JP6442888B2 - 工作機械及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械、特に、熱に起因する工作機械の主軸の傾き(熱変位)の補正、及びその補正の制御方法に関する。
従来、工作機械では、運転中に、主軸の傾きの補正を行なうことが知られている(特許文献1,2参照)。例えば、マシニングセンタにおいては、コラムの熱変形によりコラムの支持面が傾くことによって主軸が傾くことになる。
特許文献1には、温度上昇による工作機械のテーブルに対する主軸の微小な傾きを補正するため、主軸に補正熱源を設けることが記載されている。このとき、主軸の傾きの大きさは、有限要素法によって演算している。そして、主軸に傾きが生じていることが判れば、補正熱源が、主軸に熱を付与する。これにより、熱を付与した部分を熱膨張させ、主軸を変位させることで主軸の傾きを補正している。
また、特許文献2には、室温が主軸の温度より高くなりすぎることにより発生する主軸への露つきを防止するために、温度調整された流体を主軸内に循環させることが記載されている。そして、制御装置が、室温、主軸回転、及びこの主軸内に循環させる流体等によって上昇する主軸の温度上昇量を演算し、この温度上昇により変位する主軸の変位量を推定し、推定された変位量分をNC制御装置によって変位させ、回転工具の原点補正をしていることが記載されている。
特開平6−39682号公報 特開平6−155241号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、補正熱源が必要である。このため、工作機械のコストが上昇する。また、特許文献2に開示される技術では、主軸の変位量をNC制御装置によって変位させて原点補正しているため、ベッドに対する主軸の傾き自体は、補正できていない。このため、ワークの加工時には、ベッドに対して軸線が傾いた回転工具によって加工がされることになり、良好な加工面が得られない場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、熱によって変位した主軸を、低コストに補正し、良好な加工面を得ることが可能な工作機械及びその制御方法を提供することを目的とする。
(請求項1)本発明にかかる工作機械は、主軸と、前記主軸を回転可能に保持し、流体を流通させる少なくとも1つの流路が形成され、前記少なくとも1つの流路を流通する流体の温度に応じて前記主軸の回転軸線が傾くように熱変位する主軸保持体と、前記主軸の回転軸線の傾きを導出する傾き導出部と、流体を供給する流体供給装置と、前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸の冷却用流体として前記主軸に供給する主軸冷却用流路と、前記冷却用流体が前記主軸を通過することにより生成された加熱流体を、前記主軸保持体の前記少なくとも1つの流路に供給する加熱流路と、前記加熱流路に設けられ前記加熱流体の流量を制御する流量制御弁と、前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて前記流量制御弁を制御し、前記加熱流路を流通する前記加熱流体の流量を調整する制御装置と、を備える。
このように、主軸の冷却のために主軸を通過し、主軸と熱交換されたことで温度が上昇した加熱流体が、主軸保持体の少なくとも1つの流路に供給される。このとき、制御装置によって、加熱流体の流量が制御されることで、加熱流体によって、主軸保持体の流路付近に付与する熱量が制御される。そして、加熱流体が主軸保持体の流路付近に付与する熱量によって主軸保持体の流路付近が熱変位(膨張)し、主軸の傾きが補正される。これにより、補正熱源のような高価な部品を用いることなく、すでに取り回しされている主軸冷却用の流体を利用して主軸の傾き補正ができるため低コストに対応できる。
(請求項2)また、前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸を通過せずに直接、前記主軸保持体の前記少なくとも1つの流路に供給する非加熱流路を備え、前記制御装置は、前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて、前記加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記非加熱流路を流通する前記流体の流量と、を調整してもよい。
このように、主軸保持体の少なくとも1つの流路に、主軸通過後の加熱流体だけでなく、加熱流体よりも温度の低い主軸冷却用の流体も供給される。異なる温度の流体を用いることにより、主軸保持体の流路付近の熱変位が高精度に制御される。
(請求項3)また、前記主軸保持体には、前記少なくとも1つの流路としての第一保持体流路及び第二保持体流路が形成され、前記加熱流路は、前記加熱流体を前記第一保持体流路に供給する第一加熱流路と、前記加熱流体を前記第二保持体流路に供給する第二加熱流路と、を備え、前記制御装置は、前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、を調整してもよい。
このように、加熱流体が、主軸保持体において、異なる位置に位置する第一保持体流路と第二保持体流路とに供給される。これにより、第一保持体流路付近の熱変位と、第二保持体流路付近の熱変位と、をそれぞれ発生させることにより、主軸の傾き補正量が大きくなる。
(請求項4)また、前記主軸保持体には、前記少なくとも1つの流路としての第一保持体流路及び第二保持体流路が形成され、前記加熱流路は、前記加熱流体を前記第一保持体流路に供給する第一加熱流路と、前記加熱流体を前記第二保持体流路に供給する第二加熱流路と、を備え、前記非加熱流路は、前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸を通過せずに直接、前記第一保持体流路に供給する第一非加熱流路と、前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸を通過せずに直接、前記第二保持体流路に供給する第二非加熱流路と、を備え、前記制御装置は、前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第一非加熱流路を流通する前記流体の流量と、前記第二非加熱流路を流通する前記流体の流量とを調整してもよい。
このように、主軸保持体の第一保持体流路及び第二保持体流路に、加熱流体だけでなく、加熱流体よりも温度の低い主軸冷却用の流体も供給される。これにより加熱流体と主軸冷却用の流体とを、第一保持体流路及び第二保持体流路にそれぞれ流通させ、第一保持体流路及び第二保持体流路間の温度差をより良好に制御できるので、主軸の傾きがより精度よく補正できる。
(請求項5)また、前記工作機械は、前記主軸を通過した前記加熱流体を、前記第一加熱流路へ流通させる状態と前記第二加熱流路へ流通させる状態とを切り替える第一の3方弁と、前記流体供給装置により供給される前記流体を、前記第一非加熱流路へ流通させる状態と前記第二非加熱流路へ流通させる状態とを切り替える第二の3方弁と、を備え、前記流量制御弁は、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第一非加熱流路を流通する前記流体の流量と、を調整する第一の流量制御弁と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二非加熱流路を流通する前記流体の流量とを調整する第二の流量制御弁と、を備え、前記制御装置は、前記第一の3方弁及び前記第二の3方弁の切り替えと、前記第一の流量制御弁及び前記第二の流量制御弁の制御を行うことにより、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第一非加熱流路を流通する前記流体の流量と、前記第二非加熱流路を流通する前記流体の流量と、を調整してもよい。
このように、各流路への切り替えが、安価な第一、第二の3方弁によって行なわれ、低コスト化が図れる。また、第一,第二加熱流路を流通する加熱流体の流量と、第一,第二非加熱流路を流通する流体の流量とが、第一、第二の流量制御弁によって精度よく制御される。これにより、低コストでありながら、主軸保持体の第一保持体流路及び第二保持体流路付近は、精度よく調整された流体の流量、即ち熱量によって、所望の熱膨張が発生し主軸の傾きがより精度よく補正できる。
(請求項6)また、前記工作機械は、前記主軸を通過した前記加熱流体を、前記第一加熱流路へ流通させる状態と前記第二加熱流路へ流通させる状態とを切り替える第一の3方弁を備え、前記流量制御弁は、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量を調整する第一の流量制御弁と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量を調整する第二の流量制御弁と、を備え、前記制御装置は、前記第一の3方弁の切り替えと、前記第一の流量制御弁及び前記第二の流量制御弁の制御を行うことにより、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、を調整してもよい。
このように、第一,第二加熱流路への流通の切り替えが、安価な第一の3方弁によって行なわれ、低コスト化が図れる。また、第一,第二加熱流路を流通する加熱流体の流量が、第一、第二の流量制御弁によって精度よく制御される。これにより、安価でありながら主軸保持体の第一保持体流路及び第二保持体流路付近は、精度よく調整された流体の流量、即ち所望の熱量によって、所望の熱膨張が発生し主軸の傾きがより精度よく補正できる。
(請求項7)また、前記第一保持体流路及び前記第二保持体流路は、前記主軸を挟んで対向する位置に形成され、前記第一保持体流路及び前記第二保持体流路間が所定の温度差となるよう前記第一保持体流路及び前記第二保持体流路に前記流体が供給されてもよい。これにより、第一保持体流路及び第二保持体流路が所定の温度差となり、主軸の上下や左右など対向する方向への変位が良好に補正される。
(請求項8)また、前記傾き導出部は、熱変位補正ロジックによって前記主軸の前記回転軸線の傾きを導出してもよい。これにより、変位センサが不要となり、低コストとなる。
(請求項9)主軸と、前記主軸を回転可能に保持し、流体を流通させる少なくとも1つの流路が形成され、前記少なくとも1つの流路を流通する流体の温度に応じて前記主軸の回転軸線が傾くように熱変位する主軸保持体と、前記主軸の回転軸線の傾きを導出する傾き導出部と、流体を供給する流体供給装置と、前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸の冷却用流体として前記主軸に供給する主軸冷却用流路と、前記冷却用流体が前記主軸を通過することにより生成された加熱流体を、前記主軸保持体の前記少なくとも1つの流路に供給する加熱流路と、前記加熱流路に設けられ前記加熱流体の流量を制御する流量制御弁と、制御装置と、を備えた工作機械の制御方法であって、前記制御装置は、前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて前記流量制御弁を制御し、前記加熱流路を流通する前記加熱流体の流量を制御する。これにより、請求項1と同様の効果が得られる。
本発明を適用可能な工作機械の構成図である。 工作機械のうち主軸傾き補正装置を説明する図である。 回転主軸の傾きのメカニズムを説明する図である。 主軸傾き補正装置の作動のフローチャートである。 第二実施形態を説明する図である。 第三実施形態を説明する図である。 第四実施形態を説明する図である。 第五実施形態を説明する図である。
<第一実施形態>
(工作機械の構成)
本発明を適用する工作機械1の構成について説明する。工作機械1の一例として、横型マシニングセンタを例に挙げ、図1、図2を参照して説明する。工作機械1は、駆動軸として、相互に直交する3つの直進軸(X,Y,Z軸)および鉛直方向の回転軸(B軸)を有する工作機械である。なお、本発明は、横型マシニングセンタ以外の工作機械に対しても適用可能である。なお、以降の説明において、Z軸方向を前後方向といい、Y軸方向を上下方向といい、X軸方向を左右方向という場合がある。Z軸方向における前とは、図1の左側であり、Y軸方向における上は、図1の上側であり、X軸方向の左とは、人がZ軸方向前側を向いたときに、左手にあたる方向であるものとする。
図1に示すように、工作機械1は、ベッド10と、コラム20と、サドル30と、主軸40と、スライドテーブル50と、回転テーブル60と、変位センサ70と、制御装置80と、主軸冷却用の流体を供給する流体供給装置90と、を有している。
ベッド10は、設置面上に配置される。ベッド10の上面には、コラム20がX軸方向に直動可能に設けられる。コラム20は、X軸モータ21によりX軸ボールねじ(図示せず)を介して駆動される。コラム20の側面には、サドル30がY軸方向に直動可能に設けられる。サドル30は、Y軸モータ31によりY軸ボールねじ(図示せず)を介して駆動される。サドル30には、主軸40が回転可能に設けられる。主軸40は、主軸モータ41により駆動される。主軸40の先端には、回転工具42が着脱可能に固定される。主軸40と回転工具42とは、回転軸線が一致するよう固定される。回転工具42は、例えば、ボールエンドミル、エンドミル、ドリル、タップ等である。
また、ベッド10の上面には、スライドテーブル50がZ軸方向に直動可能に設けられる。スライドテーブル50は、Z軸モータ51によりZ軸ボールねじ(図示せず)を介して駆動される。スライドテーブル50の上面には、回転テーブル60がB軸回転(Y軸回りの回転)を可能に設けられる。回転テーブル60の上面には、工作物Wが固定される。回転テーブル60は、B軸モータ61により駆動される。
また、ベッド10には、コラム20のX軸方向位置を検出するためのX軸リニアスケール22、および、スライドテーブル50のZ軸方向位置を検出するためのZ軸リニアスケール52が設けられる。コラム20には、サドル30のY軸方向位置を検出するためのY軸リニアスケール32が設けられる。
変位センサ70は、例えば、ベッド10に取付けられる(取付け状態は図示しない)。変位センサ70は、工作機械1のベッド10の上面に対する主軸40の傾きを検出(導出)する。本実施形態においては、コラム20の熱変形によって、コラム20のサドル30を摺動させる面が傾く。コラム20の当該面の傾きによって、サドル30及びサドル30に支持される主軸40が傾くことになる。変位センサ70は、上記のようにコラム20の熱変形によって、主軸40がベッド10に対して傾く場合において、主軸40の傾きを検出(導出)する。なお、変位センサ70はどのような形式のセンサでもよい。変位センサ70は、制御装置80に電気的に接続され、出力が制御装置80に送信される。
制御装置80は、指令値に従って、主軸モータ41を制御して回転工具42を回転させ、かつ、各軸モータ21,31,51,61を制御して、工作物Wと回転工具42とを相対移動させることにより、工作物Wの加工を行なう。
(主軸傾き補正装置95について)
本実施形態においては、サドル30(本発明の主軸保持体に相当)と、主軸40と、変位センサ70(本発明の傾き導出部に相当)と、制御装置80と、流体供給装置90と、を含んで主軸傾き補正装置95が構成される(図2参照)。主軸傾き補正装置95は、コラム20の熱変形によって傾いてしまう主軸40の傾き変位を補正する装置である。
主軸傾き補正装置95は、さらに主軸冷却用流路100と、第一加熱流路110aと、第二加熱流路110bと、第一非加熱流路120aと、第二非加熱流路120aと、逆止弁121〜126と、第一の3方弁128と、第二の3方弁129と、第一の流量制御弁130と、第二の流量制御弁131と、を備える。
なお、主軸傾き補正装置95では、流体供給装置90からサドル30及び主軸40に流体を供給する各流路を多数有している。そこで、構成の説明を判りやすくするため、図2においては、便宜上、左側に示した主軸40が、サドル30に取り付けられた状態だけではなく、右側にも模式的に示されている。
サドル30は、図2中の破線に示すように、内部に、第一保持体流路34、及び第二保持体流路36を有している。第一保持体流路34及び第二保持体流路36は、図2において、主軸40を挟んでサドル30の上方と下方にそれぞれ対向するように設けられている。第一保持体流路34及び第二保持体流路36は、本発明に係る少なくとも1つの流路に相当する。第一保持体流路34は、入口34a及び出口34bを備える。また、第二保持体流路36は、入口36a及び出口36bを備える。第一保持体流路34及び第二保持体流路36には、流体供給装置90から供給される流体が流通する。
主軸40のハウジング内には、主軸40を冷却するための冷却通路40aが形成される。冷却通路40aには、流体供給装置90から供給される流体が流通する。流体が、主軸40内の冷却通路40aを通過すると、主軸40との間で流体の流量に応じて熱交換が行なわれる。
例えば、流通する流体の温度が、主軸40の温度より低ければ、主軸40の熱量が流体に移動し主軸40が冷却される。これにより、流体の温度が上昇する。以降、主軸40との熱交換により温度が上昇した流体を加熱流体と称す。また、加熱流体と対比させるため、主軸40によって加熱されていない流体を非加熱流体と称す。加熱流体の温度は、常に、制御装置80に取得される。その取得方法はどのようなものでもよい。例えば、図略の温度センサによって実際に測定しその結果を取得してもよい。また、制御装置80が、室温、主軸40の回転数等から主軸40の発熱量を推定し、当該発熱量と、主軸40内の冷却通路40aを通過する流体の温度及び流量とから、流体(加熱流体)の温度を演算してもよい。なお、主軸40の冷却ができるのであれば、冷却通路40aの形状はどのように形成されてもよい。冷却通路40aは入口40a1と出口40a2とを備える。
流体供給装置90は、主軸40の冷却のため、主軸40に流体(非加熱流体)を供給する。図示しないが、流体供給装置90は、流体(非加熱流体)の温度を一定の値に調節する機能を有している。これにより、室温が上昇する、若しくは工作機械の温度上昇等によっても流体(非加熱流体)の温度は一定に制御できるので、主軸40の冷却が安定して行なえる。
流体供給装置90は、オイルポンプ92と、所定量の流体(非加熱流体)が貯留されたリザーバタンク94とを備えている。オイルポンプ92は、モータMの回転作動により作動される。モータMは、制御装置80に電気的に接続され、制御装置80からの指令に基づいて回転数が制御される。オイルポンプ92は、フィルタ付の吸入口92aがリザーバタンク94内の流体(非加熱流体)内に浸漬される。本実施形態においては、リザーバタンク94内に貯留された流体(非加熱流体)の温度が一定となるよう図略の冷却機により調整される。オイルポンプ92の吐出口92bは、流体供給装置90の吐出口A(前述)及び吐出口Bに接続される。吐出口Aは、オイルポンプ92の吐出口92bと流路140の途中から分岐された流路142によって接続される。吐出口Bは、オイルポンプ92の吐出口92bと流路140によって接続される。
オイルポンプ92の吐出口92bの下流側には、逆止弁127が図2に示す状態で設けられる。さらに逆止弁127の下流側で、流路142との分岐までの間には、リザーバタンク94に向かって分岐されたリターン流路143が設けられる。リターン流路143の途中には、調圧弁139が介在し、オイルポンプ92の吐出圧が予め設定された圧を超えるとリターン流路143を介して流体(非加熱流体)がリザーバタンク94に還流される。流路142の途中には調圧弁138が介在し、オイルポンプ92の吐出圧が予め設定された圧を超えるとリターン流路144を介して流体(非加熱流体)がリザーバタンク94に還流される。
(主軸傾き補正装置95の流路)
主軸傾き補正装置95の流路について説明する。図2に示すように、主軸傾き補正装置95の流路である主軸冷却用流路100が、流体供給装置90の吐出口Aと、主軸40の冷却通路40aの入口40a1とを接続する。また、第一分岐前流路147が、冷却通路40aの出口40a2と、第一の3方弁128の入口128aとを接続する。また、第一加熱流路110aが、第一の3方弁128の一方の出口128bと、サドル30の第一保持体流路34の入口34aとを接続する。
また、第二加熱流路110bが、第一の3方弁128の他方の出口128cと、サドル30の第二保持体流路36の入口36aとを接続する。第一分岐前流路147,第一加熱流路110a及び第二加熱流路110bが、加熱流路を構成している。つまり、主軸40の冷却通路40aから送出された流体(加熱流体)は、制御装置80による第一の3方弁128の切り替え制御によって、第一加熱流路110aを経由し第一保持体流路34に流入される場合と、第二加熱流路110bを経由し第二保持体流路36に流入する場合とを有す。
また、リターン流路145が、第一分岐前流路147と、リザーバタンク94とを接続する。リターン流路145上には、調圧弁141が設けられる。冷却通路40aから吐出された流体(加熱流体)の吐出圧が予め設定された調圧弁141の圧を超えるとリターン流路145を介して流体(加熱流体)がリザーバタンク94に還流される。
また、第二分岐前流路149が、流体供給装置90の吐出口Bと、第二の3方弁129の入口129aとを接続する。また、第一非加熱流路120aが、第二の3方弁129の他方の出口129cと、サドル30の第一保持体流路34の入口34aとを接続する。なお、第一非加熱流路120aは、前述した第一加熱流路110aと接続点P(図2中参照)で接続され、接続点Pから第一保持体流路34の入口34aまでの間の流路が第一加熱流路110aと共用される。
また、第二加熱流路110bが、第二の3方弁129の一方の出口129bと、サドル30の第二保持体流路36の入口36aとを接続する。第二分岐前流路149,第一非加熱流路120a及び第二非加熱流路120bが、非加熱流路を構成している。つまり、流体供給装置90の吐出口Bから吐出された流体(非加熱流体)は、制御装置80による第二の3方弁129の切り替え制御によって、第一非加熱流路120aを経由し第一保持体流路34に流入される場合と、第二非加熱流路120bを経由し第二保持体流路36に流入する場合とを有す。なお、第二非加熱流路120bは、前述した第二加熱流路110bと接続点Q(図2中参照)で接続され、接続点Qから第二保持体流路36の入口36aまでの間の流路が第二加熱流路110bと共用される。
サドル30の第一保持体流路34の出口34bと、第二保持体流路36の出口36bとは、それぞれ流路146及び流路148に接続され、流路146と流路148とが途中で合流し、流路150となってリザーバタンク94に接続される。
第一加熱流路110a上で、第一非加熱流路120aと接続された接続点Pと第一の3方弁128との間に逆止弁121が設けられる。第二加熱流路110b上で、第二非加熱流路120bとの接続点Qと、第一の3方弁128との間に逆止弁122が設けられる。また、第一非加熱流路120a上で、接続点Pと第二の3方弁129との間に逆止弁124が設けられる。また、接続点Qと第二の3方弁129との間の流路上に逆止弁125が設けられる。さらに、流路146及び流路148上にもそれぞれ逆止弁123,126が設けられる。なお、各逆止弁の取付け方向は図2に示すとおりである。
第一の流量制御弁130は、第一加熱流路110a(第一非加熱流路120a)上におけるサドル30の第一保持体流路34の入口34a近傍に設けられる。第二の流量制御弁131は、第二加熱流路110b(第二非加熱流路120b)上におけるサドル30の第二保持体流路36の入口36a近傍に設けられる。第一の流量制御弁130、及び第二の流量制御弁131は、制御装置80の制御によって、バルブが軸線方向に進退し、開口部の開口面積を変化させて各流体の流量を調整する。第一の3方弁128、第二の3方弁129、第一の流量制御弁130、及び第二の流量制御弁131は、いずれも、制御装置80に電気的に接続される。そして、それらは、制御装置80からの指令に基づいて制御される。
(主軸40の傾きについて)
ここで、熱により発生する主軸40の傾きについて図3に基づいて説明する。工作機械1を作動させると、回転工具42と工作物Wとの接触による発熱、室温の上昇、及び主軸40を回転させる主軸モータ41の発熱等によって、主軸40が固定されるサドル30を支持するコラム20の温度が上昇する。これにより、コラム20が膨張する。コラム20が膨張すると、サドル30を支持する面が前方又は後方に倒れるようにコラム20が変形する場合がある。このコラム20の変形(熱変位)によってサドル30及び主軸40の回転軸線に傾きが発生する場合がある。
(主軸傾き補正装置95の基本動作)
次に、主軸傾き補正装置95の基本動作について、図2に基づき説明する。主軸傾き補正装置95が作動するためには、まず流体供給装置90が作動される。流体供給装置90では、制御装置80が指令を送信し流体供給装置90のオイルポンプ92のモータMを回転作動させてオイルポンプ92が作動される。
オイルポンプ92は、吸入口92aからリザーバタンク94内の流体(非加熱流体)を吸引し、吸引された流体(非加熱流体)は、流路140,142を流通して吐出口A,Bから吐出される。吐出口Aから吐出された流体(非加熱流体)は、主軸冷却用流路100、主軸40の冷却通路40aを経由し、加熱されて加熱流体となり、第一分岐前流路147を通って第一の3方弁128の入口128aに入力される。
(加熱流体がサドル30の第一保持体流路34に流通する場合)
上記状態において、まず、流体(加熱流体)がサドル30の第一保持体流路34に流通する場合について説明する。この場合、制御装置80が、指令を送信し、第一の3方弁128の状態を図2に示す状態とする。これにより、流体(加熱流体)は、第一の3方弁128の一方の出口128bから吐出され、第一加熱流路110aを経由してサドル30の入口34aから第一保持体流路34に流入する。
このとき、第一加熱流路110aに設けられた第一の流量制御弁130によって、流体(加熱流体)の流量が所望の量となるよう制御される。そして、所望の流量に制御された流体(加熱流体)が、第一保持体流路34を通過することによって、流体(加熱流体)は、前述したサドル30の上方のU部と熱交換される。その後、流体(加熱流体)は、出口34bから流路146を流通して流体供給装置90のリザーバタンク94に還流される。なお、第一の流量制御弁130によって、流量制御がされる際、不要な流体(加熱流体)はリターン流路145(図2右側)からリザーバタンク94に還流される。
また、このとき、流体供給装置90の吐出口Bから第二分岐前流路149を通って吐出された流体(非加熱流体)は、第二保持体流路36に供給される。このため、吐出口Bから吐出された流体(非加熱流体)は、第二の3方弁129の入口129aに入力される。そして、制御装置80が、指令を送信し第二の3方弁129の状態を図2に示す状態とする。これにより、流体(非加熱流体)は、第二の3方弁129の一方の出口129bから吐出され第二非加熱流路120bを経由してサドル30の第二保持体流路36の入口36aから第二保持体流路36に流入する。
このとき、第二非加熱流路120bに設けられた第二の流量制御弁131によって、流体(非加熱流体)の流量が所望の量となるよう制御される。そして、所望の流量に制御された流体(非加熱流体)が、第二保持体流路36を通過することによって、流体(非加熱流体)は、前述したサドル30の下方のD部と熱交換される。そして、流体(非加熱流体)は、出口36bから流路148,146を流通して流体供給装置90のリザーバタンク94に還流される。なお、第二の流量制御弁131によって、流量制御がされる際、不要な流体(非加熱流体)はリターン流路143,144からリザーバタンク94に還流される。
上記においては、図3に示すように、主軸40の取り付け部の上方のU部が下方のD部より温度が高くなる(図3右側のグラフ参照)。なお、U部(二点鎖線部参照)とは、サドル30において、筒状の第一保持体流路34の径方向外方で、第一保持体流路34付近に位置するサドル30の肉部をさす。また、D部(二点鎖線部参照)とは、サドル30において、筒状の第二保持体流路36の径方向外方で、第二保持体流路36付近に位置するサドル30の肉部をさす。
サドル30内が、上記のような温度分布となると、図3の二点鎖線(太線)に示すように、上方のU部が下方のD部より前方に向かって大きく膨張する。つまり、主軸40及び回転工具42は、ベッド10の上面に対し下方に向いて倒れるよう変位する(二点鎖線(太線)参照)。このため、コラム20の熱変位によって主軸40が上方に向かって傾いた場合には、サドル30内が上記温度分布となることによって、その傾きが良好に補正される。
(加熱流体がサドル30の第二保持体流路36に流通する場合)
次に、流体(加熱流体)がサドル30の第二保持体流路36に流通する場合について説明する。この場合、制御装置80が指令を送信し第一の3方弁128の状態を図2に示す状態から他方の状態に切り替える。これにより、流体(加熱流体)は、第一の3方弁128の他方の出口128cから吐出され、第二加熱流路110bを経由してサドル30の入口36aから第二保持体流路36に流入する。
このとき、第二加熱流路110bに設けられた第二の流量制御弁131によって、流体(加熱流体)の流量が所望の量となるよう制御される。そして、所望の流量に制御された流体(加熱流体)が、第二保持体流路36を通過することによって、流体(加熱流体)は、前述したサドル30の下方のD部と熱交換される。その後、流体(加熱流体)は、出口36bから流路148,146を流通して流体供給装置90のリザーバタンク94に還流される。なお、上記と同様、第二の流量制御弁131によって、流量制御がされる際、不要な流体(加熱流体)はリターン流路143,144からリザーバタンク94に還流される。
また、このとき、流体供給装置90の吐出口Bから第二分岐前流路149を通って吐出された流体(非加熱流体)は、第一保持体流路34に供給される。このため、吐出口Bから吐出された流体(非加熱流体)は、第二の3方弁129の入口129aに入力される。そして、制御装置80が指令を送信し第二の3方弁129の状態を図2に示す状態から他方の状態に切り替える。これにより、流体(非加熱流体)は、第二の3方弁129の他方の出口129cから吐出され、第一非加熱流路120aを経由してサドル30の第一保持体流路34の入口34aから第一保持体流路34に流入する。
このとき、第一非加熱流路120aに設けられた第一の流量制御弁130によって、流体(非加熱流体)の流量が所望の量となるよう制御される。そして、所望の流量に制御された流体(非加熱流体)が、第一保持体流路34を通過することによって、流体(非加熱流体)が、前述したサドル30の上方のU部と熱交換される。そして、流体(非加熱流体)は、出口34bから流路146を流通して流体供給装置90のリザーバタンク94に還流される。なお、上記と同様、第一の流量制御弁130によって、流量制御がされる際、不要な流体(非加熱流体)はリターン流路145からリザーバタンク94に還流される。
上記状態では、主軸40が固定されるサドル30内の上方のU部より下方のD部の方が、温度が高くなる(図略)。サドル30内がこのような温度分布となると、図3中の二点鎖線(太線)とは逆方向に、変位する(図略)。つまり、主軸40及び回転工具42は、ベッド10の上面に対し上方に向いて傾くよう変位する。このため、コラム20の熱変位によって主軸40が下方に向かって傾いた場合には、サドル30内が上記温度分布となることによって、その傾きが良好に補正される。
(主軸傾き補正装置95の作動について)
次に、主軸傾き補正装置95の傾き補正のための作動について、図4のフローチャートに基づき説明する。本実施形態では、主軸40(及び回転工具42)が、ベッド10の上面に対し上方に向いて傾くよう変位した場合について説明する。
ステップS10では、変位センサ70(傾き導出部)が、主軸40の傾きθを検出(導出)する。そして、ステップS20で、制御装置80が、傾きθが閾値である所定の角度X度以上であるか否かを判定する。傾きθが、所定の角度X度以下であれば、制御装置80が、繰り返しステップS20を処理する。また、傾きθがX度を超えれば、ステップS30に移行する。なお、傾きθの閾値とは、傾き補正を行なう必要があるか否かを判定する基準値である。本実施形態では、傾きθの閾値をX度としたが、これはあくまで一例であって、傾きθの閾値は任意に設定すればよい。なお、本実施形態では、主軸40の傾きθは、ベッド10の上面に対する傾き量と説明した。しかし、これに限らず、傾きθは、ベッド10の上面以外の他の面や線を傾きの基準面、又は基準線とする場合を含む。
そして、ステップS30では、制御装置80が、検出(導出)された傾きθに基づき、傾きθを補正するサドル30のU部とD部の温度差Δtを演算する。制御装置80は、サドル30の熱膨張係数αを記憶しており、熱膨張係数αと傾きθとから、必要な温度差Δtを演算する。なお、このとき、制御装置80は、流体供給装置90が備えるリザーバタンク94に貯留される流体(非加熱流体)の温度を設定値に基づいて記憶している。また、前述したように加熱流体の温度を常時取得し記憶している。
本実施形態では、主軸40が、ベッド10の上面に対し上方に向いて傾くよう変位している。これより、U部の温度をD部の温度より高くし、主軸40を下方に傾かせればよい。つまり、主軸40の傾きを補正するには、U部、即ち、U部に接する第一保持体流路34に温度の高い流体(加熱流体)を供給すればよい。反対に、D部に接する第二保持体流路36に、主軸40を通過せず流体供給装置90から直接供給された温度の低い流体(非加熱流体)を供給すればよい。なお、本実施形態においては、上記における傾きθを補正するための温度差Δtは、常にプログラム上における前回の温度差Δtからの差分となっている。
次に、ステップS40では、制御装置80が、第一保持体流路34に供給すべき流体(加熱流体)の流量Q1、及び第二保持体流路36に供給すべき流体(非加熱流体)の流量Q2を演算する。流量Q1,流量Q2は、主軸40の傾きを補正するために必要とされるU部の温度(熱量)、及びD部の温度(熱量)、サドル30の比熱、その時の加熱流体、及び非加熱流体の温度等から演算する。
ステップS50では、制御装置80が、第一保持体流路34及び第二保持体流路36に、演算された流量Q1の流体(加熱流体)及び流量Q2の流体(非加熱流体)を供給するために、第一の3方弁128等の各機器の制御を行なう。第一の3方弁128の状態は図2に示す状態のままである。また、第二の3方弁129の状態も図2に示す状態のままである。このような状態で、流体供給装置90を作動させる。すると、主軸40の冷却通路40aを経由して加熱された流体(加熱流体)が、サドル30の第一保持体流路34に流入する。このとき、第一保持体流路34に流入する流体(加熱流体)の流量(熱量)が、流量Q1となるよう制御装置80が第一の流量制御弁130を制御する。これにより、第一保持体流路34付近のサドル30の上方のU部が、流体(加熱流体)との間で熱交換され、所望の温度まで上昇する。
また、主軸40を経由しない流体(非加熱流体)が、サドル30の第二保持体流路36に流入する。このとき、第二保持体流路36に流入する流体(非加熱流体)の流量(熱量)が、流量Q2となるよう、制御装置80が第二の流量制御弁131を制御する。これにより、第二保持体流路36付近のサドル30の下方のD部が、流体(非加熱流体)との間で熱交換され、所望の温度まで低下する。つまり、U部とD部との間に所望の温度差Δtが発生する。
これによって、サドル30の下方のD部が、主軸40の回転軸線方向後方に向かって所定量だけ収縮して変位するとともに、上方のU部が、回転軸線方向前方に向かって所定量だけ膨張し、主軸40の傾きが、ベッド10の上面と平行な方向に近づくよう補正される。よって、回転工具42によって工作物Wを加工しても、精度のよい加工面性状を得ることができる。
なお、上記とは逆に、コラム20の熱変位により、主軸40が、ベッド10の上面に対し下方に向いて変位した場合にも、上記と同様、ステップS10〜S50の処理を行なえばよい。なお、ステップS50における各機器の制御は、すべて上記と逆の制御となる。
つまり、ステップS50では、制御装置80は、第一の3方弁128の状態を図2に示す状態から他の状態に切り替える。また、制御装置80は、第二の3方弁129の状態を図2に示す状態から他の状態に切り替える。これにより、流体供給装置90を作動させると、流体(加熱流体)が、サドル30の第二保持体流路36に流入する。また、流体(非加熱流体)が、サドル30の第一保持体流路34に流入する。あとは、それぞれステップS40で演算した第二保持体流路36に供給すべき流体(加熱流体)の流量Q2(熱量)、及び第一保持体流路34に供給すべき流体(非加熱流体)の流量Q1(熱量)を、第二の流量制御弁131及び第一の流量制御弁130によって制御し、それぞれ第二保持体流路36及び第一保持体流路34に供給すればよい。
上述の説明から明らかなように、上記実施形態によれば、サドル30(主軸保持体)の第一保持体流路34及び第二保持体流路36に、加熱流体だけでなく、加熱流体よりも温度の低い主軸冷却用の流体(非加熱流体)も供給されるよう構成した。このように、異なる温度の流体である加熱流体と非加熱流体とを、第一保持体流路34及び第二保持体流路36にそれぞれ流通させるので、第一保持体流路34及び第二保持体流路36間の温度差Δtを良好に制御でき、主軸40の傾きが精度よく補正できる。また、補正熱源のような高価な部品を用いることなく、すでに取り回しされている主軸冷却用の流体を利用して主軸の傾き補正ができるため低コストとなる。
また、上記実施形態によれば、第一保持体流路34及び第二保持体流路36の切り替えを安価な第一、第二の3方弁128,129によって行なうことができ低コスト化が図れる。また、第一,第二加熱流路110a,110bを流通する加熱流体の流量と、第一,第二非加熱流路120a,120bを流通する流体の流量とを第一、第二の流量制御弁130,131によって制御する。このため、第一保持体流路34及び第二保持体流路36への各供給流量が精度よく制御できる。これにより、サドル30(主軸保持体)の第一保持体流路34及び第二保持体流路36の付近(U部、D部)は、精度よく調整された流体の流量、即ち熱量によって、所望の熱膨張、及び熱収縮を発生させることができ、主軸40の傾きがより精度よく補正できる。
また、上記実施形態によれば、サドル30(主軸保持体)の第一保持体流路34及び第二保持体流路36は、主軸40を挟んで対向する位置に形成されている。これにより、第一保持体流路34及び第二保持体流路36に各流体が供給されると、温度差Δtが良好に制御され主軸40の上下方向への変位を良好に補正できる。
<第二実施形態>
なお、上記第一実施形態によれば、サドル30(主軸保持体)は、第一保持体流路34及び第二保持体流路36を備えた。そして、第一、第二の3方弁128,129の切り替えによって、2つの場合を切り替えた。1つの場合は、第一保持体流路34に加熱流体を供給し、第二保持体流路36に非加熱流体を供給する場合である。もう一つの場合は、第一保持体流路34に非加熱流体を供給し、第二保持体流路36に加熱流体を供給する場合である。
しかしながら、この態様には限らない。図5に示すように第二実施形態として、サドル30(主軸保持体)は、上記第一実施形態と同様に、第一保持体流路34及び第二保持体流路36を備えるが、非加熱流体の供給部を備えず、加熱流体を供給する供給部だけ備える構成のものでもよい。この主軸傾き補正装置を、主軸傾き補正装置195とする。つまり、主軸傾き補正装置195は、第一の3方弁128と、第一加熱流路110a、及び第二加熱流路110bとを備え、第一の3方弁128の切り替えによって、加熱流体を、第一,第二加熱流路110a,110bを介して、第一保持体流路34及び第二保持体流路36の何れかに選択的に供給する。なお、図5においては、第一実施形態の主軸傾き補正装置95と同様の部品については、同じ符号を付してある。同じ符号を付すことについては、以降に説明する第三、第四実施形態についても同様である。
このように、安価な構成によっても、流体(加熱流体)が、サドル30(主軸保持体)の第一保持体流路34と第二保持体流路36とに選択的に供給されることで、上方のU部若しくは下方のD部を熱膨張させ,主軸40の傾きを補正できる。このとき、第一,第二加熱流路110a,110bへの流通の切り替えは、安価な第一の3方弁128によって行なわれる。また、第一,第二加熱流路110a,110bを流通する加熱流体の流量は、第一、第二の流量制御弁130,131によって制御される。これにより、サドル30の第一保持体流路34及び第二保持体流路36の付近(U部、D部)は、安価な構成にもかかわらず、精度よく調整された流体の流量、即ち所望の熱量によって、所望の熱膨張が発生し主軸の傾きが精度よく補正できる。
<第三実施形態>
また、上記第一実施形態によれば、サドル30(主軸保持体)は、第一保持体流路34及び第二保持体流路36を備えた。そして、第一、第二の3方弁128,129の切り替えによって、第一保持体流路34及び第二保持体流路36に加熱流体と非加熱流体とをそれぞれ供給した。しかしこの態様には限らない。第三実施形態として、サドル30が、第一保持体流路34及び第二保持体流路36のいずれか一方のみを備える簡易な構成としてもよい。(図6参照)。この主軸傾き補正装置を、主軸傾き補正装置295とする。このとき、第二の3方弁129は有さず、第一の3方弁128は、加熱流体と非加熱流体との切り替えを行なう3方弁とする。なお、図6では、第一保持体流路34が設けられた態様を示している。しかし、これに限らず、第二保持体流路36のみが設けられる態様でもよい。
このように、第三実施形態の主軸傾き補正装置295によれば、サドル30(主軸保持体)の少なくとも1つの流路に、主軸40通過後の流体(加熱流体)だけでなく、加熱流体よりも温度の低い主軸冷却用の流体(非加熱流体)も選択的に供給されるようにした。加熱流体をサドル30に供給した際には、供給されたサドル30の部分は膨張し、その膨張に応じた変位によって傾きの補正が行なわれる。また、サドル30に温度の低い主軸冷却用の流体が供給されると、供給されたサドル30の部分は収縮し、加熱流体が供給された場合とは逆方向の変位が生じ、その収縮に応じた変位によって傾きの補正が行なわれる。これにより、低コストな構成であっても、主軸40の回転軸線の傾きの補正が1方向だけでなく反対方向においても可能となる。
<第四実施形態>
また、第四実施形態として、上記第三実施形態に対し、非加熱流体の供給流路を廃止してもよい。この主軸傾き補正装置を、主軸傾き補正装置395とする。このとき、流体(加熱流体)の供給流路上には、流体(加熱流体)の流通、遮断を行なうON−OFFバルブ228が設けられる。主軸40の傾き補正が必要な場合には、ON−OFFバルブ228を開弁させて流体(加熱流体)を、サドル30の第一保持体流路34(又は第二保持体流路36)に供給する。主軸40の傾き補正が不要な場合には、ON−OFFバルブ228を閉弁させて、流体(加熱流体)の流通を遮断する。
このように、第四実施形態によれば、加熱流体をサドル30(主軸保持体)の少なくとも1つの流路に供給する。このとき、制御装置80によって流量が制御されることで、加熱流体がサドル30に付与する熱量の制御もできる。そして、加熱流体が、サドル30に付与する熱量によってサドル30の一部を熱変位(膨張)させ、主軸40の傾きを補正する。このように非常に簡易な構成の主軸傾き補正装置395によっても、主軸40の傾きを補正することができる。
なお、上記第一、第二実施形態においては、サドル30(主軸保持体)に、第一保持体流路34及び第二保持体流路36を備える場合、その方向は、主軸40を挟んで重力方向において上下方向であった。しかし、この態様には限らず、第一保持体流路及び第二保持体流路を備える方向は、主軸を挟んで反対側に配置されれば、どこでもよい。
また、第一〜第四実施形態においては、主軸40の回転軸線の傾きは、コラム20の熱変位によるものであると説明した。しかし、この態様には限らない。主軸40の回転軸線の傾きは、ベッド10,サドル30等の熱変位によるものでもよい。これによっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
<第五実施形態>
上記第一〜第四実施形態における傾き導出部では、変位センサ70によって主軸40の傾きθを検出(導出)した。しかし、この態様には限らない。第五実施形態(図8参照)として、傾き導出部では、例えば、特開平6−39682号公報に開示されるような有限要素法によって主軸40の傾きθを演算(導出)してもよい。
具体的には、傾き導出部(演算部470)は、コラム20の温度を用いて、コラム20に対して有限要素法による構造解析を行い、コラム20におけるサドル30の摺動面の傾きを演算する(熱変位補正ロジックに相当)。コラム20におけるサドル30の摺動面の傾きが、コラム20の熱変形によって生じる主軸40の傾きに相当する。つまり、傾き導出部(演算部470)は、コラム20におけるサドル30の摺動面の傾きを、主軸40の回転軸線の傾きθとして演算する。上記以外は、第一〜第四実施形態と同様である。
ここで、有限要素法に基づく主軸40の回転軸線の傾きθの演算方法について説明しておく。ただし、有限要素法による構造解析の詳細については、特開平6−39682号公報に説明されている通りである。よって、概要のみ説明し詳細な説明については省略する。第五実施形態においては、傾き導出部は、前述のとおり制御装置80が備える演算部470である。また、第五実施形態の傾き導出部(演算部470)は演算処理を行なう演算工程を備える。当該演算工程は、図4のフローチャートのステップS10に相当する。
第五実施形態は、主軸傾き補正装置495を備える。主軸傾き補正装置495は、第一〜第四実施形態における主軸傾き補正装置95,195,295,395に相当する。主軸傾き補正装置495は、コラム20と、主軸40と、有限要素法の演算を実行する演算部470(本発明の傾き導出部に相当)と、演算部470を含む制御装置80と、流体供給装置90と、を有して構成される。
演算部470は、コラム20を構造解析するための条件として、材料固有の材料定数、各節点における温度情報、拘束条件、支持部におけるばね要素が必要である。しかし、第五実施形態では、構造解析の条件として、コラム20の各節点における温度情報のみ変化するものであって、他の条件は既知とする。そして、各節点における温度情報は、図略の温度センサにより検出される温度情報を用いる。例えば、予めコラム20の温度勾配を把握しておくことで、図略の温度センサにより検出された温度情報に基づき、各節点の温度が算出できる。なお、有限要素法による構造解析を行うために形成されるコラム20のモデルの作成方法については、任意である。
このようにして、演算部470(傾き導出部)では、推定されたコラム20の各節点の温度に基づいて、コラム20の熱変位量、即ち、コラム20に固定されるサドル30及びサドル30に固定される主軸40の傾きθが演算(推定)される。詳細には、コラム20の傾きによって発生する主軸40の回転軸線の傾きθは、コラム20が支持するサドル30の、Y軸方向におけるストローク範囲内において変動する主軸40の回転軸線の複数の傾きθ1〜θXの平均値を取ることによって得る。
前述したように、この演算部470の処理工程(演算工程)は、図4のフローチャートのステップS10に相当する。そして、上記第一〜第四実施形態と同様に、ステップS10の処理後、フローチャートのステップS20以降の処理が行なわれ、主軸40の回転軸線の傾きθの補正が行なわれる。
ただし、主軸傾き補正装置495に係るフローチャートのステップS30における温度差Δtは、上記第一〜第四実施形態とは異なり、プログラム上における前回の温度差Δtとの差分ではなく、コラム20の熱変位によって生じる主軸の傾きθ自体を補正するために必要な温度差Δtである。
このように、第一〜第五実施形態では、主軸40の回転軸線は、コラム20の熱変位に伴いベッド10に対して傾く。従って、主軸40をNC制御装置によってX軸、Y軸、Z軸方向にそれぞれ変位させて補正するだけでは、ベッド10に対する主軸40の傾きθまでは補正できない。これにより、工作物Wの加工時には、ベッド10に対して軸線が傾いた回転工具42によって加工されることになるため、良好な加工面が得られない場合がある。しかし、第一〜第五実施形態では、主軸傾き補正装置95,195,295,395,495によって、ベッド10に対する主軸40の回転軸線の傾きがなくなるよう補正されるので、工作物Wの加工面は良好となる。
なお、上記、第一〜第五実施形態においては、サドル30(主軸保持体)の第一保持体流路34及び第二保持体流路36に供給する加熱流体及び非加熱流体の各温度は、第一保持体流路34及び第二保持体流路36に流入する前の各種データに基づいてそれぞれ演算により求めた。しかし、この態様には限らない。サドル30の第一保持体流路34及び第二保持体流路36内に図略の温度センサを設け、第一保持体流路34及び第二保持体流路36を流動する加熱流体及び非加熱流体の温度を直接測定してもよい。そして、測定した加熱流体及び非加熱流体の温度に基づき、主軸傾き補正装置95,195,295,395,495によって流量Q1、Q2等の制御を行なうことで、ベッド10に対する主軸40の回転軸線の傾きの補正がより高精度に行なえる。
1・・・工作機械、 10・・・ベッド、 20・・・コラム、 30・・・サドル(主軸保持体)、 34・・・第一保持体流路、 36・・・第二保持体流路、 40・・・主軸、 40a・・・冷却通路、 42・・・回転工具、 70・・・変位センサ(傾き導出部)、 80・・・制御装置、 90・・・流体供給装置、 92・・・オイルポンプ、 94・・・リザーバタンク、 95,195,295,395,495・・・主軸傾き補正装置、 100・・・主軸冷却用流路、 110a・・・第一加熱流路(加熱流路)、 110b・・・第二加熱流路(加熱流路)、 120a・・・第一非加熱流路(非加熱流路)、 120b・・・第二非加熱流路(非加熱流路)、 121〜127・・・逆止弁、 128・・・第一の3方弁、 129・・・第二の3方弁、 130・・・第一の流量制御弁、 131・・・第二の流量制御弁、 470・・・演算部(傾き導出部)。

Claims (9)

  1. 主軸と、
    前記主軸を回転可能に保持し、流体を流通させる少なくとも1つの流路が形成され、前記少なくとも1つの流路を流通する流体の温度に応じて前記主軸の回転軸線が傾くように熱変位する主軸保持体と、
    前記主軸の回転軸線の傾きを導出する傾き導出部と、
    流体を供給する流体供給装置と、
    前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸の冷却用流体として前記主軸に供給する主軸冷却用流路と、
    前記冷却用流体が前記主軸を通過することにより生成された加熱流体を、前記主軸保持体の前記少なくとも1つの流路に供給する加熱流路と、
    前記加熱流路に設けられ前記加熱流体の流量を制御する流量制御弁と、
    前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて前記流量制御弁を制御し、前記加熱流路を流通する前記加熱流体の流量を調整する制御装置と、を備える、工作機械。
  2. 前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸を通過せずに直接、前記主軸保持体の前記少なくとも1つの流路に供給する非加熱流路を備え、
    前記制御装置は、
    前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて、前記加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記非加熱流路を流通する前記流体の流量と、を調整する、請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記主軸保持体には、前記少なくとも1つの流路としての第一保持体流路及び第二保持体流路が形成され、
    前記加熱流路は、
    前記加熱流体を前記第一保持体流路に供給する第一加熱流路と、
    前記加熱流体を前記第二保持体流路に供給する第二加熱流路と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、を調整する、請求項1に記載の工作機械。
  4. 前記主軸保持体には、前記少なくとも1つの流路としての第一保持体流路及び第二保持体流路が形成され、
    前記加熱流路は、
    前記加熱流体を前記第一保持体流路に供給する第一加熱流路と、
    前記加熱流体を前記第二保持体流路に供給する第二加熱流路と、
    を備え、
    前記非加熱流路は、
    前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸を通過せずに直接、前記第一保持体流路に供給する第一非加熱流路と、
    前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸を通過せずに直接、前記第二保持体流路に供給する第二非加熱流路と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第一非加熱流路を流通する前記流体の流量と、前記第二非加熱流路を流通する前記流体の流量と、を調整する、請求項2に記載の工作機械。
  5. 前記工作機械は、
    前記主軸を通過した前記加熱流体を、前記第一加熱流路へ流通させる状態と前記第二加熱流路へ流通させる状態とを切り替える第一の3方弁と、
    前記流体供給装置により供給される前記流体を、前記第一非加熱流路へ流通させる状態と前記第二非加熱流路へ流通させる状態とを切り替える第二の3方弁と、を備え、
    前記流量制御弁は、
    前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第一非加熱流路を流通する前記流体の流量と、を調整する第一の流量制御弁と、
    前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二非加熱流路を流通する前記流体の流量とを調整する第二の流量制御弁と、を備え、
    前記制御装置は、前記第一の3方弁及び前記第二の3方弁の切り替えと、前記第一の流量制御弁及び前記第二の流量制御弁の制御を行うことにより、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第一非加熱流路を流通する前記流体の流量と、前記第二非加熱流路を流通する前記流体の流量と、を調整する、請求項4に記載の工作機械。
  6. 前記工作機械は、前記主軸を通過した前記加熱流体を、前記第一加熱流路へ流通させる状態と前記第二加熱流路へ流通させる状態とを切り替える第一の3方弁を備え、
    前記流量制御弁は、
    前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量を調整する第一の流量制御弁と、
    前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量を調整する第二の流量制御弁と、を備え、
    前記制御装置は、前記第一の3方弁の切り替えと、前記第一の流量制御弁及び前記第二の流量制御弁の制御を行うことにより、前記第一加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、前記第二加熱流路を流通する前記加熱流体の流量と、を調整する、
    請求項3に記載の工作機械。
  7. 前記第一保持体流路及び前記第二保持体流路は、前記主軸を挟んで対向する位置に形成され、前記第一保持体流路及び前記第二保持体流路間が所定の温度差となるよう前記第一保持体流路及び前記第二保持体流路に前記流体が供給される、請求項3〜6の何れか一項に記載の工作機械。
  8. 前記傾き導出部は、
    熱変位補正ロジックによって前記主軸の回転軸線の傾きを導出する、請求項1〜7の何れか一項に記載の工作機械。
  9. 主軸と、
    前記主軸を回転可能に保持し、流体を流通させる少なくとも1つの流路が形成され、前記少なくとも1つの流路を流通する流体の温度に応じて前記主軸の回転軸線が傾くように熱変位する主軸保持体と、
    前記主軸の回転軸線の傾きを導出する傾き導出部と、
    流体を供給する流体供給装置と、
    前記流体供給装置により供給される流体を、前記主軸の冷却用流体として前記主軸に供給する主軸冷却用流路と、
    前記冷却用流体が前記主軸を通過することにより生成された加熱流体を、前記主軸保持体の前記少なくとも1つの流路に供給する加熱流路と、
    前記加熱流路に設けられ前記加熱流体の流量を制御する流量制御弁と、
    制御装置と、
    を備えた工作機械の制御方法であって、
    前記制御装置は、
    前記主軸の回転軸線の傾きに基づいて前記流量制御弁を制御し、前記加熱流路を流通する前記加熱流体の流量を制御する、工作機械の制御方法。
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