JP6358192B2 - 超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御方法 - Google Patents

超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、超音波診断装置、及びその制御方法に関し、特に、超音波造影剤が投与された被検体に超音波を送信して得られた反射超音波に基づき腫瘍の種別を判断するための情報を得る超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブにより被検体内部に超音波を送信し、被検体組織の音響インピーダンスの差異により生じる超音波反射波(エコー)を受信する。さらに、この受信から得た電気信号に基づいて、被検体の内部組織の構造を示す超音波断層画像を生成し、画像を例えばモニタ上に表示するものである。超音波診断装置は、被検体への侵襲が少なく、リアルタイムに体内組織の状態を断層画像などで観察できるため、生体の形態診断に広く用いられている。
造影超音波法は、被検体組織との音響インピーダンスの差異が大きく強い超音波反射波が得られる気泡を主成分とする超音波造影剤を血管に投与して造影剤が流入した血管部分を高輝度に画像化する検査方法であり、この方法により血流の検出性能を向上することができる。
癌診断では、癌と疑われる腫瘍を探すスクリーニング検査の後、腫瘍が良性であるか悪性であるかを判定する良悪性鑑別を行う。近年、造影超音波画像の時間的、空間的な変化に基づき、腫瘍の良悪性鑑別や腫瘍の種別を判定する検査が行われている。例えば、肝癌腫瘍の診断においては、投与した造影剤が腫瘍に到達した後、造影超音波画像又は超音波画像中の腫瘤の存在する領域(以後、「腫瘤領域」とする)に設定した関心領域(Region of Interest, ROI)内の全体的な輝度の時間的な変化を示す時間輝度曲線(Time Intensity Curve, TIC)を観察し、時間輝度曲線の形状解析に基づき良悪性や種別を鑑別することが行なわれている(例えば、非特許文献1)。
一方、乳腺腫瘤の造影超音波診断においては、腫瘤領域全体よりも腫瘤領域内で最も染影される局所領域(例えば直径2mm程度の円領域)の時間輝度曲線を計測し観察することが良悪性鑑別などに有用であるとの臨床的報告がなされている(例えば、非特許文献2)。この検査では、造影超音波画像における腫瘤領域内の最高輝度点の抽出は検査者の手技により行われていた。これに関連して造影超音波画像の視認性向上するための各種技術が提案されている(特許文献1、2)。
国際公開公報WO2006−051831号 特開2009−100971号公報
飯島尋子 Innervision(29・1)2014,P113-115 佐藤 恵美 「乳房造影超音波検査の時間輝度曲線解析における関心領域設定方法の検討」2014年10月、日本乳腺甲状腺超音波医学会
しかしながら、造影超音波画像は時間的にも空間的にも輝度が変化するために、検査者が主観的判断に基づき最高輝度を採る局所領域の時間輝度曲線を正確かつ客観的に抽出することは難しかった。また、検査の効率も悪かった。そのため、検査結果の客観性と検査効率を高めるためには、検査者に高度な熟練を要した。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な演算処理によって腫瘤領域内の最高輝度を採る局所領域の時間輝度曲線の検出を正確かつ効率的に行える超音波診断装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る、超音波診断装置は、超音波造影剤が投与された被検体内の所定部位に超音波探触子を介して超音波を送信して得られた反射超音波のうち、前記被検体の組織からの反射成分に基づき複数フレームのBモード画像と、前記超音波造影剤からの反射成分に基づき複数フレームの造影画像とを各々時系列に生成する超音波診断装置であって、基準フレームのBモード画像中に関心領域を設定する関心領域設定部と、前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記関心領域内と対応する対応関心領域を設定する対応関心領域設定部と、前記造影画像に、同じ反射超音波に依拠して生成されたBモード画像の前記関心領域又は前記対応関心領域に対応する造影画像関心領域と、当該造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、前記複数の局所領域中最大である局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する最大TIC決定部とを備えたことを特徴とする。
本発明の一態様に係る超音波診断装置及びその制御方法によれば、簡易な演算処理によって腫瘤領域内の最高輝度を採る局所領域の時間輝度曲線を抽出することができる。その結果、検査結果の正確性と客観性を向上するとともに、検査効率を向上することができる。
実施の形態に係る超音波診断装置100を含む超音波診断システム1000の機能ブロック図である。 送信部103の構成を示す機能ブロック図である。 受信部104の構成を示す機能ブロック図である。 Bモード画像生成部105、造影画像生成部106の構成を示す機能ブロック図である。 TIC処理部108の構成を示す機能ブロック図である。 超音波画像の生成処理のフローチャートである。 最大TIC決定処理のフローチャートである。 基準となるフレーム化Bモード画像中に関心領域を表示する表示画像の例を示す図である。 基準となるフレーム化Bモード画像中に関心領域を表示する表示画像の例を示す写真である。 動き補償による対応関心領域の設定処理における同一又は類似するBモード画像の探索動作の説明図である。 動き補償による対応関心領域の設定処理の詳細を示すフローチャートである。 (a)は、フレーム化造影画像中に造影画像関心領域を設定する例を示す模式図、(b)は、フレーム化造影画像中の造影画像関心領域内の局所領域内の画素についての平均輝度を算出する例を示す模式図である。 (a)は、局所領域ごとにTICを算出する例を示す模式図、(b)は、局所領域ごとに算出したTICにおいて評価値のフレーム間TIC最大値を算出する例を示す模式図、(c)は、フレーム間TIC最大値の中から決定された局所領域TIC最大値、最大TICの例を示した模式図である。 最大TICのデータ構造を示す模式図である。 (a)(b)は、表示される表示画像の構成を示す模式図である。 (a)(b)は、表示画像の一例を示す写真である。 変形例1に係る複数の特定局所領域と複数の特定局所領域に対する複数の最大時間輝度曲線を示した表示画像の模式図である。
≪実施の形態≫
以下、実施の形態に係る超音波診断装置100を含む超音波診断システム1000について、図面を参照しながら説明する。
<超音波診断システム1000>
1.構成概要
図1は、実施の形態に係る超音波診断装置100を含む超音波診断システム1000の機能ブロック図である。図1に示すように、超音波診断システム1000は、被検体に向けて超音波を送信しその反射波の受信する先端表面に列設された複数の振動子101aを有する超音波プローブ101(以下、「プローブ101」とする)、プローブ101に超音波の送受信を行わせプローブ101からの出力信号に基づき超音波画像を生成する超音波診断装置100、検査者からの操作入力を受け付ける操作入力部112、超音波画像を画面上に表示する表示部113を有する。プローブ101、操作入力部112、表示部113は、それぞれ、超音波診断装置100に各々接続可能に構成されている。図1は超音波診断装置100に、プローブ101、操作入力部112、表示部113が接続された状態を示している。なお、プローブ101、操作入力部112、表示部113が、超音波診断装置100に含まれる態様であってもよい。
次に、超音波診断装置100に外部から接続される各要素について説明する。
2.プローブ101
プローブ101は、例えば一次元方向(以下、「振動子配列方向」とする)に配列された複数の振動子101aを有する。プローブ101は、後述の送信部103から供給されたパルス状の電気信号(以下、「送信信号」とする)をパルス状の超音波に変換する。プローブ101は、プローブ101の振動子側外表面を被検体の皮膚表面に当接させた状態で、複数の振動子から発せられる複数の超音波からなる超音波ビームを測定対象に向けて送信する。そして、プローブ101は、被検体からの複数の超音波反射波(以下、「反射超音波」とする)を受信し、複数の振動子によりこれら反射超音波をそれぞれ電気信号に変換して受信部104に供給する。
3.操作入力部112
操作入力部112は、検査者からの超音波診断装置100に対する各種設定・操作等の各種操作入力を受け付け、関心領域設定部107を介して制御部111に出力する。
操作入力部112は、例えば、表示部113と一体に構成されたタッチパネルであってもよい。この場合、表示部113に表示された操作キーに対してタッチ操作やドラッグ操作を行うことで超音波診断装置100の各種設定・操作を行うことができ、超音波診断装置100がこのタッチパネルにより操作可能に構成される。また、操作入力部112は、例えば、各種操作用のキーを有するキーボードや、各種操作用のボタン、レバー等を有する操作パネルであってもよい。また、表示部113に表示されるカーソルを動かすためのトラックボール、マウスまたはフラットパッド等であってもよい。または、これらを複数用いてもよく、これらを複数組合せた構成のものであってもよい。
4.表示部113
表示部113は、いわゆる画像表示用の表示装置であって、後述する表示制御部110からの画像出力を画面に表示する。表示部113には、液晶ディスプレイ、CRT、有機ELディスプレイ等を用いることができる。
<超音波診断装置100の構成概要>
次に、実施の形態に係る超音波診断装置100について説明する。
超音波診断装置100は、プローブ101の複数ある振動子101aのうち、送信又は受信の際に用いる振動子を各々に選択し、選択された振動子に対する入出力を確保するマルチプレクサ部102、超音波の送信を行うためにプローブ101の各振動子101aに対する高電圧印加のタイミングを制御する送信部103と、プローブ101で受信した反射超音波に基づき、受信ビームフォーミングして音響線信号を生成する受信部104を有する。また、受信部104からの出力信号である音響線信号のうち被検体の組織からの反射成分に基づき時系列にフレーム化超音波画像(Bモード画像)を生成するBモード画像生成部105を有する。Bモード画像生成部105では、後述する方法により基本周波数成分に対応する画像を生成するが、このような画像は基本波画像と呼ばれることもある。さらに、音響線信号のうち造影剤からの反射成分に基づき時系列にフレーム化造影画像を生成する造影画像生成部106を有する。また、操作入力部112からの操作入力に基づき関心領域を設定する関心領域設定部107、関心領域を示す情報とフレーム化造影画像とに基づき時間輝度曲線を決定するTIC処理部108を有する。また、受信部104が出力する音響線信号、Bモード画像生成部105が出力するBモード画像、造影画像生成部106が出力する造影画像、TIC処理部108が出力する時間輝度曲線(以後、「TIC」とする)を保存するデータ格納部109、表示画像を構成して表示部113に表示させる表示制御部110、さらに、各構成要素を制御する制御部111を備える。
このうち、マルチプレクサ部102、送信部103、受信部104、Bモード画像生成部105、造影画像生成部106、関心領域設定部107、TIC処理部108は、超音波信号処理回路150を構成する。
超音波診断装置100を構成する各要素、例えば、マルチプレクサ部102、送信部103、受信部104、Bモード画像生成部105、造影画像生成部106、関心領域設定部107、TIC処理部108、表示制御部110、制御部111は、それぞれ、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Aplication Specific Integrated Circuit)などのハードウェア回路により実現される。あるいは、CPU(Central Processing Unit)やGPGPU(General−Purpose computing on Graphics Processing Unit)やプロセッサなどのプログラマブルデバイスとソフトウェアにより実現される構成であってもよい。これらの構成要素は一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。また、複数の構成要素を組合せて一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。
データ格納部109は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、MO、DVD、DVD−RAM、半導体メモリ等を用いることができる。また、データ格納部109は、超音波診断装置100に外部から接続された記憶装置であってもよい。
なお、本実施の形態に係る超音波診断装置100は、図1で示した構成の超音波診断装置に限定されない。例えば、マルチプレクサ部102が不要な構成もあるし、プローブ101に送信部103や受信部104、またその一部などが内蔵される構成であってもよい。
<超音波診断装置100の各部構成>
次に、超音波診断装置100に含まれる各ブロックの構成について説明する。
1.送信部103
送信部103は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、プローブ101から超音波の送信を行うために、プローブ101に存する複数の振動子101aの全てもしくは一部に当たる送信振動子列に含まれる複数の振動子各々に対する高電圧印加のタイミングを制御する回路である。
図2は、送信部103の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、送信部103は、送信信号発生部1031、送信信号処理部1032を備える。
(1)送信信号発生部1031
送信信号発生部1031は、制御部111からの送信制御信号に基づき、プローブ101に存する振動子に超音波ビームを送信させるためのパルス信号spを発生する。本実施の形態では、2回のパルス信号を発生する。1回目のパルス信号sp1と2回目のパルス信号sp2とは位相が反転している。
(2)送信信号処理部1032
送信信号処理部1032は、送信信号発生部1031からのパルス信号spに基づき、プローブ101に存する複数の振動子101a中、送信振動子列に含まれる各振動子に超音波ビームを送信させるための送信信号scを供給する送信処理を行う回路である。位相が反転した2回のパルス信号sp1、sp2に基づき2回の位相が反転した送信信号sc1、sc2が各振動子に供給され、各回ごとに送信信号の供給に伴う反射超音波の受信が行われる。送信振動子列は、マルチプレクサ部102によって選択される。
送信処理では、超音波ビームの送信タイミングを振動子毎に遅延時間を設定し、遅延時間だけ超音波ビームの送信を遅延させて超音波ビームのフォーカシングを行ってもよい。
送信部103は、超音波送信ごとに送信振動子列を列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う。送信振動子列に含まれる振動子の位置を示す情報は制御部111を介してデータ格納部109に出力される。以後、送信部103より、同一の送信振動子列から行われる超音波送信を「送信イベント」と称呼する。また、同一の送信振動子列から受信処理を間に挟むことなく行われる超音波送信を「送信カウント」と称呼する。上述した位相が反転した2回の送信信号sc1、sc2の供給は同じ送信イベントに属し、sc1、sc2各々は異なる送信カウントに属する。
2.受信部104の構成
受信部104は、プローブ101で受信した反射超音波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号から音響線信号を生成する回路である。なお、「音響線信号」とは、整相加算処理がされたあとのある観測点に対する受波信号である。
図3は、受信部104の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、受信部104は、受信入力部1041、受波信号遅延部1042、受波信号加算部1043、フィルタ1044、受波信号保持部1045A、1045B、整相加算部1046を備える。
(1)受信入力部1041
受信入力部1041は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、送信カウントに同期してプローブ101において反射超音波に基づき受波信号(RF信号)を生成する回路である。ここで、受波信号rf(RF信号)とは、送信信号scの送信に基づいて各振動子にて受信された反射超音波から変換された電気信号をA/D変換したデジタル信号であり、受波信号rfは各振動子にて受信された超音波の送信方向(被検体の深さ方向)に連なった信号の列(受波信号列)から構成されている。
本例では、上述のとおり、各送信イベントごとに、送信信号はsc1、sc2とから構成されているので、各送信信号scの送信に対応して取得される受波信号(受波信号列)も、送信信号sc1、sc2に各々対応した受波信号rf1、rf2から構成される。受波信号rf1、rf2は、送信カウントの順に時系列に生成される。
受信入力部1041は、送信イベントに同期して選択される受信振動子の各々が得た反射超音波に基づいて、送信カウントごとに各受信振動子に対する受波信号rfの列を生成する。受信振動子列はプローブ101に存する複数の振動子101aの一部又は全部にあたる振動子列から構成されており、送信イベントに同期してマルチプレクサ部102によって選択される。
送信部103は、送信イベントに同期して送信振動子列を列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する複数の振動子101a全体から超音波送信を行う。生成された受波信号rfは、受波信号遅延部1042、及び受波信号加算部1043に出力される。
(2)受波信号遅延部1042
受波信号遅延部1042は、各送信イベントにおける1回目の送信カウントより得られた各受信振動子に対する受波信号rf1を保持するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む回路である。保持されている受波信号rf1は、受波信号加算部1043、及びフィルタ1044に出力される。
(3)受波信号加算部1043
受波信号加算部1043は、受波信号遅延部1042より出力される1回目の送信カウントより得られた受波信号rf1と、受信入力部1041より出力される2回目の送信カウントより得られた受波信号rf2とを入力として、両者を各受信振動子に対する信号ごとに加算する回路である。受波信号は、位相が反転した2回の送信信号sc1、sc2による反射超音波に基づいているため、基本波成分は位相反転しているが、2次高調波成分は同位相となる。そのため.加算により基本波成分は相殺されて除去され、2次高調波成分は2倍化されて残存し、2次高調波成分のみを抽出することができる。受波信号rf1とrf2とが加算された受波信号の2次高調波成分rfhは、受波信号保持部1045Bに出力される。
(4)フィルタ1044
フィルタ1044は、受波信号遅延部1042より出力される1回目の送信カウントより得られた受波信号rf1を入力として、受波信号rf1から2次高調波成分を除去するローパスフィルタである。抽出された受波信号の基本成分rffは、受波信号保持部1045Aに出力される。
(5)受波信号保持部1045A、1045B
受波信号保持部1045A、1045Bは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、半導体メモリ等を用いることができる。受波信号保持部1045Aは、送信イベントに同期してフィルタ1044から、各受信振動子に対する受波信号の基本成分rffを入力し、1枚のフレーム音響線信号が生成されるまでの間これを保持する。受波信号保持部1045Bは、送信イベントに同期して受波信号加算部1043から、各受信振動子に対する受波信号の2次高調波成分rfhを入力し、1枚のフレーム音響線信号が生成されるまでの間これを保持する。
なお、受波信号保持部1045A、1045Bには、例えば、ハードディスク、MO、DVD、DVD−RAM等を用いることができる。超音波診断装置100に外部から接続された記憶装置であってもよい。また、データ格納部109の一部であってもよい。
(6)整相加算部1046
整相加算部1046では、送信イベントに同期して被検体内の観測点から各受信振動子が受信した受波信号rfに遅延処理を施した後、加算して音響線信号dsを生成する回路である(以後、受波信号rff、rfhにおいて、基本波成分、2次高調波成分に対する処理を区別しない場合には、rfにf、hを付記しないこととする。音響線信号dsについても同様である)。
整相加算部1046は、受波信号の基本波成分rffに対する処理を行うための遅延処理部10461A、加算部10462A、及び合成部10463Aと、受波信号の2次高調波成分rfhに対する処理を行うための遅延処理部10461B、加算部10462B、及び合成部10463Bを備える(以後、各要素において、両成分に対する処理を区別しない場合には、要素番号にA、Bを付記しないこととする。)
遅延処理部10461は、受信振動子列内の受信振動子に対する受波信号(受波信号列)から、観測点と受信振動子各々との間の距離の差を音速値で除した受信振動子各々への反射超音波の到達時間差(遅延量)により補償して、観測点からの反射超音波に基づく各受信振動子に対応する受波信号として同定する回路である。遅延処理部10461Aは、受波信号保持部1045Aから受波信号の基本波成分rffを入力して上記処理を行う。遅延処理部10461Bは、受波信号保持部1045Bから受波信号の2次高調波成分rfhを入力して上記処理を行う。
加算部10462は、遅延処理部10461から出力される各受信振動子に対応して同定された受波信号を入力として、それらを加算して、観測点に対する整相加算された音響線信号を生成する回路である。ここでは、1回の送信イベントに同期して受信振動子列中心を通り振動子列と垂直であって単一振動子幅の被検体深さ方向に沿った1本の音響線信号dsを生成する。
合成部10463は、送信イベントに同期して生成される音響線信号からフレーム音響線信号dsを合成する回路である。合成部10463Aは、受波信号の基本波成分rsfに基づきフレーム音響線信号の基本波成分dsfを合成する。合成部10463Bは、受波信号の2次高調波成分rfhに基づきフレーム音響線信号の2次高調波成分dshを合成する。合成部10463では、複数の送信イベントに同期して生成された複数本の音響線信号dsを列方向に合成することにより、1フレームの音響線信号を生成する。
ここで、「フレーム」とは、1枚の超音波画像を構築する上で必要な画像信号からなる信号群の単位をさす。1フレーム分の合成された音響線信号を「フレーム化音響線信号」とする。送信イベントに同期して音響線信号が生成される領域は、上記に限定されるものではなく、任意の領域に設定してもよい。
合成されたフレーム化音響線信号の基本波成分dsf、フレーム化音響線信号の2次高調波成分dshは、各々データ格納部109に出力され保存される。
3.Bモード画像生成部105
Bモード画像は、主に被検体の組織からの反射成分である音響線信号の基本波成分の強さを輝度によって表したものである。図4は、Bモード画像生成部105及び造影画像生成部106の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、Bモード画像生成部105は、データ格納部109からフレーム音響線信号の基本波成分dsfを入力として、フレーム音響線信号の基本波成分dsfに対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施してその強度に対応した輝度信号へと変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことでフレーム化Bモード画像sgfを生成する。Bモード画像生成部105はこの処理をフレーム毎に逐次行い、生成したフレーム化Bモード画像sgfをデータ格納部109に出力する。
4.造影画像生成部106
造影画像は、主に被検体に存在する超音波造影剤(以後、「造影剤」とする)からの反射成分である音響線信号の2次高調波成分の強さを輝度によって表したものである。図4に示すように、造影画像生成部106は、データ格納部109からフレーム化音響線信号の2次高調波成分dshを入力として、フレーム化音響線信号の2次高調波成分dshに対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施してその強度に対応した輝度信号へと変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことでフレーム化造影画像sghを生成する。造影画像生成部106はこの処理をフレーム毎に逐次行い、生成したフレーム化造影画像sghをデータ格納部109に出力する。
5.関心領域設定部107
関心領域設定部107は、操作入力部112を介して検査者により指定された基準となるフレーム化Bモード画像sgf0及び関心領域roif0を示す情報に基づき関心領域roif0を設定し、TIC処理部108に出力する。ここで基準となるフレーム化Bモード画像sgf0とは時系列の複数のフレーム化Bモード画像sgfiのうち、検査者からの操作入力により関心領域roif0の選択に用いられるフレーム化Bモード画像sgfiである。また、関心領域roif0とは、同様に検査者からの操作入力により腫瘍の種別の判定に用いられるフレーム化Bモード画像内の領域であり、具体的には、フレーム化Bモード画像中で検査者が腫瘤領域であると考える領域である。
しかしながら、関心領域設定部107は、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0及び関心領域roif0を他の方法により検出する構成としてもよい。例えば、複数のフレーム化Bモード画像sgfiから画像の輝度や位置関係に基づいて腫瘤領域を含む画像領域を検出することにより、関心領域roif0が自動的に設定される構成であってもよい。
6.TIC処理部108
TIC処理部108は、データ格納部109からフレーム化Bモード画像sgf、フレーム化造影画像sghをそれぞれ読み込み、関心領域設定部107から出力される基準となるフレーム化Bモード画像及び関心領域を示す情報を入力として、後述する造影剤画像関心領域内の複数の局所領域について、複数のフレーム化造影画像からTICを算出し、算出した各TICの最大輝度が複数の局所領域の中で最大であるTICを最大TICとして決定する。ここで、「局所領域」とは、造影剤画像関心領域内に存する関心領域よりも小さな画像領域であり1以上の画素から構成される。また、「TIC」とは、複数フレームの造影画像における関心領域内の局所領域の輝度(例えば、輝度平均値)からなる信号シーケンス(時系列データ)である。
図5は、TIC処理部108の構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、TIC処理部108は、対応関心領域設定部1081、及び最大TIC決定部1082を備え、最大TIC決定部1082は、局所領域輝度算出部10821、局所領域輝度保持部10822、フレーム間TIC最大値算出部10823、局所領域TIC最大値決定部10824、TICパラメータ算出部10825を備える。
(1)対応関心領域設定部1081
対応関心領域設定部1081は、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0を除く他のフレーム化Bモード画像sgfi(iはn以下の自然数であり、フレームを識別する番号である)の中に、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中の関心領域roif0内のBモード画像と対応する対応関心領域roifiを設定する。
具体的には、対応関心領域設定部1081は、先ず、関心領域設定部107から出力される基準となるフレーム化Bモード画像sgf0及び関心領域roif0を示す情報を入力する。そして、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0は、基準となる画像である。対応関心領域設定部1081は、データ格納部109からフレーム化Bモード画像sgfiを読み込み、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0を除く他のフレーム化Bモード画像sgfiの中に、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中の関心領域roif0内のBモード画像と対応するBモード画像が存在する領域を検出し、その領域を対応関心領域roifiに設定する。本実施の形態では、対応関心領域roifi内のBモード画像が、関心領域roif0内のBモード画像と同一であるか又は類似していることを、対応関心領域roifi設定の要件とした。例えば、対応関心領域設定部1081は、フレーム化Bモード画像sgfiにおける対応関心領域roifiの位置が、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0における関心領域roif0の位置と同じになるように、対応関心領域roifiを設定してもよい。
しかしながら、対応関心領域roifiは、関心領域roif0内のBモード画像と対応するBモード画像が存在する領域を検出する他の方法により検出される領域であってもよい。例えば、対応関心領域設定部1081は、動き補償を利用して対応関心領域roifiを設定してもよい。対応関心領域roifi設定方法の詳細については後述する。各フレーム化Bモード画像sgfiにおける対応関心領域roifiの位置を示す情報は局所領域輝度算出部10821に出力される。
(2)局所領域輝度算出部10821
局所領域輝度算出部10821は、フレーム化造影画像sghiに、同じ反射超音波に依拠して生成されたフレーム化Bモード画像sgfiの関心領域roif0又は対応関心領域roifiに対応する造影画像関心領域roihiと、造影画像関心領域roihiに含まれる1以上の画素からなる複数の局所領域sptj(jはm以下の自然数)を設定する。そして、局所領域sptjに含まれる1以上の画素の造影画像の輝度に基づく評価値vljを、全てのフレーム化造影画像sghiの局所領域sptjについて算出する。本実施の形態では、局所領域sptj内の1以上の画素についての造影画像の算術平均値を評価値vljとした。しかしながら、評価値vljは、局所領域sptjに含まれる画素の造影画像の輝度に基づき算出される、例えば最大値、相乗平均値等、他のパラメータであってもよい。算出されたフレーム化造影画像sghiにおける造影画像関心領域roihi内の局所領域sptjの評価値vljは、局所領域輝度保持部10822に出力され、局所領域輝度保持部10822は評価値vljを保持する。
(3)フレーム間TIC最大値算出部10823
フレーム間TIC最大値算出部10823は、局所領域輝度保持部10822に保持されている評価値vljの中から、局所領域sptjごとにフレーム間TIC最大値ticjmaxを検出する。フレーム間TIC最大値ticjmaxは、局所領域sptjごとに評価値vljに基づきTIC(時間輝度曲線)ticjを算出し、各TICticjについて評価値vljのフレーム間TIC最大値ticjmaxを算出することにより検出する。このとき、フレーム間TIC最大値算出部10823は、各TICticjに対しカーブフィテイング(曲線補完処理)を行い、TICを整形した整形TICfticjを算出し、整形TICfticjを用いてフレーム間TIC最大値ticjmaxを算出してもよい。
検出されたフレーム間TIC最大値ticjmaxは局所領域TIC最大値決定部10824に出力される。
(4)局所領域TIC最大値決定部10824
局所領域TIC最大値決定部10824は、各局所領域sptjに対するフレーム間TIC最大値ticjmaxの中から局所領域TIC最大値ticXmaxを検出する。そして、局所領域TIC最大値ticXmaxが検出された局所領域sptjを特定局所領域sptX、局所領域TIC最大値ticXmaxを含むTICを最大TICfticXとして特定する。局所領域TIC最大値決定部10824は、局所領域TIC最大値ticXmax、最大TICfticX、及び特定局所領域sptXを表示制御部110に出力する。
(5)TICパラメータ算出部10825
TICパラメータ算出部10825は、最大TICfticXの波形形状に基づき各種診断用TICパラメータを算出する。算出された各種TICパラメータは表示制御部110に出力される。
7.表示制御部110
表示制御部110は、フレーム化Bモード画像sgfi、及びフレーム化造影画像sghiを表示部113に、例えば、並べて表示させるよう表示画像を構成して表示部113に表示させる処理を行う。ここで、フレーム化Bモード画像とは、表示部113の表示画面に表示される1フレームの画像を指す。また、フレーム化造影画像とは、表示部113の表示画面に表示される1フレームの画像を指す。Bモード画像と造影画像を区別しないときは、超音波画像と総称する。
さらに、TIC処理部108により出力された最大TICfticXに基づきTICを示す画像を構成し表示部113に表示させる。このとき、TIC処理部108により出力された局所領域最大値ticXmaxを最大TICfticXとともに表示してもよい。また、TIC処理部108により出力され、特定局所領域sptXを、例えば、Bモード画像sgf又は造影画像sghと重畳させて表示画像を構成し表示部113に表示させてもよい。
TIC処理部108により生成された整形TICfticjを示す画像を表示部113に表示させてもよい。
また、TICパラメータ算出部10825において最大TICfticXの波形形状に基づき算出された各種TICパラメータを表示部113に表示させてもよい。
8.その他の構成
データ格納部109は、生成されたBモード画像信号sgf、それに対応する造影画像sghを逐次記録する記録媒体である。データ格納部109は、フレーム化Bモード画像sgfiと、それに対応するフレーム化造影画像sghiとを関連付けて逐次記録する。また、フレーム化Bモード画像sgfiと、それに対応するフレーム化造影画像sghiとを関連付ける方法として、フレーム化Bモード画像sgfiと対応するフレーム化造影画像sghiとを1つの画像にまとめて記録する構成としてもよい。ここで、時間的に連続した一定時間内に得られた受波信号に基づき構築された複数フレームからなるBモード画像sgf1〜nが、Bモード画像の動画ファイルの一単位を構成する。時間的に連続した一定時間内に得られた受波信号に基づき構築された造影画像sgh1〜nが、造影画像の動画ファイルの一単位を構成する。
制御部111は、操作入力部112からの指令に基づき、超音波診断装置100内の各ブロックを制御する。制御部111にはCPU等のプロセッサを用いることができる。
<動作について>
以上の構成からなる超音波診断装置100の動作について説明する。
1.超音波検査時の動作の概要
図6は、本実施の形態に係る超音波診断装置100における超音波画像の形成処理のフローチャートである。
以下の説明は、検査者が被検者に造影剤を投与した後の動作を想定している。
[ステップS110]
最初に、フレーム識別番号iを初期化(ステップS100)したのち、送信部103は、造影剤を多く含む高調波成分を取り出すために、位相が反転した2回の送信信号sc1、sc2を送信する。そして、受信部104は、受信した2つの受波信号rf1、rf2を加算した加算信号である受波信号の2次高調波成分rfhと、片方を反転させて加算した後1/2を乗算した反転加算信号rf1との2つの信号を生成する。
また、同相で振幅が異なる送信信号を2回送信し、受信した2つの受波信号を加減算することで受波信号のrfhとrf1に相当する信号を生成してもよい。受信部104は、前者の受波信号の2次高調波成分rfhを整相加算し、さらに1フレーム分の信号を合成してフレーム化音響線信号の2次高調波成分dshiを生成し、データ格納部109を介して造影画像生成部106へ出力する。
一方、受信部104は、後者の反転加算信号rf1に、高調波成分を抑制するフィルタ処理を施し、処理後の信号である受波信号の基本波成分rffを整相加算し、さらに1フレーム分の信号を合成してフレーム化音響線信号の基本波成分dsfiを生成し、データ格納部109を介してBモード画像生成部105へ出力する。
次に、Bモード画像生成部105は、受信部104より出力されたフレーム化音響線信号の基本波成分dsfiを直交検波して振幅値に変換し、得られた振幅値が表示画像の解像度及び階調に合うように、当該振幅値に間引き及び対数圧縮を行う。さらに、Bモード画像生成部105は、処理後の信号に、スキャンラインを実スケールに合わせるスキャンコンバートと呼ばれる補間処理を行うことで、フレーム化Bモード画像sgfiを生成する。
同様に、造影画像生成部106は、受信部104より出力されたフレーム化音響線信号の2次高調波成分dshiを直交検波して振幅値に変換し、対数圧縮してスキャンコンバートを行うことでフレーム化造影画像sghiを生成する。
[ステップS111]
次に、Bモード画像生成部105は、受波信号の基本波成分rffから形成された超音波画像であるフレーム化Bモード画像sgfiをデータ格納部109に保存する。また、造影画像生成部106は、受波信号の2次高調波成分rfhから形成された超音波画像であるフレーム化造影画像sghiをデータ格納部109に保存する。
[ステップS112]
さらに、検査者がリアルタイムに超音波画像を確認できるように、表示制御部110は、データ格納部109からフレーム化Bモード画像sgfi、フレーム化造影画像sghiを読み込み、Bモード画像、造影画像を含む表示画像を作成する。表示部113は作成された表示画像を表示する。
[ステップS113]
次に、検査者が操作入力部112を介して超音波画像の表示停止を指示すると、送信部103及び受信部104は超音波の送受信を停止し、Bモード画像生成部105及び造影画像生成部106は超音波画像の生成処理を停止する。そして、表示部113は、停止直前に表示制御部110が作成した超音波画像を表示する。それ以外の場合については、フレーム識別番号iをインクリメントして、ステップS110に戻り、次の超音波画像の生成処理を行う。つまり、ステップS110〜S112の処理によりある時刻の超音波画像が生成され、この一連の処理が、複数の時刻に対して時系列に行われる。
2.最大TIC決定処理
次に、本実施の形態に係る最大TIC決定処理について説明する。図7は、本実施の形態に係る超音波診断装置100における最大TIC決定処理のフローチャートである。
以下の説明は、図6に示すステップS113において表示停止が指示された後の動作を想定している。
[ステップS201]
検査者が操作入力部112を介して、時系列に生成された複数のフレーム化Bモード画像sgfi(iはn以下の自然数)の中から関心領域roif0の選択に用いる基準となるフレーム化Bモード画像sgf0を選択する。選択は、例えば、検査者が表示部113に表示されるフレーム化Bモード画像sgfiを見ながら、操作入力部112への操作入力により表示するフレーム化Bモード画像sgfiのフレームiをスクロールする等により、関心領域roif0の選択に供することができるフレーム化Bモード画像sgfiを選択することにより行う。表示制御部110は、検査者からの操作入力に基づきデータ格納部109から指示されたフレーム化Bモード画像sgfiを読み込み、表示画像を作成して表示部113に表示する。フレーム識別番号iが同じ造影剤画像sghiを同時に並べて表示してもよい。
検査者により操作入力部112に、表示部113に表示されているフレーム化Bモード画像sgfiを基準となるフレーム化Bモード画像sgf0に選択することを示す操作入力があったときには、関心領域設定部107はフレーム化Bモード画像sgfiを基準となるフレーム化Bモード画像sgf0に設定し、表示制御部110は表示部113にフレーム化Bモード画像sgfiを継続して表示する。関心領域設定部107は、フレーム化Bモード画像sgfiを識別するフレーム識別番号i等の情報を基準となるフレーム化Bモード画像sgf0を特定する情報としてTIC処理部108に出力する。
しかしながら、上述のとおり、関心領域設定部107が、複数のフレーム化Bモード画像sgfiから、画像の輝度や位置関係に基づいて腫瘤領域を含む画像領域を検出し、関心領域roif0を自動的に設定してもよい。
[ステップS202]
検査者は操作入力部112を介して、表示部113に表示されている基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中に腫瘍の種別の判定に用いる関心領域roif0を設定する。
図8は、ステップS202の処理において、基準となるフレーム化Bモード画像中に関心領域を設定する例を示す模式図である。図8に示すように、検査者は、操作入力部112として、例えば、マウス又はトラックボール等の入力デバイスを用いて、表示部113に表示されるポインタPを動かして関心領域roif0を設定する。このとき、関心領域roif0は基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中の腫瘤領域を取り囲むように設定することが好ましい。図9は、ステップS202の処理において、基準となるフレーム化Bモード画像中に関心領域を表示する表示画像の例を示す写真である。図9に示すように、検査者は、表示されるポインタPを移動させて、ポインタPが基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中の腫瘤領域を取り囲むような状態にして関心領域roif0を設定する。関心領域roif0の大きさは腫瘤領域の大きさに応じて、例えば、組織の実寸換算において直径1cmから数cm(3から4cm)の範囲に設定することが好ましい。
関心領域設定部107は、TIC処理部108に設定された関心領域roif0の位置情報を出力する。
[ステップS204]
先ず、フレーム識別番号iを初期化(ステップS203)したのち、ステップS204において、対応関心領域設定部1081は、フレーム化Bモード画像sgfiの中に、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中の関心領域roif0内のBモード画像と同一であるか又は類似しているBモード画像が存在する対応関心領域roifiを設定する。ステップS203において、フレーム識別番号iが基準となるフレーム化Bモード画像sgf0が選択されたフレームの識別番号である場合には、以降の処理を行わずステップS207に進む。
対応関心領域設定部1081により設定される他のフレーム化Bモード画像sgfiにおける対応関心領域roifiの位置は、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0における関心領域roif0の位置と同し位置としてもよい。また、対応関心領域設定部1081は、動き補償を利用して対応関心領域roifiを設定してもよい。
以下、動き補償を利用した場合の対応関心領域roifi設定方法の一例について説明する。
図10は、動き補償による対応関心領域の設定処理における同一又は類似するBモード画像の探索動作の説明図である。図10に示すように、本探索動作では、フレーム化Bモード画像sgfi上に動き検出窓302を設定し、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0上の関心領域テンプレート301と比較して類似度(誤差値、相関値、等)を動き検出窓302内の画像との類似度により算出する。関心領域テンプレート301には、例えば、関心領域roif0よりも少し大きく、関心領域roif0内のBモード画像を含む画像を用いることができる。スキャンライン303の方向に動き検出窓302を移動させて、各位置における動き検出窓302内のBモード画像部分について類似度を算出する。動き検出窓302がフレーム化Bモード画像sgfi全体を掃引するよう動き検出窓302を移動させながらこの処理を繰り返し、類似度が最大となる位置302xでの動き検出窓302内の関心領域roif0に相当する画像部分を、フレーム化Bモード画像sgfiにおける対応関心領域roifiとする。
図11は、動き補償による対応関心領域の設定処理の詳細を示すフローチャートであり、図7のステップS204における処理の一例を示したものである。図11において、先ず図10に示すように、フレーム化Bモード画像sgfi上の左上隅部に動き検出窓302の初期位置を設定し、関心領域テンプレート301と動き検出窓302内のBモード画像部分との類似度を算出する(S2041)。類似度は、関心領域テンプレート301と動き検出窓302内のBモード画像部分との輝度情報の誤差値を画素毎に算出し、動き検出窓302に含まれる全画素において総和することにより算出する。あるいは、関心領域テンプレート301と動き検出窓302内のBモード画像部分との輝度情報の相関値を算出して求めてもよい。そして、動き検出窓302が初期位置にある場合には算出した類似度を最大値とし、それ以外の場合にはそれまでに算出した類似度との大小を比較する(S2042)。
算出した類似度が最大値より大きい場合には新たに算出した類似度を最大値とし動き検出窓302の位置を保存し(S2043)、それ以外の場合にはS2044に進む。
次に、フレーム化Bモード画像sgfi上において動き検出窓302の位置をスキャンライン303に沿ってX方向又はY方向に微小量移動させて各位置にて類似度を算出する。フレーム化Bモード画像sgfiの全領域にて類似度の算出を完了した場合(S2045)には、S2043にて保存していた動き検出窓302の位置を、類似度が最大である動き検出窓302の位置302Xとして認定する(S2046)。
各フレーム化Bモード画像sgfiにおける対応関心領域roifiの位置情報は局所領域輝度算出部10821に出力される。
関心領域テンプレートは、フレーム識別番号が大きくなるについて徐々に変更していっても良い。例えば、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中の関心領域roif0内のBモード画像と、対応関心領域roifiのBモード画像との重み付け和として更新したり、所定の識別番号毎に、対応関心領域roifiのBモード画像を関心領域テンプレートとしても良い。
[ステップS205、S206]
次に、局所領域輝度算出部10821は、フレーム化造影画像sghiに、フレーム識別番号iが同一であるフレーム化Bモード画像sgfiの対応関心領域roifiに対応する造影画像関心領域roihiを設定する(フレーム化Bモード画像sgfiが基準となるフレーム化Bモード画像sgf0である場合には関心領域roif0に対応する造影画像関心領域roihiを設定する)。
図12(a)は、ステップS205の処理において、フレーム化造影画像sghi中に造影画像関心領域roihiを設定する例を示す模式図である。図12(a)に示すように、フレーム化造影画像sghi中における造影画像関心領域roihiの位置は、フレーム化Bモード画像sgfi中における対応関心領域roifiの位置と同じである。
さらに、局所領域輝度算出部10821は、造影画像関心領域roihiに含まれる1以上の画素からなる複数の局所領域sptj(jはm以下の自然数)を設定し、局所領域sptjに含まれる1以上の画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値vljを、全てのフレーム化造影画像sghiの局所領域sptjについて算出する。
局所領域sptjの大きさは例えば、直径2mm以上5mm以下としてもよい。腫瘤内において毛細血管が密集する領域の大きさに相応する寸法であるからである。局所領域sptjが例えば、直径2mm未満であるなど小さい場合には、例えば、体動や呼吸に伴う被検体内の組織の動きより各フレームにおける局所領域sptjに含まれる組織が変動し、TIC内の輝度変動が大きくなる。他方、局所領域sptjが、例えば、直径5mmより大きい場合には、腫瘤内の毛細血管が密集する領域以外の組織を含むことになるため、TIC内の輝度の絶対値が小さくなり適切な診断の障害となりえる。局所領域sptjは円又は楕円形状としてもよく、また矩形形状としてもよい。複数の局所領域sptjの一部は互いに重なっていてもよい。
局所領域sptjの大きさを上記範囲とした場合、局所領域sptjには例えば、約100個から約200個の画素が含まれる。本実施の形態では、上述のとおり、局所領域sptj内の画素についての造影画像の算術平均値を評価値vljとした。図12(b)は、ステップS206の処理において、フレーム化造影画像sghi中の造影画像関心領域roihi内の局所領域sptj内の画素についての平均輝度を算出する例を示す模式図である。
算出されたフレーム化造影画像sghiにおける造影画像関心領域roihi内の全ての局所領域sptjの評価値vljは局所領域輝度保持部10822に出力され保持される。
そして、ステップS207において、全フレームの処理を完了していない場合には、フレーム識別番号iをインクレメントしてステップS204に戻り、全フレームの処理を完了した場合にはステップS208に進む。
[ステップS208、S209、S210]
次に、ステップS208において、フレーム間TIC最大値算出部10823は、局所領域輝度保持部10822に保持されている評価値vljの中から、局所領域sptjごとに評価値vljに基づきTIC(時間輝度曲線)ticjを算出する。
図13(a)は、ステップS208の処理において、局所領域sptjごとにTICticjを算出する例を示す模式図である。図13(a)に示すように、フレーム間TIC最大値算出部10823は、TICticjに対しさらにカーブフィテイング(曲線補完処理)や平滑化処理を行い、TICを整形した整形TICfticjを算出してもよい。
次に、ステップS209において、フレーム間TIC最大値算出部10823は、各TICticjについて評価値vljのフレーム間TIC最大値ticjmaxを算出する。
図13(b)は、ステップS209の処理において、局所領域sptjごとに算出したTICticjにおいて評価値vljのフレーム間TIC最大値ticjmaxを算出する例を示す模式図である。図13(b)に示すように、各TICticjにおいて評価値vljの最大値をフレーム間TIC最大値ticjmaxとして算出する。このとき、TICを整形した整形TICfticjを用いてフレーム間TIC最大値ticjmaxを算出してもよい。これにより、フレーム間TIC最大値ticjmax算出における誤差を減少することができる。
次に、ステップS210において、局所領域TIC最大値決定部10824は、各局所領域sptjに対するフレーム間TIC最大値ticjmaxの中から最大であるものを局所領域TIC最大値ticXmaxとして決定する。そして、局所領域TIC最大値ticXmaxが検出された局所領域sptjを特定局所領域sptX、局所領域TIC最大値ticXmaxを含むTICを最大TICfticXとして特定する。
図13(c)は、ステップS210の処理において、フレーム間TIC最大値ticjmaxの中から決定された局所領域TIC最大値ticXmax、最大TICfticXの例を示した模式図である。
図14は、最大TICfticXのデータ構造を示す模式図である。図14に示すように、最大TICfticXは、複数フレームの造影画像sghiにおける特定局所領域sptX内の画素の平均輝度を示す信号からなる信号シーケンスである。
決定された局所領域TIC最大値ticXmax、最大TICfticX、及び特定局所領域sptXは表示制御部110に出力される。
さらに、ステップS210の処理において、TICパラメータ算出部10825は、最大TICfticXの波形形状に基づき各種診断用TICパラメータを算出してもよい。ここでも、TICを整形した整形TICfticjを用いて各種診断用TICパラメータを算出することが好ましい。算出された各種TICパラメータは表示制御部110に出力される。
[ステップS211]
図15(a)(b)は、ステップS211の処理において、表示される表示画像の構成を示す模式図である。
表示制御部110は、Bモード画像sgf、造影画像sghを表示部113に、例えば、並べて表示させるよう表示画像を構成して表示部113に表示させる。また、図15(a)に示すように、特定局所領域sptXを、造影画像sghに重畳させて表示画像を構成し表示部113に表示させる。また、図15(b)に示すように、さらに、最大TICfticXに基づきTICを示す画像を構成し、局所領域最大値ticXmaxを最大TICfticXとともに表示部113に表示させる。
図16(a)は、表示画像の一例を示す写真である。特定局所領域sptXを造影画像sghに重畳させてBモード画像sgfと並べて表示画像を構成し、さらに、所領域最大値ticXmaxを最大TICfticXとともに表示部113に表示させている。このように、造影画像sghに重畳させて特定局所領域sptXを表示し、併せて、特定局所領域sptXにおける最大TICfticXを表示することにより、検査者が腫瘤領域内の最高輝度点である特定局所領域sptXと、最高輝度を採る最大TICfticXの波形形状を容易に把握することができる。
また、表示制御部110は、TICパラメータ算出部10825において最大TICfticXの波形形状に基づき算出された各種TICパラメータを表示部113に表示させてもよい。図16(b)は、表示画像の一例を示す写真である。図16(a)に示した表示画像に加えて、さらに、各種TICパラメータを表示部113を表示部113に表示させている。TICパラメータとしては、例えば、PI(TICの最大値)、MTT(TICの半値幅)、SLOPE(TICの立ち上がり傾斜)、TTP(造影開始からTICが最大となるまでの時間)、AUC(TIC下方の面積)を表示してもよい。
これにより、検査者が腫瘤領域内の最高輝度を採る最大TICfticXの波形形状に基づく各種TICパラメータを容易に把握することができる。
以上により、図7に示した最大TIC決定処理が終了する。
<効 果>
以上、説明したように本実施の形態に係る超音波診断装置100によれば、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中に関心領域roif0を設定する関心領域設定部107と、基準フレームsgf0を除く他のフレーム化Bモード画像sgfi中に関心領域roif0内と対応する対応関心領域roifiを設定する対応関心領域設定部1081と、フレーム化造影画像sghiに、同じ反射超音波に依拠して生成されたフレーム化Bモード画像sgfiの関心領域roif0又は対応関心領域roifiに対応する造影画像関心領域roihiと、造影画像関心領域roihiに含まれる1以上の画素からなる複数の局所領域sptjを設定し、局所領域sptjに含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値vljの複数フレームsghiにおける最大値が、複数の局所領域sptj中最大である局所領域sptXを検出し、当該検出した局所領域sptXに対する複数フレームの造影画像sghiに基づいて最大時間輝度曲線fticXを決定する最大TIC決定部1082とを備えた構成を採る。
係る構成により、簡易な演算処理によって腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線fticXを抽出することができる。その結果、検査結果の正確性と客観性を向上するとともに、検査効率を向上することができる。
また、別の態様では、上記した態様において、最大TIC決定部1082は、最大値が複数の局所領域sptjの中で最大である局所領域を特定局所領域sptXとして決定する構成であってもよい。
この構成により、さらに、腫瘤領域内の最高輝度を採る特定局所領域sptXを抽出することができ、検査者はフレーム化造影画像sghi中の特定局所領域sptXの位置を容易に把握することができ、各種の評価や診断を行うことができる。
また、別の態様では、上記した態様において、さらに、最大時間輝度曲線fticXに基づきTICパラメータを算出するTICパラメータ算出部10825を備えた構成であってもよい。
この構成により、簡易な演算処理によって腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線から診断用TICパラメータを抽出することができる。
また、別の態様では、上記した態様において、超音波診断装置100の検査対象である被検体内の所定部位は乳腺であってもよい。
この構成により、例えば、乳腺腫瘤の造影超音波診断においては、腫瘤領域全体ではなく、腫瘤領域内で最も染影される最高輝度点が採る時間輝度曲線を簡易に計測でき、計測した時間輝度曲線を観察して腫瘍の良悪性鑑別や治療効果判定を行うことができる。
<変形例1>
実施の形態に係る超音波診断装置100では、例えば、図13(c)に示すように、最大TIC決定部1082は、該造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域に含まれる画素に対する輝度に基づく評価値の複数フレームにおける最大値が、複数の局所領域中最大である特定局所領域を検出し、当該特定局所領域に対する複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する構成とした。しかしながら、上記評価値の複数フレームにおける最大値が複数の局所領域中最大である場合のみならず、造影画像関心領域内で1からL番目(Lはm以下の自然数)までの局所領域を第k特定局所領域(kはL以下の自然数)として検出し、当該第k特定局所領域に対する複数フレームの造影画像に基づいてL個の最大時間輝度曲線を決定する構成としてもよい。
図17は、変形例1に係る複数の特定局所領域と複数の特定局所領域に対する複数の最大時間輝度曲線を示した表示画像の模式図である。図17に示すように、変形例1に係る構成では、局素領域の輝度に基づく評価値の複数フレーム間における最大値が複数の局所領域中大きい方から順に、局所領域A、D、C、Bが検出され、造影画像中に表示される。さらに、局所領域A、D、C、Bに対する複数フレームの造影画像に基づいて定まる4本の最大時間輝度曲線が表示される。第k特定局所領域(k=1〜L、L=4)各々に対する4個の最大時間輝度曲線を決定する場合である。
このように、変形例2では、腫瘤領域を取り囲んだ関心領域中に複数の高輝度局所領域が存在する場合でも、それぞれの高輝度局所領域に対して、簡易な演算処理によって各高輝度局所領域の採る時間輝度曲線を抽出することができる。その結果、腫瘤領域に複数の高輝度局所領域がある場合でも、検査結果の正確性と客観性を向上するとともに、検査効率を向上することができる。
上記において、さらに、表示制御部は、1からk番目までの第k特定局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度の複数フレームにおける最大値をヒストグラム形式で表示部に表示させてもよい。検査者は1からk番目までの最大時間輝度曲線の複数フレームにおける最大値の分布を容易に把握することができる。
<変形例2>
実施の形態に係る超音波診断装置100では、例えば、図8に示すように、関心領域設定部107は、検査者からの入力に基づき1の基準となるフレーム化Bモード画像中に単一の関心領域を設定する構成とした。しかしながら、基準となるフレーム化Bモード画像中に設定する関心領域の数は単数に限られず、複数の関心領域を設定し、各々の関心領域において最大輝度を採る最大時間輝度曲線や特定局所領域を決定する構成としてもよい。
具体的には、変形例2に係る超音波診断装置では、超音波診断装置100において、関心領域を第1の関心領域、対応関心領域を第1の対応関心領域、造影画像関心領域を第1の造影画像関心領域、特定局所領域を第1の特定局所領域としたとき、関心領域設定部107は、検査者からの複数の入力に基づき1のフレーム化Bモード画像中に、さらに1以上の第2の関心領域を設定し、対応関心領域設定部1081は、基準フレームを除く他のフレーム化Bモード画像中に第2の関心領域に対応する第2の対応関心領域を設定し、最大TIC決定部1082は、フレーム化造影画像に、依拠する反射超音波を一にするフレーム化Bモード画像の第2の関心領域又は第2の対応関心領域の各々対して1以上の第2の造影画像関心領域と、当該第2の造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の複数フレームにおける最大値が、同じ第2の造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域中最大である第2の特定局所領域を検出し、当該特定局所領域に対する複数フレームの造影画像に基づいて第2の造影画像関心領域毎に最大時間輝度曲線を決定する構成を有する。
これにより、基準となるフレーム化Bモード画像中に複数の腫瘤領域が存在する場合でも、それぞれの腫瘤領域に対して、簡易な演算処理によって各腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線を抽出することができる。その結果、複数の腫瘤領域がある場合でも、検査結果の正確性と客観性を向上するとともに、検査効率を向上することができる。
<その他の変形例>
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下のような場合も本発明に含まれる。
例えば、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。例えば、本発明の超音波診断装置の診断方法のコンピュータプログラムを有しており、このプログラムに従って動作する(又は接続された各部位に動作を指示する)コンピュータシステムであってもよい。
また、上記超音波診断装置の全部、もしくは一部、またビームフォーミング部の全部又は一部を、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等の記録媒体、ハードディスクユニットなどから構成されるコンピュータシステムで構成した場合も本発明に含まれる。上記RAM又はハードディスクユニットには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置はその機能を達成する。
また、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1つのシステムLSI(Large Scale Integration(大規模集積回路))から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。なお、LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。上記RAMには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。例えば、本発明のビームフォーミング方法がLSIのプログラムとして格納されており、このLSIがコンピュータ内に挿入され、所定のプログラム(ビームフォーミング方法)を実施する場合も本発明に含まれる。
なお、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
また、各実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。上記超音波診断装置の診断方法や、ビームフォーミング方法を実施させるプログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。プログラムや信号を記録媒体に記録して移送することにより、プログラムを独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい、また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
上記実施形態に係る超音波診断装置では、記憶装置であるデータ格納部を超音波診断装置内に含む構成としたが、記憶装置はこれに限定されず、半導体メモリ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、磁気記憶装置、等が、超音波診断装置に外部から接続される構成であってもよい。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、上記のステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
また、超音波診断装置には、プローブ及び表示部が外部から接続される構成としたが、これらは、超音波診断装置内に一体的に具備されている構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、プローブは、複数の圧電素子が一次元方向に配列されたプローブ構成を示した。しかしながら、プローブの構成は、これに限定されるものではなく、例えば、複数の圧電変換素子を2次元方向に配列した2次元配列振動子や、一次元方向に配列された複数の振動子を機械的に揺動させて三次元の断層画像を取得する揺動型プローブを用いてもよく、測定に応じて適宜使い分けることができる。例えば、2次元に配列されたプローブを用いた場合、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングや電圧の値を個々に変化させることによって、送信する超音波ビームの照射位置や方向を制御することができる。
また、プローブは、送受信部の一部の機能をプローブに含んでいてもよい。例えば、送受信部から出力された送信電気信号を生成するための制御信号に基づき、プローブ内で送信電気信号を生成し、この送信電気信号を超音波に変換する。併せて、受信した反射超音波を受波信号に変換し、プローブ内で受波信号に基づき音響線信号を生成する構成を採ることができる。
実施の形態に係る超音波診断装置100では、送信部103、受信部104の構成は、実施の形態に記載した構成以外にも、適宜変更することができる。
例えば、送信部103は、実施の形態では、プローブ101に存する複数の振動子101aの一部に当たる送信振動子列からなる送信振動子列を設定し、超音波送信ごとに送信振動子列を列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う構成とした。
しかしながら、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う構成としてもよい。超音波送信を繰り返すことなく、一度の超音波送信で超音波照射領域全域から反射超音波を受信できる。
また、実施の形態では、観測点の存在領域は、受信振動子列の列中心を通り振動子列と垂直であって単一振動子幅の直線状の領域とした。
しかしながら、これに限定されるものではなく、超音波照射領域に含まれる任意の領域に設定してもよい。例えば、受信振動子列の列中心を通り振動子列に垂直な直線を中心線とする複数の振動子幅の帯状の矩形領域としてもよい。
また、各実施の形態に係る超音波診断装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。更に上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。 さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
≪まとめ≫
以上、説明したように、本実施の形態に係る超音波診断装置は、超音波造影剤が投与された被検体内の所定部位に超音波探触子を介して超音波を送信して得られた反射超音波のうち、前記被検体の組織からの反射成分に基づき複数フレームのBモード画像と、前記超音波造影剤からの反射成分に基づき複数フレームの造影画像とを各々時系列に生成する超音波診断装置であって、基準フレームのBモード画像中に関心領域を設定する関心領域設定部と、前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記関心領域内と対応する対応関心領域を設定する対応関心領域設定部と、前記造影画像に、同じ反射超音波に依拠して生成されたBモード画像の前記関心領域又は前記対応関心領域に対応する造影画像関心領域と、当該造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、前記複数の局所領域中最大である局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する最大TIC決定部とを備えた構成を採る。
係る構成により、簡易な演算処理によって腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線を抽出することができる。その結果、検査結果の正確性と客観性を向上するとともに、検査効率を向上することができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記最大TIC決定部は、前記最大値が前記複数の局所領域の中で最大である局所領域を特定局所領域として決定する構成であってもよい。
係る構成により、さらに、腫瘤領域内の最高輝度を採る特定局所領域を抽出することができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記最大TIC決定部は、さらに、前記最大時間輝度曲線に基づきTICパラメータを算出するTICパラメータ算出部を備えた構成であってもよい。
係る構成により、簡易な演算処理によって腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線から診断用TICパラメータを抽出することができる。
以上により、例えば、乳腺腫瘤の造影超音波診断においては、腫瘤領域全体ではなく、腫瘤領域内で最も染影される最高輝度点が採る時間輝度曲線を簡易に計測でき、計測した時間輝度曲線を観察して腫瘍の良悪性鑑別を行うことができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記最大TIC決定部は、前記最大時間輝度曲線を記録媒体又は外部に出力する構成であってもよい。また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記最大TIC決定部は、前記TICパラメータを記録媒体又は外部に出力する構成であってもよい。
係る構成により、出力した腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線、時間輝度曲線から算出した診断用TICパラメータを他の機器やソフトウェアにて利用することができ、各種の評価や診断を行うことができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、さらに、前記最大時間輝度曲線を表示部に表示させる表示制御部を備えた構成であってもよい。また、別の態様では、上記した何れかの態様において、さらに、前記造影画像、及び前記特定局所領域を表示部に表示させる表示制御部を備えた構成であってもよい。また、別の態様では、上記した何れかの態様において、さらに、前記TICパラメータを表示部に表示させる表示制御部を備えた構成であってもよい。
係る構成により、表示した腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線、時間輝度曲線から算出した診断用TICパラメータ、フレーム化造影画像中の特定局所領域の位置を検査者が容易に把握することができ、各種の評価や診断を行うことができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記対応関心領域には、前記関心領域内の画像と同一又は類似する画像が存在する構成であってもよい。
係る構成により、TIC内の輝度変動の誤差が大きくなることを防止できる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記他のBモード画像における前記対応関心領域の位置は、前記基準フレームのBモード画像における前記関心領域の位置と同じである構成であってもよい。
係る構成により、簡易な処理により、前記関心領域内の画像と同一又は類似する画像が存在する対応関心領域を設定できる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記対応関心領域設定部は、動き補償により前記対応関心領域を設定する構成であってもよい。 係る構成により、簡易な演算処理によりフレーム化Bモード画像中に関心領域内と対応する対応関心領域を設定することができ、体動や呼吸に伴う被検体内の組織の動きより各フレームにおける局所領域に含まれる組織が変動し、TIC内の輝度変動の誤差が大きくなることを防止できる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度は、前記複数の局所領域に含まれる造影画像の示す平均輝度である構成であってもよい。
係る構成により、簡易な演算処理により局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度の状態を適切にあらわす評価値を算出することができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記最大時間輝度曲線は、前記複数フレームの造影画像における前記特定局所領域の輝度からなる信号シーケンスである構成であってもよい。
係る構成により、容易に時間輝度曲線を他の機器やソフトウェアにて利用することができ、各種の評価や診断を行うことができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記最大時間輝度曲線は、前記特定局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づく輝度からなる信号シーケンスを時間軸上にプロットし曲線補間処理または平滑化処理を施した時間−輝度曲線である構成であってもよい。
係る構成により、曲線補間処理を施した最大時間輝度曲線を用いて精度よく評価値の複数フレームにおける最大値を算出することができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記複数フレームの造影画像の各々に設定された複数の前記局所領域の一部は互いに重なっている構成であってもよい。
係る構成により、体動や呼吸に伴う被検体内の組織の動きより各フレームにおける局所領域に含まれる組織が変動し、TIC内の輝度変動の誤差が大きくなることをより一層防止できる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記局所領域は円又は楕円形状である構成であってもよい。
係る構成により、局所領域の一部は互いに重なっている構成を容易に実現できる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記特定局所領域決定部は、前記複数フレームの造影画像の各々のフレームに含まれる前記造影画像関心領域内の局所領域のち、当該局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度の前記複数フレームにおける最大値が、前記造影画像関心領域内で1からL番目(Lははm以下の自然数)である局所領域を第k特定局所領域(kはL以下の自然数)として決定する構成であってもよい。
係る構成により、腫瘤領域を取り囲んだ関心領域中に複数の高輝度局所領域が存在する場合でも、それぞれの高輝度局所領域に対して、簡易な演算処理によって各高輝度局所領域の最高輝度を採る時間輝度曲線を抽出することができ、腫瘤領域に複数の高輝度局所領域がある場合でも、検査結果の正確性と客観性を向上するとともに、検査効率を向上することができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、さらに、前記造影画像に前記第k特定局所領域を重畳して表示部に表示させる表示制御部を備えた構成であってもよい。
係る構成により、検査者は、造影画像上における1からk番目までの最大時間輝度曲線が通る特定局所領域の位置を容易に把握することができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記表示制御部は、さらに、前記第k特定局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度の前記複数フレームにおける最大値をヒストグラム形式で表示部に表示させる構成であってもよい。
係る構成により、検査者は1からk番目までの最大時間輝度曲線の複数フレームにおける最大値の分布を容易に把握することができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記関心領域を第1の関心領域、前記対応関心領域を第1の対応関心領域、前記造影画像関心領域を第1の造影画像関心領域、前記特定局所領域を第1の特定局所領域としたとき、前記関心領域設定部は、検査者からの複数の入力に基づきBモード画像中に、さらに1以上の第2の関心領域を設定し、前記対応関心領域設定部は、前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記第2の関心領域に対応する第2の対応関心領域を設定し、前記最大TIC決定部は、前記造影画像に、依拠する反射超音波を一にする前記Bモード画像の前記第2の関心領域又は前記第2の対応関心領域の各々対して1以上の第2の造影画像関心領域と、当該第2の造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、同じ前記第2の造影画像関心領域に含まれる前記複数の局所領域中最大である第2の特定局所領域を検出し、当該特定局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づいて前記第2の造影画像関心領域毎に最大時間輝度曲線を決定する構成であってもよい。
係る構成により、基準となるBモード画像中に複数の腫瘤領域が存在する場合でも、それぞれの腫瘤領域に対して、簡易な演算処理によって各腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線を抽出することができ、複数の腫瘤領域がある場合でも、検査結果の正確性と客観性を向上するとともに、検査効率を向上することができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記被検体内の所定部位は乳腺であってもよい。
係る構成により、乳腺腫瘤の造影超音波診断において、腫瘤領域全体ではなく、腫瘤領域内で最も染影される最高輝度点が採る時間輝度曲線を簡易に計測でき、計測した時間輝度曲線を観察して腫瘍の良悪性鑑別を行うことができる。
また、本実施の形態に係る超音波診断装置の制御方法は、超音波探触子を介して超音波造影剤が投与された被検体内の所定部位に超音波を送信して得られた反射超音波のうち、前記被検体の組織からの反射成分に基づき複数フレームのBモード画像と、前記超音波造影剤からの反射成分に基づき複数フレームの造影画像とを各々時系列に生成する超音波診断装置の制御方法であって、1の基準フレームのBモード画像中に関心領域を設定し、前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記関心領域に対応する対応関心領域を設定し、前記造影画像に、同じ反射超音波に依拠して生成されたBモード画像の前記関心領域又は前記対応関心領域に対応する造影画像関心領域と、当該造影画像関心領域に含まれる1以上の画素からなる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、前記複数の局所領域の中最大である局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する構成であってもよい。また、別の態様では、上記した何れかの態様において、さらに、前記最大値が前記複数の局所領域の中で最大である局所領域を特定局所領域として決定する構成であってもよい。また、別の態様では、上記した何れかの態様において、さらに、前記最大時間輝度曲線に基づきTICパラメータを算出する構成であってもよい。
係る構成により、簡易な演算処理によって腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線、腫瘤領域内の最高輝度を採る特定局所領域、時間輝度曲線から診断用TICパラメータを抽出することができる。その結果、検査結果の正確性と客観性を向上するとともに、検査効率を向上することができる。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
さらに、超音波診断装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。なお、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
本開示にかかる超音波信号処理装置、超音波診断装置、超音波信号処理方法、及びコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体は、従来の超音波診断装置の性能向上、特に画質向上として有用である。また本開示は超音波への適用のみならず、複数のアレイ素子を用いたセンサ等の用途にも応用できる。
101 プローブ
101a 超音波振動子
102 マルチプレクサ部
103 送信部
1031 送信信号発生部
1032 送信信号処理部
104 受信部
1041 受信入力部
1042 受波信号遅延部
1043 受波信号加算部
1044 フィルタ部
1045 受波信号保持部
1046 整相加算部
10461 遅延処理部
10462 加算部
10433 合成部
105 Bモード画像生成部
106 造影画像生成部
107 関心領域設定部
108 TIC処理部
1081 対応関心領域設定部
1082 最大TIC決定部
10821 局所領域平均輝度算出部
10822 局所領域平均輝度保持部
10823 フレーム間TIC最大値算出部
10824 局所領域TIC最大値算出部
10825 TICパラメータ算出部
109 データ格納部
110 表示制御部
111 制御部
112 操作入力部
113 表示部
150 超音波信号処理回路

Claims (24)

  1. 超音波造影剤が投与された被検体内の所定部位に超音波探触子を介して超音波を送信して得られた反射超音波のうち、前記被検体の組織からの反射成分に基づき複数フレームのBモード画像と、前記超音波造影剤からの反射成分に基づき複数フレームの造影画像とを各々時系列に生成する超音波診断装置であって、
    基準フレームのBモード画像中に関心領域を設定する関心領域設定部と、
    前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記関心領域内と対応する対応関心領域を設定する対応関心領域設定部と、
    前記造影画像に、同じ反射超音波に依拠して生成されたBモード画像の前記関心領域又は前記対応関心領域に対応する造影画像関心領域と、当該造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、前記複数の局所領域中最大である局所領域に対する、前記複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する最大TIC決定部とを備えた
    超音波診断装置。
  2. 前記最大TIC決定部は、前記最大値が前記複数の局所領域の中で最大である局所領域を特定局所領域に決定する
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記最大TIC決定部は、さらに、前記最大時間輝度曲線に基づきTICパラメータを算出するTICパラメータ算出部を備えた
    請求項1又は2の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  4. 前記最大TIC決定部は、前記最大時間輝度曲線を記録媒体又は外部に出力する
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記最大TIC決定部は、前記TICパラメータを記録媒体又は外部に出力する
    請求項3に記載の超音波診断装置。
  6. さらに、前記最大時間輝度曲線を表示部に表示させる表示制御部を備えた
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  7. さらに、前記造影画像、及び前記特定局所領域を表示部に表示させる表示制御部を備えた
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  8. さらに、前記TICパラメータを表示部に表示させる表示制御部を備えた
    請求項3に記載の超音波診断装置。
  9. 前記対応関心領域には、前記関心領域内の画像と同一又は類似する画像が存在する
    請求項1から8の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  10. 前記他のBモード画像における前記対応関心領域の位置は、前記基準フレームのBモード画像における前記関心領域の位置と同じである
    請求項1から9の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  11. 前記対応関心領域設定部は、動き補償により前記対応関心領域を設定する
    請求項1から9の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  12. 前記評価値は、前記造影画像関心領域に含まれる1以上画素に対する造影画像の輝度の算術平均値である
    請求項1から11の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  13. 前記最大時間輝度曲線は、前記複数フレームの造影画像における前記特定局所領域の輝度からなる信号シーケンスである
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  14. 前記最大時間輝度曲線は、前記特定局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づく輝度からなる信号シーケンスを時間軸上にプロットし曲線補間処理または平滑化処理を施した時間−輝度曲線である
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  15. 前記複数フレームの造影画像の各々に設定された複数の前記局所領域の一部は互いに重なっている
    請求項1から14の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  16. 前記局所領域は円又は楕円形状である
    請求項1から15の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  17. 前記特定局所領域決定部は、前記複数フレームの造影画像の各々のフレームに含まれる前記造影画像関心領域内の局所領域のうち、当該局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度の前記複数フレームにおける最大値が、前記造影画像関心領域内で1からL番目(Lは1m以下の自然数)までの局所領域を第k特定局所領域(kはL以下の自然数)として決定する
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  18. さらに、前記造影画像に前記第k特定局所領域を重畳して表示部に表示させる表示制御部を備えた
    請求項17に記載の超音波診断装置。
  19. 前記表示制御部は、さらに、前記第k特定局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度の前記複数フレームにおける最大値をヒストグラム形式で表示部に表示させる
    請求項17に記載の超音波診断装置。
  20. 前記関心領域を第1の関心領域、前記対応関心領域を第1の対応関心領域、前記造影画像関心領域を第1の造影画像関心領域、前記特定局所領域を第1の特定局所領域としたとき、
    前記関心領域設定部は、検査者からの複数の入力に基づきBモード画像中に、さらに1以上の第2の関心領域を設定し、
    前記対応関心領域設定部は、前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記第2の関心領域に対応する第2の対応関心領域を設定し、
    前記最大TIC決定部は、前記造影画像に、依拠する反射超音波を一にする前記Bモード画像の前記第2の関心領域又は前記第2の対応関心領域の各々対して1以上の第2の造影画像関心領域と、当該第2の造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、同じ前記第2の造影画像関心領域に含まれる前記複数の局所領域中最大である第2の特定局所領域を検出し、当該特定局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づいて前記第2の造影画像関心領域毎に最大時間輝度曲線を決定する
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  21. 前記被検体内の所定部位は乳腺である
    請求項1から20の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  22. 超音波造影剤が投与された被検体内の所定部位に超音波探触子を介して超音波を送信して得られた反射超音波のうち、前記被検体の組織からの反射成分に基づき複数フレームのBモード画像と、前記超音波造影剤からの反射成分に基づき複数フレームの造影画像とを各々時系列に生成する超音波診断装置の制御方法であって、
    1の基準フレームのBモード画像中に関心領域を設定し、
    前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記関心領域に対応する対応関心領域を設定し、
    前記造影画像に、同じ反射超音波に依拠して生成されたBモード画像の前記関心領域又は前記対応関心領域に対応する造影画像関心領域と、当該造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、前記複数の局所領域の中最大である局所領域に対する、前記複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する
    超音波診断装置の制御方法。
  23. さらに、前記最大値が前記複数の局所領域の中で最大である局所領域を特定局所領域として決定する
    請求項22に記載の超音波診断装置の制御方法。
  24. さらに、前記最大時間輝度曲線に基づきTICパラメータを算出する
    請求項22又は23の何れか1項に記載の超音波診断装置の制御方法。
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