JP7153439B2 - ポリテトラフルオロエチレン組成物 - Google Patents
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Description
粉体混合)が最も簡便で、短時間で混合ができ、生産性が良いのだが、ファインパウダーの場合、高速撹拌を行うと、凝集物が生成したり、混合用装置の内壁にファインパウダーが付着して均一な混合ができないという問題がある。また、かといって低速で混合すると、均一な混合に時間がかかるため、生産性の低下が問題となる。このため、重合後の水性分散液に充填材を分散させ、同時に凝析させる方法(共凝析・共凝集)(特許文献3、特許文献4)、また混合用の容器自体を転動させることで攪拌するタービュラーミキサーなどが用いられてきたが、これらの方法も生産性が悪いことから、根本的な解決とはなっていない。
1.RR1600での押出圧が25MPaより小さい変性ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーと、充填材とを含むポリテトラフルオロエチレン組成物。
2.上記1に記載のポリテトラフルオロエチレン組成物を成形してなる成形品。
3.摺動用材料またはシール材料である、上記2に記載の成形品。
4.電線被覆材料または多孔質膜材料である、上記2に記載の成形品。
5.RR1600での押出圧が25MPaより小さい変性ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーと、充填材をドライブレンドすることを含む、上記1に記載のポリテトラフルオロエチレン組成物の製造方法。
また、本発明によれば、粒径の小さいファインパウダーと充填材とを均一に混合でき、
充填材の凝集による欠陥が抑止されることから、充填材の効果が少量でも得られるようになり、またクリープ変形量を小さくすることができる。
更に、ファインパウダーを用いる本発明の組成物では、モールディングパウダーと比べて一般的に柔らかいことから、充填材との間に空隙生成が少ない密な構造となる(密着性が高くなる)。このため、本発明の組成物を成形してなる成形品は、より優れた引張特性、圧縮特性を有し、また摺動中の充填材の脱落が抑制されることから摩耗特性にも優れ、更に組成物を圧縮成形する際の圧力がモールディングパウダーよりも小さくて済むという利点も有する。
本発明のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)組成物は、RR(Reduction Ratio、シリンダー面積/オリフィス面積)1600での押出圧が25MPaより小さい変性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ファインパウダーと、充填材とを含む。
キルビニルエーテル)である。
本発明における変性PTFEファインパウダーの標準比重(SSG)は、2.100~2.200であることが好ましく、2.120~2.180であることがより好ましい。標準比重(SSG)はASTM D-4895に準拠して測定される。
ン、窒化ホウ素などが挙げられる。
本実施例および比較例には、以下の原料、方法を使用した。
以下のPTFEファインパウダーを用いた。
・テフロン(登録商標)PTFE 641-J(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、SSG:2.168、平均粒径:約500μm)
・テフロン(登録商標)PTFE 640-J(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、SSG:2.162、平均粒径:約500μm)
・テフロン(登録商標)PTFE 6-J(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、SSG:2.214、平均粒径:約450μm)
・ポリフロン(登録商標)PTFE F-208(ダイキン工業株式会社製、SSG:2
.176、平均粒径:約590μm)
・ポリフロン(登録商標)PTFE F-201(ダイキン工業株式会社製、SSG:2.181、平均粒径:約500μm)
6-Jのみ非変性PTFEファインパウダーであり、残りは変性PTFEファインパウダーである。
・テフロン(登録商標)PTFE 7-J(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、SSG:2.166、平均粒径:約50μm)
清浄な試料ビンにPTFEファインパウダー150gを採り、炭化水素潤滑剤(エクソンモービル社製、ISOPARTM E FLUID)29.1gを加えた後、すばやく蓋をして、風車型混合機で20分間混合し、30℃に保った恒温水槽中に試料ビンを2時間静置して熟成する。
ペースト押出圧の測定装置として、東洋油圧機械株式会社製レオメータ(型式:ESE-428-00)を用い、内径28mmの予備成形用シリンダーに上記混合物を充填し、50kgの荷重をシリンダーに挿入したピストンに加え1分間保持して、円柱状の予備成形物を得る。
得られた予備成形物を、予め30℃に加熱しておいた押出ダイ(オリフィスの直径:0.79mm)が付いたシリンダー(内径31.7mm)に入れてラム速度 約18mm/分で上記混合物を押出し、ひも状物(ビード)を得る。この時、RRはシリンダー面積とオリフィス面積の比であるので、1600となる。押出後半において圧力が平衡状態になる部分における押出圧をシリンダー断面積で除した値をペースト押出圧(MPa)とした。結果を表1に示す。
[実施例1]
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-J 40gと、充填材であるマイカ60gを攪拌羽根付きミル(大阪ケミカル株式会社製ワンダークラッシュミルD3V-10、攪拌羽根直径142mm)に投入した。10秒間25000rpmで撹拌後、ヘラを用いて壁面に付着したポリマーを掻き落とし、次に30秒間
25000rpmで撹拌した。槽内を観察して、内壁に付着、固着して撹拌中に流動出来なかったとみられるポリマーの有無を観察した。結果を表2に示す。
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 640-Jを用いる以外は、実施例1と同様に観察を行った。結果を表2に示す。
非変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 6-Jを用いる以外は、実施例1と同様に観察を行った。結果を表2に示す。
変性PTFEファインパウダーであるポリフロン(登録商標)PTFE F-208を用いる以外は、実施例1と同様に観察を行った。結果を表2に示す。
変性PTFEファインパウダーであるポリフロン(登録商標)PTFE F-201を用いる以外は、実施例1と同様に観察を行った。結果を表2に示す。
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-J 170gと、充填材である人造黒鉛(オリエンタル産業株式会社製 AT-NO.10E)30gを攪拌羽根付きミル(大阪ケミカル株式会社製ワンダークラッシュミルD3V-10、攪拌羽根直径142mm)に投入し、40秒間25000rpmで撹拌した。(PTFE/人造黒鉛=85/15(重量比))
得られた組成物を直径50mmの金型で400kg/cm2で加圧することにより予備成形し、それを370℃で3時間電気炉中で焼成することにより、高さ約40mmの円筒状成形物を得た。
得られた円筒状成形物を用いて、下記の方法により、分散性の評価を行った。結果を表3に示す。
得られた円筒状成形物から、スカイブ加工によって厚さ0.3mmのシートを作成し、幅約40mm、長さ3500mmの範囲について、透過光観察により白斑として観察される樹脂塊の大きさ、個数を確認した。樹脂塊の大きさは次式に示す値により、1mm以上
、0.5~1mm、0.3~0.5mmにランク分けし、それぞれのランクの樹脂塊の数をカウントした。
(縦最大径[mm]+横最大径[mm])/2
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-Jに代えて変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 640-Jを用いる以外は、実施例2と同様に処理して、実施例2と同様の方法で分散性の評価を行った。結果を表3に示す。
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-Jに代えて非変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 6-Jを用いる以外は、実施例2と同様に処理して、実施例2と同様の方法で分散性の評価を行った。結果を表3に示す。
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-Jに代えてPTFEモールディングパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 7-Jを用いる以外は、実施例2と同様に処理して、実施例2と同様の方法で分散性の評価を行った。結果を表3に示す。
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-J 160gと、充填材である炭素繊維(株式会社クレハ製 M2007S)40gを実施例1と同様に混合した。得られた混合物(粉)を、実体顕微鏡(株式会社キーエンス製 デジタルマイクロスコープVHX-900)により観察した。繊維化の発生が少なく、PTFEと充填材が均一に混合されていることが確認された(図1)。
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-Jに代えて非変性PTFEファインパウダーである6-Jを用いる以外は、実施例3と同様に混
合し、得られた混合物(粉)の観察を行った。PTFEと充填材の混合が実施例3と比較して繊維化の発生が多く、成長した凝集物により混合が均一ではないことが確認された(図2)。
[実施例4]
上記実施例3と同様に、変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-J 160gと、充填材である炭素繊維(株式会社クレハ製 M2007S)40gを混合した。この混合を3回繰り返し、得られた混合物(粉)600g(200g×3回)のうち400g強を、直径50mmの金型で400kg/cm2で加圧することにより予備成形し、それを370℃で3時間電気炉中で焼成することにより、高さ約100mmの円筒状成形物を得た。
得られた円筒状成形物を用いて、下記の方法により、成形品を評価した。
得られた円筒状成形物について、下記の式から収縮率を算出した。
収縮率 = 100-(円筒状成形物の外周長さ)×100/(金型の内周長さ)
得られた円筒状成形物から厚さ2mmに切り出して、得られた円盤をASTM D-1708に準拠してダンベル形状に打ち抜き、引張試験を行った。
得られた円筒状成形物から縦、横、高さがそれぞれ12.7±0.5mmの立方体を削り出し、試験片とした。
得られた試験片について、ASTM D-621に準拠し、6連式圧縮クリープ試験機(株式会社オリエンテック製)を用いて測定した。
60分変形は温度23℃、荷重140kgf/cm2にて1時間保持した後の圧縮クリープを測定し、
24時間変形は温度23℃、荷重140kgf/cm2にて24時間保持した後の圧縮クリープを測定し、
永久変形は温度23℃、荷重140kgf/cm2にて24時間保持した後に、室温(23℃)で無荷重にて24時間静置した後の圧縮クリープを測定した。
MDは圧縮方向、CDは圧縮方向に対して垂直方向のクリープ変形を表す。
上記比較例8と同様の混合を3回繰り返し、得られた非変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 6-J/炭素繊維の混合物(粉)600g(200g×3回)のうち400g強を直径50mmの金型で400kg/cm2で加圧することにより予備成形し、それを370℃で3時間電気炉中で焼成することにより、高さ約100mmの円筒状成形物を得た。
得られた円筒状成形物について、上記実施例4に記載の方法で、収縮率、引張特性、圧縮クリープを測定した。結果を表4に示す。
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-Jに代えてPTFEモールディングパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 7-Jを用
いる以外は、実施例3と同様の混合を3回繰り返し、得られた7-J/炭素繊維の混合物(粉)600g(200g×3回)のうち400g強を直径50mmの金型で600kg/cm2で加圧することにより予備成形し、それを370℃で3時間電気炉中で焼成することにより、高さ約100mmの円筒状成形物を得た。
得られた円筒状成形物について、上記実施例4に記載の方法で、収縮率、引張特性、圧縮クリープを測定した。結果を表4に示す。
変性PTFEファインパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 641-J 170gと、充填材である人造黒鉛(オリエンタル産業株式会社製 AT-NO.10E)30gを実施例1と同様に混合した。(PTFE/人造黒鉛=85/15(重量比))
この混合を3回繰り返し、得られた組成物600g(200g×3回)のうち400g強を直径50mmの金型で400kg/cm2で加圧することにより予備成形し、それを370℃で3時間電気炉中で焼成することにより、高さ約100mmの円筒状成形物を得た。
得られた円筒状成形物について、上記実施例4に記載の方法で、収縮率、引張特性、圧縮クリープを測定した。結果を表5に示す。
三井・デュポンフロロケミカル(株)製の充填剤入りモールディングパウダーであるテフロン(登録商標)PTFE 1123-J(ヘンシェルミキサーにより混合された、モールディングパウダー/人造黒鉛=85/15(重量比)の組成物)を用いて、直径50mmの金型で500kg/cm2で加圧することにより予備成形し、それを370℃で3時間電気炉中で焼成することにより、高さ約100mmの円筒状成形物を得た。
得られた円筒状成形物について、実施例4と同様に、収縮率、引張特性、及び圧縮クリープを測定した。結果を表5に示す。
Claims (1)
- RR1600での押出圧が25MPaより小さい変性ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーと、充填材をドライブレンドすることを含む、RR1600での押出圧が25MPaより小さい変性ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーと、充填材とを含み、充填材が5.0~90.0体積%の範囲にある、ポリテトラフルオロエチレン組成物の製造方法。
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