JP6358192B2 - 超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御方法 - Google Patents
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Description
癌診断では、癌と疑われる腫瘍を探すスクリーニング検査の後、腫瘍が良性であるか悪性であるかを判定する良悪性鑑別を行う。近年、造影超音波画像の時間的、空間的な変化に基づき、腫瘍の良悪性鑑別や腫瘍の種別を判定する検査が行われている。例えば、肝癌腫瘍の診断においては、投与した造影剤が腫瘍に到達した後、造影超音波画像又は超音波画像中の腫瘤の存在する領域(以後、「腫瘤領域」とする)に設定した関心領域(Region of Interest, ROI)内の全体的な輝度の時間的な変化を示す時間輝度曲線(Time Intensity Curve, TIC)を観察し、時間輝度曲線の形状解析に基づき良悪性や種別を鑑別することが行なわれている(例えば、非特許文献1)。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な演算処理によって腫瘤領域内の最高輝度を採る局所領域の時間輝度曲線の検出を正確かつ効率的に行える超音波診断装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
以下、実施の形態に係る超音波診断装置100を含む超音波診断システム1000について、図面を参照しながら説明する。
<超音波診断システム1000>
1.構成概要
図1は、実施の形態に係る超音波診断装置100を含む超音波診断システム1000の機能ブロック図である。図1に示すように、超音波診断システム1000は、被検体に向けて超音波を送信しその反射波の受信する先端表面に列設された複数の振動子101aを有する超音波プローブ101(以下、「プローブ101」とする)、プローブ101に超音波の送受信を行わせプローブ101からの出力信号に基づき超音波画像を生成する超音波診断装置100、検査者からの操作入力を受け付ける操作入力部112、超音波画像を画面上に表示する表示部113を有する。プローブ101、操作入力部112、表示部113は、それぞれ、超音波診断装置100に各々接続可能に構成されている。図1は超音波診断装置100に、プローブ101、操作入力部112、表示部113が接続された状態を示している。なお、プローブ101、操作入力部112、表示部113が、超音波診断装置100に含まれる態様であってもよい。
2.プローブ101
プローブ101は、例えば一次元方向(以下、「振動子配列方向」とする)に配列された複数の振動子101aを有する。プローブ101は、後述の送信部103から供給されたパルス状の電気信号(以下、「送信信号」とする)をパルス状の超音波に変換する。プローブ101は、プローブ101の振動子側外表面を被検体の皮膚表面に当接させた状態で、複数の振動子から発せられる複数の超音波からなる超音波ビームを測定対象に向けて送信する。そして、プローブ101は、被検体からの複数の超音波反射波(以下、「反射超音波」とする)を受信し、複数の振動子によりこれら反射超音波をそれぞれ電気信号に変換して受信部104に供給する。
操作入力部112は、検査者からの超音波診断装置100に対する各種設定・操作等の各種操作入力を受け付け、関心領域設定部107を介して制御部111に出力する。
操作入力部112は、例えば、表示部113と一体に構成されたタッチパネルであってもよい。この場合、表示部113に表示された操作キーに対してタッチ操作やドラッグ操作を行うことで超音波診断装置100の各種設定・操作を行うことができ、超音波診断装置100がこのタッチパネルにより操作可能に構成される。また、操作入力部112は、例えば、各種操作用のキーを有するキーボードや、各種操作用のボタン、レバー等を有する操作パネルであってもよい。また、表示部113に表示されるカーソルを動かすためのトラックボール、マウスまたはフラットパッド等であってもよい。または、これらを複数用いてもよく、これらを複数組合せた構成のものであってもよい。
表示部113は、いわゆる画像表示用の表示装置であって、後述する表示制御部110からの画像出力を画面に表示する。表示部113には、液晶ディスプレイ、CRT、有機ELディスプレイ等を用いることができる。
<超音波診断装置100の構成概要>
次に、実施の形態に係る超音波診断装置100について説明する。
超音波診断装置100を構成する各要素、例えば、マルチプレクサ部102、送信部103、受信部104、Bモード画像生成部105、造影画像生成部106、関心領域設定部107、TIC処理部108、表示制御部110、制御部111は、それぞれ、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Aplication Specific Integrated Circuit)などのハードウェア回路により実現される。あるいは、CPU(Central Processing Unit)やGPGPU(General−Purpose computing on Graphics Processing Unit)やプロセッサなどのプログラマブルデバイスとソフトウェアにより実現される構成であってもよい。これらの構成要素は一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。また、複数の構成要素を組合せて一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。
なお、本実施の形態に係る超音波診断装置100は、図1で示した構成の超音波診断装置に限定されない。例えば、マルチプレクサ部102が不要な構成もあるし、プローブ101に送信部103や受信部104、またその一部などが内蔵される構成であってもよい。
次に、超音波診断装置100に含まれる各ブロックの構成について説明する。
1.送信部103
送信部103は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、プローブ101から超音波の送信を行うために、プローブ101に存する複数の振動子101aの全てもしくは一部に当たる送信振動子列に含まれる複数の振動子各々に対する高電圧印加のタイミングを制御する回路である。
(1)送信信号発生部1031
送信信号発生部1031は、制御部111からの送信制御信号に基づき、プローブ101に存する振動子に超音波ビームを送信させるためのパルス信号spを発生する。本実施の形態では、2回のパルス信号を発生する。1回目のパルス信号sp1と2回目のパルス信号sp2とは位相が反転している。
送信信号処理部1032は、送信信号発生部1031からのパルス信号spに基づき、プローブ101に存する複数の振動子101a中、送信振動子列に含まれる各振動子に超音波ビームを送信させるための送信信号scを供給する送信処理を行う回路である。位相が反転した2回のパルス信号sp1、sp2に基づき2回の位相が反転した送信信号sc1、sc2が各振動子に供給され、各回ごとに送信信号の供給に伴う反射超音波の受信が行われる。送信振動子列は、マルチプレクサ部102によって選択される。
送信部103は、超音波送信ごとに送信振動子列を列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う。送信振動子列に含まれる振動子の位置を示す情報は制御部111を介してデータ格納部109に出力される。以後、送信部103より、同一の送信振動子列から行われる超音波送信を「送信イベント」と称呼する。また、同一の送信振動子列から受信処理を間に挟むことなく行われる超音波送信を「送信カウント」と称呼する。上述した位相が反転した2回の送信信号sc1、sc2の供給は同じ送信イベントに属し、sc1、sc2各々は異なる送信カウントに属する。
受信部104は、プローブ101で受信した反射超音波に基づき、複数の振動子101aで得られた電気信号から音響線信号を生成する回路である。なお、「音響線信号」とは、整相加算処理がされたあとのある観測点に対する受波信号である。
図3は、受信部104の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、受信部104は、受信入力部1041、受波信号遅延部1042、受波信号加算部1043、フィルタ1044、受波信号保持部1045A、1045B、整相加算部1046を備える。
受信入力部1041は、マルチプレクサ部102を介してプローブ101と接続され、送信カウントに同期してプローブ101において反射超音波に基づき受波信号(RF信号)を生成する回路である。ここで、受波信号rf(RF信号)とは、送信信号scの送信に基づいて各振動子にて受信された反射超音波から変換された電気信号をA/D変換したデジタル信号であり、受波信号rfは各振動子にて受信された超音波の送信方向(被検体の深さ方向)に連なった信号の列(受波信号列)から構成されている。
受信入力部1041は、送信イベントに同期して選択される受信振動子の各々が得た反射超音波に基づいて、送信カウントごとに各受信振動子に対する受波信号rfの列を生成する。受信振動子列はプローブ101に存する複数の振動子101aの一部又は全部にあたる振動子列から構成されており、送信イベントに同期してマルチプレクサ部102によって選択される。
(2)受波信号遅延部1042
受波信号遅延部1042は、各送信イベントにおける1回目の送信カウントより得られた各受信振動子に対する受波信号rf1を保持するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む回路である。保持されている受波信号rf1は、受波信号加算部1043、及びフィルタ1044に出力される。
受波信号加算部1043は、受波信号遅延部1042より出力される1回目の送信カウントより得られた受波信号rf1と、受信入力部1041より出力される2回目の送信カウントより得られた受波信号rf2とを入力として、両者を各受信振動子に対する信号ごとに加算する回路である。受波信号は、位相が反転した2回の送信信号sc1、sc2による反射超音波に基づいているため、基本波成分は位相反転しているが、2次高調波成分は同位相となる。そのため.加算により基本波成分は相殺されて除去され、2次高調波成分は2倍化されて残存し、2次高調波成分のみを抽出することができる。受波信号rf1とrf2とが加算された受波信号の2次高調波成分rfhは、受波信号保持部1045Bに出力される。
フィルタ1044は、受波信号遅延部1042より出力される1回目の送信カウントより得られた受波信号rf1を入力として、受波信号rf1から2次高調波成分を除去するローパスフィルタである。抽出された受波信号の基本成分rffは、受波信号保持部1045Aに出力される。
受波信号保持部1045A、1045Bは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、半導体メモリ等を用いることができる。受波信号保持部1045Aは、送信イベントに同期してフィルタ1044から、各受信振動子に対する受波信号の基本成分rffを入力し、1枚のフレーム音響線信号が生成されるまでの間これを保持する。受波信号保持部1045Bは、送信イベントに同期して受波信号加算部1043から、各受信振動子に対する受波信号の2次高調波成分rfhを入力し、1枚のフレーム音響線信号が生成されるまでの間これを保持する。
(6)整相加算部1046
整相加算部1046では、送信イベントに同期して被検体内の観測点から各受信振動子が受信した受波信号rfに遅延処理を施した後、加算して音響線信号dsを生成する回路である(以後、受波信号rff、rfhにおいて、基本波成分、2次高調波成分に対する処理を区別しない場合には、rfにf、hを付記しないこととする。音響線信号dsについても同様である)。
遅延処理部10461は、受信振動子列内の受信振動子に対する受波信号(受波信号列)から、観測点と受信振動子各々との間の距離の差を音速値で除した受信振動子各々への反射超音波の到達時間差(遅延量)により補償して、観測点からの反射超音波に基づく各受信振動子に対応する受波信号として同定する回路である。遅延処理部10461Aは、受波信号保持部1045Aから受波信号の基本波成分rffを入力して上記処理を行う。遅延処理部10461Bは、受波信号保持部1045Bから受波信号の2次高調波成分rfhを入力して上記処理を行う。
合成されたフレーム化音響線信号の基本波成分dsf、フレーム化音響線信号の2次高調波成分dshは、各々データ格納部109に出力され保存される。
Bモード画像は、主に被検体の組織からの反射成分である音響線信号の基本波成分の強さを輝度によって表したものである。図4は、Bモード画像生成部105及び造影画像生成部106の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、Bモード画像生成部105は、データ格納部109からフレーム音響線信号の基本波成分dsfを入力として、フレーム音響線信号の基本波成分dsfに対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施してその強度に対応した輝度信号へと変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことでフレーム化Bモード画像sgfを生成する。Bモード画像生成部105はこの処理をフレーム毎に逐次行い、生成したフレーム化Bモード画像sgfをデータ格納部109に出力する。
造影画像は、主に被検体に存在する超音波造影剤(以後、「造影剤」とする)からの反射成分である音響線信号の2次高調波成分の強さを輝度によって表したものである。図4に示すように、造影画像生成部106は、データ格納部109からフレーム化音響線信号の2次高調波成分dshを入力として、フレーム化音響線信号の2次高調波成分dshに対して包絡線検波、対数圧縮などの処理を実施してその強度に対応した輝度信号へと変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことでフレーム化造影画像sghを生成する。造影画像生成部106はこの処理をフレーム毎に逐次行い、生成したフレーム化造影画像sghをデータ格納部109に出力する。
関心領域設定部107は、操作入力部112を介して検査者により指定された基準となるフレーム化Bモード画像sgf0及び関心領域roif0を示す情報に基づき関心領域roif0を設定し、TIC処理部108に出力する。ここで基準となるフレーム化Bモード画像sgf0とは時系列の複数のフレーム化Bモード画像sgfiのうち、検査者からの操作入力により関心領域roif0の選択に用いられるフレーム化Bモード画像sgfiである。また、関心領域roif0とは、同様に検査者からの操作入力により腫瘍の種別の判定に用いられるフレーム化Bモード画像内の領域であり、具体的には、フレーム化Bモード画像中で検査者が腫瘤領域であると考える領域である。
TIC処理部108は、データ格納部109からフレーム化Bモード画像sgf、フレーム化造影画像sghをそれぞれ読み込み、関心領域設定部107から出力される基準となるフレーム化Bモード画像及び関心領域を示す情報を入力として、後述する造影剤画像関心領域内の複数の局所領域について、複数のフレーム化造影画像からTICを算出し、算出した各TICの最大輝度が複数の局所領域の中で最大であるTICを最大TICとして決定する。ここで、「局所領域」とは、造影剤画像関心領域内に存する関心領域よりも小さな画像領域であり1以上の画素から構成される。また、「TIC」とは、複数フレームの造影画像における関心領域内の局所領域の輝度(例えば、輝度平均値)からなる信号シーケンス(時系列データ)である。
対応関心領域設定部1081は、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0を除く他のフレーム化Bモード画像sgfi(iはn以下の自然数であり、フレームを識別する番号である)の中に、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中の関心領域roif0内のBモード画像と対応する対応関心領域roifiを設定する。
局所領域輝度算出部10821は、フレーム化造影画像sghiに、同じ反射超音波に依拠して生成されたフレーム化Bモード画像sgfiの関心領域roif0又は対応関心領域roifiに対応する造影画像関心領域roihiと、造影画像関心領域roihiに含まれる1以上の画素からなる複数の局所領域sptj(jはm以下の自然数)を設定する。そして、局所領域sptjに含まれる1以上の画素の造影画像の輝度に基づく評価値vljを、全てのフレーム化造影画像sghiの局所領域sptjについて算出する。本実施の形態では、局所領域sptj内の1以上の画素についての造影画像の算術平均値を評価値vljとした。しかしながら、評価値vljは、局所領域sptjに含まれる画素の造影画像の輝度に基づき算出される、例えば最大値、相乗平均値等、他のパラメータであってもよい。算出されたフレーム化造影画像sghiにおける造影画像関心領域roihi内の局所領域sptjの評価値vljは、局所領域輝度保持部10822に出力され、局所領域輝度保持部10822は評価値vljを保持する。
(3)フレーム間TIC最大値算出部10823
フレーム間TIC最大値算出部10823は、局所領域輝度保持部10822に保持されている評価値vljの中から、局所領域sptjごとにフレーム間TIC最大値ticjmaxを検出する。フレーム間TIC最大値ticjmaxは、局所領域sptjごとに評価値vljに基づきTIC(時間輝度曲線)ticjを算出し、各TICticjについて評価値vljのフレーム間TIC最大値ticjmaxを算出することにより検出する。このとき、フレーム間TIC最大値算出部10823は、各TICticjに対しカーブフィテイング(曲線補完処理)を行い、TICを整形した整形TICfticjを算出し、整形TICfticjを用いてフレーム間TIC最大値ticjmaxを算出してもよい。
(4)局所領域TIC最大値決定部10824
局所領域TIC最大値決定部10824は、各局所領域sptjに対するフレーム間TIC最大値ticjmaxの中から局所領域TIC最大値ticXmaxを検出する。そして、局所領域TIC最大値ticXmaxが検出された局所領域sptjを特定局所領域sptX、局所領域TIC最大値ticXmaxを含むTICを最大TICfticXとして特定する。局所領域TIC最大値決定部10824は、局所領域TIC最大値ticXmax、最大TICfticX、及び特定局所領域sptXを表示制御部110に出力する。
TICパラメータ算出部10825は、最大TICfticXの波形形状に基づき各種診断用TICパラメータを算出する。算出された各種TICパラメータは表示制御部110に出力される。
7.表示制御部110
表示制御部110は、フレーム化Bモード画像sgfi、及びフレーム化造影画像sghiを表示部113に、例えば、並べて表示させるよう表示画像を構成して表示部113に表示させる処理を行う。ここで、フレーム化Bモード画像とは、表示部113の表示画面に表示される1フレームの画像を指す。また、フレーム化造影画像とは、表示部113の表示画面に表示される1フレームの画像を指す。Bモード画像と造影画像を区別しないときは、超音波画像と総称する。
また、TICパラメータ算出部10825において最大TICfticXの波形形状に基づき算出された各種TICパラメータを表示部113に表示させてもよい。
8.その他の構成
データ格納部109は、生成されたBモード画像信号sgf、それに対応する造影画像sghを逐次記録する記録媒体である。データ格納部109は、フレーム化Bモード画像sgfiと、それに対応するフレーム化造影画像sghiとを関連付けて逐次記録する。また、フレーム化Bモード画像sgfiと、それに対応するフレーム化造影画像sghiとを関連付ける方法として、フレーム化Bモード画像sgfiと対応するフレーム化造影画像sghiとを1つの画像にまとめて記録する構成としてもよい。ここで、時間的に連続した一定時間内に得られた受波信号に基づき構築された複数フレームからなるBモード画像sgf1〜nが、Bモード画像の動画ファイルの一単位を構成する。時間的に連続した一定時間内に得られた受波信号に基づき構築された造影画像sgh1〜nが、造影画像の動画ファイルの一単位を構成する。
<動作について>
以上の構成からなる超音波診断装置100の動作について説明する。
1.超音波検査時の動作の概要
図6は、本実施の形態に係る超音波診断装置100における超音波画像の形成処理のフローチャートである。
[ステップS110]
最初に、フレーム識別番号iを初期化(ステップS100)したのち、送信部103は、造影剤を多く含む高調波成分を取り出すために、位相が反転した2回の送信信号sc1、sc2を送信する。そして、受信部104は、受信した2つの受波信号rf1、rf2を加算した加算信号である受波信号の2次高調波成分rfhと、片方を反転させて加算した後1/2を乗算した反転加算信号rf1との2つの信号を生成する。
また、同相で振幅が異なる送信信号を2回送信し、受信した2つの受波信号を加減算することで受波信号のrfhとrf1に相当する信号を生成してもよい。受信部104は、前者の受波信号の2次高調波成分rfhを整相加算し、さらに1フレーム分の信号を合成してフレーム化音響線信号の2次高調波成分dshiを生成し、データ格納部109を介して造影画像生成部106へ出力する。
次に、Bモード画像生成部105は、受信部104より出力されたフレーム化音響線信号の基本波成分dsfiを直交検波して振幅値に変換し、得られた振幅値が表示画像の解像度及び階調に合うように、当該振幅値に間引き及び対数圧縮を行う。さらに、Bモード画像生成部105は、処理後の信号に、スキャンラインを実スケールに合わせるスキャンコンバートと呼ばれる補間処理を行うことで、フレーム化Bモード画像sgfiを生成する。
[ステップS111]
次に、Bモード画像生成部105は、受波信号の基本波成分rffから形成された超音波画像であるフレーム化Bモード画像sgfiをデータ格納部109に保存する。また、造影画像生成部106は、受波信号の2次高調波成分rfhから形成された超音波画像であるフレーム化造影画像sghiをデータ格納部109に保存する。
さらに、検査者がリアルタイムに超音波画像を確認できるように、表示制御部110は、データ格納部109からフレーム化Bモード画像sgfi、フレーム化造影画像sghiを読み込み、Bモード画像、造影画像を含む表示画像を作成する。表示部113は作成された表示画像を表示する。
次に、検査者が操作入力部112を介して超音波画像の表示停止を指示すると、送信部103及び受信部104は超音波の送受信を停止し、Bモード画像生成部105及び造影画像生成部106は超音波画像の生成処理を停止する。そして、表示部113は、停止直前に表示制御部110が作成した超音波画像を表示する。それ以外の場合については、フレーム識別番号iをインクリメントして、ステップS110に戻り、次の超音波画像の生成処理を行う。つまり、ステップS110〜S112の処理によりある時刻の超音波画像が生成され、この一連の処理が、複数の時刻に対して時系列に行われる。
次に、本実施の形態に係る最大TIC決定処理について説明する。図7は、本実施の形態に係る超音波診断装置100における最大TIC決定処理のフローチャートである。
以下の説明は、図6に示すステップS113において表示停止が指示された後の動作を想定している。
検査者が操作入力部112を介して、時系列に生成された複数のフレーム化Bモード画像sgfi(iはn以下の自然数)の中から関心領域roif0の選択に用いる基準となるフレーム化Bモード画像sgf0を選択する。選択は、例えば、検査者が表示部113に表示されるフレーム化Bモード画像sgfiを見ながら、操作入力部112への操作入力により表示するフレーム化Bモード画像sgfiのフレームiをスクロールする等により、関心領域roif0の選択に供することができるフレーム化Bモード画像sgfiを選択することにより行う。表示制御部110は、検査者からの操作入力に基づきデータ格納部109から指示されたフレーム化Bモード画像sgfiを読み込み、表示画像を作成して表示部113に表示する。フレーム識別番号iが同じ造影剤画像sghiを同時に並べて表示してもよい。
[ステップS202]
検査者は操作入力部112を介して、表示部113に表示されている基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中に腫瘍の種別の判定に用いる関心領域roif0を設定する。
[ステップS204]
先ず、フレーム識別番号iを初期化(ステップS203)したのち、ステップS204において、対応関心領域設定部1081は、フレーム化Bモード画像sgfiの中に、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中の関心領域roif0内のBモード画像と同一であるか又は類似しているBモード画像が存在する対応関心領域roifiを設定する。ステップS203において、フレーム識別番号iが基準となるフレーム化Bモード画像sgf0が選択されたフレームの識別番号である場合には、以降の処理を行わずステップS207に進む。
以下、動き補償を利用した場合の対応関心領域roifi設定方法の一例について説明する。
次に、フレーム化Bモード画像sgfi上において動き検出窓302の位置をスキャンライン303に沿ってX方向又はY方向に微小量移動させて各位置にて類似度を算出する。フレーム化Bモード画像sgfiの全領域にて類似度の算出を完了した場合(S2045)には、S2043にて保存していた動き検出窓302の位置を、類似度が最大である動き検出窓302の位置302Xとして認定する(S2046)。
関心領域テンプレートは、フレーム識別番号が大きくなるについて徐々に変更していっても良い。例えば、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中の関心領域roif0内のBモード画像と、対応関心領域roifiのBモード画像との重み付け和として更新したり、所定の識別番号毎に、対応関心領域roifiのBモード画像を関心領域テンプレートとしても良い。
次に、局所領域輝度算出部10821は、フレーム化造影画像sghiに、フレーム識別番号iが同一であるフレーム化Bモード画像sgfiの対応関心領域roifiに対応する造影画像関心領域roihiを設定する(フレーム化Bモード画像sgfiが基準となるフレーム化Bモード画像sgf0である場合には関心領域roif0に対応する造影画像関心領域roihiを設定する)。
さらに、局所領域輝度算出部10821は、造影画像関心領域roihiに含まれる1以上の画素からなる複数の局所領域sptj(jはm以下の自然数)を設定し、局所領域sptjに含まれる1以上の画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値vljを、全てのフレーム化造影画像sghiの局所領域sptjについて算出する。
そして、ステップS207において、全フレームの処理を完了していない場合には、フレーム識別番号iをインクレメントしてステップS204に戻り、全フレームの処理を完了した場合にはステップS208に進む。
次に、ステップS208において、フレーム間TIC最大値算出部10823は、局所領域輝度保持部10822に保持されている評価値vljの中から、局所領域sptjごとに評価値vljに基づきTIC(時間輝度曲線)ticjを算出する。
図13(a)は、ステップS208の処理において、局所領域sptjごとにTICticjを算出する例を示す模式図である。図13(a)に示すように、フレーム間TIC最大値算出部10823は、TICticjに対しさらにカーブフィテイング(曲線補完処理)や平滑化処理を行い、TICを整形した整形TICfticjを算出してもよい。
図13(b)は、ステップS209の処理において、局所領域sptjごとに算出したTICticjにおいて評価値vljのフレーム間TIC最大値ticjmaxを算出する例を示す模式図である。図13(b)に示すように、各TICticjにおいて評価値vljの最大値をフレーム間TIC最大値ticjmaxとして算出する。このとき、TICを整形した整形TICfticjを用いてフレーム間TIC最大値ticjmaxを算出してもよい。これにより、フレーム間TIC最大値ticjmax算出における誤差を減少することができる。
図14は、最大TICfticXのデータ構造を示す模式図である。図14に示すように、最大TICfticXは、複数フレームの造影画像sghiにおける特定局所領域sptX内の画素の平均輝度を示す信号からなる信号シーケンスである。
さらに、ステップS210の処理において、TICパラメータ算出部10825は、最大TICfticXの波形形状に基づき各種診断用TICパラメータを算出してもよい。ここでも、TICを整形した整形TICfticjを用いて各種診断用TICパラメータを算出することが好ましい。算出された各種TICパラメータは表示制御部110に出力される。
図15(a)(b)は、ステップS211の処理において、表示される表示画像の構成を示す模式図である。
表示制御部110は、Bモード画像sgf、造影画像sghを表示部113に、例えば、並べて表示させるよう表示画像を構成して表示部113に表示させる。また、図15(a)に示すように、特定局所領域sptXを、造影画像sghに重畳させて表示画像を構成し表示部113に表示させる。また、図15(b)に示すように、さらに、最大TICfticXに基づきTICを示す画像を構成し、局所領域最大値ticXmaxを最大TICfticXとともに表示部113に表示させる。
以上により、図7に示した最大TIC決定処理が終了する。
<効 果>
以上、説明したように本実施の形態に係る超音波診断装置100によれば、基準となるフレーム化Bモード画像sgf0中に関心領域roif0を設定する関心領域設定部107と、基準フレームsgf0を除く他のフレーム化Bモード画像sgfi中に関心領域roif0内と対応する対応関心領域roifiを設定する対応関心領域設定部1081と、フレーム化造影画像sghiに、同じ反射超音波に依拠して生成されたフレーム化Bモード画像sgfiの関心領域roif0又は対応関心領域roifiに対応する造影画像関心領域roihiと、造影画像関心領域roihiに含まれる1以上の画素からなる複数の局所領域sptjを設定し、局所領域sptjに含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値vljの複数フレームsghiにおける最大値が、複数の局所領域sptj中最大である局所領域sptXを検出し、当該検出した局所領域sptXに対する複数フレームの造影画像sghiに基づいて最大時間輝度曲線fticXを決定する最大TIC決定部1082とを備えた構成を採る。
また、別の態様では、上記した態様において、最大TIC決定部1082は、最大値が複数の局所領域sptjの中で最大である局所領域を特定局所領域sptXとして決定する構成であってもよい。
また、別の態様では、上記した態様において、さらに、最大時間輝度曲線fticXに基づきTICパラメータを算出するTICパラメータ算出部10825を備えた構成であってもよい。
また、別の態様では、上記した態様において、超音波診断装置100の検査対象である被検体内の所定部位は乳腺であってもよい。
この構成により、例えば、乳腺腫瘤の造影超音波診断においては、腫瘤領域全体ではなく、腫瘤領域内で最も染影される最高輝度点が採る時間輝度曲線を簡易に計測でき、計測した時間輝度曲線を観察して腫瘍の良悪性鑑別や治療効果判定を行うことができる。
実施の形態に係る超音波診断装置100では、例えば、図13(c)に示すように、最大TIC決定部1082は、該造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域に含まれる画素に対する輝度に基づく評価値の複数フレームにおける最大値が、複数の局所領域中最大である特定局所領域を検出し、当該特定局所領域に対する複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する構成とした。しかしながら、上記評価値の複数フレームにおける最大値が複数の局所領域中最大である場合のみならず、造影画像関心領域内で1からL番目(Lはm以下の自然数)までの局所領域を第k特定局所領域(kはL以下の自然数)として検出し、当該第k特定局所領域に対する複数フレームの造影画像に基づいてL個の最大時間輝度曲線を決定する構成としてもよい。
<変形例2>
実施の形態に係る超音波診断装置100では、例えば、図8に示すように、関心領域設定部107は、検査者からの入力に基づき1の基準となるフレーム化Bモード画像中に単一の関心領域を設定する構成とした。しかしながら、基準となるフレーム化Bモード画像中に設定する関心領域の数は単数に限られず、複数の関心領域を設定し、各々の関心領域において最大輝度を採る最大時間輝度曲線や特定局所領域を決定する構成としてもよい。
<その他の変形例>
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下のような場合も本発明に含まれる。
また、各実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。上記超音波診断装置の診断方法や、ビームフォーミング方法を実施させるプログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。プログラムや信号を記録媒体に記録して移送することにより、プログラムを独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい、また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、超音波診断装置には、プローブ及び表示部が外部から接続される構成としたが、これらは、超音波診断装置内に一体的に具備されている構成としてもよい。
例えば、送信部103は、実施の形態では、プローブ101に存する複数の振動子101aの一部に当たる送信振動子列からなる送信振動子列を設定し、超音波送信ごとに送信振動子列を列方向に漸次移動させながら超音波送信を繰り返し、プローブ101に存する全ての振動子101aから超音波送信を行う構成とした。
また、実施の形態では、観測点の存在領域は、受信振動子列の列中心を通り振動子列と垂直であって単一振動子幅の直線状の領域とした。
また、各実施の形態に係る超音波診断装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。更に上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。 さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
以上、説明したように、本実施の形態に係る超音波診断装置は、超音波造影剤が投与された被検体内の所定部位に超音波探触子を介して超音波を送信して得られた反射超音波のうち、前記被検体の組織からの反射成分に基づき複数フレームのBモード画像と、前記超音波造影剤からの反射成分に基づき複数フレームの造影画像とを各々時系列に生成する超音波診断装置であって、基準フレームのBモード画像中に関心領域を設定する関心領域設定部と、前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記関心領域内と対応する対応関心領域を設定する対応関心領域設定部と、前記造影画像に、同じ反射超音波に依拠して生成されたBモード画像の前記関心領域又は前記対応関心領域に対応する造影画像関心領域と、当該造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、前記複数の局所領域中最大である局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する最大TIC決定部とを備えた構成を採る。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記最大TIC決定部は、前記最大値が前記複数の局所領域の中で最大である局所領域を特定局所領域として決定する構成であってもよい。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記最大TIC決定部は、さらに、前記最大時間輝度曲線に基づきTICパラメータを算出するTICパラメータ算出部を備えた構成であってもよい。
以上により、例えば、乳腺腫瘤の造影超音波診断においては、腫瘤領域全体ではなく、腫瘤領域内で最も染影される最高輝度点が採る時間輝度曲線を簡易に計測でき、計測した時間輝度曲線を観察して腫瘍の良悪性鑑別を行うことができる。
係る構成により、出力した腫瘤領域内の最高輝度を採る時間輝度曲線、時間輝度曲線から算出した診断用TICパラメータを他の機器やソフトウェアにて利用することができ、各種の評価や診断を行うことができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記対応関心領域には、前記関心領域内の画像と同一又は類似する画像が存在する構成であってもよい。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記他のBモード画像における前記対応関心領域の位置は、前記基準フレームのBモード画像における前記関心領域の位置と同じである構成であってもよい。
係る構成により、簡易な処理により、前記関心領域内の画像と同一又は類似する画像が存在する対応関心領域を設定できる。
係る構成により、簡易な演算処理により局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度の状態を適切にあらわす評価値を算出することができる。
係る構成により、容易に時間輝度曲線を他の機器やソフトウェアにて利用することができ、各種の評価や診断を行うことができる。
係る構成により、曲線補間処理を施した最大時間輝度曲線を用いて精度よく評価値の複数フレームにおける最大値を算出することができる。
係る構成により、体動や呼吸に伴う被検体内の組織の動きより各フレームにおける局所領域に含まれる組織が変動し、TIC内の輝度変動の誤差が大きくなることをより一層防止できる。
係る構成により、局所領域の一部は互いに重なっている構成を容易に実現できる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記特定局所領域決定部は、前記複数フレームの造影画像の各々のフレームに含まれる前記造影画像関心領域内の局所領域のち、当該局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度の前記複数フレームにおける最大値が、前記造影画像関心領域内で1からL番目(Lははm以下の自然数)である局所領域を第k特定局所領域(kはL以下の自然数)として決定する構成であってもよい。
係る構成により、検査者は、造影画像上における1からk番目までの最大時間輝度曲線が通る特定局所領域の位置を容易に把握することができる。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記表示制御部は、さらに、前記第k特定局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度の前記複数フレームにおける最大値をヒストグラム形式で表示部に表示させる構成であってもよい。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記関心領域を第1の関心領域、前記対応関心領域を第1の対応関心領域、前記造影画像関心領域を第1の造影画像関心領域、前記特定局所領域を第1の特定局所領域としたとき、前記関心領域設定部は、検査者からの複数の入力に基づきBモード画像中に、さらに1以上の第2の関心領域を設定し、前記対応関心領域設定部は、前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記第2の関心領域に対応する第2の対応関心領域を設定し、前記最大TIC決定部は、前記造影画像に、依拠する反射超音波を一にする前記Bモード画像の前記第2の関心領域又は前記第2の対応関心領域の各々対して1以上の第2の造影画像関心領域と、当該第2の造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、同じ前記第2の造影画像関心領域に含まれる前記複数の局所領域中最大である第2の特定局所領域を検出し、当該特定局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づいて前記第2の造影画像関心領域毎に最大時間輝度曲線を決定する構成であってもよい。
また、別の態様では、上記した何れかの態様において、前記被検体内の所定部位は乳腺であってもよい。
また、本実施の形態に係る超音波診断装置の制御方法は、超音波探触子を介して超音波造影剤が投与された被検体内の所定部位に超音波を送信して得られた反射超音波のうち、前記被検体の組織からの反射成分に基づき複数フレームのBモード画像と、前記超音波造影剤からの反射成分に基づき複数フレームの造影画像とを各々時系列に生成する超音波診断装置の制御方法であって、1の基準フレームのBモード画像中に関心領域を設定し、前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記関心領域に対応する対応関心領域を設定し、前記造影画像に、同じ反射超音波に依拠して生成されたBモード画像の前記関心領域又は前記対応関心領域に対応する造影画像関心領域と、当該造影画像関心領域に含まれる1以上の画素からなる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、前記複数の局所領域の中最大である局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する構成であってもよい。また、別の態様では、上記した何れかの態様において、さらに、前記最大値が前記複数の局所領域の中で最大である局所領域を特定局所領域として決定する構成であってもよい。また、別の態様では、上記した何れかの態様において、さらに、前記最大時間輝度曲線に基づきTICパラメータを算出する構成であってもよい。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
さらに、超音波診断装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。なお、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
101a 超音波振動子
102 マルチプレクサ部
103 送信部
1031 送信信号発生部
1032 送信信号処理部
104 受信部
1041 受信入力部
1042 受波信号遅延部
1043 受波信号加算部
1044 フィルタ部
1045 受波信号保持部
1046 整相加算部
10461 遅延処理部
10462 加算部
10433 合成部
105 Bモード画像生成部
106 造影画像生成部
107 関心領域設定部
108 TIC処理部
1081 対応関心領域設定部
1082 最大TIC決定部
10821 局所領域平均輝度算出部
10822 局所領域平均輝度保持部
10823 フレーム間TIC最大値算出部
10824 局所領域TIC最大値算出部
10825 TICパラメータ算出部
109 データ格納部
110 表示制御部
111 制御部
112 操作入力部
113 表示部
150 超音波信号処理回路
Claims (24)
- 超音波造影剤が投与された被検体内の所定部位に超音波探触子を介して超音波を送信して得られた反射超音波のうち、前記被検体の組織からの反射成分に基づき複数フレームのBモード画像と、前記超音波造影剤からの反射成分に基づき複数フレームの造影画像とを各々時系列に生成する超音波診断装置であって、
基準フレームのBモード画像中に関心領域を設定する関心領域設定部と、
前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記関心領域内と対応する対応関心領域を設定する対応関心領域設定部と、
前記造影画像に、同じ反射超音波に依拠して生成されたBモード画像の前記関心領域又は前記対応関心領域に対応する造影画像関心領域と、当該造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、前記複数の局所領域中最大である局所領域に対する、前記複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する最大TIC決定部とを備えた
超音波診断装置。 - 前記最大TIC決定部は、前記最大値が前記複数の局所領域の中で最大である局所領域を特定局所領域に決定する
請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記最大TIC決定部は、さらに、前記最大時間輝度曲線に基づきTICパラメータを算出するTICパラメータ算出部を備えた
請求項1又は2の何れか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記最大TIC決定部は、前記最大時間輝度曲線を記録媒体又は外部に出力する
請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記最大TIC決定部は、前記TICパラメータを記録媒体又は外部に出力する
請求項3に記載の超音波診断装置。 - さらに、前記最大時間輝度曲線を表示部に表示させる表示制御部を備えた
請求項1に記載の超音波診断装置。 - さらに、前記造影画像、及び前記特定局所領域を表示部に表示させる表示制御部を備えた
請求項2に記載の超音波診断装置。 - さらに、前記TICパラメータを表示部に表示させる表示制御部を備えた
請求項3に記載の超音波診断装置。 - 前記対応関心領域には、前記関心領域内の画像と同一又は類似する画像が存在する
請求項1から8の何れか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記他のBモード画像における前記対応関心領域の位置は、前記基準フレームのBモード画像における前記関心領域の位置と同じである
請求項1から9の何れか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記対応関心領域設定部は、動き補償により前記対応関心領域を設定する
請求項1から9の何れか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記評価値は、前記造影画像関心領域に含まれる1以上画素に対する造影画像の輝度の算術平均値である
請求項1から11の何れか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記最大時間輝度曲線は、前記複数フレームの造影画像における前記特定局所領域の輝度からなる信号シーケンスである
請求項2に記載の超音波診断装置。 - 前記最大時間輝度曲線は、前記特定局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づく輝度からなる信号シーケンスを時間軸上にプロットし曲線補間処理または平滑化処理を施した時間−輝度曲線である
請求項2に記載の超音波診断装置。 - 前記複数フレームの造影画像の各々に設定された複数の前記局所領域の一部は互いに重なっている
請求項1から14の何れか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記局所領域は円又は楕円形状である
請求項1から15の何れか1項に記載の超音波診断装置。 - 前記特定局所領域決定部は、前記複数フレームの造影画像の各々のフレームに含まれる前記造影画像関心領域内の局所領域のうち、当該局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度の前記複数フレームにおける最大値が、前記造影画像関心領域内で1からL番目(Lは1m以下の自然数)までの局所領域を第k特定局所領域(kはL以下の自然数)として決定する
請求項2に記載の超音波診断装置。 - さらに、前記造影画像に前記第k特定局所領域を重畳して表示部に表示させる表示制御部を備えた
請求項17に記載の超音波診断装置。 - 前記表示制御部は、さらに、前記第k特定局所領域に含まれる造影画像に基づく輝度の前記複数フレームにおける最大値をヒストグラム形式で表示部に表示させる
請求項17に記載の超音波診断装置。 - 前記関心領域を第1の関心領域、前記対応関心領域を第1の対応関心領域、前記造影画像関心領域を第1の造影画像関心領域、前記特定局所領域を第1の特定局所領域としたとき、
前記関心領域設定部は、検査者からの複数の入力に基づきBモード画像中に、さらに1以上の第2の関心領域を設定し、
前記対応関心領域設定部は、前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記第2の関心領域に対応する第2の対応関心領域を設定し、
前記最大TIC決定部は、前記造影画像に、依拠する反射超音波を一にする前記Bモード画像の前記第2の関心領域又は前記第2の対応関心領域の各々対して1以上の第2の造影画像関心領域と、当該第2の造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる画素に対する造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、同じ前記第2の造影画像関心領域に含まれる前記複数の局所領域中最大である第2の特定局所領域を検出し、当該特定局所領域に対する前記複数フレームの造影画像に基づいて前記第2の造影画像関心領域毎に最大時間輝度曲線を決定する
請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記被検体内の所定部位は乳腺である
請求項1から20の何れか1項に記載の超音波診断装置。 - 超音波造影剤が投与された被検体内の所定部位に超音波探触子を介して超音波を送信して得られた反射超音波のうち、前記被検体の組織からの反射成分に基づき複数フレームのBモード画像と、前記超音波造影剤からの反射成分に基づき複数フレームの造影画像とを各々時系列に生成する超音波診断装置の制御方法であって、
1の基準フレームのBモード画像中に関心領域を設定し、
前記基準フレームを除く他のBモード画像中に前記関心領域に対応する対応関心領域を設定し、
前記造影画像に、同じ反射超音波に依拠して生成されたBモード画像の前記関心領域又は前記対応関心領域に対応する造影画像関心領域と、当該造影画像関心領域に含まれる複数の局所領域とを設定し、当該局所領域に含まれる造影画像の輝度に基づく評価値の前記複数フレームにおける最大値が、前記複数の局所領域の中最大である局所領域に対する、前記複数フレームの造影画像に基づいて最大時間輝度曲線を決定する
超音波診断装置の制御方法。 - さらに、前記最大値が前記複数の局所領域の中で最大である局所領域を特定局所領域として決定する
請求項22に記載の超音波診断装置の制御方法。 - さらに、前記最大時間輝度曲線に基づきTICパラメータを算出する
請求項22又は23の何れか1項に記載の超音波診断装置の制御方法。
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