JPH04218534A - フィラー入りポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造法および該製造法でえられる造粒粉末 - Google Patents

フィラー入りポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造法および該製造法でえられる造粒粉末

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JPH04218534A
JPH04218534A JP8829691A JP8829691A JPH04218534A JP H04218534 A JPH04218534 A JP H04218534A JP 8829691 A JP8829691 A JP 8829691A JP 8829691 A JP8829691 A JP 8829691A JP H04218534 A JPH04218534 A JP H04218534A
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JP
Japan
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powder
filler
ptfe
water
polytetrafluoroethylene
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JP8829691A
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English (en)
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Norimasa Honda
本田 紀将
Kazuhide Sawada
和秀 澤田
Kenjirou Idemori
出森 健二郎
Hirokazu Yugawa
宏和 湯川
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE、以下同様)のフィラー入り造粒粉末の
製造法および該製造法でえられる造粒粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】PTFE成形粉末は懸濁重合してえられ
る粗粉を微粉砕したもので、圧縮成形またはラム押出法
による成形に使用される。粉砕後の粒径(一次粒径)は
せいぜい5μm以上、大きなもので1,000 μm程
度までであるが、通常は平均粒径が 100μm以下で
ある。この成形粉末に、親水性または半親水性フィラー
を均一配合したフィラー入りPTFE成形粉末はPTF
Eそのものより、成形品の耐摩耗性、硬度などの向上に
効果のあるものとして使用されている。
【0003】PTFEへのフィラーの均一混合は、特殊
な混合機器を用いて達成可能であるが、近年成形の自動
化が重視して行なわれるのに伴ない、粉末の取扱い性と
くに粉末流動性を改良し、高い見掛密度を有するフィラ
ー入り成形粉末として集塊化造粒タイプのものが製造さ
れ使用されるようになってきた。
【0004】かかる集塊化造粒の方法には、大別して乾
式法と湿式法とがある。このうち前者は水を使用しない
方法をいい、後者は水を使用する方法をいう。後者の代
表例としてPTFE粉末、フィラーおよび水不溶性の有
機液体の混合物を水中で撹拌する方法が知られている。 この湿式法は乾式法に比べ処理後の水の分離乾燥などの
工程が加わるとはいうものの、工程の生産の自動化が比
較的容易である点ですぐれている。
【0005】ところがこの方法は水を使うため、ガラス
粉末などの親水性または半親水性フィラーは水相に移行
しやすく、PTFE粉末に均一に混合しにくい、すなわ
ち使用した親水性または半親水性フィラーなどの全部が
PTFE粉末と混合した集塊化造粒粉末がえられず、一
部処理水中に残留するという難点がある。この現象はフ
ィラーの分離とよばれる。また、えられた造粒粉末にお
いても、粉末の取扱い時にフィラーが脱離することがあ
る。
【0006】この問題に対処し、親水性または半親水性
フィラーにあらかじめ疎水化表面処理を施して、その表
面活性を低下させてPTFE粉末の表面活性に近づけて
おいてから水中撹拌を行なうか、または撹拌の際このよ
うな作用のある物質を水−有機液体媒質へ添加して撹拌
を行なうなどの方法が採用される。
【0007】この種の方法のうちケイ素化合物を用いる
方法として知られているものには、(a) アミノ官能
性有機シランおよび/または可溶なシリコーン樹脂を水
−有機液体媒質中に含ませる方法(特公昭53−472
69号公報、特公昭54−40099号公報)、(b)
 シリコーン樹脂と熱溶融性テトラフルオロエチレンコ
ポリマー粒子とを共存させる方法(特公昭57−716
4 号公報)、(c) アミノシラン化合物で表面処理
されたフィラーを陰イオン系界面活性剤共存下で混合す
る方法(特公昭60−21694号公報)、(d) パ
ーフルオロアルキルシランで表面処理されたフィラーを
用いる方法(特開平1−139628号公報)がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(a) の方
法ではフィラーの分離防止が極めて不充分であり、(b
) の方法ではPTFE本来の耐熱性が低下するという
欠点を有する。(c) および(d) の方法はフィラ
ーを予め表面処理しておく方法であり、前記(a) 、
(b) 方法のような製法上の欠点はないが、アミノシ
ランを用いる(c) の方法では造粒粉末よりえられる
焼成後の成形品の中心部に着色が生じ、一方、(d)の
方法では電気特性にはすぐれているが(c) と同様に
着色が生ずる欠点がある。
【0009】本発明はかかるフィラーの分離がなく、し
かもえられた造粒粉末中にフィラーが均一に分散し、か
つ成形品に着色のないPTFEのフィラー入り造粒粉末
を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、平均
粒径 100μm以下のPTFE粉末と式(I):
【0
011】
【化3】
【0012】(式中、Xはアミノ基を有さない加水分解
性基、Yは水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基また
はハロゲン原子、nは1または2である)で表わされる
有機シランで表面処理された親水性または半親水性フィ
ラー(以下総称して、(半)親水性フィラーという)と
を、水および25℃における表面張力が35ダイン/c
m以下の水不溶性有機液体からなる2相液体媒質中で均
一に混合することを特徴とするPTFEのフィラー入り
造粒粉末の製造法に関する。また、本発明はかかる製造
法でえられる前記特定の有機シランで表面処理されたフ
ィラーが均一に分散混合されているPTFE造粒粉末に
関する。
【0013】
【実施例】本発明の製造法においては、PTFE粉末、
(半)親水性フィラー、有機シラン、水不溶性有機液体
、水、および必要に応じてシリコーン樹脂やPTFEデ
ィスパージョンなどの他の添加物が使用される。
【0014】本発明に用いるPTFE粉末としては、た
とえばテトラフルオロエチレン(TFE 、以下同様)
の単独重合体、2重量%以下の共重合可能な単量体で変
性されたTFEの共重合体が含まれる。前記変性剤の例
としては、炭素数の3〜6個のパーフルオロアルケン(
たとえばヘキサフルオロプロピレン)、炭素数3〜6個
のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(たとえば
パーフルオロ(プロピルビニルエーテル))、クロロト
リフルオロエチレンなどがあげられ、これらで変性され
た共重合体はPTFE同様、溶融加工性を有しない。こ
れら重合体は平均粒径 100μm以下に粉砕した粉末
として使用される。
【0015】以上のPTFE粉末のほかに本発明の方法
においては、平均粒径0.05〜 0.5μmのPTF
Eディスパージョンを少割合に使用することができ、そ
の使用はフィラーの分離防止のうえで効果を発揮するか
ら、とくにフィラーの配合割合が多いばあいに有用であ
る。またPTFEディスパージョンを添加することによ
り、造粒の際の微粉の発生を防止することができる。か
かる微粉は、造粒粉末を硬く締め付けることによっても
防止できるが、このようにすると造粒粉末の物性が低下
する。PTFEディスパージョンはディスパージョン中
のPTFEが微粉を覆うことにより微粉を消失させるた
め、かかる物性の低下はなく取扱い性が向上する。PT
FEディスパージョンの使用量はPTFE粉末とフィラ
ーの混合粉末に対し0.1 〜2.5 重量%、より好
ましくは0.2 〜2.5 重量%である。またその添
加時期は水不溶性有機液体を水に添加する前が適当であ
る。
【0016】本発明に用いるPTFEディスパージョン
としては、たとえばTFE の単独重合体、共重合可能
な単量体で変性されたTFE の共重合体が含まれる。 この変性剤の例としては、前記PTFE粉末の変性剤と
同様である。
【0017】本発明に使用される(半)親水性フィラー
としては、粉末状のガラス繊維、ガラスビーズ、溶融シ
リカ粉末、結晶シリカ粉末、ホワイトカーボン粉末、ア
ルミナ粉末、青銅粉末などの親水性フィラーやチタン酸
カリウム繊維粉末、タルク粉末、炭酸カルシウム粉末、
酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末、三チッ化ホウ素粉末、カ
ーボン繊維粉末、二硫化モリブデン粉末、グラファイト
粉末などの半親水性フィラーなど一般にPTFE粉末の
フィラーとして使用されている通常粒径が 200メッ
シュ以下の粉末である。(半)親水性フィラーのPTF
E粉末に対する充填量は5〜40重量%、好ましくは1
5〜25重量%である。充填量が5重量%より少ないば
あいは成形品の耐摩擦性、耐クリープ性などの改善効果
が少なく、また40重量%をこえるばあいは成形品の拡
張力、伸びなどの物性が低下しすぎる。なお、ガラスの
種類としては、Eガラス(電気用無アルカリガラス)、
Sガラス(高強度ガラス)、Dガラス(低誘電ガラス)
、石英ガラス、Aガラス(耐酸用ガラス)、Cガラス(
化学用含アルカリガラス)などがあげられる。
【0018】前記のとおり、PTFE用の(半)親水性
フィラーの処理剤としては従来よりアミノ基を含有する
シラン化合物やシリコーン、あるいはパーフルオロアル
キルシランが用いられているが、本発明では前記式(I
)で表わされるアミノ基を含有しない有機シランを用い
る。 かかる特定の有機シランで表面処理することにより湿式
造粒法におけるフィラーの分離が大きく改善されるとと
もに、えられる成形品の着色をも防止することができる
。その理由は明らかではないが、ケイ素原子に芳香環が
直結しているため化学的にも熱的にも安定であり、PT
FE加熱焼成時に生ずる分解生成物が少なく、着色を抑
えることができ、また芳香環により撥水性をもつととも
にフッ素樹脂と親和性が高く、PTFE粉末との密着性
が大きいからと推定される。なお、白色系フィラーのば
あいはとくに着色の面から有効である。
【0019】式(I)で表わされる有機シランとしては
、たとえばフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、p−クロロフェニルトリメトキシシラ
ン、p−ブロモメチルフェニルトリメトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ジフェニルシランジオールなどがあげられるが、こ
れらのうち式(II):
【0020】
【化4】
【0021】(式中、X1 は炭素数1〜4個のアルコ
キシ基、nは前記と同じである)で表わされるフェニル
トリアルコキシシランまたはジフェニルジアルコキシシ
ランがケイ素原子に直結したフェニル基がとくに熱的に
安定しておりかつ撥水性を示す点から好ましく、とくに
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ランが好ましい。この特定の有機シランの使用量はとく
に限定されるものではないが、通常(半)親水性フイラ
ーに対して0.001〜10重量%、好ましくは0.1
 〜1.0 重量%である。
【0022】水とともに2相液体媒質を構成する水不溶
性の有機液体としては、25℃における表面張力が35
ダイン/cm以下のものである。かかる有機液体として
は、たとえばシクロペンタン、シクロドデカンなどの脂
環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素;テトラクロロエチレン、トリクロロエチ
レン、クロロホルム、クロロベンゼン、1,1,1−ト
リクロロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、トリ
クロロトリフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン
などのハロゲン化炭化水素などがあげられるが、近年の
フロン規制の要請に合致し、かつ不燃性であるという点
から、従来PTFE粉末の造粒用溶媒として用いられな
かったフッ素原子および水素原子をそれぞれ少なくとも
1個有する炭素数2〜3個のハロゲン化炭化水素が好ま
しく用いられる。 かかるハロゲン化炭化水素としては、たとえば1,1−
ジクロロ−2,2,2− トリフルオロエタン(表面張
力:17ダイン/cm、bp:27℃)、1,1−ジク
ロロ−1− フルオロエタン(表面張力:20ダイン/
cm、32℃)、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,
3− ペンタフルオロプロパン(16ダイン/cm、5
1℃)、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペン
タフルオロプロパン(18ダイン/cm、56℃)など
があげられ、とくに溶媒の回収の点から1,1−ジクロ
ロ−2,2,3,3,3− ペンタフルオロプロパン、
1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3− ペンタフル
オロプロパンが好ましい。そのほか、1,1,1−トリ
クロロエタンも有用である。
【0023】これらの有機媒体は1種または2種以上組
み合わせて使用され、水と合わせて2相液体媒質を形成
する。水との配合割合は有機液体の種類やフィラーの種
類、所望の平均粒径などによっても異なるが、通常、水
/有機液体(重量比)は20/1〜3/1、好ましくは
10/1〜5/1である。水および有機液体は通常、P
TFE粉末と(半)親水性フィラーの合計量1kgあた
りそれぞれ約2〜10リットルおよび約 0.2〜 2
.0リットル用いる。
【0024】本発明の方法においては前記以外の疎水性
フィラーであるカーボンブラックなどを適宜に共存させ
ることができ、これらは本発明の目的に対しなんら障害
とならない。
【0025】本発明における(半)親水性フィラーの有
機シランによる表面処理用溶剤としてはケトン類、アル
コール類、水などの極性溶媒が好ましい。また表面処理
法としては種々の方法が採用できるが、たとえば(半)
親水性フィラーを有機シランの水溶液に浸漬してひきあ
げたのち、望ましくは遠心脱水処理し、ついで 100
℃以上好ましくは約 110〜 180℃で乾燥し、同
時に加熱する方法が好ましく採用される。有機シラン水
溶液の濃度としては約0.001 〜10重量%、好ま
しくは0.1 〜1.0 重量%程度が適当である。
【0026】本発明の製造法の好ましい実施態様では、
かくして調製された各原料をつぎの手順で混合して造粒
粉末を製造する。
【0027】湿式造粒方法の基本的手順は、たとえば特
公昭44−22619号公報、特公昭47−1549 
号公報、特公昭49−17855号公報、特開昭47−
34936号公報などに記載されているものが採用でき
る。たとえば、有機シランで表面処理した(半)親水性
フィラーとPTFE粉末とを均一に混合する。その際、
後述するシリコーン樹脂を添加してもよい。えられたフ
ィラー入りPTFE混合粉末を2相液体媒質中で撹拌し
てスラリー化し、ついで凝集して造粒する。 スラリー化前に前記混合粉末を水中で予備混合してもよ
い。そのばあい、水不溶性有機液体を予備混合後に配合
して2相液体媒質としてから造粒する。
【0028】また、前記PTFEディスパージョンを添
加するばあいは、予備混合用の水に添加しておくのが好
ましいが、造粒時にその系に存在していればよい。この
PTFEディスパージョンの添加は前記のとおり、フィ
ラーの分離防止と造粒時の微粉の発生防止に有効である
【0029】本発明の造粒粉末を用いてえられる成形品
は従来の成形品に比して着色のないものであるが、成形
品の径や厚さが大きくなると若干着色してくることがあ
る。これは、フィラー表面の汚れやPTFEの不安定末
端基が成形品の焼成時に炭化し、そのまま成形品中に残
ってしまうためである。そうした着色を防止するため、
シリコーン樹脂をPTFE造粒粉末に混入することが特
公昭60−21178号公報に記載されている。シリコ
ーン樹脂の混入により、焼成時にシリコーン樹脂が気化
して成形品に微細孔をあけ、前記不純物の炭化ガスを外
部に逃しているものと考えられる。したがって、シリコ
ーン樹脂を多量に用いると成形品がポーラスになり、そ
の機械的強度に問題が生ずる。
【0030】また、前記特公昭60−21178号公報
記載の製造法は水を使用しない乾式法であるため、いわ
ゆるフィラーの分離は問題とならないが、湿式法では少
量のシリコーン樹脂単独使用ではフィラーの分離を回避
できない。そのため、前記特公昭54−40099号公
報ではPTFE粉末1000重量部あたり0.5 〜3
0重量部と多量に使用している。その結果、焼成した成
形品はポーラスになるうえ、造粒槽などがシリコーン樹
脂で汚れてしまうことにもなる。
【0031】本発明においては、径や厚さの大きな成形
品を製造するばあい、シリコーン樹脂をPTFEとフィ
ラーの混合粉末に対して0.00005 〜0.005
 重量%、好ましくは0.0005〜0.005 重量
%の量でPTFE造粒粉末に含有させるのが好ましい。 このように、シリコーン樹脂の量が少ないので焼成物は
ポーラスにならず、しかもフィラーの分離は前記有機シ
ランの表面処理により回避されている。
【0032】本発明で用いるシリコーン樹脂としては、
従来公知の化合物が用いられる。
【0033】たとえば特公昭54−40099号公報な
どに記載されている
【0034】
【化5】
【0035】(式中、R´およびR´´はアルキル、ア
リール、アリールアルキル、アラルキルまたは水素であ
り、nは約100 〜2000)の線状構造を有してい
る流体からなる重合体などが用いられる。具体例として
は、たとえばフェニルメチルシロキサン、ジメチルシロ
キサン、モノフェニルシロキサン、メチルハイドロジエ
ンシロキサンなどがあげられる。
【0036】シリコーン樹脂はPTFE造粒粉末中に含
有されていればよいので、その添加時期は重要ではない
が、たとえば造粒工程で水に水不溶性有機液体を加える
前に添加して予備混合するか、あるいは水不溶性有機液
体に溶解して添加するのが好ましい。また、前記表面処
理された(半)親水性フィラーとPTFE粉末にシリコ
ーン樹脂とテトラクロロエチレンを添加して混合し、え
られたフィラー入りPTFE粉末を加熱してテトラクロ
ロエチレンを揮散させ、この粉末を造粒工程に供するこ
とによりシリコーン樹脂を含有させることもできる。
【0037】かくしてえられるPTFEのフィラー入り
造粒粉末は、フィラーが均一に混入している平均粒径約
200 〜800 μm、見掛密度約0.50〜1.0
0g/ccのものであり、粉末流動性にすぐれた取扱い
やすいものである。この造粒粉末を用いてえられた成形
品には着色がなく、また引張り強さや伸びという機械的
性質にもすぐれたものである。
【0038】つぎに本発明の製造法および造粒粉末を実
施例および比較例にもとづいて説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
【0039】実施例1〜3 (フィラーの表面処理)表1に示す(半)親水性フィラ
ーを同表に示す有機シランの1.0 重量%水溶液に浸
漬し、充分撹拌してから静置し、沈降したフィラーを濾
取し、これを 120℃の加熱炉中で12時間乾燥し、
有機シラン表面処理(半)親水性フィラーをうる。
【0040】(PTFEのフィラー入り造粒粉末の製造
)容量が3リットルで中央に平ブレード2枚羽根の撹拌
機を有する邪魔板2枚付きのステンレス製円筒形造粒槽
に、表1に示す量の水と同表に示す有機液体の混合液を
入れる。さらに、平均粒径35μmのグラニュラータイ
プのPTFE粉末(粉末流動度:1)と有機シラン処理
された(半)親水性フィラーとの混合粉末(重量比:8
0/20)600 gを造粒槽に入れ、回転数1200
rpmで5分間撹拌を続けたのち、回転数を 600r
pm に落として、さらに30分間撹拌し、PTFE粉
末およびフィラーを共凝集して造粒する。
【0041】撹拌終了後、造粒物を60メッシュ金網で
濾過し、濾取された固形物をそのまま150 ℃の乾燥
炉中で16時間乾燥して造粒粉末をうる。
【0042】えられた造粒粉末の平均粒径、見掛密度、
粉末流動度、および微粉の発生の有無を調べた。また、
各造粒粉末を使用して作製した成形品について、着色ま
たは変色、ガス透過性、引張強さおよび伸びを調べた。 なお、(半)親水性フィラーの造粒中における分離の程
度を調べるため、造粒物を60メッシュ金網で濾過した
のちの濾液を濾紙で濾過し、この濾紙ごと乾燥して濾液
中に遊離したフィラーの重量を求め、その量をフィラー
の全使用重量で除した値(%)(フィラー分離度という
)を調べた。
【0043】これらの結果を表1に示す。また、前記の
試験はつぎの要領で測定した。
【0044】平均粒径:上から順に10、20、32、
48、60および80メッシュ標準フルイを重ね、10
メッシュフルイ上に粉末をのせてふるい、各フルイ上に
残る粉末の重量を求め、この各重量に基づいて対数確率
紙上での50%粒径を平均粒径(μm)と定める。
【0045】見掛密度:JIS K−6891に準じる
(内容積 100ccのステンレス製円筒容器にダンパ
ーより落として平板で擦り落とした試料の重さ(g)を
内容積(cc)で割った値を見掛密度(g/cc)と定
める)。
【0046】粉末流動度:特公昭60−21694号公
報に詳細に記載された方法により測定し、評価する。こ
の方法は上下に2個のホッパーを設け、上部ホッパーか
ら下部ホッパーに粉末を落とし、ついでこの粉末を下部
ホッパーから落とすことによって粉末の流動性を調べる
方法である。PTFEは量が多くなるほど流動しにくく
なるので、下部ホッパーから落下しうる量が多いもの(
回数で表わす)ほど流動性が良好ということになる。こ
の測定法では0から7(7を超えるときは8<と表記)
の数字(回数)で表わし、大きくなるほど流動性がよい
ことを示す。
【0047】微粉の発生:試料100gを80メッシュ
標準フルイにてふるい、次式により算出した。
【0048】
【数1】
【0049】成形品の着色:まず、 500kg/cm
2 の圧力下で予備成形を行ない、 380℃で24時
間焼成したのち、炉外で放冷し、直径 256mm、高
さ 250mmの各々の円柱状成形品の着色を測色色差
計ND−100IDP (日本電色工業(株)製)によ
り求めたZ値により判定する。Z値は着色の全くないも
のを100 として100 段階の値で示したものであ
り、90以上をA、90〜80をB、80〜60をC、
60以下をDとして表わす。成形品の変色は目視とする
【0050】引張強さおよび伸び: 500kg/cm
2 の圧力下で予備成形を行ない、 380℃で3時間
焼成したのち、炉外で放冷してえられた厚さ 1.5m
mのシートよりJIS K−6031に規定されたダン
ベル状3号型で打ち抜いた試料による破断時の強度およ
び伸びを測定した値を引張強さ(kg/cm2 )およ
び伸び(%)と定める。
【0051】ガス透過性:500 kg/cm2 の圧
力下で予備成形を行ない、370 ℃で6時間焼成した
のち、炉外で放冷してえられた直径50mm、高さ50
mmの円柱状成形品の中央部を切ってえられる直径50
mm、厚さ1.5mm の円盤状成形品1を図1のよう
に固定する。円盤状成形品1の下に設置された内径8m
mのステンレス製パイプ2より20kg/cm2 の圧
力下で2時間窒素ガスで加圧を行なったのち、円盤状成
形品1の上に置いたステンレス製円筒3の中に水を入れ
気泡発生の状態を目視にて判定する(○−気泡が発生し
ない;△−成形品表面に小さな気泡がある;×−成形品
表面からどんどん気泡が発生する)。
【0052】
【表1】
【0053】実施例4〜6 表2に示す原料を用いたほかは実施例1と同様にしてス
ラリー化し、凝集して造粒した。
【0054】えられたフィラー入りPTFE造粒粉末の
物性およびそれを用いて作製した成形品の性質を実施例
1と同様にして調べた。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】実施例7 実施例1で用いた造粒槽に水1500mlを入れ、これ
にPTFEディスパージョン(平均粒径0.1 〜0.
5 μmのPTFEコロイド状分散液)を表3に示す量
加え撹拌した。なお、PTFEディスパージョンの量は
PTFE粉末とフィラーの混合粉末に対する重量パーセ
ントで示した。
【0057】つぎに、フェニルトリメトキシシランを用
いて実施例1と同様にして表面処理したガラス繊維粉末
(平均繊維長40μm)とPTFE粉末(平均粒径35
μm、粉末流動度1)との均一混合物(重量比:20/
80) 600gを造粒槽に入れ、回転数1200rp
m で撹拌して予備混合した。予備混合開始5分後に1
,1,1−トリクロロエタンを300ml 加え、回転
数600rpmで、30分間撹拌をつづけ、フィラー入
りPTFE造粒粉末をえた。
【0058】えられたフィラー入りPTFE造粒粉末の
物性およびそれを用いて作製した成形品の性質を実施例
1と同様にして調べた。なお成形品の着色を調べる際の
成形品の大きさは直径 100mm、高さ 100mm
とした。結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】実施例8 実施例1で用いた造粒槽に水1500mlを入れ、つい
でフェニルトリメトキシシランを用いて実施例1と同様
にして表面処理したガラス繊維粉末(平均繊維長40μ
m)120gとPTFE粉末(平均粒径35μm、粉末
流動度1)480gとの均一混合物(重合比:20/8
0)600gを加え、回転数1200rpm で撹拌し
て予備混合した。予備混合開始5分後に、フェニルメチ
ルシロキサンを表4に示す量溶解した1,1,1−トリ
クロロエタン(表面張力26ダイン/cm)220ml
を添加し、回転数600rpmで30分間撹拌を続け、
シリコーン樹脂含有フィラー入りPTFE造粒粉末をえ
た。
【0061】えられた造粒粉末の物性およびそれを用い
て作製した成形品の性質を実施例7と同様にして調べた
。結果を表4に示す。なおフェニルメチルシロキサンの
量はPTFEとフィラーの混合粉末に対する重量パーセ
ントで示した。
【0062】
【表4】
【0063】比較例1〜6 表5に示す原料および条件を採用したほかは実施例1、
7または8と同様にして造粒を行なった。なお、比較例
5は実施例7においてPTFEディスパージョンを5重
量%添加した例であり、比較例6は実施例8においてフ
ェニルメチルシロキサンを1重量%添加した例である。 有機液体として四塩化炭素を用いた例(比較例4)では
凝集せず造粒できなかった。
【0064】比較例1〜3および5〜6でえられたフィ
ラー入り造粒粉末の物性およびそれを用いて作製した成
形品の性質を実施例1と同様にして調べた。結果を表5
に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
【発明の効果】本発明のPTFEのフィラー入り造粒粉
末の製造法によれば、造粒時に(半)親水性フィラーの
分離が効率的に防止でき、えられる造粒粉末、さらには
成形品に有効かつ均一に含有させることができる。その
結果、えられるPTFEの成形品は機械的性質はもちろ
んのこと、肉厚の成形物および径が大きくなっても着色
が少なく外観もすぐれたものである。したがって、とく
に自動車用シーリング部品や電子レンジ用部品などに有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いるPTFE成形品のガス
透過性を調べる装置の概略縦断面図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  平均粒径 100μm以下のポリテト
    ラフルオロエチレン粉末と式(I): 【化1】 (式中、Xはアミノ基を有さない加水分解性基、Yは水
    素原子、炭素数1〜4個のアルキル基またはハロゲン原
    子、nは1または2である)で表わされる有機シランで
    表面処理された親水性または半親水性フィラーとを、水
    および25℃における表面張力が35ダイン/cm以下
    の水不溶性有機液体からなる2相液体媒質中で均一に混
    合することを特徴とするフィラー入りポリテトラフルオ
    ロエチレン造粒粉末の製造法。
  2. 【請求項2】  シリコーン樹脂をポリテトラフルオロ
    エチレン粉末とフィラーの混合粉末に対して0.000
    05 〜0.005 重量%添加する請求項1記載の製
    造法。
  3. 【請求項3】  ポリテトラフルオロエチレンディスパ
    ージョンをポリテトラフルオロエチレン粉末とフィラー
    の混合粉末に対して0.1 〜2.5 重量%水中に存
    在させる請求項1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】  有機シランが式(II):【化2】 (式中、X1 は炭素数1〜4個のアルコキシ基、nは
    前記と同じ)で表わされる有機アルコキシシランである
    請求項1、2または3記載の製造法。
  5. 【請求項5】  有機液体が、フッ素原子および水素原
    子をそれぞれ少なくとも1個有する炭素数2〜3個のハ
    ロゲン化炭化水素である請求項1、2、3または4記載
    の製造法。
  6. 【請求項6】  請求項1、2、3、4または5記載の
    製造法でえられるフィラー入りポリテトラフルオロエチ
    レン造粒粉末。
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