JP6448043B1 - 電解イオン水生成方法及び電解イオン水生成装置 - Google Patents

電解イオン水生成方法及び電解イオン水生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電解液タンク内での炭酸カリウムの沈殿を解消し、炭酸カリウムの沈殿に起因する不都合を防止する。【解決手段】 本発明の電解イオン水生成方法では、電解液タンク内の電解液を撹拌したのち、当該撹拌後の電解液を電気分解し、その電気分解によって生じる陽イオンを原水に還元させて電解イオン水を生成するようにした。本発明の電解イオン水生成装置では、電解液タンク内の電解液を撹拌する撹拌手段を設けて、電解液タンク内の電解液を撹拌できるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、電解イオン水(アルカリイオン水やアルカリ性電解水とも称される)の生成方法及び生成装置に関する。
従来、電解イオン水生成装置として、原水が貯留される生成タンクと、電解液が貯留される電解液タンクと、イオン交換が行われる電解槽と、電解槽の電極間に電圧を印加する直流電源を備えたものが知られている(特許文献1及び2)。前記電解槽は、イオン交換膜と当該イオン交換膜で仕切られた陰極室及び陽極室を備えている。陰極室には陰極側ターミナルを備えた陰極板が設けられ、陽極室には陽極側ターミナルを備えた陽極板が設けられている。陰極側ターミナルには直流電源のマイナス側が、陽極側ターミナルには直流電源のプラス側が接続され、両電極間に直流電圧を印加できるように構成されている。
前記電解イオン水生成装置では、直流電源によって両ターミナル間に直流電圧を印加すると電気分解が起こり、その電気分解によって陽極室内に生じる陽イオンがイオン交換膜を透過して陰極室内の原水に還元し、電解イオン水が生成される。
特開2012−40489号公報 国際公開第2016/016954号
電解イオン水の生成に使用される電解液にはイオン性物質として炭酸カリウムが含まれている。炭酸カリウムは溶媒である水よりも比重が重いため、電解液タンクの底側に沈殿しやすい。炭酸カリウムが電解液タンクの底側に沈殿すると、電解液の濃度がばらつき、所望pH値の電解イオン水を安定的に生成できなくなるという不都合が生じる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、電解液タンク内での炭酸カリウムの沈殿を解消し、炭酸カリウムの沈殿に起因する前記不都合を防止することのできる電解イオン水生成方法及び電解イオン水生成装置を提供することにある。
[電解イオン水生成方法]
本発明の電解イオン水生成方法は、イオン交換膜と、当該イオン交換膜で仕切られた陰極室及び陽極室と、当該陰極室に鉛直向きに設けられた陰極板と、当該陽極室に鉛直向きに設けられた陽極板を備えた電解槽の両極板間に電圧を印加し、電気分解によって前記陽極室に生じる陽イオンを前記陰極室内の原水に還元させることによって電解イオン水を生成する方法であって、電解液タンク内の電解液を撹拌し、撹拌後の電解液を電気分解し、電気分解によって陽極室に生じた陽イオンを前記陰極室内の原水に還元させることによって電解イオン水を生成する方法である。
[電解イオン水生成装置]
本発明の電解イオン水生成装置は、原水を貯留可能な生成タンクと、電解液を貯留可能な電解液タンクと、イオン交換膜で仕切られた陰極室及び陽極室を有する電解槽と、前記陰極室に設けられた陰極板及び前記陽極室に設けられた陽極板の両極板間に電圧を印加する直流電源を備え、前記直流電源で前記両極板間に電圧を印加し、電気分解によって前記陽極室に生じる陽イオンを前記陰極室内の原水に還元させることによって電解イオン水を生成する装置であって、電解液タンク内の電解液を撹拌する撹拌手段が設けられたものである。
[電解イオン水生成方法]
本発明の電解イオン水生成方法は、電解液タンク内の電解液を撹拌するため、電解液タンク内での炭酸カリウムの沈殿が解消され、炭酸カリウムの沈殿に起因する不都合を防止することができる。
[電解イオン水生成装置]
本発明の電解イオン水生成装置は、電解液タンク内の電解液を撹拌する撹拌手段を備えており、その撹拌手段で電解液タンク内の電解液を撹拌することができるので、電解液タンク内での炭酸カリウムの沈殿が解消され、炭酸カリウムの沈殿に起因する不都合を防止することができる。
本発明の電解イオン水生成方法及び電解イオン水生成装置の第一の実施形態の説明図。 本発明の電解イオン水生成方法及び電解イオン水生成装置の第二の実施形態の説明図。 本発明の電解イオン水生成方法及び電解イオン水生成装置の第三の実施形態の説明図。 本発明の電解イオン水生成方法及び電解イオン水生成装置の第四の実施形態の説明図。 (a)本発明の電解イオン水生成装置の製品化の一例を示す説明図、(b)は(a)の受け容器と電解液タンク内の電解液の水面の位置関係の説明図。
(電解イオン水生成装置の実施形態1)
本発明の電解イオン水生成装置の第一の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態の電解イオン水生成装置は、いわゆる流動式の生成装置である。図1において、1は原水供給源Aから供給される原水を貯留する生成タンク、2は溶媒にイオン性物質が溶け込んだ電解液(電解質水溶液)を貯留するための電解液タンク、3は電解液タンク2内の電解液を撹拌する撹拌手段、4は電気分解によって電解イオン水を生成する電解槽、5は原水が通過する陰極室、6は電解液が通過する陽極室、7は電気分解によって陽極室6内に生じる陽イオンを陰極室5側に通過させるイオン交換膜、8は直流電源である。本願において「撹拌」とは、その手段を問わず、電解液中の炭酸カリウムを電解液(溶媒)中に分散させて、電解液の濃度のばらつきを解消することを意味する。
一例として図1に示す生成タンク1は有底の円筒状容器である。生成タンク1の周壁には、原水供給源Aから供給される原水を生成タンク1内に取り込む原水供給口1aが設けられている。原水供給口1aには一端側が原水供給源Aに接続された原水供給路R1の他端側が接続され、原水供給源Aから供給される原水が原水供給路R1を通って生成タンク1内に取り込まれるようにしてある。原水には、純水や水道水、地下水等を用いることができる。
生成タンク1の底面には生成タンク1内の原水を外部に排出する排出口1bが設けられている。排出口1bには一端側が陰極室5の入口5aに接続された原水流路R2の他端側が接続されている。原水流路R2には原水循環ポンプP1が接続され、当該原水循環ポンプP1の動力によって、生成タンク1内の原水が陰極室5に供給されるようにしてある。
生成タンク1の周壁には、陰極室5を通過して生成された電解イオン水を生成タンク1内に取り込むための取込み口1cが設けられている。取込み口1cには陰極室5の出口5bに接続された帰還流路R3が接続されている。陰極室5を通過して生成された電解イオン水は、帰還流路R3を通って生成タンク1内に取り込まれるようにしてある。この実施形態では、原水流路R2、原水循環ポンプP1及び帰還流路R3によって、原水循環手段が構成されている。
生成タンク1内には、原水量を制御する原水量制御手段9が設けられている。この実施形態では、原水量制御手段9として、上下方向に間隔をあけて設けられた二つのフロートスイッチ(下段のフロートスイッチ9a及び上段のフロートスイッチ9b)を用いている。両フロートスイッチ9a、9bの水位は、所望のpH値の電解イオン水を生成するのに必要な原水量に合わせて適宜設定することができる。一例として、この実施形態では、下段のフロートスイッチ9aを、pH13.1の電解イオン水の生成に必要な原水量の水位に設定してあり、上段のフロートスイッチ9bを、pH12.5の電解イオン水の生成に必要な原水量の水位に設定してある。
この実施形態では、pH12.5の電解イオン水を生成する場合には、上段のフロートスイッチ9bだけが動作し、下段のフロートスイッチ9aは動作しないようにしてある。生成タンク1内の原水が上段のフロートスイッチ9bに到達すると、生成タンク1への原水の供給が自動的に停止するようにしてある。他方、pH13.1の電解イオン水を生成する場合には、下段のフロートスイッチ9aが動作するようにしてある。生成タンク1内の原水が下段のフロートスイッチ9aに到達すると、生成タンク1への原水の供給が自動的に停止するようにしてある。
一例として図1に示す電解液タンク2は、生成タンク1よりも小径の有底の円筒状容器であり、生成タンク1の内側であって生成タンク1の同心円状に配置されている。電解液タンク2の底面には、電解液タンク2内の電解室水溶液を外部に排出する電解液排出口2aが設けられている。電解液排出口2aには前記電解槽4の陽極室6の入口6aに接続された電解液流路Q1が接続されている。電解液流路Q1には電解液循環ポンプP2が接続され、電解液タンク2内の電解液が当該電解液循環ポンプP2の動力によって電解槽4の陽極室6に供給されるようにしてある。
電解液タンク2の周壁には、陽極室6を通過した電解液を電解液タンク2に帰還させるための電解液帰還口2bが設けられている。電解液帰還口2bには一端側が陽極室6の出口6bに接続された電解液帰還流路Q2の他端側が接続されている。陽極室6を通過した電解液は、電解液帰還流路Q2を通って電解液タンク2内に帰還するようにしてある。この実施形態では、電解液流路Q1、電解液循環ポンプP2及び電解液帰還流路Q2によって、電解液循環手段が構成されている。
一例として図1に示す撹拌手段3は、エアポンプ3aとエア供給パイプ3bを備えている。エア供給パイプ3bは、一端側がエアポンプ3aに接続され、他端側が電解液タンク2内に導入されている。エア供給パイプ3bの先端側(出口側)は、電解液タンク2の底面近くに位置するようにしてある。エア供給パイプ3bの先端側(出口側)を電解液タンク2の底面近くに位置するようにすることで、上昇するエアによって電解液を撹拌しやすくなり、炭酸カリウムの沈殿を防止しやすくなる。
一例として図1に示す電解槽4はイオン交換膜7によって区画された陰極室5と陽極室6を備えている。イオン交換膜7は原水及び電解液は通さず、陽イオンのみを通す性質を有する交換膜(陽イオン交換膜)である。イオン交換膜7には、旭硝子株式会社製の「セレミオン」(登録商標)や、デュポン株式会社製の交換膜等の既存のもののほか、新規のものを用いることもできる。イオン交換膜7の両外側には、絶縁性材料からなるメッシュ状のスペーサ10が配置され、その外側に陰極板5xと陽極板6xが設けられている。スペーサ10には、例えば、ナイロン製の5mm角のネット等を用いることができる。
前記陰極板5xには陰極ターミナル5yが、陽極板6xには陽極ターミナル6yが設けられている。陰極ターミナル5yには直流電源8のマイナス側が、陽極ターミナル6yには直流電源8のプラス側が接続され、直流電源8から直流電圧を印加できるようにしてある。
この実施形態の電解槽4は、その一部を構成する陰極板5x及び陽極板6xの表面に空気だまりが発生しないよう、空気が抜けやすい向き、言い換えれば、気泡が浮上する向き(鉛直向き)に設置してある。電解槽4をこのような向きに設置すると、電気分解に際して発生する水素や二酸化炭素が上方に浮上し、陰極板5xや陽極板6xの表面に空気層が形成されることがない。その結果、陰極板5xや陽極板6xの表面に空気層が形成されることによって生じる弊害、具体的には、電気が流れずに電気分解が阻害されるという弊害が生じない。一方で、陰極板5xや陽極板6xを鉛直向き(縦向き)とした場合、炭酸カリウムが陽極板6xの下方側に沈殿し、炭酸カリウムの沈殿部分よりも上方側では電気分解が効率的に行われないという不都合が生じやすくなるが、本願では、電解液タンク2内の電解液を撹拌手段3で撹拌することで、このような不都合が生じないようにしてある。
この実施形態の電解イオン水生成装置では、生成タンク1内の原水は、原水流路R2−陰極室5−帰還流路R3−生成タンク1の経路を循環し、電解液タンク2内の電解液は、電解液流路Q1−陽極室6−電解液帰還流路Q2−電解液タンク2の経路を循環する。原水及び電解液の循環時に、両電極板(陰極板5x及び陽極板6x)間に直流電圧が印加されると電解液が電気分解され、その電気分解によって電解液タンク2内に生じる陽イオンがイオン交換膜7を透過して生成タンク1内の原水に還元して電解イオン水が生成される。この実施形態の電解イオン水生成装置内では、電解液タンク2内の電解液が撹拌手段3で撹拌され、濃度のばらつきが解消された電解液が循環するため、電極板(陰極板5x及び陽極板6x)の全面で電気分解が行われ、効率的かつ安定的に電解イオン水を生成することができる。
(電解イオン水生成装置の実施形態2)
本発明の電解イオン水生成装置の第二の実施形態を、図面を参照して説明する。実施形態1と同様、この実施形態の電解イオン水生成装置も流動式の生成装置である。この実施形態の基本的な構成は、前記実施形態1と同様である。異なるのは、生成タンク1と電解液タンク2を別々に設けたこと及び生成タンク1に供給する原水量制御手段9を原水供給源Aと生成タンク1の間に設けたことである。以下では、実施形態1と共通する事項については適宜説明を省略し、それ以外の事項を中心に説明する。
この実施形態の生成タンク1は、原水を外部に排出する排出口1b及び電解イオン水を生成タンク1内に取り込むための取込み口1cに加えて、生成された所望pHの電解イオン水を外部に取り出す取出し口1dが設けられている。取出し口1dには、所望pHの電解イオン水を外部に送り出す取出し流路R4が接続されている。この実施形態では、生成タンク1内に仕切り板11が設けられている。仕切り板11の下端は生成タンク1の底面に到達しないようにしてある。
この実施形態の原水量制御手段9は、原水供給源Aに接続された第一主流路9vと、第一主流路9vに接続された第一分岐路9w及び第二分岐路9xと、第一分岐路9wに設けられた第一電磁バルブ9y及び第二電磁バルブ9zに設けられた第二電磁バルブ9zと、第一分岐路9w及び第二分岐路9xが合流する原水供給路R1を備えている。第一分岐路9wと第二分岐路9xの時間当たりの供給量は異なる量に設定してある。一例として、第一分岐路9wは時間当たり5L(pH13.1の電解イオン水を生成するのに必要な量)の原水を供給でき、第二分岐路9xは時間当たり20L(pH12.5の電解イオン水を生成するのに必要な量)の原水を供給できるようにしてある。第一分岐路9wは第一電磁バルブ9yによって、第二分岐路9xは第二電磁バルブ9zによって電気的に開閉されるようにしてある。
(電解イオン水生成装置の実施形態3)
本発明の電解イオン水生成装置の第三の実施形態を、図面を参照して説明する。実施形態1及び2と同様、この実施形態の電解イオン水生成装置も流動式の生成装置である。この実施形態の基本的な構成は、前記実施形態2と同様である。異なるのは、電解槽4が電解液タンク2の下側の開口部に連結されてユニット化されていることである。以下では、実施形態1及び2と共通する事項については適宜説明を省略し、それ以外の事項を中心に説明する。
この実施形態の電解液タンク2は上下に開口を備えた円筒状容器である。電解液タンク2の下方側の開口側には電解槽4が接続されてユニット化されている。電解液タンク2内の電解液は陽極室6に流入するようにしてある。この実施形態の電解液タンク2には、実施形態1及び2における電解液循環手段は設けられていない。
(電解イオン水生成装置の実施形態4)
本発明の電解イオン水生成装置の第四の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態の電解イオン水生成装置は、いわゆる貯留式の生成装置である。この実施形態の基本的な構成は、前記実施形態3と同様である。異なるのは、ユニット化された電解液タンク2及び電解槽4が生成タンク1内に設けられていることである。以下では、実施形態3と共通する事項については適宜説明を省略し、それ以外の事項を中心に説明する。
この実施形態では、ユニット化された電解液タンク2及び電解槽4が生成タンク1内に配置されている。電解液タンク2及び電解槽4は、当該電解槽4の全体が生成タンク1の原水に浸るようにしてある。このとき、電解液タンク2の上方側は生成タンク1の原水の液面よりも上側に出るようにしてある。電解液タンク2内の電解液は、その液面が生成タンク1内の原水の液面よりも高い位置になるようにしてある。
この実施形態の電解イオン水生成装置は貯留式であり、実施形態1及び2における原水循環手段や電解液循環手段は設けられていない。
(電解イオン水生成装置のその他の実施形態)
前記実施形態1から4では、撹拌手段3としてエアポンプ3a及びエア供給パイプ3bを用いる場合を一例としているが、撹拌手段3には、エアによって電解液を撹拌するもののほか、撹拌羽根の回転力によって電解液を撹拌するものやポンプでの吸排力によって電解液を撹拌するものなど、エアポンプ3a及びエア供給パイプ3b以外の各種のものを用いることができる。
前記実施形態1から4では、説明を省略しているが、原水供給路R1の上流側には、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどを除去する濾過装置を設けることができる。濾過装置には、例えば、5μmメッシュのフィルタ、活性炭フィルタ(ACフィルタ)、逆浸透膜(RO膜)フィルタ(ROフィルタ)等を用いることができる。
前記いずれの実施形態で説明した電解イオン水生成装置の構成は、他の実施形態の電解イオン水生成装置の構成として、適宜採用することができる。
(電解イオン水生成装置の製品化例)
前記各実施形態の電解イオン水生成装置は、例えば、図5(a)(b)に示すような形で製品化することができる。図5(a)(b)において、12はケーシング、13は炭酸カリウムを投入するための投入口、14は投入された炭酸カリウムを受ける受け容器、15は投入口を開閉する開閉蓋、16は生成された電解イオン水を取り出す取り出し路、17は操作部である。図示は省略しているが、前記各実施形態で説明した生成タンク1や電解液タンク2、撹拌手段3、電解槽4等は、ケーシング12に内蔵されている。
図5(a)(b)に示す例において、投入口13には椀状の受け容器14が設けられている。受け容器14は炭酸カリウムを入れる椀状部14aと椀状部14aの上縁に設けれたリング状の係止部14bを備えている。椀状部14aは網目部材で構成されている。図5(a)(b)に示す例では、椀状部14aの底部が電解液タンク2内に貯留された電解液に常時浸るようにしてある。このようにすることで、椀状部14aに投入された炭酸カリウムが徐々に電解液中に溶けだし、沈殿しにくくなるというメリットがある。図5(a)(b)に示す製品化例は一例であり、これ以外の構成で製品化することもできる。
(電解イオン水生成方法の実施形態1)
本発明の電解イオン水生成方法の第一の実施形態を、前記電解イオン水生成装置の実施形態1の電解イオン水生成装置を用いる場合を一例として説明する。この実施形態では、生成タンク1に貯留された原水を、原水流路R2−陰極室5−帰還流路R3−生成タンク1の経路で循環させ、電解液タンク2内の電解液を、電解液流路Q1−陽極室6−電解液帰還流路Q2−電解液タンク2の経路で循環させる。直流電源8から陰極板5xと陽極板6xに電圧を印加して電解液を電気分解し、電気分解によって生じた陽イオンを、陰極室5を通過する原水に還元させることにより当該原水を電解イオン水にする。原水の循環、電解液の循環及び電気分解は、生成タンク1内の原水が所定pH値になるまで繰り返し行う。生成された電解イオン水は、取出し流路R4から生成タンク1外に排出することができる。この実施形態では、撹拌手段3によって、電解液タンク2内の電解液が撹拌されている(電解液の濃度のばらつきが解消されている)ため、電解イオン水を効率的に生成することができる。電解液の撹拌は、電解イオン水生成中は継続して行うことが望ましく、少なくとも、電解イオン水の生成前と生成中のいずれかにおいて行うことが望ましい。
(電解イオン水生成方法の実施形態2)
本発明の電解イオン水生成方法の第二の実施形態を、前記電解イオン水生成装置の実施形態2の電解イオン水生成装置を用いる場合を一例として説明する。前記実施形態1の電解イオン水生成装置を用いる場合と同様、この実施形態でも、生成タンク1に貯留された原水を、原水流路R2−陰極室5−帰還流路R3−生成タンク1の経路で循環させ、電解液タンク2内の電解液を、電解液流路Q1−陽極室6−電解液帰還流路Q2−電解液タンク2の経路で循環させる。直流電源8から陰極板5xと陽極板6xに電圧を印加して電解液を電気分解し、電気分解によって生じた陽イオンを、陰極室5を通過する原水に還元させることにより当該原水を電解イオン水にする。原水の循環、電解液の循環及び電気分解は、生成タンク1内の原水が所定pH値になるまで繰り返し行う。生成された電解イオン水は、取出し流路R4から生成タンク1外に排出することができる。この実施形態でも、撹拌手段3によって、電解液タンク2内の電解液が撹拌されている(電解液の濃度のばらつきが解消されている)ため、電解イオン水を効率的に生成することができる。前記実施形態1と同様、電解液の撹拌は、電解イオン水生成中は継続して行うことが望ましく、少なくとも、電解イオン水の生成前と生成中のいずれかにおいて行うことが望ましい。
(電解イオン水生成方法の実施形態3)
本発明の電解イオン水生成方法の第三の実施形態を、前記電解イオン水生成装置の実施形態3の電解イオン水生成装置を用いる場合を一例として説明する。この実施形態では、生成タンク1に貯留された原水を、原水流路R2−陰極室5−帰還流路R3−生成タンク1の経路で循環させ、電解液タンク2内の電解液を陽極室6内に流入させる。(この実施形態では、電解液タンク2と電解槽4はユニット化されているため、電解液タンク2内の電解液は常時陽極室6内に流入した状態である。)直流電源8から陰極板5xと陽極板6xに電圧を印加して電解液を電気分解し、電気分解によって生じた陽イオンを、陰極室5を通過する原水に還元させることにより当該原水を電解イオン水にする。原水の循環、電解液の循環及び電気分解は、生成タンク1内の原水が所定pH値になるまで繰り返し行う。生成された電解イオン水は、取出し流路R4から生成タンク1外に排出することができる。この実施形態でも、撹拌手段3によって、電解液タンク2内の電解液が撹拌されている(電解液の濃度のばらつきが解消されている)ため、電解イオン水を効率的に生成することができる。他の実施形態と同様、電解液の撹拌は、電解イオン水生成中は継続して行うことが望ましく、少なくとも、電解イオン水の生成前と生成中のいずれかにおいて行うことが望ましい。
(電解イオン水生成方法の実施形態4)
本発明の電解イオン水生成方法の第四の実施形態を、前記電解イオン水生成装置の実施形態4の電解イオン水生成装置を用いる場合を一例として説明する。この実施形態では、生成タンク1に貯留された原水を陰極室5内に流入させ、電解液タンク2内の電解液を陽極室6内に流入させる。(この実施形態では、ユニット化された電解液タンク2と電解槽4が生成タンク1の原水内に配置されているため、生成タンク1内の原水は常時陰極室5内に流入した状態である。また、電解液タンク2と電解槽4はユニット化されているため、電解液タンク2内の電解液は常時陽極室6内に流入した状態である。)直流電源8から陰極板5xと陽極板6xに電圧を印加して電解液を電気分解し、電気分解によって生じた陽イオンを、陰極室5を通過する原水に還元させることにより当該原水を電解イオン水にする。原水の循環、電解液の循環及び電気分解は、生成タンク1内の原水が所定pH値になるまで繰り返し行う。生成された電解イオン水は、取出し流路R4から生成タンク1外に排出することができる。この実施形態でも、撹拌手段3によって、電解液タンク2内の電解液が撹拌されている(電解液の濃度のばらつきが解消されている)ため、電解イオン水を効率的に生成することができる。他の実施形態と同様、電解液の撹拌は、電解イオン水生成中は継続して行うことが望ましく、少なくとも、電解イオン水の生成前と生成中のいずれかにおいて行うことが望ましい。
(電解イオン水生成方法のその他の実施形態)
前記実施形態1から4では説明を省略しているが、本発明の電解イオン水生成方法では、原水量を調整することによって、生成する電解イオン水のpH値を調整することができる。例えば、pH12.5を基準pH値とし、この基準pH値の電解イオン水の生成に必要な原水量を基準原水量とした場合、基準pH値よりもpH値の高い電解イオン水を生成するには、基準原水量よりも少ない量の原水を使用し、基準pH値よりもpH値の低い電解イオン水を生成するには、基準原水量よりも多い量の原水を使用すればよい。なお、原水量以外の条件は基準pH値の電解イオン水を生成する場合と同一であることを前提とする。
基準原水量と、基準pH値よりもpH値の高い強アルカリイオン水を生成する場合に必要な原水量との関係は、次の式に基づいて求めることができる。この式は、pHからアルカリ濃度を求める式であり、この式により求めた[OH](mol/L)、KOH濃度(%)、アルカリ濃度比、生成タンクへの原水貯留量又は供給量の各数値は表1のようになる。
(式)
pH=14+log[OH
基準pH12.5のとき、式より、
12.5=14+log[OH
[OH]=1012.5−14
=0.0316mol/L
KOH分子量 56.1g/molであることから、
KOH濃度=0.0316mol/L × 56.1g/mol
=1.772g/L
=0.1772%
となる。
同様にして、pH13.0、pH13.1のときについても求めた。
pH13.0のとき、式より、
13.0=14+log[OH
[OH]=1013.0−14
=0.1000mol/L
KOH分子量 56.1g/molであることから、
KOH濃度=0.1000mol/L×56.1g/mol
=5.610g/L
=0.5610%
となる。
pH13.1のとき、式より、
13.1=14+log[OH
[OH]=1013.1−14
=0.1259mol/L
KOH分子量 56.1g/molであることから、
KOH濃度=0.1259mol/L×56.1g/mol
=7.063g/L
=0.7063%
となる。
pH12.5のときのアルカリ濃度比を1としたとき、pH13.0のときのアルカリ
濃度比は、pH13.0のときの[OH]=0.1000mol/LとpH12.5の
ときの[OH]=0.0316mol/Lより、0.1000/0.0316=3.1
645≒3.16となる(表1)。
前記と同様に、pH13.1のときのアルカリ濃度比は、pH13.1のときの[OH
]=0.1259mol/LとpH12.5のときの[OH]=0.0316mol
/Lより、0.1259/0.0316=3.9841≒3.98となる(表1)。
pH12.5のとき、アルカリ濃度比を1、生成タンク1に貯留又は供給される原水量
を20Lとしたとき、pH13.0のときはアルカリ濃度比が3.16であることから、
生成タンク1に貯留又は供給される原水量は20/3.16=6.3291≒6.3Lと
なる(表1)。
前記と同様に、pH13.1のときはアルカリ濃度比が3.98であることから、原水
タンク1に貯留又は供給される原水量は20/3.98=5.0251≒5.0Lとなる
(表1)。
Figure 0006448043
表1のとおり、基準pH値12.5の電解イオン水を生成するときの基準原水量が20リットル(L)の場合、pH値13.0の電解イオン水を生成するときの原水量は6.3L、pH値13.1の電解イオン水を生成するときの原水量は5Lにするとよいことがわかる。
本発明の電解イオン水生成方法及び電解イオン水生成装置は、電解イオン水、特に、pH12.5以上の強アルカリイオン水の生成に好適に利用することができる。
1 生成タンク
1a 原水供給口
1b 排出口
1c 取込み口
1d 取出し口
2 電解液タンク
2a 電解液排出口
2b 電解液帰還口
3 撹拌手段
3a エアポンプ
3b エア供給パイプ
4 電解槽
5 陰極室
5a (陰極室の)入口
5b (陰極室の)出口
5x 陰極板
5y 陰極ターミナル
6 陽極室
6a (陽極室の)入口
6b (陽極室の)出口
6x 陽極板
6y 陽極ターミナル
7 イオン交換膜
8 直流電源
9 原水量制御手段
9a 下段のフロートスイッチ
9b 上段のフロートスイッチ
9v 第一主流路
9w 第一分岐路
9x 第二分岐路
9y 第一電磁バルブ
9z 第二電磁バルブ
10 スペーサ
11 仕切り板
12 ケーシング
13 投入口
14 受け容器
14a 椀状部
14b 係止部
15 開閉蓋
16 取り出し路
17 操作部
A 原水供給源
P1 原水循環ポンプ
P2 電解液循環ポンプ
Q1 電解液流路
Q2 電解液帰還流路
R1 原水供給路
R2 原水流路
R3 帰還流路
R4 取出し流路

Claims (5)

  1. 原水を貯留する生成タンクと、電解液を貯留する電解液タンクと、イオン交換膜で仕切られた陰極室及び陽極室を有する電解槽と、前記陰極室に鉛直向きに設けられた陰極板及び前記陽極室に鉛直向きに設けられた陽極板の両極板間に電圧を印加する直流電源とを備え、前記直流電源で前記両極板間に電圧を印加し、電気分解によって前記陽極室に生じる陽イオンを前記陰極室内の原水に還元させることによって電解イオン水を生成する電解イオン水生成方法において、
    前記電解液タンクの上方に配置され、当該電解液タンク内の電解液に浸漬した網目部材からなる受け容器に炭酸カリウムを投入し、
    前記電解液タンク内の前記炭酸カリウムを含む電解液を、当該電解液タンク内の底面側であって前記受け容器よりも下方に設けられた撹拌手段で撹拌し、
    前記受け容器内の炭酸カリウムを前記電解液タンク内の電解液中に溶け出させ、
    前記撹拌後の電解液を電気分解して、当該電気分解によって前記陽極室に生じた陽イオンを前記陰極室内の原水に還元させることによって電解イオン水を生成する、
    ことを特徴とする電解イオン水生成方法。
  2. 原水を貯留する生成タンクと、電解液を貯留する電解液タンクと、イオン交換膜で仕切られた陰極室及び陽極室を有する電解槽と、前記陰極室に鉛直向きに設けられた陰極板及び前記陽極室に鉛直向きに設けられた陽極板の両極板間に電圧を印加する直流電源を備え、前記直流電源で前記両極板間に電圧を印加し、電気分解によって前記陽極室に生じる陽イオンを前記陰極室内の原水に還元させることによって電解イオン水を生成する電解イオン水生成装置において、
    前記生成タンク、電解液タンク、電解槽及び直流電源がケーシングに設けられ、
    前記ケーシングは前記電解液タンクに連通する投入口を備え、
    前記投入口に炭酸カリウムを受ける受け容器が設けられ、
    前記受け容器は前記電解液タンク内の電解液が通過する網目部材からなる椀状部を備え、
    前記受け容器は、前記椀状部が電解液タンク内に貯留された電解液に浸るように前記電解液タンクの上方に設けられ、
    前記電解液タンク内の炭酸カリウムを含む電解液を撹拌する撹拌手段が、当該電解液タンク内の底面側であって前記受け容器よりも下方に設けられた、
    ことを特徴とする電解イオン水生成装置。
  3. 請求項2記載の電解イオン水生成装置において、
    電解槽が生成タンク及び電解液タンクの外に設けられ、
    前記電解槽の陰極室と前記生成タンク、前記生成タンク内の原水を当該生成タンクと陰極室の間で循環させる原水循環手段によって接続され、
    前記電解槽の陽極室と前記電解液タンク、前記電解液タンク内の電解液を当該電解液タンクと陽極室の間で循環させる電解液循環手段によって接続され
    ことを特徴とする電解イオン水生成装置。
  4. 請求項2記載の電解イオン水生成装置において、
    電解液タンクは、その底側であって鉛直方向に交差する向きに開口する電解槽と接続するための開口部を備え、
    前記電解槽は、その陽極室が前記開口部と対向するように前記開口部の外側に配置され、
    前記電解液タンクと当該電解液タンクの開口部の外側に配置された電解槽とが接続され、
    前記接続された電解槽と電解液タンクが生成タンク外に設けられ、
    前記電解槽の陰極室と前記生成タンク、前記生成タンク内の原水を当該生成タンクと陰極室の間で循環させる原水循環手段によって接続され
    ことを特徴とする電解イオン水生成装置。
  5. 請求項2記載の電解イオン水生成装置において、
    電解液タンクは、その底側であって鉛直方向に交差する向きに開口する電解槽と接続するための開口部を備え、
    前記電解槽は、その陽極室が前記開口部と対向するように前記開口部の外側に配置され、
    前記電解液タンクと当該電解液タンクの開口部の外側に配置された電解槽とが接続され、
    前記接続された電解槽と電解液タンクが生成タンク内に設けられ、
    前記生成タンク内の原水は、前記生成タンク内に設置された電解槽の陰極室内に浸入して当該電解槽内のイオン交換膜に接触する
    ことを特徴とする電解イオン水生成装置。
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