JP6057267B2 - 電解イオン水生成方法と電解イオン水生成装置 - Google Patents
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Description
本発明の電解イオン水生成方法は基準となるpH値(以下「基準pH値」という。)の電解イオン水生成装置を使用して、基準pH値よりもpH値の高い電解イオン水を生成する方法であり、原水の貯留量或いは供給量を減少させ、それ以外のイオン水生成条件、例えば、陰極水や陽極水の循環時間或いは直流電流等を、基準pH値のイオン水を生成する場合の条件と変えることなく(ほとんど変えることなく、を含む:以下、発明の詳細な説明、請求の範囲において同じ)、pH値の高い電解イオン水を生成できるようにした方法である。
本発明の電解イオン水生成方法の一つは、原水タンクに原水を貯留して基準pH値(本発明ではpH12.5を基準pH値という。)の電解イオン水を生成することのできる貯留式電解イオン水生成装置を使用して、基準pH値よりもpH値の高い電解イオン水を生成する方法であり、貯留式電解イオン水生成装置の原水タンクに、基準pH値の電解イオン水を生成する場合よりも少ない量の原水を貯留し、原水量以外の他の生成条件を前記貯留式電解イオン水生成装置で基準pH値の電解イオン水を生成するときと同じ生成条件に設定し、原水タンク内に貯留された原水を電解槽の陽イオン交換膜で仕切られた陰極室に送って当該陰極室から前記原水タンクに戻して循環させ、電解イオン水生成装置の電解液タンクに貯留された電解液を前記電解槽の陽極室に循環させ、電解槽の陰極室の陰極板と陽極室の陽極板に電圧を印加して前記電解液を電気分解し、電気分解によって生じた陽イオンを、陰極室を循環する前記原水と還元させることにより当該原水を電解イオン水にし、原水タンク内の原水が所定pH値になるまで前記原水の循環、電解液の循環を繰り返して、原水タンク内に貯留された原水を所定pH値の電解イオン水に生成する、ことを特徴とする貯留式電解イオン水生成方法である。
本発明の電解イオン水生成方法の他の一つは、原水タンクに原水を供給しながら基準pH値の電解イオン水を生成し、生成された電解イオン水を原水タンクから排出しながら電解イオン水を連続生成する流動式電解イオン水生成装置を使用して、基準pH値よりもpH値の高い電解イオン水を生成する方法であり、前記流動式電解イオン水生成装置の原水タンクに基準pH値の電解イオン水を生成する場合よりも少ない量の原水を供給し、原水量以外の他の生成条件を前記流動式電解イオン水生成装置で基準pH値の電解イオン水を生成するときと同じ生成条件に設定し、原水タンクに供給される原水を電解槽の陽イオン交換膜で仕切られた陰極室に送って当該陰極室から前記原水タンクに戻して循環させ、電解イオン水生成装置の電解液タンクに貯留された電解液を陽イオン交換膜で仕切られた陽極室に循環させ、電解槽の陰極室の陰極板と陽極室の陽極板に電圧を印加して前記電解液を電気分解し、電気分解によって生じた陽イオンを、陰極室を循環する前記原水と還元させることにより当該原水を電解イオン水にし、所定pH値になった原水タンク内の電解イオン水を、前記原水タンクへの原水供給量分ずつ当該原水タンクから排出しながら所定pH値の電解イオン水を生成する、ことを特徴とする流動式電解イオン水生成方法である。
pH=14+log[OH−]
12.5=14+log[OH−]
[OH−]=1012.5−14
=0.0316mol/L
KOH分子量 56.1g/molであることから、
KOH濃度=0.0316mol/L × 56.1g/mol
=1.772g/L
=0.1772%
となる。
pH13.0のとき、式より、
13.0=14+log[OH−]
[OH−]=1013.0−14
=0.1000mol/L
KOH分子量 56.1g/molであることから、
KOH濃度=0.1000mol/L×56.1g/mol
=5.610g/L
=0.5610%
となる。
13.1=14+log[OH−]
[OH−]=1013.1−14
=0.1259mol/L
KOH分子量 56.1g/molであることから、
KOH濃度=0.1259mol/L×56.1g/mol
=7.063g/L
=0.7063%
となる。
本発明の電解イオン水生成装置の一つは、原水タンクに原水を貯留し、貯留した原水を電解槽に供給して原水タンクに戻して循環させ、その循環中に基準pH値の電解イオン水を生成することのできる貯留式電解イオン水生成装置であり、原水を貯留する原水タンクと、電解液を貯留する電解液タンクと、陽イオン交換膜で仕切られた陰極室と陽極室を備えた電解槽と、前記陰極室に設けられた陰極板と陽極室に設けられた陽極板と、前記陰極板及び陽極板に電圧を印加する電源と、原水タンクに貯留された原水を前記陰極室に送って原水タンクに戻す原水循環ポンプと、電解液タンクに貯留された電解液を陽極室に送って電解液タンクに戻す電解液循環ポンプと、前記原水タンクに貯留する原水量を制御可能な原水量制御手段を備え、前記原水量制御手段は原水タンク内の原水量を検知できるものであり、原水タンク内の原水貯留量が基準pH値の電解イオン水を生成するのに必要な量に対して次式で求められる量を検知することができ、
式 pH=14+log[OH−]
前記原水量制御手段は、原水タンク内に前記式に基づいて算出された原水量が貯留されたことを検知して、原水タンクへの原水供給を自動停止できる、電解イオン水生成装置である。
本発明の電解イオン水生成装置の他の一つは、原水タンクに原水を供給しながら基準pH値の電解イオン水を生成することのできる流動式電解イオン水生成装置であり、原水を供給する原水タンクと、電解液を貯留する電解液タンクと、陽イオン交換膜で仕切られた陰極室と陽極室を備えた電解槽と、前記陰極室に設けられた陰極板と陽極室に設けられた陽極板と、前記陰極板及び陽極板に電圧を印加する電源と、原水タンクに供給される原水を前記陰極室に送って原水タンクに戻す原水循環ポンプと、電解液タンク内の電解液を陽極室に送って電解液タンクに戻す電解液循環ポンプと、電解イオン水生成中に原水タンクから電解イオン水を排出させる出口と、前記原水タンクに供給する原水量を制御可能な原水量制御手段を備え、原水量制御手段は原水供給路であり、原水供給路は基準pH値の電解イオン水を生成する場合に原水タンクに供給する時間当たりの供給量に対して、前記式に基づいて求められる供給量(時間当たり)に設定されており、前記式で求められる量の原水を原水タンクに供給しながら、且つ、生成される電解イオン水を原水タンクから排出しながら、電解イオン水を生成できるようにした、電解イオン水生成装置である。
(1)同じ電解イオン水生成装置を使用して、原水タンクに貯留又は供給する原水量を基準pH値の電解イオン水生成時よりも少なくし、他の生成条件は変えることなく、pH値の高い電解イオン水(強電解イオン水)を生成することができるため、生成するpH値に合わせて生成条件の異なる電解イオン水生成装置を各種用意する必要がなく、導入コストが低減でき、設置スペースを広く用意する必要もなく、ランニングコストも低減できる。
(2)強電解イオン水を生成して、それを希釈することで、基準pH値以下のpH値の弱電解イオン水を大量に生成することができるため、弱電解イオン水の生産性が向上する。
原水量制御手段を備えているので、原水タンクに供給される原水量を、原水量制御手段で制御するだけで、一つの電解イオン水生成装置で基準pH値の電解イオン水と、それよりもpH値の高い電解イオン水を生成することができる。
本発明の貯留式の電解イオン水生成方法の一例を、図1の電解イオン水生成装置を使用して生成する場合を一例として説明する。
図2の電解イオン水生成装置は流動式であり、基本的構成は図1の電解イオン水生成装置と同じであり、異なるのは、原水タンク1と電解液タンク2を別々に設けたこと、原水タンク1に貯留する原水量制御手段7として二つの原水供給路8、9を設けたことである。夫々の原水供給路8、9の時間当たりの供給量は異なる量に設定してある。一例として、原水供給路8は時間当たり5L/h(pH13.1)の原水を供給でき、原水供給路9は時間当たり20L/h(pH12.5:基準pH値)の原水を供給できるようにしてある。夫々の原水供給路8、9には電磁バルブ10、11を設けて自動的に開閉されるようにしてある。
図3の電解イオン水生成装置も原理は図2の場合と同じであり、異なるのは電解液タンク2を電解槽6の陽極室4に直結して、電解液が常に陽極室4に接するようにしたことである。
本件発明者の実験によれば、図1の電解イオン水生成装置を使用する場合は、原水タンク1に貯留する原水量を、基準pH値12.5の電解イオン水を生成するのに必要な原水量(20L)の1/4の5LとすることでpH13.1の電解イオン水(強電解イオン水)を生成することができた。図2、図3の電解イオン水生成装置を使用する場合も同様であった。前記いずれの実験でも、原水量以外の他の条件を、当該電解イオン水生成装置で基準pH値の電解イオン水を生成する場合と同じ条件で行った。
本発明の電解イオン水生成装置の一例を、図面を参照して説明する。図1に示す電解イオン水生成装置は、原水タンク1に貯留する原水量を制御することにより、一台の電解イオン水生成装置で基準pH値の電解イオン水と、それよりもpH値の電解イオン水とを生成可能なものである。
図1では原水タンク1と電解液タンク2が一つの容器に区画配置されている。原水タンク1は原水と、陰極室3を通過して陽イオンが還元された電解イオン水とを貯留するものである。
図1に示す電解液タンク2は上面開口の筒型ケースであり、電解質水溶液を貯留するものである。電解液タンク2は原水タンク1よりも細長の円筒状であり、原水タンク1の内側に配設されている。電解液タンク2には供給口14が設けられ、そこから電解液を供給して循環させることができるようにしてある。電解液には炭酸カリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、重曹アルカリ塩水溶液等を使用することができる。
図1の電解槽6は陽イオン交換膜5で陰極室3と陽極室4に仕切られ、陰極室3に陰極板が、陽極室4に陽極板が配置されている。陰極板には直流電源Eのマイナス側が、陽極板には直流電源Eのプラス側が接続される。
図1の電解イオン水生成装置により基準pH値12.5の電解イオン水を生成する場合は、電解イオン水生成装置の操作部で下段のフロートスイッチF1を不作動に設定して、原水がフロートスイッチF1に到達しても作動しないようにし、上段のフロートスイッチF2を作動に設定しおく。
(1)前記状態で、原水路13(基準pH値12.5、原水量20L)を選択してから、電解イオン水生成装置の電源スイッチをONにすると、原水が原水路13から原水タンク1に供給される。
(2)原水タンク1内の水位が上段のフロートスイッチF2(pH12.5の電解イオン水を生成用、20L)に達すると、当該フロートスイッチF2が作動してポンプP1、P2が運転を開始し、原水タンク1内の原水が、原水タンク1‐陰極室3の入口3a‐陰極室3の出口3b‐原水タンク1と循環し、電解液タンク2内の電解液が、電解液循環ポンプP2により電解液タンク2‐陽極室4の入口4a‐陽極室4の出口4b‐電解液タンク2と循環して電解イオン水が生成される。
(3)予め設定してある原水循環時間、電解液循環時間中、前記循環が行われてpH12.5(基準pH値)の電解イオン水が生成され、原水タンク1に戻される。
図1の電解イオン水生成装置の使用例を説明する。ここでは、pH13.1の電解イオン水を生成する場合を一例とする。
(1)電解イオン水生成装置の操作部で「pH13.1」を選択し、電解イオン水生成装置の電源スイッチをONにすると、原水が原水タンク1内に供給され、陰極板及び陽極板間に直流電流が供給され、他の電気回路に電流が供給される。
(2)原水が原水タンク1内に、「pH13.1」の電解イオン水を得るのに必要な量(5L)供給されると、下段のフロートスイッチF1が作動して、それに接続されている流量調整弁が自動的に閉じ、原水の供給が自動停止する。
(3)原水タンク1内の原水は電解槽6の陰極室3へ供給されて陰極室3を通過する。このとき、直流電源Eから電源供給されて電解液が電気分解されて発生する陽イオンが、陽イオン交換膜5を通過して陰極室3に入り、原水と還元して電解イオン水が生成される。この電解イオン水は原水タンク1内に戻る。
(4)電解液タンク2内の電解液は陽極室4へ供給され、陽極室4を通過した電解液は電解液タンク2内に戻る。
(5)原水を、原水タンク1‐陰極室3‐原水タンク1の経路で循環させ、循環を設定時間(例えば、60分間)繰り返す。この間、電解液は電解液タンク2‐陽極室4‐電解液タンク2の経路で循環し前記時間中繰り返す。この繰り返しによりpH13.1の電解イオン水が生成され、原水タンク1内に貯留される。この電解イオン水は、原水タンクから取り出す。
図2の流動式の電解イオン水生成装置は、基本構成は図1と同じであり、異なるのは、原水タンク1と電解液タンク2を別々に設けたこと、原水タンク1に貯留する原水量制御手段7として二つの原水供給路8、9を設けたことである。夫々の原水供給路8、9の時間当たりの供給量は異なる量に設定してある。一例として、原水供給路8は時間当たり5L/h(pH13.1の電解イオン水生成時)の原水を供給できる供給路、原水供給路9は時間当たり20L/h(pH12.5:基準pH値の電解イオン水生成時)の原水を供給できるようにしてある。夫々の原水供給路8、9には電磁バルブ10、11を設けて電気的に開閉されるようにしてある。
図2の電解イオン水生成装置を使用して基準pH12.5の電解イオン水を生成する場合は次のようにする。
(1)電源スイッチをONにして電解イオン水生成装置を作動させ、陰極板と陽極板間に直流電源を印加する。
(2)図2の電解イオン水生成装置における「pH12.5」の原水供給路9を選択して、原水供給路9から時間当たり20L/hの原水を供給し続ける。
(3)原水が原水タンク1内に貯留されると、ポンプP1、P2の運転が開始され、原水が原水流路17を通して電解槽6の陰極室3に供給されて原水タンク1に戻り(循環し)、電解液タンク2内の電解液が電解槽6の陽極室4に供給されて電解液タンク2に戻る(循環する)。原水タンク1にはその後も原水の供給が継続され、この間に、電気分解によって陽極室4内に生じたカリウムイオン(陽イオン)が陽イオン交換膜5を介して陰極室3に入り、陰極室3内の原水と還元して電解イオン水が生成される。
(4)生成された基準pH12.5の電解イオン水は帰還流路18を通じて原水タンク1内に貯留される。前記生成を設定時間繰り返すことにより原水タンク1内に基準pH12.5の電解イオン水が貯留される。
(5)基準pH値12.5の電解イオン水を生成する場合は、原水供給量と電解イオン水の生成量は同じ(20L)であるから、原水供給路9から20Lになるまで供給され続け、生成される電解イオン水も20Lになる。
(6)原水タンク1内の電解イオン水が20Lになると、原水タンク1の出口1aが解放されて、pH12.5の電解イオン水が排出される。以後、排出されながら、その分だけ、原水供給路9から原水が供給されながら(流動式で)、電解イオン水が連続生成され、原水タンク1から排出される。
図2の流動式の電解イオン水生成装置を使用してpH13.1の電解イオン水を生成する場合は次のようにする。
(1)図2の流動式の電解イオン水生成装置における「pH13.1」の原水供給路8を選択して、原水供給路8から時間当たり5L/hの原水を供給し続ける。
(2)原水が原水タンク1内に供給されると、ポンプP1、P2の運転が開始されて、前記使用例と同様にして電解イオン水が生成される。
(3)生成された電解イオン水は原水タンク1に排出されるが、原水タンク1の出口1aは電解イオン水が20Lになってはじめて開口して、原水タンク内の電解イオン水が排出されるようにしてある。このときの原水供給量(5L)は生成量(20L)の1/4であるから、生成サイクルが4循環してはじめてpH値13.1の電解イオン水が20L生成され、原水タンク1の出口1aから排出される。その後も、原水が原水供給路8から供給され続け、原水タンク1内の電解イオン水が出口1aから外部に排出されながら(流動しながら)電解イオン水が連続的に生成される。
図3の流動式の電解イオン水生成装置は図2の電解イオン水生成装置とほとんど同じであり、異なるのは、電解液タンク2が電解槽6に連結されていることである。
図3の流動式電解イオン水生成装置を使用した電解イオン水の生成は、図2の電解イオン水生成装置で電解イオン水を生成する場合と同じである。
図1〜図3のいずれの電解イオン水生成装置においても、原水タンク1に接続された原水供給路8、9の上流側には濾過装置を設けるのが望ましい。濾過装置の一例としては、5μmメッシュのフィルタ(以下「5μフィルタ」という)と、活性炭フィルタ(以下「ACフィルタ」という)と、逆浸透膜(RO膜)フィルタ(以下「ROフィルタ」という)が使用される。これらは水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどを除去できるものである。
前記した実施形態はあくまでも本発明の一例であり、他の実施形態にすることも可能である。強電解イオン水もpH値13.0、13.1に限らず、それ以上であっても、それ以下であってもよい。基準pH値も12.5よりも高くても低くてもよい。前記実施形態は強電解イオン水を生成する場合であるが、貯留又は供給する原水量を基準pH値生成時よりも多くして弱電解イオン水を生成することもできる。その場合の原水量も前記式により算出することができる。
1a (原水タンクの)出口
2 電解液タンク
3 陰極室
3a (陰極室の)入口
3b (陰極室の)出口
4 陽極室
4a (陽極室の)入口
4b (陽極室の)出口
5 陽イオン交換膜
6 電解槽
7 原水量制御手段
8、9 原水供給路
10、11 電磁バルブ
12 原水供給口
13 原水路
14 供給口
15 電解液通路
16 戻し通路
17 原水流路
18 帰還流路
P1 原水循環ポンプ
P2 電解液循環ポンプ
E 直流電源
F1 下段フロートスイッチ
F2 上段フロートスイッチ
Claims (2)
- 原水タンク内に貯留された原水を電解槽の陽イオン交換膜で仕切られた陰極室に送って当該陰極室から前記原水タンクに戻して循環させ、電解イオン水生成装置の電解液タンクに貯留された電解液を前記電解槽の陽極室に循環させ、電解槽の陰極室の陰極板と陽極室の陽極板に電圧を印加して前記電解液を電気分解し、電気分解によって生じた陽イオンを、陰極室を循環する前記原水と還元させ、原水タンク内の原水が所定pH値になるまで前記原水の循環、電解液の循環を繰り返すことにより、原水タンク内に貯留された原水を生成所望pH値の電解イオン水に生成することができる貯留式の電解イオン水生成装置であり、
前記貯留式の電解イオン水生成装置は原水量制御手段を備え、当該原水量制御手段で原水タンク内に貯留される原水量を制御し、原水量以外の生成条件は変えることなく、一台で基準pH値の電解イオン水と当該基準pH値よりも高いpH値の強電解イオン水を生成することができるものであり、
前記原水量制御手段は強電解イオン水を生成するときは、原水タンクに貯留する原水量を基準pH値の電解イオン水を生成するときの原水量よりも少なくすることができ、その原水量は基準pH値の電解イオン水を生成するのに必要な原水量に対して次の式1、式2、式3に基づいて求められるものであり、
式1に基づいて、少なくとも、生成所望のpH値であって基準pH値よりもpH値が高い強電解イオン水のときの[OH−](mol/L)を求め、
(式1)
pH=14+log[OH−]
基準pH値のときのアルカリ濃度比を1として、求められた前記[OH−](mol/L)のときのアルカリ濃度比を式2に基づいて求め、
(式2)
アルカリ濃度比=生成所望pH値のときの[OH−]/基準pH値のときの[OH−]
基準pH値のときのアルカリ濃度比を1、原水タンクに貯留される原水量をXLとしたとき、基準pH値よりもpH値の高い強電解イオン水を生成するのに必要な原水タンクへの原水貯留量を式3に基づいて求め、
(式3)
原水貯留量=XL/生成所望pH値の電解イオン水生成時のアルカリ濃度比
前記式3により求められた量の原水を、所望pH値の強電解イオン水を生成するのに必要な原水貯留量として原水タンクに貯留し、
前記原水量制御手段は原水タンク内の原水量を検知できる検知器を少なくとも二以上備え、それら検知器は原水タンク内に上下に離して設けられ、上段の検知器は基準pH値の電解イオン水を生成する場合に必要な基準原水量の水位を検知できる位置に設置され、下段の検知器は生成所望pH値の強電解イオン水を生成する場合に必要な貯留量であって基準原水量に対して前記式1、式2、式3に基づいて求められる原水量を検知できる位置に設置されており、基準pH値の電解イオン水を生成する場合は、原水タンク内の貯留原水が下段の検知器に到達しても原水の供給が停止せず、上段の検知器に到達して基準pH値の電解イオン水の生成に必要な量になったことが検知されると原水タンクへの原水の供給が自動的に停止し、生成所望pH値の強電解イオン水を生成する場合は、原水タンクに貯留される原水量が下段の検知器に到達して生成所望pH値の強電解イオン水の生成に必要な量になったことが検知されると原水タンクへの供給が自動的に停止するようにした、
ことを特徴とする貯留式の電解イオン水生成装置。 - 原水タンクに供給される原水を電解槽の陽イオン交換膜で仕切られた陰極室に送って当該陰極室から前記原水タンクに戻して循環させ、電解イオン水生成装置の電解液タンクに貯留された電解液を陽イオン交換膜で仕切られた陽極室に循環させ、電解槽の陰極室の陰極板と陽極室の陽極板に電圧を印加して前記電解液を電気分解し、電気分解によって生じた陽イオンを、陰極室を循環する前記原水と還元させることにより当該原水を電解イオン水にし、所定pH値になった原水タンク内の電解イオン水を、前記原水タンクへの原水供給量分ずつ当該原水タンクから排出しながら生成所望pH値の電解イオン水を生成することができる流動式の電解イオン水生成装置であり、
前記流動式の電解イオン水生成装置は原水量制御手段を備え、当該原水量制御手段で原水タンク内に貯留される原水量を制御し、原水量以外の生成条件は変えることなく、一台で基準pH値の電解イオン水と、当該基準pH値よりも高いpH値の強電解イオン水を生成することができるものであり、
前記原水量制御手段は強電解イオン水を生成するときは、原水タンクに供給される原水量を基準pH値の電解イオン水を生成するときの原水量よりも少なくすることができ、その原水量は基準pH値の電解イオン水を生成するのに必要な原水量に対して次の式1、式2、式3に基づいて求められるものであり、
式1に基づいて、少なくとも、生成所望のpH値であって基準pH値よりもpH値が高い強電解イオン水のときの[OH−](mol/L)を求め、
(式1)
pH=14+log[OH−]
基準pH値のときのアルカリ濃度比を1として、求められた前記[OH−](mol/L)のときのアルカリ濃度比を式2に基づいて求め、
(式2)
アルカリ濃度比=生成所望pH値のときの[OH−]/基準pH値のときの[OH−]
基準pH値のときのアルカリ濃度比を1、原水タンクに貯留される原水量をXLとしたとき、基準pH値よりもpH値の高い強電解イオン水を生成するのに必要な原水タンクへの原水貯留量を式3に基づいて求め、
(式3)
原水貯留量=XL/生成所望pH値の電解イオン水生成時のアルカリ濃度比
前記式3により求められた量の原水を、強電解イオン水を生成するのに必要な原水供給量として原水タンクに供給しながら、且つ、生成される電解イオン水を原水タンクから排出しながら、電解イオン水を生成することができ、
前記原水量制御手段は少なくとも二以上の原水供給路を備え、そのうち少なくとも一本の原水供給路は単位時間当たりの原水供給量が基準pH値の電解イオン水を生成する場合に必要な量の原水を供給できるものであり、他の原水供給路は単位時間当たりの原水供給量が前記式1〜式3に基づいて求められた量の原水を供給できるものであり、基準pH値の電解イオン水を生成する場合は基準pH値用の原水供給路を選択して、当該原水供給路から原水タンクに原水を供給し続けて基準pH値の電解イオン水を生成し、基準pH値よりもpH値の高い強電解イオン水を生成する場合は、強電解イオン水用の原水供給路に切り替えて、当該原水供給路から原水タンクに原水を供給し続けて強電解イオン水を連続的に生成することができる、
ことを特徴とする流動式の電解イオン水生成装置。
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