JP6450254B2 - 包被食品の封着方法及びシャッタ装置並びにシャッタ片 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばパン生地等のごとき外皮材内に、適宜の内材を包み込んだ包被食品を製造する際に、前記外皮材を封着する封着方法及びシャッタ装置並びにシャッタ片に係る。さらに詳細には、前記内材に、例えば野菜の繊維状のものや肉筋などの繊維質のもの、また、大粒の食材であってシャッタ装置に備えたシャッタ片を閉動作するときにシャッタ片によって押し潰すものなど、シャッタ片の閉動作時に容易に切断分離し難い食材(以後、切断し難い材料、又は難切断材料と称す)が含まれていて、切断分離が困難で、外皮材の円滑な封着が難しい場合であっても、外皮材の封着を容易に行い得る封着方法及びシャッタ装置並びにシャッタ片に関する。
例えば、パン生地等のごとき外皮材内に適宜の内材を包み込んだ状態の包被食品を製造する場合、一般的には、次のように行われている。すなわち、包被食品を製造する場合、包被食品製造装置に備えた外皮材ホッパと内材ホッパとにそれぞれ外皮材と内材とを別個に供給する。そして、前記包被食品製造装置における重合ノズルへ、前記各ホッパから内材、外皮材を送給すると、外皮材でもって内材を囲繞した状態の棒状の食品材料が下方向へ吐出される。
上述のように、棒状の食品材料が重合ノズルから吐出されると、前記重合ノズルの下側に上下動自在かつ開閉自在に備えたシャッタ装置によって、前記食品材料の包被切断を行うことにより、包被食品が製造されるものである。
また、包被食品を製造する場合、次のように行う場合もある。すなわち、例えば、特許第4276800号公報に示されるように、上下方向の穴を備えた支持プレート上に、前記穴を覆うように円板状の外皮材を載置する。そして、前記外皮材上に内材を供給し、この内材を包むように外皮材を前記穴内に窪ませる。その後、開閉自在なシャッタ装置によって、前記支持プレート上の外皮材の周縁部を収束して封着を行うことにより、包被食品を製造するものである。
さらに、例えば特許第2518764号公報に示されるように、コンベアーベルトによって水平に搬送されるシート生地上にフィリングを供給し、前記シート生地を一側方より巻き上げて、前記フィリングを中心に包み込んだ棒状の食品材料を製造する。そして、この棒状の食品材料をシャッタ装置によって包被切断する。なお、棒状の食品材料をシャッタ装置によって包被切断する場合、特許第2518764号公報に示されるように、食品材料を垂直に屈曲する場合や、特許第3512721号公報に示されるように、棒状の食品材料を水平に移送しつつ包被切断する場合もある。
さらに、シャッタ装置の構成としては、例えば前記特許第4276800号公報、特許第2518764号公報、特許第3512721号公報に示されたごとき構成のシャッタ装置や、例えば、特許第3009140号公報や、特許第5281276号公報などに示されたごとき構成のシャッタ装置など、種々の構成のシャッタ装置がある。
すなわち、包被食品を製造するには種々の製造方法があり、またシャッタ装置にも種々の構成のシャッタ装置があるものである。
ところで、内材内に、例えば野菜の繊維状のものや肉筋などの繊維質のものなど、又、シャッタ装置の閉作動時に押し潰され易い材料などの切断し難い材料(難切断材料)が含まれ、前記難切断材料が外皮材の封着部に対応した位置に位置している場合には、外皮材の封着が円滑に行われないことがある。そこで、シャッタ装置におけるシャッタ片にカッター刃を備えて、前記難切断材料を切断することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−29394号公報
前記特許文献1に記載の構成においては、シャッタ装置における複数のシャッタ片によって囲繞したシャッタ開口内の食品材料の包被切断を行うとき、1つのシャッタ片に備えたカッター刃は、前記シャッタ開口内へ常に突出した状態にある。したがって、前記シャッタ開口が縮小して、各シャッタ片が食品材料の外周面に接触すると、前記カッター刃による外皮材の切断が開始されることになる。すなわち、例えば、外皮材が括れるように圧縮縮径されて内材が括れる前に外皮材の切断が開始される態様となり、外皮材の封着部から内材が漏出し易い、という問題がある。
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、外皮材によって内材を包み込んだ包被食品の封着方法であって、複数のシャッタ片によって囲繞されたシャッタ開口を次第に縮小し、当該シャッタ開口内に位置する外皮材でもって内材を包み込んだ状態に外皮材の封着を行う際、適宜のシャッタ片に備えたカッターを、前記シャッタ開口内へ突出して、少なくとも内材の切断を行った後に、前記シャッタ開口をさらに縮小して前記外皮材の封着を行うことを特徴とするものである。
また、前記包被食品の封着方法において、前記カッターは複数のシャッタ片に備えられており、各カッターは、前記シャッタ開口の中心位置で当該シャッタ開口の開口軸心に対して互に交差する方向へ移動して内材の切断を行うことを特徴とするものである。
また、前記包被食品の封着方法において、前記内材の切断は、内材の径が前記カッターの幅寸法以下になったときに行うことを特徴とするものである。
また、前記包被食品の封着方法において、前記カッターによる内材の切断は、内材に張力を付与した状態で行うことを特徴とするものである。
また、外皮材によって内材を包み込んだ包被食品の封着を行うシャッタ装置であって、複数のシャッタ片によって囲繞されたシャッタ開口内に位置する外皮材でもって内材を包み込んだ状態に外皮材の封着を行う際に、前記内材の切断を行うために、前記シャッタ開口内へ突出自在なカッターを、適宜のシャッタ片に備えていることを特徴とするものである。
また、前記シャッタ装置において、前記カッターは、互に離隔して配置された複数のシャッタ片に備えられていることを特徴とするものである。
また、複数のシャッタ片によって囲繞されたシャッタ開口を形成し、隣接したシャッタ片に摺接した状態で前記シャッタ開口を開閉自在なシャッタ片であって、前記シャッタ開口を形成するシャッタ開口形成面に対して出没自在なカッターを、前記シャッタ開口の開口軸心に対して交差する方向へ移動自在に備えている。
また、前記シャッタ片において、前記シャッタ開口形成面に対して前記カッターを出没するためのアクチュエータを備えていることを特徴とするものである。
また、前記シャッタ片において、前記カッターは、シャッタ片におけるシャッタ開口形成面の一端側に出没自在に備えられていることを特徴とするものである。
また、前記シャッタ片において、シャッタ片におけるシャッタ開口形成面に、上下に傾斜面を形成した突条部を備え、前記カッターは前記突条部の一端側に備えられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、複数のシャッタ片によって囲繞されたシャッタ開口を次第に縮小して、前記シャッタ開口内の外皮材を縮径し、外皮材が複数のシャッタ片によって所望の小径に括られたときに、前記シャッタ開口内へカッターを突出して、内材の切断を行うことができる。したがって、前記カッターによる切断部付近へ外皮材を寄せ集める(寄せ付ける)ことができ、外皮材の封着を確実に行い得るものである。
本発明の実施形態に係るシャッタ装置の構成を概念的、概略的に示した説明図である。 シャッタ開口を次第に縮小して食品材料の包被切断を行う作用説明図である。 シャッタ片に備えたカッターによって難切断材料を切断する場合の作用説明図である。 シャッタ開口を次第に縮小して食品材料の包被切断を行い、外皮材の封着を行う作用説明図である。 シャッタ開口を次第に縮小して食品材料の包被切断を行い、外皮材の封着を行う作用説明図である。 シャッタ片を5個にした場合のシャッタ装置の構成を示す説明図である。 シャッタ片が5個の場合において、シャッタ開口を次第に縮小する場合の動作を示す説明図である。 シャッタ片が5個の場合において、シャッタ開口を次第に縮小する場合の動作を示す説明図である。 シャッタ片が5個の場合において、シャッタ開口を次第に縮小する場合の動作を示す説明図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係るシャッタ装置について説明するに、外皮材でもって内材を包み込んだ構成の包被食品を製造するための包被食品製造装置には種々の構成がある。また、各種の包被食品製造装置において、内材を包み込んだ状態に外皮材を封着するためのシャッタ装置にも各種の構成がある。そして、各種の包被食品製造装置の全体的構成は既によく知られた構成であり、また各種構成のシャッタ装置の全体的構成もよく知られた構成である。したがって、包被食品製造装置の全体的構成の説明を省略すると共に、シャッタ装置における全体的構成の詳細な説明は省略することとする。
図1を参照するに、本発明の実施形態に係るシャッタ装置1は、包被食品製造装置(図示省略)におけるシャッタフレーム3に備えられている。前記包被食品製造装置は、よく知られているように、外皮材5でもって内材7を囲繞した棒状の食品材料9を下方向に吐出する重合ノズル(図示省略)を備えている。そして、前記食品材料9を包被切断して、外皮材5でもって内材7を包み込んだ状態の包被食品(図示省略)を製造するために、前記シャッタ装置1は、前記重合ノズルの下方位置に上下動自在に備えられているものである。
前記シャッタ装置1は、正多角形状のシャッタ開口11を開閉自在な複数のシャッタ片13を備えている。前記シャッタ装置1は、前記シャッタフレーム3に回動自在に支持された複数のシャッタ軸15を備えている。上記各シャッタ軸15は、同一円上に等間隔に配置してある。そして、各シャッタ軸15には、前記各シャッタ片13に備えたスロット17に相対的に摺動自在に係合した揺動部15Aがシャッタ軸15に対して直交する方向に長く、かつ一体に備えられている。したがって、前記各シャッタ軸15を、適宜の連動機構を介して往復回動すると、各シャッタ片13は、前記揺動部15Aを介して一体的に水平に往復回動されるものである。
前記各シャッタ片13は、前記シャッタ開口11を形成するシャッタ開口形成面19を備えていると共に、隣接したシャッタ片13における前記シャッタ開口形成面19に摺動自在に摺接した摺接面21を備えている。すなわち、前記各シャッタ片13は、各シャッタ片13に備えた摺接面21を、隣接したシャッタ片13におけるシャッタ開口形成面19に摺動自在に接合することにより、各シャッタ片13は、互に開閉動作を拘束した関係にある。換言すれば、各シャッタ片13は、連動して開閉動作を行うように構成してある。
上記構成において、制御モータ(図示省略)を駆動して適宜のシャッタ軸15を、図1(A)において時計回り方向に回動すると、各シャッタ軸15は、例えば歯車機構などのごとき適宜の連動機構(図示省略)を介して同時に同方向に回動される。したがって、各シャッタ片13は、図1(A)において時計回り方向に回動されると共に、各シャッタ片13が互に拘束した状態にあることにより、各シャッタ軸15に備えた揺動部15Aに沿って移動する。すなわち、各シャッタ片13のシャッタ開口形成面19によって囲繞されたシャッタ開口11を次第に縮小することになる。
よって、シャッタ開口11内に位置する棒状の食品材料9の周面を、各シャッタ片13におけるシャッタ開口形成面19によって中心に向かって押圧し、食品材料9の外皮材5及び内材7を次第に小径に括ることになる。そして、最終的には、外皮材5の括れた部分を封着することにより、外皮材5でもって内材7を包み込んだ状態の包被食品(図1には図示省略)を形成することになるものである。
ところで、前記外皮材5又は内材7の少なくとも一方に(本実施形態においては内材7に)、図1(B)に示すように、例えば野菜の繊維状のもの、肉筋などの繊維質のもの、また、大粒の食材であって各シャッタ片13の閉動作時に押し潰されるものなど、シャッタ片13の閉動作時に容易に切断し難い食材(以後、難切断材料と称す)23が含まれていると、前述したように、外皮材5の封着を行う際に、封着が良好に行われない場合がある。そこで、本実施形態においては、前記難切断材料23を切断するためのカッター25,27を適宜のシャッタ片13に備えている。既に理解されるように、前記カッター25,27は、難切断材料23を切断する機能を備えていればよいもので、1個でもよいものである。しかし、本実施形態においては、複数のシャッタ片13にカッター25,27を個別に備えた構成である。
より詳細には、前記各シャッタ片13は、水平な上面及び下面を備えた厚板状に形成してある。そして、各シャッタ片13におけるシャッタ開口形成面19には全長に亘って垂直な押圧面29が形成してあり、この押圧面29の上下方向のほぼ中間位置には、前記押圧面29から突出した突条部31が押圧面29の全長に亘って水平に形成してある。上記突条部31は、傾斜方向が逆方向の上下の傾斜面33U,33Lを押圧面29の全長に亘って形成することによって、前記押圧面29から突出した状態に備えられているものである。なお、上下の傾斜面33U,33Lにおいて、上側の傾斜面33Uの傾斜量は、下側の傾斜面33Lの傾斜量より大きく形成してある。換言すれば、押圧面29は、前記突条部31の上部側と下部側は段違いに形成してあり、図2(B)に示すように、上部側よりも下部側の方がシャッタ開口11の内方向へ僅かに突出した形態である。
前記各シャッタ片13における前記押圧面29の上部には、当該押圧面29と上面との交差部を面取りした形態の上部傾斜面35が全長に亘って形成してある。また、前記押圧面29の下部には、前記上部傾斜面35と傾斜方向が逆方向の下部傾斜面37が全長に亘って形成してあり、この下部傾斜面37の下部には、下側押圧面39が形成されている。
そして、前記カッター25,27は、互に離隔して配置された複数のシャッタ片13に備えられている。図1に示した構成においては、互に対向したシャッタ片13にそれぞれカッター25,27が備えられている。各シャッタ片13に備えた各カッター25,27は、当該シャッタ片13の厚さ方向のほぼ中央部に配置してある。より詳細には、カッター25,27を備えた各シャッタ片13における摺接面21には、前記カッター25,27を往復動自在に内装したカッタ収容溝41が摺接面21に全長に亘って形成してある。
上記カッタ収容溝41の位置は、前記各シャッタ片13の厚さ方向のほぼ中央部であって、前記突条部31に対応した位置である。すなわち、カッタ収容溝41は、前記突条部31における上下の傾斜面33U,33Lの間においてシャッタ開口形成面19側に開口してある。したがって、各シャッタ片13に備えた各カッター25,27は、当該シャッタ片13に隣接した別個のシャッタ片13におけるシャッタ開口形成面19に案内されて、当該シャッタ片13における突条部31の一端側において前記カッタ収容溝41の開口から、前記シャッタ開口11内へ突出自在なものである。換言すれば、各カッター25,27は、シャッタ開口11を縮小するとき、縮小されたシャッタ開口11内へ突出するようにシャッタ開口形成面19の、シャッタ開口11が小さくなる側の一端側に出没自在に備えられているものである。
前記カッター25,27を備えた各シャッタ片13における前記カッタ収容溝41から前記シャッタ開口11内へ各カッター25,27を突出作動するために、前記各シャッタ片13にはブラケット43が一体的に備えられている。そして、このブラケット43には、当該シャッタ片13におけるシャッタ開口形成面19に対して前記カッター25,27を出没するためのアクチュエータ45が備えられている。このアクチュエータ45は、例えばエアシリンダ等のごとき流体圧シリンダから構成してあって、このアクチュエータ45に往復動自在に備えられたピストンロッド等のごとき往復作動杆47は、前記カッター25,27と連結してある。
したがって、前記アクチュエータ45を作動することにより、前記各カッター25,27は、当該シャッタ片13におけるシャッタ開口形成面19に対して出没されるものである。
なお、カッター25,27は、前記シャッタ開口11を縮小して、食品材料9の包被切断を行う際に、食品材料9に含まれる難切断材料23を切断する機能を奏すればよいものである。したがって、各カッター25,27の刃先を鋭利に形成し、この刃先が交差することによって難切断材料23を切断する構成とすることも可能である。また、一方のカッター25の刃先を鋭利に形成し、他方のカッター27の刃先をV溝状又は平面状に形成して、一方のカッター25の刃先でもって難切断材料23を他方のカッター27の刃先へ押し付けて切断する構成(押し切りを行う構成)とすることも可能である。すなわちカッター25,27の刃先は種々の形態を採用することが可能なものである。
なお、本実施形態においては、一方のカッター25の刃先49は、図1(A)に示すように、カッター25の往復動方向に対して傾斜してあって、両刃の鋭利な刃先に形成してある。上記刃先49の傾斜方向は、図1(A)に示すように、カッター25をシャッタ開口11内へ突出するとき、上記刃先49の、当該シャッタ片13における摺接面21側の外端側がよりも内端側が先行するように傾斜してある。
他方のカッター27の刃先51は、前記一方のカッター25の刃先49と対向する垂直な平面に形成してあって、当該他方のカッター27の往復動方向に対して傾斜してある。この他方のカッター27における刃先51の傾斜方向は、当該カッター27を備えたシャッタ片13における摺接面21側である刃先51の外端側が内端側よりも遅れてシャッタ開口11内へ突出するように傾斜してある。
以上のごとき構成において、図1(A)に示すように、シャッタ開口11が大きく開かれた状態にあるとき、包被食品製造装置における重合ノズルから棒状の食品材料9を下方向に吐出すると、食品材料9は、シャッタ開口11の中央部を通過する。そして、食品材料9は、シャッタ装置1の下方位置に上下動自在に備えた搬送ベルト等のごとき支持部材53(図1(B)参照)によって支持される。その後、食品材料9の下降速度と同一速度でもってシャッタ装置1及び前記支持部材53を下降する。
そして、シャッタ装置1を下降しつつシャッタ軸15を回動して、各シャッタ片13を回動(揺動)して閉動作すると、各シャッタ片13によって囲繞されたシャッタ開口11は次第に縮小(縮径)されることになる。上述のように、シャッタ開口11が次第に縮小されると、各シャッタ片13におけるシャッタ開口形成面19に備えた突条部31が前記食品材料9における外皮材5に当接し、前記外皮材5の径を縮小するように内方向に押圧する。したがって、外皮材5が前記突条部31によって内方向へ押圧される部分は次第に小径に絞られて括られる形態となる。
この際、前記突条部31には上下の傾斜面33U,33Lが形成してあるので、外皮材5が前記突条部31によって内方向へ押圧されて括られる部分の一部は、前記傾斜面33U,33Lによって上下方向に誘導されることになり、上下方向の張力が付与されることになる。また、外皮材5内の内材7において、前記突条部31に対応した部分は、前述したように外皮材5が次第に括られることに対応して、内材7も次第に括られることになる(図2(B)参照)。
したがって、内材7が前記突条部31に対応した部分においては、外皮材5と同様に、上下方向に誘導されて次第に括られるものである。よって、内材7には、内材7を上下に分断する張力が付与されるものである。すなわち、前記突条部31に対応した内材7及び内材7内の難切断材料23には張力が付与されるものである。
その後、さらにシャッタ開口11を縮小すると、シャッタ開口11に内接する内接円の直径は、前記カッター25,27の幅寸法とほぼ等しくなる。したがって、前記食品材料9における外皮材5は、各シャッタ片13における前記突条部31の部分において、直径が前記カッター25,27の幅寸法にほぼ等しい太さに細く括られることになる。上述のように、外皮材5の外径が前記カッター25,27の幅寸法にほぼ等しくなったときに、アクチュエータ45を作動してカッター25,27を前記シャッタ開口11内へ突出すると、各カッター25,27の刃先49,51は、シャッタ開口11の中心位置、すなわち、シャッタ開口11の開口軸心位置で当接することになる(図3参照)。したがって、食品材料9における括れ部分において内材7内に含まれている難切断材料23はカッター25,27によって挟み込まれる。又は切断されることになる。
ところで、カッター25,27をシャッタ開口11内へ突出するタイミングは、上述したタイミングによることなく、食品材料9における内材7の径がカッター25,27の幅寸法にほぼ等しくなった場合とすることも可能である。すなわち、内材7のみに難切断材料23が含まれる場合には、カッター25,27をシャッタ開口11内へ突出するタイミングを上述のごときタイミングとしても、難切断材料23の切断が可能なものである。この際、外皮材5の一部はカッター25,27によって切断されることなく、上下に連続された状態にある。
前述のごとく、カッター25,27の刃先49,51が当接した後に、前記各アクチュエータ45によるカッター25,27の押圧力を所定の押圧力に保持して、前記シャッタ開口11をさらに縮小すべく各シャッタ片13をさらに同方向に回動すると、カッター25,27は、刃先49,51を当接した状態を保持して互に反対方向、すなわち、シャッタ開口11の開口軸心に対して交差(例えば直交)する方向であって、カッター25,27の刃先49,51が各カッター25,27の巾方向にずれるように移動することになる(図4(A)参照)。したがって、カッター25,27の刃先49,51に挟まれて未切断状態にあった難切断材料23は、擦られる形態となって引き切りによって切断されるものである。
この際、内材7及び内材7内の難切断材料23には上下方向の張力が付与された状態にあるので、難切断材料23の切断を効果的に行い得るものである。
また、前述のごとく、カッター25,27の刃先49,51が当接し、難切断材料23が切断された後は、食品材料9における外皮材5及び内材7は、カッター25,27によって上下に切断分割された状態にある(図3(B)参照)。したがって、カッター25,27の刃先49,51が当接した後に、前記シャッタ開口11をさらに縮小すべく各シャッタ片13を回動すると、各シャッタ片13における各突条部31の上下の傾斜面33U,33Lによって、上下に切断分割された外皮材5及び内材7は上下方向に誘導される(図4(B)参照)。
そして、上側に切断分割された食品材料9における外皮材5の下端部は、各シャッタ片13における上部側の押圧面29によって捻るように封着される。すなわち、上側に切断分割された食品材料9の下端部には、外皮材5が捻るように封着(結着)された下方向突出部55(図4(B)参照)が一時的に形成される。この下方向突出部55に対応する部分に位置した一部の内材7は、次第に下方向突出部55を細く形成する際に上方向に戻される(絞り出される)ものである。
また、下側に切断分割された食品材料9における外皮材5の上端部は、各シャッタ片13における下部側の押圧面29及び下側押圧面39によって捻るように封着される。すなわち、下側に切断分割された食品材料9の上端部には、外皮材5が捻るように封着された上方向突出部57(図4(B)参照)が一時的に形成される。この上方向突出部57に対応する部分に位置した一部の内材7は、前記上方向突出部57を次第に細く形成する際に、下方向へ絞り出されるものである。
ところで、各シャッタ片13において、シャッタ開口形成面19における突条部31の下側には、下側の押圧面29と下側押圧面39とが段違いに形成してある。したがって、前述のごとく上方向突出部57を形成するとき、上方向突出部57が前記下側の押圧面29によって形成される上部分の径は、前記下側押圧面39によって形成される下部分の径よりも小径に形成される。よって、前記上部分は前記下部分よりも強力に押圧されて封着(結着)されるものである。すなわち、前記上方向突出部57は、前記上部分と下部分の2箇所において封着を行うものであり、しかも上部分の封着はより強固に行われるものである。
前述のごとく、食品材料9を上下に切断分離し、上側に切断分離された食品材料9の下端部に下方向突出部55を形成し、かつ下側に切断分離された食品材料9の上端部に上方向突出部57を形成した後に、前記各シャッタ片13の同方向への回動を継続すると、各シャッタ片13における上面及び下面は、シャッタ開口11の中心位置においても水平面となり、前記下方向突出部55は上側の食品材料9内に没入される。そして、上方向突出部57は下側の食品材料9内に没入されるものである(図5参照)。この下側の食品材料9は、外皮材5でもって内材7を包み込んだ状態にあって、包被食品を構成するものである。
ところで、図3(A)に示すように、カッター25,27の刃先49,51をシャッタ開口11内へ突出し、上記刃先49,51を当接した状態に保持して、シャッタ開口11を縮小すると、図4(A)に示すように、各カッター25,27の刃先49,51は、隣接したシャッタ片13の摺接面21側へ移動するので、各シャッタ片13の摺接面21側には、刃先49,51との干渉を回避するための逃げ溝21Gが形成してある。
したがって、各カッター25,27の刃先49,51をシャッタ開口11へ突出した状態に保持して、シャッタ開口11を縮小しても何等の問題もないものである。
前記説明においては、カッター25,27によって難切断材料23を切断した後においても、カッター25,27をシャッタ開口11内へ突出した状態に保持して前記包被食品を製造する場合について説明した。しかし、難切断材料23を切断した後は、アクチュエータ45を作動して、所望のタイミングでもって各カッター25,27を元の位置に戻すことも可能である。
また、前記説明においては、シャッタ片13を6個として、シャッタ開口11を正六角形に形成した場合について例示した。しかし、シャッタ片13の数を変えることによって、前記シャッタ開口11を所望の正多角形に形成することも可能である。例えば、シャッタ片13を5個使用した場合には、図6〜9に概略的に示すように、シャッタ開口11は、正五角形を呈するものである。そして、カッター25,27は、隣接することなく互に離隔して配置されたシャッタ片13に備えられている。なお、上記カッター25,27の各刃先49,51は、前記シャッタ開口11の中心位置で刃先49,51が当接するように形成してある。
上記構成においても、シャッタ開口11に対してカッター25,27を出没自在に備えているものであるから、包被切断される食品材料9に難切断材料23が含まれている場合には、前記カッター25,27によって切断することができるものであり、前述した構成と同様の効果を奏し得るものである。
既に理解されるように、本実施形態によれば、食品材料9の内材に切断し難い難切断材料23が含まれている場合であっても、シャッタ片13に備えたカッター25,27によって前記難切断材料23を切断するものである。したがって、食品材料9の外皮材に難切断材料23が含まれているような場合であっても、食品材料9の包被切断を行って包被食品の製造を容易に行い得るものである。また、難切断材料23を含んだ内材や外皮材と同様な食品材料のみ、すなわち、難切断材料23を含んだ単生地をシャッタ開口11に供給し切断する場合であっても、食品の分割を容易に行い得るものである。
なお、前記説明においては、食品材料9が棒状を呈する場合について説明した。しかし、円板状の外皮材でもって内材を包み込んで包被食品を製造する場合のシャッタ装置に適用することも可能である。
また、食品材料9が下降する形態において説明したが、シャッタ装置は、水平に移動する食品材料を包被切断するためのシャッタ装置にも適用可能なものである。
また、シャッタ装置としては、前記実施形態に例示したシャッタ装置に限ることなく、種々の構成のシャッタ装置に適用可能なものである。
1 シャッタ装置
5 外皮材
7 内材
9 食品材料
11 シャッタ開口
13 シャッタ片
15 シャッタ軸
23 難切断材料
25 カッター
27 カッター
29 押圧面
31 突条部
43 ブラケット
45 アクチュエータ
49 刃先
51 刃先

Claims (10)

  1. 外皮材によって内材を包み込んだ包被食品の封着方法であって、複数のシャッタ片によって囲繞されたシャッタ開口を次第に縮小し、当該シャッタ開口内に位置する外皮材でもって内材を包み込んだ状態に外皮材の封着を行う際、適宜のシャッタ片に備えたカッターを、前記シャッタ開口内へ突出して、少なくとも内材の切断を行った後に、前記シャッタ開口をさらに縮小して前記外皮材の封着を行うことを特徴とする包被食品の封着方法。
  2. 請求項1に記載の包被食品の封着方法において、前記カッターは複数のシャッタ片に備えられており、各カッターは、前記シャッタ開口の中心位置で当該シャッタ開口の開口軸心に対して互に交差する方向へ移動して内材の切断を行うことを特徴とする包被食品の封着方法。
  3. 請求項1又は2に記載の包被食品の封着方法において、前記内材の切断は、内材の径が前記カッターの幅寸法以下になったときに行うことを特徴とする包被食品の封着方法。
  4. 請求項1,2又は3に記載の包被食品の封着方法において、前記カッターによる内材の切断は、内材に張力を付与した状態で行うことを特徴とする包被食品の封着方法。
  5. 外皮材によって内材を包み込んだ包被食品の封着を行うシャッタ装置であって、複数のシャッタ片によって囲繞されたシャッタ開口内に位置する外皮材でもって内材を包み込んだ状態に外皮材の封着を行う際に、前記内材の切断を行うために、前記シャッタ開口内へ突出自在なカッターを、適宜のシャッタ片に備えていることを特徴とするシャッタ装置。
  6. 請求項5に記載のシャッタ装置において、前記カッターは、互に離隔して配置された複数のシャッタ片に備えられていることを特徴とするシャッタ装置。
  7. 複数のシャッタ片によって囲繞されたシャッタ開口を形成し、隣接したシャッタ片に摺接した状態で前記シャッタ開口を開閉自在なシャッタ片であって、前記シャッタ開口を形成するシャッタ開口形成面に対して出没自在なカッターを、前記シャッタ開口の開口軸心に対して交差する方向へ移動自在に備えていることを特徴とするシャッタ片。
  8. 請求項7に記載のシャッタ片において、前記シャッタ開口形成面に対して前記カッターを出没するためのアクチュエータを備えていることを特徴とするシャッタ片。
  9. 請求項7又は8に記載のシャッタ片において、前記カッターは、シャッタ片におけるシャッタ開口形成面の一端側に出没自在に備えられていることを特徴とするシャッタ片。
  10. 請求項7,8又は9に記載のシャッタ片において、シャッタ片におけるシャッタ開口形成面に、上下に傾斜面を形成した突条部を備え、前記カッターは前記突条部の一端側に備えられていることを特徴とするシャッタ片。
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