し、その差が所定のしきい値より大きいとき、平均CT値の小さい右側前方ROI又は左側前方ROIを虚血の可能性の高い領域としてその輪郭をオリジナル画像、コントラスト強調画像、脳溝強調画像の全て又はいずれかに重畳する。円環形状の領域の真中領域、後方領域各々に関しても同様に、左右間で平均CT値を比較し、その差がしきい値より大きいとき、平均CT値の小さい領域を虚血の可能性の高い領域としてその輪郭をオリジナル画像、コントラスト強調画像、脳溝強調画像の全て又はいずれかに重畳する。また、6つの領域各々の平均CT値を数値表示する。
ここで、領域内のピクセル数OとCT値のばらつきSDと平均CT値Mとを用いて、統計的に判断する。統計的に差が出た場合、その領域を縁取る輪郭部分を色付けし、どの領域に虚血があるかを強調する。これにより、ユーザは虚血流域の判断が行える。
右脳領域と左脳領域との対称度に関しては左右脳中心線を探索するにあたって用いたパラメータである。対称度の値がしきい値を超過して、正常値から大きく外れることは、左右脳のいずれかが、膨張、または萎縮していることを示唆している。そして、この場合は、その対称度の数字を対称度の値がしきい値以下の正常時と異なる色で表示することで、膨張・萎縮があることを強調する。
また、上述では断層画像の2次元領域で左右半球の対称度を算出したが、左右の脳組織のボリューム(3次元領域)で比較をしても良い。2次元時と同様に、左右脳中心面を挟んで左右の3次元領域を入れ替え、入れ替え前のボリュームとの間で相関係数を計算する。また、対称度として、単に、左脳領域と右脳領域との間の容積(又は面積)の差(又はその比率)を採用しても良い。容積又は面積の差又は比が所定のしきい値を超過したとき、容積又は面積をその差又は比とともに、差又は比がしきい値以下のとき時と異なる色で表示することで、膨張・萎縮があることを強調する。
なお、図10の表示画面に表示する画像の初期的なスライス位置は次のように決定されている。制御部41は次のいづれか、もしくはいづれかの組み合わせにて、臨床上価値の高い基底核が描出されているスライスを検出する。
耳の上側が見えなくなるスライスの2cm上のスライス
脳室が4つに分かれていて、それぞれが特定の大きさ以上あるスライス
シルビウス裂がある程度の大きさに見えるスライス
次に、ガイドライン発生部45による診断ガイドライン表示について説明する。例えば図10の画面には「診断・治療のガイド」と表記されたボタンが表示されている。このボタンのクリックにより、図11,図12に示すように、脳虚血診断のガイドラインが表示される。ガイドラインには、脳虚血診断のための複数のユーザチェック項目が備考とともに用意されている。それら項目としては例えば、
レンズ核に低吸収域がありますか?(備考;将来的に虚血となるが、まだ血栓溶解治療可能)
皮質領域に低吸収域はありますか?(備考;虚血領域あり。血栓溶解治療不可能。)
脳溝の消失がありますか?(備考;虚血領域あり。血栓溶解治療不可能。)
脳の形がゆがんでますか?(備考;脳の膨張、萎縮あり。血栓溶解治療不可能。)
発症何時間経過していますか?(備考;6H以上経っていると、再開通で出血の可能性大。)
ガイドライン発生部45は、これらチェック項目の回答の組み合わせに対して、虚血変化の有無(虚血診断結果)及び治療(例えば血栓溶解療法)の適応の可否(治療に際しての注意事項)を対応付けて記憶している。チェック項目の回答の組み合わせに対応する虚血変化の有無と治療の適応の可否が表示される。
以上のように本実施形態によると、CT画像から脳虚血診断に有用な情報が提供される。従って脳虚血診断精度を向上し、効果的な治療方針を決定することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の概略構成を示す図。 本実施形態による診断支援動作の流れ図。 本実施形態による診断支援動作の詳細な流れ図。 図3の画像表示方向補正処理を補足するために、脳中心線を例示する図。 図3の画像表示方向補正処理を補足するために、図4の中心線から既定される左右脳を分離する中心面Aを例示する図。 図3の画像表示方向補正処理を補足するために、中心面に基づいたボリュームデータの座標補正を示す図。 図5の中心面の手動による指定方法を示す図。 図4の中心線の自動検出方法の説明図。 図4の中心線の自動検出方法において用いられる左右反転画像の生成のための補間処理を例示する図。 本実施形態による表示画面例を示す図。 本実施形態による表示画面例を示す図。 図11のガイドラインの詳細図。
符号の説明
1…架台、2…寝台、3…計算機ユニット、10…X線管、12…回転フレーム、21…高電圧発生器、23…X線検出器、25…架台駆動装置、26…データ収集装置、29…システムコントローラ、30…スキャンコントローラ、34…前処理部、36…再構成処理部、37…データ記憶部、38…ディスプレイ部、39…入力器、40…CT−DE装置(脳虚血解析装置)、41…CT−DE制御部、42…画像表示方向補正部、43…画像処理部、44…インデックス計算部、45…ガイダンス発生部。

Claims (9)

  1. 被検体頭部に関するマルチスライス又はボリュームデータを記憶する記憶部と、
    前記マルチスライス又はボリュームデータから、左右脳を分離する中心面に対して垂直な面の断層画像を生成する画像生成部と、
    コントラスト強調画像及び脳溝強調画像あるいはいずれか一方を生成するために、前記断層画像を処理する画像処理部と、
    前記断層画像を、前記コントラスト強調画像及び前記脳溝強調画像とともに表示する表示部とを具備することを特徴とする脳虚血診断支援装置。
  2. 前記画像生成部は、前記マルチスライス又はボリュームデータから初期的に生成した複数の断層画像から左右脳を分離する複数の中心線を検出し、前記複数の中心線に対する位置ズレの誤差が最小化するように前記中心面を生成することを特徴とする請求項1記載の脳虚血診断支援装置。
  3. 前記画像処理部は、前記断層画像の脳組織領域をCT値に応じて少なくとも3種類に色分けすることにより前記コントラスト強調画像を生成することを特徴とする請求項1記載の脳虚血診断支援装置。
  4. 前記画像処理部は、前記断層画像の脳脊髄液領域をCT値に応じて少なくとも2種類に色分けすることにより前記脳溝強調画像を生成することを特徴とする請求項1記載の脳虚血診断支援装置。
  5. 前記中心面により分離された左脳領域と右脳領域との間の体積比を計算する計算部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の脳虚血診断支援装置。
  6. 前記断層画像の左脳領域と右脳領域との間の面積比を計算する計算部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の脳虚血診断支援装置。
  7. 前記断層画像と前記断層画像の左右反転画像との間の相関係数を計算する計算部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の脳虚血診断支援装置。
  8. ユーザ判断による複数の診断結果の組み合わせに基づいて治療の可否を判定する判定部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の脳虚血診断支援装置。
  9. 被検体をスキャンして収集したデータに基づいて前記被検体の頭部に関するマルチスライス又はボリュームデータを再構成するX線コンピュータ断層撮影装置において、
    前記マルチスライス又はボリュームデータから、左右脳を分離する中心面に対して垂直な面の断層画像を生成する画像生成部と、
    コントラスト強調画像と脳溝強調画像とを生成するために、前記断層画像を処理する画像処理部と、
    前記断層画像を、前記コントラスト強調画像及び前記脳溝強調画像とともに表示する表示部とを具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
JP2003368893A 2003-10-29 2003-10-29 脳虚血診断支援装置及びx線コンピュータ断層撮影装置 Expired - Fee Related JP4357928B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003368893A JP4357928B2 (ja) 2003-10-29 2003-10-29 脳虚血診断支援装置及びx線コンピュータ断層撮影装置
US10/971,010 US20050113680A1 (en) 2003-10-29 2004-10-25 Cerebral ischemia diagnosis assisting apparatus, X-ray computer tomography apparatus, and apparatus for aiding diagnosis and treatment of acute cerebral infarct
CNB2004100878008A CN100431495C (zh) 2003-10-29 2004-10-29 脑部病症辅助诊断和治疗设备、x射线计算机断层摄影设备

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003368893A JP4357928B2 (ja) 2003-10-29 2003-10-29 脳虚血診断支援装置及びx線コンピュータ断層撮影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005131010A JP2005131010A (ja) 2005-05-26
JP4357928B2 true JP4357928B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=34646420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003368893A Expired - Fee Related JP4357928B2 (ja) 2003-10-29 2003-10-29 脳虚血診断支援装置及びx線コンピュータ断層撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4357928B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005039189B4 (de) * 2005-08-18 2010-09-09 Siemens Ag Bildauswertungsverfahren für zweidimensionale Projektionsbilder und hiermit korrespondierende Gegenstände
DE102006025423A1 (de) * 2006-05-31 2007-12-06 Siemens Ag Röntgenanlage mit dual energy Betrieb und Auswertungsverfahren für im dual energy Betrieb erfasste Projektionsbilder
JP5329149B2 (ja) * 2008-08-11 2013-10-30 株式会社東芝 脳溝位置特定方法、画像処理装置及び医用画像診断装置
JP5366577B2 (ja) 2009-02-04 2013-12-11 株式会社東芝 医用画像処理装置
JP5631698B2 (ja) * 2009-12-07 2014-11-26 株式会社東芝 医用画像処理装置及び医用画像処理方法
JP5424841B2 (ja) * 2009-12-08 2014-02-26 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフスイング診断システム
US9123101B2 (en) * 2011-01-05 2015-09-01 Koninklijke Philips N.V. Automatic quantification of asymmetry
EP3657435A1 (en) 2018-11-26 2020-05-27 Koninklijke Philips N.V. Apparatus for identifying regions in a brain image

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005131010A (ja) 2005-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7271646B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置、スキャン計画設定支援装置、医用画像診断システム、制御方法及び制御プログラム
JP4509531B2 (ja) 急性脳梗塞診断治療支援装置
US20050113680A1 (en) Cerebral ischemia diagnosis assisting apparatus, X-ray computer tomography apparatus, and apparatus for aiding diagnosis and treatment of acute cerebral infarct
US6765983B2 (en) Method and apparatus for imaging a region of dynamic tissue
JP4965433B2 (ja) トランケートされた投影と事前に取得した3次元ct画像を用いる円錐ビームct装置
US8396184B2 (en) X-ray CT system and control method for same
US7260252B2 (en) X-ray computed tomographic apparatus, image processing apparatus, and image processing method
US7564937B2 (en) X-ray CT device and method of controlling the same
JP4612294B2 (ja) X線コンピュータ断層装置、x線コンピュータ断層装置制御方法、及びx線コンピュータ断層撮影プログラム
JP2007181623A (ja) X線ct装置
JP2004329661A (ja) X線コンピュータ断層撮影装置及び画像ノイズシミュレーション装置
JP4519434B2 (ja) 超解像処理装置及び医用画像診断装置
WO2013054911A1 (ja) X線コンピュータ断層撮像装置、医用画像処理装置、及び医用画像処理方法
JP4357928B2 (ja) 脳虚血診断支援装置及びx線コンピュータ断層撮影装置
JP2005161032A (ja) 画像処理装置
JP4621425B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置
JP4653303B2 (ja) コンピュータ断層撮影装置
JP2005095329A (ja) 超解像処理装置及び医用画像診断装置
Kubo et al. Automatic extraction of pulmonary fissures from multidetector-row CT images
US20060083344A1 (en) Methods and apparatus for reconstruction in helical cone beam volumetric CT
EP4099268A1 (en) Medical information display apparatus, medical image processing apparatus, and medical information display method
KR102399792B1 (ko) 인공지능 기반 Hounsfield unit (HU) 정규화 및 디노이징 (Denoising)을 통한 전처리 장치 및 방법
JP7426310B2 (ja) X線コンピュータ断層撮像装置
JP4738542B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置
US7173996B2 (en) Methods and apparatus for 3D reconstruction in helical cone beam volumetric CT

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090805

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4357928

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees