JP6449725B2 - トンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキング - Google Patents

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Description

本発明は、トンネルセグメント類の継手部に装着し、上記継手部における漏水を防止するための弾性パッキングに関するものである。
土木建設の分野、特にトンネル建設の技術分野では、高耐水圧の止水のためにゴム等の弾性材料より成るパッキング原理を利用した技術が重要になる。例えば、シールドトンネルのセグメントはコンクリート製品又は鋼製品として提供されるが、セグメント同士を結合して所要距離繋ぎ合わせる際に、結合端面における漏水又は浸水を防止するために、パッキングを用いて止水処理する必要がある。セグメント自体が組み立て式であるが、セグメント構成部材の接続部についても同様の止水処理が必要である。
止水処理技術として、従来は、未加硫ブチルゴムを使用することが一般的であったが、最近では水膨張ゴムが一般的に使用されている。図9A、Bは止水材がソリッドタイプのパッキングによる止水方法の従来例を示すもので、パッキングP、Pは未加硫ブチルゴムや水膨張ゴムから成り、各セグメントS、Sに設けられた止水材配置溝R、Rに接着されている。パッキングP、Pは、両セグメントS、Sが締め付けられ、結合されるに伴って図示のように接触しシールを形成する(図9A)。
しかしながら、未加硫ブチルゴムや水膨張ゴムなどを用いた、上記のような止水方法、構造では、水圧が一定値以上に高くなると漏水を生じ易いことが分かっている。即ち、水Wが止水箇所に高圧が作用するようになると、その一方Oから他方Iに、主としてセグメントS、Sと配置溝R、Rとの接触面を通じて漏水し、また、一部は両セグメントS、Sの間からも漏水する現象が認められる。そのため水圧によってパッキングP、Pにズレを生じ、止水機能が損なわれるという問題を生じ易い(図9B)。
本発明の発明者は、永年にわたる研究と開発を通じて、止水の必要条件として、以下の数式を満たすことが好結果を得るために重要であるという知見を得ている。
1)V(パッキング本体の体積)≦V’(パッキング本体配置溝の体積)。
2)水圧<パッキングの圧縮圧力×パッキング係数。
3)パッキング圧縮反力<セグメント継手部破壊荷重。
式1と式2はパッキングの止水のために必要であり、また、式3はセグメント継手部端部保護のために必要な条件である(上記パッキング係数は、耐水圧試験値÷パッキング圧縮圧力によって算出され、耐水圧試験値によって決定される。)。
しかしながら、高耐水圧の場合未加硫ブチルゴムや水膨張ゴムなどでは、上記の必要条件を同時に満たすことが困難であり、反力不足やセグメント端部破損によって止水不全におちいるという問題を生じている。
一方、先行技術を調査すると、鋼製セグメントの止水装置と称する特開昭47−30134号の発明があり、同発明にはセグメント素体の止水体嵌合溝に継手接触面の歪みを吸収できる程度に一部を突出させて嵌合され、且つ締め付けによる圧縮で止水体嵌合溝外の継手隙間に逃げることなくその圧縮力が相対する圧接面一部に最大圧縮力となって集中するように構成された弾性及び防水性を有する材料から成る止水体が開示されている。上記発明の場合、前記1)の条件を満たすと考えられる。しかし、2)の条件については何ら記載がなく、また、鋼製セグメントでは端部保護の必要もない。
また、特開2002−4793号はトンネルセグメント用ゴムガスケットの発明に関するもので、トンネルを構成するセグメント間の継ぎ目をシールするために、セグメントの端面に固定するためのアンカー部と、圧縮されてシール機能を果たすシール部とが一体化した、等断面の条体を構成し、シール部の当接面全体がほぼ一定の曲率を持った曲面で構成されているゴムガスケットを開示している。上記発明では、前記1)2)の何れの条件も満たさないと判断される。
特開昭47−30134号 特開2002−4793号
本発明は前記の点に鑑みなされたもので、その課題は、セグメント間の目開き量が変化しても、所定の範囲内であればシール効果を保って止水性能を確保でき、止水不全を起こさないようにすることである。また、本発明の他の課題は、組み立てが容易で、組み立て時にパッキングの圧縮量が大きくなっても反力は大きくならず、セグメント継手部端部における破損を防止し得るようにすることである。
前記の課題を解決するため、本発明は、トンネルセグメント類の継手部に装着し、上記継手部における漏水を防止するために用いる弾性パッキングについて、トンネルセグメント類の継手部に固定されるパッキング本体を有し、パッキング本体はトンネルセグメント類を接続する際に加圧されることで変形する弾性材料より成り、かつ、上記加圧によって生じる撓みと反力が一定範囲で平衡し、上記反力の限界を超えたときに座屈するように形成された、複数個の孔から成る横断面構造を有するものとするという手段を講じたものである。
本発明のトンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキングは、特に高耐水圧用の加硫ゴムタイプによる止水技術として好ましいものである。ここで「弾性」という場合、ゴムに顕著に見られる弾力的性質を意味する。また、「座屈」という場合、パッキング本体における横断面構造の座屈(変形)を意味するものとする。よって、変形後もパッキング本体は弾性を維持し、外力が取り去られることで横断面構造もほぼ原形に復する。
パッキング本体はトンネルセグメント類を接続する際に加圧されることで変形する弾性材料より成り、かつ、上記加圧によって生じる撓みと反力が一定範囲で平衡し、上記反力の限界を超えたときに座屈するように形成された、複数個の孔から成る横断面構造を有する。即ち、本発明に係る弾性パッキングは、パッキング本体の変形量が増大しても反力の変化しない領域が広いこと、より具体的には、撓みと反力が平衡する範囲が広いことを特徴とするものである(図4B、C参照)。
複数個の孔から成る上記横断面構造が、トンネルセグメント類の側に配置される内部孔開き部と、パッキング同士が接するシール部側に位置する外部孔開き部とから構成され、内部孔開き部は、ほぼアーチ型に形成された溝状の部分が複数箇所並列し、外部孔開き部は、ほぼレンズ型に形成された孔状の部分が複数箇所並列している構成は、本発明にとって好ましいものである。
複数箇所並列している孔状の部分は、凸レンズ型の部分と凹レンズ型の部分の何れか一方のみから成るか、或いは凸レンズ型と凹レンズ型とを組み合わせたものから成る横断面構造とすることができる。凸レンズ型と凹レンズ型は本発明開発の過程において経験的に見出されたものである。複数箇所並列している孔状の部分は、ほぼ一定の高さのものから成るか、或いは高低差のあるものの組み合わせから成る。
パッキング本体は、加硫ゴムから成るものであることが望ましい。加硫ゴムは半永久的(100年以上)の耐久性を有することが実証されている。この耐久性は、加硫ゴムを圧縮方向に使用するときに妥当することから、本発明においても圧縮方向をより多く利用することに意を用いている。また、パッキング同士が接するシール部側の表層に、軟質ゴムから成るシール手段を設けることも望まれる形態である。軟質ゴムにより圧縮時に表面の凹凸が吸収され、漏水防止に効果がある。
また、以下の1)〜3)の条件、
1)V(パッキング本体の体積)≦V’(パッキング本体配置溝の体積)、
2)水圧<パッキングの圧縮圧力×パッキング係数、
3)パッキング圧縮反力<セグメント継手部破壊荷重を満たすことは、本発明にとって好ましいものである。その理由は前述した事項から明らかである。また、コーナー部に適用するために、横断面構造が一致するようにパッキング本体同士を突き合わせて接合一体化され、かつ、上記横断面構造の複数個の孔の位置が合致してそれぞれ連続性を維持した構造は、本発明とって好ましいものである。

本発明は以上のように、セグメント間の目開き量が変化しても、所定の範囲内であればシール効果を保って止水性能を確保でき、止水不全を起こさないという効果を奏するものである。また、本発明によれば、組み立て時にパッキングの圧縮量が大きくなっても反力は大きくならず、組み立て易く、かつ、セグメント継手部の端部における破損を防止することができる。
本発明に係るトンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキングの横断面構造を示すものでAは例1、Bは例2、Cは例3をそれぞれ示す横断面図である。 同じく横断面構造を示すものでAは例4、Bは例5、Cは例6をそれぞれ示す横断面図である。 同じく弾性パッキングを示すもので、Aはシール手段を設けた例を示す断面図であるが、同時にパッキングのずれである目違いを示している。Bはコーナー部分を形成する例を示す説明図、Cは形成されたコーナー部分を示す正面図である。 本発明に係るトンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキングの効果を確認するもので、Aは漏水試験に用いた装置を示す斜視図、Bはパッキング形状相違による圧縮特性を示すグラフ、Cは孔開き形状相違による圧縮特性を示すグラフである。 同じく例5のパッキングを用いた圧縮特性を示すグラフである。 同じく例6のパッキングを用いた圧縮特性を示すグラフである。 同じく従来のパッキングを用いた圧縮特性を示すグラフである。 同例5のパッキングの圧縮特性と従来のパッキングを用いた圧縮特性を重ねて示すグラフである。 ソリッドタイプのパッキングによる従来の止水例を示すもので、Aは施工完了状態、Bは漏水の生じている状態を示す横断面説明図である。
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係る弾性パッキングを例示したもので、より単純な構造からより複雑な構造へ変化する順に示されている。
図1Aに示す例1のパッキング本体10は一個の円形の中央孔開き部11を有し、これを中心として凸レンズ型の中間孔開き部12、12を左右対称に配置し、さらにその外側に凸レンズ型の外部孔開き部13、13を配置した構成の横断面構造を有し、これらは外部孔開き部15を構成する。14は外部の接触面を示す。
上記中央孔開き部11、中間孔開き部12、12、外部孔開き部13、13はほぼ一定の高さから成るものとして左右方向へ並列して配置されている。その並列を横断する線Xを中心として上下にも対称の構造であり、よって、外部孔開き部15は線Xの付近で最も脆弱であるといえる。
また、例1の弾性パッキング10は、外部孔開き部17として、ほぼアーチ型に形成された溝状の部分16が、外部孔開き部15と同方向に複数箇所並列して設けられている。例1の構成では溝状部分16の数は最も少ない4箇所とされている。18は内部の接触面を示す。
図1Bに示す例2のパッキング本体20は一個の中央孔開き部21を有し、これを中心として凸レンズ型の中間孔開き部22、22を左右対称に配置し、さらにその外側に凹レンズ型の外部孔開き部23、23を配置した構成の横断面構造を有し、これらで外部孔開き部25を構成する。中央孔開き部21はほぼ凸レンズ形を有する。24は外部の接触面を示す。
上記中央孔開き部21、中間孔開き部22、22、外部孔開き部23、23はほぼ一定の高さから成るものとして左右方向へ並列して配置され、その並列を横断する線Xを中心として上下にも対称の構造である。よって、外部孔開き部25は線Xの付近で最も脆弱であるといえるが、凹レンズ型の外部孔開き部23、23を有するので、脆弱性が例1よりも低めである。
例2の弾性パッキング20は、外部孔開き部27として、ほぼアーチ型に形成された溝状の部分26が、外部孔開き部25と同方向に複数箇所並列して設けられている。例1の構成では溝状部分26の数は5箇所とされているが、溝状部分の面積は例1よりも小さく設定されている。その結果、例2のものは例1のものよりも全体として脆弱性が例1よりも低めの設定といえる。28は内部の接触面を示す。
図1Cに示す例3のパッキング本体30は一個の中央孔開き部31を有し、これを中心として凸レンズ型の中間孔開き部32、32を左右対称に配置し、さらにその外側に凸レンズ型の外部孔開き部33、33を配置した構成の横断面構造を有し、これらで外部孔開き部35を構成する。中央孔開き部31はほぼ凸レンズ形でわずかに高さが低く設定されている。34は外部の接触面を示す。
例3の場合、孔開き部31〜33は全て凸レンズ型であり、外部接触面側が細く、かつ、中央方向へ寄っている。この構造により、反力と変位の関係から平衡部分を広く取れる効果が生じる。例3の弾性パッキング30は、外部孔開き部37として、ほぼアーチ型に形成された溝状の部分36が、外部孔開き部35と同方向に複数箇所並列して設けられている。38は内部の接触面を示す。
図2Aに示す例4のパッキング本体40は中央線を対称に二個の凸レンズ型の孔開き部41、41を有し、その左右に凸レンズ型の中間孔開き部42、42を左右対称に配置し、さらにその外側に凸レンズ型の外部孔開き部43、43を配置した構成の横断面構造を有し、これらは外部孔開き部45を構成する。44は外部の接触面を示す。
上記中央孔開き部41、41、中間孔開き部42、42、外部孔開き部43、43はほぼ一定の高さから成るものとして左右方向へ並列して配置されている。その並列を横断する線Xを中心として上下にも対称の構造であり、よって、外部孔開き部45は線Xの付近で最も脆弱であるといえる。
例4の弾性パッキング40の場合、外部孔開き部47は例1と同様であり、ほぼアーチ型に形成された溝状の部分46が、外部孔開き部45と同方向に複数箇所並列して設けられている。48は内部の接触面を示す。
図2Bに示す例5のパッキング本体50は中央線を対称に、やや断面形状の小さい二個の凸レンズ型の孔開き部51、51を有している。その左右に凸レンズ型の中間孔開き部52、52を左右対称に配置し、さらにその外側に凸レンズ型の外部孔開き部53、53を配置した構成の横断面構造を有し、これらは外部孔開き部55を構成する。54は外部の接触面を示す。
上記中央孔開き部51、51を除いて、中間孔開き部52、52、外部孔開き部53、53はほぼ一定の高さから成るものとして左右方向へ並列して配置されている。その並列を横断する線Xを中心として上下にもほぼ対称の構造であり、よって、外部孔開き部55は線Xの付近で最も脆弱であるといえる。
例5の弾性パッキング50の場合も外部孔開き部57は例1と同様であり、ほぼアーチ型に形成された溝状の部分56が、外部孔開き部55と同方向に複数箇所並列して設けられている。58は内部の接触面を示す。
図2Cに示す例6のパッキング本体60は凹レンズ型の中央孔開き部61を一個有し、これを中心としてやや断面形状の小さい凸レンズ型の中間孔開き部62、62を左右対称に配置し、さらにその外側に凹レンズ型の外部孔開き部63、63及び凸レンズ型の外部孔開き部64、64を配置した構成の横断面構造を有し、これらは外部孔開き部65を構成する。68は外部の接触面を示す。
上記中央孔開き部61、外部孔開き部63、63、64、64はほぼ一定の高さから成り、中間孔開き部62、62と共に左右方向へ並列して配置されている。その並列を横断する線Xを中心として上下にも対称の構造であり、よって、外部孔開き部65は線Xの付近で最も脆弱であるといえる。
また、例6の弾性パッキング60は、外部孔開き部67として、ほぼアーチ型に形成された溝状の部分66が、外部孔開き部65と同方向に複数箇所並列して設けられている。例1の構成では溝状部分66の数は最も少ない4箇所とされている。69は内部の接触面を示す。
このように構成された本発明に係る弾性パッキングは、パッキング本体10〜60が加硫ゴムから成ることを特徴とする(図3A参照)。また、図3Aに例5のパッキング本体50によって示した、パッキング本体50同士が接するシール部側の表層(外部接触面)には、軟質ゴムから成るシール手段70が設けられている
図3Bには本発明に係る弾性パッキングをコーナー部に使用する場合における、製造方法が示されている。弾性パッキングP、P(10〜60で示されたもの)は下ダイDの上面に配置し、それらの間に接着手段Eを注入して、所定の角度にて接着する。そのようにして形成された弾性パッキングP、Pでは、コーナー部Kにおいても外部孔開き部15〜65、内部孔開き部17〜67がそれぞれ連続した構造となって一体化されている(図3C)。
次に、このような構成を有する本発明に係る弾性パッキングの性能を確認するために、漏水に関する実験を行なっているので、その内容を説明する。図4Aは漏水試験に用いた装置を示しており、本発明に係る弾性パッキングPは下部のジグ71、72の配置溝に取り付けられ、これらを上部の吊りジグ73と共に閉じ合わせ、バルブ用開口74から注水する方法で試験を行なった。なお、75はエア抜き口を示す。
図4Bにおいてソリッドタイプとあるのは図9に示した従来の弾性パッキングによる実験結果であり、複合孔開きタイプとあるのは本発明に係る弾性パッキング等による結果である。曲線は、水圧の上昇に伴いそれぞれの弾性パッキングに生じる変形量と反力の関係を示すもので、従来例では変形量の増大とともに反力も増大を続けるが、本発明に係る弾性パッキング等によれば変形量が増大しても反力の変化しない領域のあることを把握することができる。
図4Cは本発明に係る弾性パッキングにおいて、上記変形量が増大しても反力の変化しない領域に差のあることを示している。反力の変化しない範囲が広い程目開き量の増大に対して漏水がなく、また、圧縮反力が一定で組み立てをし易い。従って、組立作業をより容易に行なうことができ、また、セグメント端部の破損を防ぐことができる。
図5は本発明に係る弾性パッキングによる実験結果であり、例5の弾性パッキング50を使用した場合のものである。3回の実験中初回は不安定であったが2、3回目は安定し変位量4〜8mmの範囲で反力のほとんど変化しないことが分かる。
図6は同様の実験結果であり、例6の弾性パッキング60が使用されている。やはり、3回の実験中初回は不安定であったが2、3回目は安定し変位量3〜7mmの範囲で反力のほとんど変化しないことが分かる。
図7はトラス構造を有する、従来の弾性パッキングNによる反力−変位曲線を示している。弾性パッキングNの変位曲線を見ると反力変化の少ない領域も認められるが、それは変位量6〜8mmの範囲である。
本発明に係る弾性パッキングによる実験結果と従来の弾性パッキングによる実験結果を比較したのが図8である。既に前述の実験結果から明らかであるように、本発明に係る弾性パッキングによる反力のほとんど変化しない平衡領域は変位量4mm強であり、従来の弾性パッキングによる平衡領域の変位量2mmと比較すると、倍増していることが、図8から理解される。
本発明の作用については、以下のように理解することができる。すなわち、パッキング本体10〜60は弾性材料から成るため、トンネルセグメント類を接続する際に加圧されると、最初に複数個の孔から成る横断面構造の変形が始まり、やがて座屈し、そのあとにパッキング本体10〜60を構成している弾性材料自体が弾性変形する。本発明に係る弾性パッキング10〜60の複数個の孔から成る横断面構造の場合、撓みと反力が一定範囲で平衡し、かつ、平衡する範囲が広いため、比較的早期に横断面構造の変形が開始されながら長く持続し、上記横断面構造の座屈開始からパッキング本体10〜60の弾性変形に至る間の変形量は大きくなり、それに対して反力の変化は僅かであると考えられる。
これを図7に示した従来の弾性パッキングNと比較すると、その横断面構造はトラス構造から成るため反力に良く耐えるが、その間反力は比例的に漸増し続け、座屈したあとでパッキング本体が弾性変形することになる。このため、横断面構造の座屈からパッキング本体の変形に至る間の変形量は小さくなってしまい、撓みと反力が平衡しないのであると考えられる。
10、20、30、40、50、60 パッキング本体
11、21、31、41、51、61 中央孔開き部
12、22、32、42、52、62 中間孔開き部
13、23、33、43、53、63 外側孔開き部
14、24、34、44、54、68 外部接触面
15、25、35、45、55、65 外部孔開き部
16、26、36、46、56、66 溝状部分
17、27、37、47、57、67 内部孔開き部
18、28、38、48、58、69 内部接触面
70 シール手段
D 下ダイ
E 接着手段
K コーナー部
N、P パッキング
R 配置溝
S セグメント
X 線

Claims (6)

  1. トンネルセグメント類の継手部に装着し、上記継手部における漏水を防止するための弾性パッキングであって、
    トンネルセグメント類の継手部に固定されるパッキング本体を有し、パッキング本体はトンネルセグメント類を接続する際に加圧されることで変形する弾性材料より成り、かつ、上記加圧によって生じる撓みと反力が一定範囲で平衡し、上記反力の限界を超えたときに座屈するように形成された複数個の孔から成る横断面構造を有し
    前記複数個の孔から成る横断面構造は、トンネルセグメント類の側に配置される内部孔開き部と、パッキング同士が接するシール部側に位置する外部孔開き部とから構成されており、
    前記内部孔開き部は、ほぼアーチ型に形成された溝状の部分が4箇所並列しており、
    前記アーチ型に形成された4箇所の溝状の部分のうち、互いに隣接するアーチ型に形成された2箇所の複数の溝状の間の部分と、
    前記外部孔開き部は、前記弾性パッキングの中央線を対称に配置した、少なくとも2箇所の中央孔開き部とを有し、前記2箇所の中央孔開き部は、互いに隣接し、その互いに隣接する中央孔開き部の間の部分と、をさらに有し、
    前記2箇所の複数の溝状の間の部分と、前記隣接する中央孔開き部の間の部分とは、前記弾性パッキングの中央線上に配置したトンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキング。
  2. 前記外部孔開き部は、複数箇所並列している孔状の部分を有し、その複数箇所並列している孔状の部分が、凸レンズ型の部分と凹レンズ型の部分の何れか一方のみから成るか、或いは凸レンズ型と凹レンズ型とを組み合わせたものから成る
    請求項1記載のトンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキング。
  3. 前記外部孔開き部は、複数箇所並列している孔状の部分を有し、その複数箇所並列している孔状の部分が、ほぼ一定の高さのものから成るか、或いは高低差のあるものの組み合わせから成る
    請求項1又は2記載のトンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキング。
  4. パッキング本体は加硫ゴムから成り、パッキング同士が接するシール部側の表層に軟質ゴムから成るシール手段が設けられている
    請求項1乃至3の何れか記載のトンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキング。
  5. 以下の1)〜3)の条件、
    1)V(パッキング本体の体積)≦V’(パッキング本体配置溝の体積)、
    2)水圧<パッキングの圧縮圧力×パッキング係数、
    3)パッキング圧縮反力<セグメント継手部破壊荷重
    を満たすことを特徴とする
    請求項1乃至4の何れか記載のトンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキング。
  6. コーナー部に適用するために、横断面構造が一致するようにパッキング本体同士を突き合わせて接合一体化され、かつ、上記横断面構造の複数個の孔の位置が合致してそれぞれ連続性を維持した構造となっている
    請求項1乃至5の何れか記載のトンネルセグメント類の継手部に用いる弾性パッキング。
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