JP6444458B1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】Yコンデンサと他のコンデンサを備える構成において、Yコンデンサと他のコンデンサとの磁気結合によるコモンモードノイズの増加を抑制するとともに、従来よりも装置サイズの小型を図った電力変換装置を得る。
【解決手段】第1のコンデンサを流れる電流の向きを第1方向、第2のコンデンサを流れる電流の向きを第2方向、第3のコンデンサを流れる電流の向きを第3方向と規定し、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、第3のコンデンサが互いに近接配置される際に、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、第1方向と第2方向とが1本の直線と一致する方向または互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが互いに逆向きとなるように配置され、第3のコンデンサは、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して平行または垂直となるように配置される電力変換装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、スイッチング制御を行う電力変換装置に関し、特に、コモンモードノイズの低減および装置サイズの小型化に着目した電力変換装置に関する。
電力変換装置のエネルギー変換効率は、重要な性能指標の一つである。エネルギー変換効率の向上には、電力変換装置の高周波化および小型化が重要なポイントになる。特に、電力変換装置の小型化は、駆動周波数の高周波化により実現可能である。
しかしながら、小型化に伴い、周辺部品が密集して配置されるようになることで、ノイズの問題が顕在化している。加えて、高周波領域におけるノイズも無視できなくなりつつある。そのため、電力変換装置に使用されるノイズフィルタの性能向上は、電力変換装置の小型化にとって、非常に重要な課題である。
ところで、電力変換装置のコモンモードノイズは、一般的にライン−グランド間コンデンサ(以下、Yコンデンサと称する)を用いて対策されている。Yコンデンサには、電極構造などに起因する寄生インダクタンスが存在する。このため、寄生インダクタンスのわずかな変化によって、ノイズフィルタのフィルタ特性が劣化するという問題が生じる。すなわち、寄生インダクタンスの変化は、コモンモード電流のバイパス性能を低下させる要因となっている。
このような問題に対しては、グランド電位と2つの差動信号ラインに接続される2つのYコンデンサを備えた従来技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、Yコンデンサを流れるコモンモード電流に対して、相互インダクタンスが負の値となるように2つのYコンデンサが配置されている。このような配置を採用することで、特許文献1は、寄生インダクタンス成分を低減させ、ノイズフィルタ機能の向上を実現している。
特許第6075834号公報
しかしながら、この従来技術には、以下のような課題がある。特許文献1記載のプリント回路板は、出力信号に含まれるコモンモード電流を、フィルタ回路を構成するコンデンサ素子により半導体素子のグランド端子に帰還させることで、コンデンサの実効インダクタンスを低減させている。
このように、特許文献1は、Yコンデンサ同士の磁気結合への対策は図られている。しかしながら、特許文献1は、Yコンデンサ直近に別のコンデンサが配置されて磁気結合した場合についての対策までは、言及されていない。
電力変換装置では、Yコンデンサのほかに、ノーマルモードノイズを低減させるためのライン間コンデンサ(以下、Xコンデンサと称する)、電力平滑用のコンデンサなどが備えられている。
電力変換装置の小型化に伴い、これらのコンデンサとYコンデンサが隣り合って配置される場合が想定される。このような場合に、Yコンデンサが他のコンデンサと磁気結合することで、コモンモードノイズが増加する。特に、電力変換装置の小型化を進めるほど、ノイズの問題が顕著になる。また、磁気結合しないようにコンデンサ同士の間隔を空けると、コンデンサを配置する空間的な自由度が無くなる。このため、電力変換装置が大きくなるという問題もある。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、Yコンデンサと他のコンデンサを備える構成において、Yコンデンサと他のコンデンサとの磁気結合によるコモンモードノイズの増加を抑制するとともに、従来よりも装置サイズの小型を図った電力変換装置を得ることを目的とする。
本発明に係る電力変換装置は、第1信号ラインおよび第2信号ラインからなる一対の信号ラインと、グランドと、コモンモードノイズの低減対策用として、第1信号ラインとグランドとの間に接続される第1のコンデンサ、および第2信号ラインとグランドとの間に接続される第2のコンデンサと、第3のコンデンサとを備え、半導体スイッチング素子のスイッチング制御で電力変換する電力変換装置であって、第1のコンデンサを流れる電流の向きを第1方向、第2のコンデンサを流れる電流の向きを第2方向、第3のコンデンサを流れる電流の向きを第3方向と規定し、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、第3のコンデンサが互いに近接配置される際に、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが互いに逆向きとなるように配置され、第3のコンデンサは、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して平行となるように配置されているものである。
本発明に係る電力変換装置は、第1信号ラインおよび第2信号ラインからなる一対の信号ラインと、グランドと、コモンモードノイズの低減対策用として、第1信号ラインとグランドとの間に接続される第1のコンデンサ、および第2信号ラインとグランドとの間に接続される第2のコンデンサと、第3のコンデンサとを備え、半導体スイッチング素子のスイッチング制御で電力変換する電力変換装置であって、第1のコンデンサを流れる電流の向きを第1方向、第2のコンデンサを流れる電流の向きを第2方向、第3のコンデンサを流れる電流の向きを第3方向と規定し、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、第3のコンデンサが互いに近接配置される際に、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、第1方向と第2方向とが互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが互いに逆向きとなるように配置され、第3のコンデンサは、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して垂直となるように配置され、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、第1のコンデンサと第3のコンデンサとの磁気結合と、第2のコンデンサと第3のコンデンサとの磁気結合とがキャンセルされるように配置されているものである。
本発明によれば、磁気結合によるコモンモードノイズの増加を抑制でき、電力変換装置内におけるコンデンサの配置に関する制約を解消できる構成を備えている。この結果、Yコンデンサと他のコンデンサを備える構成において、Yコンデンサと他のコンデンサとの磁気結合によるコモンモードノイズの増加を抑制するとともに、従来よりも装置サイズの小型を図った電力変換装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るコモンモード電流の経路の例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るコンデンサの磁気結合を示す図である。 従来のYコンデンサとXコンデンサの配置と接続を示す図である。 従来のコンデンサ配置を採用した場合におけるコンデンサ間の磁気結合を説明するための回路図である。 本発明の実施の形態1に係るYコンデンサとXコンデンサの配置と接続を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るYコンデンサとXコンデンサの回路と磁気結合を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るYコンデンサとXコンデンサの、図6とは異なる配置例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るYコンデンサとXコンデンサの配置と接続を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るYコンデンサとXコンデンサの回路と磁気結合を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るYコンデンサとXコンデンサの配置と接続を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るYコンデンサとXコンデンサの、図11とは異なる配置例を示す図である。
以下、本発明の電力変換装置の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置1000の構成を示す図である。本実施の形態1に係る電力変換装置1000は、主回路100、Yコンデンサ3a、3b、およびXコンデンサ4を備えて構成されている。
一対の入力端子20a、20b間には、Yコンデンサ3a、3b、およびXコンデンサ4が接続されている。ここで、Yコンデンサ3a、3bは、ライン・バイパス・コンデンサに相当し、Xコンデンサ4は、アクロス・ザ・ライン・コンデンサに相当する。
Yコンデンサ3aは、第1入力端子20aとグランドとの間に接続される。一方、Yコンデンサ3bは、第2入力端子20bとグランドとの間に接続される。また、Xコンデンサは、一対の入力端子20a、20b間において、主回路100と電気的に並列接続されている。
主回路100は、スイッチング回路10、限流回路を構成するリアクトル110、および出力電圧を平滑する平滑コンデンサ5を備えて構成されている。
スイッチング回路10は、上側のスイッチング素子101と下側のスイッチング素子102を備えて構成されている。また、スイッチング回路10は、一対の出力端子30a、30b間において、第1スイッチング素子101と第2スイッチング素子102とが直列に接続された回路である。第1スイッチング素子101および第2スイッチング素子102は、それぞれMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Filed Effect Transistor)などで構成されている。
一対の入力端子20a、20b間には、直流電源1が電気的に接続される。第1入力端子20aは、直流電源1のプラス(P)端子と電気的に接続されている。第2入力端子20bは、直流電源1のマイナス(N)端子と電気的に接続されている。第1入力端子20aは、リアクトル110とスイッチング素子102からなる直列回路を介して第2入力端子20bに電気的に接続されている。
一対の出力端子30a、30b間には、平滑コンデンサ5および負荷2が電気的に接続されている。平滑コンデンサ5および負荷2は、一対の出力端子30a、30b間において、スイッチング回路10と電気的に並列接続されている。
コモンモードノイズは、スイッチング回路10の動作と密接に関係している。そこで、主回路100による昇圧の動作原理を簡単に説明する。初めに、半導体スイッチ素子101がオフ、半導体スイッチ素子102がオンの状態を考える。この場合、リアクトル110は、導通状態となり、励磁されてエネルギーを蓄積する。
次に、半導体スイッチ素子101がオン、半導体スイッチ素子102がオフの状態を考える。この場合、リアクトル110は、開放状態となり、内部に蓄積したエネルギーを出力側に放出してリセットされる。所望の周波数を用いてこのようなスイッチング制御が行われる結果、リアクトル110は、励磁とリセットが繰り返されて、昇圧が可能になる。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置のスイッチング動作により生じるコモンモードノイズの経路例である。図2では、直流電源1とグランド電位との間に生じる寄生容量1p、半導体スイッチ素子101のドレイン端子とグランド電位との間に生じる寄生容量101p、半導体スイッチ素子102のドレイン端子とグランド電位との間に生じる寄生容量102pをそれぞれ追加して例示した。
コモンモードノイズは、信号線とグランドとの間にノイズ源が存在することで、二本の信号ラインに伝達されるノイズである。いま、半導体スイッチ素子101、102のスイッチング動作により、半導体スイッチ素子102のドレイン端子とグランド電位との間に電位差が生じることで、コモンモード電流が発生する。
半導体スイッチ素子のドレイン端子で発生したコモンモード電流は、寄生容量102pを通り、グランドラインからYコンデンサ3a、3bを経由して、半導体スイッチ素子102へ戻ってくる。この電流が、コモンモードノイズとなる。
ここで、電力変換装置1000の入力側に設けられたYコンデンサ3a、3bは、低インピーダンスである。そのため、コモンモード電流は、直流電源1の寄生容量1pを通らず、インピーダンスの低いYコンデンサ3a、3bを流れる。その結果、直流電源1側には、伝導ノイズの影響が及ばないため、電源ケーブルなどからの放射ノイズも低減される。
図3は、本発明の実施の形態1に係るコンデンサの磁気結合を説明する図である。具体的には、図3(a)は、寄生インダクタンスを考慮したコンデンサの等価回路を用いて、磁気結合を説明する図である。一方、図3(b)は、磁気結合しているコンデンサの配置例である。Yコンデンサ3a、3bは、内部に寄生インダクタンスLsを持っている。このため、図3(b)に示すように、Yコンデンサ3a、3bが互いに隣り合うような配置方法をとる場合には、寄生インダクタンスLsが磁気結合して、相互インダクタンスMを発生させる。
図1に示したように、一対の信号ラインP、信号ラインNのうち、信号ラインPには、Yコンデンサ3aの上側端子とXコンデンサ4の上側端子とが、それぞれ接続されている。もう一方の信号ラインNには、Yコンデンサ3bの上側端子とXコンデンサ4の下側端子とが、それぞれ接続されている。Yコンデンサ3aおよびYコンデンサ3bの下側端子は、それぞれグランドと接続されている。ここで、Yコンデンサ3aを流れる電流の向きを第1方向、Yコンデンサ3bを流れる電流の向きを第2方向、Xコンデンサ4を流れる電流の向きを第3方向と規定する。
図4は、従来のYコンデンサ3a、3bおよびXコンデンサ4の配置と接続を示した図である。具体的には、図4(a)は、Yコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4とが、全て横一線に配置された状態を例示している。つまり、Yコンデンサ3a、3bは、第1方向と第2方向とが互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが同じ向きとなるように配置されている。さらに、Xコンデンサ4は、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して平行となるように配置されている。
一方、図4(b)は、Yコンデンサ3a,3bが縦一列に並び、Yコンデンサ3a,3bと隣り合うようにXコンデンサ4が配置された状態を例示している。つまり、Yコンデンサ3a、3bは、第1方向と第2方向とが1本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが同じ向きとなるように配置されている。さらに、Xコンデンサ4は、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して平行となるように配置されている。
図4(a)、図4(b)に示したYコンデンサ3a、3bは、ともに、信号ラインPまたは信号ラインNに接続される上側端子が紙面上で上側に配置され、グランドに接続される下側端子が紙面上で下側に配置されている。このような図4に示した従来の接続方法では、Yコンデンサ3a、3bの特性が悪化する。
その様子を、図5に示す磁気結合状態を考慮した回路図を用いて詳細に説明する。図5は、従来のコンデンサ配置を採用した場合におけるコンデンサ間の磁気結合を説明するための回路図である。
図5においては、Xコンデンサ4に流れる電流をi、Yコンデンサ3a、3bに流れるコモンモード電流をiY1、iY2、Yコンデンサ3a、3bに流れるノーマルモード電流をiYX、Xコンデンサ4に生じる電圧をv、Yコンデンサ3a、3bに生じる電圧をvY1、vY2とする。
また、各コンデンサの内部寄生インダクタンスをLs、Yコンデンサ3aと3bとの間の相互インダクタンスをM、Yコンデンサ3aとXコンデンサ4との間の相互インダクタンスをMとし、Yコンデンサ3bとXコンデンサ4との間の相互インダクタンスをMとする。
図4(a)、図4(b)に示したようなコンデンサの配置と接続が、コモンモードノイズに対するフィルタ効果を悪化させることを示すために、高周波ノイズに対するインピーダンスとなるインダクタンス成分に注目する。
Y1、vY2は、下式(1)および(2)のように示される。ここで、相互インダクタンスが、M=M=Mであると仮定した場合には、vは、下式(3)となる。
Figure 0006444458
上式(1)および(2)について、右辺第二項の相互インダクタンスMおよびMの項に注目する。iが変動した場合、vY1およびvY2が同じ極性で変動することがわかる。したがって、Xコンデンサ4に電流が流れると、Yコンデンサ3a、3bのそれぞれの両端に同じ極性の電圧が誘起されるため、コモンモード電流が発生する。その結果、コモンモードノイズが生じる。
また、上式(1)および(2)の右辺第三項の相互インダクタンスMの項より、コモンモード電流iY1、iY2によって、vY1、vY2がそれぞれ誘起される。このようにして誘起される電圧は、内部寄生インダクタンスLsで生じる電圧と同極性である。つまり、磁気結合によって、コモンモードノイズに対する、等価的なインダクタンス成分が増加していることと同じである。これは、コモンモードノイズに対するフィルタの効果が悪化していることを意味している。
さらに、上式(3)の右辺第二項に示す相互インダクタンスMから、コモンモード電流iY1、iY2が流れることにより、Xコンデンサ4にノーマルモード電流を流す電圧が誘起される。この結果、ノーマルノイズが発生する。
なお、図4(b)に示す配置を採用した場合には、Yコンデンサ3aと3bとの間の相互インダクタンスMは、図4(a)に示す配置と比較して低くなる。しかしながら、Xコンデンサ4との相互インダクタンスMおよびMが、コモンモードノイズを誘起するため、ノイズ悪化の傾向は、図4(a)と図4(b)で同様である。
上述したように、図4(a)、(b)に示すコンデンサの配置では、寄生インダクタンスによる磁気結合によって、コモンモードノイズおよびノーマルモードノイズが、悪化する。
図6は、本発明の実施の形態1に係るYコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4の配置と接続を示す図である。具体的には、図6(a)は、Yコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4とが、全て横一線に配置された状態を例示している。つまり、Yコンデンサ3a、3bは、第1方向と第2方向とが互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが互いに逆向きとなるように配置されている。さらに、Xコンデンサ4は、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して平行となるように配置されている。
一方、図6(b)は、Yコンデンサ3a,3bが縦一列に並び、コンデンサ3a,3bと隣り合うようにXコンデンサ4が配置された状態を例示している。つまり、Yコンデンサ3a、3bは、第1方向と第2方向とが1本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが互いに逆向きとなるように配置されている。さらに、Xコンデンサ4は、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して平行となるように配置されている。
一対の信号ラインP、信号ラインNのうち、信号ラインPには、Yコンデンサ3aの上側端子とXコンデンサ4の上側端子とが、それぞれ接続されている。もう一方の信号ラインNには、Yコンデンサ3bの下側端子とXコンデンサ4の下側端子とが、それぞれ接続されている。Yコンデンサ3aの下側端子およびYコンデンサ3bの上側端子は、それぞれグランドと接続されている。
図6(a)、図6(b)に示したYコンデンサ3aは、信号ラインPに接続される上側端子が紙面上で上側に配置され、グランド端子が紙面上で下側に配置されている。一方、図6(a)、図6(b)に示したYコンデンサ3bは、信号ラインNに接続される上側端子が紙面上で下側に配置され、グランド端子が紙面上で上側に配置されている。
このような、図6に示す本実施の形態1におけるYコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4との接続および配置では、ノイズフィルタとしての性能が改善できる。その様子を、図7に示す磁気結合状態を考慮した回路図を用いて詳細に説明する。図7は、本発明の実施の形態1に係るコンデンサ配置を採用した場合におけるコンデンサ間の磁気結合を説明するための回路図である。なお、図7で使用する記号は、先の図5の定義と同様である。
ノイズフィルタとしての性能が改善されることを示すために、高周波ノイズに対するインピーダンスとなるインダクタンス成分に注目する。vY1、vY2は、下式(4)および(5)のように示される。ここで、相互インダクタンスが、M=M=Mであると仮定した場合には、vは、下式(6)で表される。
Figure 0006444458
上式(4)および(5)の右辺第二項の相互インダクタンスMおよびMに注目する。Xコンデンサに流れる電流iが変動した場合、vY1およびvY2は、逆の極性で変動することがわかる。したがって、Xコンデンサ4に電流が流れると、Yコンデンサ3a、3bにはノーマルモード電流が生じる方向に電圧が誘起される。その結果、コモンモードノイズへの影響はない。
さらに、上式(4)および(5)の右辺第三項の相互インダクタンスMより、コモンモード電流iY1、iY2によってvY2、vY1がそれぞれ誘起される。誘起される電圧vY2およびvY1は、内部寄生インダクタンスLsで生じる電圧と逆の極性である。したがって、磁気結合によって、コモンモードノイズに対する等価的なインダクタンス成分が減少したことを示している。これは、コモンモードノイズに対するフィルタ効果の向上を意味している。
さらに、上式(6)の右辺第二項に記述されている相互インダクタンスMに関して、同等のコモンモード電流iY1およびiY2が流れる場合、この第二項は、0になる。つまり、Xコンデンサ4への影響は少なく、コモンモードノイズにより生じるノーマルモードノイズを抑制できる。
なお、図6(b)に示す配置を採用した場合には、Yコンデンサ3a、3b間の相互インダクタンスMは、図6(a)に示す配置と比較して低くなる。そのため、図6(b)の配置は、コモンモードノイズに対する等価的なインダクタンス成分の減少は見込めないが、性能悪化は防止可能である。
上述したように、図6に示すコンデンサの配置では、寄生インダクタンスLsの磁気結合によって、コモンモードノイズおよびノーマルモードノイズに対するフィルタ効果を向上させることができる。
以上のように、実施の形態1の電力変換装置によれば、YコンデンサおよびXコンデンサを流れる電流が互いに平行方向となり、さらにYコンデンサを流れる電流同士が逆方向となるように、コンデンサを隣り合って配置・接続し、Xコンデンサの影響によるコモンモードノイズの悪化を防止できる構成を備えている。その結果、コンデンサの近接配置が可能となり、部品配置の制約が緩和され、ノイズフィルタ部の小型化を実現できる。
ノイズフィルタの性能向上は、YコンデンサおよびXコンデンサを一列に配置し、コモンモード電流によるYコンデンサの等価的なインダクタンス成分を減少させることで実現できる。
コモンモードノイズの増加は、一対の信号ラインに接続されているYコンデンサとXコンデンサを近接させて配置し、空間を含めたレイアウトの有効活用を考慮して配線することにより防止できる。
2つのYコンデンサおよび1つのXコンデンサの配置は、等間隔になることにより、効果が得られる。そのため、3つのコンデンサの配置に関する順序は、問題とならない。例えば、Xコンデンサを挟んで間隔を同一として2つのYコンデンサを配置することも可能である。この場合、上式(4)から(6)で示した相互インダクタンスM、Mがほぼ同一の値となり、Xコンデンサの影響で生じるコモンモードノイズをより抑制できる。
さらに、2つのYコンデンサと1つのXコンデンサの配置に関する重要な点は、隣り合う3つのコンデンサを流れる電流の方向が平行になっていることである。そのため、3つのコンデンサは、必ずしも同一平面上で接続する必要はない。図8は、本発明の実施の形態1に係るYコンデンサとXコンデンサの、図6とは異なる配置例を示す図である。例えば、この図8のように、2つのYコンデンサの配線接続する面が側面である場合であっても、コモンモードノイズの抑制効果が得られる。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、Yコンデンサ3a、3bおよびXコンデンサ4を近接配置し、インダクタンス成分を減少させるように3つのコンデンサを配線することで、コモンモードノイズの抑制を実現する場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、ノーマルモードノイズを抑制し、フィルタ性能を改善する場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態2に係るYコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4の配置と接続を示す図である。具体的には、図9(a)は、Yコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4とが、全て横一線に配置された状態を例示している。つまり、Yコンデンサ3a、3bは、第1方向と第2方向とが互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが互いに逆向きとなるように配置されている。さらに、Xコンデンサ4は、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して平行となるように配置されている。
一方、図9(b)は、Yコンデンサ3a,3bが縦一列に並び、コンデンサ3a,3bと隣り合うようにXコンデンサ4が配置された状態を例示している。つまり、Yコンデンサ3a、3bは、第1方向と第2方向とが1本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが互いに逆向きとなるように配置されている。さらに、Xコンデンサ4は、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して平行となるように配置されている。
一対の信号ラインP、信号ラインNのうち、信号ラインPには、Yコンデンサ3aの下側端子とXコンデンサ4の上側端子とが、それぞれ接続されている。もう一方の信号ラインNには、Yコンデンサ3bの上側端子とXコンデンサ4の下側端子とが、それぞれ接続されている。Yコンデンサ3aの上側端子およびYコンデンサ3bの下側端子は、それぞれグランドと接続されている。
図9(a)、図9(b)に示したYコンデンサ3aは、信号ラインPに接続される上側端子が紙面上で下側に配置され、グランド端子が紙面上で上側に配置されている。一方、図9(a)、図9(b)に示したYコンデンサ3bは、信号ラインNに接続される上側端子が紙面上で上側に配置され、グランド端子が紙面上で下側に配置されている。すなわち、本実施の形態2における図9に示したYコンデンサ3a、3bの向きは、先の実施の形態1における図6に示したYコンデンサ3a、3bの向きと逆になっている。
このような、図9に示す本実施の形態2におけるYコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4との接続および配置では、ノイズフィルタとしての性能が改善できる。その様子を、図10に示す磁気結合状態を考慮した回路図を用いて詳細に説明する。なお、図10で使用する記号は、先の図5および図7の定義と同様である。
ノイズフィルタとしての性能が改善されることを示すために、高周波ノイズに対するインピーダンスとなるインダクタンス成分に注目する。vY1、vY2は、下式(7)および(8)のように示される。ここで、相互インダクタンスが、M=M=Mであると仮定した場合には、vは、下式(9)で表される。
Figure 0006444458
上式(7)〜(9)からわかるノイズフィルタの性能向上の効果は、先の実施の形態1における式(4)〜(6)の説明で述べた内容と同様である。
ここで、信号ラインPと信号ラインNとの間に直列接続されたYコンデンサ3a、3bのノーマルモードの性能について説明する。コモンモード電流iY1=iY2とすれば、Yコンデンサ3aとYコンデンサ3bとの間の電圧vY1−vY2は、下式(10)となる。
Figure 0006444458
上式(10)より、右辺第二項のdi/dtの項について、Yコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4のノーマルモード成分に関する相互インダクタンスは−(M+M)で負の値となっている。これより、Xコンデンサ4にノーマルモード電流iが流れる時、Yコンデンサ3a、3bのノーマルモード成分で誘起される電圧vY1−vY2は、減少する。これは、Yコンデンサ3a、3bのノーマルモードノイズに対する等価的なインピーダンスが減少することに相当する。
したがって、図9の配置を採用することにより、Yコンデンサ3a、3bのノーマルモードノイズに対する性能を向上させることができる。
なお、先の実施の形態1における図6に示す配置では、Yコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4のノーマルモード成分に関する相互インダクタンスは、(M+M)で正の値である。これに対して、本実施の形態2における相互インダクタンスは、上述したように、−(M+M)で負の値となっている。
ところで、図9(a)では、Yコンデンサ3aよりもYコンデンサ3bの方がXコンデンサ4に近い配置としている。この配置に対して、Xコンデンサ4の両側に、Yコンデンサ3aとYコンデンサ3bとを、同一距離で配置した場合の効果を考える。3つのコンデンサが、同一距離で配置された場合には、式(7)〜(9)で示した相互インダクタンスM、Mが、ほぼ同一の値となる。この結果、Xコンデンサ4の影響で生じるコモンモードノイズを、先の実施の形態1における図6の配置を採用する場合と比較して、より抑制できる。
なお、図9の配置例に限らず、Yコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4との距離が同じとなる配置であれば、同様の効果が得られる。
また、先の実施の形態1の図6の配置において、Xコンデンサ4に接続されている信号ラインPと信号ラインNの配線をクロスさせ、Xコンデンサ4に流れる電流の方向を逆転させることで、図9で説明した場合と同様の効果が得られる。
以上のように、2つのYコンデンサと1つのXコンデンサの配置に関する重要な点は、隣り合う3つのコンデンサを流れる電流の方向が平行になっていることである。そのため、必ずしも同一平面上で接続する必要はなく、例えば、先の図8のように、2つのYコンデンサの配線接続する面が側面である場合であっても、ノイズの抑制効果が得られる。
実施の形態3.
先の実施の形態1および実施の形態2では、Yコンデンサ3a、3bおよびXコンデンサ4の配置と配線により、コモンモードノイズおよびノーマルモードノイズの抑制を実現する場合について、それぞれ説明した。これに対して、本実施の形態3では、コモンモードノイズをキャンセルするコンデンサの配置について説明する。
図11は、本実施の形態3における、ノイズフィルタ性能を改善できるYコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4の配置と配線を示す図である。この図11においては、Yコンデンサ3a、3bに流れる電流の方向が、Xコンデンサ4に対して垂直になるような方向で、Yコンデンサ3a、3bおよびXコンデンサ4が配置されている。
図11(a)において、一対の信号ラインP、信号ラインNのうち、信号ラインPには、Yコンデンサ3aのXコンデンサ4側の端子とXコンデンサ4の上側端子とが、それぞれ接続されている。もう一方の信号ラインNには、Yコンデンサ3bのXコンデンサ4側の端子とXコンデンサ4の下側端子とが、それぞれ接続されている。Yコンデンサ3aおよびYコンデンサ3bの入力側端子は、それぞれグランドと接続されている。
つまり、Yコンデンサ3a、3bは、第1方向と第2方向とが互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが同じ向きとなるように配置されている。さらに、Xコンデンサ4は、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して垂直となるように配置されている。
一方、図11(b)において、信号ラインPには、Yコンデンサ3aのXコンデンサ4側の端子とXコンデンサ4の上側端子とが、それぞれ接続されている。もう一方の信号ラインNには、Yコンデンサ3bの入力側端子とXコンデンサ4の下側端子とが、それぞれ接続されている。
つまり、Yコンデンサ3a、3bは、第1方向と第2方向とが互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、第1方向と第2方向とが互いに逆向きとなるように配置されている。さらに、Xコンデンサ4は、第3方向が、第1方向および第2方向の両方に対して垂直となるように配置されている。
すなわち、図11(a)の配線では、Yコンデンサ3aとYコンデンサ3bに流れるコモンモード電流の方向が同じ方向となる場合を示している。一方、図11(b)の配線では、Yコンデンサ3aとYコンデンサ3bに流れるコモンモード電流の方向が逆の方向となる場合を示している。
図11より、Yコンデンサ3a、3bに流れる電流の方向をXコンデンサ4に対して垂直とすることにより、Yコンデンサ3a、3bとXコンデンサ4との磁気結合を理想的には0にできる。現実的には、結合を0とすることはできないが、十分に小さくすることが可能である。
従って、図11に示した配置および配線を採用することで、先の実施の形態1および実施の形態2で示した、式(1)〜(9)の相互インダクタンスM、Mを0とすることができる。この結果、Yコンデンサ3a、3bの直近にXコンデンサ4を配置したとしても、互いに影響せず、ノイズフィルタの性能悪化を防止することができる。
図11(a)の場合は、式(1)〜(3)において、相互インダクタンスM、Mを0とした式となる。一方、図11(b)の場合は、式(4)〜(9)において、相互インダクタンスM、Mを0とした式となる。
図11(b)の3つのコンデンサ配置では、Yコンデンサ3a、3bにおいてコモンモードノイズに対する等価的なインダクタンス成分が減少する式となる。従って、図11(b)による配置は、図11(a)による配置よりも、コモンモードノイズに対するフィルタ効果を向上できる構成となる。
以上のように、実施の形態3における電力変換装置によれば、2つのYコンデンサに流れる電流の方向と、1つのXコンデンサを流れる電流の方向を垂直となるように、隣り合って配置・接続することで、YコンデンサとXコンデンサとの相互作用によるノイズ成分の増加を防止できる。その結果、コンデンサを近接配置することが可能になり、電力変換装置の小型化が実現できる。
さらに、2つのYコンデンサに流れるそれぞれの電流の方向を逆方向とすれば、コモンモードノイズに対する等価的なインダクタンス成分が減少し、コモンモードノイズに対するフィルタ効果の向上が実現できる。
すなわち、一対の信号ラインに接続されているYコンデンサとXコンデンサを近接させて配置した場合にも、空間を含めたレイアウトの有効活用を考慮して配線することにより、ノイズの増加を防止できる。
なお、図11で示した配置・接続例に限らず、Yコンデンサ3a、3bに流れる電流の方向がXコンデンサ4に対して垂直となるように、隣り合ってコンデンサが配置されていれば、上記と同様の効果が得られる。
図12は、本発明の実施の形態3に係るYコンデンサとXコンデンサの、図11とは異なる配置例を示す図である。例えば、この図12で示すように、配線接続する面が側面であるなどであっても良い。また、Xコンデンサ4を挟んでYコンデンサ3a、3bが配置されていても良い。
以上説明してきた実施の形態1から実施の形態3までにおいては、Yコンデンサ3a、3bと同一ラインに接続されているXコンデンサ4が、隣り合っている場合について説明した。しかしながら、Yコンデンサ3a、3bと別のラインにおいて存在するコンデンサが、隣り合う配置であってもいい。
例えば、Yコンデンサ3a、3bと図1の平滑コンデンサ5が隣り合っている場合には、実施の形態1から実施の形態3までに示した、コンデンサの配置・接続を採用することにより、平滑コンデンサ5の影響によるコモンモードノイズの悪化を防止することができる。つまり、Yコンデンサ3a、3bに対して、第3のコンデンサあるいは第4のコンデンサを配置する場合においても、実施の形態1から実施の形態3までに示したコンデンサの配置と接続を導入すれば、コモンモードノイズの悪化を防止することができる。
また、電力変換装置では、入力側と出力側の両方にYコンデンサ、Xコンデンサおよび平滑コンデンサを備えることが多い。そのため、スペースの有効活用には、コンデンサ部を集約して配置することが重要である。
このとき、入力側(または出力側)のYコンデンサと、出力側(または入力側)のXコンデンサまたは平滑コンデンサとにおいて、実施の形態1から実施の形態3までに示したコンデンサの配置と接続を導入すれば、コモンモードノイズの悪化を防止することのできる構成を備えた電力変換装置を実現できる。
また、実施の形態1から実施の形態3までにおいて説明したYコンデンサおよびその他のコンデンサは、フィルムコンデンサ、またはセラミックコンデンサが適している。フィルムコンデンサおよびセラミックコンデンサは、ある側面から反対側の側面まで一方向に電流が流れる電極構造であり、形状も立方体状である。このような電極構造および電極形状を有することから、フィルムコンデンサおよびセラミックコンデンサは、近接・整列されて配置されやすく、より磁気結合しやすいため、本発明がより効果的に働く。
さらに、実施の形態1から実施の形態3までにおいて説明した半導体スイッチ素子が、ワイドバンドギャップ半導体である場合には、特に効果的である。ワイドバンドギャップ半導体は、例えば、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ダイアモンドである。ワイドバンドギャップ半導体で構成される半導体スイッチ素子は、高スイッチング速度、高スイッチング周波数での駆動に適しており、シリコン半導体素子で構成される電力変換器と比べてノイズは高周波化する。
上式(1)〜(10)でわかるように、di/dtによって磁気結合時のノイズの影響は大きくなる。そのため、結合時のノイズへの影響を低減可能な本発明においては、ワイドバンドギャップ半導体を適用した高速駆動時に、より効果的に働く。勿論、シリコン半導体素子であっても効果が得られる。
実施の形態1から実施の形態3までにおいて、各コンデンサの接続方法は、基板のパターンやバスバーなど、電気的に接続されるものであれば良い。
また、実施の形態1から実施の形態3までの図4、図6、図9において、Yコンデンサ3a、3bは、Xコンデンサ4よりも小型であるものを想定して図示していた。しかしながら、本発明は、このような形状に限るものではない。また、実施の形態1から実施の形態3では、Xコンデンサ4を側面から見たときに、Yコンデンサ3a、3bが全て投影面内に収まるよう図示していた。しかしながら、本発明は、このような形状に限るものではなく、コンデンサが隣り合って配置されていればよい。
Xコンデンサ4を側面から見たときにYコンデンサ3a、3bの側面が投影面上に触れており、コンデンサ間に別の素子が存在せず、コンデンサ間が磁気シールド効果のある金属などの磁気遮蔽物で仕切られていない場合には、少なくとも隣り合っていると言える。
また、コンデンサ間に別の素子あるいは金属があったとしても、その素子あるいは金属がコンデンサ側面の面積に対して10%以下と小さく、コンデンサ間の距離が10mm以内であれば、磁気結合の影響を受けるほど隣り合っていると言え、本特許の効果が得られる。
本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態1〜3を自由に組み合わせることが可能である。また、各実施の形態1〜3の任意の構成要素を適宜、変更または省略することが可能である。
1 直流電源、2 負荷、3a、3b Yコンデンサ、4 Xコンデンサ、5 平滑コンデンサ、10 スイッチング回路、20a、20b 入力端子、30a、30b 出力端子、100 主回路、101 半導体スイッチング素子、102 半導体スイッチング素子、110 リアクトル、1000 電力変換装置。

Claims (11)

  1. 第1信号ラインおよび第2信号ラインからなる一対の信号ラインと、
    グランドと、
    コモンモードノイズの低減対策用として、前記第1信号ラインと前記グランドとの間に接続される第1のコンデンサ、および前記第2信号ラインと前記グランドとの間に接続される第2のコンデンサと、
    第3のコンデンサと
    を備え、半導体スイッチング素子のスイッチング制御で電力変換する電力変換装置であって、
    前記第1のコンデンサを流れる電流の向きを第1方向、前記第2のコンデンサを流れる電流の向きを第2方向、前記第3のコンデンサを流れる電流の向きを第3方向と規定し、前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、前記第3のコンデンサが互いに近接配置される際に、
    前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサは、互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、前記第1方向と前記第2方向とが互いに逆向きとなるように配置され、
    前記第3のコンデンサは、前記第3方向が、前記第1方向および前記第2方向の両方に対して平行となるように配置される
    電力変換装置。
  2. 前記第3のコンデンサは、前記第3方向が、前記第1方向および前記第2方向の両方に対して平行となるように配置され、
    前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、第3のコンデンサは、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとで形成されるノーマルモードの寄生インダクタンスと、前記第3のコンデンサの寄生インダクタンスとによる相互インダクタンスが負の値となるように配置されている
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 第1信号ラインおよび第2信号ラインからなる一対の信号ラインと、
    グランドと、
    コモンモードノイズの低減対策用として、前記第1信号ラインと前記グランドとの間に接続される第1のコンデンサ、および前記第2信号ラインと前記グランドとの間に接続される第2のコンデンサと、
    第3のコンデンサと
    を備え、半導体スイッチング素子のスイッチング制御で電力変換する電力変換装置であって、
    前記第1のコンデンサを流れる電流の向きを第1方向、前記第2のコンデンサを流れる電流の向きを第2方向、前記第3のコンデンサを流れる電流の向きを第3方向と規定し、前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、前記第3のコンデンサが互いに近接配置される際に、
    前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサは、前記第1方向と前記第2方向とが互いに平行な2本の直線と一致する方向となるように、かつ、前記第1方向と前記第2方向とが互いに逆向きとなるように配置され、
    前記第3のコンデンサは、前記第3方向が、前記第1方向および前記第2方向の両方に対して垂直となるように配置され、
    前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサは、前記第1のコンデンサと前記第3のコンデンサとの磁気結合と、前記第2のコンデンサと前記第3のコンデンサとの磁気結合とがキャンセルされるように配置されている
    電力変換装置。
  4. 前記第1信号ラインに一つ以上の素子を介して接続された第3信号ラインをさらに備え、
    前記第3のコンデンサは、前記第2信号ラインと前記第3信号ラインとの間に接続されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記第3のコンデンサは、前記第1信号ラインと前記第2信号ラインとの間に接続されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記第1信号ラインに一つ以上の素子を介して接続された第3信号ラインと、
    前記第2信号ラインと前記第3信号ラインとの間に接続される第4のコンデンサと
    をさらに備え、
    前記第4のコンデンサを流れる電流の向きを第4方向と規定した際に、
    前記第4のコンデンサは、前記第4方向が前記第3方向に平行となるように配置されている
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 信号ラインが配線接続される前記第1のコンデンサの接続面を第1接続面、信号ラインが配線接続される前記第2のコンデンサの接続面を第2接続面、信号ラインが配線接続される前記第3のコンデンサの接続面を第3接続面と規定した際に、
    前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、前記第3のコンデンサは、前記第1接続面、前記第2接続面、前記第3接続面が同一平面となるように配置されている
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 信号ラインが配線接続される前記第1のコンデンサの接続面を第1接続面、信号ラインが配線接続される前記第2のコンデンサの接続面を第2接続面、信号ラインが配線接続される前記第3のコンデンサの接続面を第3接続面と規定した際に、
    前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、前記第3のコンデンサは、前記第1接続面と前記第3接続面および前記第2接続面と前記第3接続面がともに直交するように配置されている
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 前記第3のコンデンサは、前記第1のコンデンサとの距離と、
    前記第2のコンデンサとの距離が等しくなるように配置されている
    請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、前記第3のコンデンサは、フィルムコンデンサまたはセラミックコンデンサである
    請求項1から9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 前記半導体スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体にて形成される素子である
    請求項1から10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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