JP6364942B2 - 超音波画像処理方法及びそれを用いた超音波診断装置 - Google Patents
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Description
発明者らは空間コンパウンド法を用いた超音波画像診断において穿刺針の視認性を向上するために各種の検討を行った。
1.従来の超音波診断装置10Xにおける空間コンパウンド法によるBモード画像上の穿刺針の視認性について
図19は、従来の超音波診断装置10Xの構成を示すブロック図である。超音波診断装置10Xは、超音波送受信部2X、送受信制御部3X、Bモード画像生成部4X、Bモード画像処理部5X、及び表示制御部7Xから構成される。Bモード画像処理部5Xは、Bモード画像取得部51X、Bモード画像合成部52Xから構成されている。また、超音波診断装置10Xの超音波送受信部2Xには超音波探触子1Xが、表示制御部7Xには表示器8Xが各々接続可能に構成されている。
超音波送受信部2Xは、さらに、超音波探触子1Xから取得した反射超音波に基づく超音波信号を増幅した後AD変換したRF信号を整相加算して深さ方向に連なった音響線信号を生成し、Bモード画像処理部5Xに出力する。そして、サブ走査の順に時系列に音響線信号をBモード画像生成部4Xに出力する。
(1)エッジ強調処理
発明者らは空間コンパウンド法によるBモード画像におけるエッジ強調処理による穿刺針の視認性向上について検討を行った。図22は、発明者らが想定した超音波診断装置10Yの機能ブロック図である。超音波診断装置10Yは、超音波診断装置10Xの構成に強調処理部6Yを追加した点で超音波診断装置10Xと相違し、他の構成については超音波診断装置10Xと同じである。強調処理部6Yは、強調処理用Bモード画像取得部61Y、強調量マップ作成部62Y、及びBモード画像強調部63Yから構成されている。図23は、超音波診断装置10YにおけるBモード画像処理部5Y及び強調処理部6Yの動作を示すフローチャートである。図24(a)から(c)は、発明者らが想定した超音波診断装置10Yにおける穿刺針強調動作の一例を説明するための模式図である。
このとき、フレーム強調量マップにおいて穿刺針が存在する部分に対する強調量Bが適切にマッピングされている場合には、フレームBモード画像信号における穿刺針が存在する部分AのBモード画像信号に対して強調処理がなされる。しかしながら、上述のとおり、サブ走査1、2、3により取得したサブフレームBモード画像信号(以後、「サブフレームBモード画像信号1、2、3」と表記)を合成したフレームBモード画像信号(以後、フレームBモード画像信号(1+2+3)と表記)では穿刺針Aの視認度は、明瞭なサブ走査2及び3の場合に比べて低下している。そのため、フレームBモード画像信号(1+2+3)に基づいて作成したフレーム強調量マップの強調量も小さく、その結果、強調後のフレームBモード画像信号における強調度合いは小さくなる。
次に、発明者らは空間コンパウンド法によるBモード画像における動き量に基づく強調処理による穿刺針の視認性向上について検討を行った。図25(a)から(e)は、発明者らが想定した超音波診断装置10Yにおける穿刺針強調動作の別の動作の一例を説明するための模式図である。Bモード画像処理部5Y及び強調処理部6Yの動作を示すフローチャートは、図23のフローチャートと同じである。
図26(a)は、サブ走査2、3、4が行われた状態であり、サブ走査2、3、4にて取得したサブフレームBモード画像信号2、3、4に基づきフレームBモード画像信号(2+3+4)が生成される。図26(b)は、加えて、サブ走査5が行われた状態であり、サブ走査3、4、5にて取得したサブフレームBモード画像信号3、4、5に基づきフレームBモード画像信号(3+4+5)が生成される。
ここでは、図26(c)に示すように、フレーム間差分は、実質的にはサブフレームBモード画像信号5とサブフレームBモード画像信号2とのフレーム間差分となる。サブフレームBモード画像信号5及び2は、共に、穿刺針と超音波ビームのなす角度が大きい条件で取得されており穿刺針が明瞭に示されている。そのため、このフレーム間差分から導いた動き量に基づいて穿刺針を検出することができ、図25(d)に示すように、フレーム強調量マップ(5−2)における強調量は大きい。その結果、図25(e)に示すように、強調後のフレームBモード画像信号(3+4+5)における穿刺針の強調度合いは大きいものとなる。
そこで、発明者らは、空間コンパウンド法によるBモード画像の穿刺針強調処理において、穿刺針に対する強調量を適切にマッピングしたフレーム強調量マップを作成する方法について検討を行い、本発明の実施の形態に係る超音波画像処理方法及びそれを用いた超音波診断装置に想到するに至った。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本実施の形態に係る超音波画像処理方法は、複数のステアリング角度の超音波ビームによりなされ各々被検体内における走査範囲が異なる複数回のサブ走査から構成される超音波走査により、超音波探触子を介して前記被検体から取得した複数のサブフレーム受信信号を合成してフレーム受信信号を生成する超音波画像処理方法であって、前記複数のサブフレーム受信信号を取得するステップと、前記複数のサブフレーム受信信号に含まれる1又は複数の画素からなる画素領域の受信信号から算出した特性値に基づき、前記画素領域の受信信号に対する強調量を算出して、前記複数のサブフレーム受信信号に対する複数のサブフレーム強調量マップを作成するステップと、前記複数のサブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号を画素領域を基準に合成しフレーム受信信号を生成し、前記複数のサブフレーム強調量マップのうち1以上のサブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量に基づいて、前記フレーム受信信号を強調する強調受信信号生成ステップとを有することを特徴とする。
また、別の態様では、前記所定値合成されるサブフレームの数に応じて定まり、前記所定値は合成されるサブフレームの数が多いほど増加される構成であってもよい。
また、別の態様では、前記補正条件は、前記各サブフレーム強調量マップのうち、前記複数回のサブ走査の中でステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップをフレーム強調量マップとするという条件である構成であってもよい。
また、別の態様では、前記補正条件は、前記複数回のサブ走査の中で、前記ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップと、前記ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査以外のサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップのうち、前記ステアリング角度が所定値である少なくとも1のサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップとを合成するという条件である構成であってもよい。
また、別の態様では、前記強調受信信号生成ステップは、前記各サブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、前記各サブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を画素領域毎に反映させて各サブフレームの強調済受信信号を生成するサブステップと、前記各サブフレームの強調済受信信号を平均化して前記フレームの強調済受信信号を生成するサブステップとを有する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記画素領域の受信信号から算出される特性値は、前記画素領域の受信信号と前記画素領域周囲の画素領域の受信信号との差分であり、当該差分が大きいほど前記強調量が大きい構成であってもよい。
前記フレーム強調量マップには、前記フレーム受信信号中の穿指針を示す受信信号の部分に強調量がマッピングされている構成であってもよい。
また、別の態様では、前記フレーム受信信号を強調するサブステップでは、前記フレーム受信信号における前記フレーム強調量マップにおいて強調量がマッピングされている部分の受信信号が示す輝度を増加する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記受信信号は、超音波探触子を介して前記被検体から取得した反射超音波に基づき生成された音響線信号、又は当該音響線信号に基づき直交座標系に変換されたBモード画像信号の何れか一方である構成であってもよい。
また、別の態様では、上記超音波画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。
また、本実施の形態に係る超音波診断装置は、複数のステアリング角度の超音波ビームによりなされ各々被検体内における走査範囲が異なる複数回のサブ走査から構成される超音波走査により、超音波探触子を介して前記被検体から取得した複数のサブフレーム受信信号を合成してフレーム受信信号を生成する超音波診断装置であって、前記複数のサブフレーム受信信号を取得する受信信号取得部と、前記複数のサブフレーム受信信号に含まれる1又は複数の画素からなる画素領域の受信信号から算出した特性値に基づき、前記画素領域の受信信号に対する強調量を算出して、前記複数のサブフレーム受信信号に対する複数のサブフレーム強調量マップを作成するサブフレーム強調量マップ作成部と、前記複数のサブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号を前記画素領域を基準に合成しフレーム受信信号を生成し、前記複数のサブフレーム強調量マップのうち1以上のサブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量に基づいて、前記フレーム受信信号を強調する強調受信信号生成部とを備えたことを特徴とする。
以下、実施の形態1に係る超音波診断装置について、図面を参照しながら説明する。
<全体構成>
1.超音波診断装置10
図1は、実施の形態1に係る超音波診断装置10の機能ブロック図である。超音波診断装置10は、超音波送受信部2、送受信制御部3、Bモード画像生成部4、Bモード画像処理部5、強調処理部6、及び表示制御部7から構成される。また、超音波診断装置10の超音波送受信部2には超音波探触子1が、表示制御部7には表示器8が各々接続可能に構成されている。図1は超音波診断装置10に、超音波探触子1、表示器8が接続された状態を示している。
2.超音波探触子1
超音波探触子1は、例えば一次元方向(以下、「振動子配列方向」とする)に配列された複数の振動子(不図示)を有する。超音波探触子1は、後述の超音波送受信部2から供給されたパルス状の電気信号(以下、「送信超音波信号」とする)をパルス状の超音波に変換する。超音波探触子1は、超音波探触子1の振動子側外表面を被検体の皮膚表面に接触させた状態で、複数の振動子から発せられる複数の超音波からなる超音波ビームを測定対象に向けて送信する。そして、超音波探触子1は、被検体からの複数の反射超音波を受信し、複数の振動子によりこれら反射超音波をそれぞれ電気信号(以下、「超音波信号」とする)に変換し、超音波信号を超音波送受信部2に供給する。
表示器8は、いわゆる画像表示用の表示装置であって、後述する表示制御部7からの画像出力を表示画面に表示する。表示器8には、液晶ディスプレイ、CRT、有機ELディスプレイ等を用いることができる。
<各部構成>
次に、超音波診断装置10に含まれる各ブロックの構成について説明する。
超音波送受信部2は、超音波探触子1と接続される。超音波送受信部2は、送受信制御部3からの送信制御信号に基づき、超音波探触子1に超音波ビームを送信させるためのパルス状の送信超音波信号を供給する送信処理を行う。具体的には、超音波送受信部2は、例えば、クロック発生回路、パルス発生回路、遅延回路を備えている。クロック発生回路は、超音波ビームの送信タイミングを決定するクロック信号を発生させる回路である。パルス発生回路は、各振動子を駆動するパルス信号を発生させるための回路である。遅延回路は、超音波ビームの送信タイミングを各振動子毎に遅延時間を設定し、遅延時間だけ超音波ビームの送信を遅延させて超音波ビームのフォーカシングやステアリングを行うための回路である。
RF信号とは、例えば、振動子配列方向と超音波の送信方向であって振動子配列と垂直な方向からなる複数の信号からなり、各信号は反射超音波の振幅から変換された電気信号をA/D変換したデジタル信号である。
2.送受信制御部3
送受信制御部3は、送信制御信号及び受信制御信号を生成し、超音波送受信部2へ出力する。本実施の形態では、送信制御信号及び受信制御信号では、送受信のタイミング等に加え、各サブ走査における超音波ビームのステアリング角度を示す情報が超音波送受信部2に対し出力される。
Bモード画像生成部4は、サブフレーム内のそれぞれの音響線信号を、その強度に対応した輝度信号へと変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことでサブフレームBモード画像信号を生成する。Bモード画像生成部4はこの処理をサブフレーム毎に逐次行い、生成した断層画像をBモード画像処理部5のBモード画像取得部51に出力する。具体的には、Bモード画像生成部4は、音響線信号に対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施して輝度変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことでBモード画像信号を生成する。すなわち、Bモード画像信号は、超音波受信信号の強さを輝度によって表したものである。
4.Bモード画像処理部5
Bモード画像処理部5は、Bモード画像取得部51、Bモード画像合成部52から構成されている。
Bモード画像取得部51は、Bモード画像生成部4にて生成されたBモード画像信号を入力として、サブ走査が行われる毎に時系列に送信されるサブフレームBモード画像信号を記憶するバッファである。
(4.2)Bモード画像合成部52
Bモード画像合成部52は、Bモード画像取得部51から各サブ走査により取得されたサブフレームBモード画像信号を読み出し、図20(c)に示した従来の超音波診断装置10Xと同様に、被検体内の同一位置から取得されたBモード画像信号が重なる部分を加算平均する方法により合成して、空間コンパウンドがなされたフレームBモード画像信号を生成する。空間コンパウンドがなされたフレームBモード画像信号は、強調処理部6に出力される。
また、本明細書においては、Bモード画像信号、又はBモード画像信号を生成するベースとなる音響線信号を受信信号(超音波受信信号)と総称する。
強調処理部6は、サブフレーム強調量マップ作成部62、Bモード画像強調部63、サブフレーム強調量マップバッファ64、及びフレーム強調量マップ合成部65から構成されている。
(5.1)サブフレーム強調量マップ作成部62
サブフレーム強調量マップ作成部62は、サブフレームBモード画像信号のフレーム間差分によりサブフレームBモード画像信号における被写体の動き量を検出し、動き量が大きいほどそのBモード画像信号に対する強調量が大きくなるようなサブフレーム強調量マップを作成し、サブフレーム強調量マップバッファ64に出力する。
(5.2)サブフレーム強調量マップバッファ64
サブフレーム強調量マップバッファ64は、サブフレーム強調量マップ作成部62にて生成されたサブフレーム強調量マップを入力として、サブ走査が行われる毎に時系列に送信されるサブフレーム強調量マップを記憶する。
フレーム強調量マップ合成部65は、フレームを構成するサブフレーム強調量マップを空間コンパウンド法により合成してフレーム強調量マップを作成する。具体的には、フレーム強調量マップ合成部65は、サブフレーム強調量マップバッファ64から各サブ走査により取得されたサブフレーム強調量マップを取得し、サブフレーム強調量マップが重なる部分を加算平均する方法により合成してフレーム強調量マップを生成し、Bモード画像強調部63に出力する。このフレーム強調量マップの生成は、超音波走査が行われるたびに行われる。
Bモード画像強調部63は、Bモード画像合成部52からフレームBモード画像信号を取得し、フレーム強調量マップ合成部65からフレーム強調量マップを取得し、フレームBモード画像信号に対しフレーム強調量マップに基づいて強調処理を施す。このとき、Bモード画像強調部63は、強調量が大きいほど対象画素領域の受信信号が示す輝度が増幅されるようBモード画像信号に対し強調処理を施す。強調された強調済フレームBモード画像信号は表示制御部7に出力される。
表示制御部7は、外部接続される表示器8に空間コンパウンドがなされた強調済フレームBモード画像信号に基づきBモード画像を表示する。
上記構成において、Bモード画像合成部52、フレーム強調量マップ合成部65、及び、Bモード画像強調部63は、強調Bモード画像生成部Sを構成する。
以上の構成からなる超音波診断装置10の動作について説明する。図2は、実施の形態1に係る超音波診断装置10の動作を示すフローチャートである。
1.ステップS201
ステップS201では、所定ステアリング角度に送受信して得た複数(n)のサブフレームBモード画像信号を取得する。具体的には、超音波探触子1を被検体皮膚表面に配置し、超音波送受信部2が送信処理行うことで超音波探触子1から超音波を被検体内に送信し、超音波探触子1を介して被検体からの反射超音波に基づき受信処理を行うことで音響線信号を生成する。この送信処理および受信処理を超音波探触子1の振動子数等に応じた回数だけ繰り返すサブ走査を行うことで、複数の音響線信号からなる1つのサブフレームを構築する。そして、サブ走査が行われる毎に構築したサブフレームの音響線信号をBモード画像生成部4に出力する。Bモード画像生成部4は、サブフレームの音響線信号を入力として、サブフレームBモード画像信号を生成しサブ走査が行われる毎に時系列にBモード画像取得部51へ出力する。
ステップS202では、複数(n)のサブフレームBモード画像信号からサブフレーム強調量マップを作成する。サブフレーム強調量マップは、サブフレームBモード画像信号のフレーム間差分によりサブフレームBモード画像信号における被写体の動き量を検出し、動き量が大きいほどそのBモード画像信号に対する強調量が大きくなる条件で作成される。
さらに、サブ走査6が行われるとサブフレームBモード画像信号6と、超音波走査1におけるサブ走査3により取得されたサブフレームBモード画像信号3との間でフレーム間差分が行われ、当該フレーム間差分に基づいてサブフレームBモード画像信号6に対するサブフレーム強調量マップ(6−3)が作成される。
なお、超音波走査1の期間におけるサブ走査では、そのサブ走査より前に取得されたサブフレームが存在しないためにフレーム間差分を行えず、サブフレーム強調量マップは作成されない。
3.ステップS203
ステップS203では、全ステアリング角度にかかる複数(n)のサブフレームBモード画像信号からサブフレーム強調量マップの生成が完了したか否かを判定する。全ステアリング角度について完了した場合には、次のステップに進む。
強調Bモード画像生成ステップS204は、サブステップS2041、S2042、S2043から構成される。
(4.1)サブステップS2041
サブステップS2041では、各サブフレーム強調量マップを空間コンパウンドしてフレーム強調量マップを作成する。具体的には、フレーム強調量マップ合成部65は、サブフレーム強調量マップバッファ64から全ステアリング角度にかかる複数(n)のサブフレーム強調量マップを取得し、サブフレーム強調量マップが重なる部分を加算平均する方法により合成してフレーム強調量マップを生成し、Bモード画像強調部63に出力する。このフレーム強調量マップの生成は、超音波走査が行われるたびに1回行われる。
サブステップS2042では、各サブフレームBモード画像信号を空間コンパウンドしてフレーム受信信号を生成する。具体的には、Bモード画像合成部52は、Bモード画像取得部51からサブフレームBモード画像信号を取得し、被検体内の同一位置から取得されたBモード画像信号が重なる部分を加算平均する方法により合成してフレームBモード画像信号を生成する。フレームBモード画像信号は、強調処理部6に出力される。
(4.3)サブステップS2043
サブステップS2043では、フレームBモード画像信号をフレーム強調量マップに基づいて強調する。具体的には、Bモード画像強調部63は、Bモード画像合成部52からフレームBモード画像信号を取得し、フレーム強調量マップ合成部65からフレーム強調量マップを取得し、フレームBモード画像信号に対しフレーム強調量マップに基づいて強調処理を施す。このとき、Bモード画像強調部63は、強調量が大きいほど対象画素領域の受信信号が示す輝度が増幅されるようBモード画像信号に対し強調処理を施す。例えば、Bモード画像強調部63は、フレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、フレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を乗算又は加算することにより、画素領域毎に反映させてフレーム受信信号を強調してもよい。
以上の、サブステップS2041、S2042、S2043が強調Bモード画像生成ステップS204を構成する。
<穿刺針の視認性について>
次に、実施の形態1に係る超音波診断装置10における穿刺針の視認性向上の効果について、図面を用いて説明する。図4は、実施の形態1に係る超音波診断装置10における穿刺針強調動作を説明するための模式図である。図4(a)は、図3におけるサブ走査1、2、3により取得したサブフレームBモード画像信号1、2、3と、それらを合成して生成したフレームBモード画像信号(1+2+3)を模式図で示したものである。(b)は、同様に、図3におけるサブ走査4、5、6により取得したサブフレームBモード画像信号4、5、6と、それらを合成したフレームBモード画像信号(4+5+6)を示したものである。ここでも、図21中矢印で示した例と同様に、穿刺針(図中Aで示される部分)は紙面右側上方から左下方向に向けて刺入されている。
そのため、3つのサブフレーム強調量マップを加算平均により合成したフレーム強調量マップ(4+5+6−1−2−3)では、穿刺針の強調量Bはサブフレーム強調量マップ(5−2)及び(6−3)に比べて低下するが、サブフレーム強調量マップ(4−1)よりは大きいものとなる。その結果、図4(e)に示すように、強調後のフレームBモード画像信号(4+5+6)における穿刺針の強調度合いは、各サブフレーム強調量マップを平均したレベルとなる。
<小 括>
以上、説明したとおり、実施の形態1に係る超音波診断装置では、異なるステアリング角度の超音波ビームによりなされ各々被検体内における走査範囲が異なる複数回のサブ走査から構成される超音波走査により、超音波探触子を介して被検体から取得した複数のサブフレーム受信信号を合成して1フレーム受信信号を生成する超音波診断装置であって、複数のサブフレーム受信信号に含まれる1又は複数の画素からなる画素領域の受信信号から算出した特性値に基づき、画素領域の受信信号に対する強調量を算出して、複数のサブフレーム受信信号に対する複数のサブフレーム強調量マップ作成部と、複数のサブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号を画素領域を基準に合成し1フレームのフレーム受信信号を生成し、複数のサブフレーム強調量マップのうち1以上のサブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量に基づいてフレーム受信信号を強調する強調受信信号生成部とを備えた構成を採る。
<変形例1>
実施の形態1では、フレーム強調量マップ合成部65は、複数のサブフレーム受信信号に対するサブフレーム強調量マップを加算平均することによりフレーム強調量マップを作成する構成とした。しかしながら、フレーム強調量マップ合成部は、複数のサブフレーム受信信号に対するサブフレーム強調量マップを合成してフレーム強調量マップを作成するものであればよく、フレーム強調量マップの合成方法は適宜変更することができる。
図7は、実施の形態1の変形例1に係る超音波診断装置における穿刺針強調動作を説明するための模式図である。変形例1に係る超音波診断装置のフレーム強調量マップ合成部65では、図7に示すように、入力となる空間コンパウンド後の強調量に対し所定の増幅処理を行いBモード画像強調部63に出力する。そして、強調量が上限値に近付いた場合には、入力となる空間コンパウンド後の強調量がさらに大きい場合でも上限値を増幅処理後の強調量として出力する。なお、上限値付近の処理は、滑らかに上限値に近づける方法であれば、例えば、対数変換等、他の方法を用いてもよい。
かかる構成により、複数のサブフレーム強調量マップの一部が穿刺針の強調量が小さく作成されている場合においても、フレーム強調量マップの強調量に対し所定の増幅処理を施すことができ、フレーム強調量マップにおける穿刺針の強調量を増加することができる。複数のサブフレームBモード画像信号の一部に穿刺針が明瞭に示されていない場合等に、フレーム強調量マップの強調量を増幅するうえで有効となる。
実施の形態1では、フレーム強調量マップ合成部65は、複数のサブフレーム受信信号に対するサブフレーム強調量マップのうち、全てのサブフレーム強調量マップを均等に重み付して合成することによりフレーム強調量マップを作成する構成とした。実施の形態2では、フレーム強調量マップ合成部65は、サブフレーム強調量マップを、当該サブフレーム受信信号を取得したときのサブ走査におけるステアリング角度に関連する補正条件に基づいて合成してフレーム強調量マップを作成する構成とした点で、実施の形態1と相違する。フレーム強調量マップ合成部65以外の構成については、実施の形態1に示した各要素と同じであり説明を省略する。
1.第1の方法
図9は、実施の形態2に係る超音波診断装置における第1の方法によるフレーム強調量マップ合成方法を示す模式図である。図9に示すように、第1の方法では、フレーム強調量マップ合成部65は、複数のサブフレーム強調量マップのうち、強調量の最大値を含むサブフレーム強調量マップをフレーム強調量マップとする補正条件に基づきサブフレーム強調量マップを合成してフレーム強調量マップを作成する。強調量の最大値とは、1又は複数の画素から構成される画素領域に対する強調量をさす。すなわち、フレーム強調量マップ合成部65は、この画素領域に対する強調量Bが複数のサブフレーム強調量マップの中で最大である強調量Bを含むサブフレーム強調量マップをフレーム強調量マップとして選択する。係る構成により、穿刺針の強調量Bが小さいサブフレーム強調量マップの影響を排除し、穿刺針の強調量Bが大きいサブフレーム強調量マップのみからフレーム強調量マップを作成しフレーム強調量マップの強調量を高めることができる。
2.第2の方法
図11は、第2の方法によるフレーム強調量マップ合成方法を示す模式図である。図11に示すように、第2の方法では、フレーム強調量マップ合成部65は、複数のサブフレーム強調量マップのうち、複数回のサブ走査の中でステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップをフレーム強調量マップにするという補正条件に基づいてサブフレーム強調量マップ合成してフレーム強調量マップを作成する。サブ走査の中でステアリング角度が中央値付近であるサブ走査により取得されたサブフレームBモード画像では穿刺針の明瞭度はステアリング角度に対して平均的に表示されている場合が多い。したがって、係る構成により、穿刺針の強調量Bが平均的であるサブフレーム強調量マップからフレーム強調量マップを作成しフレーム強調量マップの強調量を平均的に高めることができる。
3.第3の方法
図13は、第3の方法によるフレーム強調量マップ合成方法を示す模式図である。図13に示すように、第3の方法では、フレーム強調量マップ合成部65は、複数回のサブ走査の中でステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップの重み付けを、その他のサブフレーム強調量マップの重み付よりも大きくして、サブフレーム強調量マップを重み付け加算又は乗算により反映するという補正条件に基づきフレーム強調量マップを作成する。上述のとおり、サブ走査の中でステアリング角度が中央値付近のサブ走査により取得されたサブフレームBモード画像では穿刺針の明瞭度はステアリング角度に対して平均的に表示されている場合が多い。そのため、中央値付近のサブ走査により取得されたサブフレーム強調量マップの重み付けを増して、さらに、ステアリング角度が中央値付近以外のサブ走査により取得されたサブフレーム強調量マップの影響も考慮しつつ、フレーム強調量マップの強調量Bを高めることができる。
4.第4の方法
図15は、第4の方法によるフレーム強調量マップ合成方法を示す模式図である。図15に示すように、第4の方法では、フレーム強調量マップ合成部65は、複数回のサブ走査の中で、ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップと、それ以外のサブフレーム強調量マップのうち、サブフレーム強調量マップに含まれる画素領域の強調量の総和が相対的に大きい少なくとも1のサブフレーム強調量マップとを合成するという補正条件に基づきフレーム強調量マップを作成する。かかる構成により、穿刺針に対する強調量の総和が相対的に大きいサブフレーム強調量マップとステアリング角度が中央値付近のサブフレーム強調量マップとからフレーム強調量マップを合成することができ、フレーム強調量マップの強調量Bをより確実に高めることができる。
図16は、第5の方法によるフレーム強調量マップ合成方法を示す模式図である。図16に示すように、第5の方法では、フレーム強調量マップ合成部65は、ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップと、それ以外のサブフレーム強調量マップのうち、ステアリング角度が所定値である少なくとも1のサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップとを合成するという補正条件に基づきフレーム強調量マップを作成する。
以上、説明したとおり、実施の形態2に係る超音波診断装置では、フレーム強調量マップ合成部65は、サブフレーム強調量マップを、当該サブフレーム受信信号を取得したときのサブ走査におけるステアリング角度に関連する補正条件に基づいて合成してフレーム強調量マップを作成する構成とした。係る構成により、フレーム強調量マップにおける穿刺針の強調量を高め、空間コンパウンド法による超音波画像診断において穿刺針の視認性を向上することができる。
実施の形態1では、複数のサブフレームBモード画像信号に含まれる画素領域の受信信号から算出した動き量に基づき、画素領域のBモード画像信号に対する強調量を算出して、複数のサブフレームBモード画像信号に対する複数のサブフレーム強調量マップを作成し、フレームBモード画像信号を強調する構成とした。
実勢の形態3に係る超音波診断装置10Aでは、複数のサブフレームの音響線信号に含まれる1又は複数の画素からなる画素領域の音響線信号から算出した特性値としての画素領域の受信信号と画素領域周囲の画素領域の受信信号との差分(変化量)に基づき、画素領域の音響線信号に対する強調量を算出して、複数のサブフレームの音響線信号に対する複数のサブフレーム強調量マップを作成し、フレームの音響線信号を強調する構成とした点に特徴がある。
以下、超音波診断装置10Aの構成について説明する。図17は、実施の形態3に係る超音波診断装置10Aの機能ブロック図である。超音波診断装置10Aは、超音波送受信部2、送受信制御部3、Bモード画像生成部4、音響線信号処理部5A、強調処理部6A、及び表示制御部7から構成される。このうち、音響線信号処理部5A、強調処理部6A以外の構成については、実施の形態1に係る超音波診断装置10の各要素と同じであり説明を省略する。
音響線信号処理部5Aは、音響線信号取得部51A、音響線信号合成部52Aから構成されている。
音響線信号取得部51Aは、超音波送受信部2にて生成された音響線信号を入力として、サブ走査が行われる毎に時系列に送信されるサブフレーム音響線信号を記憶するバッファである。
ここで、フレームとサブフレームとの関係では、異なるステアリング角度のサブ走査から取得された1のサブフレーム音響線信号が、空間コンパウンド法により全てのステアリング角度について合成されて1のフレーム音響線信号を構成する。
強調処理部6Aは、サブフレーム強調量マップ作成部62A、音響線信号強調部63A、サブフレーム強調量マップバッファ64A、及びフレーム強調量マップ合成部65Aから構成されている。
サブフレーム強調量マップ作成部62Aは、サブフレーム音響線信号におけるサブフレーム内の音響線信号の画素領域の強度を検出し、着目画素領域の音響線信号と着目画素領域周囲の画素領域の音響線信号との間で信号強度の差分を算出する。この差分が大きいほどその着目画素領域の音響線信号に対する強調量が大きくなる条件でサブフレーム強調量マップを作成し、サブフレーム強調量マップバッファ64Aに出力する。
フレーム強調量マップ合成部65Aは、超音波走査が行われるたびに、フレームを構成する複数のサブフレーム強調量マップを、サブフレーム強調量マップが重なる部分を加算平均する空間コンパウンド法により合成してフレーム強調量マップを生成し、音響線信号強調部63Aに出力する。
<動作について>
以上の構成からなる超音波診断装置10Aの動作について説明する。動作の概略を示すフローチャートは、図2において、Bモード画像信号が音響線信号に置換わる以外は同じである。図3は、超音波診断装置10Aの動作を示す説明図である。
また、各サブフレーム音響線信号に基づき、各サブフレーム強調量マップが作成され、それらが合成されフレーム音響線信号(1+2+3)が生成される。本例では、各サブフレーム強調量マップの作成は、各サブ走査が行われる構成とした。しかしながら、超音波走査1の期間内における任意のタイミングで行われる構成であってもよい。
以下、下段に向けて順に、超音波走査2、3、4が行われ、フレーム音響線信号とフレーム強調量マップの合成、及び強調済フレーム音響線信号の生成がされる。これらの処理は、各サブ走査が行われるたびに新たに取得されたサブフレーム音響線信号を古いサブフレーム音響線信号に置き換えて順次行われる。そのため、サブ走査が行われるたびに強調済フレーム音響線信号を出力することができ、滑らかな表示が可能となる。
以上、説明したとおり、超音波診断装置10Aは、実施の形態1において示した超音波診断装置10の効果に加えて、以下の効果を奏する。
超音波診断装置10Aでは、複数のサブフレームの音響線信号に含まれる画素領域の音響線信号から算出した特性値に基づきサブフレーム強調量マップを作成する。これにより、Bモード画像信号に変えて音響線信号に強調処理を行うことで、Bモード画像生成時に含まれる操作者固有の画質調整の影響を排除して音響線信号の段階で穿刺針に対する強調量を決定することができる。そのため、操作者固有の調整に依存しない強調量の決定が可能となる。 また、特性値として、サブフレームの音響線信号における画素領域の受信信号と当該画素領域周囲の画素領域の受信信号との差分(変化量)に基づき、画素領域の音響線信号に対する強調量を算出する。これにより、サブフレーム音響線信号のフレーム間差分を行うことなくサブフレーム強調量マップを作成することができるので、操作者固有の調整に依存しない強調量の決定が可能となる。た、サブ走査が行われるたびに、強調済フレーム音響線信号を新しく更新して表示制御部7に出力することができ、滑らかな画像表示が可能となる。
以上、各実施の形態に係る超音波診断装置について説明した。なお、本発明は、各実施の形態に限定されるものではなく実施の態様に基づき適宜変更可能である。
上記実施の形態1では、強調受信信号生成ステップS204は、複数のサブフレーム受信信号に対するサブフレーム強調量マップを平均化することによりフレーム強調量マップを作成するサブステップS2041と、複数のサブフレーム受信信号を合成することによりフレーム受信信号を生成するサブステップS2042と、フレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、フレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を、画素領域毎に反省させてフレーム受信信号を強調するサブステップS2043とを有する構成とした。しかしながら、強調受信信号生成ステップS204は、複数のサブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号を画素領域を基準に合成しフレーム受信信号を生成し、複数のサブフレーム強調量マップのうち1以上のサブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量に基づいてフレーム受信信号を強調する構成であればよく、適宜変更してもよい。例えば、強調受信信号生成ステップS204は、各サブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、各サブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を画素領域毎に反映させて各サブフレームの強調済受信信号を生成するサブステップと、各サブフレームの強調済受信信号を平均化してフレームの強調済受信信号を生成するサブステップとを有する構成としてもよい。これにより、上記実施の形態1において示した超音波診断装置10と同じ効果を奏することができる。
また、実施の形態では、各ブロックは、独立したハードウエアによる構成として説明した。しかしながら、超音波診断装置を構成する各ブロックは、必ずしも独立したハードウエアによって構成される必要はなく、例えば、各ブロックを必要に応じて一体としたCPUおよびソフトウエアによって、その機能を実現する構成であってもよい。
また、各実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
さらに、本発明は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
また、上記のステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
≪まとめ≫
以上、説明したとおり、本実施の形態に係る超音波画像処理方法は、複数のステアリング角度の超音波ビームによりなされ各々被検体内における走査範囲が異なる複数回のサブ走査から構成される超音波走査により、超音波探触子を介して被検体から取得した複数のサブフレーム受信信号を合成してフレーム受信信号を生成する超音波画像処理方法であって、複数のサブフレーム受信信号を取得するステップS201と、複数のサブフレーム受信信号に含まれる1又は複数の画素からなる画素領域の受信信号から算出した特性値に基づき、画素領域の受信信号に対する強調量を算出して、複数のサブフレーム受信信号に対する複数のサブフレーム強調量マップを作成するステップS202と、複数のサブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号を画素領域を基準に合成しフレーム受信信号を生成し、複数のサブフレーム強調量マップのうち1以上のサブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量に基づいてフレーム受信信号を強調する強調受信信号生成ステップS204とを有することを特徴とする。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
さらに、超音波診断装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。尚、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
2、2X 超音波送受信部
3、3X 送受信制御部
4、4X Bモード画像生成部
5、5X Bモード画像処理部
5A 音響線信号処理部
6、6A、6Y 強調処理部
7、7X 表示制御部
8、8X 表示器
10、10A 超音波診断装置
10X、10Y 超音波診断装置
51、51X Bモード画像取得部(受信信号取得部)
51A 音響線信号取得部(受信信号取得部)
52、52X Bモード画像合成部(受信信号合成部)
52A 音響線信号合成部(受信信号合成部)
61Y 強調処理用Bモード画像取得部
62、62A サブフレーム強調量マップ作成部
62Y 強調量マップ作成部
63、63Y Bモード画像強調部(受信信号強調部)
63A 音響線信号強調部(受信信号強調部)
64、64A サブフレーム強調量マップバッファ
65、65A フレーム強調量マップ合成部
S 強調Bモード画像生成部(強調受信信号生成部)、
SA 強調音響線信号生成部(強調受信信号生成部)
S201 サブフレームBモード画像(受信信号)を取得するステップ
S202 サブフレーム強調量マップを作成するステップ
S203 強調Bモード画像(受信信号)生成ステップ
S204 強調Bモード画像生成ステップ
S2041 フレーム強調量マップを作成するサブステップ
S2042 フレームBモード画像(受信信号)を生成するサブステップ
S2043 フレームBモード画像(受信信号)を強調するサブステップ
Claims (24)
- 複数のステアリング角度の超音波ビームによりなされ各々被検体内における走査範囲が異なる複数回のサブ走査から構成される超音波走査により、超音波探触子を介して前記被検体から取得した複数のサブフレーム受信信号を合成してフレーム受信信号を生成する超音波画像処理方法であって、
前記複数のサブフレーム受信信号を取得するステップと、
前記複数のサブフレーム受信信号に含まれる1又は複数の画素からなる画素領域の受信信号から算出した特性値に基づき、前記画素領域の受信信号に対する強調量を算出して、前記複数のサブフレーム受信信号に対する複数のサブフレーム強調量マップを作成するステップと、
前記複数のサブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号を画素領域を基準に合成しフレーム受信信号を生成し、前記複数のサブフレーム強調量マップのうち1以上のサブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量に基づいて、前記フレーム受信信号を強調する強調受信信号生成ステップと
を有する超音波画像処理方法。 - 前記強調受信信号生成ステップは、
前記複数のサブフレーム受信信号に対するサブフレーム強調量マップを平均化することによりフレーム強調量マップを作成するサブステップと、
前記複数のサブフレーム受信信号を合成することによりフレーム受信信号を生成するサブステップと、
前記フレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、前記フレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を、画素領域毎に反映させて前記フレーム受信信号を強調するサブステップと
を有する請求項1に記載の超音波画像処理方法。 - 前記フレーム強調量マップを作成するサブステップでは、さらに、強調量が所定値で上限値に達する又は近付くよう前記フレーム強調量マップを増幅する
請求項2に記載の超音波画像処理方法。 - 前記所定値は合成されるサブフレームの数に応じて定まり、前記所定値は合成されるサブフレームの数が多いほど増加される
請求項3に記載の超音波画像処理方法。 - 前記強調受信信号生成ステップは、
前記複数のサブフレーム受信信号に対するサブフレーム強調量マップを、当該サブフレーム受信信号を取得したときの前記ステアリング角度に関連する補正条件に基づき合成することによりフレーム強調量マップを作成するサブステップと、
前記複数のサブフレーム受信信号を合成することによりフレーム受信信号を生成するサブステップと、
前記フレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、前記フレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を、画素領域毎に反映させて前記フレーム受信信号を強調するサブステップと
を有する請求項1に記載の超音波画像処理方法。 - 前記補正条件は、
前記各サブフレーム強調量マップのうち、強調量の最大値を含むサブフレーム強調量マップを、フレーム強調量マップにするという条件である
請求項5に記載の超音波画像処理方法。 - 前記補正条件は、前記各サブフレーム強調量マップのうち、前記複数回のサブ走査の中でステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップをフレーム強調量マップにするという条件である
請求項5に記載の超音波画像処理方法。 - 前記補正条件は、前記複数回のサブ走査の中で前記ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップの重み付けを、前記ステアリング角度が中央値付近以外であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップの重み付けよりも大きくして、前記サブフレーム強調量マップを重み付け加算することによりフレーム強調量マップを作成するという条件である
請求項5に記載の超音波画像処理方法。 - 前記補正条件は、前記複数回のサブ走査の中で、前記ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップと、
前記ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査以外のサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップのうち、サブフレーム強調量マップに含まれる画素領域の強調量の総和が相対的に大きい少なくとも1のサブフレーム強調量マップとを合成するという条件である
請求項5に記載の超音波画像処理方法。 - 前記補正条件は、前記ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査以外のサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップのうち、サブフレーム強調量マップに含まれる画素領域の強調量の総和が相対的に大きい少なくとも1のサブフレーム強調量マップをフレーム強調量マップにするという条件である
請求項5に記載の超音波画像処理方法。 - 前記補正条件は、前記複数回のサブ走査の中で、前記ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップと、
前記ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査以外のサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップのうち、前記ステアリング角度が所定値である少なくとも1のサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップとを合成するという条件である
請求項5に記載の超音波画像処理方法。 - 前記補正条件は、前記ステアリング角度が中央値付近であるサブ走査以外のサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップのうち、前記ステアリング角度が所定値である少なくとも1のサブ走査に基づくサブフレーム強調量マップを、フレーム強調量マップにするという条件である
請求項5に記載の超音波画像処理方法。 - 前記強調受信信号生成ステップは、
前記各サブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、前記各サブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を画素領域毎に反映させて各サブフレームの強調済受信信号を生成するサブステップと、
前記各サブフレームの強調済受信信号を平均化して前記フレームの強調済受信信号を生成するサブステップと
を有する請求項1に記載の超音波画像処理方法。 - 前記強調受信信号生成ステップは、
前記各サブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、前記各サブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を画素領域毎に反映させて各サブフレームの強調済受信信号を生成するサブステップと、
前記各サブフレームの強調済受信信号を、当該サブフレーム受信信号を取得したときの前記ステアリング角度に関連した補正情報に基づき合成して前記フレームの強調済受信信号を生成するサブステップと
を有する請求項1に記載の超音波画像処理方法。 - 前記画素領域の受信信号から算出される特性値は、前記画素領域の受信信号と、当該画素領域の受信信号が取得されたサブ走査とステアリング角度が同じ前記サブ走査より前のサブ走査により取得された同一画素領域の受信信号との差分であり、当該差分が大きいほど前記強調量が大きい
請求項1〜14の何れか1項に記載の超音波画像処理方法。 - 前記画素領域の受信信号から算出される特性値は、前記画素領域の受信信号と前記画素領域周囲の画素領域の受信信号との差分であり、当該差分が大きいほど前記強調量が大きい
請求項1〜14の何れか1項に記載の超音波画像処理方法。 - 前記被検体中の前記走査範囲には穿指針が刺入されており
前記フレーム強調量マップには、前記フレーム受信信号中の穿指針を示す受信信号の部分に強調量がマッピングされている
請求項1〜14の何れか1項に記載の超音波画像処理方法。 - 前記フレーム受信信号を強調するサブステップでは、前記フレーム受信信号における前記フレーム強調量マップにおいて強調量がマッピングされている部分の受信信号が示す輝度を増加する
請求項2又は5の何れか1項に記載の超音波画像処理方法。 - 前記フレーム受信信号を強調するサブステップでは、前記フレーム受信信号における前記フレーム強調量マップにおいて強調量がマッピングされている部分の受信信号が示す色を変更する
請求項2又は5の何れか1項に記載の超音波画像処理方法。 - 前記受信信号は、超音波探触子を介して前記被検体から取得した反射超音波に基づき生成された音響線信号、又は当該音響線信号に基づき直交座標系に変換されたBモード画像信号の何れか一方である
請求項1から19の何れか1項に記載の超音波画像処理方法。 - 請求項1から20の何れか1項に記載の超音波画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体。
- 複数のステアリング角度の超音波ビームによりなされ各々被検体内における走査範囲が異なる複数回のサブ走査から構成される超音波走査により、超音波探触子を介して前記被検体から取得した複数のサブフレーム受信信号を合成してフレーム受信信号を生成する超音波診断装置であって、
前記複数のサブフレーム受信信号を取得する受信信号取得部と、
前記複数のサブフレーム受信信号に含まれる1又は複数の画素からなる画素領域の受信信号から算出した特性値に基づき、前記画素領域の受信信号に対する強調量を算出して、前記複数のサブフレーム受信信号に対する複数のサブフレーム強調量マップを作成するサブフレーム強調量マップ作成部と、
前記複数のサブフレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号を画素領域を基準に合成しフレーム受信信号を生成し、前記複数のサブフレーム強調量マップのうち1以上のサブフレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量に基づいて、前記フレーム受信信号を強調する強調受信信号生成部と
を備えた超音波診断装置。 - 前記強調受信信号生成部は、
前記複数のサブフレーム受信信号に対するサブフレーム強調量マップを平均化することによりフレーム強調量マップを作成するフレーム強調量マップ合成部と、
前記複数のサブフレーム受信信号を合成することによりフレーム受信信号を生成する受信信号合成部と、
前記フレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、前記フレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を、画素領域毎に反映させて前記フレーム受信信号を強調する受信信号強調部と
を備えた請求項22に記載の超音波診断装置。 - 前記強調受信信号生成部は、
前記複数のサブフレーム受信信号に対するサブフレーム強調量マップを、当該サブフレーム受信信号を取得したときの前記ステアリング角度に関連する補正条件に基づき合成することによりフレーム強調量マップを作成するフレーム強調量マップ合成部と、
前記複数のサブフレーム受信信号を合成することによりフレーム受信信号を生成する受信信号合成部と、
前記フレーム受信信号に含まれる各画素領域の受信信号に、前記フレーム強調量マップに含まれる各画素領域の受信信号に対する強調量を、画素領域毎に反映させて前記フレーム受信信号を強調する受信信号強調部と
を備えた請求項22に記載の超音波診断装置。
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