JP4194903B2 - 洗浄用電解水とその生成方法及び生成装置 - Google Patents

洗浄用電解水とその生成方法及び生成装置 Download PDF

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Description

本発明は、機械・金属・エレクトロニクスをはじめとする洗浄分野全般、特に工業部品洗浄及び食品加工工業に用いて好適な洗浄用電解水と、その生成方法及び装置に関するものである。
機械・金属・エレクトロニクス分野では、それぞれの生産過程で様々な洗浄工程があるが、例えば、フロンやエタンなどの有機塩素化合物(揮発性有機化合物)は法規制により使用が禁止あるいは制限されており、短時間に高い清浄度が得られ、しかも生物や環境に安全である代替洗浄剤の開発が求められてきた。
上記の有機塩素化合物に代って登場した炭化水素系洗浄剤も代替洗浄剤のひとつだが、引火性や作業環境の面で問題をかかえている。また、近年、界面活性剤を用いた水系洗浄も注目を集め、用途に合せた工業用洗剤が市販され実用化が進んでいる。
しかし、水系洗浄は洗浄効果を上げる為に界面活性剤等の薬品を使用するため、この界面活性剤を洗い流すリンス工程が必要となり、大量のリンス水が必要となる。又、界面活性剤は有機物であるため排水基準であるBOD.CODに該当し、排水基準を満たす為には大規模な排水処理設備を必要とする問題がある。
このような背景から水を電気分解して得られる電解水、特に有隔膜電解槽におけるアルカリ性電解水(陰極水)が、洗浄効果が高く環境に優しい洗浄剤として注目されている。
従来から、水を電気分解して洗浄効果のある水を生成するという方法は幾つか出願されている。その多くは、例えば特許文献1に見られるように、洗浄力の因子を高いpHと溶存水素であるという考えに基づき、有隔膜電解方式で陰極側に生成するアルカリ性電解水を洗浄剤として使用するというものが殆どである。
また、金属洗浄分野では、腐食抑制の為に水系洗浄剤に界面活性剤を主成分とする防錆剤を含有していることが一般的である。しかし、防錆剤(界面活性剤)は環境への影響が大きく、昨今の環境保全に対する意識の高まりから使用を控える傾向がある。そこで、水系洗剤や電解水の液性をアルカリ性に保つことで金属表面に不動態を形成させ、腐食抑制効果を高めることが一般的に行われている。
一般に汚れ成分と考えられている油脂や粒子汚れは、その特性からアルカリ性域の水溶液中で洗浄することが良いとされており、また溶存水素が洗浄因子の一つとして確認されていることから、食塩の電気分解によって得られるアルカリ性電解水(陰極水)が洗浄剤として使用されている例も見受けられる。
しかし、金属の中でもアルミニウム又はアルミニウム合金のような非鉄金属はアルカリ性域で腐食する。アルミニウムは酸性域においても腐食する両性元素である。アルミニウムの溶解量は、図2に示した(デ−タ1)の如く、pH4〜8付近で最小となり、溶解速度はpHが中性から酸性あるいはアルカリ性に偏る程大きくなることから、洗浄剤としてpHの高いアルカリ性電解水を使用すると、アルミニウム又はアルミニウム合金が腐食する問題がある。
そこで、アルミニウム又はアルミニウム合金を腐食させずに洗浄を行うには、洗浄液の液性を弱酸性から弱アルカリ性とすることが望ましい。弱酸性から弱アルカリ性の水溶液を得る手法としては、高pHの陰極水を希釈する方法、或は電気分解に必要な電気量を少くして陰極水を得る方法の2つの方法がある。
一方、本出願人による特願2002−155006の出願や、特許文献2等に記載されているように、洗浄因子の1つは溶存気体であるということが知られている。また、特許文献3には、超純水を脱気することにより酸素ガスを効率良く溶解させることが可能と記載されており、20mg/l以上の溶存酸素量が洗浄には適当であるとされている。更に、上記特許文献2に記載の発明では、超純水に酸素を溶存させた水溶液を、電子材料のウエット洗浄に用いるとされている。
特開平8−112573号公報 特開平11−77023号公報 特開平11−277007号公報
ところが、上記アルミニウム又はアルミニウム合金を腐食させずに洗浄することができるとされる、高pHの陰極水を希釈して得た電解水(希釈電解水)や、電気分解に必要な電気量を少くして陰極水を得た電解水(低電気量電解水)は、いずれもpHが低く、且つ、溶存水素濃度が70μg/l(0.07mg/l)であって、上記本出願人による特許出願に規定されている溶存水素濃度の下限値0.3mg/lを大幅に下回っており、更に、図3と図4に示した(デ−タ2)と(デ−タ3)に見られるように、洗浄効果が充分に期待できないという問題点がある。
また、一般に電子材料のウエット洗浄では、被洗浄物清浄度を極めて厳密に管理する必要がある為、超純水を使用する例が多い。しかし純水は電気伝導度が殆ど0に近い為、電気分解を行うことが困難である。従って半導体関係の洗浄においては、前述の特許文献2に記載の内容の様に、必要とするガスを予め用意した溶液に気体透過膜等の装置によって溶解させる方法を採用している例が多い。
しかし、前述の特許文献3内の記述にもある通り、別途酸素ガスを発生させる装置若しくは酸素ガスのボンベ等を用意しなければならず、また、溶解させるには脱気させる工程を必要とする為、経済面や安全面等において制御が容易でないという問題点があった。
従って本発明の技術的課題は、非鉄金属のうち、特にアルミニウム又はアルミニウム合金を、腐食させることなく簡単に、且つ、確実に洗浄することができる優れた洗浄効果を備えた電解水を提供することである。
(1) 上記の技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係る洗浄用電解水は、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを水道水、或は、純水に添加した原水を、陽陰両極間に隔膜が存在する有隔膜電解槽に入れて電気分解することによって、陽極側で生成される弱アルカリ性又は中性の洗浄用電解水であって、上記電解水の溶存酸素濃度が10〜35mg/lであり、pHが7〜11であることを特徴とする。
(2) 本発明の請求項2に係る洗浄用電解水の製造方法は、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを水道水、或は、純水に添加した原水を、陽陰両極間に隔膜が存在する有隔膜電解槽に入れて電気分解することによって、陽極側で生成される弱アルカリ性又は中性の洗浄用電解水の生成方法であって、上記原水の電気伝導度を10〜300mS/mになるように調整すると共に、上記有隔膜電解槽の陽陰両極間に流れる電流密度と、上記原水の電気分解時における槽内滞留時間とを乗じた積が、1.3〜60secA/dm2となるように設定することを特徴とする。
(3) 本発明の請求項3に係る洗浄用電解水の生成装置は、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを水道水、或は、純水に添加した原水を、陽陰両極間に隔膜が存在する有隔膜電解槽に入れて電気分解することによって、陽極側で生成される弱アルカリ性又は中性の洗浄用電解水の生成装置であって、両極間を流れる電流を検知する電流検知部と、原水の単位時間当たり流量を検知する流量検知部と、原水の水量を調節する自動水量調節弁と、上記単位時間当り流量と電解槽体積とから算出された電解槽内滞留時間と、両極間を流れる電流値と電極面積とから算出された電流密度とを乗じた積を演算する滞留時間と電流値の積値算出手段とを備え、上記滞留時間と電流密度の積値が所定の値となるように、上記両電極間の電流値、又は、上記原水流量のいずれか一方又は両方を制御するように構成したことを特徴とする。
(4) また、本発明の請求項4に係る洗浄用電解水の生成装置は、上記滞留時間と電流密度を乗じた積が1.3〜60secA/dm2となり、生成された電解水のpHが7〜11で、且つ、溶存酸素濃度が10〜35mg/1となるように、上記両電極間の電流値、又は、上記原水流量のいずれか一方又は両方を制御するように構成したことを特徴とする。
(5) また、本発明の請求項5に係る洗浄用電解水の生成装置は、上記滞留時間と電流密度を乗じた積を、任意の積値に選択可能にする選択手段を備えて成ることを特徴とする。
(6) 更に本発明の請求項6に係る洗浄用電解水生成装置は、洗浄する対象物が、アルミニウム材及びアルミニウム合金材であることを特徴とする。
上記(1)〜(6)で述べた各手段によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金の洗浄に適した洗浄水のpH及び溶存気体量を容易に制御することが可能となる。また、水道水若しくは純水に少量の電解質を添加することにより、脱気すること無く所定の溶存酸素濃度を達成することができ、且つ、アルミニウム又はアルミニウム合金を侵食させることなく、脱脂洗浄ができる安全で洗浄力のある洗浄水を生成することが可能となる。
以上述べた次第で、本発明に係る洗浄用電解水とその生成方法及び生成装置によれば、非鉄金属のうち、特に、アルミニウム又はアルミニウム合金の侵食を防ぐことができ、且つ、優れた洗浄効果を備えた洗浄用電解水を簡単に、而かも、比較的低コストにて提供できる利点を備えている。
一般的に、有隔膜電解方式で陰極側に生成する陰極水は高いpHや溶存水素量の多さから洗浄に適しているとされるが、対極側に生成する陽極水はpHが低く、且つ、溶存水素も無いことから捨て水となっている。そこで、電解質に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを使用し、有隔膜電解方式で陽極側から得られる陽極水は、pHが中性から弱アルカリ性を示し、且つ、溶存気体の濃度が高い電解水であることに着目した。
溶存気体に関しての前記本出願人による特願2002−155006の出願内容は、アルカリ性を示し、且つ、水素ガスが溶存する陽極水と洗浄の関係について、また、前記特許文献3の記述にもある通り、別途酸素ガスを発生させる装置、若しくは、酸素ガスのボンベガスを必要とするものに関する記述が殆どである。そこで、溶存気体を含む電解水である陽極水をアルミニウムやアルミニウム合金の洗浄に使用する場合、アルミニウム又はアルミニウム合金を腐食させず、且つ、洗浄効果を持つような陽極水のpH範囲や溶存酸素濃度、更には、どのような電解条件によって、アルミニウム又はアルミニウム合金の洗浄に適した陽極水が生成するかについて調査を行った。
<アルミニウム又はアルミニウム合金の腐食について>
アルミニウム又はアルミニウム合金の腐食と電解水のpHの関係について確認したところ、図5に示した(デ−タB)に見られるように、pH9.5を超えない洗浄液では腐食が見られないことが判明した。
<溶存気体の有無について>
溶存気体の有無が洗浄効果に及ぼす影響を確認したところ、図6に示した(デ−タ4)に見られるように、洗浄液のpHに関係なく溶存気体が含まれる洗浄液には、洗浄効果が確認された。洗浄力の試験方法は次の通りとした。汚染物質は鉱物油とし、金属部品に鉱物油を付着させ超音波洗浄を行った後、油分濃度計(OCMA−300 HORIBA)にて残油量を測定し、洗浄率として算出した。
<水素と酸素に付いて>
陰極側に含まれる溶存水素と洗浄力、また溶存気体と洗浄力については、上記特許公報や学会、文献等で発表がある通り関係が示唆されているが、陽極側の溶存酸素と洗浄力に関しては殆ど知られていない。そこで、洗浄液に含まれる溶存水素と溶存酸素の違いが洗浄効果にどのように影響するかを確認するため、陰極水と陽極水の洗浄比較を行ったところ、図7に示した(デ−タ5)に見られるように、どちらの気体が溶存していても同程度の洗浄効果が見られた。
<溶存酸素量について>
考察を進めていくと、有隔膜電解方式で陽極側から得られる陽極水を洗浄剤とすることで、アルミニウム又はアルミニウム合金を侵食させずに陰極水を洗浄剤として使用した場合と、同程度の脱脂を行うことが可能であるという推論が成り立つ。
電気分解では陽極側に酸素が発生することが知られている。図8に示した(データ6)からも判る通り、電流密度の上昇により溶存酸素濃度が増加することが判る。グラフ内の◆■▲はそれぞれ使用した電解槽内の滞留時間を変えたものである。この結果から、溶存酸素量を多くするには電流密度を上げることが重要であるが、それだけでは必要とされる酸素量を制御できないことが判った。そこで滞留時間×電流密度という考えかたでグラフを作り直したのが図9に示した(デ−タ7)である。グラフからも判る通り各滞留時間別のデ−タが収束することが判った。この結果から、溶存酸素量を適正に制御する為には電解槽内の滞留時間と電流密度が大事であると言うことができる。
洗浄力と溶存酸素量の関係は図10に示した(デ−タ8)から判る通り、11mg/l付近にて、洗浄率が急激に変化することが判明し、溶存酸素量の下限は10mg/lとすることが望ましい。10mg/lの溶存酸素濃度を得るには、前記図9に示した(デ−タ7)によれば滞留時間×電流密度を3secA/dm2に設定する必要がある。
また、溶存酸素量には図13に示した(デ−タA)の如く飽和点があることが化学便覧等により良く知られており、際限無く増加することは無い。従って飽和点に達した時点を滞留時間×電流密度の上限値と設定する必要がある。しかし、電気分解により酸素を溶解させる場合は、前記図9に示した(デ−タ7)から大凡35mg/lが限界のようであることが判った。
<pHについて>
動植物性油脂及び鉱物油を水系洗浄剤で洗浄する為には、油を水に可溶化させ被洗浄物から剥がす効果を必要とする。一般には界面活性剤やアルカリビルダーが用いられることが多く、アルカリ性水溶液は油に対し鹸化・乳化・分散作用があって、油脂の洗浄には効果的である。しかし、アルミニウム又はアルミニウム合金はアルカリ性水溶液で侵食されるため、前記図5に示した(デ−タB)より洗浄液pH11、できればpH10以下が望ましい。
炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを電解質として生成した陽極水のpHは、電解前(炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム水溶液)の電気伝導度と水の電気分解で陽極側に生成する水素イオンH+の量で決まる。電解前の炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム水溶液は弱アルカリ性を示す水溶液であるため、元々OH−を多く含んでいる。その水溶液に電気分解で生成したH+が加わると、中和反応が生じて生成したH+の量だけOH−が消費され、水溶液のpHが下がることになる。つまり、電解前の電気伝導度を一定とした場合、与える電気量を高くするとpHは中性付近にまで低くなり、与える電気量が低くなるとpHは弱アルカリ性となる。
一方、電気量が高くなるに従って溶存酸素濃度は高くなる傾向がある。前記図11に示した(データ9)よりpH6.5の洗浄液では洗浄効果が見られないが、pH8.5の洗浄液では洗浄効果が見られることが判った。前述の通り、pH6.5の洗浄液にはpH8.5の洗浄液と比較して多くの溶存酸素が含まれているが、pHが低い為に油の可溶化が不十分であることが原因で、洗浄効果が見られなかった。陽極水で一定の洗浄力を確保するには、図11の(データ9)よりpHは7以上であることが望ましく、さらに、図5の(データ8)よりアルミニウム又はアルミニウム合金を侵食させずに脱脂を行うには、陽極水のpHを7から11にすることが望ましい。
<電気伝導度について>
洗浄効果を有する陽極水のpH及び溶存酸素濃度を得るために必要な滞留時間×電流密度は1.3〜60secA/dm2であるが、陽極水を規定のpHにするためには、図12に示した(データ10)に見られるように、電解前の炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムの電気伝導度の範囲を10〜300mS/mにすることが望ましい。
<装置の構成について>
次に、本発明に係る洗浄用電解水の生成装置を図面と共に説明すると、図1は本発明の装置の全体を説明した構成図であって、図中、1は有隔膜電解槽(以下単に電解槽と言う)で、1Tはその電解槽1の内部を陽極室1Aと陰極室1Bの2室に仕切る隔膜で、この隔膜1Tは電気抵抗が例えば0.01〜0.0001Ωcm2、平均孔径が0.2〜3.5μmに構成されている。
3は水道水又は純水に対して、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等から成る電解質を添加した原水を、上記の電解槽1に供給する給水パイプで、3Aと3Bはこの給水パイプ3に通じる各陽極室1Aと陰極室1Bの入水口(入水パイプ)を示す。
5は上記の電解質を収容した電解質タンク、6は電解質供給用のポンプで、このポンプ6は制御プログラムを格納した制御基板10からの指令に従って、必要量の電解質を逆止弁(図示省略)を備えた添加パイプ6Pを通して上記の水道水、又は、純水に添加することにより、電気伝導度が例えば10〜300mS/mになるように調整した原水を作って、上記電解槽1に給水する仕組に成っている。
また、4Aと4Bは上述した各陽極室1Aと陰極室1Bの取出し側に接続した出水口(出水パイプ)で、これ等各出水口4A,4Bの経路途中には、前記の制御基板10によって制御可能に構成した流量センサと水量調節バルブ(いずれも図示省略)が夫々設けられている。12と13は上記給水パイプ3に設けた流量検知センサと水量調節弁で、これ等のセンサ12と調節弁13も上記の制御基板10に接続されていて、水道水又は純水の給水量を調節可能に構成している。
9は上記陽極室1Aと陰極室1Bの内部に設けた各電極2A,2B用の電源基板、7と8は各電極2A,2Bと電源基板9の間に接続した電流センサと電流可変回路であって、この電源基板9は上述した制御基板10に接続されて、各電極2A,2Bに供給する電流を調節可能に構成している。
11はpH及び酸素濃度調整スイッチを備えた上記制御基板10の操作基板であって、制御基板10には前記請求項3乃至5で述べた各制御手段を実行するためのプログラムが格納されている。
即ち、制御基板10には、上記流量検知センサ12が検出した単位時間当りの原水の流量、及び、電解槽1の体積とから算出された電解槽内滞留時間と、上記電流センサ7の検出による両電極2A,2Bの間を流れる電流値及び電極面積とから算出された電流密度との積値を演算する積値算出手段と、これ等滞留時間と電流密度の積値が1.3〜60secA/dm2となると共に、陰極室1B内で生成される電解アルカリ水のpHが7〜11の範囲内となるように、上記電流可変回路8及び水量調節弁13を制御して、両電極2A,2Bの間の電流値、又は、原水流量のいずれか一方、又は、両方を制御する制御手段を実行するためのプログラムが格納されている。
また、上記滞留時間と電流密度の積値は、上述した1.3〜60secA/dm2の範囲内に於いて、上記操作基板11によって任意に調節可能に構成されている。
<装置への運用に関して>
通常、電解槽1の体積と電極2A,2Bの面積は実運用装置においては不変である場合が多いので、実際は電解電流と生成水量をコントトロールし、電解槽1の体積と電極2A,2Bの面積は計算式に予め入力しておく。また、装置の運用によっては電解槽1の仕様を変更する場合もあり、その際は計算式を自動若しくは手動で変更する事も必要である。
最初に電流を固定した状態での制御方法について記述する。
電流値を固定した状態(定電流電源等)で溶存酸素濃度をコントロールするためには、電流センサ7から得られた電流値と、予め入力されている電極板2A,2Bの面積から電流密度を計算し、流量検知センサ12によって得られた単位時間当りの水量と、同じく予め入力されている電解槽1の体積から電解槽内滞留時間を計算した上で、必要となる溶存酸素濃度と計算により得られた電流密度から適正な滞留時間を割り出し、水量調節弁13を開閉させて電解槽1の滞留時間のコントロールを行う。
水量調節弁13によるコントロールは、コスト等により限られた電源容量の中で、幅広い溶存酸素濃度を得るのに有効である。
次に生成水量を固定した状態での制御方法について記述する。
水量を固定した状態で溶存酸素濃度をコントロールするためには、流量検知センサ12から得られた水量と、予め入力されている電解槽1の体積から電解槽滞留時間を計算し、同じく予め入力されている電極2A,2Bの面積から電流密度を計算した上で、必要となる溶存酸素濃度と計算により得られた電解槽滞留時間から適正な電流密度を割り出し、電流可変回路8により電解電流のコントロールを行う。
電流可変回路8によるコントロールは、電流容量に余裕がある場合に行うのが望ましい。また、上記水量調節弁13によるコントロールでは、低い溶存酸素濃度時と高い溶存酸素濃度時において生成水量に差が発生するが、電流可変式においてはこの現象が無いため、生成水量を一定にする方法としては有効である。
尚、上記2点の方法を組み合わせ、電流と水量双方をコントロールして制御を行う方式も可能である。この場合2方法の中間の特性を示す。
また、上記電解質添加に使用するポンプ6の吐出量は、それぞれの条件において必要とされる電流値を得るために適量添加する必要がある。添加量は電流センサ7から得られた電解電流値を元に、規定の電流に達していなければ増加させる制御を行うことが望ましい。従って原水の電気伝導度により電解質を添加しなくても規定電流値に達している場合等は、特に添加の必要は無い。
本発明に係る洗浄用電解水の生成装置の構成を説明した全体構成図。 アルミウムの腐食速度を表わした(データ1)のグラフ。 陰極水と希釈電解水と低電気量電解水の洗浄率を表わした(データ2)のグラフ。 各電解水とpH及び溶存酸素濃度の関係を示した(データ3)の表図。 電解水のpHと腐食程度の関係を説明した(データB)の表図。 溶存酸素の有無による洗浄率の関係を表わした(データ4)のグラフ。 陽極水と陰極水の洗浄率を比較した(データ5)のグラフ。 電流密度と溶存酸素濃度の関係を表わした(データ6)のグラフ。 滞留時間×電流密度と溶存酸素濃度の関係を表わした(データ7)のグラフ。 溶存酸素濃度と洗浄率の関係を表わした(データ8)のグラフ。 電解水のpHと洗浄率の関係を表わした(データ9)のグラフ。 原水の電気伝導度とpHの関係を表わした(データ10)のグラフ。 純酸素の飽和溶解濃度を表わした(データA)のグラフ。
符号の説明
1 有隔膜電解槽
1T 隔膜
1A 陽極室
1B 陰極室
2A,2B 電極
3 給水パイプ
5 電解質タンク
6 電解質供給用ポンプ
7 電流センサ
8 電流可変回路
9 電源基板
10 制御基板
11 pH及び酸素濃度調整スイッチを備えた操作基板
12 流量検知センサ
13 水量調節弁

Claims (6)

  1. 炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを水道水、或は、純水に添加した原水を、陽陰両極間に隔膜が存在する有隔膜電解槽に入れて電気分解することによって、陽極側で生成される弱アルカリ性又は中性の洗浄用電解水であって、
    上記電解水の溶存酸素濃度が10〜35mg/lであり、pHが7〜11であることを特徴とする洗浄用電解水。
  2. 炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを水道水、或は、純水に添加した原水を、陽陰両極間に隔膜が存在する有隔膜電解槽に入れて電気分解することによって、陽極側で生成される弱アルカリ性又は中性の洗浄用電解水の生成方法であって、
    上記原水の電気伝導度を10〜300mS/mになるように調整すると共に、上記有隔膜電解槽の陽陰両極間に流れる電流密度と、上記原水の電気分解時における槽内滞留時間とを乗じた積が、1.3〜60secA/dm2となるように設定することを特徴とする弱アルカリ性又は中性の洗浄用電解水の生成方法。
  3. 炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを水道水、或は、純水に添加した原水を、陽陰両極間に隔膜が存在する有隔膜電解槽に入れて電気分解することによって、陽極側で生成される弱アルカリ性又は中性の洗浄用電解水の生成装置であって、
    両極間を流れる電流を検知する電流検知部と、
    原水の単位時間当たり流量を検知する流量検知部と、
    原水の水量を調節する自動水量調節弁と、
    上記単位時間当り流量と電解槽体積とから算出された電解槽内滞留時間と、両極間を流れる電流値と電極面積とから算出された電流密度とを乗じた積を演算する滞留時間と電流値の積値算出手段とを備え、
    上記滞留時間と電流密度の積値が所定の値となるように、上記両電極間の電流値、又は、上記原水流量のいずれか一方又は両方を制御するように構成したことを特徴とする洗浄用電解水の生成装置。
  4. 上記滞留時間と電流密度を乗じた積が1.3〜60secA/dm2となり、生成された電解水のpHが7〜11で、且つ、溶存酸素濃度が10〜35mg/1となるように、上記両電極間の電流値、又は、上記原水流量のいずれか一方又は両方を制御するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の洗浄用電解水の生成装置。
  5. 上記滞留時間と電流密度を乗じた積を、任意の積値に選択可能にする選択手段を備えて成ることを特徴とする請求項3又は4に記載の洗浄用電解水の生成装置。
  6. 洗浄する対象物が、アルミニウム材及びアルミニウム合金材であることを特徴とする請求項〜5のいずれか一つに記載の洗浄用電解水の生成装置
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