JP6447071B2 - 超音波診断装置、超音波画像処理方法、および、プログラム - Google Patents
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Description
例えば、被検体に対し穿刺針を鈍角に刺入することなく超音波ビームと穿刺針との角度を大きくするため、超音波ビームの送信方向を変更する方法が提案されている(特許文献1)。また、フレーム間で差分がある箇所を穿刺針が動いた画像領域として強調させる方法が提案されている(特許文献2〜4)。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被検体など超音波診断装置の被写体内における、穿刺針等の対象物の視認性を向上し、より使い勝手のよい超音波診断装置およびその超音波画像処理方法を提供することを目的とする。
穿刺針の視認性向上については、以下のような検討がなされていた。
一つは、超音波ビームと穿刺針との角度を大きくとる方法である。単純には、図18(a)の超音波画像601に示すように、穿刺針602を皮膚表面に対し水平に寝かして挿入することで、超音波ビーム603に対する角度を大きくすることが考えられる。しかしながら、穿刺針602を水平に寝かすことで、皮膚表面から被検体の体内組織までの穿刺針602の経路長が長くなってしまい、組織の損傷量が増える問題がある。そこで、特許文献1の技術では、図18(b)の超音波画像611に示すように、超音波ビーム613の進行方向を皮膚表面に対して直交する向きではなく斜め向きとすることで、穿刺針612を皮膚表面に対し斜めに挿入しても超音波ビームと穿刺針との角度を大きくとれるようにしている。しかしながら、図18(c)の超音波画像621に示すように、穿刺針622を皮膚表面に直交する向きに近づけようとすると、超音波ビーム623を皮膚表面に対し水平に近づける必要が生じ、画像化できない領域が増える問題がある。また、超音波探触子が、素子が二次元的に配置されるマトリクス型ではなく一次元的に配置されるリニア型やコンベックス型の場合、超音波ビームの向きを振動素子の配列方向と直交する向きには制御できないため、超音波探触子の振動素子の配列方向と穿刺針を寝かせる向きが直交するような交差法に対しては、効果を得ることができない。
以下、実施の形態に係る超音波診断装置および超音波画像処理方法、および超音波画像処理プログラムについて図面を用いて詳細に説明する。
本実施の形態に係る超音波診断装置は、超音波探触子を用いて被写体に超音波を送信し反射超音波から得られるフレーム受信信号に強調処理を行って超音波画像を生成する超音波診断装置であって、生成された時刻の異なる2以上のフレーム受信信号を取得する超音波信号取得部と、前記2以上のフレーム受信信号から、フレーム内における被写体像の動きを示す動き量の算出を画素領域毎に行って、フレーム内の各画素領域の動き量をマッピングした第1の動き量マップを生成する動き量マップ生成部と、過去に算出した各画素領域の動き量に基づいて演算された第2の動き量マップを保持するとともに、前記第1の動き量マップと、前記第2の動き量マップとにおける、各画素領域の動き量を用いて演算して第3の動き量マップを求める動き量マップ演算部と、前記第3の動き量マップを用いて、前記2以上のフレーム受信信号のうち少なくとも1つに対して強調処理を行って超音波画像を生成する超音波画像強調部とを備え、前記動き量マップ演算部は、前記第3の動き量マップを、次の演算に用いるための第2の動き量マップとして保持することを特徴とする。
また、別の態様では、前記所定の減衰率は、前記フレーム受信信号のフレームレートに依存する、としてもよい。
また、別の態様では、前記動き量マップ演算部による演算は、前記第2の動き量マップと前記第1の動き量マップとのアルファブレンド処理である、としてもよい。
また、別の態様では、前記アルファブレンドのアルファ値は、前記フレーム受信信号のフレームレートに依存する、としてもよい。
また、別の態様では、さらに、前記動き量マップ生成部が生成した前記第1の動き量マップの各動き量に対し、前記2以上のフレーム受信信号のうちいずれかのフレーム受信信号における該当する位置の画素の輝度値に基づいて重みづけし、重みづけ後の第1の動き量マップを前記動き量マップ演算部に出力する動き量重みづけ部を備える、としてもよい。
また、別の態様では、前記超音波探触子が前記被写体表面上を動いているときにその動きを示す超音波探触子の動き量を検出し、前記動き量マップ演算部が生成した前記第3の動き量マップの動き量を前記超音波探触子の動き量に関する非増加関数に基づいて調整し、調整後の第3の動き量マップを前記超音波画像強調部に出力する強調量調整部をさらに備える、としてもよい。
また、別の態様では、前記超音波探触子は、前記超音波探触子の位置または前記超音波探触子の向きを検出するセンサをさらに備え、前記強調量調整部は、前記センサのセンサ値を前記超音波探触子の動き量とする、としてもよい。
また、別の態様では、前記超音波画像強調部は、前記第3の動き量マップにおける当該画素領域の動き量が所定の閾値以上である画素領域に対して強調処理を行う、としてもよい。
また、別の態様では、前記超音波画像強調部は、前記第3の動き量マップにおいて動き量が最大である画素領域に対するアイコンの重畳と、当該画素領域における前記アイコンに基づく画素値の変化とによって強調処理を行う、としてもよい。
本実施の形態に係る超音波画像処理方法は、超音波探触子を用いて被写体に超音波を送信し反射超音波から得られるフレーム受信信号に強調処理を行って超音波画像を生成する超音波画像処理方法であって、生成された時刻の異なる2以上のフレーム受信信号を取得し、前記2以上のフレーム受信信号から、フレーム内における被写体像の動きを示す動き量の算出を画素領域毎に行って、フレーム内の各画素領域の動き量をマッピングした第1の動き量マップを生成し、前記第1の動き量マップと、過去に算出した各画素領域の動き量に基づいて演算され保持されている第2の動き量マップとにおける、各画素領域の動き量を用いて演算して第3の動き量マップを求め、前記第3の動き量マップを用いて、前記2以上のフレーム受信信号のうち少なくとも1つに対して強調処理を行って超音波画像を生成し、前記第3の動き量マップを、次の演算に用いるための第2の動き量マップとして保持することを特徴とする。
以下、本実施の形態に係る超音波診断装置について、図面を参照しながら説明する。
<構成>
<超音波診断装置100>
図1は、超音波診断装置100の構成を示すブロック図である。超音波診断装置100は、超音波送受信部2、送受信制御部3、Bモード画像生成部4、Bモード画像取得部5、強調量マップ生成部6、Bモード画像強調部7、表示制御部8を備える。また、超音波送受信部2には超音波探触子1が、強調量マップ生成部6には図示しない制御部を介して操作部9が、表示制御部8には表示部10が、各々接続可能に構成されている。図1は超音波診断装置100に超音波探触子1、操作部9、表示部10が接続された状態を示している。
RF信号とは、例えば、超音波の送信方向であって振動子配列と垂直な方向からなる複数の信号からなり、各信号は反射超音波の振幅から変換された電気信号をA/D変換したデジタル信号である。
送受信制御部3は、送信制御信号および受信制御信号を生成し、超音波送受信部2へ出力する。本実施の形態では、送信制御信号及び受信制御信号は、送受信のタイミング等を示す情報を含む。
Bモード画像生成部4は、各フレームの音響線信号に対して、その強度に対応した輝度信号へと変換し、その輝度信号に対して直交座標系への座標変換を施すことでBモード画像信号を生成する。Bモード画像生成部4は、生成した各フレームのBモード画像をBモード画像取得部5に出力する。具体的には、Bモード画像生成部4は、音響線信号に対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施して輝度変換し、その輝度信号に直交座標系への座標変換を施すことでBモード画像信号を生成する。すなわち、Bモード画像信号は、超音波受信信号の強さを輝度によって表したものである。Bモード画像生成部4にて生成されたBモード画像信号は、超音波走査が行われる毎に時系列にBモード画像取得部5に送信される。
また、本明細書においては、Bモード画像信号、又はBモード画像信号を生成するベースとなる音響線信号を、受信信号(超音波受信信号)と総称する。
操作部9は、強調量マップ生成部6に「強調強度」「残像時間」「強調色」のパラメータを入力するためのインターフェースであり、例えば、トラックボール、マウスなどのポインティングデバイスである。
表示部10は、表示制御部8に接続される画像表示装置であり、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。なお、表示部10と操作部9とは、一体化したタッチパネルとして実現されてもよい。
次に、強調量マップ生成部6の構成について説明する。
図2は、強調量マップ生成部6のブロック図である。強調量マップ生成部6は、動き量マップ生成部61、動き量マップ演算部65、強調量割り当て部68から構成される。
動き量マップ生成部61は、Bモード画像取得部5に記憶されている2枚のBモード画像から動き量マップを生成する。動き量マップとは、2枚のBモード画像の差分から生成され、画素領域単位の動き量を示すマップである。動き量とは、Bモード画像信号における対象物の動きを示す値である。本実施の形態では、2枚のBモード画像における輝度値の二乗誤差である。なお、画素領域とは、強調量マップの処理やBモード画像の強調処理などを行う際の最小単位となる、1以上の画素からなる領域である。本実施の形態では、画素領域は1画素であり、画素領域単位の処理は画素単位の処理と同じである。
動き量算出部62は、Bモード画像取得部5がBモード画像信号を取得すると、当該最新フレームのBモード画像信号と、1つ前のフレームのBモード画像信号との差分から、動き量マップを生成する。
動き量ホールド部66は、動き量マップ生成部61から取得した動き量マップ(以下、「第1の動き量マップ」と呼ぶ)と、動き量ホールド部66に内蔵された記憶媒体が保持しているホールドマップ(以下、「第2の動き量マップ」と呼ぶ)とから、新たなホールドマップ(以下、「第3の動き量マップ」と呼ぶ)を生成する。具体的には、動き量ホールド部66は、画素ごとに、第1の動き量マップの動き量と第2の動き量マップの動き量とのうちのいずれか大きな値を算出し、算出された動き量を用いて第3の動き量マップを生成する。生成された第3の動き量マップは、ホールド量減衰部67と強調量割り当て部68とに出力される。
動き量算出部62、動き量絞り込み部63、動き量調整部64、動き量ホールド部66、ホールド量減衰部67、強調量割り当て部68はそれぞれ、例えば、メモリと、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphic Processing Unit)などのプログラマブルデバイスとソフトウェア、あるいは、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Ingegrated Circuit)などのハードウェアにより実現される。なお、動き量ホールド部66は、例えば、RAMや、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどで構成される記憶装置を有している。
最初に、「強調強度」「残像時間」「強調色」の各パラメータの設定を受け付ける。具体的には、例えば、図11に示す設定画面を表示部10に表示して、強調強度はスライドバー401、残像時間はスライドバー402、強調色はラジオボタン403、404をそれぞれ用いて、操作者からの入力を操作部9から受け付ける。「強調強度」は強調効果の強さ、「残像時間」は強調効果を残す時間、「強調色」は色を付けるか否か、をそれぞれ表すパラメータである。入力がない場合は、超音波診断装置100に予め設定された値が用いられる。
まず、受信信号を取得する(ステップS101)。具体的には、超音波探触子1を被写体表面に配置し、超音波送受信部2が送信処理を行うことで超音波探触子1から超音波を被写体内に送信し、超音波探触子1を介して被写体からの反射超音波に基づき受信処理を行うことで音響線信号を生成する。この送信処理および受信処理を超音波探触子1の振動子数等に応じた回数だけ繰り返す走査を行うことで、1つの音響線信号からなるフレームを構築する。そして、走査が行われる毎に構築したフレームの音響線信号をBモード画像生成部4に出力する。Bモード画像生成部4は、フレームの音響線信号を入力としてBモード画像信号を生成し、走査が行われる毎に時系列にBモード画像取得部5へ出力する。
次に、動き量絞り込み部63が動き量の絞り込みを行う(ステップS103)。具体的には、動き量算出部62から動き量マップを、Bモード画像取得部5から最新フレームのBモード画像信号を、それぞれ取得して、Bモード画像信号の輝度に基づいて、動き量マップへの重みづけを行う。動き量マップとBモード画像信号の例を図4(a)、図4(b)にそれぞれ示す。図4(b)に、先端部200cと針管部200bとを含む穿刺針200が描画されている。先端部200cの輝度は、針管部200bの輝度よりも高い(なお、図4(b)は、輝度の高い画素を黒く、輝度の低い画素を白く示している。図9(a)、図9(b)を除く他のBモード画像信号についても同様)。図4(a)において、破線200aは穿刺針の位置を示しており、穿刺針上に動き量の存在する(0ではない)領域302と、穿刺針とは異なる領域に動き量の存在する領域303が示されている。重みづけを行った結果を図4(c)に示している。先端部200c上の領域311の動き量と、針管部200b上の領域312の動き量とが大きな値のままとなる一方、穿刺針とは異なる領域313では、輝度が低いために動き量が小さくなる。結果として、動き量のある領域を穿刺針上と推測される画素上に絞り込むことができる。
最後に、ホールド量減衰部67は、第3の動き量マップを減衰させる(ステップS108)。具体的には、「残像時間」とフレームレートに依存した減衰率に基づいて、第3の動き量マップの各画素領域に対応する動き量を減衰させる。減衰後の第3の動き量マップは、動き量ホールド部66に内蔵された記憶媒体に保持され、次のフレームにおいて第2の動き量マップとして用いられる。図10に模式図を示す。第1の動き量マップ1aと第2の動き量マップ2aに基づく第3の動き量マップ3aは、ホールド量減衰部67によって動き量を減衰されて、動き量ホールド部66に内蔵された記憶媒体に保持される。保持された減衰後の第3の動き量マップ3aは、次のフレームにおいて、第2の動き量マップ2bとして、第1の動き量マップ1bとともに第3の動き量マップ3bを生成するために用いられる。同様に、第3の動き量マップ3bは、ホールド量減衰部67によって動き量を減衰されて、動き量ホールド部66に内蔵された記憶媒体に保持される。結果、減衰後の第3の動き量マップ3bは、次のフレームにおいて、第2の動き量マップ2cとして、第1の動き量マップ1cとともに第3の動き量マップ3cを生成するために用いられる。そのとき、第3の動き量マップ3aが第2の動き量マップ2bとなる際に、および、第3の動き量マップ3bが第2の動き量マップ2cとなる際に、それぞれ、動き量が減衰される。そのため、第1の動き量マップ1aの動き量の第3の動き量マップに与える影響は、第3の動き量マップ3a、3b、3cとフレームが更新される毎に小さくなる。したがって、「残像時間」の間だけの強調を行うことができる。
上記構成により、第3の動き量マップには穿刺針の動きが時系列的に蓄積される。そのため、空間的に疎らでは無く集まった強調効果を実現でき、穿刺針の視認性を向上させることができる。一方で、第2の動き量マップにおいて、以前の第1の動き量マップに由来する動き量は、フレームが更新される毎に減少する。そのため、強調効果は残像として残り、すぐに消えてしまうことはない一方で、長期間残り続けることもない。
≪変形例≫
<構成>
変形例に係る超音波診断装置110のブロック図を図12に示す。なお、図1と同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
強調量マップ生成部16のブロック図を図13に示す。なお、図2と同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
強調量マップ生成部16は、動き量マップ演算部65に替えて動き量マップ演算部165を備えることを除き、強調量マップ生成部6と同様の構成である。動き量マップ演算部165は、アルファブレンド部166と動き量マップ保持部167とを備える。
<動作>
最初に、「強調強度」「残像時間」「強調色」の各パラメータの設定を受け付ける。詳細は実施の形態1と同様であるので省略する。
まず、受信信号を取得する(ステップS101)。
次に、動き量算出部62が動き量マップを生成する(ステップS102)。
次に、動き量調整部64が動き量の調整を行う(ステップS104)。
次に、アルファブレンド部166は、第3の動き量マップを生成する(ステップS205)。具体的には、画素領域ごとに、動き量マップ生成部61が生成する第1の動き量マップの動き量と、動き量マップ保持部167に保持されている第4の動き量マップの動き量とを、(1−α)対αの比率で線形結合した値を第3の動き量マップの動き量とする合成処理を行う。これにより、動きが時系列的に連続する領域を強調でき、動きが時系列的に疎らな領域についての強調は抑制される。
次に、Bモード画像強調部7は、強調量マップに基づいて強調処理を行う(ステップS107)。
最後に、動き量マップ保持部167は、第3の動き量マップを第4の動き量マップとして保持する(ステップS208)。
本変形例における第4の動き量マップは1つ前のフレームにおける第3の動き量マップであり、ホールド量減衰部67によって動き量を減衰されていない点を除いて第2の動き量マップと同等である。これは、アルファブレンド部166におけるアルファ値αがホールド量減衰部67の減衰率の効果を備えているためである。すなわち、1つ前のフレームにおける第3の動き量マップにおける動き量に減衰率が積算されて新たな第3の動き量マップに反映されるように、1つ前のフレームにおける第3の動き量マップにおける動き量にアルファ値αが積算されてから新たな第3の動き量マップに反映される。これにより、第4の動き量マップ(1つ前のフレームにおける第3の動き量マップ)が新たな第3の動き量マップに及ぼす効果がアルファ値αによって減衰している。
≪実施の形態2≫
<構成>
実施の形態2に係る超音波診断装置100Aのブロック図を図15に示す。なお、図1と同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
音響線信号取得部5Aは、超音波走査が行われる毎に時系列に生成される各フレームの音響線信号を記憶するバッファである。
Bモード画像生成部4Aは、音響線信号強調部7Aが強調処理を行った音響線信号に対して、その強度に対応した輝度信号へと変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことでBモード画像信号を生成する。Bモード画像生成部4Aは、超音波送受信部2が生成する音響線信号に替えて音響線信号強調部7Aが強調処理を行った音響線信号をBモード画像に変換することを除き、Bモード画像生成部4と同様の動作を行う。
最初に、「強調強度」「残像時間」「強調色」の各パラメータの設定を受け付ける。詳細は実施の形態1と同様であるので省略する。
次に、受信信号に対する動作について説明する。図16は、フレーム毎の超音波診断装置100Aの動作を示すフローチャートである。なお、図3と同じ動作については同じステップ番号を用い、詳細な説明を省略する。
次に、強調量マップ生成部6Aが動き量の絞り込みを行う(ステップS303)。Bモード画像信号に基づく動き量マップに替えて音響線信号に基づく動き量マップを、Bモード画像信号の輝度に替えて音響線信号の強度をそれぞれ用いる以外はステップS103と同様であるので詳細な説明を省略する。
次に、強調量マップ生成部6Aは第3の動き量マップを生成する(ステップS105)。
次に、音響線信号強調部7Aは、強調量マップに基づいて強調処理を行う(ステップS307)。Bモード画像信号に替えて音響線信号を強調する以外はステップS107と同様であるので詳細な説明を省略する。
最後に、強調量マップ生成部6Aは、第3の動き量マップを減衰させる(ステップS108)。
実施の形態2では、Bモード画像信号を生成する前の音響線信号に対して強調処理を行った。このようにすることで、例えば、Bモード画像生成部4Aや表示制御部8が超音波診断装置100Aの外部に存在するような場合であっても、穿刺針の強調処理を行うことができる。
(1)実施の形態1、2および変形例では、強調量割り当て部68が「強調強度」のパラメータの設定に基づき、動き量に関する非減少関数に基づいて、第3の動き量マップの動き量を「強調色」の設定が有効である場合には色調を示す強調量に、「強調色」の設定が無効である場合には輝度値に対する強調量に変換する場合について説明した。しかしながら、強調量の割り当ては上述の例には限られない。例えば、動き量が所定の閾値以上の領域に対して色調を示す強調量を割り当てる、または、輝度値に対する強調量を割り当てる、としてもよい。または、「強調色」の設定が有効である場合に、色調を示す強調量と輝度値に対する強調量の双方を割り当てるとしてもよい。または、動き量が所定の閾値以上の領域にアイコンを重畳する旨の強調量を割り当てる、としてもよい。図17は、Bモード画像信号501において、動き量が所定の閾値以上の領域である穿刺針502の先端に円形のアイコン503を重畳した例を示す。なお、動き量が所定の閾値以上の領域に替えて、動き量がBモード画像信号中で最大である領域にアイコンを重畳する旨の強調量を割り当てる、としてもよい。また、アイコンを重畳する旨の強調量の割り当てと、色調を示す強調量の割り当て、または、輝度値に対する強調量を割り当てとの両方を行ってもよい。
(3)実施の形態1、2および変形例では、動き量絞り込み部63が、動き量算出部62から動き量マップを、Bモード画像取得部5から最新フレームのBモード画像信号を、それぞれ取得して、Bモード画像信号の輝度に基づいて、動き量マップへの重みづけを行う場合について説明した。しかしながら、動き量の絞り込みの方法は、上述の例には限られない。例えば、動き量絞り込み部63は、輝度値に対する非減少関数を用いて動き量マップ中の各画素領域に対して重みづけを行ってもよい。また、例えば、動き量絞り込み部63は、輝度値が所定の値未満の画素領域について動き量を0とするような絞り込みを行ってもよい。このようにすることで、動き量を輝度値の高い領域のみに絞り込むことができる。
(10)実施の形態2では、音響線信号に対して強調処理を行う場合について説明したが、強調処理の対象は音響線信号に限られない。例えば、音響線信号に対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施して輝度変換した受信信号に対して強調処理を行い、強調処理後の受信信号を直交座標系に座標変換してBモード画像信号を生成してもよい。また、例えば、音響線信号を直交座標系に座標変換した受信信号に対して強調処理を行い、強調処理後の受信信号に対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施して輝度変換してBモード画像信号を生成してもよい。すなわち、音響線信号に対してBモード画像信号に変換する途上の任意の状態の受信信号に対して強調処理を行い、強調処理後の受信信号をBモード画像信号に変換してもよい。
(12)実施の形態1、2および変形例では、超音波診断装置が超音波探触子1と操作部9と表示部10とに接続される構成であるとしたが、必ずしもこの構成に限られない。例えば、超音波探触子1と操作部9と表示部10の一部または全部を備えていてもよい。または、超音波診断装置は、超音波探触子1、超音波送受信部2、送受信制御部3、Bモード画像生成部4を備えず、外部から直接Bモード画像を取得する構成であるとしてもよい。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、各実施の形態および各変形例に係る超音波診断装置は、記録媒体に書き込まれたプログラムと、プログラムを読み込んで実行するコンピュータとで実現されてもよい。コンピュータは、メモリと、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphic Processing Unit)などのプログラマブルデバイスを含む。記録媒体は、メモリカード、CD−ROMなどいかなる記録媒体であってもよい。また、本開示に係る超音波診断装置は、ネットワークを経由してダウンロードされるプログラムと、プログラムをネットワークからダウンロードして実行するコンピュータとで実現されてもよい。
さらに、超音波診断装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。尚、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
1 超音波探触子
2 超音波送受信部
3 送受信制御部
4、4A Bモード画像生成部
5 Bモード画像取得部
5A 音響線信号取得部
6、6A、16 強調量マップ生成部
61 動き量マップ生成部
62 動き量算出部
63 動き量絞り込み部
64 動き量調整部
65、165 動き量マップ更新部
66 動き量ホールド部
67 ホールド量減衰部
166 アルファブレンド部
167 動き量マップ保持部
68 強調量割り当て部
7 Bモード画像強調部
7A 音響線信号強調部
8 表示制御部
9 操作部
10 表示部
Claims (20)
- 超音波探触子を用いて被検体と前記被検体に対して相対移動する対象物とを含む被写体に超音波を送信し、反射超音波から得られるフレーム受信信号に強調処理を行って、前記対象物の像を強調した超音波画像を生成する超音波診断装置であって、
生成された時刻の異なる2以上のフレーム受信信号を取得する超音波信号取得部と、
前記2以上のフレーム受信信号から、フレーム内における被写体像の動きを示す動き量の算出を画素領域毎に行って、フレーム内の各画素領域の動き量をマッピングした第1の動き量マップを生成する動き量マップ生成部と、
過去に算出した各画素領域の動き量に基づいて演算された第2の動き量マップを保持するとともに、前記第1の動き量マップと、前記第2の動き量マップとにおける、各画素領域の動き量を用いて演算して第3の動き量マップを求める動き量マップ演算部と、
前記第3の動き量マップを用いて、前記2以上のフレーム受信信号のうち少なくとも1つに対して強調処理を行って超音波画像を生成する超音波画像強調部と
を備え、
前記動き量マップ演算部は、前記第3の動き量マップを、次の演算に用いるための第2の動き量マップとして保持する
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記動き量マップ演算部は、前記第2の動き量マップに含まれる画素領域の動き量を所定の減衰率に基づいて減少させた動き量と、前記第1の動き量マップに含まれる当該画素領域の動き量とのうち、いずれか大きな値を前記第3の動き量マップにおける当該画素領域ごとの動き量とする
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記所定の減衰率は、前記フレーム受信信号のフレームレートに依存する
ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。 - さらに、前記所定の減衰値の入力を受け付ける操作部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。 - 前記動き量マップ演算部による演算は、前記第2の動き量マップと前記第1の動き量マップとのアルファブレンド処理である
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記アルファブレンドのアルファ値は、前記フレーム受信信号のフレームレートに依存する
ことを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。 - さらに、前記アルファブレンドのアルファ値の入力を受け付ける操作部を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。 - さらに、前記動き量マップ生成部が生成した前記第1の動き量マップの各動き量に対し、前記2以上のフレーム受信信号のうちいずれかのフレーム受信信号における該当する位置の画素の輝度値に基づいて重みづけし、重みづけ後の第1の動き量マップを前記動き量マップ演算部に出力する動き量重みづけ部を備える
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記動き量重みづけ部は、該当する位置の画素の輝度値が所定の値未満となる動き量に対する重みづけのための重みづけ係数を0とし、絞込み後の第1の動き量マップにおける動き量を、該当する位置の画素の輝度値が所定値より大きい、穿刺針の像が存在する領域に限定する
ことを特徴とする請求項8に記載の超音波診断装置。 - 前記超音波探触子が前記被写体表面上を動いているときにその動きを示す超音波探触子の動き量を検出し、前記動き量マップ演算部が生成した前記第3の動き量マップの動き量を前記超音波探触子の動き量に関する非増加関数に基づいて調整し、調整後の第3の動き量マップを前記超音波画像強調部に出力する強調量調整部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記超音波探触子が前記被写体表面上を動いているときにその動きを示す超音波探触子の動き量を検出し、前記動き量マップ生成部が生成した前記第1の動き量マップの動き量を前記超音波探触子の動き量に関する非増加関数に基づいて調整し、調整後の第1の動き量マップを前記動き量マップ演算部に出力する強調量調整部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記強調量調整部は、前記第1の動き量マップを用いて前記超音波探触子の動き量を算出する
ことを特徴とする請求項10または11に記載の超音波診断装置。 - 前記超音波探触子は、前記超音波探触子の位置または前記超音波探触子の向きを検出するセンサをさらに備え、
前記強調量調整部は、前記センサのセンサ値を前記超音波探触子の動き量とする
ことを特徴とする請求項10または11に記載の超音波診断装置。 - 前記超音波画像強調部は、前記第3の動き量マップにおける当該画素領域の動き量に関する非減少関数に基づき、各画素領域の画素値を変化させることによって強調処理を行う
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記超音波画像強調部は、前記第3の動き量マップにおける当該画素領域の動き量が所定の閾値以上である画素領域に対して強調処理を行う
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記超音波画像強調部は、前記第3の動き量マップにおいて動き量が所定の閾値以上である画素領域に対するアイコンの重畳と、当該画素領域における前記アイコンに基づく画素値の変化とによって強調処理を行う
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記超音波画像強調部は、前記第3の動き量マップにおいて動き量が最大である画素領域に対するアイコンの重畳と、当該画素領域における前記アイコンに基づく画素値の変化とによって強調処理を行う
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の超音波診断装置。 - さらに、前記第2の動き量マップを保持するための記憶媒体を備え、
前記動き量マップ更新部は、第2の動き量マップを前記記憶媒体に書き込むことで保持する
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の超音波診断装置。 - 超音波探触子を用いて被検体と前記被検体に対して相対移動する対象物とを含む被写体に超音波を送信し、反射超音波から得られるフレーム受信信号に強調処理を行って、前記対象物の像を強調した超音波画像を生成する超音波画像処理方法であって、
生成された時刻の異なる2以上のフレーム受信信号を取得し、
前記2以上のフレーム受信信号から、フレーム内における被写体像の動きを示す動き量の算出を画素領域毎に行って、フレーム内の各画素領域の動き量をマッピングした第1の動き量マップを生成し、
前記第1の動き量マップと、過去に算出した各画素領域の動き量に基づいて演算され保持されている第2の動き量マップとにおける、各画素領域の動き量を用いて演算して第3の動き量マップを求め、
前記第3の動き量マップを用いて、前記2以上のフレーム受信信号のうち少なくとも1つに対して強調処理を行って超音波画像を生成し、
前記第3の動き量マップを、次の演算に用いるための第2の動き量マップとして保持する
ことを特徴とする超音波画像処理方法。 - 超音波探触子を介して被検体と前記被検体に対して相対移動する対象物とを含む被写体内の走査範囲に向けて超音波ビームを送信し反射超音波を受信する時系列な超音波走査に基づき生成されたフレーム受信信号を補正する超音波診断装置に用いられるプロセッサに、前記対象物の像を強調する画像処理を行わせるプログラムであって、
前記対象物の像を強調する画像処理は、
生成された時刻の異なる2以上のフレーム受信信号を取得し、
前記2以上のフレーム受信信号から、フレーム内における被写体像の動きを示す動き量の算出を画素領域毎に行って、フレーム内の各画素領域の動き量をマッピングした第1の動き量マップを生成し、
前記第1の動き量マップと、過去に算出した各画素領域の動き量に基づいて演算され保持されている第2の動き量マップとにおける、各画素領域の動き量を用いて演算して第3の動き量マップを求め、
前記第3の動き量マップを用いて、前記2以上のフレーム受信信号のうち少なくとも1つに対して強調処理を行って超音波画像を生成し、
前記第3の動き量マップを、次の演算に用いるための第2の動き量マップとして保持する
ことを特徴とするプログラム。
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