JP5483003B2 - 工作機械 - Google Patents

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Description

この発明は、一般的には、工作機械に関し、より特定的には、主軸を冷却するための冷却構造を備えた工作機械に関する。
従来の工作機械に関して、たとえば、特開2001−179573号公報には、モータ内蔵型の主軸台のロータの発熱によって温度が上昇した主軸から、速やかに熱を補足して主軸を冷却することを目的とした主軸冷却構造が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された主軸冷却構造においては、主軸台が、モータが組み込まれる内側フレームと、内側フレームの外側に嵌合される外側フレームとを有する。外側フレームと内側フレームとの間には、冷却油が流れる縦横の溝または螺旋状の溝からなる冷却油通路が形成されている。
また、実開平4−47954号公報には、主軸頭ハウジングまたは工具主軸の熱変形を効果的に防ぐことを目的とした工作機械の主軸頭冷却装置が開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示された主軸頭冷却装置においては、工具主軸を軸支する主軸頭ハウジングに、モータ取り付け板を介して駆動モータが固定されている。モータ取り付け板には、冷却油通路が形成されている。その冷却油通路は、矩形形状の3辺領域に設けられた複数のU字状通路と、残る1辺領域に設けられた冷却油供給通路および冷却油排出通路とから構成されている。複数のU字状通路、冷却油供給通路および冷却油排出通路は、隣り合う辺間で繋がって形成されている。
特開2001−179573号公報 実開平4−47954号公報
工作機械は、基本的に、回転する加工物(ワーク)に工具を接触させたり、固定されたワークに回転する工具を接触させたりしてワークの加工を行なうため、ワークや工具を保持し、これらを回転させるための主軸を備える。主軸の回転時には、モータの駆動やベアリングの回転によって発熱を伴い、この発熱が主軸周りの工作機械部品の熱変形を引き起こす。そこで、主軸を取り囲むように設けられたハウジング部材に冷媒流路を形成し、この冷媒流路に冷媒を流すことによって、主軸を強制的に冷却する構造が採用されている。
一方、主軸の放熱性は、ハウジング部材の形状や、そのハウジング部材の支持構造などに起因して、一般的に主軸の回転軸周りにおいて不均一となる。しかしながら、この点を考慮した主軸冷却が実施されない場合、工作機械部品の熱変形が意図した通りに抑制または解消されないおそれがある。この場合、ワークの加工精度が低下するという懸念が生じる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、加工精度の向上が図られる工作機械を提供することである。
この発明に従った工作機械は、主軸と、ハウジング部材とを備える。主軸は、ワークまたは工具を保持し、モータ駆動により回転する。ハウジング部材は、主軸を取り囲むように設けられる。ハウジング部材には、冷媒が流通する複数の冷媒流路が形成される。複数の冷媒流路は、それぞれ、主軸の回転軸を中心にその周方向に並ぶ複数の領域に配置され、互いに独立して形成される。
このように構成された工作機械によれば、主軸の回転軸周りに複数の冷媒流路が互いに独立して形成されるため、冷媒を流通させる条件を冷媒流路ごとに設定することが可能となる。これにより、主軸の回転に伴う工作機械部品の熱変形を適切に制御し、加工精度を向上させることができる。
また好ましくは、工作機械は、センサと、調整部とをさらに備える。センサは、ハウジング部材の複数箇所に設けられ、各箇所におけるハウジング部材の温度を検出する。調整部は、センサにより検出された温度データに基づいて制御され、供給する冷媒の流量および温度の少なくともいずれか一方を冷媒流路ごとに調整する。
このように構成された工作機械によれば、センサにより検出された温度データに基づいて、冷媒を流通させる条件としての冷媒の流量および/または温度を、冷媒流路ごとに設定することが可能となる。
また好ましくは、調整部は、主軸の回転に伴う熱変形に起因して主軸の回転中心が変位しないように制御される。このように構成された工作機械によれば、主軸の回転中心の変位によって引き起こされる加工精度の低下を防止できる。
また、工作機械は、主軸に保持したワークを旋削するための工具が装着される刃物台と、刃物台を搭載し、第1軸に沿ってスライド移動可能な横送り台と、横送り台を搭載し、第1軸に直交し、主軸の回転軸に平行な第2軸に沿ってスライド移動可能なサドルとをさらに備える。好ましくは、主軸の回転に伴う熱変形に起因して主軸の回転中心が変位する場合に、調整部は、主軸の回転中心が、第1軸および第2軸に直交する第3軸に沿って変位するように制御される。
このように構成された工作機械によれば、主軸の回転に伴う熱変形に起因して主軸の回転中心が変位する場合であっても、主軸の回転中心の変位が、工具によるワークの加工位置の精度に与える影響を小さく抑えることができる。これにより、加工精度を良好に保つことができる。
また、冷媒流路は、主軸の回転軸方向に沿って延びる複数の第1流路部分と、第1流路部分に直交する方向に沿って延びる複数の第2流路部分とを有する。冷媒流路は、第1流路部分と第2流路部分とが交互に並ぶように蛇行しながら延びる。好ましくは、複数の第1流路部分の総長さが複数の第2流路部分の総長さよりも大きい。
このように構成された工作機械によれば、各冷媒流路の上流側と下流側との間で生じる冷媒の温度差が、回転軸方向における主軸の熱変形に与える影響を小さく抑えることができる。これにより、主軸が回転軸方向において反るように変形することを抑制できる。
また好ましくは、主軸の回転軸周りに配置された複数の冷媒流路が、主軸の回転軸方向に並んで複数組、形成される。このように構成された工作機械によれば、さらに、冷媒を流通させる条件を、主軸の回転軸方向に並ぶ複数の冷媒流路の各組ごとに設定することが可能となる。これにより、主軸がその回転軸方向において反るように変形することを抑制できる。
以上に説明したように、この発明に従えば、加工精度の向上が図られる工作機械を提供することができる。
この発明の実施の形態1における工作機械を示す斜視図である。 図1中の主軸台を示す断面図である。 図2中のIII−III線上に沿った主軸台を示す断面図である。 図3中の主軸筒に形成されたオイル流路を模式的に表わす斜視図である。 図1中に示す主軸台の冷却構造を模式的に表わす図である。 オイル流量の調整機構を示すブロック図である。 図6中のオイル流量の調整機構によって実行される処理のフローチャート図である。 Z軸方向から見た場合のワークと工具との関係を示す図である。 図3中の主軸台の変形例を示す図である。 図4中の主軸筒の第1変形例を示す斜視図である。 図4中の主軸筒の第2変形例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3における工作機械を示す断面図である。 図12中の工作機械に設けられる側蓋を示す斜視図である。 図12中の主軸筒の第1変形例を示す斜視図である。 図12中の主軸筒の第2変形例を示す斜視図である。 図15中の主軸筒に取り付けられる側蓋を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5における工作機械を示す断面図である。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における工作機械を示す斜視図である。図1を参照して、まず、本実施の形態における工作機械10の全体構造について説明する。工作機械10は、ワークを回転させ、そのワークに工具を接触させることによって加工を行なう旋盤である。
工作機械10は、その主要な構成として、ベッド160と、主軸台110と、刃物台120と、横送り台130と、サドル140と、心押台150とを有する。工作機械10は、2タレットタイプの旋盤であり、2つの刃物台120(120A,120B)を有する。
ベッド160は、主要な構成として上記に挙げた他の部品を支持する基礎部分であり、工場などの据付け面に設置される。ベッド160は、他の部品が取り付けられる面である取り付け面162を有する。ベッド160は、取り付け面162の延在方向が鉛直方向に対して傾斜する方向となるように形成されている。ベッド160は、取り付け面162が加工時の作業者側に向くように形成されている。ベッド160は、鋳鉄などの金属から形成されている。
ベッド160には、ワークを回転させるための主軸台110が取り付けられている。主軸台110は、ベッド160の取り付け面162から上方に立ち上がるように設けられている。主軸台110は、後述のZ軸方向における取り付け面162の一方端に配置されている。主軸台110は、主軸21を有する。主軸21は、ワークを保持し、図1中に仮想線として示された回転軸101を中心に回転する。回転軸101は、矢印202に示す軸方向(Z軸方向)に延びる。
ベッド160には、さらに心押台150が取り付けられている。心押台150は、Z軸方向における取り付け面162の他方端に配置されている。心押台150は、回転軸101の延長線上に配置されている。すなわち、主軸台110と心押台150とは、回転軸101の軸線上において互いに対向して配置されている。心押台150は、主軸台110に長尺のワークが装着された場合に、そのワークの端部を支持する機能を有する。
ベッド160には、さらにサドル140が取り付けられている。サドル140は、ベッド160に対して、矢印202に示す軸方向(Z軸方向)にスライド移動可能に設けられている。サドル140は、横送り台130をスライド移動させるための案内面141を有し、ベッド160の案内面161によってスライド移動する部品である。サドル140は、刃物台120に装着された後述の工具122をZ軸方向に沿って運動させる機能を有する。
サドル140には、横送り台130が取り付けられている。横送り台130は、サドル140に対して、矢印201に示す軸方向(X軸方向)にスライド移動可能に設けられている。横送り台130は、刃物台120に装着された後述の工具122をX軸方向に沿って運動させる機能を有する。サドル140および横送り台130によって、工具122に送り運動をさせるための往復台が構成されている。
横送り台130には、刃物台120が取り付けられている。工具122は、工具ホルダ121を介して刃物台120に取り付けられている。刃物台120は、工具122を保持、固定する機能を有する。刃物台120は、タレット形であり、複数の工具122を放射状に取り付け、旋回割り出しを行なう面板から形成されている。
本実施の形態では、刃物台120Aおよび刃物台120Bの各刃物台に対して、サドル140および横送り台130が設けられている。刃物台120Aと刃物台120Bとは、X軸方向に互いに間隔を隔てて配置されている。刃物台120Aと刃物台120Bとは、X軸方向において両者の間に主軸台110が位置するように配置されている。
なお、ベッド160、サドル140および横送り台130には、X軸やZ軸方向に沿った各部品のスライド移動を可能とするための送り機構や案内機構、サーボモータなどが適宜、設けられている。
サドル140の移動軸であるZ軸は、水平方向に延びる。サドル140の移動軸であるZ軸と、横送り台130の移動軸であるX軸とは、直交する。すなわち、本実施の形態における工作機械10においては、サドル140の直線運動と横送り台130の直線運動とが組み合わさることにより、刃物台120に装着された工具122によるワークの加工位置がX−Z平面において自在に移動する。
図1中には、さらに、矢印203に示す軸方向(Y軸)が示されている。Y軸は、サドル140の移動軸であるZ軸および横送り台130の移動軸であるX軸と直交する。
なお、本発明における工作機械は、上記形態に限定されることなく、さらに上記のY軸方向成分にスライド移動可能な構造体を有して構成されてもよい。この場合、刃物台120に装着された工具122によるワークの加工位置は、3次元的に移動する。
図2は、図1中の主軸台を示す断面図である。図1および図2を参照して、主軸台110の構造について詳細に説明すると、主軸台110は、主軸21に加えて、ハウジング部材としての主軸筒41と、支持部材として支持脚61とをさらに有する。
主軸21は、回転軸101を中心に回転する回転体として設けられており、主軸本体22およびロータ23を含む複数の部品が組み合わさって構成されている。主軸本体22は、回転軸101の軸方向に沿って筒状に延びる形状を有する。主軸本体22は、ベアリング26およびベアリング27によって回転自在に支持されている。主軸本体22には、ワークを把持するためのチャック111(図1を参照のこと)が装着される。チャック111は、回転軸101の軸方向における主軸本体22の端部に配置されている。ロータ23は、筒形状を有し、主軸本体22の外周上に嵌め合わされている。
ベアリング26は、チャック111が装着される主軸21の前方端側に配置され、ベアリング27は、チャック111が装着される側とは反対側の主軸21の後方端側に配置されている。回転軸101の軸方向において、チャック111とロータ23との間にベアリング26が配置されている。回転軸101の軸方向において、ベアリング27は、ロータ23に対してベアリング26とは反対側に配置されている。
主軸筒41は、主軸21をその外周上から取り囲むように設けられている。主軸筒41は、主軸21の外周上に配置された状態で、回転軸101の軸方向に延びる筒形状を有する。主軸筒41の内周には、ステータ46が固定されている。ステータ46は、ロータ23の外周上に配置されている。ステータ46とロータ23との間には、回転軸101を中心にその周方向に延在する微小な隙間が設けられている。ロータ23とステータ46とが組み合わさって、主軸21を回転させるためのモータが構成されている。
なお、本実施の形態では、主軸台110が、モータが主軸筒41の内側に内蔵されるビルトインタイプである場合を説明したが、本発明はこれに限られず、主軸台110は、主軸筒41に対してモータが外付けされ、モータの出力がギヤを介して主軸21に伝達されるタイプであってもよい。
支持脚61は、主軸筒41をベッド160上に支持するために設けられている。主軸筒41は、支持脚61を介してベッド160に取り付けられている。より具体的には、支持脚61は、ベッド160の取り付け面162上に固定されている。支持脚61は、その取り付け面162から上方に延伸する柱形状を有する。その延伸する支持脚61の先端に、主軸筒41が固定されている。主軸筒41および支持脚61は、鋳鉄などの金属から形成されている。
図3は、図2中のIII−III線上に沿った主軸台を示す断面図である。図1から図3を参照して、主軸筒41は、側面42を有する。側面42は、回転軸101に沿って延在する。側面42は、回転軸101に対して平行な方向に延在する。側面42は、回転軸101と直交しない平面である。主軸筒41を回転軸101に直交する平面により切断した場合に、側面42は非円形断面となる。本実施の形態では、主軸筒41を回転軸101に直交する平面により切断した場合に、側面42は略矩形断面となる。
このような構成を備える主軸筒41において、側面42は、複数の側面42A,42B,42C,42Dから構成されている。側面42A,42B,42C,42Dは、挙げた順に、回転軸101の軸周りの周方向に並んで配置されている。側面42A〜42Dは、互いに隣り合う側面同士が直交するように形成されている。側面42A〜42Dは、側面42が有する略矩形断面の四面を構成している。回転軸101の軸周りに領域111A,111B,111C,111Dを規定した場合に、側面42A,42B,42C,42Dは、それぞれ、領域111A,111B,111C,111Dに配置されている。
図4は、図3中の主軸筒に形成されたオイル流路を模式的に表わす斜視図である。図2から図4を参照して、主軸筒41には、冷却油を流通させるためのオイル流路31が形成されている。
本実施の形態における工作機械10においては、オイル流路31が、オイル流路31A,31B,31C,31Dから構成されている。オイル流路31A,31B,31C,31Dは、それぞれ、領域111A,111B,111C,111Dに位置して形成されている。オイル流路31A〜31Dは、互いに独立して延びている。言い換えれば、オイル流路31A〜31Dは、主軸筒41において互いに繋がって形成されていない。
オイル流路31は、主軸21の外周上に形成されている。オイル流路31は、回転軸101の軸方向において、ロータ23、ステータ46およびベアリング26と重なる位置に形成されている(図2を参照のこと)。
オイル流路31は、線状に延びるとともに、側面42上の平面的に広がる範囲に形成されている。オイル流路31は、側面42において、線状に延びる方向を一定区画ごとに変えるように形成されている。オイル流路31は、ジグザグ状に延びて形成されている。オイル流路31は、回転軸101の軸方向に沿って延びる第1流路部分としての流路部分33と、流路部分33に直交する方向に沿って延びる第2流路部分としての流路部分34とを有する。オイル流路31は、流路部分33と流路部分34とが交互に並ぶように蛇行しながら延びている。本実施の形態では、オイル流路31A〜31Dの各流路が、側面42A〜42Dの各側面において流路部分33の総長さが流路部分34の総長さよりも大きくなるように形成されている。
主軸筒41を回転軸101に直交する平面により切断した場合に、オイル流路31は、複数の溝断面36を有する(図3を参照のこと)。複数の溝断面36は、側面42に開口し、互いに間隔を隔てて配列されている。オイル流路31A,31B,31C,31Dは、それぞれ、側面42A,42B,42C,42Dに開口する溝断面36により形成されている。複数の溝断面36は、オイル流路31の流路部分33における断面である。
工作機械10は、蓋部材としての側蓋52をさらに有する。側蓋52は、平板形状を有する。側蓋52は、溝断面36の開口を塞ぐように主軸筒41に取り付けられている。オイル流路31からの油漏れを防ぐため、側蓋52と側面42との間には図示しないシール部材が介挿されている。
なお、本実施の形態では、主軸筒41を回転軸101に直交する平面により切断した場合に、側面42が略矩形断面となる場合を説明したが、側面42は、三角形断面や、これら以外の多角形断面などを有してもよい。
図5は、図1中に示す主軸台の冷却構造を模式的に表わす図である。図5を参照して、本実施の形態における工作機械10は、オイルを冷却するためのオイルクーラ66と、オイルを貯留するためのオイルタンク67と、オイル供給用流路73A,73B,73C,73Dと、オイル排出用流路75と、流量調整バルブ71A,71B,71C,71Dと、温度センサ51A,51B,51C,51Dとをさらに有する。
主軸筒41に形成されたオイル流路31と、オイルクーラ66およびオイルタンク67とが、オイル供給用流路73A〜73Dおよびオイル排出用流路75によって互いに接続されている。オイルクーラ66は、主軸台110の冷却によって温度上昇したオイルを冷却する機能を有する。
より具体的には、側面42A上においてジグザグ状に延びるオイル流路31Aの一方端と、オイルクーラ66との間が、オイル供給用流路73Aによって接続されている。側面42A上においてジグザグ状に延びるオイル流路31Aの他方端と、オイルタンク67との間が、オイル排出用流路75によって接続されている。同様に、オイル流路31Bの一方端とオイルクーラ66との間が、オイル供給用流路73Bによって接続され、オイル流路31Bの他方端とオイルタンク67との間が、オイル排出用流路75によって接続されている。オイル流路31Cの一方端とオイルクーラ66との間が、オイル供給用流路73Cによって接続され、オイル流路31Cの他方端とオイルタンク67との間が、オイル排出用流路75によって接続されている。オイル流路31Dの一方端とオイルクーラ66との間が、オイル供給用流路73Dによって接続され、オイル流路31Dの他方端とオイルタンク67との間が、オイル排出用流路75によって接続されている。
このような構成により、オイル供給用流路73A,73B,73C,73Dをそれぞれ通じてオイル流路31A,31B,31C,31Dに供給されたオイルは、各流路を流れる間、主軸筒41と熱交換を行なうことによって主軸台110を冷却する。熱交換によって温度上昇したオイルは、オイル排出用流路75を通じてオイルタンク67に回収される。オイルは、図示しないポンプによって汲み上げられ、オイルクーラ66によって冷却された後、再び、オイル流路31A,31B,31C,31Dへと供給される。
オイルは、オイル流路31を流通する間に徐々に温度上昇するため、オイル流路31A〜31Dの各流路の上流側と下流側との間ではオイルの温度に差が生じる。これに対して、本実施の形態では、図4中に示すように、側面42A〜42Dの各側面における流路部分33の総長さが流路部分33の総長さよりも大きくなるようにジグザグ状に形成されている。このような構成によれば、オイル流路31は、主軸21の回転軸101の軸方向において何度も往復するため、オイル流路31の上流側と下流側との間で生じるオイルの温度差が回転軸101の軸方向における主軸21の熱変形に与える影響を小さく抑えることができる。これにより、主軸21がその回転軸101の軸方向において反るように変形することを抑制できる。
工作機械10に設けられる主軸台110の冷却構造は、最終的にワークの加工精度を向上させるという目的を達成するために、オイル流路31A〜31Dに供給するオイル流量を流路ごとに調整する機構を備える。以下、そのオイル流量の調整機構について説明する。
オイル供給用流路73A,73B,73C,73Dの各流路の経路上には、それぞれ、調整部としての流量調整バルブ71A,71B,71C,71Dがそれぞれ設けられている。流量調整バルブ71A,71B,71C,71Dは、それぞれ、オイル流路31A,31B,31C,31Dを流れるオイルの流量を調整可能な流量可変バルブとして設けられている。
温度センサ51A〜51Dは、主軸筒41の複数個所に位置して設けられている。温度センサ51A〜51Dは、主軸筒41を形成する金属に埋設されている。本実施の形態では、温度センサ51A,51B,51C,51Dは、それぞれ、側面42A,42B,42C,42Dと主軸21との間に位置する主軸筒41の4箇所に埋設されている。温度センサ51A〜51Dは、各センサが設けられた位置の主軸筒41の温度を検出する機能を有する。
なお、温度センサ51A〜51Dを設ける位置は、上記箇所に限定されない。たとえば、温度センサ51A〜51Dは、主軸筒41の表面に接合されてもよい。温度センサ51A〜51Dは、互いに隣り合うオイル流路間の位置(たとえば、オイル流路31Aとオイル流路31Bとの間の主軸筒41の角部)に設けられてもよい。また、本実施の形態では、オイル流路31の数と温度センサの数とが一致するが、必ずしも一致しなくてもよい。
図6は、オイル流量の調整機構を示すブロック図である。図7は、図6中のオイル流量の調整機構によって実行される処理のフローチャート図である。
図6および図7を参照して、工作機械10は、さらに制御部76を有する。制御部76は、温度データの入出力や、バルブ開度に関する指令の入出力が可能なように、温度センサ51A〜51Dおよび流量調整バルブ71A〜71Dと電気的に接続されている。
オイル流量を調整する処理流れについて説明すると、まず、温度センサ51A〜51Dは、各センサが設けられた位置の主軸筒41の温度(t,t,t,t)を検出する(S101)。温度センサ51A〜51Dは、検出した主軸筒41の温度データを制御部76に対して出力する。
制御部76は、温度センサ51A〜51Dから受け取った温度データに基づき、オイル流路31A〜31Dの各流路に流通させるオイル流量(A,A,A,A)を決定する(S102)。この際、主軸21の回転時の発熱に伴う熱変形に起因して、主軸21の回転中心が変化しないようにオイル流量(A,A,A,A)を決定する。このようなオイル流量の決定を可能とするため、主軸筒41の温度(t,t,t,t)を変数として含む計算式「A,A,A,A=f(t,t,t,t)」を制御部76に予め与えておく。この計算式は、主軸筒41の温度(t,t,t,t)およびオイル流量(A,A,A,A)を種々に変化させながら主軸21の回転中心の位置を実測定し、主軸21の回転中心の位置が変化しない主軸筒41の温度とオイル流量との組み合わせをサンプリングすることによって得られる。制御部76は、決定されたオイル流量を実現するためのバルブ開度を算出し、これを流量調整バルブ71A〜71Dの各バルブに対して出力する。
流量調整バルブ71A〜71Dの各バルブは、入力されたバルブ開度に応じて作動する(S103)。これにより、オイル流路31A〜31Dの各流路に所定量のオイルが流通する。
上記のように加工中に主軸21の回転中心を一定の位置に留めておこうとすると、主軸台110の形状の歪さなどから、オイル流路31A〜31Dの各流路に要求されるオイル流量は互いに異なってくる。また、主軸筒41の側面42A,42C,42Dの三方が周囲環境に面しているのに対して、側面42Bは、支持脚61を介してベッド160に接続されているため、主軸台110は、側面42A,42C,42Dの三方に向けて低く、側面42bの一方に向けて高くなる放熱性を備える。この点も、オイル流路31A〜31Dの各流路に要求されるオイル流量が互いに異なることとなる原因となる。
これに対して、本実施の形態における工作機械10においては、側面42A〜42Dの各側面に、互いに独立したオイル流路31A〜31Dが形成され、さらにこれらのオイル流路31A〜31Dに供給するオイル流量を個別に可変とする流量調整バルブ71A〜71Dが設けられている。
なお、本実施の形態では、主軸筒41を領域111A〜111Dの領域ごとに適正に冷却する手段としてオイル流量の調整を用いたが、本発明はこれに限られない。たとえば、オイル流路31A〜31Dに供給するオイルの温度に差を設けることによって、領域111A〜111Dの各領域における主軸筒41の冷却効率を可変としてもよい。この場合に、図5中のオイルクーラ66によって冷却されたオイルに、オイルタンク67に回収されたオイルを適当な割合で混合することにより、オイル流路31A〜31Dに供給するオイルの温度を調整してもよい。
一方、主軸21の回転時における発熱の状態によっては、主軸21の回転中心を一定の位置に保持することが困難な場合がある。この場合には、図7中のS102に示すフローにおいて、制御部76は、主軸21の回転中心がY軸方向に沿って変位するようにオイル流量(A,A,A,A)を決定する。以下、その理由について説明する。
図8は、Z軸方向から見た場合のワークと工具との関係を示す図である。図8を参照して、図中には、回転軸101を中心に回転する円柱状のワーク123と、このワーク123を切削する工具122(一例として、図1中の刃物台120Bに装着されたもの)とが示されている。
加工時、工具122は、矢印201に示すX軸方向に沿って移動し、ワーク123の外周面に接触する。この場合に、たとえば、主軸21の回転時の発熱に伴う熱変形によって回転軸101が矢印211に示すX軸に平行な方向に変位したとすると、ワーク123と工具122とが接触する加工位置81は、矢印213に示すように工具122の切り込み方向に変位する。このため、回転軸101の変位がワーク123の加工精度に与える影響が大きくなる。これに対して、主軸21の回転時の発熱に伴う熱変形によって回転軸101が矢印212に示すY軸に平行な方向に変位すると、ワーク123と工具122とが接触する加工位置81は、矢印214に示すワーク123の外周面の接線方向に変位する。この場合、切り込み方向への変位は小さくなり、回転軸101の変位がワーク123の加工精度に与える影響は小さくなる。結果、主軸21の回転に伴う熱変形に起因して主軸21の回転中心が変位する場合であっても、加工精度の低下を極力小さく抑えることができる。
図9は、図3中の主軸台の変形例を示す図である。図9を参照して、本変形例では、支持脚61が、脚部62および脚部63を有する。脚部62および脚部63は、ベッド160と主軸筒41との間で柱状に延びている。脚部62および脚部63は、主軸筒41側から枝分かれし、ベッド160の互いに異なる位置に接続されている。脚部62は、ベッド160と主軸筒41との間の長さである脚長さH1を有し、脚部63は、H1よりも大きい脚長さH2を有する。
本変形例では、主軸筒41に、図3中の温度センサ51A〜51Dに替えて温度センサ51E,51Fが設けられている。温度センサ51Eは、オイル流路31Aとオイル流路31Bとの間(側面42Aと側面42Bとの間の角部)に配置され、温度センサ51Fは、オイル流路31Bとオイル流路31Cとの間(側面42Bと側面42Cとの間の角部)に配置されている。
このような構成を備える主軸台110において、制御部76が、主軸21の回転中心がY軸方向に沿って変位するようにオイル流量を決定する場合を想定する。本変形例では、脚部62が脚長さH1を有し、脚部63がH1よりも大きい脚長さH2を有するため、脚部62および脚部63が主軸筒41からの熱伝達によって同じ温度まで温度上昇すると、脚部63の伸び量は、熱変形後の脚部62の伸び量よりも大きくなってしまう。このため、たとえば、温度センサ51Eにて8℃が検出され、温度センサ51Fにて10℃が検出された場合には、オイル流路31Aに供給するオイル流量を減少させ、オイル流路31Cに供給するオイル流量を増大させる。これにより、温度センサ51Eにおける温度を10℃とし、温度センサ51Fにおける温度を8℃とし、脚部62および脚部63の脚長さに起因する熱変形量の差をキャンセルする。
以上に説明した、この発明の実施の形態1における工作機械10の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態における工作機械10は、主軸21と、ハウジング部材としての主軸筒41とを備える。主軸21は、ワークまたは工具としてのワークを保持し、モータ駆動により回転する。主軸筒41は、主軸21を取り囲むように設けられる。主軸筒41には、冷媒としてのオイルが流通する複数の冷媒流路としてのオイル流路31A〜31Dが形成される。オイル流路31A〜31Dは、それぞれ、主軸21の回転軸101を中心にその周方向に並ぶ複数の領域111A〜111Dに配置され、互いに独立して形成される。
このように構成された、この発明の実施の形態1における工作機械10によれば、主軸筒41が有する側面42A〜42Dの各側面に、互いに独立したオイル流路31A〜31Dが形成される。これにより、オイルを流通させる条件をオイル流路ごとに設定することが可能となり、主軸21の回転時の発熱に伴う主軸台110の熱変形を適切に制御することができる。結果、加工精度を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、本発明における工作機械が旋盤である場合を説明したが、本発明をマシニングセンタに適用することもできる。また、本発明を、工具主軸を備えた旋盤や回転テーブルを備えたマシニングセンタなどの複合加工機に適用することもできる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1における工作機械10が備える主軸筒41の各種変形例について説明を行なう。
図10は、図4中の主軸筒の第1変形例を示す斜視図である。図10を参照して、オイル流路31は、回転軸101の軸方向に沿って延びる流路部分33と、流路部分33に直交する方向に沿って延びる流路部分34とを有し、流路部分33と流路部分34とが交互に並ぶように蛇行しながら延びている。本変形例では、オイル流路31A〜31Dの各流路が、側面42A〜42Dの各側面において流路部分34の総長さが流路部分33の総長さよりも大きくなるように形成されている。
このような構成を備える工作機械において、好ましくは、オイル流路31に対してオイルを主軸前方から供給し、主軸後方から排出する。この場合、温度の低いオイルが主軸前方に流通するため、その主軸前方に配置されたベアリング26(図2を参照のこと)の焼き付きをより確実に防ぐことができる。
図11は、図4中の主軸筒の第2変形例を示す斜視図である。図11を参照して、本変形例では、オイル流路31が、周方向に並ぶ図3中の領域111A〜111Dに加えて、回転軸101の軸方向に並ぶ領域86,87,88に分割されて形成されている。すなわち、オイル流路31は、互いに独立して形成される12個のオイル流路から構成されている。このような構成によれば、オイル流路31にオイルを供給する条件をさらに、回転軸101の軸方向に並ぶ領域86〜88ごとに設定する。これにより、主軸21がその回転軸101の軸方向において反るように変形することを防止できる。結果、加工精度を向上させることができる。
このように構成された、この発明の実施の形態2における工作機械によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
(実施の形態3)
図12は、この発明の実施の形態3における工作機械を示す断面図である。本実施の形態における工作機械は、実施の形態1における工作機械10と比較して、基本的に同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図12を参照して、主軸筒41を回転軸101に直交する平面により切断した場合に、オイル流路31は、複数の溝断面36を有する。複数の溝断面36は、図4中の流路部分33におけるオイル流路31の断面である。複数の溝断面36は、互いに間隔を隔てて配列されている。図中には、主軸筒41の側面42Aに開口する複数の溝断面36が示されている。複数の溝断面36は、側面42A〜42Dにおいて同様の構造を有するため、以下、代表的に側面42Aに開口する複数の溝断面36の構造について説明する。
複数の溝断面36は、2つの溝断面36pと、2つの溝断面36qと、2つの溝断面36rとから構成されている。2つの溝断面36pは、互いに隣り合って配置されている。2つの溝断面36qは、溝断面36pの両側にそれぞれ配置され、さらに2つの溝断面36rは、溝断面36qの両側に配置されている。溝断面36p、溝断面36qおよび溝断面36rは、挙げた順に、側面42Aの中心部から端部に向けて並ぶように配置されている。
既に説明した通り、本実施の形態では、主軸筒41を回転軸101に直交する平面により切断した場合に、側面42は略矩形断面となる。このため、側面42Aと回転軸101との間の距離は、側面42Aの中心部から端部に向かうほど大きくなる。側面42Aにおける溝断面36qの開口と回転軸101との間の長さL2は、溝断面36pの開口と回転軸101との間の長さL1よりも大きくなる。側面42Aにおける溝断面36rの開口と回転軸101との間の長さL3は、溝断面36qの開口と回転軸101との間の長さL2よりも大きくなる。
側面42Aと溝断面36の溝底までの長さを溝深さという場合に、溝断面36pは、溝深さH1を有する。溝断面36qは、溝深さH1よりも大きい溝深さH2を有する。溝断面36rは、さらに溝深さH2よりも大きい溝深さH3を有する。溝断面36pの溝底と回転軸101との間の長さL4と、溝断面36qの溝底と回転軸101との間の長さL5と、溝断面36rの溝底と回転軸101との間の長さL6とが互いに等しい。すなわち、溝断面36p,36q,36rは、各溝断面の溝底が回転軸101を中心とする周方向に並ぶように形成されている。
図12中に示す断面において溝深さ方向に直交する方向の溝断面36の長さを溝幅という場合に、溝断面36p,36q,36rの各溝断面は、一定の溝幅を有する。溝断面36p,36q,36rは、互いに等しい溝幅を有する。
図13は、図12中の工作機械に設けられる側蓋を示す斜視図である。図12および図13を参照して、本実施の形態における工作機械90は、ブロック部材としての溝内ブロック56を有する。溝内ブロック56は、溝断面36pよりも大きい溝深さを有する溝断面36qおよび溝断面36rに配置されている。本実施の形態では、溝断面36pに溝内ブロック56は配置されていない。溝断面36qに配置された溝内ブロック56を溝内ブロック56Qといい、溝断面36rに配置された溝内ブロック56を溝内ブロック56Rという場合に、溝内ブロック56Qは、溝断面36q内のオイルが流通可能な面積(以下、オイル流路面積ともいう)を小さくするように配置され、溝内ブロック56Rは、溝断面36r内のオイル流路面積を小さくするように配置されている。
相対的に小さい溝深さを有する溝断面36qに配置される溝内ブロック56Qは、高さh2を有し、相対的に大きい溝深さを有する溝断面36rに配置される溝内ブロック56Rは、高さh2よりも大きい高さh3を有する。溝断面36qおよび溝断面36rにそれぞれ溝内ブロック56Qおよび溝内ブロック56Rが配置されることによって、溝断面36pのオイル流路面積S1と、溝断面36qのオイル流路面積S2と、溝断面36rのオイル流路面積S3とが、互いに等しくなる。すなわち、溝断面36pを流れるオイルの流速と、溝断面36qを流れるオイルの流速と、溝断面36rを流れるオイルの流速とが、互いに等しくなる。
このような構成によれば、溝断面36に溝内ブロック56を配置することによって、均等なオイル流路面積を有する溝断面36p,36q,36rが、回転軸101を中心に円断面を有する主軸21に対して均等な位置関係で、主軸21の周囲に形成される。これにより、主軸筒41の冷却効率が、複数の溝断面36間におけるオイル流路面積の差や、主軸21と各溝断面36との位置関係の差に起因して、回転軸101を中心とする周方向においてばらつくことを防止できる。
たとえば、複数の溝断面36の全てが溝深さH1を有する場合を想定すると、この場合、溝断面36rが形成される位置において主軸21とオイル流路31との距離が大きくなる。このため、主軸21側から外周方向に向かう熱が溝断面36rを流通するオイルと直ちに熱交換することができず、図3中の隣接する領域111A〜111Dの境界位置で熱干渉が生じる。このような熱干渉の発生は、現象として定まらない事項であり、主軸台110の熱変形の制御を複雑にする要因となる。一方、本実施の形態における工作機械90では、領域111A〜111Dの各領域において主軸台110を回転軸101を中心とする周方向において均等に冷却することができる。これにより、オイル流路31A〜31Dに供給するオイル流量の設定を通じて、主軸台110の熱変形を容易かつ適切に制御することができる。
また、本実施の形態では、オイル流路36が側面42に開口する溝形状により形成されている。このような構成により、主軸筒41を鋳造する際に溝形状を同時に成形するなどしてオイル流路36を容易に形成することができる。これにより、主軸筒41の製造工程を簡略化し、その生産性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態では、溝内ブロック56が側蓋52と一体に形成されている。このような構成によれば、主軸台110に必要となる部品点数を削減することができる。また、側蓋52の取り付けと同時に溝内ブロック56が溝断面36に配置されるため、主軸台110の組み立て時の作業性を向上させることができる。
以上に説明した、この発明の実施の形態3における工作機械90の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態における工作機械90は、主軸21と、主軸21を取り囲むように設けられるハウジング部材として主軸筒41とを備える。主軸21は、ワークまたは工具としてのワークを保持し、モータ駆動により回転する。主軸筒41は、主軸21の回転軸101に沿って延在し、主軸21の回転軸101に直交する平面により切断した場合に非円形断面となる側面42を有する。主軸筒41には、冷媒としてのオイルが流通するオイル流路31が形成される。主軸筒41を主軸21の回転軸101に直交する平面により切断した場合に、オイル流路31は、側面42に開口し、互いに間隔を隔てて配列される複数の溝断面36(36p,36q,36r)を有する。
複数の溝断面36は、第1溝断面としての溝断面36pと、側面42からの深さが溝断面36pよりも大きい第2溝断面としての溝断面36qとを含む。工作機械90は、さらにブロック部材としての溝内ブロック56を備える。溝内ブロック56は、第1溝断面および第2溝断面のうち少なくとも第2溝断面としての溝断面36qに配置され、オイルが流通可能な溝断面36内の面積を小さくする。
または、複数の溝断面36は、第1溝断面としての溝断面36qと、側面42からの深さが溝断面36qよりも大きい第2溝断面としての溝断面36rとを含む。工作機械90は、さらにブロック部材としての溝内ブロック56を備える。溝内ブロック56は、第1溝断面および第2溝断面のうち少なくとも第2溝断面としての溝断面36qおよび溝断面36rに配置され、冷媒が流通可能な溝断面36内の面積を小さくする。
このように構成された、この発明の実施の形態3における工作機械90によれば、領域111A〜111Dの各領域において主軸台110を回転軸101を中心とする周方向において均等に冷却することにより、主軸台110の熱変形を容易かつ適切に制御することができる。結果、加工精度を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、主軸筒41の各側面に互いに独立したオイル流路31A〜31Dが形成された工作機械90について説明したが、本発明においては、互いに独立して形成されるオイル流路は必須の構成ではない。すなわち、オイル流路31A〜31Dが互いに連通して形成されてもよい。
(実施の形態4)
図4中に示すように、オイル流路31は、回転軸101の軸方向に沿って延びる流路部分33と、流路部分33に直交する方向に沿って延びる流路部分34とから構成されている。本実施の形態では、流路部分34において流路部分33と同一のオイル流路面積を得るための構造について説明する。なお、実施の形態3における工作機械90と重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図14は、図12中の主軸筒の第1変形例を示す斜視図である。図14および後述の図15中には、代表的に、流路部分33の溝断面36qと溝断面36rとを接続する流路部分34が示されている。
図14を参照して、本変形例では、流路部分33が溝幅B1を有し、流路部分34がB1よりも小さい溝幅B2を有する。図14中の主軸筒41に図13中の側蓋52が取り付けられた状態において、流路部分33における溝断面36p〜36rのオイル流路面積と、流路部分34におけるオイル流路面積とが、互いに等しくなる。すなわち、流路部分33の溝断面36p〜36rを流れるオイルの流速と、流路部分34を流れるオイルの流速とが、互いに等しくなる。
図15は、図12中の主軸筒の第2変形例を示す斜視図である。図16は、図15中の主軸筒に取り付けられる側蓋を示す斜視図である。
図15および図16を参照して、流路部分34の溝底は、相対的に大きい溝深さを有する溝断面36rの溝底と、相対的に小さい溝深さを有する溝断面36qの溝底とを互いに繋ぐように、傾斜して形成されている。本変形例では、流路部分34に溝内ブロック57がさらに配置される。溝内ブロック57は、流路部分34に配置された状態で、溝内ブロック56Qと溝内ブロック56Rとの間で流路部分34の溝底と同じ角度で傾斜するように形成されている。
主軸筒41に側蓋52が取り付けられた状態において、流路部分33における溝断面36p〜36rのオイル流路面積と、流路部分34におけるオイル流路面積とが、互いに等しくなる。すなわち、流路部分33の溝断面36p〜36rを流れるオイルの流速と、流路部分34を流れるオイルの流速とが、互いに等しくなる。
これらの変形例によれば、流路部分33における溝断面36p〜36rのオイル流路面積と、流路部分34におけるオイル流路面積とを等しくすることによって、冷却効率のばらつきをさらに効果的に抑制することができる。
このように構成された、この発明の実施の形態4における工作機械によれば、実施の形態3に記載の効果を同様に得ることができる。
(実施の形態5)
図17は、この発明の実施の形態5における工作機械を示す断面図である。本実施の形態における工作機械は、実施の形態3における工作機械90と比較して、基本的に同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図17を参照して、本実施の形態における工作機械95において、実施の形態3における工作機械90と同様に、側面42Aにおける溝断面36qの開口と回転軸101との間の長さL2は、溝断面36pの開口と回転軸101との間の長さL1よりも大きくなる。側面42Aにおける溝断面36rの開口と回転軸101との間の長さL3は、溝断面36qの開口と回転軸101との間の長さL2よりも大きくなる。また、溝断面36pは、溝深さH1を有する。溝断面36qは、溝深さH1よりも大きい溝深さH2を有する。溝断面36rは、さらに溝深さH2よりも大きい溝深さH3を有する。また、溝断面36pの溝底と回転軸101との間の長さL4と、溝断面36qの溝底と回転軸101との間の長さL5と、溝断面36rの溝底と回転軸101との間の長さL6とが互いに等しい。
一方、溝断面36p、溝断面36qおよび溝断面36rは、互いに異なる溝幅を有する。より具体的には、溝断面36pは、溝幅B1を有する。溝断面36qは、溝幅B1よりも大きい溝幅B2を有する。溝断面36rは、さらに溝幅B2よりも大きい溝幅B3を有する。溝断面36pのオイル流路面積S1と、溝断面36qのオイル流路面積S2と、溝断面36rのオイル流路面積S3とが、互いに等しくなる。すなわち、溝断面36pを流れるオイルの流速と、溝断面36qを流れるオイルの流速と、溝断面36rを流れるオイルの流速とが、互いに等しくなる。
このような構成により、均等なオイル流路面積を有する溝断面36p,36q,36rが、回転軸101から等距離に位置して主軸21の周囲に形成される。これにより、主軸筒41の冷却効率が、複数の溝断面36間におけるオイル流路面積の差や、回転軸101からの距離の差に起因して、回転軸101を中心とする周方向においてばらつくことを防止できる。
以上に説明した、この発明の実施の形態5における工作機械95の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態における工作機械95は、主軸21と、主軸21を取り囲むように設けられるハウジング部材としての主軸筒41とを備える。主軸21は、ワークまたは工具としてのワークを保持し、モータ駆動により回転する。主軸筒41は、主軸21の回転軸101に沿って延在し、主軸21の回転軸101に直交する平面により切断した場合に非円形断面となる側面42を有する。主軸筒41には、冷媒としてのオイルが流通する冷媒流路としてのオイル流路31が形成される。主軸筒41を主軸21の回転軸101に直交する平面により切断した場合に、オイル流路31は、側面42に開口し、互いに間隔を隔てて配列される複数の溝断面36(36p,36q,36r)を有する。
複数の溝断面36は、第1溝断面としての溝断面36pと、側面42からの深さが溝断面36pよりも大きい溝断面36qとを含む。溝断面36pおよび溝断面36qは、溝断面36pの開口と主軸21の回転軸101との間の距離L1が、溝断面36qの開口と主軸21の回転軸101との間の距離L2よりも小さくなるように配置される。溝断面36qの溝幅B2は、溝断面36pの溝幅B1よりも小さい。
または、複数の溝断面36は、第1溝断面としての溝断面36qと、側面42からの深さが溝断面36qよりも大きい溝断面36rとを含む。溝断面36qおよび溝断面36rは、溝断面36qの開口と主軸21の回転軸101との間の距離L2が、溝断面36rの開口と主軸21の回転軸101との間の距離L3よりも小さくなるように配置される。溝断面36rの溝幅B3は、溝断面36qの溝幅B2よりも小さい。
このように構成された、この発明の実施の形態5における工作機械95によれば、実施の形態3に記載の効果を同様に得ることができる。
なお、以上に説明した実施の形態1〜5における工作機械の各種構造を適宜組み合わせて、新たな工作機械を構成してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、主に、旋盤やマシニングセンタなどの工作機械に適用される。
10,90,95 工作機械、21 主軸、22 主軸本体、23 ロータ、26,27 ベアリング、31,31A,31B,31C,31D オイル流路、33,34 流路部分、36,36p,36q,36r 溝断面、41 主軸筒、42,42A,42B,42C,42D 側面、46 ステータ、51A,51B,51C,51D,51E,51F 温度センサ、52 側蓋、56,56Q,56R,57 溝内ブロック、61 支持脚、62,63 脚部、66 オイルクーラ、67 オイルタンク、71A,71B,71C,71D 流量調整バルブ、73A,73B,73C,73D オイル供給用流路、75 オイル排出用流路、76 制御部、81 加工位置、86,87,88,111A,111B,111C,111D 領域、101 回転軸、110 主軸台、115 チャック、120,120A,120B 刃物台、121 工具ホルダ、122 工具、123 ワーク、130 横送り台、140 サドル、141 案内面、150 心押台、160 ベッド、161 案内面、162 取り付け面。

Claims (4)

  1. ワークまたは工具を保持し、モータ駆動により回転する主軸と、
    冷媒が流通する複数の冷媒流路が形成され、前記主軸を取り囲むように設けられるハウジング部材とを備え、
    複数の前記冷媒流路は、それぞれ、前記主軸の回転軸を中心にその周方向に並ぶ複数の領域に配置され、互いに独立して形成され
    供給する冷媒の流量および温度の少なくともいずれか一方を前記冷媒流路ごとに調整する調整部と、
    前記主軸に保持したワークを旋削するための工具が装着される刃物台と、
    前記刃物台を搭載し、第1軸に沿ってスライド移動可能な横送り台と、
    前記横送り台を搭載し、前記第1軸に直交し、前記主軸の回転軸に平行な第2軸に沿ってスライド移動可能なサドルとをさらに備え、
    前記主軸の回転に伴う熱変形に起因して前記主軸の回転中心が変位する場合に、前記調整部は、前記主軸の回転中心が、前記第1軸および前記第2軸に直交する第3軸に沿って変位するように制御される、工作機械。
  2. 前記ハウジング部材の複数箇所に設けられ、各箇所における前記ハウジング部材の温度を検出するセンサをさらに備え、
    前記調整部は、前記センサにより検出された温度データに基づいて制御され、請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記冷媒流路は、前記主軸の回転軸方向に沿って延びる複数の第1流路部分と、前記第1流路部分に直交する方向に沿って延びる複数の第2流路部分とを有し、前記第1流路部分と前記第2流路部分とが交互に並ぶように蛇行しながら延び、
    複数の前記第1流路部分の総長さが複数の前記第2流路部分の総長さよりも大きい、請求項1または2に記載の工作機械。
  4. ワークまたは工具を保持し、モータ駆動により回転する主軸と、
    冷媒が流通する複数の冷媒流路が形成され、前記主軸を取り囲むように設けられるハウジング部材とを備え、
    複数の前記冷媒流路は、それぞれ、前記主軸の回転軸を中心にその周方向に並ぶ複数の領域に配置され、互いに独立して形成され、
    前記ハウジング部材の複数箇所に設けられ、各箇所における前記ハウジング部材の温度を検出するセンサと、
    前記センサにより検出された温度データに基づいて制御され、供給する冷媒の流量および温度の少なくともいずれか一方を前記冷媒流路ごとに調整する調整部と、
    前記主軸に保持したワークを旋削するための工具が装着される刃物台と、
    前記刃物台を搭載し、第1軸に沿ってスライド移動可能な横送り台と、
    前記横送り台を搭載し、前記第1軸に直交し、前記主軸の回転軸に平行な第2軸に沿ってスライド移動可能なサドルとをさらに備え、
    前記主軸の回転に伴う熱変形に起因して前記主軸の回転中心が変位する場合に、前記調整部は、前記主軸の回転中心が、前記第1軸および前記第2軸に直交する第3軸に沿って変位するように制御される、工作機械。
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