JP6442144B2 - 放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像方法およびプログラム - Google Patents

放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像方法およびプログラムに関するものである。
放射線を被写体に照射する放射線発生装置と、放射線の強度分布である放射線画像をデジタル化した放射線画像に画像処理を施し、鮮明な放射線画像を生成する放射線撮像装置と、画像処理装置とを用いた放射線画像撮像システムが製品化されている。このような放射線画像撮像システムでは、放射線照射装置が放射線を被写体に照射し、放射線撮像装置が取得した放射線画像データを、画像処理や保存のために制御コンピュータなどの画像処理装置に転送する。画像処理装置はディスプレイなどの表示装置に画像処理済みの画像を表示させる。
放射線撮像装置は、放射線を画像信号電荷(電気信号)に変換する変換素子と電気信号を外部に転送するTFTなどのスイッチ素子とで構成される画素を、二次元に配列したセンサアレイが用いられる。TFTなどのスイッチ素子を用いたマトリクス駆動を行うことで、変換素子で変換された信号電荷を読出し画像処理装置へ転送し、読み出した電荷量から画像を形成する。
センサアレイ上の各変換素子は、放射線を照射されると、直接または間接的に信号を発生する。間接的に信号を発生する方式のセンサでは、各画素の変換素子が直接に放射線を検出するのではなく、蛍光体により放射線から変換された可視光を検出する。直接・間接いずれの方式のセンサも、各画素は、放射線の照射がまったくない状態であっても、ある程度の信号を発生し、蓄積してしまう。この信号をここでは暗電荷と呼ぶ。
暗電荷はアレイ上の各画素において異なる特性を持っており、暗電荷が放射線照射による画像信号電荷(電気信号)画像信号電荷に重畳すると、画像に不均一なオフセットを加算するかたちで画質を低下させる。これを防ぐために、定期的に、および/または放射線照射の直前に各画素のスイッチ素子をONにし、蓄積された暗電荷の放出(リセット)を実施することが、一般的に行われている。
暗電荷のリセットの際、画像信号がこれに重畳していると、これらを分離して暗電荷のみを引き抜くことはできない。暗電荷のリセットは、放射線の照射に重なったり、放射線の照射後から画像信号読み出しまでの間に実行すると、画像信号を失う結果となる。そのため、暗電荷のリセットと放射線の照射とを排他的に実施する必要があり、その目的で放射線撮像装置と放射線照射装置の同期をとる機構が設けられる。このような機構を有する放射線撮像システムは、特許文献1に記載されている。
センサアレイ上の画素に放射線の照射が開始されると内部で電荷が発生し、各画素に接続されているバイアス線に電荷が流れ出して、バイアス線の電流量が急激に増加する。この電流量の変化を検知することで放射線の開始等を検知する放射線撮像装置が、例えば特許文献2で提案されている。
また、前述したように、センサアレイ上には常に暗電荷が発生するため、定期的に暗電荷のリセット動作を行う必要がある。そのため、図1のようにセンサアレイ上の各行(L0〜L10・・・)を順次駆動してスイッチ素子をONにし、対象行に接続される各画素の電荷をリセットするリセット走査(TC101)を行いながらバイアス線の電流量の変化を検出する。放射線の開始を検知した場合、その瞬間にリセット走査を実施していた行でリセット走査を停止し(TC102)、スイッチ素子をOFFにすることで、センサ駆動状態は放射線による画像信号電荷の蓄積動作状態となる(TC103)。この状態で、センサアレイにより放射線が検知される。
放射線の照射の完了後、再度センサアレイ上の各行を順次駆動してスイッチ素子をONにして、センサ駆動状態を画像信号電荷の出力動作状態として、各画素に蓄積された放射線画像信号の電荷の読み出し動作を行う(TC104)。
この際、放射線の照射開始を検出した時点(TC102)でリセット動作をしていた行の各画素は、スイッチ素子がON状態のため、放射線の照射により発生した有用な画像信号電荷の一部が流出してしまう。
また、放射線照射装置において、放射線の照射を開始した時点では放射線の線量が瞬時に立ち上がらず、線量の立上がりが緩やかな場合には、放射線撮像装置での照射開始の検知が遅れる場合がある。この場合、実際に照射開始した時点から、放射線撮像装置が照射開始を検知した時点の行までの、複数の行(図1の場合はL2〜L7)をリセット走査してしまうため、複数行にわたり放射線照射により蓄積された有用な画像信号電荷の一部を流出してしまう。
図2のように、有用な電荷を流出した行(L2〜L7)の画素値は、前後の行(L0、L1、L8〜L10・・・)の画素値よりも電荷量が少なく、信頼のおけないものとなるため、データの補間を行う等の補正処理を行う必要がある。例えば、特許文献3では、前述のリセット走査を図3のように物理的に隣接しない行に関して順次リセット走査(TC301)を行いながら、放射線の照射開始の検出を待つように構成している。これにより、放射線検知時のデータが欠損する行(L2、L4、L6、L8)を、図4のように連続的に発生させないようにし、欠損行のデータを前後の正常な行のデータから補間することで、画像データの補正処理精度を向上させる方法が提案されている。例えば、欠損行がL2の場合は、前後の正常な行(L1、L3)を用いて補間処理を行うことが提案されている。
また、放射線撮像システムにおいては、撮像が正常にできたかどうか(再撮像が必要か否か)を早く判断するために、撮像実施後すぐに撮像画像が表示できることが求められる。しかしながら、撮像画像は、画像のオフセット成分を補正するオフセット補正処理等の各種画像補正処理や、表示装置まで画像を転送する転送時間が必要になるため、撮像から画像表示までの遅延時間(表示ディレイ時間)が発生する。
この表示ディレイ時間を低減するため、オフセット補正をした後に、プレビュー画像を表示装置に転送する方法が、例えば特許文献4に記載されている。
特開2003− 33340号公報 特開2009−219538号公報 特開2011−249891号公報 特開2012−152340号公報
特許文献2や特許文献3のように、放射線の照射開始を放射線撮像装置自体で検知する構成の場合、前述のように放射線の照射開始を検知した時点のリセット行、およびその付近の行において、放射線検知時のデータが欠損するため画像データが劣化してしまう。取得画像を縮小する等して、先行してプレビュー画像として表示する際に、放射線検知時の画像劣化が表示されると、撮像が正常に撮像できたか、操作者は判断できず、再撮像となる恐れがある。
そのため、画像データの劣化を修正するためには画像補正処理を行う必要があるが、プレビュー画像に対しても画像補正を行うと、補正処理のための時間ロスが発生し、高速に画像を表示することができないという課題がある。
かかる課題を解決するため、本発明は、画像の表示ディレイを低減し、かつ放射線検知時の画像劣化の補正処理を行うことなく、画像の表示が可能な放射線撮像技術を提供する。
本発明の一つの態様に係る放射線撮像装置は、走査ラインに接続され、放射線を検出して電荷を蓄積する画素が、2次元的に複数配置された放射線検出アレイと、
前記画素に蓄積された電荷を順次放出させるリセット走査を行わせるリセット制御手段と、
前記放射線の照射開始を検知する照射検知手段と、
前記放射線の照射開始の検知に応じて前記リセット走査を停止させ、かつ前記放射線の照射により前記画素に蓄積された電荷を読み出し、画像信号を得る制御を行う撮像制御手段と、
前記画像信号に基づいて画像データを生成する生成手段と、
前記画像データを外部の装置に出力する出力手段と、を有する放射線撮影装置であって、
隣接しない走査ラインからなる走査ライン群が複数形成され、
前記リセット制御手段は、1回の走査で、1つの走査ライン群を形成する走査ラインを順次選択し、複数回走査することにより、全ての走査ライン群に含まれる走査ラインが選択されるようにリセット走査し、
前記生成手段は、放射線が照射されたときに選択されていた走査ラインを含む走査ライン群以外の走査ライン群を形成する走査ラインに接続された画素からの画像信号に基づいてプレビュー用画像データを生成し、放射線が照射されたときに選択されていた走査ラインに接続された画素からの画像信号に基づいて補正された画像データを含む本画像用画像データを生成することを特徴とする。
本発明によれば、画像の表示ディレイを低減し、かつ放射線検知時の画像劣化を補正する処理を行うことなく、画像の表示が可能になる。
放射線照射開始を検知し、撮像画像を取得するタイミングチャート。 照射開始検知の遅れにより発生する画像欠損を説明する図。 従来のリセット走査による撮像シーケンスを説明する図。 従来のリセット走査により取得した画像欠損を説明する図。 実施形態にかかる放射線撮像システムの構成例を示す図。 放射線検出部の構成例を示す図。 放射線撮像システムにおける撮像シーケンスを説明する図。 放射線撮像システムにおける撮像シーケンスを説明する図。 プレビュー用画像の間引きを例示的に説明する図。 照射開始検知が先頭行だった場合の画像欠損を説明する図。 第2実施形態における撮像シーケンスを説明する図。 第2実施形態における撮像シーケンスを説明する図。 第4実施形態における撮像シーケンスを説明する図。 第5実施形態における撮像シーケンスを説明する図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
(第1実施形態)
図5は本発明の実施形態にかかる放射線撮像システムの構成例を図示している。放射線撮像システムは放射線撮像装置1と、放射線撮像装置1を制御するコンソール3(情報処理装置)と、表示部4と、放射線を被写体に照射する放射線発生部500と、を有する。また、放射線撮像装置1は、放射線を検出し画像データを生成する放射線検出部2、放射線の照射開始や終了を検知する照射検知部101、撮像動作を制御する撮像制御部102を有する。
撮像制御部102は、放射線検出部2の走査駆動を制御する駆動制御部103と、放射線検出部2からの画像データの取得制御を行う画像取得制御部107と、オフセット補正やプレビュー用画像生成等の信号処理を行う画像処理部108と、を有する。また、撮像制御部102は、放射線検出部2から取得した取得画像を記憶する記憶部111と、取得画像を外部のコンソール3に転送する等、コンソール3と間のデータ通信を制御する通信制御部114と、を有する。通信制御部114による放射線撮像装置1とコンソール3間のデータ通信は、例えば、無線LAN通信を用いることができる。尚、データ通信は無線LAN通信に限定されるものではなく、別の方式による無線通信や、ケーブルによる有線通信でも構わない。
駆動制御部103は、放射線検出部2を定期的、または任意のタイミングで、蓄積された暗電荷の放出(リセット)動作を行うためのリセット走査制御部105を有する。また、駆動制御部103は、放射線検出部2から画像を読み出すための駆動制御を行う読出し走査制御部106と、放射線の照射が開始された時点でリセット走査していた行番号等、照射検知時の情報を記憶するための照射検知時情報記憶部104を有する。
コンソール3は、放射線撮像装置1から転送される撮像画像を受信する等、放射線撮像装置1とコンソール3との間でのデータ通信を制御する通信制御部301を有する。また、コンソール3は、放射線撮像装置1から転送され受信した受信画像を記憶する記憶部302と、受信画像を補正するための画像処理部303とを有する。
撮像制御部102は、例えば、記憶部111に保存されているプログラム等を読み出し、これに基づいて放射線撮像装置1の全体的な制御を行う。放射線撮像装置1の制御は、例えば、ASIC等による制御信号発生回路(制御回路)により装置制御を行っても良いし、プログラムと制御回路との両方により放射線撮像装置1の全体的な制御が実現されても良い。
放射線検出部2は、放射線を電荷に変換する複数の変換素子が行方向の走査ラインに沿って配置され、複数の走査ラインが列方向に配置されている。例えば、TFTのようなスイッチ素子及び光電変換素子(放射線検知素子)を1つの画素として、この画素を2次元アレイ状に配置することにより構成されている。各画素上には、例えば、蛍光体が設けられて形成される。この場合、放射線検出部2に入射した放射線は蛍光体で可視光に変換され、変換された可視光が各画素の光電変換素子に入射し、各光電変換素子において、可視光に応じた電荷が生成される。なお、本実施形態では、上述した蛍光体、及び光電変換素子によって入射した放射線を電荷に変換する「変換素子」を構成例として説明する。ただし、本発明の趣旨は、この構成例に限定されるものではなく、例えば、蛍光体を設けずに、入射した放射線を直接電荷に変換する、いわゆる直接変換型の変換素子を用いることも可能である。放射線検出部2は、TFTのONとOFFの切替により、電荷の蓄積と電荷の読み出しを実施し、放射線画像を取得することができるものである。
図6は放射線検出部2の構成例を示す図である。放射線検出部2の2次元センサアレイ上の行上の各画素は、ドライブ回路201により同時にアドレシングされ、行上の各画素の電荷はサンプルホールド回路202に保持される。その後、サンプルホールド回路202で保持された各画素の電荷(画素出力)はマルチプレクサ203を介して順次読出され、アンプ205により増幅された後、A/D変換器206によりディジタル値の画像データに変換される。各行の走査が終了する毎に、ドライブ回路201が2次元センサアレイ上の次の各行をドライブして順次走査を行い、最終的に全ての画素出力の電荷がディジタル値に変換される。これにより放射線画像データを読み出すことができる。この際、行上の各画素と接続する各列信号線に印加する電圧を特定値に固定しながら走査し、取得した電荷を読み捨てることにより、暗電荷が吐き出され、各画素に蓄積された暗電荷の放出(リセット)が行われる。これらの検出部の駆動、読出し動作等の制御は、駆動制御部103により行われる。
A/D変換器206によりディジタル値に変換された画像データが放射線照射により得られた放射線画像データである場合、放射線画像データは図5における撮像画像用メモリ112に格納される。また、放射線照射を行わず、各画素の暗電荷成分のみから取得したオフセット画像データ(オフセットデータ)の場合、オフセット画像データ(オフセットデータ)は図5におけるオフセット画像用メモリ113に格納される。
画像処理部108に含まれるオフセット補正部110は、放射線画像データからオフセット画像データの成分を減算するオフセット補正を行うことで、不要な暗電荷成分を除去した撮像画像を取得することができる。
また、放射線の照射開始や終了を検知する照射検知部101は、画像を取得する放射線検出部2以外に、独立した放射線検出用のセンサを備えることも可能である。例えば、放射線検出部2のリセット走査中に吐き出される暗電流の量を監視することで、放射線検出部2自体で照射開始・終了検出を実現することが可能である。
オフセット画像データは、例えば、放射線撮像の後に取得し、オフセット補正部110オフセット補正を行う。尚、オフセット画像データの取得のタイミングは、放射線撮像の後に限定されるものではない。例えば、放射線撮像の前に、オフセット画像データを取得しても良いし、暗電荷成分の変動が少なければ、予め用意した1つのオフセット画像をオフセット補正処理に繰り返し用いても良い。
また、放射線撮像装置1内の画像処理部108は、不要な暗電荷成分を除去した撮像画像を縮小する等して、プレビュー用画像を生成するプレビュー画像生成部109を持つ。例えば、プレビュー画像生成部は、放射線撮像画像を取得した後、オフセット補正前の撮像画像から先行してプレビュー画像を生成する。そして、プレビュー画像生成部109は、通信制御部114の制御の下、先行して生成したプレビュー画像をコンソール3に転送することで、先行して生成したプレビュー画像をコンソール3と接続する表示部4に表示可能とする。その後、オフセット補正部110でオフセット補正が実施された縮小しない撮像画像が、通信制御部114の制御の下、コンソール3に転送される。コンソール3と接続する表示部4は転送された撮像画像を本画像として表示する。
コンソール3の通信制御部301は放射線撮像装置1とのデータ送受信の制御を行い、例えばコンピュータ等に組み込まれたソフトウェアを操作することにより撮像制御部102とのデータ送受信を制御して、撮像部位や撮像条件等のパラメータを設定する。また、コンソール3の画像処理部303は放射線撮像装置1から受信した撮像画像を診断に適した形にするための画像処理を行う。また、コンソール3の記憶部302は放射線撮像装置1から受信した撮像画像を記憶する。表示部4は、コンソール3に送信された撮像画像データに基づいて、放射線検出部2から読み出された電荷に基づく放射線撮像画像や、操作UI等を表示する。
図7は本実施形態に係る放射線撮像システムにおける撮像シーケンスを示すタイミングチャートである。また、図8は、放射線撮像システムの撮像シーケンスの流れを説明するフローチャートである。図7、8を参照して放射線撮像システムの動作を説明する。
放射線撮像装置が起動され、撮像待機状態になると、駆動制御部103のリセット走査制御部105は、放射線検出部2を構成する2次元センサアレイへの暗電荷の蓄積を防ぐために、定期的にリセット走査を実施する(図7のTC701、図8のS801)。この際、リセット走査制御部105は、2次元状のセンサアレイ上で物理的に隣接しない行(走査ライン)の変換素子を順次リセット走査(TC701)するようにリセット走査の対象となる走査ラインを選択し、選択した走査ラインの変換素子を順次駆動する。例えば、第一の部分リセット走査では2×n番目の行(n=0から1ずつ増加)を順次選択して走査し(L0、L2、L4・・)、第二の部分リセット走査では2×n+1番目の行(n=0から1ずつ増加)を順次選択して走査を行う(L1、L3、L5、・・)。そして、これら第一の部分リセット走査と第二の部分リセット走査を繰り返し、暗電荷の吐き出しを行いながら放射線の照射を待つ。尚、リセット走査の選択順は例示的なものであり、第二の部分リセット走査を先に行い、第二の部分リセット走査の後に、第一の部分リセット走査を行ってもよい。
また、本実施形態では、隣接しない行(走査ライン)として、1行ずつ順に飛ばして走査する例を示しているが、本発明の趣旨は、この例に限定するものではない。隣接しない行(走査ライン)として、例えば、2行ずつ順に飛ばして走査する場合、第一の部分リセット走査では3×n番目の行を走査し、第二の部分リセット走査では3×n+1番目の行を走査し、第三の部分リセット走査では3×n+2番目の行を走査する。
また、3行ずつ順に飛ばして走査する場合、第一の部分リセット走査では4×n番目の行を走査し、第二の部分リセット走査では4×n+1番目の行を走査し、第三の部分リセット走査では4×n+2番目の行を走査する。そして、第四の部分リセット走査では4×n+3番目の行を走査する。このように、任意の(m−1:mは2以上の整数)行ずつ飛ばしての走査を行い、第mの部分リセット走査までを繰り返しても良い。
また、隣接しない行であれば、一度に複数の行を選択してリセット走査を行ってもよい。例えば、3行ずつ順に飛ばして走査する場合において、第一の部分リセット走査と、第三の部分リセット走査と、を同時に選択してリセット走査を行ってもよい。また、第二の部分リセット走査と、第四の部分リセット走査と、を同時に選択してリセット走査を行ってもよい。
ステップS802において、照射検知部101は、放射線発生部500から放射線の照射が開始されたか否かを判定する。照射検知部101が放射線の照射開始を検知しない場合(S802−No)、リセット走査が繰り返し実行される(S801)。
ユーザの操作入力により放射線発生部500から放射線の照射が行われると、照射検知部101がこれを検知する。照射検知部101が放射線の照射開始を検知すると(S802−Yes)、リセット走査制御部105はリセット走査を停止させる(TC702、S803)。読出し走査制御部106は、2次元センサアレイ上の全てのTFTスイッチをOFFにして、2次元センサアレイ上の全ての画素を電荷蓄積状態にする(TC703、S804)。リセット走査停止により、センサ駆動状態は電荷蓄積動作状態となる。
このとき、駆動制御部103は、リセット走査停止時の2次元センサアレイの情報を照射検知時情報記憶部104に記憶する。すなわち、駆動制御部103は、リセット走査を停止させた際の行番号や、停止した際の部分リセット走査の種類、照射を検知した際の出力値の情報等を、照射検知時情報記憶部104に記憶する。図7において、リセット走査停止時の行番号は、8行目(L8)となる。ここで、部分リセット走査の種類とは、例えば、1行ずつ順に飛ばして走査、2行ずつ順に飛ばして走査、3行ずつ順に飛ばして走査など、リセット走査を行う際に隣接しない行(走査ライン)を選択するための情報をいう。
ステップS805において、照射検知部101は放射線の照射が終了したか否かを判定する。放射線の照射が終了していない場合(S805−No)、電荷蓄積動作(TC703、S804)を継続する。
照射検知部101が放射線の照射の終了を検知すると(S805−Yes)、読出し走査制御部106は、2次元センサアレイ上の全てのTFTスイッチをONにして、2次元センサアレイ上の全ての画素を電荷出力状態にする。そして、放射線照射により蓄積された電荷を読み出すため、読出し走査制御部106は、2次元センサアレイ上の行を順次走査する読出し走査制御(TC704)を行い、放射線撮像された放射線画像データを取得する(S806)。ここで取得された放射線画像データは、撮像画像用メモリ112に記憶される。
放射線画像データにおいては、背景技術で述べたように、実際の放射線の照射開始と照射検知部101の照射開始の検知までの検知遅れにより、一部の行の放射線画像データに劣化が発生し得る。プレビュー画像の表示において、画像データの劣化の影響を低減するため、読出し走査制御部106は、照射検知時情報記憶部104に記憶されているリセット走査停止時の2次元センサアレイの情報を取得する。そして、読出し走査制御部106は、放射線画像データのうち欠損が発生している画像データを特定する。
図7においては、照射検知部101は、2×n番目の行の部分リセット走査中に放射線の照射開始を検知している。このため、図4に示すようにリセット走査停止時のリセット行(L8)および、それ以前の2×n番目の行(L2、L4、L6)の放射線画像データに欠損が発生していることになる。
なお、放射線の照射終了タイミングに関しては、照射検知部101により終了を検知しても良いし、撮像制御部102が特定の固定時間を待機することで照射終了とみなし、読み出し動作を開始しても良い。また、2次元センサアレイ自体で照射終了を検知する場合は、例えば、照射開始時にリセット走査していた行はTFTスイッチをOFFにせず、ONにしたままバイアス線に流れる電流量の監視を続けることで、照射終了を検知することが可能である。
次に、画像処理部108のプレビュー画像生成部109は、プレビュー画像の生成に用いる画像データを決定する。放射線照射開始時にリセット走査を行っていなかった第二の部分リセット走査で選択される行(2×n+1番目の行)の画像データに関しては、リセットによる有用な電荷の流出が無いため、画像劣化が発生していない。画像処理部108のプレビュー画像生成部109は照射開始検知時に実施していた部分リセット走査での選択行以外の行の画像データをプレビュー画像の生成に用いる画像データとして決定し、画像データからプレビュー画像を生成する(TC705、S807)。そして、通信制御部114は、プレビュー画像生成部109で生成されたプレビュー画像を診断用の本画像よりも先にコンソール3に転送する(TC705、S807)。
コンソール3に転送されたプレビュー画像は、照射検知時の画像劣化がないため、劣化の画像補正処理が不要であり、表示部4に即時に表示することが可能である(TC706、S808)。
ここで、画像処理部108のプレビュー画像生成部109によるプレビュー画像生成時において、照射検知時の部分リセット走査での選択行以外のデータ(行(2×n+1番目の行)の画像データ)から、さらに間引き縮小してプレビュー画像を生成しても良い。プレビュー画像生成部109は、間引き縮小画像データを生成する際、例えば、図9に示すように画素を間引くことで、撮像画像を縮小した縮小プレビュー画像を生成してからコンソール3に転送することができる。図9において、例えば、L1行において、ハッチングを付した画素901は縮小プレビュー画像の生成(サンプリング)に用いられ、白抜きの画素902〜905は間引きの対象となる。
図9のように、物理的に連続する画素からサンプリングすることで、被写体における散乱放射線を除去するためのグリッドの配置に対応した周期信号(グリッド縞)のような、特定周波数ノイズの影響を間引きにより低減することができる。尚、プレビュー画像生成部109による縮小プレビュー画像の生成方法に関しては、図9に示す例に限定されるものではなく、別の間引き方法を用いることができる。例えば、縮小プレビュー画像の生成に用いる画素間については、補間処理を用いて縮小プレビュー画像を生成してもよい。縮小プレビュー画像の生成に用いる画素の画素値と補間処理とを組み合わせて縮小プレビュー画像を生成することも可能である。尚、間引きの割合は、図9に例示したものに限定されるものではなく、種々の割合を設定することが可能である。
放射線画像データの読み出し動作の完了後(S806)、読出し走査制御部106は2次元センサアレイ上の全ての画素のTFTスイッチを再びOFFにし、電荷蓄積状態にする(TC707、S809)。本ステップの処理は、先に説明したプレビュー画像の生成、転送処理(TC705、S807)、プレビュー画像の表示処理(TC706、S808)と並列に実行される。このように並列処理を行うことにより、プレビュー画像の生成、表示から、後に説明する診断用の本画像の生成、表示までの時間を短縮することが可能になる。
ステップS810において、読出し走査制御部106は、放射線照射時の蓄積時間(TC703、S804)と同じ待機時間が経過したか判定する(待機時間経過)。この待機時間が経過していない場合(S810−No)、電荷蓄積動作を継続する。これにより暗電荷の蓄積が継続される。読出し走査制御部106は、放射線照射時の蓄積時間と同じ時間が経過したと判定すると(S810−Yes)、読出し走査制御部106は、2次元センサアレイ上の全てのTFTスイッチをONにして、2次元センサアレイ上の全ての画素を電荷出力状態にする。そして、読出し走査制御部106は、読み出し動作を実施し、暗電荷成分のみのオフセット画像データを取得する(TC708、S811)。
その後、オフセット補正部110は、撮像画像用メモリ112に記憶されている放射線画像データの全データと、取得されたオフセット画像データとを用いてオフセット補正を行う(S812)。オフセット補正部110は、放射線画像データからオフセット画像データの成分を減算するオフセット補正により暗電荷成分を除去した撮像画像を取得する。
通信制御部114は、オフセット補正部110によりオフセット補正が施された撮像画像を本画像としてコンソール3に転送する(TC709、S813)。
プレビュー画像と異なり、撮像画像には照射検知時のリセット行付近のデータに劣化が発生するため、これを補正する必要がある。そこで、駆動制御部103は照射検知時情報記憶部104からリセット走査停止時の2次元センサアレイの情報(照射検知時の情報)を読み出し、通信制御部114は駆動制御部103により読み出された照射検知時の情報をコンソール3に転送する。
コンソール3の画像処理部303は、照射検知時の情報から、リセット走査を停止させた際の行番号や、停止した際の部分リセット走査の種類(隣接しない行(走査ライン)の選択方法)、照射を検知した際の出力値の情報等を特定する。画像処理部303は、特定した情報を用いて、受信した撮像画像の欠損を補間するような画像補正し、各種診断に適した画像処理を施す(TC710、S814)。表示部4は、画像処理部303により画像処理が施された撮像画像を表示する(TC711、S815:本画像表示)。
なお、本実施形態では照射検知時の画像欠損の補正処理をコンソール3の画像処理部303にて実施しているが、これに限ったものではなく、放射線撮像装置1内の画像処理部108にて実施しても良い。この場合、照射検知時の情報をコンソール3に転送する必要はなく、画像処理部108がこの情報を使用して補正処理を行えばよい。
放射線の照射開始検知時のリセット行が、部分リセット走査により選択される行の先頭行付近だった場合、照射開始検知の遅れによる画像劣化が、その1つ前に実施していた部分リセット走査の最終行付近にも跨っている場合も生じ得る。図10に示すように、照射開始検知時のリセット行が第一の部分リセット走査時の先頭行(L0)の場合、その前に実施していた第二の部分リセット走査の最終行付近(L2(n−2)+1、L2(n−1)+1、L2n+1))にも跨っている場合が生じ得る。この場合、欠損が生じなければ、各画素は画素値1001を示す。第一の部分リセット走査時の先頭行(L0)が照射開始検知時のリセット行となる場合、先頭行(L0)の画素値1002は基準となる画素値1001に対して大きく低下する。第二の部分リセット走査の最終行付近のL2(n−2)+1行の画素値1003、L2(n−1)+1の画素値1004、L2n+1の画素値1005は、基準となる画素値1001に対して、次第に低くなっていき、先頭行(L0)の画素値1002に近づく。
ただし、この場合でも、照射検知時にリセット走査を行っていなかった、第二の部分リセット走査で選択される行(2×n+1番目の行)の画像データからプレビュー画像を生成する。画像劣化として最も目立つのは、図2のように、列方向の画素値の変化が最も大きく、段差が発生するリセット停止時の行である(例えば、図2のL7)。図10の場合、プレビュー画像として使用する2×n+1番目の行の画像データにも、画像劣化が発生しているが、これらは段差として見えることはなく、端部に緩やかなグラデーションとして見えるため、プレビュー画像の表示に対する影響は軽微である。
本実施形態にかかる放射線撮像装置は、放射線を検出して電荷を蓄積する画素が2次元的に複数配置された放射線検出アレイ204と、該画素に蓄積された電荷をライン単位で順次放出させるための複数の走査ラインとを備える放射線検出部2を有する。
放射線撮像装置のリセット制御部として機能するリセット走査制御部105は、隣接しない走査ラインを順次選択してリセット走査を行わせる。照射検知部101は、リセット走査により放出された電荷に基づいて放射線の照射開始を検知する。
撮像制御部102は、照射開始の検知に応じてリセット走査を停止させ、かつ放射線の照射により放射線検出アレイ204の画素に蓄積された電荷を読み出し画像信号を得る制御を行う。
放射線撮像装置の生成部として機能するプレビュー画像生成部109は、放射線の照射中にリセット走査が行われた走査ラインからの画像信号を除いた画像信号に基づいて画像データを生成する。 また、放射線撮像装置の出力部として機能する通信制御部114は、画像データを外部の装置に出力する。
撮像制御部102は、画像信号を得る電荷の読み出しを、リセット走査が停止された走査ラインから開始する。
リセット走査制御部105は、所定の順序に従い走査ラインを順次選択し、撮像制御部102は、画像信号を得る電荷の読み出しを、リセット走査が停止された走査ラインから開始して所定の順序に従って読み出しを行なう。プレビュー画像生成部109は、画像信号が得られる総ライン数をNとしたとき、読み出しが開始された走査ラインから数えてN/2番目に読み出される走査ラインまでの画像信号に基づき画像データを生成する。
通信制御部114は、プレビュー画像生成部109により生成された画像データを出力した後に、放射線の照射中にリセット走査が行われた走査ラインからの画像信号を含むもう一つの画像データを外部の装置に出力する。
リセット走査制御部105は、リセット走査を偶数ラインと奇数ラインに分けて所定の順序で行なう。プレビュー画像生成部109は、リセット走査が停止したラインが偶数ラインである場合には奇数ラインの画像信号に基づいて画像データを生成し、リセット走査が停止したラインが奇数ラインである場合には偶数ラインの画像信号に基づいて画像データを生成する。
また、本実施形態にかかる放射線撮像装置は、放射線を検出して電荷を蓄積する画素が2次元的に複数配置された放射線検出アレイ204と、該画素に蓄積された電荷を放出させるための複数の走査ラインとを備える放射線検出部を有する放射線撮像装置である。
放射線撮像装置のリセット制御部として機能するリセット走査制御部105は、放射線検出アレイ204の画素に蓄積された電荷を順次放出させるリセット走査を行わせる。照射検知部101は、 リセット走査により放出された電荷に基づいて放射線の照射開始を検知する。撮像制御部102は、照射開始の検知に応じてリセット走査を停止させ、かつ放射線の照射により放射線検出アレイ204の画素に蓄積された電荷を読み出し画像信号を得る制御を行う。
放射線撮像装置の生成部として機能するプレビュー画像生成部109は、放射線の照射中にリセット走査が行われた画素からの画像信号を除いた画像信号に基づいて画像データを生成する。また、放射線撮像装置の出力部として機能する通信制御部114は、画像データを外部の装置に出力する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる放射線撮像システムについて説明する。本実施形態における放射線撮像システムの構成は、前述した第1実施形態の放射線撮像システムの構成と同様であるので、それぞれの構成要素の説明は省略する。
図11、図12は、本実施形態に係る放射線撮像システムにおける撮像シーケンスを示すタイミングチャートである。図11、図12を参照して放射線撮像システムの動作を説明する。本実施形態においても、駆動制御部103のリセット走査制御部105は、放射線検出部2を構成する2次元センサアレイへの暗電荷の蓄積を防ぐために、定期的にリセット走査を実施する。リセット走査制御部105は、2次元センサアレイ上で物理的に隣接しない行(走査ライン)を順次リセット走査するようにリセット走査の対象となる走査ラインを選択し、選択した走査ラインの変換素子を順次駆動する(TC1101、S1201)。
ステップS1202において、照射検知部101が放射線の照射開始を検知しない場合(S1202−No)、リセット走査が繰り返し実行される(S1201)。照射検知部101が放射線の照射開始を検知すると(S1202−Yes)、リセット走査制御部105はリセット走査を停止させる(TC1102、S1203)。読出し走査制御部106は、2次元センサアレイ上の全てのTFTスイッチをOFFにして、2次元センサアレイ上の全ての画素を電荷蓄積状態にする(TC1103、S1204)。図11の例では、2n番目の行をリセット走査するリセット走査1の途中でリセット走査停止となっている。駆動制御部103は、リセット走査を停止させた際の行番号や、停止した際の部分リセット走査の種類、照射を検知した際の出力値の情報等を、照射検知時情報記憶部104に記憶する。ここで記憶された情報は、放射線画像データの読出しに使用される。
ステップS1205において、照射検知部101は放射線の照射が終了したか否かを判定する。放射線の照射が終了していない場合(S1205−No)、電荷蓄積動作(TC1203、S1204)を継続する。
照射検知部101が放射線の照射の終了を検知すると(S1205−Yes)、読出し走査制御部106は、2次元センサアレイ上の全てのTFTスイッチをONにして、2次元センサアレイ上の全ての画素を電荷出力状態にする。そして、放射線照射により蓄積された電荷を読み出すため、読出し走査制御部106は、2次元センサアレイ上の行を順次走査する読出し走査制御(TC1104a、1104b)を行い、放射線撮像された放射線画像データを取得する(S1206)。
撮像画像の読み出し走査を実施する際、照射検知時の部分リセット走査で選択する行(例えば、2n番目の行)以外の行のみ(例えば、2n+1番目の行)を選択し、先に読出し走査を実施する。
例えば、図10の場合には、2×n番目の行を順次リセット走査する第一の部分リセット走査時に照射開始が検知されている。読み出し走査時には、2n番目の行以外の行である2×n+1番目の行から先に放射線画像データを順次読み出す、部分読出し走査を行う(TC1104a、S1206a:第一の部分読出し走査)。
2×n+1番目の行からの放射線画像データの読出しの終了後、2×n番目の行から放射線画像データを順次読み出す、部分読出し走査を行う(TC1104b、S1206b:第二の部分読出し走査)。ここで、第一の部分読出し走査(TC1104a、S1206a)で得られる放射線画像データには、照射検知時の放射線画像データに劣化は存在しない。そこで、第一の部分読出し走査(TC1104a、S1206a)の終了後、第二の部分読出し走査との並列処理により、プレビュー画像生成部109は第一の部分読出し走査で得た放射線画像データからプレビュー画像を生成する(TC1105、S1207)。そして、通信制御部114はプレビュー画像生成部109で生成されたプレビュー画像を診断用の本画像よりも先にコンソール3に転送する(TC1105、S1207)。
コンソール3に転送されたプレビュー画像は、照射検知時の画像劣化がないため、劣化の画像補正処理が不要であり、表示部4に即時に表示することが可能である(TC1106、S1208)。これにより、センサアレイ全行の読み出し完了を待つことなく、先行してプレビュー画像を転送することが可能になる。第1実施形態に比べ、プレビュー画像表示までのディレイ時間をより低減することが可能になる。
2×n番目の行からの放射線画像データの読み出し動作の完了後(TC1104b、S1206b)、読出し走査制御部106は2次元センサアレイ上の全ての画素のTFTスイッチを再びOFFにし、電荷蓄積状態にする(TC1107、S1209)。
ステップS1210において、読出し走査制御部106は、放射線照射時の蓄積時間(TC1103、S1204)と同じ時間が経過したか判定する(待機時間経過)。この待機時間が経過していない場合(S1210−No)、電荷蓄積動作を継続する。これにより暗電荷の蓄積が継続される。読出し走査制御部106は放射線照射時の蓄積時間と同じ時間が経過したと判定すると(S1210−Yes)、読出し走査制御部106は2次元センサアレイ上の全てのTFTスイッチをONにして、2次元センサアレイ上の全ての画素を電荷出力状態にする。そして、読出し走査制御部106は、読み出し動作を実施し、暗電荷成分のみのオフセット画像データを取得する。
読み出し走査時において、読出し走査制御部106は、2n番目の行以外の行である2×n+1番目の行から先にオフセット画像データを順次読み出す(TC1108a、S1211a)。
2×n+1番目の行からのオフセット画像データの読出しの終了後、読出し走査制御部106は、2×n番目の行からオフセット画像データを順次読み出す(TC1108b、S1211b)。
オフセット補正部110は、撮像画像用メモリ112に記憶されている放射線画像データの全データと取得したオフセット画像データとを用いてオフセット補正を行う(S1212)。オフセット補正部110は、放射線画像データからオフセット画像データの成分を減算するオフセット補正により暗電荷成分を除去した撮像画像を取得する。通信制御部114は、オフセット補正部110によりオフセット補正が施された撮像画像を本画像としてコンソール3に転送する(TC1109、S1213)。
駆動制御部103は照射検知時情報記憶部104から照射検知時の情報を読み出し、通信制御部114は駆動制御部103により読み出された照射検知時の情報をコンソール3に転送する。
コンソール3の画像処理部303は、照射検知時の情報から、リセット走査を停止させた際の行番号や、停止した際の部分リセット走査の種類(隣接しない行(走査ライン)の選択方法)、照射を検知した際の出力値の情報等を特定する。画像処理部303は、特定した情報を用いて受信した撮像画像の欠損を補間するような画像補正し、各種診断に適した画像処理を施す(TC1110、S1214)。表示部4は、画像処理部303により画像処理が施された撮像画像を表示する(TC1111、S1215:本画像表示)。
上述の各実施形態によれば、プレビュー画像の表示ディレイを低減し、かつ放射線検知時の画像劣化を補正する処理を行うことなく、プレビュー画像の表示が可能になる。
放射線の照射開始を待機する際のリセット走査を2次元センサアレイ上で隣接しない行で順次実施する。放射線照射開始の検知時に部分リセット走査していた行の画像データのみに欠損が発生し、照射開始時のリセット走査で選択されていない行の画像データには欠損が発生しない。
これを利用し、欠損が発生していない行から得られる画像データのみを使用してプレビュー画像を生成し、表示部に転送することで、プレビュー画像に対して画像劣化の補正処理を行うことなくプレビュー画像を表示することが可能になる。これにより、プレビュー画像の表示までの遅延時間(表示ディレイ)を低減でき、画素値の欠損の影響が含まれないプレビュー画像を表示することが可能になる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態にかかる放射線撮像装置について説明する。放射線撮像装置は、放射線を電荷に変換する複数の変換素子が2次元に配置された放射線検出アレイと、変換素子を選択するための複数の走査ラインを備える放射線検出部を有する。
リセット走査制御部は、隣接しない走査ラインを順次選択することにより走査ラインに対応する変換素子に蓄積された電荷を放出するリセット走査を行うリセット走査制御を行う。照射検知部は、リセット走査中の放射線の照射開始を検知する。読出し制御部は、照射検知部による照射開始の検知に応じてリセット走査を停止させるとともに、放射線の照射により変換素子に蓄積された電荷を読出し、電荷に基づく画像データを取得する。プレビュー画像生成部109(生成部)は、放射線の照射中にリセット走査が行われていない走査ラインに対応する画像データに基づいてプレビュー画像を生成する。通信制御部(出力部)は、プレビュー画像生成部(生成部)により生成されたプレビュー画像を外部の装置に出力する。
プレビュー画像生成部は、読出し制御部により読み出された画像データから、放射線の照射開始から放射線の照射検知までの間にリセット走査が行われていた走査ラインに対応する画像データを除いた画像データに基づいてプレビュー画像を生成する。
リセット走査制御部および読出し制御部は、複数の走査ラインを互いに隣接しない複数の走査ライン群に分け、複数の走査ライン群のうちの一のライン群の走査を実行した後に他のライン群についての走査を実行する。
読出し制御部は、放射線の照射が検知された際にリセット走査が行われていた走査ライン群以外の走査ラインの変換素子に蓄積された電荷を先行して読出す。プレビュー画像生成部(生成部)は、先行して読み出された、走査ラインの変換素子に蓄積された電荷に対応する画像データに基づいて、プレビュー画像を生成する。
複数の走査ライン群は、放射線検出アレイの配置として偶数番目に配置されている走査ラインを含む第一のライン群と、奇数番目に配置されている走査ラインを含む第二のライン群と、を含む。通信制御部(出力部)は、例えば、プレビュー画像生成部(生成部)により生成されたプレビュー画像を無線で送信する無線通信回路を有する。尚、プレビュー画像の送信は、無線通信に限定されるものではなく、ケーブルによる有線通信でも構わない。
(第4実施形態)
図13を参照しながら第4実施形態を説明する。先述の実施形態とは、駆動のされ方が異なるもので、駆動の制御主体や駆動される対象は先述の実施形態と同様であるので説明を省略する。この実施形態では、蓄積動作(TC1303)に入った後、放射線画像読み出し動作を、蓄積動作の直前に走査していた行の次の行から行う。図13に示す例では、L8行をリセット走査した後にL9行から放射線画像読み出し動作を開始し、2n+1行走査、2n行走査が行われる。
また、図11の例に比べ、2n行と2n+1行の間のラインごとの蓄積時間の差を小さくできるため、よりノイズの少ない画像を得ることができる。
その後、2n+1行を最後まで走査すると、初めに戻り残りの2n+1行を走査する(停止行の−1まで)。L9、L11・・・と走査し、その後L1、L3、L5、L7を走査する。これにより、2n+1行走査が完了する。かかる2n+1行走査により得られる画像信号は、先述の実施例と同様に外部の装置に転送される。もちろん、蓄積動作前に最後にリセット走査された行が2n+1行(偶数行)であれば、放射線画像読み出し動作は2n行から行われる。
放射線画像読み出し動作後の蓄積動作(TC1307)が行われた後、オフセット画像読み出し動作も、上述の放射線画像読み出し動作と同様に行われる。これにより、放射線画像とオフセット画像とで蓄積時間を近づけ、放射線画像のダーク成分を適切に補正することができる。
なお、放射線画像読み出し動作と蓄積動作(TC1307)の間に、リセット走査(TC1301)のうち蓄積動作の直前に行われた2n+1行走査と2n行走査の途中までの走査を行うこととすれば、各行の蓄積時間はより放射線画像のそれに近づく。
またさらに、放射線画像読み出し動作と蓄積動作(TC1307)の間に、画素に逆バイアスをかけた上でのリセット走査を行い、かつリセット時と同様の順バイアスをかけた上でのリセット走査を行う(リフレッシュ動作)を行う。これによれば、特にMIS型のセンサにおいてX線検出により低下するダイナミックレンジを回復させ、良好なオフセット画像を得ることができる。
また、蓄積動作前に最後にリセット走査されたL8行の次の行から読み出しを開始しなくとも、例えばL11行やL13行から読み出しを開始するとしてもよく。必ずしもL8行の次の行から読み出しを開始しなくてもよい。
(第5実施形態)
図14を参照しながら第5実施形態を説明する。先述の実施形態とは、駆動のされ方が異なるもので、駆動の制御主体や駆動される対象は先述の実施形態と同様であるので説明を省略する。この実施形態では、リセット走査において複数の行を同時に走査する。図14に示す例では、L0、L2、L4、L6の計4つの行の行選択線に接続するTFTを同時にオンする。駆動回路をシフトレジスタで構成する場合には、L0、L2、L4、L6までの操作を可能な限り短い時間で走査し、L0、L2、L4、L6が同時にON状態となるように走査する。この場合、各行の走査タイミングは若干ずれることとなるが、バイアス線に流れる電流は厳密に同時ONした場合と実質的に同じように増やすことができるので、検出感度の向上に寄与する。ここで、検出感度とは、X線照射が実際に開始されてから検知されるまでの間の時間で例えば定義される。また、別の観点では、所定の時間内に検知できるX線の強さの最低値で定義される。ここでいう強さとは例えば単位時間当たりの線量である。
また、この実施形態では、放射線画像読み出し動作に置いて、2n+1行走査と2n行走査との間に待機時間を設け、その間に2n+1行走査により得られた画像信号を外部に転送する。かかる待機時間は、2n+1行操作により得られる画像信号の転送が完了するまで、つまり転送先からのACK信号が受信されるか、転送に関するタイムアウト時間を経過するかが判定されることに応じて終了するよう制御される。かかる判定が行われる事に応じて2n行の走査が開始されることとなる。かかる待機時間t_waitの情報はメモリに記憶される。
このように、放射線画像読み出し動作と画像転送とを同じタイミングでは行わないようにすることで、読み出される画像信号に重畳する通信ノイズを減らすことができる。かかる駆動は無線で画像転送を行う場合にはより効果が大きい。また2n+1行走査と2n行走査との間に画像転送を行うことで、通信ノイズの影響を低減しつつ結果的にはプレビュー画像の表示をより迅速に行わせることができる。
そのほか、オフセット画像読み出し動作時にも、メモリに記憶されたt_waitだけ、2n+1行走査と2n行走査の間に待機時間を設けることとする。2n+1行走査が終了後、t_waitだけ経過した後に2n行走査を開始するように制御する。
なお、上述の実施形態は適宜組み合わせることとしてもよい。例えば別の実施形態で、図13のように蓄積動作前に最後にリセット走査された行の次の行から放射線画像読み出し動作を開始する場合であっても、図14のように放射線画像読み出し動作の2n+1行走査と2n行走査との間に待機時間を設定する。そして、2n+1行走査により得られる画像信号の転送中に走査乃至走査により得られる画像信号アンプによる増幅、AD変換などの読み出しが行われないようにする。
その他の実施形態では図14のように複数行を同時に走査する場合であっても、放射線画像読み出し動作と転送とを並行して行うようにタイミング制御する。そのほか、適宜組み合わせが可能である。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (12)

  1. 走査ラインに接続され、放射線を検出して電荷を蓄積する画素が、2次元的に複数配置された放射線検出アレイと、
    前記画素に蓄積された電荷を順次放出させるリセット走査を行わせるリセット制御手段と、
    前記放射線の照射開始を検知する照射検知手段と、
    前記放射線の照射開始の検知に応じて前記リセット走査を停止させ、かつ前記放射線の照射により前記画素に蓄積された電荷を読み出し、画像信号を得る制御を行う撮像制御手段と、
    前記画像信号に基づいて画像データを生成する生成手段と、
    前記画像データを外部の装置に出力する出力手段と、を有する放射線撮影装置であって、
    隣接しない走査ラインからなる走査ライン群が複数形成され、
    前記リセット制御手段は、1回の走査で、1つの走査ライン群を形成する走査ラインを順次選択し、複数回走査することにより、全ての走査ライン群に含まれる走査ラインが選択されるようにリセット走査し、
    前記生成手段は、放射線が照射されたときに選択されていた走査ラインを含む走査ライン群以外の走査ライン群を形成する走査ラインに接続された画素からの画像信号に基づいてプレビュー用画像データを生成し、放射線が照射されたときに選択されていた走査ラインに接続された画素からの画像信号に基づいて補正された画像データを含む本画像用画像データを生成することを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記撮像制御手段は、前記電荷の読み出しを、1回のリセット走査を開始する走査ラインから終了する走査ラインのうち、前記1回のリセット走査中に、前記リセット走査が停止された時点で、まだ、選択されていない走査ラインから開始することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記生成手段は、前記走査ラインの総ライン数をNとしたとき、前記電荷の読み出しが開始された走査ラインから数えてN/2番目に読み出される走査ラインまでの画像信号に基づき、前記プレビュー用画像データを生成することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記出力手段は、前記プレビュー用画像データを出力した後に、前記本画像用画像データを外部の装置に出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記走査ライン群は、偶数ラインからなる走査ライン群と、奇数ラインからなる走査ライン群とを含み、
    前記生成手段は、前記リセット走査が停止したラインが偶数ラインである場合には奇数ラインの画像信号に基づいて、前記プレビュー用画像データを生成し、前記リセット走査が停止したラインが奇数ラインである場合には偶数ラインの画像信号に基づいて、前記プレビュー用画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記リセット制御手段は、前記放射線の照射開始により、前記リセット走査を停止し、前記撮像制御手段は、前記リセット走査の停止の際の前記放射線検出アレイの情報を用いて、前記放射線の照射開始の時点で前記リセット走査が行われていない走査ラインの画像信号を取得することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記撮像制御手段は、前記放射線の照射開始の時点で前記リセット走査が行われていない走査ラインに接続された画素からの画像信号を取得した後に、前記放射線の照射開始の時点で前記リセット走査が行われていた走査ラインに接続された画素からの画像信号を取得することを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記リセット走査の停止の際の前記放射線検出アレイの情報には、放射線の照射の照射開始の時点でリセット走査が行われていた走査ラインを示す情報、および、リセット走査を行う際に隣接しない走査ラインを選択するための情報が含まれることを特徴とする請求項7に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記生成手段は、前記プレビュー用画像データから、画像データを間引いた縮小プレビュー用画像データを生成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  10. 走査ラインに接続され、放射線を検出して電荷を蓄積する画素が、2次元的に複数配置された放射線検出アレイを備え、隣接しない走査ラインからなる走査ライン群が複数形成された放射線撮像装置の制御方法であって、
    前記画素に蓄積された電荷を順次放出させるリセット走査を行わせる工程と、
    前記放射線の照射開始を検知する工程と、
    前記照射開始の検知に応じて前記リセット走査を停止させる工程と、
    前記放射線の照射により前記画素に蓄積された電荷を読み出し画像信号を得る工程と、
    前記画像信号に基づいて画像データを生成する工程と、
    前記画像データを外部の装置に出力する工程と、を有し、
    前記リセット走査を行わせる工程では、1回の走査で、1つの走査ライン群を形成する走査ラインを順次選択し、複数回走査することにより、全ての走査ライン群に含まれる走査ラインが選択されるようにリセット走査し、
    前記画像データを生成する工程では、放射線が照射されたときに選択されていた走査ラインを含む走査ライン群以外の走査ライン群を形成する走査ラインに接続された画素からの画像信号に基づいてプレビュー用画像データを生成し、放射線が照射されたときに選択されていた走査ラインに接続された画素からの画像信号に基づいて補正された画像データを含む本画像用画像データを生成することを特徴とする放射線撮像装置の制御方法。
  11. 請求項10に記載の放射線撮像装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項1に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置から送信されたデータを処理する情報処理装置と、を有する放射線撮像システムであって、
    前記情報処理装置は、
    前記出力された画像データを表示する表示手段を有することを特徴とする放射線撮像システム。
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