JPH10230435A - 電子冷却素子を用いた加熱・冷却方法,その加熱・冷却装置,及び工作機械の姿勢制御装置 - Google Patents

電子冷却素子を用いた加熱・冷却方法,その加熱・冷却装置,及び工作機械の姿勢制御装置

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JPH10230435A
JPH10230435A JP5407497A JP5407497A JPH10230435A JP H10230435 A JPH10230435 A JP H10230435A JP 5407497 A JP5407497 A JP 5407497A JP 5407497 A JP5407497 A JP 5407497A JP H10230435 A JPH10230435 A JP H10230435A
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JP
Japan
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heating
cooling
heat transfer
unit
machine tool
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JP5407497A
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Hajime Sakuraba
肇 櫻庭
Akio Ota
昭夫 太田
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Hitachi Seiki Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Seiki Co Ltd
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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B21/00Machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • F25B21/02Machines, plants or systems, using electric or magnetic effects using Peltier effect; using Nernst-Ettinghausen effect
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で対象物を自在に加熱,冷却する
技術の開発が求められていた。 【解決手段】 ケーシング9の内部に流路10が形成さ
れ、この流路10に流体4が流れる熱搬送ユニット3
と、この熱搬送ユニット3のケーシング9と対象物5と
の間に取付けられ、且つ電子冷却素子1を有する熱交換
器2とを備え、電子冷却素子1に供給される電流12の
向きを正,逆方向のいずれかに切換えることにより、対
象物5と熱搬送ユニット3との間で可逆的に熱を移動さ
せて対象物5を加熱,冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子冷却素子を用
いて対象物を加熱・冷却する方法,加熱・冷却装置,及
びマシニングセンタ(以下、MCと記載)など工作機械
の姿勢を制御するする装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、対象物の加熱,冷却を行う際に
は、一般的に加熱には電熱ヒータを用い、冷却には、圧
縮された気体の断熱膨張を利用した冷却装置を用いてい
る。ところが、これらの装置では、大きな設置面積が必
要なことや構造が複雑になるといった課題がある。
【0003】また、加熱,冷却される対象物がMCなど
工作機械の場合に、通常、工作機械が設置された工場内
又は室内の温度は、時間が経過すると変化することが多
い。この工場内温度変化や室温変化(以下、室温変化と
記載)による工作機械全体の熱変形が、工具と工作物を
含めてほぼ対称形(いわゆる、熱対称形状)であれば加
工誤差は生じにくい。ところが、MC等の場合には、機
体前方の切削加工領域がスプラッシュカバーにより囲ま
れているので、機体各部への室温変化の影響に差異が生
じる。また、工作機械には、機体各部の発熱源例えば主
軸軸受からのころがり摩擦熱や切削部分からの発熱等が
ある。
【0004】これら室温変化や発熱が機体各部に伝導し
て機体を熱変形させるが、この機体の熱変形は加工精度
を低下させる。例えば、工作機械の運転を開始する午前
中は室温は次第に上昇するが、工作機械の運転の有無に
かかわらず、前記室温変化により、機体が熱変位する。
即ち、外部に露出しているコラム後部側の方が、スプラ
ッシュカバー内の主軸頭やコラム前部側より室温変化の
影響を受けやすく早く暖められるので、コラムを含めた
機体全体が前方に傾くような変形をする。
【0005】次いで、工作機械が運転を開始し、前記発
熱源からの発熱による影響の方が室温変化の影響よりも
大きくなる場合には、機体の前方部分、特に加工領域側
のコラム前面が暖められて、今度は機体全体が後方に傾
くような変形をする。その後は、運転の稼動状況と室温
変化の度合いに応じて、機体全体が前方又は後方に傾く
ような変化をする。室温が常に一定の恒温室に工作機械
を設置すれば、室温変化の影響はなくなるが、発熱源か
らの発熱により機体が傾くような変形の発生を防止する
ことはできず、また、実際にはほとんどの工作機械は温
度変化のある室内に設置されている。
【0006】そのため、熱変位による工作機械の機体の
形状を制御する技術については種々の提案がなされてい
る。例えば、特開平4−82649号公報,「NIKK
EI MECHANICAL (1990年11月26
日発行),第98頁乃至第100頁」,及び「機械技
術,第40巻 第1号 (1992年1月号),第56
頁乃至第58頁」には、工作機械のコラムに板状の加熱
体と冷却体を貼り付け、この加熱体及び冷却体ごとにゾ
ーンを分けて、各ゾーンごとにコラムを加熱又は冷却す
る技術が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術では、加熱体と冷却体が別個になっており、これ
をそれぞれ制御するための制御方法及び制御装置が必要
である。そのため、全体の構成がかなり複雑且つ大掛か
りなものになり、その効果も不明である。
【0008】ところで、対象物を加熱,冷却するのに電
子冷却素子を用いる技術についても開発がすすめられて
いる。例えば、実開平2−82452号公報には、工作
機械の各部に温度センサと電子冷却素子を設け、この電
子冷却素子により工作機械の各部を加熱又は冷却する技
術が開示されている。ところが、この公報には、加熱,
冷却の際に電子冷却素子と工作機械との間で熱交換され
て移動する大量の熱量を、電子冷却素子と工作機械の外
部との間でどのように熱交換して移動させるかについて
は開示されていない。そのため、工作機械の各部を、電
子冷却素子により十分且つ自在に加熱,冷却できるか否
かは不明である。
【0009】一方、「NIKKEI MECHANIC
AL (1984年10月22日発行),第100頁及
び第101頁」には、電子冷却素子としてのペルティエ
半導体を介して、工作機械の主軸の熱を冷却水路に伝え
て制御することにより、主軸を冷却する技術が開示され
ている。ところが、この場合には、対象物が工作機械の
主軸であることから、電子冷却素子で主軸の冷却のみを
行なっており、対象物の加熱は前提としていない。
【0010】近年、工作機械における加工精度の高精度
化が特に望まれているが、上述のような室温変化や発熱
源からの発生熱等が原因となって機体が傾くような熱変
形を生じるので、加工精度の高精度化が困難であった。
【0011】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、簡単な構成で対象物を自在に加熱・冷却
する方法,加熱・冷却ユニット,及びこの加熱・冷却ユ
ニットを備えた加熱・冷却装置を提供することを目的と
する。また、本発明の別の目的は、工作機械の機体の熱
変位によって加工精度が低下しないように、加熱・冷却
装置によって機体を加熱,冷却することにより、工作機
械の姿勢を常にほぼ一定に維持制御又は所望の状態に制
御する工作機械の姿勢制御装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係る電子冷却素子を用いた加熱・冷却方法
は、ケーシングの内部に流路が形成され、この流路に流
体が流れる熱搬送ユニットと、この熱搬送ユニットの前
記ケーシングと対象物との間に取付けられ、且つ電子冷
却素子を有する熱交換器とを備えた加熱・冷却ユニット
を前記対象物に取付け、前記電子冷却素子に供給される
電流の向きを正,逆方向のいずれかに切換えることによ
り、前記対象物と前記熱搬送ユニットとの間で可逆的に
熱を移動させて前記対象物を加熱,冷却する。なお、前
記電子冷却素子に流れる電流を供給,遮断する切換えを
行うことにより、前記対象物と前記熱搬送ユニットとの
間を熱移動状態又は断熱状態にできることが好ましい。
【0013】前記方法を実施するための好適な加熱・冷
却ユニットは、ケーシングの内部に流路が形成され、こ
の流路に流体が流れる熱搬送ユニットと、この熱搬送ユ
ニットの前記ケーシングと対象物との間に取付けられ、
且つ電子冷却素子を有する熱交換器とを備え、前記電子
冷却素子に供給される電流の向きを正,逆方向のいずれ
かに切換えることにより、前記対象物と前記熱搬送ユニ
ットとの間で可逆的に熱を移動させて前記対象物を加
熱,冷却する。
【0014】前記加熱・冷却ユニットを備えた加熱・冷
却装置は、前記対象物の形状の変化又は寸法の変化を検
出する検出器と、この検出器で検出されたデータに基づ
いて、前記電流の向きを正,逆方向のいずれにすべきか
を判断して切換え手段で切換える制御装置と、前記熱搬
送ユニットに流れる前記流体を循環させる流体循環装置
とを備え、前記切換え手段で前記電流を切換えることに
よる前記対象物と前記熱搬送ユニットとの間の可逆的な
熱の移動により、前記対象物を加熱,冷却して前記対象
物の形状を常にほぼ一定の状態に維持制御又は所望の状
態に制御する。
【0015】なお、前記制御装置は、前記検出器で検出
された前記データに対応させて、前記電子冷却素子に供
給する前記電流の大きさを制御するようにしてもよい。
また、前記対象物が工作機械の機体の場合には、前記流
体は、前記工作機械の切削加工部に供給される切削油剤
で、切削油剤循環装置により循環使用され、また、前記
切削油剤は所定の温度に調整されているのが好ましい。
【0016】本発明に係る工作機械の姿勢制御装置は、
工作機械の機体の形状変化又は寸法の変化を検出するた
めに設けられる検出器と、前記機体に取付けられ、ケー
シングの内部に流路が形成され、この流路に流体が流れ
る熱搬送ユニット、及び、この熱搬送ユニットの前記ケ
ーシングと前記機体との間に取付けられ、且つ電子冷却
素子を有する熱交換器を備えた加熱・冷却ユニットと、
前記電子冷却素子に供給される電流の向きを正,逆方向
のいずれかに切換え可能な切換え手段と、前記検出器で
検出されたデータに基づいて、前記電流の向きを正,逆
方向のいずれにすべきかを判断して前記切換え手段で切
換える制御装置と、前記熱搬送ユニットに供給される前
記流体を循環させる流体循環装置とを備え、前記切換え
手段で前記電流を切換えて、前記加熱・冷却ユニットの
前記熱交換器と前記機体との間で可逆的に熱を移動させ
ることにより、前記機体を加熱,冷却して前記機体の姿
勢をほぼ一定の状態に維持制御又は所望の状態に制御す
る。
【0017】好ましくは、前記制御装置は、前記電子冷
却素子に流れる前記電流を供給,遮断する切換えを行う
ことにより、前記機体と前記熱搬送ユニットとの間を熱
移動状態又は断熱状態にできる。
【0018】なお、前記機体は前記工作機械のベッド又
はコラムであり、前記検出器は前記機体に設けられた少
なくとも二つの温度センサであり、また、前記加熱・冷
却ユニットは前記機体に少なくとも二つ取付けられてい
るのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
の一例を図1乃至図7を参照して説明する。図1は本発
明の加熱・冷却ユニットの原理を示す概略構成図、図2
は、この加熱・冷却ユニットを備えた加熱・冷却装置を
示すブロック図である。図1に示すように、本発明で
は、ペルチェ効果を利用した電子デバイスである電子冷
却素子(例えばペルチェ素子であり、以下、ペルチェ素
子と記載)1を有する熱交換器2を使用し、熱搬送ユニ
ット3内に流体4を流し、流体4を熱搬送媒体とした簡
易な構成で、対象物5を加熱,冷却している。
【0020】ペルチェ素子1を構成する半導体材料とし
ては、ビスマス・テルル系化合物半導体、ビスマス・ア
ンチモン・テルル系の化合物半導体が使用されることが
多いが、ペルチェ効果を有する材料であればよい。ペル
チェ素子1は、熱を可逆的に移動させて加熱,冷却を行
う能力を有しており、ペルチェ素子1に電流を流すだけ
で加熱,冷却機能を発揮する。したがって制御が容易で
あり、また、メカニカルな機構を使用しないので、小形
軽量,取扱いが容易,振動がない等の特徴を有してい
る。このように、ペルチェ素子1は、直流電流の向きを
変えることにより、熱交換の方向を変化させる特性を有
しているので、ペルチェ素子1を有する簡単な構成の加
熱・冷却ユニット6により、対象物5を自在に加熱又は
冷却することができる。
【0021】加熱・冷却ユニット6は、対象物5に裏面
(一方の面)7が密着して取付けられる底板8と、ケー
シング9の内部に流路10が形成され、流路10に流体
4が流れている熱搬送ユニット3と、熱搬送ユニット3
のケーシング9と底板8の表面(他方の面)11とに密
着して取付けられ且つペルチェ素子1を有する熱交換器
2とを備えている。なお、底板8を省略して、熱交換器
2を対象物5に直接密着させてもよい。
【0022】対象物5に取付けられた加熱・冷却ユニッ
ト6においては、ペルチェ素子1に供給される直流電流
(以下、電流と記載)12をオン,オフするとともに電
流12の向きを正,逆方向のいずれかに切換え可能な切
換え手段である切換スイッチ13で切換えることによ
り、底板8と熱交換器2とを介して、対象物5と熱搬送
ユニット3との間で可逆的に熱を移動させて、対象物5
を加熱,冷却するようにしている。
【0023】また、上述のように切換スイッチ13で電
流12の供給,遮断をする切換えを行うことにより、対
象物5と熱搬送ユニット3との間を熱移動状態又は断熱
状態にすることができる。即ち、対象物5と熱搬送ユニ
ット3を流れる流体4とに温度差が生じていても、対象
物5は流体4の温度に影響されることはない。なお、切
換え手段は、電流を供給するか遮断するかの切換えや、
電流の流れる向きの切換えを行うことができるものであ
ればよい。即ち、電気制御回路,ラダー回路等のリレー
接点,スイッチ等によって切換えるか、又は、プログラ
マブルコントローラにプログラムされたラダー回路など
の接点を切換えることにより行ってもよい。更に、極性
の異なる直流電源15を設け、それを切換えて使用する
ことにより電流の流れる向きを切換えてもよい。
【0024】ペルチェ素子1に電流12を供給する回路
14に設けられた切換スイッチ13は、直流電源15か
ら供給される電流12を、正方向に流すか,逆方向に流
すか,又は電流を流さないかの三つの選択ができるよう
になっている。電流12の向きを変えるには、切換スイ
ッチ13のスイッチ13aを同時に切換えて直流電源1
5の電圧の極性を変えればよい。また、電流12を流さ
ない場合には、スイッチ13bをオフ状態にすればよ
い。
【0025】電流12が正方向(例えば、図1の反時計
回り方向)に流れると、ペルチェ素子1は、例えば矢印
1 に示すように、底板8を介して熱搬送ユニット3か
ら対象物5に熱移動させる。その結果、熱搬送ユニット
3では吸熱現象が起こり、一方、対象物5は加熱され
る。この吸熱現象により、熱搬送ユニット3のケーシン
グ9は冷却されるが、流体4が流路10を流れているの
で、流体4が熱搬送媒体となって熱搬送ユニット3の外
部から熱を常に搬送することになり、ケーシング9はほ
ぼ一定温度に維持される。
【0026】一方、電流12が逆方向(例えば、図1の
時計回り方向)に流れると、ペルチェ素子1は、例えば
矢印Q2 に示すように、底板8を介して対象物5から熱
搬送ユニット3側に熱移動させる。その結果、対象物5
は冷却され、一方、熱搬送ユニット3では放熱現象が起
こる。この放熱現象によりケーシング9は加熱される
が、上述と同様に流体4が流路10を流れることにより
熱を奪って熱搬送ユニット3の外部に搬送するので、ケ
ーシング9はほぼ一定の温度に維持される。
【0027】このように、ペルチェ素子1による対象物
5の加熱,冷却のいずれの場合も、熱搬送ユニット3
は、流路10を絶えず流れる流体4によって恒温状態を
維持している。即ち、ペルチェ素子1が対象物5を加熱
する時は、熱搬送ユニット3内の流体4は冷却され、逆
に、ペルチェ素子1が対象物5を冷却する時は、流体4
は加熱される。
【0028】ペルチェ素子1の熱交換量と比べて流体4
の流量が極めて少なくそのため流体4による搬送可能な
熱エネルギが極めて小さい時や、流体4の温度が絶対零
度の時は、対象物5の加熱,冷却は困難である。しか
し、これ以外の通常の使用環境においては、ペルチェ素
子1による対象物5の加熱,冷却を行なって、その熱を
熱搬送ユニット3の流体4により外部との間で搬送する
ことは十分に可能である。
【0029】図1及び図2に示すように、加熱・冷却ユ
ニット6を備えた加熱・冷却装置20は、熱変位による
対象物5の形状の変化又は寸法の変化を検出する検出器
1,S2 と、検出器S1 ,S2 で検出されたデータ
(例えば、検出温度)に基づいて、電流12の供給の可
否及び電流の向きを正,逆方向のいずれにすべきかを判
断して切換スイッチ13で電流の流れる向き等を切換え
る制御装置21と、熱搬送ユニット3に供給される流体
4を循環させるとともに流体4をほぼ一定の温度に調整
する流体循環装置22とを備えている。検出器は、一つ
又は複数(本実施形態では、二個)設けられた温度セン
サ,対象物5の変形を検出することができる変位セン
サ,傾斜センサ,レベルセンサ,歪みを検出できる歪セ
ンサ等であればよい。
【0030】制御装置21は、検出器S1 ,S2 で検出
されたデータに基づいて、電流12の供給の可否,及び
電流12の流れる向きを正,逆方向のいずれにすべきか
を判断する判別部29と、判別部29の判断に基づいて
電流の切換えをするために切換スイッチ13を制御する
切換スイッチ制御部30とを備えている。そして、切換
スイッチ13で電流12の向き即ち電圧の極性を切換え
ることによる、対象物5と熱搬送ユニット3との間の可
逆的な熱の移動により、対象物5を加熱,冷却して、対
象物5の形状を常にほぼ一定の状態に維持制御又は所望
の状態に制御するようにしている。
【0031】流体循環装置22は、流体4を貯留するタ
ンク23と、タンク23内の流体4の温度を所定の温度
に調整するための温度調整装置24と、流体4をタンク
23と熱搬送ユニット3の流路10との間で循環させる
ための循環流路25と、循環流路25の途中に設けられ
てタンク23内の流体4を吸い込み側より吐き出し側に
吐出するポンプ26とを備えている。
【0032】流体4は、ポンプ26により吐出され循環
流路25を流れて、熱搬送ユニット3内の流路10に常
時供給されている。流体4は、流路10を流れることに
より熱交換器2との間で熱交換されて加熱又は冷却され
た後、循環流路25を流れてタンク23に回収される。
タンク23内の流体4の温度は、温度調整装置24によ
りほぼ一定になるようにコントロールされているので、
ポンプ26で吐出される流体4の温度はほぼ一定であ
る。
【0033】一方の検出器S1 は、加熱・冷却ユニット
6が取付けられた対象物5の表面27の所定箇所に取付
けられ、他方の検出器S2 は、対象物5の表面27とは
反対側の裏面28の所定箇所に取付けられている。検出
器S1 ,S2 は例えば温度センサであり、対象物5の表
面27の温度と裏面28の温度をそれぞれ測定すること
により、対象物5が、実線で示すような形状か、鎖線5
a又は5bに示すような形状に変化しているかを検出し
ている。
【0034】したがって、検出器S1 ,S2 で検出され
た対象物5の形状の変化又は寸法の変化のデータを制御
装置21に入力すると、制御装置21の判別部29は、
前記データに基づいて対象物5の現在の形状等を認識す
る。例えば、対象物5が熱変形をせずに実線で示すよう
な形状の場合には、一方の検出器S1 で検出された温度
1 と、他方の検出器S2 で検出された温度T2 とは、
次式のように同一である。 T1 = T2 ………(1)
【0035】この場合には、対象物5を加熱,冷却する
必要はない。したがって、判別部29は回路14に電流
12を流す必要がないと判断し、この判断に基づいて切
換スイッチ制御部30は切換スイッチ13を制御し、ス
イッチ13bをオフ状態にすることにより回路14を遮
断して電流12が流れないようにする。電流が流れない
ことにより、ペルチェ素子1は熱を移動させないので、
熱交換器2は断熱材として機能する。その結果、対象物
5に対して温度差のある流体4が流路10を流れていて
も、対象物5は流体4の熱による影響を受けることはな
い。
【0036】一方、対象物5が、表面27側と裏面28
側の温度差による熱変位によって、鎖線5aに示すよう
に表面27側が収縮した形状になった場合には、裏面2
8より表面27の温度の方が低くなっている。即ち、一
方の検出器S1 で検出された温度T1 と、他方の検出器
2 で検出された温度T2 は次式の関係にある。 T1 < T2 ………(2) この場合には、判別部29は、温度データT1 ,T2
関係を示す(2)式により、対象物5を加熱すべきと判
断して、電流の向きを例えば正方向にするように切換ス
イッチ制御部30に指令を出力する。
【0037】切換スイッチ制御部30が切換スイッチ1
3を制御(スイッチ13a:正方向切換え、スイッチ1
3b:オン)すると、ペルチェ素子1には正方向の電流
が流れる。その結果、ペルチェ素子1により、熱が矢印
1 に示すように対象物5に移動するので、対象物5の
表面27が加熱されて、対象物5の形状は、熱変位を生
じていない形状状態になるように調整される。この時、
熱搬送ユニット3では吸熱現象により温度が低下する
が、流体4が熱搬送媒体となって流路10を流れている
ので、熱搬送ユニット3は恒温状態を維持する。
【0038】一方、対象物5が、表面27側と裏面28
側の温度差による熱変位によって、鎖線5bに示すよう
に表面27側が伸びた形状になった場合には、裏面28
より表面27の温度の方が高くなっているので、検出温
度T1 ,T2 は次式の関係にある。 T1 > T2 ………(3) この場合には、判別部29は、温度データT1 ,T2
関係を示す(3)式により、対象物5を冷却すべきと判
断して、電流12の向きを例えば逆方向にするように切
換スイッチ制御部30に指令を出力する。
【0039】切換スイッチ制御部30が切換スイッチ1
3を制御(スイッチ13a:逆方向切換え、スイッチ1
3b:オン)すると、ペルチェ素子1には逆方向の電流
が流れる。その結果、ペルチェ素子1により、熱が矢印
2 に示すように移動するので、対象物5の表面27は
冷却されて、その形状は、熱変位を生じていない形状状
態になるように調整される。
【0040】この時、熱搬送ユニット3では放熱現象が
起こって温度が上昇するが、放熱された熱量は上述と同
様に流体4により搬送されるので、熱搬送ユニット3は
恒温状態を維持する。このように、対象物5は加熱・冷
却装置20により自在に加熱・冷却されるので、その形
状は、常に熱変位を生じていない形状を維持するように
調整される。本実施形態では、対象物5が熱変位を生じ
ていない形状を維持するような場合の説明を行っている
が、対象物5を加熱・冷却装置20により自在に加熱・
冷却して、対象物5が所望の形状の状態になるように制
御してもよい。
【0041】斯かる構成の加熱・冷却装置20を工作機
械に適用した場合には、工作機械の機体が対象物5に該
当する。そして、加熱・冷却装置20においては、機体
の少なくとも二箇所に取付けられた温度センサなど検出
器S1 ,S2 で、熱変位による機体の形状変化等を検出
している。熱搬送ユニット3に供給される流体4には、
工作機械の切削加工部に供給されて循環する切削油剤
(以下、クーラントと記載)が使用されている。このク
ーラントは、流体循環装置としての切削油剤循環装置に
より循環使用される。
【0042】次に、工作機械のコラムなど機体を加熱,
冷却することにより機体の変形の発生を防止して工作機
械の姿勢を制御する姿勢制御装置に本発明を応用した場
合について説明する。図3は、本発明に係る工作機械の
姿勢制御装置40のブロック図である。なお、図1及び
図2に示す構成と同一又は相当部分には同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0043】工作機械は、工具が装着された主軸,又は
工作物を取付けるためのチャックなどワーク取付具が設
けられた主軸を、軸受部を介して主軸頭や主軸台など主
軸装置内で回転させて、切削加工領域で工作物の切削加
工を行う。本実施形態では、工作機械として立形のMC
(マシニングセンタ)41の場合を示しているが、横形
のMC,ターニングセンタ,NC旋盤など他の種類の工
作機械であってもよい。
【0044】図3に示すように、MC41において、機
体42の下部のベッド43上にはコラム44が立設され
ており、コラム44はベッド43上をY軸方向に移動す
る。コラム44には、主軸頭45が上下方向(Z軸方
向)に移動可能に取付けられている。主軸頭45には、
主軸46が軸線をZ軸方向に向けて設けられており、主
軸46の先端部には工具47が着脱可能に装着されてい
る。なお、主軸46の軸線方向をZ軸とし、これに直交
して直交座標系をなす各方向をX軸,Y軸とする。
【0045】ベッド43上に設けられたテーブル48
は、ベッド43上をX軸方向に移動する。機体42は、
ベッド43,コラム44,主軸頭45,テーブル48等
からなっている。主軸46は、主軸頭45の主軸支持体
49の内部に、軸受部を構成する軸受50,51によっ
て回転自在に軸支されている。主軸46は、主軸46と
主軸支持体49との間に設けられたビルトインモータ5
2により回転駆動される。軸受50,51およびビルト
インモータ52等が、主軸頭45における主な発熱部で
ある。テーブル48に載置された工作物53と、回転す
る工具47とが相対移動することにより、切削加工部5
4で工作物53が工具47により切削加工される。この
切削加工がなされる切削加工領域55は、スプラッシュ
カバー56により囲まれている。
【0046】MC41では、クーラント(切削油剤)L
を循環流路59で循環させて切削加工部54に供給して
おり、クーラントLは切削油剤循環装置60により循環
使用される。切削油剤循環装置60は、クーラントLを
貯留するタンク61と、タンク61内のクーラントLを
吐出して循環流路59を介して切削加工部54に供給す
るポンプ62と、タンク61内のクーラントLを吐出し
て循環流路59aを介して加熱・冷却ユニット6の熱搬
送ユニット3(図1,図2)に流すポンプ62aと、タ
ンク61内のクーラントLを冷却する冷却装置63と、
温度検出器Gで検出された機体温度や室温等に基づい
て、クーラントLの温度を所定の温度に調整するように
冷却装置63を制御する温度制御部64とを備えてい
る。これにより、切削加工部54と加熱・冷却ユニット
6にそれぞれ供給されるクーラントLは、所定の温度に
調整されて循環流路59,59aを循環している。
【0047】姿勢制御装置40は、検出器として少なく
とも二つの温度センサS1 ,S2 と、対象物である機体
42の所定箇所に取付けられた図1に示す構成の加熱・
冷却ユニット6と、切換スイッチ13(図1,図2)
と、図2に示す構成の制御装置21と、前記切削油剤循
環装置60とを備えている。一方の温度センサS1 は、
熱変位によるコラム44の傾き(形状変化)を検出する
ために、コラム44の反主軸頭側(即ち、反加工領域
側)の第1の面である後面65の所定箇所に設けられ
て、コラム後部温度T1 を検出している。
【0048】他方の温度センサS2 は、コラム44の前
記傾きを検出するために、第1の面とは反対側の第2の
面(即ち、主軸頭45側(加工領域側)の面)である前
面66の所定箇所に設けられて、コラム前部温度T2
検出している。なお、他方の温度センサS2 を、コラム
44の前面66の代わりに、図3の鎖線に示すように、
ベッド43の所定箇所に取付けてもよい。
【0049】姿勢制御装置40は、温度センサS1 ,S
2 で検出されたデータに基づいて、切換スイッチ13で
電流の流れる向きを切換えて、加熱・冷却ユニット6の
底板8と熱交換器2とを介して、コラム44と熱搬送ユ
ニット3との間で可逆的に熱を移動させることにより、
コラム44を加熱,冷却してコラム44の姿勢を常に温
度差による熱変形が生じていないほぼ一定の状態に維持
制御するか又は所望の状態に制御して、変形の発生を防
止するようにしている。
【0050】本実施形態では、コラム44を加熱,冷却
する場合を示しているが、ベッド43,コラム44,主
軸頭45,テーブル48のうちのいずれか一つ又は複数
を、加熱,冷却の対象物としてもよい。熱変位によるコ
ラム44の変形を検出する検出器は温度センサS1 ,S
2 が好ましいが、コラムの変形を検出できるセンサであ
ればよいので、例えば、コラムの傾斜を測定できるセン
サ,水平状態からの変化を測定できるセンサ、即ちレベ
ル変化を測定できるセンサ,寸法変化を測定できるセン
サ,歪を検出できる歪センサ等であってもよい。この検
出器は一つ又は複数個設けられていればよい。温度セン
サS1 ,S2 はどのタイプでもよいが、外乱に強いサー
ミスタ温度センサが望ましい。
【0051】コラム後面65には、一つ又は複数(本実
施形態では、二つ)の加熱・冷却ユニット6が上下に位
置して所定箇所に取付けられている。コラム後部温度T
1 を検出する一方の温度センサS1 を、上下二つの加熱
・冷却ユニット6の取付け位置のほぼ中間位置で且つ加
熱・冷却ユニット6の近傍に取付ければ、加熱・冷却ユ
ニット6によるコラム44の温度変化を迅速に検出でき
るので好ましい。なお、一つ又は複数の加熱・冷却ユニ
ット6を、後面65の代わりに、他方の温度センサS2
が取付けられている前面66の所定箇所に取付けてもよ
い。
【0052】次に、図3に示す姿勢制御装置40による
姿勢制御の具体的な手順を、図1乃至図4に基づいて説
明する。図4は、本実施形態の手順を示すフローチャー
トである。図1乃至図4に示すように、MC41が設置
されている場所の室温Tが変化すれば、また、MC41
を起動して発熱部が発熱すれば、機体42の温度も次第
に変化する。
【0053】例えば、室温Tが上昇する午前中の場合、
MC41の運転前又は運転直後で室温Tが低い朝の場合
には、カバー56に囲まれて室温上昇の影響が遅く表れ
るコラム44の前方側と比べて、コラム44の後方側の
方が室温Tの上昇により早く暖められるので、コラム4
4は、鎖線44aに示すように後面65側が伸びたよう
な変形を生じる。この状態で、MC41と姿勢制御装置
40とを起動して姿勢制御機能をオンし、クーラントL
をポンプ62aにより循環流路59aを介して加熱・冷
却ユニット6にも流して循環させる(ステップ10
1)。なお、MC41の起動により姿勢制御装置40も
起動するようにしてもよい。
【0054】コラム44の後面65の所定箇所のコラム
後部温度T1 を一方の温度センサS1 で検出し、前面6
6の所定箇所のコラム前部温度T2 を他方の温度センサ
2で検出し、検出されたこれら温度データT1 ,T2
を制御装置21の判別部29に入力する(ステップ10
2)。判別部29は、検出された温度データT1 ,T2
を比較する。即ち、判別部29は、コラム後部温度
1 ,コラム前部温度T2 を常に監視しており、 T1 = T2 であるか否かを判別している(ステップ103)。T1
=T2 である場合にはステップ108に移行し、T1 =T
2 でない場合にはステップ104に移行する。
【0055】ステップ104において、T1 >T2 であ
るか否かを判別する。 T1 > T2 の場合には、判別部29は、コラム44が鎖線44aに
示すように後面65側が伸びたような変形を生じている
と判断し、コラム44の後面65を冷却するために、電
流12を逆方向に流すような指令を切換スイッチ制御部
30に出力する。
【0056】切換スイッチ制御部30は、切換スイッチ
13のスイッチ13bをオン状態(接続状態)にすると
ともにスイッチ13aを制御して、加熱・冷却ユニット
6のペルチェ素子1に電流12を逆方向に流す(ステッ
プ105)。加熱・冷却ユニット6がコラム44の後面
65の冷却を開始すると(ステップ106)、後面65
のコラム後部温度T1 が下がるので、コラム44は、次
第に後面65側が縮んで、温度差による変形が生じてい
ない状態に戻るように制御される。
【0057】次いで、姿勢制御を続行するか否かを判別
し(ステップ107)、続行する場合には、ステップ1
02に移行する。したがって、後面65側が伸びたよう
な変形を生じていたコラム44の姿勢が続いた場合には
変形を生じていない状態に戻るまで、ステップ107か
らステップ102,103,104,105,106の
手順が自動的に繰り返される。
【0058】ステップ103において、 T1 = T2 であると判断された場合には、ステップ108に移行す
る。ステップ108において、判別部29は、MC41
の精度(静的精度,加工精度等)が良好な状態すなわち
コラム44の姿勢が正常になったと判断し、切換スイッ
チ制御部30は、切換スイッチ13のスイッチ13bを
切換えて電流が流れないようにし、コラム44の冷却又
は加熱を中止する。次いで、姿勢制御を続行するか否か
を判別し(ステップ107)、続行する場合にはステッ
プ102に移行し、ステップ102以降の処理を行う。
【0059】ステップ103においてT1 =T2 でない
と判断され、ステップ104でT1>T2 でないと判断
された場合には、ステップ109に移行する。この場合
には、 T1 < T2 であり、コラム44は、鎖線44bに示すように前面6
6が伸びたような変形を生じているので、コラム44の
後面65を加熱する必要がある。そこで、切換スイッチ
制御部30が切換スイッチ13のスイッチ13bをオン
状態(接続状態)にするとともにスイッチ13aを制御
して、加熱・冷却ユニット6のペルチェ素子1に電流を
正方向に流す(ステップ109)。
【0060】その結果、加熱・冷却ユニット6は、コラ
ム44の後面65の加熱を開始し(ステップ110)、
後面65のコラム後部温度T1 が上がるので、コラム4
4は温度差による変形が生じていない状態に戻す制御を
行う。次いで、ステップ107で姿勢制御を続行するか
否かを判別し、続行する場合にはステップ102以降の
処理を行う。前面66が伸びたような変形を生じていた
コラム44の姿勢が続いた場合には、温度差による変形
が生じていない状態に戻るまで、ステップ107からス
テップ102,103,104,109,110の手順
が自動的に繰り返される。ステップ107で、姿勢制御
を終了すると判断した後、姿勢制御機能をオフして一連
の手順を終了する(ステップ111)。なお、MC41
の稼動を終了する時に、姿勢制御機能をオフするように
してもよい。
【0061】このように、本実施形態では、室温Tの温
度変化,及びMC41の運転による発熱部からの発熱等
の影響があっても、コラム44の後面65と前面66と
の間に温度差が生じないように、姿勢制御装置40によ
りコラム後面65を加熱,冷却して、後面65,前面6
6の温度を常時ほぼ一致させているので、コラム44
は、前後方向に傾くような変形を生じることなく常にほ
ぼ一定の姿勢を維持することができる。その結果、常に
高い加工精度で工作物53を切削加工することができる
ことになり、近年の高加工精度化の要求を十分に満足さ
せることができる。
【0062】本実施形態では、コラム温度T1 ,T2
等しくなる場合を、傾きのない良好な姿勢として説明を
行っているが、これに限定されることはない。例えば、
温度差が所定の時に精度(静的精度,加工精度等)がよ
い工作機械の場合には、この温度差になるように姿勢制
御してもよい。即ち、工作機械の精度にとってよい状態
の姿勢をほぼ維持できればよい。
【0063】なお、図3に示すように、姿勢制御装置4
0用のクーラントLの循環流路59aは、加熱・冷却ユ
ニット6で熱交換する時のみ作動させてもよい。このよ
うに、間欠的に作動させると省エネルギとなるので好ま
しい。また、姿勢制御装置40用の循環流路59aは、
切削加工部54用の循環流路59の途中から分岐しても
よい。この場合、ポンプは共通にできるが、循環流路5
9側に切削加工部54にクーラントLを供給,遮断する
ための切換弁等が必要となる。
【0064】なお、本実施形態では、工作機械の姿勢を
制御しているが、工作機械の所定の部位を所望の状態に
することもできる。例えば、工具の刃先位置等を微小量
変位させるのに、電子冷却素子を有する加熱・冷却ユニ
ットを使用してもよい。例えば、タッチセンサ等で測定
した工具刃先位置測定値,工作物寸法測定値等に基づい
て、ペルチェ素子に電流を供給して、機械又は工具の所
定の部位を加熱・冷却することにより熱膨張又は熱収縮
させて、工具の刃先位置を所望の位置に変位させること
ができる。この場合には、工具等の剛性を低下させるこ
となく変位させることができる。
【0065】次に、具体的な加熱・冷却ユニットについ
て、図5乃至図7を参照して説明する。図5乃至図7に
示す加熱・冷却ユニット70は、図1乃至図4に示す加
熱・冷却ユニット6の原理を用いて具体化したものであ
る。なお、加熱・冷却ユニット6の構成と同一又は相当
部分には同一符号を付してその説明を省略する。図5は
加熱・冷却ユニット70の側面図、図6は図5に示す加
熱・冷却ユニット70の正面図で、蓋板を取外した状態
を示す図、図7は図6に示す加熱・冷却ユニットのVII
−VII 線断面図で、蓋板を取付けた状態を示している。
【0066】図5乃至図7に示すように、加熱・冷却ユ
ニット70は、加熱,冷却の対象となる対象物5(例え
ば、MC41のコラム44)に裏面7が密着して取付け
られる底板8と、ケーシング9の内部に流路10が形成
され、流路10に流体4(例えば、クーラントL)を流
している熱搬送ユニット3と、熱搬送ユニット3のケー
シング9と底板8の表面11とに密着して取付けられ且
つペルチェ素子(電子冷却素子)を有する熱交換器2と
を備えている。なお、底板8とケーシング9とは、互い
に断熱されていれば全体を一体的に構成してもよい。ま
たは、底板8を省略して、熱交換器2を対象物5に直接
密着させてもよい。
【0067】ペルチェ素子(図1)に供給される電流1
2をオン,オフするとともにこの電流の向きを正,逆方
向のいずれかに切換え可能な切換スイッチ13で、熱交
換器2のペルチェ素子に流す電流を切換えることによ
り、底板8と熱交換器2とを介して、対象物5と熱搬送
ユニット3との間で可逆的に熱を移動させて対象物5を
加熱,冷却するようにしている。
【0068】ケーシング9は、折れ曲がった長い連続的
な溝71が形成された本体部72と、本体部72の表面
73を覆う蓋板74とを有している。蓋板74が溝71
を覆うことにより、溝71は流路10になる。底板8,
本体部72及び蓋板74は、熱伝導率の良好なアルミニ
ウム又は鉄など金属により形成するのが好ましい。
【0069】本体部72の表面73には、溝71を囲う
ように、Oリングやパッキンなどシール部材用の無端溝
75が周囲に形成されている。無端溝75にOリング,
パッキンなどシール部材76を係合させて、本体部72
に蓋板74をボルト84aで締結固定することにより、
流路10はケーシング9の外部に対してシールされる。
本体部72の側面86には、溝71の一端部に連通する
流体供給口部77と、溝71の他端部に連通する流体排
出口部78とが形成されている。流体供給口部77と流
体排出口部78に流体4の循環流路を接続することによ
り、流体4が流路10に対して供給,排出されるように
なっている。
【0070】本体部72の裏面79には、一個又は複数
個(例えば、二個)の板状の熱交換器2が複数の位置決
め部材により所定位置に位置決め保持されている。ま
た、裏面79には、熱交換器2のペルチェ素子に電気を
供給するコネクタ81を収納するための凹部82が形成
されている。底板8の表面11にも、本体部72の凹部
82に対向する位置に、コネクタ81の収納用の凹部8
3が形成されている。
【0071】熱搬送ユニット3は、ボルト84aにより
蓋板74を本体部72に締付け固定することにより組み
立てられている。熱交換器2は、熱搬送ユニット3の裏
面に位置決め部材により位置決めされた状態で、底板8
にボルト84により固定されている。これにより、底板
8,熱交換器2及び熱搬送ユニット3が一体化されてい
る。
【0072】加熱・冷却ユニット70を対象物5に取付
ける場合には、底板8を対象物5の表面に密着させ、底
板8に係合する取付け用ボルト85で対象物5に底板8
を固定して取付ける。ボルト84の締め付け力を調整す
ることにより、熱交換器2を底板8と熱搬送ユニット3
の裏面79とに密着させる圧力を適正に調整することが
できる。特に、熱交換器2の両面と底板8及び本体部7
2との密着部が十分な圧力で密着するように、ボルト8
4の締め付け力を調整するのが好ましい。
【0073】また、前記密着部に空気が残っていると熱
の移動が不十分になるので、熱交換器2の両面の前記密
着部,及び対象物5と底板裏面7との間の密着部にシリ
コングリスやシリコンコート等を塗布すれば、密着部に
空気が残らずに十分に密着して熱の移動が良好になる。
ボルト84は、底板8を介して対象物5と熱搬送ユニッ
ト3との間の直接的な熱伝導を防止するために、熱伝導
率の低い材質例えばステンレスやプラスチックで作成す
るのが好ましい。
【0074】このように、本発明によれば、簡単な構成
で対象物を自在に加熱,冷却することができる。対象物
が、熱変位によって形状変化する工作機械の機体の場合
には、この機体を加熱,冷却することにより前記形状を
常に正常な状態に調整することができる。特に、熱変位
により前後方向に傾くように変形するコラムを、変形が
生じていない状態に維持させることができるので、加工
精度を常に高精度にすることができる。
【0075】前記実開平2−82452号公報には、電
子冷却素子により工作機械の各部を加熱又は冷却する技
術が開示されているが、この加熱又は冷却により移動し
た熱量を工作機械の外部との間で熱交換するための具体
的な構成については記載されていない。これに対して、
本発明では、ペルチェ素子を介して対象物との間で移動
した熱量を、ペルチェ素子と熱搬送ユニットとの間で熱
交換するとともに、この熱搬送ユニット内の流路に流れ
る流体により外部に対して搬送しているので、十分な熱
量を迅速に熱交換することができる。したがって、工作
機械の機体のような大きな熱容量を有するものであって
も、コンパクトで簡単な構成の加熱・冷却ユニットによ
り十分な量の熱を熱交換して迅速に加熱,冷却すること
ができる。
【0076】本発明の姿勢制御装置40は、工作機械の
うち機体全体の高さが高くそのため変形も大きくなって
しまう門型マシニングセンタ,五面加工機,プラノミラ
ーなどの工作機械に応用すれば特に有効である。この場
合に、機体の上下方向に複数(例えば、三個以上)の加
熱・冷却ユニットを並べて取付ければ、機体の傾きが全
体的に正常な状態に調整されるので好ましい。
【0077】前記実施形態では、ペルチェ素子に供給さ
れる電流値を増減させないでほぼ一定値にしている。し
たがって、制御装置21は電流の流れる方向等切換えの
みを行なえばよく、電流値の制御は不要なので構成が簡
略化される。なお、制御装置21により流れる向きを判
断されてペルチェ素子に供給される電流の大きさ(電流
値)を、検出器S1 ,S2 で検出されたデータ(例え
ば、温度差)に対応させて増減させる制御ができるよう
にしてもよい。
【0078】また、熱搬送ユニット3は、内部の流路1
0に供給されるクーラントLなど流体4が流体循環装置
(又は、切削油剤循環装置60)で所定の温度(例え
ば、室温に追従した温度)に制御されたユニットにする
のが好ましい。しかし、ペルチェ素子は、電流が供給さ
れると低温部側から高温部側にも強制的に熱を移動させ
るので、ケーシング9や供給される流体4の温度は変化
してもよい。例えば、タンク23,61の放熱性がよけ
れば、温度調整装置24や冷却装置63を設けないで、
流体4をタンク23,61より放熱させるだけで、流体
温度が変動する場合であってもよく、また、流体4は循
環使用されない水であってもよい。
【0079】なお、対象物の変形を検出するセンサは、
対象物に直接設けないで間接的な部位に設けてもよい。
例えば、主軸に装着したセンサ,若しくはテーブル側に
設けられたセンサで対象物の寸法変化を検出してもよ
く、又は、主軸頭や工具等の寸法変化を検出してもよ
い。このように、本発明は、構成が簡単でコンパクトな
加熱・冷却ユニットにより、対象物の加熱及び冷却を自
在に切換えできるので、極めて実用的である。なお、各
図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0080】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、簡
単な構成で対象物を自在に加熱,冷却することができ
る。また、熱変位によって工作機械の機体の姿勢をその
工作機械の精度が一番良好な状態を維持できるように機
体を加熱,冷却することにより、前記姿勢を常にほぼ一
定の状態に維持制御又は所望の状態に制御して、加工精
度を高精度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図7は本発明の実施形態の一例を示す
図で、図1は本発明の加熱・冷却ユニットの原理を示す
概略構成図である。
【図2】本発明の加熱・冷却装置を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明に係る工作機械の姿勢制御装置のブロッ
ク図である。
【図4】前記姿勢制御装置の実施形態の手順を示すフロ
ーチャートである。
【図5】図5乃至図7は具体的な加熱・冷却ユニットを
示す図で、図5はその側面図である。
【図6】図5に示す加熱・冷却ユニットの正面図で、蓋
板を取外した状態を示す図である。
【図7】図6のVII −VII 線断面図である。
【符号の説明】
1 電子冷却素子 2 熱交換器 3 熱搬送ユニット 4 流体 5 対象物 6,70 加熱・冷却ユニット 9 ケーシング 10 流路 12 電流 13 切換スイッチ(切換え手段) 20 加熱・冷却装置 21 制御装置 22 流体循環装置 40 工作機械の姿勢制御装置(加熱・冷却装置) 41 マシニングセンタ(工作機械) 42 機体(対象物) 43 ベッド(対象物) 44 コラム(対象物) 54 切削加工部 60 切削油剤循環装置(流体循環装置) L 切削油剤(流体) S1 ,S2 温度センサ(検出器) T1 コラム後部温度(データ) T2 コラム前部温度(データ)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの内部に流路が形成され、こ
    の流路に流体が流れる熱搬送ユニットと、この熱搬送ユ
    ニットの前記ケーシングと対象物との間に取付けられ、
    且つ電子冷却素子を有する熱交換器とを備えた加熱・冷
    却ユニットを前記対象物に取付け、 前記電子冷却素子に供給される電流の向きを正,逆方向
    のいずれかに切換えることにより、前記対象物と前記熱
    搬送ユニットとの間で可逆的に熱を移動させて前記対象
    物を加熱,冷却することを特徴とする電子冷却素子を用
    いた加熱・冷却方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子冷却素子を用いた
    加熱・冷却方法であって、 前記電子冷却素子に流れる電流を供給,遮断する切換え
    を行うことにより、前記対象物と前記熱搬送ユニットと
    の間を熱移動状態又は断熱状態にできることを特徴とす
    る電子冷却素子を用いた加熱・冷却方法。
  3. 【請求項3】 ケーシングの内部に流路が形成され、こ
    の流路に流体が流れる熱搬送ユニットと、この熱搬送ユ
    ニットの前記ケーシングと対象物との間に取付けられ、
    且つ電子冷却素子を有する熱交換器とを備え、 前記電子冷却素子に供給される電流の向きを正,逆方向
    のいずれかに切換えることにより、前記対象物と前記熱
    搬送ユニットとの間で可逆的に熱を移動させて前記対象
    物を加熱,冷却することを特徴とする電子冷却素子を有
    する加熱・冷却ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の加熱・冷却ユニットで
    あって、 前記電子冷却素子に流れる前記電流を供給,遮断する切
    換えを行うことにより、前記対象物と前記熱搬送ユニッ
    トとの間を熱移動状態又は断熱状態にできることを特徴
    とする電子冷却素子を用いた加熱・冷却ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の加熱・冷却ユニ
    ットを備えた加熱・冷却装置であって、 前記対象物の形状の変化又は寸法の変化を検出する検出
    器と、 この検出器で検出されたデータに基づいて、前記電流の
    向きを正,逆方向のいずれにすべきかを判断して切換え
    手段で切換える制御装置と、 前記熱搬送ユニットに流れる前記流体を循環させる流体
    循環装置とを備え、 前記切換え手段で前記電流を切換えることによる前記対
    象物と前記熱搬送ユニットとの間の可逆的な熱の移動に
    より、前記対象物を加熱,冷却して前記対象物の形状を
    常にほぼ一定の状態に維持制御又は所望の状態に制御す
    ることを特徴とする加熱・冷却ユニットを備えた加熱・
    冷却装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の加熱・冷却装置であっ
    て、 前記制御装置は、前記検出器で検出された前記データに
    対応させて、前記電子冷却素子に供給する前記電流の大
    きさを制御するものであることを特徴とする加熱・冷却
    ユニットを備えた加熱・冷却装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の加熱・冷却装置
    であって、 前記対象物は工作機械の機体であり、 前記流体は、前記工作機械の切削加工部に供給される切
    削油剤で、切削油剤循環装置により循環使用されること
    を特徴とする加熱・冷却ユニットを備えた加熱・冷却装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の加熱・冷却装置であっ
    て、 前記切削油剤は所定の温度に調整されているものである
    ことを特徴とする加熱・冷却ユニットを備えた加熱・冷
    却装置。
  9. 【請求項9】 工作機械の姿勢制御装置において、 前記工作機械の機体の形状変化又は寸法の変化を検出す
    るために設けられる検出器と、 前記機体に取付けられ、ケーシングの内部に流路が形成
    され、この流路に流体が流れる熱搬送ユニット、及び、
    この熱搬送ユニットの前記ケーシングと前記機体との間
    に取付けられ、且つ電子冷却素子を有する熱交換器を備
    えた加熱・冷却ユニットと、 前記電子冷却素子に供給される電流の向きを正,逆方向
    のいずれかに切換え可能な切換え手段と、 前記検出器で検出されたデータに基づいて、前記電流の
    向きを正,逆方向のいずれにすべきかを判断して前記切
    換え手段で切換える制御装置と、 前記熱搬送ユニットに供給される前記流体を循環させる
    流体循環装置とを備え、 前記切換え手段で前記電流を切換えて、前記加熱・冷却
    ユニットの前記熱交換器と前記機体との間で可逆的に熱
    を移動させることにより、前記機体を加熱,冷却して前
    記機体の姿勢をほぼ一定の状態に維持制御又は所望の状
    態に制御することを特徴とする工作機械の姿勢制御装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の工作機械の姿勢制御
    装置であって、 前記流体は、前記工作機械の切削加工部に供給される切
    削油剤で、切削油剤循環装置により循環使用されること
    を特徴とする工作機械の姿勢制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載の工作機械の
    姿勢制御装置であって、 前記制御装置は、前記電子冷却素子に流れる前記電流を
    供給,遮断する切換えを行うことにより、前記機体と前
    記熱搬送ユニットとの間を熱移動状態又は断熱状態にで
    きるものであることを特徴とする工作機械の姿勢制御装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項9,10又は11に記載の工作
    機械の姿勢制御装置であって、 前記機体は前記工作機械のベッド又はコラムであり、前
    記検出器は前記機体に設けられた少なくとも二つの温度
    センサであることを特徴とする工作機械の姿勢制御装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項9乃至12のいずれかの項に記
    載の工作機械の姿勢制御装置であって、 前記加熱・冷却ユニットは前記機体に少なくとも二つ取
    付けられていることを特徴とする工作機械の姿勢制御装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項10乃至13のいずれかの項に
    記載の工作機械の姿勢制御装置であって、 前記切削油剤は所定の温度に調整されているものである
    ことを特徴とする工作機械の姿勢制御装置。
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