JP6445463B2 - ミクロスフェアを有するフルオロポリマー組成物 - Google Patents

ミクロスフェアを有するフルオロポリマー組成物 Download PDF

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Description

本開示は、無機充填材を含むフルオロポリマー組成物、これらを含有する物品、及びこれらの作成方法に関する。フルオロポリマーとしては、テトラフルオロエテンホモポリマー又はコポリマーが挙げられる。無機充填剤としては、高密度の無機粒子、特にミクロスフェアが挙げられる。
フルオロポリマーは、その化学的不活性、低摩擦、及び非粘着性から、多様な商業的用途が見出されてきた。これらの高融点は、高い使用温度を可能にする。これらの特性によりフルオロポリマーは、自動車、航空機、化学及び電子業界における要求度の高い用途に対応したシーリング材料の作成に格好の材料となってきた。典型的なフルオロポリマー、その調製、及び用途は、例えば、Modern Fluoropolymers,John Scheirs(editor),John Wiley & Sons Ltd,1997に記載されている。
フルオロポリマーをシール材として使用する場合、シール材の耐用期間は、例えば、摩擦力に起因する摩耗により短縮される可能性がある。フルオロポリマー含有シーリング材料の特性の更なる改良、とりわけ、耐摩耗性に改良を施したフルオロポリマー組成物の提供に対しては継続的なニーズがある。
したがって、一態様において、以下の組成物が提供され、この組成物は、
(i)テトラフルオロエテンホモポリマー、及びテトラフルオロエテン以外のコモノマーを最大約20重量%含有するテトラフルオロエテンコポリマーから選択される、テトラフルオロエテンポリマーと、
(ii)密度が約1.2〜約3.0g/cmで、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及びそれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含むミクロスフェアと、を含む。
別の態様において、本明細書に記載されている組成物を含む成形物品が提供される。
更に別の態様において、本明細書に記載されている組成物の作成方法が提供される。
本開示のいずれかの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、以下の説明で記載される構成要素の構成及び配置の詳細までその適用に限定されるものではないことを理解するべきである。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用する語法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、発明を限定するものとして見なされるべきでない点が、理解されるべきである。限定的であることを意味する「から成る(consisting)」の使用とは対照的に、「含む(including)」、「含有する(containing)」、「備える(comprising)」、又は「有する(having)」、及びこれらの変形物の使用は、限定的であることを意味するものではなく、これらの後に列記される要素並びに追加要素を包含することを意味するものである。例えば、成分Aを含有する組成物とは、Aを含有する、若しくはA及びその他の成分を含有することを意味する。Aから成る組成物とは、成分Aを有するがその他の成分を有しないことを意味する。両方の場合(限定的又は非限定的意味)では、等価物が含まれることを意味する。
「a」又は「an」の使用は、「1つ以上」を包含することを意味する。
本明細書において記載される全ての数値範囲は、その範囲の低い値から高い値までの全ての値を含むことを意図する。例えば、1%〜50%の濃度範囲は省略形であり、例えば2%、40%、10%、30%、1.5%、3.9%等、1%と50%との間の値を明示的に開示することを意図している。
フルオロポリマーは、耐化学薬品性及び高熱使用温度を備えることから、例えば、航空機、自動車、油及びガス処理産業、並びに化学工業などの要求度の高い用途におけるガスケット材及び封着材として頻繁に使用される。特に、フルオロポリマー含有材料が摩擦力を受ける用途において、材料の寿命を延ばすために、良好な耐摩耗性が要求される。フルオロポリマーの耐性を増強するためにガラス繊維を補強材料として添加することができる。昨今見出されてきたように、本明細書で記載されているようなミクロスフェア含有フルオロポリマー組成物は、耐摩耗性の改善を示す。これらはまた、成形物品の作製を可能にする低変形性及び良好な機械的特性も示す。良好な機械的特性を、例えば繊維のような更なる補強材料を必要とすることなしに、本明細書に記述されているようなミクロスフェアによって達成することができる。また、本明細書に記載されているミクロスフェアを添加は、化合物の均質度が向上につながる。これにより、化合物のより容易な加工及び成形が可能になる。本材料はまた、炭化水素の液体又は煙霧に対して良好な不活性度を有する。
フルオロポリマー
本明細書中に記載されているフルオロポリマーは、テトラフルオロエテン(TFE)のホモポリマー又はコポリマーである。テトラフルオロエテンコポリマーは典型的に、テトラフルオロエテンから誘導される繰り返し単位を主成分とする(典型的に、80重量%以上のポリマーが、誘導型テトラフルオロエテンポリマーである)。幾つかの実施形態において、テトラフルオロエテンコポリマーには、最大約20重量%のコモノマーが含有される。他の実施形態において、テトラフルオロエテンコポリマーには、最大約10重量%のコモノマーが含有される。テトラフルオロエテン(TFE)ホモポリマー、及び他のフッ素化モノマーを最大1重量%含むTFEコポリマーは、当該技術分野においてポリテトラフルオロエテン(PTFE)と呼ばれている。
TFEコポリマーは、部分的にフッ素化又は過フッ素化される場合がある。部分フッ素化コポリマーには1つ以上の非フッ素化コモノマー又は部分フッ素化コモノマーが含まれ、ここで、部分フッ素化コモノマーには、フッ素原子及び1つ以上の水素原子が含まれる。好適な非フッ素化コモノマーとしては、例えば、プロペン及びエタンが挙げられる。好適な部分フッ素化コモノマーとしては、例えば、フッ化ビニリデン又はフッ化ビニルが挙げられるが、それらに限定されない。過フッ素化コポリマーには、過フッ素化コモノマーから誘導されるTFE以外のコモノマーから誘導された単位のみが含有される。過フッ素化コモノマーは水素原子を有しないが、炭素原子及びフッ素原子だけは含有し、但し、酸素及び塩素原子を更に含有する場合もある。好適な過フッ素化コモノマーとしては、過フッ素化αオレフィン(一般式C2n、式中のnは2〜10の整数である)が挙げられる。特定の例は、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)である。他の過フッ素化モノマーとしては、過フッ素化アルキル又はアリルエーテル(一般式CF=CF−(CF−O−Rf、式中、nは0又は1を表し、Rfは、カテナリー酸素原子を含有しないか、1つ又は複数のカテナリー酸素原子を含有する直鎖又は分岐鎖、環状又は非環状の過フッ素化アルキル残基を表す)が挙げられる。Rfは、最大8個、好ましくは最大6個の炭素原子(1、2、3、4、5、及び6個の炭素原子など)を含有する場合がある。具体的な例としては、ペルフルオロメチルエーテル(PMVE)又はペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)などのペルフルオロアルキルエーテル(PAVE)が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な例としては、クロロトリフルオロエテン(CTFE)及びジクロロジフルオロエテンが挙げられる。
好ましい実施形態において、フルオロポリマーは結晶質又は実質的に結晶質であり、融点が少なくとも230℃であるか、又はその融解範囲に少なくとも230℃の温度が含まれる。好ましい実施形態において、本明細書に記載されているフルオロポリマーは、融点が約317℃+/−20℃、より好ましくは約327℃+/−10℃であり、又はこれらの温度を含めた範囲内で融解する。
フルオロポリマー、又は少なくとも本明細書に記載されているフルオロポリマー組成物は、成形された物品を調製するのに十分な機械的特性を有する。本開示の幾つかの実施形態において、フルオロポリマー(又は少なくともフルオロポリマー組成物)は、少なくとも約10MPa、好ましくは少なくとも約20MPaの引張強度を有する。更にフルオロポリマーは、典型的に少なくとも20%、好ましくは少なくとも100%、より好ましくは少なくとも200%の破断点伸びを有する場合がある。
フルオロポリマーによっては、溶融加工可能なものもあれば、又は溶融加工可能でないものもある。「溶融加工可能」であるか否かの特性は、一般にメルトフローインデックス(MFI)によって決定される。このMFIは、規定錘(ここでは5kg)を使用して、規定温度(ここでは372℃)においてダイを通して押し出すことができるポリマーの量を測定する。したがって、MFIは、ポリマーを溶融加工するための適合性についての尺度である。溶融加工不可能なフルオロポリマーは、0.1g/10分未満のMFI(372/5)を有する。溶融加工可能なフルオロポリマーは、0.1g/10分超のMFI(372/5)を有する。
本開示の実施形態において、フルオロポリマーはPTFEである。PTFEは典型的に分子量が極めて大きく、典型的には約10g/モル以上である。この高分子量は、非常に高い融解粘度(380℃で約1010〜1013Pa・s)につながり、溶融押出のような通常の溶融加工でPTFEが利用不可能になる。したがって、PTFEは「非溶融加工可能」と見なされる。PTFEのMFI(372/5)は、0.1g/10分未満である。PTFEは、溶融押出又は射出成形のような通常の溶融処理技術で溶融物から加工することは不可能なため、成形PTFE物品を作成するには特殊な加工技術を使用せねばならない。このような技術としてはラム押出成形及び圧縮成形が挙げられ、典型的にはその後更に粒子を融合させるために焼結が行われる。典型的には、重合により得られたPTFE粒子は、これら技術によって加工されてブロック(「ビレット」)が調製され、次いでこのビレットが焼結され、ポリマー粒子同士が更に融合される。次いで、焼結されたビレットが、成形物品にスカイビング又は機械加工される。この加工は多少面倒であるが、溶融加工不可能なPTFEの良好な耐薬品性及び耐熱性により相殺されている。
本明細書に記載されているフルオロポリマー組成物には、1つ以上のフルオロポリマー、例えば、異なるフルオロポリマーのブレンドが含有される場合がある。異なるフルオロポリマーは、化学組成が異なる場合もあるが、又は、例えば、二峰性若しくは多峰性組成物と同様、化学組成ではなく分子量、重合度、又はポリマー構造によって異なる場合もある。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されているフルオロポリマー組成物は、固体組成物である。そのようなフルオロポリマーと添加剤との本質的な固体混合物(intimate solid mixture)は、当該技術分野において「化合物」と呼ばれる。典型的には、「化合物」は、例えば(顆粒又はペレットのような)粒子の形態であるか、又はシートの形態に成形さる場合がある。顆粒又はシートは、少なくとも500μm又は少なくとも5,000μmの長さ又は直径のような寸法を有する場合がある。
フルオロポリマーは、典型的に、フリーラジカル反応開始剤により開始されたラジカル重合で得られる場合がある。重合は、水相中で遂行される場合がある。この重合は、乳化重合として又は懸濁重合として実行されてもよい。
懸濁重合は、一般的には、水相において、及び乳化剤の不在下で行われる。懸濁重合では、典型的に、反応混合物の攪拌が中止されるとすぐに、反応混合物は凝固し、沈殿する。得られるポリマー粒子は、一般的に、乳化重合によって得られるものよりも大きなサイズのものである。乳化重合で得られるポリマー粒子は典型的に、粒径が50〜500nmの範囲であるが、懸濁重合では粒径が約600nm超及び最大約800μmのポリマー粒子が得られる場合もある。乳化剤不使用のため、懸濁液フルオロポリマーは、フッ素化乳化剤も含まない(例えば、以下に記載されるフッ素化乳化剤を含まない)。
水性乳化重合では、小粒子の安定な分散液が得られる方法で重合が遂行される。この分散液は、反応混合物の攪拌を少なくとも2時間、若しくは少なくとも12時間、又は少なくとも24時間停止した後でも安定した状態を保つ(相分離がない)。典型的には、フッ素化乳化剤が、水性乳化重合において使用される。反応混合物中の小さなポリマー粒子を乳化剤で安定化させることで、分散液が生ずる。フッ素化乳化剤は、典型的に、得られる固体(ポリマー含量)を基準として0.01重量%〜1重量%の量で使用される。好適な乳化剤としては、水性乳化重合において通常使用される任意のフッ素化乳化剤が挙げられる。典型的な乳化剤は、次の一般式、
Y−R−Z−M
に対応し、式中、Yは、水素、Cl、又はFを表し、Rは、4〜16個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖状の過フッ素化アルキレン又は部分フッ素化アルキレンを表し、ZはCOO又はSO を表し、並びにMはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又はHのなどのカチオンを表す。アルキレン単位はポリエーテルアルキレン単位であってもよく、即ち、1つ以上のカテナリー酸素原子(エーテル酸素原子)を含んでもよい。例示の乳化剤としては、過フッ素化オクタン酸及び過フッ素化オクタンスルホン酸などの過フッ素化アルカン酸のアンモニウム塩が挙げられる。
最近は、一般式[R−O−L−COO の乳化剤が使用されている(式中、Lは直鎖又は分岐鎖の部分的に又は完全にフッ素化されたアルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、Rは、直鎖又は分岐鎖の、部分的に又は完全にフッ素化された脂肪族基若しくは1つ以上の酸素原子が挿入された直鎖又は分岐鎖の部分的に又は完全にフッ素化された基を表し、X は、価数iを有するカチオンを表し、iは1、2及び3である)。乳化剤が部分的にフッ素化された脂肪族基を含有する場合、これは部分的フッ素化乳化剤と呼ばれる。好ましくは、この乳化剤の分子量は、1,000g/モル未満である。具体的な例は、例えば、本明細書に参照により組み込まれる米国特許出願公開第2007/0015937号(Hintzer et al.)に記載されている。
フルオロポリマーは、例えば、DuPont de Nemours & Company、3M Company、Daikin Industries、及びSolvay Solexis S.p.a.といった様々な供給業者から市販されている。市販のPTFEグレードの例としては、例えば、顆粒グレードのPTFEでは、いずれも3M Company(米国ミネソタ州St.Paul)から入手可能である、DYNEON TF 1620 PTFE、DYNEON TF 1641 PTFE、DYNEON TF 1645 PTFE、DYNEON TF 1750 PTFE、DYNEON TFM 1600 PTFE、DYNEON TFM 1700 PTFE、DYNEON TFM 1705 PTFE、及びDYNEON TFR 1502 PTFEなどの商品名のものが挙げられる。
無機ミクロスフェア:
本開示による組成物において有用なミクロスフェアには、無機材料が含有される。これらの無機材料は、典型的に、酸化ケイ素、酸化ホウ素、及び酸化アルミニウム、並びにそれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する。例としては、例えば、ガラス及びセラミックス内に存在するような、アルミノケイ酸塩、及びアルミノホウケイ酸塩、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。無機酸化物には、典型的に酸化ケイ素、酸化ホウ素、又は酸化アルミニウムよりも少ない量ではあるが、更に酸化物が含有される場合もある。そのような他の酸化物としては、限定されないが、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、及びそれらの組み合わせが挙げられる。本開示の一実施形態において、ミクロスフェアは、ミクロスフェアの重量を基準として少なくとも50重量%又は少なくとも75重量%の、酸化ケイ素、酸化ホウ素、若しくは酸化アルミニウム、又はそれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する。
ミクロスフェアは、アモルファス、及び非結晶質(ガラスミクロスフェア)、又はセラミックであってもよい。好ましい実施形態において、ミクロスフェアは、セラミックミクロスフェアである。セラミックミクロスフェアには、典型的に結晶質材料が含有される。
ミクロスフェアは密度が高く、例えば、密度が約1.5〜最大約3g/cmである。本開示による好ましい実施形態は、密度が約2.0〜2.8g/cm、又は約2.2〜約2.6g/cmである。密度は、(ASTM D−2840−69に準じて)粒子の試料を秤量し、空気比較式比重計(ACCUPYC 1330 Pycnomether又はBeckman Model 930など)を用いて試料の体積を測定することにより定量することができる。粒子は密度が極めて高いことから、典型的には中実粒子である(即ち、中空ではない)。
本開示の好ましい実施形態において、ミクロスフェアのかさ密度は、約1.2〜約2.2g/cm、好ましくは約1.4〜1.8g/cmである。かさ密度は、メスシリンダーで体積100mlを充填するミクロスフェアの量を秤量することにより、定量することができる。
ミクロスフェアは、実質的に球状の形状である。ミクロスフェアの直径は、典型的に0.5μm〜最大50μmの範囲である。ミクロスフェアは、直径が異なる複数のミクロスフェアとして存在する場合がある。好ましい実施形態において、大多数のミクロスフェアは、直径0.5〜50μm、又はより好ましくは1〜20μmである。本開示の典型的な実施形態において、ミクロスフェアの体積平均粒径(直径)は、約0.5〜約50μm、好ましくは約0.8〜約20μm、より好ましくは約1〜約12μmである。
ミクロスフェアの破砕強度は、物品の製造中に生じる場合があると予期された圧力を超えるものであることが、好ましい。無機粒子の好適な平均破砕強度の例としては、少なくとも約40.000psi(275.79kPa)が挙げられる。平均破砕強度は、例えば、粒子の試料サイズが10ミリリットルであることを除いては、ASTM D3102−72に従って、粒子を20.6グラムのグリセロール中に分散させて測定することでき、データ変換はコンピュータソフトウェアを使用して自動化されている。報告される値は、粒子の10体積%が圧潰する(即ち、90%が非破壊)場合の流体静力学的な圧力である。
特に好適な無機粒子の例としては、セラミックミクロスフェア(例えば、3M Corporation(米国ミネソタ州St.Paul)からW 210、W410又はW610という商品名で市販されているセラミックミクロスフェア)が挙げられる。
無機ミクロスフェアは、本開示によるフルオロポリマー組成物中で(組成物の総重量を基準として)最大約35重量%、又は最大約20重量%の量で使用される場合がある。典型的な量としては、約1重量%〜最大約15重量%(例えば、組成物の総重量を基準として約1.5重量%〜約10.5重量%などのような)が挙げられる。
添加剤
本組成物には、更なる添加剤を含む場合がある。添加剤には、繊維を含む場合がある。繊維は、有機であっても、無機繊維であってもよい。繊維の長さは典型的に、繊維の直径の少なくとも5倍を超える。好ましくは、この繊維は無機材料(無機繊維)を含む。典型的な無機材料としては、アルミナ(酸化アルミニウム)、シリカ(酸化ケイ素)、窒化ケイ素、炭化ケイ素及びこれらの組み合わせが挙げられる。無機繊維の別の例は、炭素繊維である。これら無機材料は、単独で使用されてもよく、又はこれらの少なくとも2つが混合され、組み合わされて使用されてもよい。例えば、この無機繊維材料はアルミナを単独で含んでもよく、又はシリカなどの別の無機材料がアルミナと組み合わせて更に使用されてもよい。かかる繊維は、アルミナ−シリカ繊維と呼ばれる。シリカ、アルミナ及びホウ素の組み合わせを含有している繊維は、アルミノボロシリケート繊維と呼ばれる。
この繊維材料は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ホウ素、チタン及びジルコニウム、特にこれらの酸化物などの更なる金属を含有してもよい。
典型的には、無機繊維としては、セラミック繊維、ガラス繊維、及び多結晶無機繊維が挙げられる。
無機繊維は、個別に、又は2つ若しくはそれ以上の種類の組み合わせのいずれかで使用されてもよい。
特定の無機繊維の具体例としては、約67重量%〜約98重量%の範囲の酸化アルミニウム及び約33重量%〜約2重量%の範囲の酸化ケイ素を含む高アルミナ繊維が挙げられるが、これらに限定されない。これら繊維は、例えば3M Companyからの商品名「NEXTEL 550」として、Dyson Group PLC(英国、Sheffield)から入手可能な「SAFFIL」として、Mitsubishi Chemical Corp.(日本、東京)から入手可能な「MAFTEC」として、Unifrax(米国ニューヨーク州Niagara Falls)から入手可能な「FIBERMAX」として、及びRath GmbH(ドイツ)から入手可能な「ALTRA」として市販されている。更なる好適な無機繊維としては、例えば約55重量%〜約75重量%の範囲の酸化アルミニウム、約45重量%未満〜0重量%を超える範囲(好ましくは、44重量%未満から0重量%超まで)の酸化ケイ素、及び25重量%未満から0重量%まで(好ましくは約1重量%〜約5重量%)の酸化ホウ素(それぞれAl、SiO、及びBなどをそれぞれ基準にした理論上の酸化物として計算したもの)を含むアルミノボロシリケート繊維が挙げられるが、これらに限定されない。アルミノボロシリケート繊維は、例えば、3M Companyから商品名「NEXTEL 312」及び「NEXTEL 440」として市販されている。
この繊維は、典型的に、1〜26マイクロメートルの直径、好ましくは5μmを超える直径を有する場合がある。繊維の長さは、典型的に、繊維の直径の少なくとも5倍を超える。好ましい実施形態において、この繊維は、約6〜18マイクロメートルの直径を有し、より好ましくは、この繊維は約8〜16マイクロメートルの平均直径を有する。好ましくは、この繊維は、3マイクロメートル未満の直径を有する繊維を含まないか又は本質的に含まない。本明細書の本質的に含まないとは、かかる直径が小さい繊維の量が、セラミック繊維層中の繊維の総重量の2重量%以下、好ましくは1重量%以下であることを意味する。
この繊維は、結晶性又は多結晶の繊維であってもよい。この繊維は、アニール処理繊維と呼ばれる場合がある、熱処理された繊維であってもよい。アニール処理繊維は、1999年9月16日に公開された、米国特許第5,250,269号(Langer)又は国際公開第99/46028号に開示されているように得られる場合がある。
別の特定の実施形態において、使用される繊維としては、ケイ酸アルミニウムマグネシウム繊維が挙げられる。例えば、この繊維は、10重量%〜30重量%の酸化アルミニウム、52重量%〜70重量%の酸化ケイ素、及び1重量%〜12重量%の酸化マグネシウムを有する。上述の酸化物の重量パーセントは、Al、SiO、及びMgOの理論上の量に基づいている。このケイ酸アルミニウムマグネシウムのガラス繊維は、追加の酸化物を含有してもよい。例えば、存在する場合がある追加の酸化物としては、酸化ナトリウム又は酸化カリウム、酸化ホウ素、及び酸化カルシウムが挙げられる。ケイ酸アルミニウムマグネシウムのガラス繊維の具体的な例としては、典型的には約54重量%のSiO、14重量%のAl、10重量%のB、19重量%のCaO、3重量%のMgO、及び1重量%のその他の酸化物(NaO、及びKOなど)の組成を有するE−ガラス繊維が挙げられるが、これらに限定されない。更なる有用な例としては、典型的には、約65重量%のSiO、25重量%のAl、及び10重量%のMgOの組成を有するS及びS−2ガラス繊維、並びに典型的には60重量%のSiO、25重量%のAl、9重量%のCaO、及び6重量%のMgOの組成を有するR−ガラス繊維が挙げられるが、これらに限定されない。E−ガラス、S−ガラス、及びS−2ガラスは、例えば、Owen Corning及び/又はAdvanced Glassfiber Yarns LLCから入手可能であり、R−ガラスは、Saint−Gobain Vetrotexから入手可能である。
繊維を添加するとフルオロポリマー組成物の耐摩擦性及び耐摩耗性が向上する場合があるが、本明細書に記載されているミクロスフェアも、繊維と類似した特性を提供する場合があることが見出されてきた。したがって、耐摩耗性を改善するうえで、繊維の添加は必ずしも必要がない。本開示の幾つかの実施形態において、フルオロポリマー組成物は繊維を含まないか、又は繊維の組成物の総重量を基準として組成物の総重量の15重量%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは繊維を含まないか若しくは1.0重量%以下の量の繊維を含む。
本開示によるフルオロポリマー組成物は、本組成物の幾つかの特性を更に改善するのが望ましい場合には、追加の材料も様々な濃度で含む場合がある。好適な添加剤としては、例えば顔料又は染料、抗酸化剤、UV安定化剤、上記のミクロスフェア及び繊維以外の充填材(有機又は無機)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。他の添加剤は、例えば、フルオロポリマー化合物の型抜きを促進する少量の鉱物油、植物蝋などの加工助材である。
フルオロポリマー組成物において一般的に使用される充填剤の典型例としては、例えば、グラファイト又はカーボンブラックなどの炭素粒子が挙げられる。炭素粒子はまた、フルオロポリマー組成物に黒色も与える。フルオロポリマー組成物は典型的に、炭素粒子のフルオロポリマー組成物の総量を基準として約1〜約15重量%を占める場合がある。
フルオロポリマー物品の作成方法
本開示によるフルオロポリマー組成物は、ブレンド又は混合技術及びフルオロポリマー化合の技術分野において公知である機器を使用して、原料をブレンド又は混合することにより作成される場合がある。ブレンド又は混合後に、この組成物は更に加工かつ成形され、物品を形成することが可能である。当該技術分野において公知の形状付与方法が使用される場合もある。形状付与方法としては、例えば、圧縮成形、切削及び焼結、並びに以後の機械加工(例えば、スカイビング)が挙げられるが、それらに限定されない。好適な圧縮成形プロセスの例は、組成物を、油圧プレスなどの圧縮型で予備成形寸法に圧縮することを含む。圧縮成形に好適な圧力は、約13.8MPa(2.000psi))〜約82.7MPa(12.000psi)の範囲である。圧縮圧力は、一方向に付与されてもよく(即ち、自動圧縮成形)、又は四方向すべてから付与されてもよい(即ち、アイソスタティック圧縮成形)。
次いで、圧密組成物は、組成物を統合するために、フルオロポリマーの結晶融点(初期融点)より高い温度で熱を加えることによって焼結される場合がある。好適な焼結条件の例としては、圧密組成物を340℃〜380℃の温度、例えば約365℃の温度に加熱することを含む。組成物の焼結は、圧縮型内で実行されてもよい。あるいは、焼結工程を施すときに、組成物を圧縮型から取り出し、焼結オーブン内に配置してもよい。
焼結の前の圧縮成形は、最終物品を形成するために用いてもよく、又は後続の機械加工を受ける中間物品を形成するために用いてもよい。形成されてもよい中間物品の例としては、引き続いてスカイブされ(即ち、スライス及び剥離され)、O−リング、フィルム及びシートのような異なる成形物品に形成されることが可能である、球形、シート、及びビレット(即ち、円筒)が挙げられる。
本開示によるフルオロポリマー組成物は、寸法的に安定しており、かつ例えば低い変形によって示されるような高レベルの圧縮力に耐えることによる良好な圧縮強度を呈する物品を形成するために使用することが可能である。本明細書で提供されるフルオロポリマー組成物はまた、引裂き及び穿刺を防止又は低減するための良好な引張強度を呈する。本明細書に提供されるフルオロポリマー組成物はまた、耐摩耗性が強化されている。上記の理由から、フルオロポリマー組成物は、ガスケット材若しくはシール材、又はそれらの構成要素を作成するための材料として特に適している。そのようなガスケット材又はシール材は、動的又は静的用途に(即ち、動的若しくは静的ガスケット材又はシール材として)用いるのに有利である場合がある。動的シール材又はガスケット材は、少なくとも1つが使用時に移動する可能性がある2つ以上の表面(典型的には、金属表面又は金属と類似した機械的な剛性を有するプラスチック表面)間の接合を封止する。移動表面は、摩擦力又はその他の物理的力をシール材又はガスケット材に及ぼす場合がある。2つ以上の表面間の接合部は、使用中に動かないように静的シール材又はガスケット材で封止される。フルオロポリマー組成物はまた、炭化水素の煙霧及び液体に対する耐性も有する(例えば、内燃エンジンの燃料又は炭化水素系潤滑剤に対する耐性を有する)。
したがって、フルオロポリマー組成物は、例えば自動車のようなエンジン駆動用途において使用される物品(例えばシール材)を形成する場合もあれば、又はその物品の一部である場合もある。フルオロポリマー組成物は、クランクシャフト、クランクシャフトシール、カムシャフト、カムシャフトシール、ピストン、ピストンシール、シリンダー受容ピストン(このようなシリンダー用のシールを含む)、ベアリング及びベアリング用のハウジング(このようなハウジング用のシール材を含む)の製造に特に有用である場合がある。フルオロポリマー組成物は、物品全体を形成する場合もあれば、又は物品の構成部品として存在する場合もある。
本明細書に記載されているフルオロポリマー組成物は典型的に、フルオロポリマー化合物、即ち、固体組成物である。フルオロポリマー化合物には、典型的に、周囲気圧(即ち、1bar(0.1MPa))において200℃以下の温度で融解又は崩壊しない。本明細書で提供されるフルオロポリマー組成物又は化合物は、典型的に、以下の特性の1つ以上又は全てを有する。
(i)少なくとも250%、好ましくは少なくとも350%、又は更に少なくとも400%(ASTM D 4755−06)、例えば250%〜550%の破断点伸び。
(ii)少なくとも10MPa、好ましくは少なくとも12MPa、例えば15MPa〜25MPaの引張強度。
(iii)少なくとも50、好ましくは少なくとも60、例えば62〜71のショアD硬さ。
(iv)3.5%未満、例えば2.0%〜3.3%の永久歪み。
(v)310−6mm/Nm未満、好ましくは1.0×10−7mm/Nm未満の摩耗指数。
本開示の幾つかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、300%超の破断点伸び、少なくとも15MPaの引張強度、3%未満の永久歪み、及び1.010−7mm/Nm未満の摩耗指数を有する。
本明細書に提供される組成物及び方法を更に説明するために、以下の実施例が提供される。これら実施例は、特定の実施形態を例示するために提供されているが、本発明をこれらに限定することを意味するものではない。その前に、材料及びそれらの特性を特徴付けるために使用される幾つかの試験方法について説明する。特記しない限り、パーセンテージは、組成物の全体の質量に対する重量パーセンテージであり、各々のケースで合計100重量%となる。
試験方法
硬さ:
ショアD硬度は、DIN−53505に従って測定した。列挙されている結果は3回の測定の平均値である。
破断点引張強度、破断点伸び:
これらの特性は、ASTM D 4745−06に従って、0.5KNのロードセルを備えたインストロンテスターを使用して決定された。全ての試験は、50mm/分の一定クロスヘッド変位速度で行った。各試験は4回行った。報告される値は、4回の試験の平均値である。破断点伸びは%で報告される。破断点引張強度は、メガパスカル(MPa)の単位で報告される。
変形:
室温における変形は、ASTM D 621に従って、24時間後、100時間後及び124時間後(永久歪み)に測定された。報告される値は、3つの試料の平均値であり、記録される値は%である。
摩耗指数及び摩擦係数
摩耗指数及び摩擦係数は、スラストワッシャマシンを使用して、ASTM 3702:「Wear Rate and Coefficient of Friction in Self−Lubricated Rubbing Contact」に従って決定された。この試験は、134.6mmの接触面を有する試料を、一定の接点圧(0.69MPa)及び一定の滑り速度(0.51m/s)で、0.4μの表面仕上げを施した1018ステンレス鋼トラストワッシャに対して100時間保持し、試料の動摩擦係数及び摩耗特性を測定することによって、Lewis Wear Tester(Lewis Research Inc.)を使用して行った。摩耗指数はmm/Nmで表す。値が低くなるにつれて、材料の摩耗に対する抵抗が大きくなる。
融点:
融点は、ASTM D 4591に従って、DSC(Perkin Elmer示差走査熱量計Pyris 1)により決定することができる。5mgの試料を、10℃/分の制御された速度で380℃の温度まで加熱し、これによって第1の融解温度を記録する。次いで、試料は10℃/分の速度で第1の融解温度が観測された温度未満、典型的には温度300℃まで冷却され、その後、10℃/分にて380℃の温度まで再加熱される。第2の加熱周期で観測された融点を記録し、これを本明細書ではポリマーの融点(一旦溶融した材料の融点)と呼ぶ。TFE単位の含有量が大変高いポリマーでは、初めて溶融したときと、初めて溶融した後では異なる融点を有する傾向があり、初めて溶融した後では、融点は多少低くなる傾向がある。しかしながら、一旦最初に材料が融解した後は、融点が一定に保たれる。本明細書で融点について言及する場合、特記されない限り、一旦溶融した材料の融点を意味する。
メルトフローインデックス(MFI):
メルトフローインデックスを、DIN EN ISO 1133に従って、5kgの荷重及び372℃の温度(MFI 372/5)を使用して、Gottfertメルトインデックス測定装置を用いて測定することができる。押出し時間は1時間である。
使用材料及び略語:
PTFE TFM 1700:3M(米国ミネソタ州St.Paul)から市販されている、25μmの平均粒子サイズを有する、粒状PTFE(懸濁重合によって得られる)。
W610:3M(米国ミネソタ州St.Paul)から市販されているセラミックミクロスフェア(平均粒径10μm(体積平均)、密度2.5g/cm)。
Eガラス繊維(GF):Owens Corning(米国オハイオ州Toledo)から市販されている低アルカリガラス(長さ35マイクロメートル、直径13マイクロメートル)。
実施例
実施例1及び比較例C−1
Lodige高速混合機(Gebruder Lodige Maschinenbau GmbH(ドイツPaderborn))を使用して、表1に示す量の無機ミクロスフェア(MS)にフルオロポリマーをブレンドすることにより、実施例1及び比較例C−1を作製した。このブレンドを、40Mpaで、45mmの直径及び60mmの高さを有するビレットに圧縮成形し、次いでゆっくりと脱気した。得られた材料を356℃で12時間にわたって焼結した。次いで試料を、表1に示すように、これらの特性について試験した。
Figure 0006445463
量は、合計すると100%となる、上記成分を含む組成物の総重量を基準とした重量%である。
実施例1及び比較例C1から、比較摩耗指数及び摩擦係数に達するためには、ミクロスフェアよりもはるかに多くのガラス繊維を使用する必要があることがわかる。本開示による材料は、はるかにより容易にシール材へと加工及び成形することができる。実施例1と比較例C1との比較から、ヘリウム透過試験により示されるように、本開示による化合物は、炭化水素に対する耐性が著しく改良されていることも、明らかである。ヘリウムの透過性が高いほど、ガス及び炭化水素の煙霧に対する材料の透過性が高まる。
比較例2
無機粒子又は繊維の添加がないPTFE試料に摩耗試験を施した。この実験は、高摩耗警報が0.8時間後にすでに起動したため、中止しなければならなかった。
実施形態のリスト
以下の実施形態のリストは、本開示による幾つかの特定の実施形態を更に例示するために提供されている。このリストは例示のみを目的として提供され、本開示をこのリストに含まれる具体的な実施形態に限定することを意味するものではない。
1.組成物であって、
(i)テトラフルオロエテンホモポリマー、及びテトラフルオロエテン以外のコモノマーを最大約20重量%含有するテトラフルオロエテンコポリマーから選択されるテトラフルオロエテンポリマーと、
(ii)約1.2〜約3.0g/cmの密度を有し、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及びそれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含むミクロスフェアと、を含む組成物。
2.テトラフルオロエテンポリマーが、10g/10分未満の、372℃及び5kg荷重におけるメルトフローインデックス(MIF 372/5)を有する、実施形態1による組成物。
3.組成物であって、
(i)テトラフルオロエテンホモポリマー、及びテトラフルオロエテン以外のコモノマーを最大約10重量%含有するテトラフルオロエテンコポリマーから選択されるテトラフルオロエテンポリマーと、
(ii)約1.2〜約3.0g/cmの密度を有し、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及びそれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含むミクロスフェアと、を含む組成物。
4.組成物であって、
(i)テトラフルオロエテンホモポリマー、及びテトラフルオロエテン以外のコモノマーを最大約1重量%含有するテトラフルオロエテンコポリマーから選択されるテトラフルオロエテンポリマーと、
(ii)約1.2〜約3.0g/cmの密度を有し、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及びそれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含むミクロスフェアと、を含む組成物。
5.テトラフルオロエテンポリマーが、0.1g/10分未満の、372℃及び5kg荷重におけるメルトフローインデックス(MIF 372/5)を有する、実施形態4による組成物。
6.テトラフルオロエテンポリマーが、327℃+/−10℃の融点を有する、実施形態1〜5のいずれか一つによる組成物。
7.テトラフルオロエテンポリマーが懸濁重合によって得られる、実施形態1〜6のいずれか一つによる組成物。
8.テトラフルオロエテンポリマーが乳化重合によって得られる、実施形態1〜7のいずれか一つによる組成物。
9.少なくとも250%、好ましくは少なくとも350%、又は更に少なくとも400%、例えば250%〜550%の破断点伸びを有する、実施形態1〜8のいずれか一つによる組成物。
10.少なくとも10MPa、好ましくは少なくとも12MPa、
例えば、15MPa〜25MPaの破断点引張強度を有する、実施形態1〜9のいずれか一つによる組成物。
11.3×10−7mm/Nm未満の摩耗係数を有する、実施形態1〜10のいずれか一つによる組成物。
12.ミクロスフェアが中実である、実施形態1〜11のいずれか一つによる組成物。
13.ミクロスフェアがガラス粒子である、実施形態1〜12のいずれか一つによる組成物。
14.ミクロスフェアがセラミックミクロスフェアである、実施形態1〜12のいずれか一つによる組成物。
15.ミクロスフェアの体積平均粒径(直径)が約1μm〜約50μmである、実施形態1〜14のいずれか一つによる組成物。
16.ミクロスフェアの体積平均粒径(直径)が約1μm〜約15μmである、実施形態1〜15のいずれか一つによる組成物。
17.PTFE化合物である、実施形態1〜16のいずれか一つによる組成物。
18.実施形態27〜29のいずれか一つによる方法で得られる、実施形態1〜17のいずれか一つによる組成物。
19.組成物の総重量を基準として約1.5重量%〜約30重量%のミクロスフェアを含有する、実施形態1〜18のいずれか一つによる組成物。
20.組成物の総重量を基準として約1重量%〜約10重量%の炭素粒子を含有する、実施形態1〜19のいずれか一つによる組成物。
21.ミクロスフェアのかさ密度が約1.2〜約2.2g/cmである、実施形態1〜20のいずれか一つによる組成物。
22.実施形態1〜21のいずれか一つによる組成物を含む成形物品。
23.動的シール材である、実施形態22の物品。
24.静的シール材である、実施形態22の物品。
25.自動車の構成部品である、実施形態22の物品。
26.クランクシャフトシール材及びカムシャフトシール材から選択される、実施形態22の物品。
27.実施形態1〜21のいずれか一つに係る組成物を作成する方法であって、
(i)テトラフルオロエテンポリマーと、
(ii)シリカ及びアルミナ並びにこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有するミクロスフェアと、を結合する工程と、
任意選択的に、これらに温度及び/又は圧力処理を施して成形組成物を形成し、任意選択的に、続いて焼結する工程と、を含む、方法。
28.テトラフルオロエテンポリマーが、約5μm〜800μmの長さ又は直径を有する粒子形状の微粒子形態である、実施形態27による方法。
29.圧縮成形、ラム押出、又は焼結後の切削により組成物を成形する、実施形態27〜28に係る方法。

Claims (4)

  1. (i)テトラフルオロエチレンホモポリマー、及びテトラフルオロエチレン以外のコモノマーを最大約20重量%含有するテトラフルオロエチレンコポリマーから選択されるテトラフルオロエチレンポリマーと、
    (ii).2〜.0g/cmASTM D−2840−69に従って測定される密度を有し、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及びそれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含む、組成物の総重量を基準として最大35重量%の量のセラミック粒子ミクロスフェアと、
    を含み、且つ、前記テトラフルオロエチレンポリマーが、0.1g/10分未満の、372℃及び5kg荷重におけるメルトフローインデックス(MFI 372/5)、及び317℃+/−20℃の融点を有する組成物。
  2. 少なくとも250%の破断点伸び及び/又は少なくとも10Mpaの破断点引張強度、並びに3×10−7mm/Nm未満の摩耗係数を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ミクロスフェアが中空でない、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記ミクロスフェアの体積平均直径が.5〜0μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
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