以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかる通信制御装置、サーバ、通信システムおよび通信制御方法について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる通信システムの構成を示す図である。本実施形態にかかる通信システム1は、図1に示すように、端末の一例であるローカル端末LT1,LT2,LT3(以下、ローカル端末LT1,LT2,LT3を区別する必要がない場合には、ローカル端末LTと記載する)と、通信制御装置の一例であるネットワークデバイスPS1,PS2,PS3(以下、ネットワークデバイスPS1,PS2,PS3を区別する必要がない場合には、ネットワークデバイスPSと記載する)と、サーバ(または外部機器)の一例である音声サーバS1,S2(以下、音声サーバS1,S2を区別する必要がない場合には、音声サーバSと記載する)と、管理装置Mと、を有している。そして、本実施形態にかかる通信システム1では、ネットワークデバイスPSと、音声サーバSと、管理装置Mとが、IP(Internet Protocol)網や公衆通信網等のネットワークNWを介して接続されている。
ローカル端末LTは、例えばPHS(Personal Handy-phone System)、基地局、PBX(Private Branch Exchange)等で構成され、ネットワークデバイスPSを介して、自端末が存在するローカルネットワークとは異なる他のローカルネットワーク内の他のローカル端末LTと通信可能である。
ネットワークデバイスPSは、例えばゲートウェイ等により構成され、ネットワークNWに接続されている。また、ネットワークデバイスPSは、ローカル端末LTが存在するローカルネットワークに接続されている。そして、ネットワークデバイスPSは、互いに異なるローカルネットワーク内のローカル端末LT間の通信を確立する。
具体的には、ネットワークデバイスPSは、音声データ(音データの一例)に対して実行可能な機能のうち、あるローカルネットワーク(第1ネットワークの一例)内の第1端末の一例であるローカル端末LT(以下、送信元装置と言う)から送信された音声データを、他のローカルネットワーク(第2ネットワークの一例)内の第2端末の一例であるローカル端末LT(以下、対向装置と言う)に転送可能なデータ形式に変換して当該対向装置に転送する変換機能(第1機能の一例)を有する処理部の一例であるDSP(Digital Signal Processor)部111を有する。
管理装置Mは、音声サーバSに関するシステム情報104(図2参照)、音声サーバSの高機能DSP部106が有する機能(音声データに対して実行可能な機能であるサービス機能)を示す提供可能サービス情報の一覧を含む音声サーバ管理情報105(図2参照)、ネットワークデバイスPSに関する対向装置情報300(図3参照)、音声サーバSが有する高機能DSP部106の種別(以下、DSP種別と言う)毎の機能に関するDSP管理情報400(図4参照)等を記憶する。
また、管理装置Mは、システム情報104および対向装置情報300に基づいて、音声サーバSとネットワークデバイスPSの組み合わせを決定する。そして、管理装置Mは、ネットワークデバイスPSに対して、決定した組合せを通知する。さらに、管理装置Mは、DSP管理情報400に基づいて、提供可能サービス情報の一覧を含む音声サーバ管理情報105(図2参照)を生成する。そして、管理装置Mは、生成した音声サーバ管理情報105を音声サーバSに送信する。本実施形態では、管理装置Mは、音声サーバSからの要求の有無に関わらずに、音声サーバ管理情報105を音声サーバSに送信しているが、音声サーバSからの要求に応じて、音声サーバ管理情報105を音声サーバSに送信しても良い。
音声サーバSは、処理部の一例である高機能DSP部106を有する。また、音声サーバSは、ネットワークデバイスPSからのサービス要求メッセージに従って、ネットワークデバイスPS間の通信を中継する。その際、音声サーバSは、高機能DSP部106を制御して、ネットワークデバイスPS間でやりとりする音声データに対して、サービス機能を実行する音声混合サービスを適用可能である。
次に、図2〜4を用いて、本実施形態にかかる通信システムが有する各装置の機能構成について説明する。図2は、第1の実施形態にかかる通信システムが有する各装置の機能的な構成を示すブロック図である。図3は、第1の実施形態にかかる通信システムが有する管理装置が記憶するシステム情報および対向装置情報のデータ構成を示す図である。図4は、第1の実施形態にかかる通信システムが有する管理装置が記憶するDSP管理情報および音声サーバ管理情報のデータ構成を示す図である。
管理装置Mは、図2に示すように、システム情報管理部101、対向装置決定部102、およびサービス管理部103を有する。
システム情報管理部101は、システム情報104、音声サーバ管理情報105、対向装置情報300(図3参照)、DSP管理情報400(図4参照)等を記憶する。システム情報104は、図3に示すように、通信システム1内の音声サーバSを識別可能とする音声サーバIDに対応付けて、音声サーバSの高機能DSP部106の種別(以下、DSP種別と言う)を示す搭載DSP情報と、音声サーバSの高機能DSP部106が有するサービス機能を示す提供可能サービス情報と、音声サーバSの位置を示す地理情報と、音声サーバSのIPアドレスと、を含む。
対向装置情報300は、図3に示すように、ネットワークデバイスPSを識別可能とするネットワークデバイスIDに対応付けて、ネットワークデバイスPSが有するDSP部111のDSP種別を識別可能とする搭載DSP情報と、ネットワークデバイスPSと組み合わされた音声サーバS(以下、所定の音声サーバSと言う)を識別可能とする接続先音声サーバIDと、ネットワークデバイスPSの位置を示す地理情報と、ネットワークデバイスPSのIPアドレスと、を含む。
DSP管理情報400は、図4に示すように、音声サーバSが有する高機能DSP部106のDSP種別に対応付けて、当該DSP種別の高機能DSP部106が有するサービス機能を識別可能とする提供可能サービス情報と、当該DSP種別の高機能DSP部106の製造番号とを含む。本実施形態では、各音声サーバSの高機能DSP部106が有するサービス機能を識別可能とする情報の一例として、高機能DSP部106の製造番号を用いているが、これに限定するものではなく、例えば、音声サーバSの製造番号を、各音声サーバSの高機能DSP部106が有するサービス機能を識別可能とする情報としても良い。
音声サーバ管理情報105は、図4に示すように、音声サーバSを識別可能とする音声サーバIDに対応付けて、音声サーバSが有する高機能DSP部106のDSP種別と、提供可能サービス情報と、各音声サーバSの地理情報と、各音声サーバSのIPアドレスと、各音声サーバSが有する高機能DSP部106の製造番号と、を含む。
対向装置決定部102は、システム情報管理部101に記憶されたシステム情報104および対向装置情報300に含まれる、ネットワークデバイスPSおよび音声サーバSそれぞれの地理情報、ネットワークデバイスPSおよび音声サーバSそれぞれのIPアドレス等に基づいて、各音声サーバSに対して、音声混合サービスを適用する音声データの送信元となるネットワークデバイスPSを割り付ける。言い換えると、対応装置決定部102は、システム情報104および対向装置情報300に基づいて、音声サーバSとネットワークデバイスPSとの組合せを決定する。そして、対向装置決定部102は、音声サーバSとネットワークデバイスPSとの組合せを、ネットワークデバイスPSに対して通知する。
サービス管理部103は、システム情報管理部101に記憶されたDSP管理情報400に基づいて、音声サーバSの高機能DSP部106が有するサービス機能を示す提供可能サービス情報を抽出し、抽出した提供可能サービス情報の一覧を含む音声サーバ管理情報105を生成する。そして、サービス管理部103は、生成した音声サーバ管理情報105を音声サーバSに通知する。
音声サーバSは、図2に示すように、高機能DSP部106と、メッセージ受信部107と、音声パス制御部108と、サービス選択部109と、音声サーバ管理情報記憶部110と、を有する。
高機能DSP部106は、上述したように、サービス機能を有する。メッセージ受信部107は、ネットワークデバイスPSから、音声データに対する機能の実行を指示する情報の一例であるサービス要求メッセージを受信する。本実施形態では、メッセージ受信部107は、ネットワークデバイスPSから、実行する機能を識別可能とする情報(例えば、提供可能サービス情報など)を含むサービス要求メッセージを受信する。メッセージ受信部107は、受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能(本実施形態では、サービス要求メッセージが含む提供可能サービス情報が示す機能)が、高機能DSP部106が有するサービス機能に含まれるか否かを判定する。メッセージ受信部107は、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能が、高機能DSP部106が有するサービス機能に含まれる場合(音声サーバSにおいてサポート可能である場合)、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能を実行可能であることを示す情報の一例であるサービス応答メッセージをネットワークデバイスPSへ送信する。
一方、メッセージ受信部107は、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を有しない場合(音声サーバSにおいてサポート不可能である場合)、後述する音声サーバ管理情報記憶部110に記憶される音声サーバ管理情報105に基づいて、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を有する他の音声サーバS(外部サーバの一例)を抽出する。そして、メッセージ受信部107は、抽出した他の音声サーバSを識別可能とする情報の一例であるサービス応答メッセージをネットワークデバイスPSに送信する。
音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、送信元装置(例えば、ローカル端末LT1)から送信された音声データをネットワークデバイスPS(外部通信制御装置の一例)を介して受信する。さらに、音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、受信した音声データに対して、高機能DSP部106によるサービス機能(後述するサービス選択部109により選択されたサービス機能)を実行し、当該サービス機能が実行された音声データを、対向装置(例えば、ローカル端末LT2)に転送する。
サービス選択部109は、高機能DSP部106が有するサービス機能から、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能を、音声パス制御部108により受信した音声データに対して実行するサービス機能として選択する。音声サーバ管理情報記憶部110は、管理装置Mから通知された音声サーバ管理情報105を記憶する。
ネットワークデバイスPSは、図2に示すように、DSP部111、サービス判定部112、メッセージ送信部113、および音声パス制御部114を有している。DSP部111は、上述したように、音声データに対して実行可能な機能のうち、送信元装置から送信された音声データを、対向装置に転送可能なデータ形式に変換して当該対向装置に転送する機能(以下、変換機能と言う)を有する。
サービス判定部112(通信部の一例)は、音声データに対する機能の実行を指示する情報の一例であるサービス要求を送信元装置から受信する。そして、サービス判定部112は、受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有しているか否かを判定する。
メッセージ送信部113(通信部の一例)は、サービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有しないと判定された場合、サービス要求により実行が指示された機能の実行を指示する情報の一例であるサービス要求メッセージを所定の音声サーバSに送信する。本実施形態では、メッセージ送信部113は、サービス要求により実行が指示された機能を識別可能とする情報(例えば、提供可能サービス情報)を含むサービス要求メッセージを所定の音声サーバSに送信する。本実施形態では、メッセージ送信部113は、所定の音声サーバSに対して、サービス要求メッセージを送信しているが、ネットワークデバイスPSのDSP部111よりも高機能な高機能DSP部106を有する音声サーバSに対してサービス要求メッセージを送信するものであれば、これに限定するものではない。例えば、メッセージ送信部113は、ネットワークNWを介して管理装置Mに記憶されている音声サーバ管理情報105にアクセスして、通信システム1が有する音声サーバSの高機能DSP部106の製造番号を取得し、取得した製造番号により特定される高機能DSP部106のうち、DSP部111よりも高機能な高機能DSP部106(例えば、DSP部111が有する機能の数よりも多いサービス機能を有する高機能DSP部106など)を有する音声サーバS、若しくはDSP部111とは異なる機能を有する高機能DSP部106を有する音声サーバSに対して、サービス要求メッセージを送信しても良い。メッセージ送信部113は、所定の音声サーバSから、サービス要求メッセージにより実行を指示した機能を実行可能であることを示す情報の一例であるサービス応答メッセージを受信した場合、音声パス制御部114に対して、所定の音声サーバSを介して音声データを転送するパスへの切り替えを指示する。
一方、メッセージ送信部113は、音声サーバSから、他の音声サーバSを識別可能とする情報の一例であるサービス応答メッセージを受信した場合、他の音声サーバSに対して、再度、サービス要求メッセージを送信する。若しくは、メッセージ送信部113は、音声サーバSから、他の音声サーバSを識別可能とするサービス応答メッセージを受信した場合、音声パス制御部114に対して、他の音声サーバSを介して音声データを転送するパスへの切り替えを指示しても良い。
音声パス制御部114(制御部の一例)は、メッセージ送信部113から、所定の音声サーバSを介して音声データを転送するパスへの切り替えが指示されると、送信元装置から対向装置への音声データの転送に用いるパスを、所定の音声サーバSを介して送信元装置から対向装置へ音声データを転送するパスとするパス切替処理を実行する。本実施形態では、音声パス制御部114は、所定の音声サーバSを介して音声データを転送するパスへの切り替えが指示されると、DSP部111による音声データの転送先を所定の音声サーバSに設定し、かつ対向装置が位置するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPSに対して、所定の音声サーバSを介した音声データのパスを通知する情報の一例であるパス切替指示を送信する。ここで、パス切替処理には、送信元装置から対向装置への音声データの転送に用いるパスを、所定の音声サーバSを介して音声データを転送するパスへ切り替える処理に加えて、送信元装置から対向装置への音声データの転送に用いられているパスが、所定の音声サーバSを介して行われている場合に、送信元装置から対向装置への音声データの転送に用いるパスを維持することも含むものとする。
一方、音声パス制御部114は、メッセージ送信部113から、他の音声サーバSを介して音声データを転送するパスへの切り替えが指示されると、送信元装置から対向装置への音声データの転送に用いるパスを、他の音声サーバSを介して送信元装置から対向装置へ音声データを転送するパスとするパス切替処理を実行する。本実施形態では、音声パス制御部114は、他の音声サーバSを介して音声データを転送するパスへの切り替えが指示されると、DSP部111による音声データの転送先を他の音声サーバSに設定し、かつ対向装置が位置するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPSに対して、音声データの転送先となる他の音声サーバSを介した音声データのパスを通知する情報の一例であるパス切替指示を送信する。
次に、図3を用いて、管理装置Mによる音声サーバSとネットワークデバイスPSの組合せの決定処理について説明する。
上述したように、ネットワークデバイスPSには、サービス要求メッセージを送信する所定の音声サーバS(すなわち、当該ネットワークデバイスPSと組み合わされた音声サーバS)が設定されている。ネットワークデバイスPSは、送信元装置からサービス要求を受信し、かつ当該サービス要求により実行が指示された機能を自身のDSP部111が有しない場合、所定の音声サーバSに対してサービス要求メッセージを送信する。また、ネットワークデバイスPSは、所定の音声サーバSが、送信元装置から受信したサービス要求により実行が指示された機能に対応するサービス機能を有しない場合、所定の音声サーバS以外の他の音声サーバSに対して、再度、サービス要求メッセージを送信する。
そして、音声サーバSとネットワークデバイスPSの組合せは、以下のようにして決定される。管理装置Mの対向装置決定部102は、システム情報104および対向装置情報300に基づいて、ネットワークデバイスPSと音声サーバSとの組合せを決定する。例えば、対向装置情報300に記憶されたネットワークデバイスID:「1」のネットワークデバイスPSと組み合わせる音声サーバSを決定する場合、対向装置決定部102は、対向装置情報300においてネットワークデバイスID:「1」と対応付けられた地理情報:「〇〇市」を特定する。そして、対向装置決定部102は、システム情報104において、特定した地理情報:「〇〇市」と同一の地理情報:「〇〇市」と対応付けられた音声サーバID:「1001」により識別される音声サーバSを、ネットワークデバイスID:「1」のネットワークデバイスPSと組み合わせる音声サーバSに決定する。また、対向装置決定部102は、システム情報104において、特定した地理情報:「○○市」と同一の地理情報:「○○市」と対応付けられた音声サーバIDが複数存在する場合には、当該複数の音声サーバIDにより特定される音声サーバSのうち、ネットワークデバイスPSが存在するネットワーク内のIPアドレスを有する音声サーバSや、ネットワークデバイスPSが有するDSP部111の製造番号と異なる製造番号の高機能DSP部106を有する音声サーバSを、ネットワークデバイスID:「1」により識別されるネットワークデバイスPSと組み合わせる音声サーバSに決定する。
ここでは、対向装置決定部102が、システム情報104および対向装置情報300に含まれる地理情報を優先的に用いて、ネットワークデバイスPSと音声サーバSの組合せを決定する例について説明したが、これに限定するものではなく、システム情報104および対向装置情報300に含まれるIPアドレス、ネットワークデバイスPSおよび音声サーバSそれぞれの製造番号等を優先的に用いて、ネットワークデバイスPSと音声サーバSの組合せを決定しても良い。または、対向装置決定部102は、各音声サーバSと組み合わされたネットワークデバイスPSの数に基づいて、ネットワークデバイスPSと音声サーバSとの組合せを決定することによって、音声サーバS間において負荷の偏りが生じないように、ネットワークデバイスPSと音声サーバSとの組合せを適切に設定することも可能である。
次に、図4を用いて、管理装置Mによる音声サーバ管理情報105の通知処理、および音声サーバSによる他の音声サーバSの抽出処理について説明する。
まず、管理装置Mによる音声サーバ管理情報105の通知処理について説明する。サービス管理部103は、各音声サーバSが有する高機能DSP部106のDSP種別を特定する。次いで、サービス管理部103は、DSP管理情報400から、各音声サーバSが有する高機能DSP部106のDSP種別と対応付けられた提供可能サービス情報および製造番号を抽出する。そして、サービス管理部103は、図4に示すように、各音声サーバSを識別可能とする音声サーバIDと、各音声サーバSが有する高機能DSP部106のDSP種別と、抽出した提供可能サービス情報と、各音声サーバSの地理情報と、各音声サーバSのIPアドレスと、抽出した製造番号と、を対応付ける音声サーバ管理情報105を生成する。
そして、サービス管理部103は、生成した音声サーバ管理情報105を、通信システム1内の全ての音声サーバSに対して送信する。これにより、通信システム1内の全ての音声サーバSは、同一の音声サーバ管理情報105を音声サーバ管理情報記憶部110内に記憶する。
次に、音声サーバSによる他の音声サーバSの抽出処理について説明する。音声サーバSのメッセージ受信部107は、ネットワークデバイスPSからサービス要求メッセージを受信し、かつ受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能が音声サーバSにおいてサポート不可能である場合、音声サーバ管理情報記憶部110に記憶された音声サーバ管理情報105に基づいて、受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能をサポート可能な他の音声サーバSを抽出する。
具体的には、メッセージ受信部107は、音声サーバ管理情報105に含まれる音声サーバIDのうち、受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を示す提供可能サービス情報と対応付けられた他の音声サーバSの音声サーバIDを抽出する。
本実施形態では、メッセージ受信部107は、音声サーバ管理情報記憶部110に記憶された音声サーバ管理情報105に基づいて、他の音声サーバSを抽出しているが、これに限定するものではなく、ネットワークNWを介して、管理装置Mに記憶された音声サーバ管理情報105を取得し、当該取得した音声サーバ管理情報105に基づいて、他の音声サーバSを抽出しても良い。
また、本実施形態では、メッセージ受信部107は、音声サーバ管理情報105に含まれる提供サービス機能情報を用いて、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を有する高機能DSP部106を備えた他の音声サーバSを抽出しているが、これに限定するものではなく、例えば、音声サーバ管理情報105に含まれる各音声サーバSの高機能DSP部106の製造番号に基づいて、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を有する高機能DSP部106を備えた他の音声サーバSを抽出しても良い。
そして、メッセージ受信部107は、抽出した音声サーバIDから、1以上の音声サーバIDを選択し、選択した音声サーバIDを含むサービス応答メッセージをネットワークデバイスPSに送信する。メッセージ受信部107は、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を有する高機能DSP部106を備えた音声サーバIDが複数抽出された場合、音声サーバ管理情報105が含む提供サービス機能情報(または製造番号)等に基づいて、抽出した各音声サーバSが備える高機能DSP部106のうち、最も低機能な高機能DSP部106を備えた音声サーバSの音声サーバIDを含むサービス応答メッセージを送信する。これにより、高機能な高機能DSP部106を備えた音声サーバSをできるだけ常時使用できる状態にして、より高機能なサービス機能の実行を指示するサービス要求メッセージを受信した場合に、高機能な高機能DSP部106を備えた音声サーバSを他の音声サーバSとして抽出できるようにする。また、メッセージ受信部107は、抽出した音声サーバIDのうち、音声サーバS自身の地理情報と同一の地理情報と対応付けて記憶された音声サーバIDを含むサービス応答メッセージを送信しても良い。これにより、複数のネットワークデバイスPSを介して接続された音声サーバSが他の音声サーバSとして選択されることを防止できる。また、メッセージ受信部107は、抽出した音声サーバIDのうち、音声サーバS自身が存在するネットワーク内のIPアドレスと対応付けて記憶された音声サーバIDを含むサービス応答メッセージを送信しても良い。または、メッセージ受信部107は、抽出した音声サーバIDのうち、当該音声サーバIDが示す音声サーバSの高機能DSP部106にかかる負荷が最も小さい音声サーバSの音声サーバIDを含むサービス応答メッセージを送信しても良い。例えば、メッセージ受信部107は、管理装置Mにより組み合わされたネットワークデバイスPSの数が最も少ない音声サーバSの音声サーバIDを含むサービス応答メッセージを送信する。
次に、図5を用いて、本実施形態にかかる通信システム1におけるパス切替処理について説明する。図5は、第1の実施形態にかかる通信システムにおけるパス切替処理を説明するための図である。ここでは、送信元装置のローカル端末LT1から対向装置のローカル端末LT2に対して音声データを送信する場合における、パス切替処理について説明するが、他のローカル端末LT間において音声データを送受信する場合のパス切替処理も同様に行われる。
ネットワークデバイスPS1のサービス判定部112は、ローカル端末LT1とローカル端末LT2との間で通信が確立している状態で(すなわち、ローカル端末LT1,LT2間で音声データが送受信されている状態で)、ローカル端末LT1からサービス要求を受信した場合(ステップS501)、受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有しているか否かを判定する。ネットワークデバイスPS1のメッセージ送信部113は、受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有していないと判定した場合、受信したサービス要求により実行が指示された機能の実行を指示するサービス要求メッセージを所定の音声サーバS1に送信する(ステップS502)。その後、メッセージ送信部113は、音声サーバS1から、サービス要求メッセージにより実行を指示した機能を実行可能であることを示すサービス応答メッセージを受信した場合(ステップS502)、ネットワークデバイスPS1の音声パス制御部114に対して音声データの転送に用いるパスの切り替えを指示する。
音声パス制御部114は、メッセージ送信部113から音声データの転送に用いるパスの切り替えが指示されると、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送に用いるパスを、音声サーバS1を介してローカル端末LT1からローカル端末LT2へ音声データを転送するパスとするパス切替処理を実行する。具体的には、音声パス制御部114は、ローカル端末LT2が存在するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPS2に対して、音声サーバS1を介した音声データのパスを通知するパス切替指示を送信する(ステップS503)。さらに、音声パス制御部114は、ネットワークデイバスPS2に対してパス切替指示を送信した後、ネットワークデバイスPS1のDSP部111による音声データの転送先を音声サーバS1に設定する(ステップS504)。これにより、ネットワークデバイスPS2に対してパス切替指示を送信する前に、音声データの転送先が音声サーバS1に切り替えられてしまい、ネットワークデバイスPS2が音声サーバS1から音声データを受信できなくなるのを防止する。
音声サーバS1の音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、ネットワークデバイスPS1を介してローカル端末LT1から送信された音声データを受信する。そして、音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、受信した音声データに対して、音声混合サービスを適用する(ステップS505)。具体的には、高機能DSP部106は、受信した音声データに対して、サービス要求メッセージにより実行が指示されたサービス機能(例えば、会議機能、アナウンス合成機能など)を実行することにより、音声混合サービスを適用する。その後、音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、音声混合サービスが適用された音声データをネットワークデバイスPS2に転送する。
これにより、ネットワークデバイスPS1が、ローカル端末LT1から受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能をDSP部111が有していない場合であっても、当該機能を実行した音声データをローカル端末LT2に転送することができるので、ネットワークデバイスPS1のハードウェアの更新を局所的に抑えて、ネットワークデバイスPS1のハードウェアの更新に伴うコストの増加を抑えることができる。
次に、図6を用いて、本実施形態にかかる通信システム1におけるパス切替処理の流れについて説明する。図6は、第1の実施形態にかかる通信システムにおけるパス切替処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、送信元装置のローカル端末LT1から対向装置のローカル端末LT2に対して音声データを送信する場合における、パス切替処理について説明するが、他のローカル端末LT間において音声データを送受信する場合のパス切替処理も同様に行われる。
ローカル端末LT1は、当該ローカル端末LT1が存在するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPS1との間で音声データの送受信に用いるパスである音声パスを決定する(ステップS601)。また、ローカル端末LT2は、当該ローカル端末LT2が存在するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPS2との間で音声データの送受信に用いる音声パスを決定する(ステップS601)。さらに、ネットワークデバイスPS1は、ネットワークデバイスPS2への音声データの転送に用いるパスである音声パスを決定する(ステップS601)。
その後、ネットワークデバイスPS1のサービス判定部112は、ローカル端末LT1からサービス要求を受信すると(ステップS602)、受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有しているか否かを判定する。受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有していると判定した場合、DSP部111は、ローカル端末LT1から受信した音声データに対して、変換機能に加えて、サービス要求により実行が指示された機能を実行する。一方、メッセージ送信部113は、受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有していないと判定した場合、受信したサービス要求により実行が指示された機能の実行を指示するサービス要求メッセージを所定の音声サーバS1に送信する(ステップS603)。
音声サーバS1のメッセージ受信部107は、ネットワークデバイスPS1からサービス要求メッセージを受信すると、当該サービス要求メッセージにより実行が指示された機能が、高機能DSP部106が有するサービス機能に含まれているか否かを判定するサービス判定処理を実行する(ステップS604)。
ここで、サービス判定処理によって、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能が、高機能DSP部106が有するサービス機能に含まれておりサービス提供可能であると判断した場合(ステップS605)、メッセージ受信部107は、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能を実行可能であることを示すサービス応答メッセージをネットワークデバイスPS1に送信する(ステップS606)。
ネットワークデバイスPS1の音声パス制御部114は、音声サーバS1から、サービス要求メッセージにより実行を指示した機能を実行可能であることを示すサービス応答メッセージを受信した場合、ネットワークデバイスPS2に対して、音声データの転送先となる所定の音声サーバS1を介したパスを通知するパス切替指示を送信する(ステップS607)。その後、ネットワークデバイスPS1の音声パス制御部114は、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送先を、音声サーバS1に設定することにより、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送に用いるパスを切り替える(ステップS608)。
さらに、音声サーバS1の音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、ネットワークデバイスPS1を介してローカル端末LT1から送信された音声データを受信する。そして、音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、受信した音声データに対して、音声混合サービスを適用する(ステップS609)。さらに、音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、音声混合サービスを適用した音声データを、ネットワークデバイスPS2へ転送する。
一方、サービス判定処理によって、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能が、高機能DSP部106が有するサービス機能に含まれておらず、サービス提供不可能であると判断した場合(ステップS610)、音声サーバS1のメッセージ受信部107は、音声サーバ管理情報105に基づいて、受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能をサポート可能な他の音声サーバS2を抽出する。そして、メッセージ受信部107は、抽出した音声サーバS2に対して、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能の実行を指示するサービス代替要求を送信する(ステップS611)。
音声サーバS2のメッセージ受信部107は、サービス代替要求により実行が指示された機能が、音声サーバS2の高機能DSP部106が有するサービス機能に含まれていると判断した場合、サービス代替要求により実行が指示された機能を実行可能であることを示すサービス代替応答を音声サーバS1に送信する(ステップS612)。一方、音声サーバS2のメッセージ受信部107は、サービス代替要求により実行が指示された機能が、音声サーバS2の高機能DSP部106が有するサービス機能に含まれないと判断した場合、サービス代替要求により実行が指示された機能を実行不可能であることを示すサービス代替応答を音声サーバS1に送信する(ステップS612)。
音声サーバS1のメッセージ受信部107は、音声サーバS2から受信したサービス代替応答が、音声サーバS2が機能を実行不可能であることを示している場合、抽出した他の音声サーバSに対して、サービス代替要求を送信する。一方、音声サーバS1のメッセージ受信部107は、音声サーバS2から受信したサービス代替応答が、音声サーバS2が機能を実行可能であることを示している場合、音声サーバS2の音声サーバIDを含むサービス応答メッセージをネットワークデバイスPS1に送信する(ステップS613)。
ネットワークデバイスPS1の音声パス制御部114は、音声サーバS1から、音声サーバS2の音声サーバIDを含むサービス応答メッセージを受信した場合、音声データの転送先となる他の音声サーバS2を介した音声データのパスを通知するパス切替指示を送信する(ステップS614)。その後、ネットワークデバイスPS1の音声パス制御部114は、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送先を、音声サーバS2に設定することにより、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送に用いるパスを切り替える(ステップS615)。
その後、音声サーバS2の音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、ネットワークデバイスPS1を介してローカル端末LT1から送信された音声データを受信する。そして、音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、受信した音声データに対して、音声混合サービスを適用する(ステップS616)。そして、音声パス制御部108は、高機能DSP部106を制御して、音声混合サービスを適用した音声データを、ネットワークデバイスPS2へ転送する。
このように、第1の実施形態の通信システム1によれば、ネットワークデバイスPSのハードウェアの更新を局所的に抑えて、ネットワークデバイスPSのハードウェアの更新に伴うコストの増加を抑えることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、送信元装置から受信したサービス要求により実行が指示された機能を、ネットワークデバイスのDSP部が有しない場合に、送信元装置から対向装置への音声データの転送に用いるパスを、他のネットワークデバイスを介して送信元装置から対向装置へ音声データを転送するパスとする例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
図7は、第2の実施形態にかかる通信システムの構成を示す図である。本実施形態にかかる通信システム2は、図7に示すように、ローカル端末LTと、ネットワークデバイスPSと、高機能ネットワークデバイスHPS1,HPS2(以下、高機能ネットワークデバイスHPS1,HPS2を区別する必要がない場合には、高機能ネットワークデバイスHPSと記載する)と、管理装置M1と、を有している。そして、本実施形態にかかる通信システム2では、ネットワークデバイスPSと、高機能ネットワークデバイスHPSと、管理装置M1とが、IP網や公衆通信網等のネットワークNWを介して接続されている。
管理装置M1は、システム情報204(図8参照)および対向装置情報900(図9参照)に基づいて、高機能ネットワークデバイスHPSとネットワークデバイスPSの組み合わせを決定する。そして、管理装置M1は、ネットワークデバイスPSに対して、決定した組合せを通知する。さらに、管理装置M1は、DSP管理情報1000(図10参照)に基づいて、高機能ネットワークデバイスHPSの高機能DSP部206が有するサービス機能を示す提供可能サービス情報の一覧を含む高機能ネットワークデバイス管理情報205(図8参照)を生成する。そして、管理装置M1は、生成した高機能ネットワークデバイス管理情報205を高機能ネットワークデバイスHPSに送信する。
高機能ネットワークデバイスHPSは、ネットワークデバイスPSと同様に、例えばゲートウェイ等により構成され、ネットワークNWに接続されている。また、高機能ネットワークデバイスHPSは、ローカル端末LTが存在するローカルネットワークに接続されている。また、高機能ネットワークデバイスHPSは、互いに異なるローカルネットワーク内のローカル端末LT間の通信を確立する。高機能ネットワークデバイスHPSは、変換機能とサービス機能とを有する高機能DSP部206を有する。
また、高機能ネットワークデバイスHPSは、ネットワークデバイスPSからのサービス要求メッセージに従って、ネットワークデバイスPS間の通信を中継する。その際、高機能ネットワークデバイスHPSは、高機能DSP部206を制御して、ネットワークデバイスPS間でやりとりする音声データに対して、サービス機能を実行する音声混合サービスを適用可能である。
次に、図8〜10を用いて、本実施形態にかかる通信システムを有する各装置の機能構成について説明する。図8は、第2の実施形態にかかる通信システムが有する各装置の機能的な構成を示すブロック図である。図9は、第2の実施形態にかかる通信システムが有する管理装置が記憶するシステム情報および対向装置情報のデータ構成を示す図である。図10は、第2の実施形態にかかる通信システムが有する管理装置が記憶するDSP管理情報および高機能ネットワークデバイス管理情報のデータ構成を示す図である。
管理装置M1は、図8に示すように、システム情報管理部201、対向装置決定部202、およびサービス管理部203を有する。
システム情報管理部201は、システム情報204、高機能ネットワークデバイス管理情報205、対向装置情報900(図9参照)、DSP管理情報1000(図10参照)等を記憶する。
システム情報204は、図9に示すように、通信システム2内の高機能ネットワークデバイスHPSを識別可能とする高機能ネットワークデバイスIDに対応付けて、高機能ネットワークデバイスHPSの高機能DSP部206のDSP種別を示す搭載DSP情報と、高機能ネットワークデバイスHPSの高機能DSP部206が有するサービス機能を示す提供可能サービス情報と、高機能ネットワークデバイスHPSの位置を示す地理情報と、高機能ネットワークデバイスHPSのIPアドレスと、を含む。
対向装置情報900は、図9に示すように、ネットワークデバイスPSを識別可能とするネットワークデバイスIDに対応付けて、ネットワークデバイスPSが有するDSP部111のDSP種別を識別可能とする搭載DSP情報と、ネットワークデバイスPSと組み合わされた高機能ネットワークデバイスHPS(以下、所定の高機能ネットワークデバイスHPSと言う)を識別可能とする接続先高機能ネットワークデバイスIDと、ネットワークデバイスPSの位置を示す地理情報と、ネットワークデバイスPSのIPアドレスと、を含む。
DSP管理情報1000は、図10に示すように、高機能ネットワークデバイスHPSが有する高機能DSP部206のDSP種別に対応付けて、当該DSP種別の高機能DSP部206が有するサービス機能を識別可能とする提供可能サービス情報と、当該DSP種別の高機能DSP部206の製造番号とを含む。本実施形態では、各高機能ネットワークデバイスHPSの高機能DSP部206が有するサービス機能を識別可能とする情報の一例として、高機能DSP部206の製造番号を用いているが、これに限定するものではなく、例えば、高機能DSPネットワークサーバHPSの製造番号を、各高機能ネットワークデバイスHPSの高機能DSP部206が有するサービス機能を識別可能とする情報としても良い。
高機能ネットワークデバイス管理情報205は、図10に示すように、高機能ネットワークデバイスHPSを識別可能とする高機能ネットワークデバイスIDに対応付けて、高機能ネットワークデバイスHPSが有する高機能DSP部206のDSP種別と、提供可能サービス情報と、各高機能ネットワークデバイスHPSの地理情報と、各高機能ネットワークデバイスHPSのIPアドレスと、各高機能ネットワークデバイスHPSが有する高機能DSP部206の製造番号と、を含む。
対向装置決定部202は、システム情報管理部201に記憶されたシステム情報204および対向装置情報900に含まれる、ネットワークデバイスPSおよび高機能ネットワークデバイスHPSそれぞれの地理情報、ネットワークデバイスPSおよび高機能ネットワークデバイスHPSそれぞれのIPアドレス等に基づいて、各高機能ネットワークデバイスHPSに対して、音声混合サービスを適用する音声データの送信元となるネットワークデバイスPSを割り付ける。これにより、対応装置決定部202は、システム情報204および対向装置情報900に基づいて、高機能ネットワークデバイスHPSとネットワークデバイスPSとの組合せを決定する。そして、対向装置決定部202は、高機能ネットワークデバイスHPSとネットワークデバイスPSとの組合せを、ネットワークデバイスPSに対して通知する。
サービス管理部203は、システム情報管理部201に記憶されたDSP管理情報1000に基づいて、高機能ネットワークデバイスHPSの高機能DSP部206が有するサービス機能を示す提供可能サービス情報を抽出し、抽出した提供可能サービス情報の一覧を含む高機能ネットワークデバイス管理情報205を生成する。そして、サービス管理部203は、生成した高機能ネットワークデバイス管理情報205を高機能ネットワークデバイスHPSに通知する。
高機能ネットワークデバイスHPSは、図8に示すように、高機能DSP部206と、メッセージ受信部207と、音声パス制御部208と、サービス選択部209と、高機能ネットワークデバイス管理情報記憶部210と、を有する。
高機能DSP部206は、上述したように、変換機能とサービス機能とを有する。メッセージ受信部207は、ネットワークデバイスPSから、音声データに対する機能の実行を指示する情報の一例であるサービス要求メッセージを受信する。本実施形態では、メッセージ受信部207は、ネットワークデバイスPSから、実行する機能を識別可能とする情報(例えば、提供可能サービス情報など)を含むサービス要求メッセージを受信する。メッセージ受信部207は、受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能(本実施形態では、サービス要求メッセージが含む提供可能サービス情報が示す機能)が、高機能DSP部206が有するサービス機能に含まれるか否かを判定する。メッセージ受信部207は、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能が、高機能DSP部206が有するサービス機能に含まれる場合(高機能ネットワークデバイスHPSにおいてサポート可能である場合)、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能を実行可能であることを示す情報の一例であるサービス応答メッセージをネットワークデバイスPSへ送信する。
一方、メッセージ受信部207は、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を有しない場合(高機能ネットワークデバイスHPSにおいてサポート不可能である場合)、後述する高機能ネットワークデバイス管理情報記憶部210に記憶される高機能ネットワークデバイス管理情報205に基づいて、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を有する他の高機能ネットワークデバイスHPSを抽出する。そして、メッセージ受信部207は、抽出した他の高機能ネットワークデバイスHPSを識別可能とする情報の一例であるサービス応答メッセージをネットワークデバイスPSに送信する。
音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、送信元装置から送信された音声データをネットワークデバイスPS(外部通信制御装置の一例)を介して受信する。さらに、音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、受信した音声データに対して、高機能DSP部206によるサービス機能(後述するサービス選択部209により選択されたサービス機能)を実行し、当該サービス機能が実行された音声データを、対向装置に転送する。
サービス選択部209は、高機能DSP部206が有するサービス機能から、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能を、音声パス制御部208により受信した音声データに対して実行するサービス機能として選択する。高機能ネットワークデバイス管理情報記憶部210は、管理装置M1から通知された高機能ネットワークデバイス管理情報を記憶する。
ネットワークデバイスPSは、図8に示すように、DSP部111、サービス判定部112、メッセージ送信部213、および音声パス制御部214を有している。
メッセージ送信部213は、サービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有していない場合、サービス要求により実行が指示された機能の実行を指示する情報の一例であるサービス要求メッセージを所定の高機能ネットワークデバイスHPSに送信する。本実施形態では、メッセージ送信部213は、サービス要求により実行が指示された機能を識別可能とする情報(例えば、提供可能サービス情報)を含むサービス要求メッセージを所定の高機能ネットワークデバイスHPSに送信する。メッセージ送信部213は、所定の高機能ネットワークデバイスHPSから、サービス要求メッセージにより実行を指示した機能を実行可能であることを示す情報の一例であるサービス応答メッセージを受信した場合、音声パス制御部214に対して、所定の高機能ネットワークデバイスHPSを介して音声データを転送するパスへの切り替えを指示する。
一方、メッセージ送信部213は、高機能ネットワークデバイスHPSから、他の高機能ネットワークデバイスHPSを識別可能とする情報の一例であるサービス応答メッセージを受信した場合、他の高機能ネットワークデバイスHPSに対して、再度、サービス要求メッセージを送信する。若しくは、メッセージ送信部213は、高機能ネットワークデバイスHPSから、他の高機能ネットワークデバイスHPSを識別可能とするサービス応答メッセージを受信した場合、音声パス制御部214に対して、他の高機能ネットワークデバイスHPSを介して音声データを転送するパスへの切り替えを指示しても良い。
音声パス制御部214は、メッセージ送信部213から、所定の高機能ネットワークデバイスHPSを介して音声データを転送するパスへの切り替えが指示されると、送信元装置から対向装置への音声データの転送に用いるパスを、所定の高機能ネットワークデバイスHPSを介して送信元装置から対向装置へ音声データを転送するパスとするパス切替処理を実行する。本実施形態では、音声パス制御部214は、所定の高機能ネットワークデバイスHPSを介して音声データを転送するパスへの切り替えが指示されると、DSP部111による音声データの転送先を所定の高機能ネットワークデバイスHPSに設定し、かつ対向装置が位置するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPSに対して、音声データの転送先となる所定の高機能ネットワークデバイスHPSを介した音声データのパスを通知するパス切替指示を送信する。
一方、音声パス制御部214は、メッセージ送信部213から、他の高機能ネットワークデバイスHPSを介して音声データを転送するパスへの切り替えが指示されると、送信元装置から対向装置への音声データの転送に用いるパスを、他の高機能ネットワークデバイスHPSを介して送信元装置から対向装置へ音声データを転送するパスとするパス切替処理を実行する。本実施形態では、音声パス制御部214は、他の高機能ネットワークデバイスHPSを介して音声データを転送するパスへの切り替えが指示されると、DSP部111による音声データの転送先を他の高機能ネットワークデバイスHPSに設定し、かつ対向装置が位置するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPSに対して、音声データの転送先となる他の高機能ネットワークデバイスHPSを介したパスを通知するパス切替指示を送信する。
次に、図9を用いて、管理装置M1による高機能ネットワークデバイスHPSとネットワークデバイスPSの組合せの決定処理について説明する。
上述したように、ネットワークデバイスPSには、サービス要求メッセージを送信する所定の高機能ネットワークデバイスHPS(すなわち、当該ネットワークデバイスPSと組み合わされた高機能ネットワークデバイスHPS)が設定されている。ネットワークデバイスPSは、送信元装置からサービス要求を受信し、かつ当該サービス要求により実行が指示された機能を自身のDSP部111が有しない場合、所定の高機能ネットワークデバイスHPSに対してサービス要求メッセージを送信する。また、ネットワークデバイスPSは、所定の高機能ネットワークデバイスHPSが、送信元装置から受信したサービス要求により実行が指示された機能に対応するサービス機能を有しない場合、所定の高機能ネットワークデバイスHPS以外の他の高機能ネットワークデバイスHPSに対して、再度、サービス要求メッセージを送信する。
そして、高機能ネットワークデバイスHPSとネットワークデバイスPSの組合せは、以下のようにして決定される。管理装置M1の対向装置決定部202は、システム情報204および対向装置情報900に基づいて、ネットワークデバイスPSと高機能ネットワークデバイスHPSとの組合せを決定する。例えば、対向装置情報900に記憶されたネットワークデバイスID:「1」のネットワークデバイスPSと組み合わせる高機能ネットワークデバイスHPSを決定する場合、対向装置決定部202は、対向装置情報900においてネットワークデバイスID:「1」と対応付けられた地理情報:「〇〇市」を特定する。そして、対向装置決定部202は、システム情報204において、特定した地理情報:「○○市」と同一の地理情報:「〇〇市」と対応付けられた高機能ネットワークデバイスID:「50」により識別される高機能ネットワークデバイスHPSを、ネットワークデバイスID:[1]のネットワークデバイスPSと組み合わせる高機能ネットワークデバイスHPSに決定する。また、対向装置決定部202は、システム情報204において、特定した地理情報:「○○市」と同一の地理情報:「○○市」と対応付けられた高機能ネットワークデバイスIDが複数存在する場合には、当該複数の高機能ネットワークデバイスIDにより特定される高機能ネットワークデバイスHPSのうち、ネットワークデバイスPSが存在するネットワーク内のIPアドレスを有する高機能ネットワークデバイスHPSや、ネットワークデバイスPSが有するDSP部111の製造番号と異なる製造番号の高機能DSP部206を有する高機能ネットワークデバイスHPSを、ネットワークデバイスID:「1」により識別されるネットワークデバイスPSと組み合わせる高機能ネットワークデバイスHPSに決定する。
ここでは、対向装置決定部202が、システム情報204および対向装置情報900に記憶された地理情報を用いて、ネットワークデバイスPSと高機能ネットワークデバイスHPSの組合せを決定する例について説明したが、これに限定するものではなく、システム情報204および対向装置情報900に記憶されたIPアドレス、ネットワークデバイスPSおよび高機能ネットワークデバイスHPSそれぞれの製造番号等を優先的に用いて、ネットワークデバイスPSと高機能ネットワークデバイスHPSの組合せを決定しても良い。または、対向装置決定部202は、各高機能ネットワークデバイスHPSと組み合わされたネットワークデバイスPSの数に基づいて、ネットワークデバイスPSと高機能ネットワークデバイスHPSとの組合せを決定することによって、高機能ネットワークデバイスHPS間において負荷の偏りが生じないように、ネットワークデバイスPSと高機能ネットワークデバイスHPSとの組合せを適切に設定することも可能である。
次に、図10を用いて、管理装置M1による高機能ネットワークデバイス管理情報の通知処理、および高機能ネットワークデバイスHPSによる他の高機能ネットワークデバイスHPSの抽出処理について説明する。
まず、管理装置M1による高機能ネットワークデバイス管理情報205の通知処理について説明する。サービス管理部203は、各高機能ネットワークデバイスHPSが有する高機能DSP部206のDSP種別を特定する。次いで、サービス管理部203は、DSP管理情報1000から、各高機能ネットワークデバイスHPSが有する高機能DSP部206のDSP種別と対応付けられた提供可能サービス情報および製造番号を抽出する。そして、サービス管理部203は、図10に示すように、各高機能ネットワークデバイスHPSを識別可能とする高機能ネットワークデバイスIDと、各高機能ネットワークデバイスHPSが有する高機能DSP部206について特定したDSP種別と、抽出した提供可能サービス情報と、各高機能ネットワークデバイスHPSの地理情報と、各高機能ネットワークデバイスHPSのIPアドレスと、抽出した製造番号と、を対応付ける高機能ネットワークデバイス管理情報205を生成する。
そして、対向装置決定部202は、生成した高機能ネットワークデバイス管理情報205を、通信システム2内の全ての高機能ネットワークデバイスHPSに対して送信する。これにより、通信システム2内の全ての高機能ネットワークデバイスHPSは、同一の高機能ネットワークデバイス管理情報205を高機能ネットワークデバイス管理情報記憶部210内に記憶する。
次に、高機能ネットワークデバイスHPSによる他の高機能ネットワークデバイスHPSの抽出処理について説明する。高機能ネットワークデバイスHPSのメッセージ受信部207は、ネットワークデバイスPSからサービス要求メッセージを受信し、かつ受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能が高機能ネットワークデバイスHPSにおいてサポート不可能である場合、高機能ネットワークデバイス管理情報記憶部210に記憶された高機能ネットワークデバイス管理情報205に基づいて、受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能をサポート可能な他の高機能ネットワークデバイスHPSを抽出する。
具体的には、メッセージ受信部207は、高機能ネットワークデバイス管理情報205に含まれる高機能ネットワークデバイスIDのうち、受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を示す提供可能サービス情報と対応付けられた他の高機能ネットワークデバイスHPSの高機能ネットワークデバイスIDを抽出する。
そして、メッセージ受信部207は、抽出した高機能ネットワークデバイスIDから、1以上の高機能ネットワークデバイスIDを選択し、選択した高機能ネットワークデバイスIDを含むサービス応答メッセージをネットワークデバイスPSに送信する。メッセージ受信部207は、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能に対応するサービス機能を有する高機能DSP部206を備えた高機能ネットワークデバイスIDが複数抽出された場合、高機能ネットワークデバイス管理情報205が含む提供サービス機能情報(または製造番号)等に基づいて、抽出した各高機能ネットワークデバイスHPSが備える高機能DSP部206のうち、最も低機能な高機能DSP部206を備えた高機能ネットワークデバイスHPSの高機能ネットワークデバイスIDを含むサービス応答メッセージを送信する。これにより、高機能な高機能DSP部206を備えた高機能ネットワークデバイスHPSをできるだけ常時使用できる状態にして、より高機能なサービス機能の実行を指示するサービス要求メッセージを受信した場合に、高機能な高機能DSP部106を備えた高機能ネットワークデバイスHPSを他の高機能ネットワークデバイスHPSとして抽出できるようにする。また、メッセージ受信部207は、抽出した高機能ネットワークデバイスIDのうち、高機能ネットワークデバイスHPS自身の地理情報と同一の地理情報と対応付けて記憶された高機能ネットワークデバイスIDを含むサービス応答メッセージを送信しても良い。これにより、複数のネットワークデバイスPSを介して接続された高機能ネットワークデバイスHPSが他の高機能ネットワークデバイスHPSとして選択されることを防止できる。また、メッセージ受信部207は、抽出した高機能ネットワークデバイスIDのうち、高機能ネットワークデバイスHPS自身が存在するネットワーク内のIPアドレスと対応付けて記憶された高機能ネットワークデバイスIDを含むサービス応答メッセージを送信しても良い。または、メッセージ受信部207は、抽出した高機能ネットワークデバイスIDのうち、当該高機能ネットワークデバイスIDが示す高機能ネットワークデバイスHPSの高機能DSP部206にかかる負荷が最も小さい高機能ネットワークデバイスHPSの高機能ネットワークデバイスIDを含むサービス応答メッセージを送信する。例えば、メッセージ受信部207は、管理装置M1により組み合わされたネットワークデバイスPSの数が最も少ない高機能ネットワークデバイスHPSの高機能ネットワークデバイスIDを含むサービス応答メッセージに送信する。
次に、図11を用いて、本実施形態にかかる通信システム2におけるパス切替処理について説明する。図11は、第2の実施形態にかかる通信システムにおけるパス切替処理を説明するための図である。ここでは、送信元装置のローカル端末LT1から対向装置のローカル端末LT2に対して音声データを送信する場合における、パス切替処理について説明するが、他のローカル端末LT間において音声データを送受信する場合のパス切替処理も同様に行われる。
ネットワークデバイスPS1のサービス判定部112は、ローカル端末LT1とローカル端末LT2との間で通信が確立している状態で(すなわち、ローカル端末LT1,LT2間で音声データが送受信されている状態で)、ローカル端末LT1からサービス要求を受信した場合(ステップS1101)、受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有しているか否かを判定する。ネットワークデバイスPS1のメッセージ送信部213は、受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有していないと判定した場合、受信したサービス要求により実行が指示された機能の実行を指示するサービス要求メッセージを所定の高機能ネットワークデバイスHPS1に送信する(ステップS1102)。その後、メッセージ送信部213は、高機能ネットワークデバイスHPS1から、サービス要求メッセージにより実行を指示した機能を実行可能であることを示すサービス応答メッセージを受信した場合(ステップS1102)、ネットワークデバイスPS1の音声パス制御部214に対して音声データの転送に用いるパスの切り替えを指示する。
音声パス制御部214は、メッセージ送信部213から音声データの転送に用いるパスの切り替えが指示されると、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送に用いるパスを、高機能ネットワークデバイスHPS1を介してローカル端末LT1からローカル端末LT2へ音声データを転送するパスとするパス切替処理を実行する。具体的には、音声パス制御部214は、ローカル端末LT2が存在するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPS2に対して、高機能ネットワークデバイスHPS1を介した音声データのパスを通知するパス切替指示を送信する(ステップS1103)。さらに、音声パス制御部214は、ネットワークデイバスPS2に対してパス切替指示を送信した後、ネットワークデバイスPS1のDSP部111による音声データの転送先を高機能ネットワークデバイスHPS1に設定する(ステップS1104)。これにより、ネットワークデバイスPS2に対してパス切替指示を送信する前に、音声データの転送先が高機能ネットワークデバイスHPS1に切り替えられてしまい、ネットワークデバイスPS2が高機能ネットワークデバイスHPS1から音声データを受信できなくなるのを防止する。
高機能ネットワークデバイスHPS1の音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、ネットワークデバイスPS1を介してローカル端末LT1から送信された音声データを受信する。そして、音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、受信した音声データに対して、音声混合サービスを適用する(ステップS1105)。具体的には、高機能DSP部206は、受信した音声データに対して、サービス要求メッセージにより実行が指示されたサービス機能(例えば、会議機能、アナウンス合成機能など)を実行することにより、音声混合サービスを適用する。その後、音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、音声混合サービスが適用された音声データをネットワークデバイスPS2に転送する。
これにより、ネットワークデバイスPS1が、ローカル端末LT1から受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能をDSP部111が有していない場合であっても、当該機能を実行した音声データをローカル端末LT2に転送することができるので、ネットワークデバイスPS1のハードウェアの更新を局所的に抑えて、ネットワークデバイスPS1のハードウェアの更新に伴うコストの増加を抑えることができる。
次に、図12を用いて、本実施形態にかかる通信システム2におけるパス切替処理の流れについて説明する。図12は、第2の実施形態にかかる通信システムにおけるパス切替処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、送信元装置のローカル端末LT1から対向装置のローカル端末LT2に対して音声データを送信する場合における、パス切替処理について説明するが、他のローカル端末LT間において音声データを送受信する場合のパス切替処理も同様に行われる。
ローカル端末LT1は、当該ローカル端末LT1が存在するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPS1との間で音声データの送受信に用いるパスである音声パスを決定する(ステップS1201)。また、ローカル端末LT2は、当該ローカル端末LT2が存在するローカルネットワークに接続されたネットワークデバイスPS2との間で音声データの送受信に用いる音声パスを決定する(ステップS1201)。さらに、ネットワークデバイスPS1は、ネットワークデバイスPS2への音声データの転送に用いるパスである音声パスを決定する(ステップS1201)。
その後、ネットワークデバイスPS1のサービス判定部112は、ローカル端末LT1からサービス要求を受信すると(ステップS1202)、受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有しているか否かを判定する。受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有していると判定した場合、DSP部111は、ローカル端末LT1から受信した音声データに対して、変換機能に加えて、サービス要求により実行が指示された機能を実行する。一方、メッセージ送信部213は、受信したサービス要求により実行が指示された機能をDSP部111が有していないと判定した場合、受信したサービス要求により実行が指示された機能の実行を指示するサービス要求メッセージを所定の高機能ネットワークデバイスHPS1に送信する(ステップS1203)。
高機能ネットワークデバイスHPS1のメッセージ受信部207は、ネットワークデバイスPS1からサービス要求メッセージを受信すると、当該サービス要求メッセージにより実行が指示された機能が、高機能DSP部206が有するサービス機能に含まれているか否かを判定するサービス判定処理を実行する(ステップS1204)。
ここで、サービス判定処理によって、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能が、高機能DSP部206が有するサービス機能に含まれておりサービス提供可能であると判断した場合(ステップS1205)、メッセージ受信部207は、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能を実行可能であることを示すサービス応答メッセージをネットワークデバイスPS1に送信する(ステップS1206)。
ネットワークデバイスPS1の音声パス制御部214は、高機能ネットワークデバイスHPS1から、サービス要求メッセージにより実行を指示した機能を実行可能であることを示すサービス応答メッセージを受信した場合、ネットワークデバイスPS2に対して、音声データの転送先となる所定の高機能ネットワークデバイスHPS1を通知するパス切替指示を送信する(ステップS1207)。その後、音声パス制御部214は、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送先を、高機能ネットワークデバイスHPS1に設定することにより、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送に用いるパスを切り替える(ステップS1208)。
さらに、高機能ネットワークデバイスHPS1の音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、ネットワークデバイスPS1を介してローカル端末LT1から送信された音声データを受信する。そして、高機能DSP部206は、受信した音声データに対して、音声混合サービスを適用する(ステップS1209)。さらに、音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、音声混合サービスを適用した音声データを、ネットワークデバイスPS2へ転送する。
一方、サービス判定処理によって、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能が、高機能DSP部206が有するサービス機能に含まれておらず、サービス提供不可能であると判断した場合(ステップS1210)、高機能ネットワークデバイスHPS1のメッセージ受信部207は、高機能ネットワークデバイス管理情報205に基づいて、受信したサービス要求メッセージにより実行が指示された機能をサポート可能な他の高機能ネットワークデバイスHPS2を抽出する。そして、メッセージ受信部207は、抽出した高機能ネットワークデバイスHPS2に対して、サービス要求メッセージにより実行が指示された機能の実行を指示するサービス代替要求を送信する(ステップS1211)。
高機能ネットワークデバイスHPS2のメッセージ受信部207は、サービス代替要求により実行が指示された機能が、高機能ネットワークデバイスHPS2の高機能DSP部206が有するサービス機能に含まれていると判断した場合、サービス代替要求により実行が指示された機能を実行可能であることを示すサービス代替応答を高機能ネットワークデバイスHPS1に送信する(ステップS1212)。一方、高機能ネットワークデバイスHPS2のメッセージ受信部207は、サービス代替要求により実行が指示された機能が、高機能ネットワークデバイスHPS2の高機能DSP部206が有するサービス機能に含まれないと判断した場合、サービス代替要求により実行が指示された機能を実行不可能であることを示すサービス代替応答を高機能ネットワークデバイスHPS1に送信する(ステップS1212)。
高機能ネットワークデバイスHPS1のメッセージ受信部207は、高機能ネットワークデバイスHPS2から受信したサービス代替応答が、高機能ネットワークデバイスHPS2が機能を実行不可能であることを示している場合、抽出した他の高機能ネットワークデバイスHPSに対して、サービス代替要求を送信する。一方、高機能ネットワークデバイスHPS1のメッセージ受信部207は、高機能ネットワークデバイスHPS2から受信したサービス代替応答が、高機能ネットワークデバイスHPS2が機能を実行可能であることを示している場合、高機能ネットワークデバイスHPS2の高機能ネットワークデバイスIDを含むサービス応答メッセージをネットワークデバイスPS1に送信する(ステップS1213)。
ネットワークデバイスPS1の音声パス制御部214は、高機能ネットワークデバイスHPS1から、高機能ネットワークデバイスHPS2の高機能ネットワークデバイスIDを含むサービス応答メッセージを受信した場合、音声データの転送先となる他の高機能ネットワークデバイスHPS2を介したパスを通知するパス切替指示を送信する(ステップS1214)。その後、ネットワークデバイスPS1の音声パス制御部214は、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送先を、高機能ネットワークデバイスHPS2に設定することにより、ローカル端末LT1からローカル端末LT2への音声データの転送に用いるパスを切り替える(ステップS1215)。
その後、高機能ネットワークデバイスHPS2の音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、ネットワークデバイスPS1を介してローカル端末LT1から送信された音声データを受信する。そして、音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、受信した音声データに対して、音声混合サービスを適用する(ステップS1216)。そして、音声パス制御部208は、高機能DSP部206を制御して、音声混合サービスを適用した音声データを、ネットワークデバイスPS2へ転送する。
このように、第2の実施形態の通信システム1によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以上説明したとおり、第1,2の実施形態によれば、ネットワークデバイスPSのハードウェアの更新を局所的に抑えて、ネットワークデバイスPSのハードウェアの更新に伴うコストの増加を抑えることができる。
なお、本実施形態の管理装置M,M1、音声サーバS、ネットワークデバイスPS、高機能ネットワークデバイスHPSで実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)等に予め組み込まれて提供される。
本実施形態の管理装置M,M1、音声サーバS、ネットワークデバイスPS、高機能ネットワークデバイスHPSで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態の管理装置M,M1、音声サーバS、ネットワークデバイスPS、高機能ネットワークデバイスHPSで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の管理装置M,M1、音声サーバS、ネットワークデバイスPS、高機能ネットワークデバイスHPSで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施形態の管理装置Mで実行されるプログラムは、上述した各部(対向装置決定部102,202、サービス管理部103,203)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(Central Processing Unit)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、対向装置決定部102,202、サービス管理部103,203が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本実施形態の音声サーバSで実行されるプログラムは、上述した各部(メッセージ受信部107、音声パス制御部108、サービス選択部109)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、メッセージ受信部107、音声パス制御部108、サービス選択部109が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本実施形態のネットワークデバイスPSで実行されるプログラムは、上述した各部(サービス判定部112、メッセージ送信部113,213、音声パス制御部114,214)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、サービス判定部112、メッセージ送信部113,213、音声パス制御部114,214が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本実施形態の高機能ネットワークデバイスHPSで実行されるプログラムは、上述した各部(メッセージ受信部207、音声パス制御部208、サービス選択部209)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、メッセージ受信部207、音声パス制御部208、サービス選択部209が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。