以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、標準試料や被検試料等の試料と各検査項目分析用の試薬とを分注し、試料及び試薬の混合液を測定して標準データや被検データを生成する分析部10を備えている。また、分析部10の各種ユニットを駆動する駆動部40と、駆動部40を制御する分析制御部41とを備えている。
また、自動分析装置100は、分析部10で生成された標準データや被検データから検量データや分析データを生成するデータ処理部60と、データ処理部60で生成された検量データや分析データを出力する出力部70とを備えている。また、検査可能な各検査項目の試料の量(分注量)や試薬の量等の分析パラメータの入力等を行う操作部80と、分析制御部41、データ処理部60及び出力部70を統括して制御するシステム制御部90とを備えている。
図2は、分析部10の構成を示した斜視図である。この分析部10は、標準試料や被検試料等の試料を収容する試料容器11と、この試料容器11を移動可能に保持するサンプルテーブル12とを備えている。また、各検査項目分析用の例えば1試薬系及び2試薬系の第1試薬や2試薬系の第2試薬を収容する試薬容器13と、この試薬容器13を移動可能に保持する2つの試薬ラック14とを備えている。
また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第1試薬を保冷する試薬庫15と、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第2試薬を保冷する試薬庫16とを備えている。また、円周上に配置された複数の反応容器17と、この反応容器17を回転移動可能に保持する反応テーブル18とを備えている。
また、サンプルテーブル12に保持された試料容器11内の試料を吸引して反応容器17内へ吐出する分注を行うサンプル分注プローブ19と、このサンプル分注プローブ19を移動可能に保持するサンプル分注アーム20とを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第1試薬を吸引して、試料が分注された反応容器17内に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ21と、この第1試薬分注プローブ21を移動可能に保持する第1試薬分注アーム22とを備えている。
また、反応容器17に分注された試料及び第1試薬の混合液を撹拌する第1撹拌子23と、第1撹拌子23を移動可能に保持する第1撹拌アーム24とを備えている。また、試薬ラック14に保持された試薬容器13内の第2試薬を吸引して、第1試薬が分注された反応容器17内に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ25と、この第2試薬分注プローブ25を移動可能に保持する第2試薬分注アーム26とを備えている。
また、反応容器17に分注された試料、第1試薬及び第2試薬の混合液を撹拌する第2撹拌子27と、この第2撹拌子27を移動可能に保持する第2撹拌アーム28とを備えている。また、反応容器17内の混合液を光学的に測定する測定部29と、測定部29で測定を終了した反応容器17内を洗浄する洗浄ノズル30とを備えている。そして、測定部29は、反応容器17に光を照射し、反応容器17内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した光を検出する検出信号に基づいて、例えば吸光度や吸光度の変化量で表される標準データや被検データを生成する。
図1に示した駆動部40は、分析部10のサンプルテーブル12を駆動して試料容器11を移動する。また、各試薬ラック14を駆動して試薬容器13を移動する。また、反応テーブル18を駆動して各反応容器17を回転移動する。また、サンプル分注アーム20、第1試薬分注アーム22、第2試薬分注アーム26、第1撹拌アーム24及び第2撹拌アーム28を夫々駆動して、サンプル分注プローブ19、第1試薬分注プローブ21、第2試薬分注プローブ25、第1撹拌子23及び第2撹拌子27を移動する。また、洗浄ノズル30を移動する。
また、駆動部40は、サンプル分注プローブ19に接続されたサンプル分注ポンプを吸引駆動する。この吸引駆動により、サンプル分注ポンプが吸引動作してサンプル分注プローブ19に試料容器11内の試料を吸引させる。また、サンプル分注ポンプを吐出駆動する。この吐出駆動により、サンプル分注ポンプが吐出動作してサンプル分注プローブ19に反応容器17内に試料を吐出させる。
分析制御部41は、駆動部40を制御する。そして、操作部80から入力された各検査項目の分析パラメータに基づいて、1分析サイクルタイムTCを1サイクルとして分析部10の各反応容器17を、サイクル毎に回転移動して移動前とは異なる位置で停止させる。また、サンプル分注プローブ19に試料容器17内の試料を吸引させ、サイクル毎に反応容器17内に吐出させる。
データ処理部60は、分析部10の測定部29で生成された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データを生成する演算部61と、演算部61で生成された標準データや分析データを保存するデータ記憶部62とを備えている。そして、演算部61は、各検査項目の標準データに基づいて検量データを生成する。また、各検査項目の検量データ及び被検データに基づいて、濃度値や活性値で示される分析データを生成する。
出力部70は、データ処理部60の演算部61で生成された検量データや分析データを印刷出力する印刷部71及び表示出力する表示部72を備えている。そして、表示部72は、検査項目毎に試料容器11内の試料を1つの反応容器17に分注可能な最大の量(上限量VM)以下となる量(分注量)等の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面を表示する。また、試料毎にこの試料を識別する氏名やID等の識別情報及び検査対象の検査項目を設定するための検査項目設定画面等を表示する。
操作部80は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、各検査項目の分析パラメータを設定するための入力、各試料の識別情報及び検査項目を設定するための入力等を行う。
システム制御部90は、CPU及び記憶回路を備え、操作部80から入力された各検査項目の分析パラメータ、試料の識別情報及び検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部41、データ処理部60及び出力部70を統括してシステム全体を制御する。
次に、試料の分注に関わるサンプル分注プローブ19、サンプル分注アーム20、サンプルテーブル12に保持された試料容器11及び反応テーブル18に保持された反応容器17の動作について説明する。
図3は、サンプル分注プローブ19、サンプル分注アーム20、サンプルテーブル12に保持された試料容器11及び反応テーブル18に保持された反応容器17の配置を示した平面図である。
サンプルテーブル12と反応テーブル18の間にサンプル分注アーム20が配置されている。また、サンプルテーブル12と反応テーブル18の間にサンプル分注プローブ19の洗浄が行われる洗浄槽31が配置されている。
サンプル分注プローブ19は、洗浄槽31と試料容器位置P10で停止する試料容器11上方の上停止位置の間、この上停止位置と反応容器位置C10で停止する反応容器17上方の上停止位置の間及びこの上停止位置と洗浄槽31の間を、円弧状の軌道を描いて水平方向の矢印R1方向及びこのR1方向とは反対方向の矢印R2方向に移動する。
また、サンプル分注プローブ19は、試料容器位置P10で停止する試料容器11の上停止位置から下降して、試料容器11内の試料の吸引が可能な吸引位置で停止する。そして、吸引位置で試料を吸引してから前記上停止位置まで上昇する。また、反応容器位置C10で停止する反応容器17の上停止位置から下降して、反応容器17内の試料の吐出が可能な吐出位置で停止する。そして、吐出位置で検査項目毎にこの検査項目に設定された分注量の試料を吐出してから前記上停止位置まで上昇する。
分析制御部41は、試料容器位置P10で停止した試料容器11内の試料に、上限量VMよりも少ない微量な量VL以下の分注量が設定された検査項目を含む複数の検査項目が設定されている場合、微量な量VL以下の分注量が設定された検査項目を含む複数の検査項目のうち、微量な量VL以下の分注量が設定された検査項目を含む2つ以上の検査項目に設定される分注量の合計が上限量VM以下となる合計量の前記試料をサンプル分注プローブ19に吸引させる。また、試料容器位置P10で停止した試料容器11内の試料に、微量な量VLを超える分注量が設定された検査項目のみが設定されている場合、微量な量VLを超える分注量の前記試料を吸引させる。
図4は、各検査項目に設定された分注量を示した図である。
自動分析装置100で検査可能な検査項目A、検査項目B、検査項目C、検査項目D、検査項目E等の各検査項目には、サンプル分注プローブ16が1分析サイクルタイムCTで反応容器17に吐出可能な分注量が設定されている。そして、検査項目Aには、例えば1.0μLを上限とする微量な量VLよりも多く、上限量VMよりも少ない分注量Vaが設定されている。また、検査項目Bには、微量な量VL以下の分注量Vbが設定されている。また、検査項目Cには、上限量VMとなる分注量Vcが設定されている。また、検査項目Dには、微量な量VL以下の分注量Vdが設定されている。また、検査項目Eには、微量な量VLよりも多く、上限量VMよりも少ない分注量Veが設定されている。
以下、図1乃至図19を参照して、自動分析装置100における試料の分注の一例を説明する。以下では、各試料P1,P2,P3に設定された各検査項目に基づいて実行される各分注工程及び分注動作のタイミングを説明する。
先ず、試料P1の分注について説明する。
図5は、試料P1に設定された各検査項目並びにこの検査項目に基づいて実行される分注工程及びタイミングチャートを示した図である。この試料P1には、3つの検査項目A,C,Eが設定されている。このように、微量な量VLを超える分注量Va,Vc,Veが設定される検査項目A,C,Eのみで構成されている場合、分析制御部41は、第1及び第2の分注工程51,52並びに第1及び第2のタイミングチャートTC1,TC2に基づいて、例えば検査項目A、検査項目C、検査項目Eの順で試料P1の分注を実行させる。
試料P1の分注における1サイクル目に、第1の分注工程51及び第1のタイミングチャートTC1に基づいて、1番目の検査項目Aに設定された分注量Vaの試料P1を吸引して反応容器17に吐出する分注を実行させる。また、2サイクル目以降の各サイクルに第2の分注工程52及び第2のタイミングチャートTC2に基づいて、試料P1の分注を実行させる。
そして、2サイクル目に2番目の検査項目Cに設定された分注量Vcの試料P1を吸引して、分注量Vcの試料P1を反応容器17内に吐出する分注を実行させる。更に、3サイクル目に検査項目Eに設定された分注量Veの試料P1を吸引して、分注量Veの試料P1を反応容器17に吐出する分注を実行させる。
図6は、第1及び第2の分注工程51,52を示したフローチャートである。
第1の分注工程51は、ステップS1乃至S12により構成される。そして、試料P1の分注の1サイクル目において、サンプル分注プローブ19は、洗浄槽31で洗浄が行われる(ステップS1)。
サンプル分注プローブ19は、サンプル分注アーム20をR2方向へ回動させる駆動部40の駆動により、洗浄槽31から試料容器位置P10で停止する試料容器11の上停止位置の方向に移動する(ステップS2)。
サンプル分注プローブ19は、洗浄槽31からの移動に応じて、図7(a)に示すように、内部に保持する圧力伝達媒体の試料P1への混入を防ぐための所定量の空気を吸引する(ステップS3)。
試料容器位置P10で停止する試料容器11の上停止位置まで移動したサンプル分注プローブ19は、サンプル分注アーム20を下降させる駆動部40の駆動により、試料容器11内の試料P1の吸引が可能な吸引位置まで下降する(ステップS4)。
吸引位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、図7(b)に示すように、圧力伝達媒体の各検査項目用の試料P1への混入を防ぐためのダミー量VDの試料P1を吸引する(ステップS5)。引き続き、検査項目A用として分注量Vaの試料P1を吸引する(ステップS6)。
試料P1を吸引したサンプル分注プローブ19は、サンプル分注アーム20を上昇させる駆動部40の駆動により、吐出位置から試料容器11の上停止位置まで上昇する(ステップS7)。
試料容器11の上停止位置まで上昇したサンプル分注プローブ19は、サンプル分注アーム20をR1方向へ回動させる駆動部40の駆動により、試料容器11の上停止位置から反応容器位置C10で停止する反応容器17の上停止位置まで移動する(ステップS8)。
反応容器17の上停止位置まで移動したサンプル分注プローブ19は、サンプル分注アーム20を下降させる駆動部40の駆動により、反応容器位置C10で停止した反応容器17内の試料P1の吐出が可能な、例えばサンプル分注プローブ19下端が反応容器17内面の底部と接触する吐出位置まで下降する(ステップS9)。
吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、反応容器位置C10の反応容器17内に分注量Vaの試料P1を吐出する(ステップS10)。
試料P1を吐出したサンプル分注プローブ19は、サンプル分注アーム20を上昇させる駆動部40の駆動により、反応容器17の上停止位置まで上昇する(ステップS11)。
反応容器17の上停止位置まで上昇したサンプル分注プローブ19は、サンプル分注アーム20をR2方向へ回動させる駆動部40の駆動により、洗浄槽31まで移動する(ステップS12)。
第2の分注工程52は、第1の分注工程51からステップS1,S3,S5を除いたステップS2,S4及びステップS6乃至ステップS12により構成される。そして、2サイクル目における第2の分注工程52のステップS6では、吸引位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、検査項目C用として分注量Vcの試料P1を吸引する。また、ステップS10では、吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、反応容器位置C10の反応容器17内に分注量Vcの試料P1を吐出する。
3サイクル目における第2の分注工程52のステップS6では、吸引位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、検査項目E用として分注量Veの試料P1を吸引する。また、ステップS10では、吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、反応容器位置C10の反応容器17内に分注量Veの試料P1を吐出する。
図8は、第1のタイミングチャートTC1を示した図である。この第1のタイミングチャートTC1は、1分析サイクルタイムCTの間に反応テーブル18が回転した後に停止する「回転」及び「停止」のタイミングと、第1の分注工程51が実行されるタイミングTS1乃至TS12により構成される。そして、タイミングTS9の立ち上がりからタイミングTS11の立下りまでに対して、時間Td1を割り当てる。
第1の分注工程51では、タイミングTS1でステップS1が実行され、タイミングTS2でステップS2が実行される。また、タイミングTS3でステップS3が実行され、タイミングTS4でステップS4が実行される。また、タイミングTS5でステップS5が実行され、タイミングTS6でステップS6が実行される。また、タイミングTS7でステップS7が実行され、タイミングTS8でステップS8が実行される。また、タイミングTS9でステップS9が実行され、タイミングTS10でステップS10が実行される。また、タイミングTS11でステップS11が実行され、タイミングTS12でステップS12が実行される。
そして、タイミングTS9の立ち上がりからタイミングTS11の立下りまでの時間Td1で、サンプル分注プローブ19は反応容器位置C10で停止した反応容器17の上停止位置から吐出位置まで下降し、吐出位置で分注量Vaの試料P1を吐出してから前記上停止位置まで上昇する。
図9は、第2のタイミングチャートTC2を示した図である。この第2のタイミングチャートTC2が第1のタイミングチャートTC1と異なる点は、タイミングTS1,TS3,TS5を除いた点である。これにより、第2のタイミングチャートTC2は、反応テーブル18が回転した後に停止する「回転」及び「停止」のタイミングと、第2の分注工程52が実行されるタイミングTS2,TS4及びタイミングTS6乃至TS12とにより構成される。そして、タイミングTS9の立ち上がりからタイミングTS11の立下りまでに対して時間Td1を割り当てる。
第2の分注工程52では、タイミングTS2でステップS2が実行され、タイミングTS4でステップS4が実行される。また、タイミングTS6でステップS6が実行され、タイミングTS7でステップS7が実行される。また、タイミングTS8でステップS8が実行され、タイミングTS9でステップS9が実行される。また、タイミングTS10でステップS10が実行され、タイミングTS11でステップS11が実行される。また、タイミングTS12でステップS12が実行される。
そして、タイミングTS9の立ち上がりからタイミングTS11の立下りまでの時間Td1で、サンプル分注プローブ19は反応容器位置C10で停止した反応容器17の上停止位置から吐出位置まで下降し、吐出位置で各分注量Vc,Veの試料P1を吐出してから前記上停止位置まで上昇する。
次に、試料P2の分注について説明する。
図10は、試料P2に設定された各検査項目並びにこの検査項目に基づいて実行される分注工程及びタイミングチャートを示した図である。この試料P2には、2つの検査項目B,Dが設定されている。このように、微量な量VL以下の分注量Vbが設定された検査項目B及び分注量Vdが設定された検査項目Dが含まれ、分注量Vbと分注量Vdの合計が上限量VM以下となる合計量(Vb+Vd)である場合、分析制御部41は、第1及び第2の分注工程51a,52a及び第1及び第2のタイミングチャートTC1a,TC2aに基づいて、試料P2の分注を実行させる。
試料P2の分注における1サイクル目に第1の分注工程51a及び第1のタイミングチャートTC1aに基づいて、2つの検査項目B,D用として合計量(Vb+Vd)の試料P2を吸引して、2つの検査項目B,Dのうちの1つ目の検査項目Bに設定された分注量Vbの試料P2を反応容器17内に吐出する分注を実行させる。また、2サイクル目に第2の分注工程52a及び第2のタイミングチャートTC2aに基づいて、2つの検査項目B,Dのうちの2つ目の検査項目Dに設定された分注量Vdの試料P2を反応容器17内に吐出する分注を実行させる。
図11は、第1及び第2の分注工程51a,52aを示したフローチャートである。この第1の分注工程51aが第1の分注工程51と異なる点は、ステップS6をステップS6aに置き換えた点と、ステップS12を除いた点である。これにより、第1の分注工程51aは、ステップS1乃至S5、ステップS6a及びステップS7乃至S11により構成される。
1サイクル目における第1の分注工程51aのステップS6aでは、吸引位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、図12に示すように、合計量(Vb+Vd)の試料P2を吸引する。また、ステップS10では、吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、2つの検査項目B,Dのうちの1つ目の検査項目Bに設定された分注量Vbの試料P2を、反応容器位置C10に停止する反応容器17内に吐出する。また、ステップS11では、試料P2を吐出したサンプル分注プローブ19は、反応容器位置C10に停止する反応容器17の上停止位置まで上昇する。上停止位置まで上昇した後、2サイクル目に、反応容器位置C10に1サイクル目に停止した反応容器17とは異なる反応容器17が停止するまで前記上停止位置で待機する。
第2の分注工程52aが第2の分注工程52と異なる点は、ステップS2,S4及びステップS6乃至S8を除いた点である。これにより、第2の分注工程52aは、ステップS9乃至S12により構成される。
2サイクル目における第2の分注工程52aのステップS9では、第1の分注工程51aのステップS11において上停止位置で待機したサンプル分注プローブ19は、前記上停止位置から下降する。ステップS10では、吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、2つの検査項目B,Dのうちの2つ目の検査項目Dに設定された分注量Vdの試料P2を、反応容器位置C10で停止する反応容器17内に吐出する。
図13は、第1のタイミングチャートTC1aを示した図である。この第1のタイミングチャートTC1aが第1のタイミングチャートTC1と異なる点は、タイミングTS12を除いた点と、各タイミングTS10,TS11をこのタイミングの立ち上がりから立下りまでの時間を変更することなく後方に移動したタイミングTS10a,TS11aに置き換えた点である。これにより、第1のタイミングチャートTC1aは、反応テーブル18の「回転」及び「停止」、並びに第1の分注工程51aが実行されるタイミングTS1乃至TS9及びタイミングTS10a,TS11aにより構成される。
このように、第1のタイミングチャートTC1のタイミングTS12を除いてタイミングTS10,TS11を後方に移動することにより、タイミングTS9の立ち上がりからタイミングTS11aの立下りまでに対して、第1のタイミングチャートTC1のタイミングTS9の立ち上がりからタイミングTS11の立下りまでに割り当てた時間Td1よりも長い時間Td2を割り当てることができる。
これにより、タイミングTS9の立下りとTS10aの立ち上がりの間隔を、第1のタイミングチャートTC1におけるタイミングTS9の立下りとTS10の立ち上がりの間隔よりも空けることができる。また、タイミングTS10aの立下りとTS11aの立ち上がりの間隔を、第1のタイミングチャートTC1におけるタイミングTS10の立下りとTS11の立ち上がりの間隔よりも空けることができる。
第1の分注工程51aでは、タイミングTS1でステップS1が実行され、タイミングTS2でステップS2が実行される。また、タイミングTS3でステップS3が実行され、タイミングTS4でステップS4が実行される。また、タイミングTS5でステップS5が実行され、タイミングTS6でステップS6aが実行される。また、タイミングTS7でステップS7が実行され、タイミングTS8でステップS8が実行される。また、タイミングTS9でステップS9が実行され、タイミングTS10aでステップS10が実行される。また、タイミングTS11aでステップS11が実行される。
このように、第1の分注工程51a及び第1のタイミングチャートTC1aに従ってサンプル分注プローブ19の分注動作を制御することにより、サンプル分注プローブ19が吐出位置まで下降してから試料P2の吐出を開始するまでの時間を、第1のタイミングチャートTC1に従ってサンプル分注プローブ19が吐出位置まで下降してから試料P1の吐出を開始するまでの時間よりも長くとることができる。
これにより、微量な量VL以下の分注量Vbが設定された検査項目Bの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19の振動が収まるまでの時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
また、第1の分注工程51a及び第1のタイミングチャートTC1aに従ってサンプル分注プローブ19の分注動作を制御することにより、サンプル分注プローブ19が吐出位置で試料P2の吐出動作を終えてから上昇を開始するまでの時間を、第1のタイミングチャートTC1に従ってサンプル分注プローブ19が吐出位置で試料P1の吐出動作を終えてから上昇を開始するまでの時間よりも長くとることができる。
これにより、微量な量VL以下の分注量Vbが設定された検査項目Bの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19が吐出動作に遅れて分注量Vbの試料P2の吐出が終わるまでの時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
なお、時間Td2を利用して、サンプル分注プローブ19が上停止位置から吐出位置まで下降するときの時間を、第1のタイミングチャートTC1に従ってサンプル分注プローブ19が上停止位置から吐出位置まで下降するときの時間よりも長くとり、下降速度を第1のタイミングチャートTC1の場合よりも低速にするように実施してもよい。これにより、微量な量VL以下の分注量Vbが設定された検査項目Bの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19が吐出位置で停止するときの衝撃を軽減するために低速で下降させる時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
また、時間Td2を利用して、サンプル分注プローブ19が吐出位置から上停止位置まで上昇するときの時間を第1のタイミングチャートTC1の場合よりも長くとり、上昇速度を第1のタイミングチャートTC1の場合よりも低速にするように実施してもよい。これにより、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19上停止位置で停止するときの衝撃を軽減するために低速で上昇させる時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
更に、時間Td2を利用して、サンプル分注プローブ19が吐出位置で試料P2を吐出するときの時間を第1のタイミングチャートTC1の場合よりも長くとり、試料P2の吐出速度を第1のタイミングチャートTC1の場合よりも低速にするように実施してもよい。これにより、微量な量VL以下の分注量Vbが設定された検査項目Bの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19が吐出動作に遅れて分注量Vbの試料P2の吐出が終わるのを防ぐことが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
図14は、第2のタイミングチャートTC2aを示した図である。この第2のタイミングチャートTC2aが第2のタイミングチャートTC2と異なる点は、タイミングTS2,TS4及びタイミングTS6乃至TS8を除いた点と、タイミングTS9,TS10を前方に移動したタイミングTS9b,TS10bに置き換えた点である。これにより、第2のタイミングチャートTC2aは、反応テーブル18の「回転」及び「停止」、及び第2の分注工程52aが実行されるタイミングTS9b,TS10b,TS11,TS12により構成される。
このように、第2のタイミングチャートTC2のタイミングTS2,TS4及びタイミングTS6乃至TS8を除いてタイミングTS9,TS10を前方に移動することにより、タイミングTS9bの立ち上がりからタイミングTS11の立下りまでに対して、第2のタイミングチャートTC2のタイミングTS9の立ち上がりからタイミングTS11の立下りまでに割り当てた時間Td1よりも長い時間Td2を割り当てることができる。
これにより、タイミングTS9bの立下りとTS10bの立ち上がりの間隔を、第2のタイミングチャートTC2におけるタイミングTS9の立下りとTS10の立ち上がりの間隔よりも空けることができる。また、タイミングTS10bの立下りとTS11の立ち上がりの間隔を、第2のタイミングチャートTC2におけるタイミングTS10の立下りとTS11の立ち上がりの間隔よりも空けることができる。
第2の分注工程52aでは、タイミングTS9bでステップS9が実行され、タイミングTS10bでステップS10が実行される。また、タイミングTS11でステップS11が実行され、タイミングTS12でステップS12が実行される。
なお、第1の分注工程51aのステップS11において、反応容器位置C10に停止する反応容器17の上停止位置まで上昇したサンプル分注プローブ19を、第2のタイミングチャートTC2aの反応テーブル18が停止するまでの間、前記上停止位置近傍の例えば洗浄槽31で待機させ、反応テーブル18の停止に応じて前記上停止位置まで移動させ、タイミングTS9bで第2の分注工程52aのステップS9を実行させるように実施してもよい。
このように、第2の分注工程52a及び第2のタイミングチャートTC2aに従ってサンプル分注プローブ19の分注動作を制御することにより、サンプル分注プローブ19が吐出位置まで下降してから試料P2の吐出を開始するまでの時間を、第2のタイミングチャートTC2に従ってサンプル分注プローブ19が吐出位置まで下降してから試料P1の吐出を開始するまでの時間よりも長くとることができる。
これにより、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19の振動が収まるまでの時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
また、第2の分注工程52a及び第2のタイミングチャートTC2aに従ってサンプル分注プローブ19の分注動作を制御することにより、サンプル分注プローブ19が吐出位置で試料P2の吐出動作を終えてから上昇を開始するまでの時間を、第2のタイミングチャートTC2に従ってサンプル分注プローブ19が吐出位置で試料P1の吐出動作を終えてから上昇を開始するまでの時間よりも長くとることができる。
これにより、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19が吐出動作に遅れて分注量Vdの試料P2の吐出が終わるまでの時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
なお、時間Td2を利用して、サンプル分注プローブ19が上停止位置から吐出位置まで下降するときの時間を第2のタイミングチャートTC2の場合よりも長くとり、下降速度を第2のタイミングチャートTC2の場合よりも低速にするように実施してもよい。これにより、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19が吐出位置で停止するときの衝撃を軽減するために低速で下降させる時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
また、検査項目Fに微量な量VL以下の分注量Vfが設定され、試料P2に検査項目B,D,Fが設定されている場合、分注量Vb、分注量Vd及び分注量Vfの合計が上限量VM以下となる合計量(Vb+Vd+Vf)であるとき、1サイクル目における第1の分注工程51aのステップS6aにおいて、合計量(Vb+Vd+Vf)の試料P2を吸引させるように実施してもよい。この場合、1サイクル目のステップS10において、3つの検査項目B,D,Fのうちの1つ目の検査項目Bに設定された分注量Vbの試料P2を反応容器位置C10に停止する反応容器17内に吐出させる。また、2サイクル目における第2の分注工程52aのステップS10において、3つの検査項目B,D,Fのうちの2つ目の検査項目Dに設定された分注量Vdの試料P2を反応容器位置C10に停止する反応容器17内に吐出させる。更に、3サイクル目における第2の分注工程52aのステップS10において、3つの検査項目B,D,Fのうちの3つ目の検査項目Fに設定された分注量Vfの試料P2を反応容器位置C10に停止する反応容器17内に吐出させる。これにより、微量な量VL以下の量が設定された各検査項目B,D,Fの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となる時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
更に、時間Td2を利用して、サンプル分注プローブ19が吐出位置で試料P2を吐出するときの時間を第2のタイミングチャートTC2の場合よりも長くとり、試料P2の吐出速度を第2のタイミングチャートTC2の場合よりも低速にするように実施してもよい。これにより、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dの試料P2の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19が吐出動作に遅れて分注量Vdの試料P2の吐出が終わるのを防ぐことが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
次に、試料P3の分注について説明する。
図15は、試料P3に設定された各検査項目並びにこの検査項目に基づいて実行される分注工程及びタイミングチャートを示した図である。この試料P3には、検査項目A、B,C,D,Eが設定され、検査項目A、検査項目B、検査項目C、検査項目D、検査項目Eの順に試料P3の分注を行う。そして、微量な量VL以下の分注量Vbが設定された検査項目Bを含む1番目と2番目の検査項目A,Bに、上限量VM以下の合計量(Va+Vb)となる分注量Vaと分注量Vbが設定されている。また、3番目の検査項目Cには上限量VMとなる分注量Vcが設定されている。また、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dを含む4番目と5番目の検査項目D,Eに、上限量VM以下の合計量(Vd+Ve)となる分注量Vdと分注量Veが設定されている。
この場合、分析制御部41は、1サイクル目に第1の分注工程51a及び第1のタイミングチャートTC1aに基づいて、試料P3の分注を実行させる。また、2サイクル目に第2の分注工程52a及び第2のタイミングチャートTC2aに基づいて、試料P3の分注を実行させる。また、3サイクル目に第2の分注工程52及び第2のタイミングチャートTC2に基づいて、試料P3の分注を実行させる。また、4サイクル目に第3の分注工程53及び第3のタイミングチャートTC3に基づいて、試料P3の分注を実行させる。また、5サイクル目に第2の分注工程52a及び第2のタイミングチャートTC2aに基づいて、試料P3の分注を実行させる。
試料P3の分注における1サイクル目の第1の分注工程51aにおけるステップS6aでは、吸引位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、図16に示すように、合計量(Va+Vb)の試料P3を吸引する。また、ステップS10では、吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、2つの検査項目A,Bのうちの1つ目の検査項目Aに設定された分注量Vaの試料P3を反応容器位置C10に停止する反応容器17内に吐出する。
2サイクル目の第2の分注工程52aにおけるステップS9では、1サイクル目の第1の分注工程51aにおけるステップS11で反応容器位置C10の上停止位置で待機していたサンプル分注プローブ19は、反応容器位置C10で停止する反応容器17内の吐出位置まで下降する。また、ステップS10では、吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、2つの検査項目A,Bのうちの2つ目の検査項目Bに設定された分注量Vbの試料P3を反応容器17内に吐出する。
3サイクル目の第2の分注工程52におけるステップS6では、吸引位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、検査項目C用の分注量Vcの試料P3を吸引する。また、ステップS10では、吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、反応容器位置C10の反応容器17内に分注量Vcの試料P3を吐出する。
4サイクル目の第3の分注工程53では、サンプル分注プローブ19は、検査項目D,E用として合計量(Vd+Ve)の試料P3を吸引して、2つの検査項目D,Eのうちの1つ目の検査項目Dに設定された分注量Vdの試料P3を反応容器17内に吐出する。
5サイクル目の第2の分注工程52aでは、サンプル分注プローブ19は、2つの検査項目D,Eのうちの2つ目の検査項目Eに設定された分注量Veの試料P3を反応容器17内に吐出する。
図17は、第3の分注工程53を示したフローチャートである。この第3の分注工程53は、第1の分注工程51aからステップS1,S3,S5を除いたステップS2,S4,S6a、及びステップS7乃至S11により構成される。
4サイクル目の第3の分注工程53におけるステップS6aでは、吸引位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、図18に示すように、合計量(Vd+Ve)の試料P3を吸引する。また、ステップS10では、吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、2つの検査項目D,Eのうちの1つ目の検査項目Dに設定された分注量Vdの試料P3を反応容器位置C10に停止する反応容器17内に吐出する。また、ステップS11では、試料P3を吐出したサンプル分注プローブ19は、反応容器位置C10で停止する反応容器17の上停止位置まで上昇する。
5サイクル目の第2の分注工程52aにおけるステップS9では、上停止位置で待機していたサンプル分注プローブ19は、反応容器位置C10で停止する反応容器17内の吐出位置まで下降する。また、ステップS10では、吐出位置まで下降したサンプル分注プローブ19は、2つの検査項目A,Bのうちの2つ目の検査項目Bに設定された分注量Vbの試料P3を反応容器17内に吐出する。
図19は、第3のタイミングチャートTC3を示した図である。この第3のタイミングチャートTC3が第1のタイミングチャートTC1aと異なる点は、タイミングTS1,TS3,TS5を除いた点である。これにより、第3のタイミングチャートTC3は、反応テーブル18の「回転」及び「停止」、第3の分注工程53が実行されるタイミングTS2,TS4,タイミングTS6乃至TS9、並びにタイミングTS10a,TS11aにより構成される。
第3の分注工程53では、タイミングTS2でステップS2が実行され、タイミングTS4でステップS4が実行される。また、タイミングTS6でステップS6aが実行され、タイミングTS7でステップS7が実行される。また、タイミングTS8でステップS8が実行され、タイミングTS9でステップS9が実行される。また、タイミングTS10aでステップS10が実行され、タイミングTS11aでステップS11が実行される。
このように、第3の分注工程53及び第3のタイミングチャートTC3に従ってサンプル分注プローブ19の分注動作を制御することにより、サンプル分注プローブ19が吐出位置まで下降してから試料P3の吐出を開始するまでの時間を、第1のタイミングチャートTC1の場合よりも長くとることができる。
これにより、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dの試料P3の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19の振動が収まるまでの時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
また、第3の分注工程53及び第3のタイミングチャートTC3に従ってサンプル分注プローブ19の分注動作を制御することにより、サンプル分注プローブ19が吐出位置で試料P3の吐出動作を終えてから上昇を開始するまでの時間を、第1のタイミングチャートTC1の場合よりも長くとることができる。
これにより、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dの試料P3の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19が吐出動作に遅れて分注量Vdの試料P3の吐出が終わるまでの時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
なお、時間Td2を利用して、サンプル分注プローブ19が上停止位置から吐出位置まで下降するときの時間を第1のタイミングチャートTC1の場合よりも長くとり、下降速度を第1のタイミングチャートTC1の場合よりも低速にするように実施してもよい。これにより、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dの試料P3の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19が吐出位置で停止するときの衝撃を軽減するために低速で下降させる時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
また、時間Td2を利用して、サンプル分注プローブ19が吐出位置で試料P2を吐出するときの時間を第1のタイミングチャートTC1の場合よりも長くとり、試料P2の吐出速度を第1のタイミングチャートTC1の場合よりも低速にするように実施してもよい。これにより、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dの試料P3の分注において、分注精度の低下の要因となるサンプル分注プローブ19が吐出動作に遅れて分注量Vdの試料P3の吐出が終わるのを防ぐことが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
以上述べた実施形態によれば、微量な量VL以下の分注量Vbが設定された検査項目B及び分注量Vdが設定された検査項目Dが試料P2に設定され、2つの検査項目B,Dに設定された分注量Vbと分注量Vdの合計が上限量VM以下となる合計量(Vb+Vd)である場合、第1及び第2の分注工程51a,52a並びに第1及び第2のタイミングチャートTC1a,TC2aに基づいて、各検査項目B,Dの試料P2の分注を実行させることができる。
また、微量な量VL以下の分注量Vbが設定された検査項目Bを含む2つの検査項目A,Bが試料P3に設定され、2つの検査項目A,Bに設定された分注量Vaと分注量Vbの合計が上限量VM以下の合計量(Va+Vb)である場合、第1及び第2の分注工程51a,52a並びに第1及び第2のタイミングチャートTC1a,TC2aに基づいて、検査項目Bの試料P3の分注をサンプル分注プローブ19に実行させることができる。
また、微量な量VL以下の分注量Vdが設定された検査項目Dを含む2つの検査項目D,Eが試料P3に設定され、2つの検査項目D,Eに設定された分注量Vdと分注量Veの合計が上限量VM以下の合計量(Vd+Ve)である場合、第3の分注工程53及び第3のタイミングチャートTC3に基づいて、検査項目Dの試料P3の分注を実行させることができる。
以上により、微量な量の試料の分注において、分注精度の低下の要因となる時間を確保することが可能となり、処理速度を低下させることなく精度よく分注することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。