JP5322767B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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この発明は、超音波診断装置に関する。
従来より、超音波診断装置は、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置などの他の医用画像診断装置に比べ、超音波プローブを体表から当てるだけの簡便な操作により、例えば、心臓の拍動や胎児の動きといった検査対象の動きの様子をリアルタイムで表示し、かつ、安全性が高いことから繰り返して検査を行なうことができる装置として、今日の医療において重要な役割を果たしている。また、被曝のおそれがない超音波診断装置には、片手で持ち運べる程度に小型化された装置も開発されており、かかる超音波診断装置は、産科や在宅医療などの医療現場においても容易に使用することができる。
さらに、近年、静脈投与型の超音波造影剤が製品化されたことから、超音波診断装置においても「造影イメージング」が可能となり、「造影イメージング」により生成された造影像は、様々な診断に用いられている。具体的には、造影イメージングにより造影像にて描出された血流動態を参照することにより、医師は、癌の鑑別診断を行なうことが可能となっている。例えば、原発性肝癌の場合、造影像に描出された動脈相の血流情報や門脈相の血流情報を相補的に用いることで、医師は、肝腫瘍の良性悪性の鑑別診断を行なうことができる。
また、ラジオ波焼灼治療(Radiofrequency Ablation:RFA)において、ラジオ波により焼妁された領域が超音波造影剤により染影されないことから、「造影イメージング」は、RFAの効果判定にも用いられている。
また、近年、2次元アレイ振動子超音波プローブなどを用いて超音波を3次元でスキャンすることによりリアルタイムで3次元の超音波画像を生成する超音波診断装置が実用化されており、かかる超音波診断装置にて「造影イメージング」を行なうことで、時間軸に沿った3次元の血流動態を観察することも可能となっている。
ここで、超音波造影剤の多くは、微小気泡(マイクロバブル)を反射源とするものであり、「造影イメージング」では、微小気泡による反射波に由来する非基本波成分(高調波成分など)を用いて造影像が生成される。しかし、微小気泡というデリケートな基材の性質上、通常の診断レベルの超音波照射であっても、音圧による機械的作用によって微小気泡は壊れてしまい、結果的に、スキャン面からの信号強度は、低下してしまう。したがって、血液の灌流動態を動的かつリアルタイムに観察するためには、低音圧の超音波送信によって造影像を生成するなど、スキャンによる微小気泡の崩壊を比較的低減させることが必要となってくる。しかし、低音圧の超音波送信による画像化は、信号・ノイズ比(S/N)も低下してしまうため、種々の信号処理法が考案されている。
かかる信号処理法としては、再灌流(replenishment)法(例えば、特許文献1参照)や、MaxHold処理(例えば、特許文献2参照)などの方法が知られている。
再灌流法は、超音波造影剤の微小気泡が音圧によって崩壊するという特徴を利用し、まず、低音圧照射下でスキャン断面に充満していく微小気泡の動態を観察し、そののち、照射音圧を高音圧に切り替えて、スキャン断面内(厳密には、超音波の照射範囲内)の微小気泡を崩壊させ、再びスキャン断面内に流入していく微小気泡の様子を観察する手法である。
また、微小気泡を用いた「造影イメージング」の特徴は、カラードップラなどの技術では実現できなかった毛細血管などの微小血流を映像化できる点にある。ただし、微小血流内には少数のバブルしか存在しないため、微小血流は、定常的に染影されない。このため、MaxHold処理では、微小血流をより明瞭に映像化した造影像を生成するために、非定常的に映像化されるバブルを時間方向に重畳した画像を生成表示する。具体的には、MaxHold処理では、各ピクセルにて時間とともに変化する輝度の最大値をホールドする処理(最大値輝度保持処理)により、微小血流をより明瞭に映像化した造影像を生成する。なお、MaxHold処理を施行する期間(例えば、10秒間から30秒間)では、被検体は、息止めをする必要があり、検査者は、超音波プローブを固定する必要がある。
ところで、「造影イメージング」においては、バブル由来の信号(非基本波成分)と、組織由来の信号(基本波成分)とを弁別することが必要であるため、一般的には、バブルのみを映像化することに主眼が置かれている。しかし、例えば、超音波造影剤の投与前においては、表示される造影像には、何も描出されていないため、医師は、診断対象となる関心領域のダイナミックな血流情報を正確に捉えられない。また、肝腫瘍を鑑別する場合、超音波造影剤が関心領域に流入してしばらく時間が経過すると、腫瘍と腫瘍の周囲にある実質とが同程度に染影されるため、医師は、造影像のみを参照しても、腫瘍の正確な位置が把握できない。
このため、反射波の基本波成分を用いて組織を映像化した組織像と、造影像とを並列表示する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。かかる技術を用いることで、例えば、超音波造影剤の投与後、一定期間、MaxHold処理により造影像を生成表示する際、様々な表示形態を実行することが可能となる。ここで、現在行なわれている並列表示の形態について、図11、図12および図13を用いて説明する。なお、図11、図12および図13は、従来技術を説明するための図である。
例えば、図11に示す第一の表示形態では、MaxHold処理の施行前後は、MaxHold処理されていない通常の造影像と組織像とを左右にそれぞれ並列表示し、MaxHold処理の施行中は、MaxHold処理された造影像(MaxHold処理造影像)と組織像とを左右にそれぞれ並列表示する。また、図12に示す第二の表示形態では、MaxHold処理の施行前後は、同じ2つの造影像を並列表示し、MaxHold処理の施行中は、MaxHold処理造影像とMaxHold処理されていない造影像とを左右にそれぞれ並列表示する。また、図13に示すに示す第三の表示形態では、MaxHold処理の施行前後は、造影像を単独表示し、MaxHold処理の施行中は、MaxHold処理造影像とMaxHold処理されていない造影像とを左右にそれぞれ並列表示する。
特開平11−155858号公報 特開2004−321688号公報 特開平9−201359号公報
しかしながら、上記した第一、第二および第三の表示形態は、いずれも、医師にとって血流動態を把握することが困難であった。すなわち、第一の表示形態では、医師は、組織像を参照しつつ造影像を参照できるものの、MaxHold処理の施行期間においては、バブル由来の信号が時間方向に重畳された造影像が表示されるため、特に、バブルの流入から流出にいたる血流動態を観察しようとしても、バブルの流出状況を把握することができない。
また、第二の表示形態では、医師は、MaxHold処理の施行期間においてバブルの流入から流出にいたる血流動態を観察できるものの、MaxHold処理の施行前後において同じ造影像が2つ表示されるため表示形態が冗長となり、医師は、血流動態の観察が困難となる。
また、第三の表示形態では、同じ造影像が2つ表示されることによる冗長性を回避し、少なくともMaxHold処理の施行期間において、バブルの情報を描出した造影像の表示位置が変化するため、医師にとっては、血流動態の観察が困難となる。
さらに、上記した第一、第二および第三の表示形態を実行した場合、血流動態を正確に定量解析することができない場合があった。例えば、一般的に普及している超音波診断装置では、モニタに表示された動画像しか保存することができない。したがって、超音波造影剤の時間軸に沿った濃度変化を表すTIC(Time Intensity Curve)により血流動態を定量解析する場合、MaxHold処理施行中に表示された動画像を解析対象から除外したり、解析対象領域を、MaxHold処理施行中だけ変えたりするなどの対応が必要となる。また、反射波のデータ(生データ)を保存可能であるならば、MaxHold処理を施行する場合であっても、改めて、MaxHold処理施行中に収集した反射波のデータから造影像を生成して、定量解析を行なうことが可能であるが、生データを保存可能な機種は、価格帯が高い高級機となってしまう。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、血流動態の観察を保証したうえで、検査後における血流動態の定量解析を簡易に実行することが可能となる超音波診断装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、超音波造影剤を投与した被検体の所定の部位に対して超音波プローブから送信した超音波の反射波を受信して超音波画像を生成する超音波診断装置であって、前記所定の部位を流動する前記超音波造影剤を反射源とする第一の信号と、前記所定の部位に存在する組織を反射源とする第二の信号とを前記反射波から分離して取得する信号取得手段と、前記信号取得手段によって取得された前記第一の信号を用いて、前記反射波受信時における前記超音波造影剤の分布が描出された第一の画像を生成し、前記信号取得手段によって取得された前記第二の信号を用いて、前記反射波の受信時における前記組織の分布が描出された第二の画像を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段によって生成された前記第一の画像および前記第二の画像を、所定の表示部にて並列表示するように制御する表示制御手段と、を備え、前記画像生成手段は、操作者が指定した指定期間において、前記第一の画像に対して前記超音波造影剤の分布が変化する様相を反映させる所定の処理を実行することにより第三の画像を生成し、前記表示制御手段は、前記指定期間において、前記所定の表示部にて表示される画像を前記第二の画像から前記第三の画像に切り替えて表示するように制御するとともに、前記指定期間において順次生成された前記第一の画像を前記指定期間の前にて表示されていた同一位置にて表示するように制御することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、血流動態の観察を保証したうえで、検査後における血流動態の定量解析を簡易に実行することが可能となる。
図1は、実施例1における超音波診断装置の構成を説明するための図である。 図2は、実施例1における画像生成部が実行する画像処理を説明するための図(1)である。 図3は、実施例1における画像生成部が実行する画像処理を説明するための図(2)である。 図4は、実施例1における制御部を説明するための図である。 図5は、実施例1における超音波診断装置の処理を説明するためのフローチャートである。 図6は、実施例2における画像生成部を説明するための図(1)である。 図7は、実施例2における画像生成部を説明するための図(2)である。 図8は、実施例3における画像生成部を説明するための図である。 図9は、実施例3における制御部を説明するための図である。 図10は、実施例3における超音波診断装置の処理を説明するためのフローチャートである。 図11は、従来技術を説明するための図(1)である。 図12は、従来技術を説明するための図(2)である。 図13は、従来技術を説明するための図(3)である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る超音波診断装置の好適な実施例を詳細に説明する。
まず、本実施例における超音波診断装置の構成について説明する。図1は、実施例1における超音波診断装置の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施例における超音波診断装置は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、装置本体10とから構成される。
超音波プローブ1は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、後述する装置本体10が有する送受信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生するとともに、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ1は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材などを有する。
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ1が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁などの表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
なお、本発明は、複数の圧電振動子が一列で配置された1次元超音波プローブである超音波プローブ1により、被検体Pを2次元でスキャンする場合であっても、1次元超音波プローブの複数の圧電振動子を機械的に揺動する超音波プローブ1や複数の圧電振動子が格子状に2次元で配置された2次元超音波プローブである超音波プローブ1により、被検体Pを3次元でスキャンする場合であっても、適用可能である。
入力装置3は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボールなどを有し、超音波診断装置の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して受け付けた各種設定要求を転送する。具体的には、入力装置3は、操作者からの関心領域の設定要求や、各種画像処理の条件設定要求などを受け付ける。
モニタ2は、超音波診断装置の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像を表示したりする。
装置本体10は、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置であり、図1に示すように、送受信部11と、Bモード処理部12と、ドプラ処理部13と、画像生成部14と、画像メモリ15と、制御部16と、内部記憶部17とを有する。
送受信部11は、トリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路などを有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルサ回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、遅延回路は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルサ回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向を任意に調整する。
また、送受信部11は、アンプ回路、A/D変換器、加算器などを有し、超音波プローブ1が受信した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行ない、A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換して受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、加算器は、A/D変換器によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
このように、送受信部11は、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。なお、送受信部11は、後述する制御部16の制御により、遅延情報、送信周波数、送信駆動電圧、開口素子数などを瞬時に変更可能な機能を有している。また、送受信部11は、1フレームもしくはレートごとに、異なる波形を送信して受信することも可能である。
Bモード処理部12は、送受信部11からゲイン補正処理、A/D変換処理および加算処理が行なわれた処理済み反射波信号である反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理などを行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ここで、Bモード処理部12は、検波周波数を変化させることで、映像化する周波数帯域を変えることができる。また、Bモード処理部12は、一つの受信データに対して、2つの検波周波数による検波処理を並列して行うことができる。
このBモード処理部12の機能を用いることにより、超音波造影剤が注入された被検体Pの関心領域にいける一つの受信データから、関心領域を流動する超音波造影剤(微小気泡、バブル)を反射源とする反射波データと、関心領域に存在する組織を反射源とする反射波データとを分離することができ、後述する画像生成部14は、流動するバブルを高感度に映像化した造影像および形態を観察するために組織を映像化した組織像を生成することができる。
ここで、造影像は、主に、非線形信号であるセカンドハーモニック(2次高調波)成分を元に生成されることが多く、形態観察用の組織像は、主に、基本波成分を元に生成される。なお、以下では、造影像を生成するためにBモード処理部12が受信データから分離したセカンドハーモニック成分のBモードデータを、「信号1」と記載し、組織像を生成するためにBモード処理部12が受信データから分離した基本波成分のBモードデータを、「信号2」と記載する。
なお、信号1および信号2は、1つの受信データから、Bモード処理部12のフィルタ処理により分離される場合であってもよいし、後述する制御部16の制御により送受信部11が順次送信した2つの超音波の反射波データから、Bモード処理部12により分離される場合であってもよい。
例えば、セカンドハーモニック成分がより強調された造影像を生成するための映像化手法であるパルスインバージョン法を実行する際、送受信部11は、1回目の送信波形に対して位相を180度ずらした波形(振幅が反転された波形)を2回目に送信し、反射波データをそれぞれ生成する。そして、Bモード処理部12は、送受信部11から受信した2つの反射波データを加算することにより、「基本波成分が抑制され、セカンドハーモニック成分が2倍となった信号」を信号1として取得することができる。また、Bモード処理部12は、送受信部11から受信した2つの反射波データのいずれかより、信号2を分離して取得する。
あるいは、送受信部11が造影像生成用および組織像生成用に最適化された超音波を交互に送信して、反射波データをそれぞれ生成し、Bモード処理部12は、送受信部11から受信した2つの反射波データそれぞれから信号1および信号2を分離して取得する。
あるいは、拍動などによる組織の動きに由来するセカンドハーモニック成分を除去して、バブル由来のみのセカンドハーモニック成分を造影像として映像化するために、送受信部11は、同一位相の波形を連続して2回送信して2つ反射波データを生成し、Bモード処理部12が、送受信部11から受信した2つ反射波データの差分データを生成することで組織の動きに由来するセカンドハーモニック成分を除去し、生成した差分データのセカンドハーモニック成分を信号1として分離する場合であってもよい。
ドプラ処理部13は、送受信部11から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワーなどの移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
画像生成部14は、Bモード処理部12が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像、ドプラ処理部14が生成したドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、または、これらの組み合わせ画像としてのドプラ画像を超音波画像として生成する。
また、画像生成部14は、超音波造影剤が注入された被検体Pに対して、造影イメージングが実行される場合、Bモード処理部12が取得した信号1から造影像を生成し、信号2から組織像を生成する。
さらに、画像生成部14は、造影イメージングが実行される場合に入力装置1が操作者から受け付けた画像処理の条件設定要求に基づいて、操作者が指定した指定期間において、操作者が指定した画像処理により、造影像の画像処理を行なう。また、画像生成部14は、生成した2つの画像を合成した合成画像を生成することも可能である。なお、画像生成部14により実行される指定期間中の画像処理に関しては、後に詳述する。
なお、以下では、造影像のことを「画像1」、組織像のことを「画像2」、造影像に対して操作者が指定した画像処理を施行した結果生成された画像のことを「画像3」と記載する場合がある。
ここで、画像生成部14は、超音波スキャンの走査線信号列を、テレビなどに代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用画像としての超音波画像を生成する。
さらに、超音波プローブ1により被検体Pが3次元で走査されて、3次元の超音波画像データが生成された場合、画像生成部14は、3次元で走査して得られた走査線信号列を、レンダリングと呼ばれる処理によりボリュームデータを生成する機能も有する。
画像メモリ15は、画像生成部14が生成した超音波画像を記憶するメモリであり、異なる送受信条件で得られた画像データを並列に記憶し、検査後、操作者が検査中に記録された画像を呼び出すことが可能となっている。なお、画像メモリ15が記憶する画像データのデータ形式は、後述する制御部16によりモニタ2に表示されるビデオフォーマット変換後のデータ形式であっても、Rawデータである座標変換前のデータ形式でもよい。
制御部16は、超音波診断装置における処理全体を制御する。具体的には、制御部16は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定要求や、後述する内部記憶部17から読込んだ各種制御プログラムに基づき、送受信部11、Bモード処理部12、ドプラ処理部13および画像生成部14の処理を制御したり、画像メモリ15が記憶する超音波画像をモニタ2にて表示するように制御したりする。
具体的には、造影イメージングが実行される場合、制御部16は、各種設定要求や、各種制御プログラムに基づき、送受信部11による超音波の送受信方法や、Bモード処理部12による信号1および信号2を取得するための処理方法や、画像生成部14による造影像および組織像の生成処理や、造影像の画像処理などを制御する。また、制御部16は、モニタ2において、Bモード画像を表示したり、ドプラ画像をカラー表示したり、造影イメージングにより生成された造影像および組織像を並列表示したり、合成画像を表示したりするように制御する。
内部記憶部17は、超音波送受信、画像処理および表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見など)や、診断プロトコルや各種ボディマークなどの各種データを記憶する。また、内部記憶部17は、必要に応じて、画像メモリ15が記憶する画像の保管などにも使用される。なお、内部記憶部17が記憶するデータは、図示しないインターフェース回路を経由して、外部の周辺装置へ転送することができる。
このように、実施例1における超音波診断装置は、造影イメージングを行なうために、超音波造影剤を投与した被検体Pの関心領域に対して超音波プローブ1から送信した超音波の反射波を受信して超音波画像を生成するが、以下で詳細に説明する制御部16の表示制御処理により、血流動態の観察を保証したうえで、検査後における血流動態の定量解析を簡易に実行することが可能となることに主たる特徴がある。
制御部16の表示制御処理について、図2〜4を用いて説明する。なお、図2および3は、実施例1における画像生成部が実行する画像処理を説明するための図であり、図4は、実施例1における制御部を説明するための図である。
まず、例えば、超音波造影剤投与直後から、操作者が超音波プローブ1を被検体Pに当てたのち、超音波画像の撮影開始要求を入力装置3により入力すると、制御部16の制御により、画像生成部14は、造影像(画像1)および組織像(画像2)を時間軸に沿って順次生成して画像メモリ15に格納する。そして、制御部16は、画像メモリ15から造影像(画像1)および組織像(画像2)から順次読み出して、モニタ2にて左右並列してリアルタイムに表示するように制御する。これにより、操作者である医師は、画像2を参照して、関心領域の組織形態を正確に観察することができ、かつ、画像1を参照して関心領域の血流動態を観察することができる。
そして、指定期間(例えば、30秒間)にて、時間軸に沿って順次生成される造影像に対して所定の画像処理を実行する要求を操作者から入力装置3を介して受け付けた場合、制御部16は、画像生成部14に対して、受け付けた画像処理を指定期間にて実行するように制御する。
なお、本実施例では、超音波造影剤投与直後から、超音波画像の撮影が開始され、関心領域に超音波画像が流入して血流動態の観察が可能となった時点で、操作者が指定期間にて画像処理を実行する要求を入力する場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、超音波造影剤投与前から、超音波画像の撮影が開始され、操作者が関心領域の組織形態を観察したうえで、超音波造影剤を投与したのちに、操作者が指定期間にて画像処理を実行する要求を入力する場合であってもよい。また、操作者が画像処理を実行する要求を入力する指定期間の開始時点は、超音波造影剤が投与された被検体Pの関心領域における血流動態および組織形態を観察した操作者が、超音波プローブ1から高音圧の超音波を送信させて関心領域内のバブルを崩壊させ、再度、関心領域に流入するバブルの観察を開始する時点であってもよい。
ここで、所定の画像処理とは、順次生成した造影像に対して超音波造影剤の分布が変化する様相が時間軸方向に保持された情報または時間軸方向に差分された情報を描出するための画像処理のことであり、この画像処理により上記した画像3が生成される。以下、所定の画像処理の4つの具体例を、図2および図3を用いて説明する。なお、所定の画像処理を実行する指定期間では、被検体Pは、息止めをする必要があり、操作者である検査者は、超音波プローブ1を固定する必要がある。
例えば、画像生成部14は、図2の(A)に示すように、指定期間中に順次生成した造影像それぞれを構成する各画素において時間とともに変化する輝度の最大値を保持して画像を生成する最大値輝度保持処理、すなわち、MaxHold処理を実行することで、「画像3」として「MaxHold処理造影像」を生成する。「画像3」としての「MaxHold処理造影像」においては、時間軸に沿って、太い血管から毛細血管にいきわたる微小血流の動態が描出される。
あるいは、画像生成部14は、図2の(B)に示すように、最大値輝度保持処理実行中において、輝度が予め設定された閾値を越えた画素を時間ごとに割り当てられた色調により描出するパラメトリック処理をさらに行なうことで、「画像3」として「パラメトリック処理されたMaxHold処理造影像」を生成する。「画像3」としての「パラメトリック処理されたMaxHold処理造影像」においては、微小血流の動態とともに、超音波造影剤の流入時間の違いが描出される。
あるいは、画像生成部14は、指定期間中に順次生成した造影像それぞれにおける各画素の時間軸に沿った差分情報を算出する処理を実行することで、「画像3」として「差分造影像」を生成する。例えば、画像生成部14は、図3の(A)に示すように、指定期間中に生成された造影像1と造影像2とにおいて対応する画素の輝度を差分することにより、差分造影像1を生成し、同様に、造影像2と造影像3とから差分造影像2を生成する。「画像3」としての「差分造影像」においては、動きがある血流動態、例えば、比較的太い血管における血流動態が主に描出される。
あるいは、画像生成部14は、最大値輝度保持処理によって最初に生成した「MaxHold処理造影像」に対し、2フレーム以降に順次生成した「MaxHold処理造影像」の差分情報を算出する処理を実行することで、「画像3」として「差分MaxHold処理造影像」を生成する。例えば、画像生成部14は、図3の(B)に示すように、指定期間中の1番目のフレームであるMaxHold処理造影像1と2番目のフレームであるMaxHold処理造影像2とにおいて対応する画素の輝度を差分することにより、差分MaxHold処理造影1を生成し、同様に、MaxHold処理造影像1と3番目のフレームであるMaxHold処理造影像3とから差分MaxHold処理造影2をする。「画像3」としての「差分MaxHold処理造影像」においては、例えば、指定期間が、高音圧により超音波造影剤が関心領域にて崩壊した時点から開始されていた場合に、「MaxHold処理造影像1」にて描出されていた超音波造影剤以外の反射源に由来する信号1の情報が除去されることから、血流動態のみが確実に描出される。
ここで、制御部16は、指定期間において、モニタ2に並列表示される画像を、組織像(画像2)から画像3に切り替えて表示させ、さらに、順次生成される造影像(画像1)に関しては、指定期間前の画像1と同一位置にて表示させる。
また、画像生成部14は、指定期間が終了すると、指定期間前と同様に、画像1および画像2を順次生成し、制御部16は、モニタ2に並列表示される画像を、画像3から画像2に切り替えて表示させ、さらに、順次生成される画像1に関しては、指定期間前および指定期間中の画像1と同一位置にて表示させる。
上述した制御部16による表示制御について、改めて、図4を用いて説明する。図4に示すように、制御部16は、指定期間前において、造影像と組織像とをモニタ2の左右それぞれに並列表示させ、指定期間中において、組織像に切り替えて、造影像と画像3とをモニタ2の左右それぞれに並列表示させ、指定期間後において、画像3に切り替えて、再度、造影像と組織像とをモニタ2の左右それぞれに並列表示させる。なお、図4では、造影像がモニタの左側に表示され、組織像または画像3がモニタの右側に表示される場合について説明したが、造影像がモニタの右側に表示され、組織像または画像3がモニタの左側に表示される場合であってもよい。
次に、図5を用いて、実施例1における超音波診断装置の処理について説明する。図5は、実施例1における超音波診断装置の処理を説明するためのフローチャートである。
図5に示すように、実施例1における超音波診断装置は、操作者から入力装置3を介して、超音波画像の撮影開始要求を受け付けると(ステップS101肯定)、画像生成部14は、送受信部11から受信した反射波データからBモード処理部12が分離した信号1および信号2により、造影像および組織像を生成する(ステップS102)。
そして、制御部16は、画像生成部14が生成した造影像および組織像をモニタ2にて並列表示するように制御する(ステップS103)。
そののち、制御部16は、操作者から入力装置3を介して、所定の画像処理実行開始指示を指定期間とともに受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。
ここで、所定の画像処理実行開始指示を指定期間とともに受け付けなかった場合(ステップS104否定)、制御部16の制御により、画像生成部14は、ステップS102にて造影像および組織像の生成処理を行ない、制御部16は、ステップS103にて表示制御処理を行なう。
一方、所定の画像処理実行開始指示を指定期間とともに受け付けた場合(ステップS104肯定)、画像生成部14は、送受信部11から受信した反射波データからBモード処理部12が分離した信号1により、造影像を生成し(ステップS105)、造影像から画像3を生成する(ステップS106)。
そして、制御部16は、画像生成部14が生成した造影像および画像3をモニタ2にて並列表示するように制御する(ステップS107)。
そののち、制御部16は、指定期間が経過したか否かを判定する(ステップS108)。
ここで、指定期間が経過していない場合(ステップS108否定)、制御部16の制御により、画像生成部14は、ステップS105およびステップS106にて画像生成処理を行ない、制御部16は、ステップS107にて表示制御処理を行なう。
一方、指定期間が経過した場合(ステップS108肯定)、画像生成部14は、送受信部11から受信した反射波データからBモード処理部12が分離した信号1および信号2により、造影像および組織像を生成し(ステップS109)、制御部16は、画像生成部14が生成した造影像および組織像をモニタ2にて並列表示するように制御する(ステップS110)。
そして、制御部16は、操作者から入力装置3を介して、超音波画像の撮影終了要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS111)。
ここで、撮影終了要求を受け付けなかった場合(ステップS111否定)、制御部16の制御により、画像生成部14は、ステップS109にて画像生成処理を行ない、制御部16は、ステップS110にて表示制御処理を行なう。
一方、撮影終了要求を受け付けた場合(ステップS111肯定)、制御部16は、処理を終了する。なお、検査のための撮影が終了したのち、医師は、モニタ2に表示されていた動画像を画像メモリ15から読み出して、再度、動画像を参照したり、TICなどを用いた血流動態の定量解析などを行ったりする。
上述してきたように、実施例1では、制御部16は、指定期間前において、画像生成部14が生成した造影像と組織像とをモニタ2の左右それぞれに並列表示させる。そして、制御部16は、超音波造影剤の分布が変化する様相が時間軸方向に保持された情報または時間軸方向に差分された情報を描出するための画像処理を実行して画像3を生成する指定期間中において、組織像に切り替えて、造影像と画像3とをモニタ2の左右それぞれに並列表示させる。そののち、制御部16は、指定期間後において、画像3に切り替えて、再度、造影像と組織像とをモニタ2の左右それぞれに並列表示させる。
したがって、撮影期間中を通して造影像を表示するので、超音波造影剤が流出する動態が常に観察でき、指定期間前後では、組織像が造影像とリアルタイムに並列表示されて、関心領域の位置を正確に把握できる。また、超音波プローブ1が固定されている指定期間では、直前まで表示されていた組織像を参考にしたうえで、MaxHold処理造影像、差分画像、差分MaxHold画像など医師が必要とする血流情報が描出されるように造影像を処理した画像3を造影像とともに表示するので、医師による画像診断を支援することができる。また、画像メモリ15に保存された撮影期間中の動画像には、撮影期間中に生成された造影像がすべて保存されているので、反射波データを記憶できない普及型の超音波診断装置においても、検査後における血流動態の定量解析を、撮影期間中にわたって行なうことができる。
このようなことから、本実施例における超音波診断装置は、上記した主たる特徴の通り、血流動態の観察を保証したうえで、検査後における血流動態の定量解析を簡易に実行することが可能となる。
実施例2では、画像生成部14により合成画像の生成処理が行なわれる場合について、図6および図7を用いて説明する。図6および図7は、実施例2における画像生成部を説明するための図である。なお、実施例2における超音波診断装置の構成は、図1を用いて説明した実施例1における超音波診断装置と同様の構成となる。
実施例2における画像生成部14は、指定期間においても、信号2から組織像を生成し、図6の(A)に示すように、指定期間において、画像3と組織像(画像2)とを合成した合成画像を生成し、生成した合成画像を、指定期間にてモニタ2に表示させる表示用画像3とする。例えば、画像生成部14は、図6の(B)に示すように、造影像から生成したMaxHold処理造影像と組織像とから合成画像を時間軸に沿って順次生成する。なお、画像生成部14は、画像3において設定閾値を越えた輝度を有する画素のみを組織像に対して合成して表示用画像3を生成したり、画像3に透明度を与えたうえで組織像に対して重畳した表示用画像3を生成したりする。
そして、実施例2における制御部16は、指定期間前において、造影像および組織像を表列表示させ、指定期間において、組織像に切り替えて、造影像と表示用画像3である合成画像とを並列表示させ、指定期間後において、再度、造影像および組織像を表列表示させる。
なお、画像生成部14による画像合成処理は、指定期間の前後においても施行される場合であってもよい。例えば、画像生成部14は、図7に示すように、指定期間の前後において、造影像と組織像とを合成した合成画像を生成し、生成した合成画像を、指定期間の前後にてモニタ2に表示させる表示用画像2とする。
そして、実施例2における制御部16は、指定期間前において、造影像および表示用画像2を表列表示させ、指定期間において、表示用画像2に切り替えて、造影像と表示用画像3である合成画像とを並列表示させ、指定期間後において、再度、造影像および表示用画像2を表列表示させる。
なお、実施例2における超音波診断装置の処理の流れは、図5を用いて説明した実施例1における超音波診断装置の処理の流れにおいて、ステップS102およびステップS109にて表示用画像2を生成するための画像合成処理が追加されたり、ステップS105にて信号2から組織像も生成され、ステップS106にて表示用画像3を生成するための画像合成処理が追加されたりする以外は、同様の処理の流れとなるので、説明を省略する。
上述してきたように、実施例2では、指定期間中でも、組織の形態情報が画像3として重畳表示されるので、医師による画像診断をより支援することが可能となる。また、指定期間前後において、組織像と造影像とを合成した画像を画像2として表示するならば、医師は、画像2を参照すれば、血流動態と組織形態とを同時に観察することができ、医師による画像診断をさらに支援することが可能となる。なお、実施例2においても、撮影期間中に生成された造影像は、すべて画像メモリ15に保存されるので、検査後における血流動態の定量解析は、保証される。
実施例3では、画像生成部14により画像の動き補正処理が行なわれる場合について、図8を用いて説明する。図8は、実施例3における画像生成部を説明するための図である。なお、実施例3における超音波診断装置の構成は、図1を用いて説明した実施例1における超音波診断装置と同様の構成となる。
ここで、指定期間では、時間軸に沿って順次生成される造影像を連続して用いて画像3を生成することから、検査者は、超音波プローブ1を被検体Pに対して固定し、被検体Pは、息止めをする必要がある。このため、検査者および被検体P双方において、負担がかかることとなる。そこで、実施例3における画像生成部14は、検査者および被検体Pの負担を軽減させるために、画像の動き補正処理を行なう。
以下、指定期間にて最大値輝度保持処理を施行する場合について説明する。
実施例3における画像生成部14は、順次生成した造影像それぞれにおいて特徴領域を検出する。例えば、画像生成部14は、図8の(A)に示すように、造影像において、常に超音波造影剤により染影される主要血管の染影領域(主要血管染影領域)を特徴領域として検出する。なお、超音波造影像前から超音波画像の撮影が開始されている場合は、造影像にて主要血管染影領域が検出された時点から、動き補正処理が開始される。
そして、画像生成部14は、特徴領域が最初に検出された1番目の造影像にて検出された特徴領域の位置ベクトルと、2番目以降に順次生成される造影像にて検出された特徴領域の位置ベクトルとから特徴領域の動きベクトル(移動量)を算出して、動き補正された補正済み造影像を生成する。例えば、画像生成部14は、図8の(B)に示すように、造影像1と造影像2との間で算出した特徴領域の動きベクトル(移動量1)により造影像2から補正済み造影像2を生成し、造影像1と造影像3との間で算出した特徴領域の動きベクトル(移動量2)により造影像3から補正済み造影像3を生成する。なお、補正済み造影像の生成処理は、撮影期間中、継続して実行される。また、指定期間の開始時点が、高音圧によるバブル崩壊後の時点である場合、再度、造影像にて主要血管染影領域が検出された時点から、動き補正処理が開始される。
さらに、画像生成部14は、指定期間前後にて、造影像において算出した動きベクトルを用いて、動きベクトルを算出した造影像に対応する組織像に対しても動き補正を行なう。例えば、画像生成部14は、図8の(C)に示すように、造影像2に対応する組織像2に対して、移動量1を用いて動き補正を行なった補正済み組織像2を生成し、造影像3に対応する組織像3に対して、移動量2を用いて動き補正を行なった補正済み組織像3を生成する。
また、画像生成部14は、指定期間にて、順次生成した補正済み造影像から、例えば、図8の(D)に示すように、補正済みMaxHold処理画像1、補正済みMaxHold処理画像2、補正済みMaxHold処理画像3を画像3として生成する。
上記した画像処理により、実施例3における制御部16は、図9に示すように、指定期間前において、補正済み造影像と補正済み組織像とをモニタ2の左右それぞれに並列表示させ、指定期間中において、補正済み組織像に切り替えて、補正済み造影像と補正済み画像3(補正済みMaxHold処理造影像)とをモニタ2の左右それぞれに並列表示させ、指定期間後において、補正済み画像3に切り替えて、再度、補正済み造影像と補正済み組織像とをモニタ2の左右それぞれに並列表示させる。
なお、上記した動き補正処理は、実施例1で説明した最大値輝度保持処理以外の画像処理において実行される場合であってもよい。
また、本実施例においては、実施例2にて説明した画像合成処理を、動き補正された画像を用いて実行する場合であってもよい。例えば、画像生成部14は、指定期間中においても、組織像の生成処理および補正済み組織像の生成処理を実行して、図8の(E)に示すように、補正済みMaxHold処理画像と補正済み組織像とを合成して合成画像を生成し、生成した合成画像を表示用画像3とする場合であってもよい。あるいは、指定期間の前後においても、補正済み造影像と補正済み組織像とを合成して合成画像を生成し、生成した合成画像を表示用画像2とする場合であってもよい。
次に、図10を用いて、実施例3における超音波診断装置の処理について説明する。図10は、実施例3における超音波診断装置の処理を説明するためのフローチャートである。
図10に示すように、実施例3における超音波診断装置は、操作者から入力装置3を介して、超音波画像の撮影開始要求を受け付けると(ステップS201肯定)、画像生成部14は、送受信部11から受信した反射波データからBモード処理部12が分離した信号1および信号2により、造影像および組織像を生成する(ステップS202)。
そして、画像生成部14は、造影像における特徴量領域の移動量(動きベクトル)から、補正済み造影像および補正済み組織像を生成する(ステップS203)。なお、ステップS203の処理は、造影像にて特徴領域が検出されるまでスキップされる。
そののち、制御部16は、画像生成部14が生成した補正済み造影像および補正済み組織像をモニタ2にて並列表示するように制御する(ステップS204)。
そののち、制御部16は、操作者から入力装置3を介して、所定の画像処理実行開始指示を指定期間とともに受け付けたか否かを判定する(ステップS205)。
ここで、所定の画像処理実行開始指示を指定期間とともに受け付けなかった場合(ステップS205否定)、制御部16の制御により、画像生成部14は、ステップS202およびステップS203の処理を行ない、制御部16は、ステップS204にて表示制御処理を行なう。
一方、所定の画像処理実行開始指示を指定期間とともに受け付けた場合(ステップS205肯定)、画像生成部14は、送受信部11から受信した反射波データからBモード処理部12が分離した信号1により、造影像を生成し(ステップS206)、造影像における特徴量領域の移動量から、補正済み造影像を生成する(ステップS207)。
そして、画像生成部14は、補正済み造影像から補正済み画像3を生成し(ステップS208)、制御部16は、画像生成部14が生成した補正済み造影像および補正済み画像3をモニタ2にて並列表示するように制御する(ステップS209)。
そののち、制御部16は、指定期間が経過したか否かを判定する(ステップS210)。
ここで、指定期間が経過していない場合(ステップS210否定)、制御部16の制御により、画像生成部14は、ステップS206、ステップS207およびステップS208の処理を行ない、制御部16は、ステップS209にて表示制御処理を行なう。
一方、指定期間が経過した場合(ステップS210肯定)、画像生成部14は、送受信部11から受信した反射波データからBモード処理部12が分離した信号1および信号2により、造影像および組織像を生成する(ステップS211)。
そして、画像生成部14は、造影像における特徴量領域の移動量から、補正済み造影像および補正済み組織像を生成する(ステップS212)。
そののち、制御部16は、画像生成部14が生成した補正済み造影像および補正済み組織像をモニタ2にて並列表示するように制御する(ステップS213)。
続いて、制御部16は、操作者から入力装置3を介して、超音波画像の撮影終了要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS214)。
ここで、撮影終了要求を受け付けなかった場合(ステップS214否定)、制御部16の制御により、画像生成部14は、ステップS211およびステップS212の処理を行ない、制御部16は、ステップS213にて表示制御処理を行なう。
一方、撮影終了要求を受け付けた場合(ステップS214肯定)、制御部16は、処理を終了する。
上述してきたように、実施例3では、表示される画像が造影像から検出された被検体Pの関心領域における移動量に合わせて動き補正されているので、被検体Pの動きや、関心領域内にある組織の自律的な動きにより、画像にて描出される観察対象物が時間とともに動くことを回避できるので、被検体Pおよび検査者の負担を軽減するとともに、画像診断を行なうために表示画像を凝視する医師の負担も軽減することが可能となる。
また、指定期間中において、動き補正処理済の画像3および組織像を合成した画像を画像3として表示することもできるので、医師は、画像3を参照するのみで、自身が必要とする血流情報(例えば、微小血流の動態)とともに組織形態も観察することが可能となる。
なお、実施例3では、動き補正処理が、撮影期間中に渡って実行される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、指定期間中においてのみ実行される場合であってもよい。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
以上のように、本発明に係る超音波診断装置は、超音波造影剤を投与した被検体の所定の部位に対して超音波プローブから送信した超音波の反射波を受信して超音波画像を生成する場合に有用であり、特に、血流動態の観察を保証したうえで、検査後における血流動態の定量解析を簡易に実行することに適する。
1 超音波プローブ
2 モニタ
3 入力装置
10 装置本体
11 送受信部
12 Bモード処理部
13 ドプラ処理部
14 画像生成部
15 画像メモリ
16 制御部
17 内部記憶部

Claims (10)

  1. 超音波造影剤を投与した被検体の所定の部位に対して超音波プローブから送信した超音波の反射波を受信して超音波画像を生成する超音波診断装置であって、
    前記所定の部位を流動する前記超音波造影剤を反射源とする第一の信号と、前記所定の部位に存在する組織を反射源とする第二の信号とを前記反射波から分離して取得する信号取得手段と、
    前記信号取得手段によって取得された前記第一の信号を用いて、前記反射波受信時における前記超音波造影剤の分布が描出された第一の画像を生成し、前記信号取得手段によって取得された前記第二の信号を用いて、前記反射波の受信時における前記組織の分布が描出された第二の画像を生成する画像生成手段と、
    前記画像生成手段によって生成された前記第一の画像および前記第二の画像を、所定の表示部にて並列表示するように制御する表示制御手段と、
    を備え、
    前記画像生成手段は、操作者が指定した指定期間において、前記第一の画像に対して前記超音波造影剤の分布が変化する様相を反映させる所定の処理を実行することにより第三の画像を生成し、
    前記表示制御手段は、前記指定期間において、前記所定の表示部にて表示される画像を前記第二の画像から前記第三の画像に切り替えて表示するように制御するとともに、前記指定期間において順次生成された前記第一の画像を前記指定期間の前にて表示されていた同一位置にて表示するように制御することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記画像生成手段は、順次生成した前記第一の画像それぞれを構成する各画素において時間とともに変化する輝度の最大値を保持して画像を生成する最大値輝度保持処理を前記所定の処理として実行することにより前記第三の画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記画像生成手段は、前記最大値輝度保持処理実行中において、輝度が所定の閾値を越えた画素を時間ごとに割り当てられた色調により描出することで前記第三の画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記画像生成手段は、前記第一の画像における各画素の時間軸に沿った差分情報を算出する処理を前記所定の処理として実行することにより前記第三の画像を生成する処理であることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記画像生成手段は、前記指定期間において、前記第三の画像と前記第二の画像とを合成した合成画像をさらに生成し、
    前記表示制御手段は、前記指定期間において、前記所定の表示部にて表示される画像を前記第二の画像から前記画像生成手段によって生成された前記合成画像に切り替えて表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  6. 前記画像生成手段は、前記指定期間の前後において、前記第一の画像と前記第二の画像とを合成した第四の画像を生成し、
    前記表示制御手段は、前記指定期間の前後において、前記画像生成手段によって生成された前記第一の画像および前記第四の画像を前記所定の表示部にて並列表示するように制御し、前記指定期間において、前記所定の表示部にて表示される画像を前記第四の画像から前記第三の画像に切り替えて表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  7. 前記画像生成手段は、前記指定期間において、前記第一の画像にて順次検出した特徴点の移動情報に基づいて、前記第一の画像に対して順次動き補正を行なった動き補正済み第一の画像を生成したうえで、前記最大値輝度保持処理を実行して動き補正済み第三の画像を生成し、
    前記表示制御手段は、前記指定期間において、前記動き補正済み第一の画像および前記動き補正済み第三の画像を前記所定の表示部にて並列表示するように制御することを特徴とする請求項2または3に記載の超音波診断装置。
  8. 前記画像生成手段は、前記指定期間の前後においても、前記第一の画像にて順次検出した特徴点の移動情報に基づいて、前記第一の画像および前記第二の画像に対して順次動き補正を行なって動き補正済み第一の画像および動き補正済み第二の画像を生成し、
    前記表示制御手段は、前記指定期間の前後において、前記動き補正済み第一の画像および前記動き補正済み第二の画像を前記所定の表示部にて並列表示するように制御することを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記画像生成手段は、前記指定期間においても前記動き補正済み第二の画像を生成し、当該生成した動き補正済み第二の画像と前記動き補正済み第三の画像とを合成した動き補正済み合成画像を生成し、
    前記表示制御手段は、前記指定期間において、前記動き補正済み第一の画像および前記動き補正済み合成画像を前記所定の表示部にて並列表示するように制御することを特徴とする請求項8に記載の超音波診断装置。
  10. 前記画像生成手段は、前記第三の画像に補正を施した画像と前記第二の画像とに基づいて、合成処理を行なうことを特徴とする請求項5または9に記載の超音波診断装置。
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