JP6441458B2 - スライドファスナー用エレメント - Google Patents

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Description

本発明は、スライドファスナー用エレメントに関する。
従来、例えばスライドファスナーの構成部品として主に丹銅、真鍮等の銅−亜鉛合金、洋白等の銅−亜鉛−ニッケル合金の銅合金が使用されている。これらの合金は色調が銅色、黄金色、シルバー色と使用される材料によって色調が特定されるものである。近年、スライドファスナーは、その使用される用途からも外観意匠性が求められ、各種色調からなる部品の提供が必要になってきている。
一方、各種色調を備えたスライドファスナーとしては、例えばアルミニウム又はその合金からなるエレメント(務歯)に陽極酸化処理、電解メッキ、電着塗装などの電気化学的表面処理を施すことが知られている。
しかしながら、既存のアルミニウム合金(例えばJIS 5183等)をもとに電気化学的表面処理を行った場合、金属光沢性の乏しい各種色調のスライドファスナー用のエレメントとなり易く、金属光沢性を重視するように合金組成を調整した場合、あるいは既存のアルミニウム合金(例えば、JIS 5052、5056、5154等)を選択した場合、使用用途に求められる機械的特性、特に強度面が低下してしまい実用上の制限が生じている。
特許文献1には、一般式:AlaMgbMncCrd(a、b、c、dは、質量%で、aは残部、3.0≦b≦5.6、0.05≦c≦1.0、0.05≦d≦0.7、c+d>0.2、不可避的不純物元素を含み得る)で示される組成を有し、実質的にマトリックスがアルニミウムの固溶体からなり、β相が存在しない組織構造である装飾性に優れたアルミニウム合金が開示され、これにより得られるスライドファスナー部品は強度、硬度等の機械的特性を備える旨が記載されている。
特許文献2には、以下の四種類のアルミニウム合金からなるスライドファスナーの構成部品、エレメント、止具、引手およびスライダーからなる群から選ばれる少なくとも一種が開示されている。
(1)一般式:AlaMgbCuc(a、b、cは質量%で、aは残部、4.3≦b≦5.5、0.5≦c≦1.0、不可避的不純物を含み得る)で示される組成を有することを特徴とするアルミニウム合金。
(2)一般式:AldMgeCufg(XはMn及び/又はCr)(d,e,f,gは質量%で、dは残部、4.3≦e≦5.5、0.5≦f≦1.0、0.05<g≦0.2、不可避的不純物を含み得る)で示される組成を有することを特徴とするアルミニウム合金。
(3)一般式:AlhMgiCujZnk(h,i,j,kは質量%で、hは残部、4.3≦i≦5.5、0.5≦j≦1.0、0<k≦1.0、不可避的不純物を含み得る)で示される組成を有し、さらにj+k≦1.5の関係式が成り立つことを特徴とするアルミニウム合金。
(4)一般式:AllMgmCunZnpq(XはMn及び/又はCr)(l,m,n,p,qは質量%で、lは残部、4.3≦m≦5.5、0.5≦n≦1.0、0<p≦1.0、0.05<q≦0.2、不可避的不純物を含み得る)で示される組成を有し、さらにn+p≦1.5の関係式が成り立つことを特徴とするアルミニウム合金。
特開2004−250760号公報 特開2006−291298号公報
ところで、従来のアルミニウム合金を用いたスライドファスナー用エレメントは、強度が十分とは言えず、パンツなどの強度が必要な場所には使用することが難しいという問題があった。また、スライダーによる摩耗またはエレメントの務歯同士の摩耗により、黒い摩耗粉が発生して衣類などが汚れることがある。また、摩耗量が増えると務歯同士の噛み合わせが弱くなり、エレメントの横引き強度も低下するという問題もあった。
特許文献1、2に記載のアルミニウム合金は固溶強化型であることから、固溶量の増加と冷間圧延により強度を上昇させると加工性が低下し、エレメント形状を得るためには、加工途中で熱処理による歪除去が必要となり、強度が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、高強度であり、かつ、耐摩耗性にも優れるスライドファスナー用エレメントを提供することを目的としている。
前記目的を達成するため、本発明者等が鋭意検討した結果、従来の固溶硬化型のアルミニウム合金ではなく、時効硬化型のアルミニウム合金を用いることで、冷間加工後の熱処理により歪を除去し、加工性を向上させつつも、強度低下を抑制し、従来よりも強度を向上させることを可能にすることを見出し、また冷間圧延加工で組織および高硬度の時効析出物の配列を制御することにより、従来よりも強度と耐摩耗性を向上させることを可能にすることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下のものである。
(1)一般式:AlaSibCucMgd(a、b、c、dは、質量%で、aは残部、0.4≦b≦0.9、0.15≦c≦0.8、0.8≦d≦2.0、不可避的不純物元素を含み得る)で示される組成を有し、MgとSiとを含む析出物を含むアルミニウム合金を母材とするスライドファスナー用エレメント。
(2)(1)に記載のスライドファスナー用エレメントにおいて、スライドファスナーを挟持する脚部のビッカース硬さの平均がHv120〜145であり、その標準偏差が2.2〜4.1である、スライドファスナー用エレメント。
(3)(2)に記載のスライドファスナー用エレメントにおいて、前記脚部および噛合頭部の両方を眺める方向から平面視したときに、前記脚部を、付け根部分から脚部の先端へ向かって下ろした垂線の当該付け根部分から70%の長さに相当する部分である脚元部と、残りの30%の長さに相当する部分である脚先部とに分けたときに、当該脚先部のビッカース硬さの平均がHv116〜137である、スライドファスナー用エレメント。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のスライドファスナー用エレメントにおいて、前記析出物の一片の長さが1〜120nmである、スライドファスナー用エレメント。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のスライドファスナー用エレメントを備えたスライドファスナー。
本発明によれば、高強度であり、かつ、耐摩耗性にも優れるスライドファスナー用エレメントを提供することができる。
スライドファスナーの模式図である。 ファスナーテープに下止具、上止具及びエレメントを取り付ける仕方を説明する図である。
以下、本発明について説明する。
(組成)
本発明に係るスライドファスナー用エレメントでは、所定の組成をもち、時効硬化型の銅合金で母材を構成することにより、高強度であり、かつ、優れた耐摩耗性を発揮することを狙いとしている。
本発明に係るスライドファスナー用エレメントは一実施形態において、一般式:AlaSibCucMgd(a、b、c、dは、質量%で、aは残部、0.4≦b≦0.9、0.15≦c≦0.8、0.8≦d≦2.0、不可避的不純物元素を含み得る)で示される組成を有し、MgとSiとを含む析出物を含むアルミニウム合金を母材とする。
<Si>
Siは、Alマトリックス中に一度、固溶させた後、時効熱処理を行うことによりMgと極微小な金属間化合物を形成し、合金の機械的性質(強度、硬度)を向上させる効果がある。
Siの組成割合(b)は0.4(質量%)≦b≦0.9(質量%)、すなわち0.4質量%以上0.9質量%以下であり、好ましくは0.4質量%以上0.8質量%以下である。Siの組成割合が小さすぎると、アルミニウム合金の強度、硬度が向上しにくくなる。一方で、大きすぎると、Si単体の粗大な析出あるいは晶出を促進し、塑性変形における伸びが小さくなり加工性を低下させる。また、適量を添加した場合には、冷間加工後の加熱される工程(水洗・乾燥など)における軟化を防ぐことができる。特に、冷間圧延によって導入された転位の移動を時効熱処理によりAlマトリックス中に析出した原子(Si)が妨げてくれるので熱処理による強度低下を抑えることができる。Siの組成割合が小さすぎるとその効果が少なく、一方で大きすぎると冷間加工性が劣るため、特にファスナー用材料として適さない。
<Cu>
CuはAlマトリックス中に一度、固溶させた後、時効熱処理を行うことにより極微小な析出物を形成し、合金の機械的性質(強度、硬度)を向上させる効果がある。
Cuの組成割合(c)は0.15(質量%)≦c<0.8(質量%)、すなわち0.15質量%以上0.8質量%未満であり、好ましくは0.15質量%以上0.4質量%以下である。また、適量を添加した場合には、冷間加工後の加熱される工程(水洗・乾燥など)における軟化を防ぐことができる。特に、冷間圧延によって導入された転位の移動を時効熱処理によりAlマトリックス中に析出した原子(Cu)が妨げてくれるので熱処理による強度低下を抑えることができる。Cuの組成割合が小さすぎるとその効果が少なく、一方で大きすぎると冷間加工性や耐食性が劣るため、特にファスナー用材料として適さない。
<Mg>
Mgは、熱処理を行うことによりSiと極微小な金属間化合物を形成し、合金の機械的性質(強度、硬度)を向上させる効果がある。また、マトリックスであるAl中に固溶することにより合金の機械的性質(強度,硬度)を向上させる効果がある。
Mgの組成割合(d)は0.8(質量%)≦d≦2.0(質量%)、すなわち0.8質量%以上2.0質量%であり、好ましくは0.8質量%以上1.2質量%以下である。適量を添加した場合には、冷間加工後の加熱される工程(水洗・乾燥など)における軟化を防ぐことができる。特に、冷間圧延によって導入された転位の移動を時効熱処理によりAlマトリックス中に析出した原子(Mg)が妨げてくれるので熱処理による強度低下を抑えることができる。Mgの組成割合が小さすぎるとその効果が少なく、一方で大きすぎると冷間加工性が劣るため、特にファスナー用材料として適さない。
<不可避的不純物>
不可避的不純物というのは原料中に存在したり、製造工程において不可避的に混入したりするもので、本来は不要なものであるが、微量であり、特性に影響を及ぼさないため許容されている不純物のことである。本発明において、不可避的不純物として許容される各不純物元素の含有量は一般に0.1質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以下である。なお、不可避的不純物よりも含有量の高い、その他の元素としては、Feが0.7質量%以下、Mnが0.15質量%以下、Crが0.35質量%以下、Znが0.25質量%以下となり、これらはスライドファスナー用エレメントの用途の観点から、許容されるものである。
(強度と加工性)
本発明に係るスライドファスナー用エレメントは一実施形態において、脚部のビッカース硬さが平均でHv120以上145以下(JIS 2244:2009に準拠、以下同じ。)である。この範囲のビッカース硬度は、成形金型の寿命を確保しながら、金属製ファスナーのエレメントとして機能するのに十分な強度が得られるという点で好ましい。
本発明のスライドファスナー用エレメントは、前記組成を有するアルミニウム合金からなる丸線を冷間加工することにより、その形状が付与されている。冷間加工でエレメント形状が付与される際に、アルミニウム合金からなる丸線に加工歪が導入されて、加工硬化により材料強度が上昇し、エレメントの強度を得ることができる。エレメントの強度と加工性は、アルミニウム合金からなる丸線に導入される加工歪によって変化する。そのため、エレメントの強度と加工性を得るために重要である。
アルミニウム合金からなる丸線に導入される加工歪が少なすぎると加工硬化の割合が小さくなってしまい、エレメント強度を得ることができない。逆に、加工歪が多すぎると加工性が劣ってしまい成型金型の寿命が低下し、場合によっては加工限界によりエレメントに割れが発生し、スライドファスナー用エレメントとしての機能を損なってしまう。
上記のような強度を発揮するスライドファスナー用エレメントを作製する上では、アルミニウム合金に導入される加工歪は圧下率で70%以上必要であり、好ましくは80%以上が最適である。当該圧下率はスライドファスナー用エレメントの最終圧延時の圧下率であり、例えば後述する実施例のように、冷間圧延によるY字状の連続異形線を加工する際の圧下率のことである。
また、本発明のスライドファスナー用エレメントは、スライドファスナーを挟持する脚部において、硬さが一定以上であり、かつ、硬さばらつきが少ないことが好ましく、具体的には、脚部のビッカース硬さの平均がHv120〜145であり、好ましくはHv125〜145であり、かつ、その標準偏差が2.2〜4.1である。
また、スライドファスナー用エレメントを、前記脚部および当該エレメントを後述するようにファスナーテープに固定したときに、ファスナーの開閉に伴って隣り合うエレメント同士が噛み合う噛合頭部の両方を眺める方向から平面視したときに、当該脚部を、付け根部分から脚部の先端へ向かって下ろした垂線の当該付け根部分から70%の長さに相当する部分である脚元部と、残りの30%の長さに相当する部分である脚先部とに分けたときに、従来においては脚先部を硬くすることを困難であり、これがファスナー開閉時のエレメントのファスナーテープからの抜け落ちの原因の一つになっていたことから、脚先部も一定以上の硬さであることが好ましい。この観点から、脚先部におけるビッカース硬さの平均がHv116〜137であり、好ましくはHv120〜137であることが望ましい。
また、このような強度を実現するため、スライドファスナー用エレメントの母材であるアルミニウム合金において、MgとSiとを含む析出物が針状物であることが好ましく、具体的には一片の長さが1〜120nmであることが好ましい。なお、この析出物のサイズは、透過型電子顕微鏡による観察を行うことで求められる。
(製造方法)
上述した組成のアルミニウム合金、例えばJIS H4000にて規定されたA6061のアルミニウム合金に、T8処理(溶体化処理後冷間加工を行い、更に人工時効硬化処理、例えば170℃で5〜6時間程度の加熱処理をする)を行ったものを好適に使用することができる。このT8処理後のアルミニウム合金の線材を用いて、冷間圧延により所定の圧下率の加工歪を付与して断面略Y字状の連続異形線を製造する。さらに切断、プレス、曲げ、かしめの各種冷間加工を施して、所定の大きさのエレメント形状とすることにより、スライドファスナー用エレメントが得られる。
(表面処理)
本発明に係るスライドファスナー用エレメントには必要に応じて、各種の表面処理を行うことができる。例えば、平滑化処理、防錆処理、塗装処理、及び鍍金処理などを行うことができる。
(スライドファスナー)
本発明に係るスライドファスナー用エレメントを備えたスライドファスナーの例を図面に基づき具体的に説明する。図1は、スライドファスナーの模式図であり、図1に示すようにスライドファスナーは、一側端側に芯部2が形成された一対のファスナーテープ1とファスナーテープ1の芯部2に所定の間隔をおいてかしめ固定(装着)されたエレメント3と、エレメント3の上端及び下端でファスナーテープ1の芯部2にかしめ固定された上止具4及び下止具5と、対向する一対のエレメント3間に配され、エレメント3の噛合及び開離を行うための上下方向に摺動自在なスライダー6を備える。なお、一本のファスナーテープ1の芯部2にエレメント3が装着された状態のものをスライドファスナーストリンガーといい、一対のファスナーテープ1の芯部2に装着されたエレメント3が噛合状態となっているものをスライドファスナーチェーン7という。
また、図1に示すスライダー6は、図示されていないが断面矩形状の板状体からなる長尺体を多段階にてプレス加工を施し、所定間隔ごとに切断し、スライダー胴体を作製し、さらに必要に応じてスプリング及び引手を装着したものである。さらに、引手も断面矩形状の板状体から、所定形状ごとに打ち抜き、これをスライダー胴体にかしめ固定したものである。なお、下止具5は、蝶棒、箱棒、箱体からなる開離嵌挿具とし、スライダーの開離操作にて一対のスライドファスナーチェーンを分離できるようにしたものであっても構わない。
図2は、図1に示されるスライドファスナーのエレメント3、上止具4及び下止具5の製造方法及びファスナーテープ1の芯部2への取付けの仕方を示す図面である。図に示すようにエレメント3は、断面略Y字状からなる異形線8を所定寸法ごとに切断し、これをプレス成形することにより、係合頭部9を形成し、その後、ファスナーテープ1の芯部2へ両脚部10をかしめることにより、装着される。
上止具4は、断面矩形状の矩形線11(平角線)を所定寸法ごとに切断し、曲げ加工により略断面コ字状に成形し、その後、ファスナーテープ1の芯部2へかしめることにより、装着される。下止具5は、断面略X字状からなる異形線12を所定寸法ごとに切断し、その後、ファスナーテープ1の芯部2へかしめることにより、装着される。
なお、図においては、エレメント3、上下止具4、5が、同時にファスナーテープ1に装着されるようになっているが、実際は、ファスナーテープ1に連続的にエレメント3を取付け、まずファスナーチェーンを作製し、ファスナーチェーンの止具取付け領域のエレメント3を取り外し、この領域のエレメント3に近接して所定の上下止具4又は5を装着するものである。以上のようにして製造及び取付けを行うため、スライドファスナーの構成部材となるエレメント及び止具は、冷間加工性に優れた材料とする必要性がある。この点、本発明に係る金属製ファスナー部材は冷間加工性に優れており、例えば圧下率70%以上の加工が可能であるため、エレメントや上下止具の材料として好適である。
スライドファスナーは各種の物品に取着することができ、特に開閉具として機能する。スライドファスナーが取着される物品としては、特に制限はないが、例えば衣料品、鞄類、靴類及び雑貨品といった日用品の他、貯水タンク、漁網及び宇宙服といった産業用品が挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明及びその利点をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図しない。
<ファスナーチェーンの作製>
原材料として、Al(純度99.9質量%以上)、Cu(純度99.9質量%以上)、Mg(純度99.9質量%以上)、Si(純度99.9質量%以上)を使用して、表1に記載の試験番号に応じた各成分組成をもつようにこれら原材料を配合して鋳造装置内で溶解し、次いで押出装置により棒材を作製した。得られた棒材に減面率70%以上の伸線処理を施し、500℃〜600℃の温度範囲で1h〜6hの熱処理を施した直後に急冷し、溶体化処理を行った。その後、減面率1%以上の伸線処理を施したワイヤを100℃〜200℃の温度範囲で1h〜12hの熱処理を施すことにより人工時効処理(T8処理)を行い、連続ワイヤを作製した。得られた連続ワイヤを冷間圧延により圧下率70%以上の加工歪を付与して断面略Y字状の連続異形線を製造した後、切断、プレス、曲げ、かしめの各種冷間加工を施してYKK株式会社カタログ「FASTENING専科(2009年2月発行)」で規定する「5R」の大きさのエレメント形状とした後、これをポリエステル製ファスナーテープに装着してファスナーストリンガーを作成し、更に一対のファスナーストリガーの対向するエレメント同士を噛み合わせてファスナーチェーンを作製した。
<引張強度、耐力、伸び>
T8処理直後の線材から圧延方向と平行に引張試験片(9A号試験片)を切り出し、引張強度(JIS Z2241:2011に準拠)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006441458
各アルミニウム合金から作製したファスナーについて、以下の試験を行った。
<硬度試験>
試験番号に応じた組成をもつアルミニウム合金で得られたエレメントについて、脚部(脚元部および脚先部)における、ビッカース硬さ(JIS Z2244:2009に準拠し、荷重を0.9807Nとした。)を複数個所で測定し、その平均値を得た。また、各部におけるビッカース硬さの標準偏差も求めた。結果を表2に示す。
<摩耗試験>
JIS S3015:2007の「往復開閉耐久試験」の項に記載された方法に準拠し、往復開閉負荷をLランク(横方向9.8N;縦方向6.9N)として、2000回の開閉動作を実施した。途中で、エレメントのかみ合いができなくなったり、又は目視でテープ部の切れ、エレメントかみ合い部の割れ、及び/又は抜けが発生した場合には、試験を中止した。結果を表3に示す。
<チェーンの横引強度>
ファスナーの強度の指標としてのチェーンの横引強度の評価を、JIS S3015:2007の「往復開閉耐久試験」の項に記載された方法に準拠し、実施した。
結果を表3に示す。
Figure 0006441458
Figure 0006441458
1 ファスナーテープ
2 芯部
3 エレメント
4 上止具
5 下止具
6 スライダー
7 スライドファスナーチェーン
8 断面略Y字状の異形線
9 係合頭部
10 脚部
11 矩形線
12 断面略X字状の異形線

Claims (5)

  1. 一般式:AlaSibCucMgd(a、b、c、dは、質量%で、aは残部、0.4≦b≦0.9、0.15≦c≦0.8、0.8≦d≦2.0、不可避的不純物元素を含み得る)で示される組成を有し、MgとSiとを含む析出物を含むアルミニウム合金を母材とするスライドファスナー用エレメント。
  2. 請求項1に記載のスライドファスナー用エレメントにおいて、スライドファスナーを挟持する脚部のビッカース硬さの平均がHv120〜145であり、その標準偏差が2.2〜4.1である、スライドファスナー用エレメント。
  3. 請求項2に記載のスライドファスナー用エレメントにおいて、前記脚部および噛合頭部の両方を眺める方向から平面視したときに、前記脚部を、付け根部分から脚部の先端へ向かって下ろした垂線の当該付け根部分から70%の長さに相当する部分である脚元部と、残りの30%の長さに相当する部分である脚先部とに分けたときに、当該脚先部のビッカース硬さの平均がHv116〜137である、スライドファスナー用エレメント。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスライドファスナー用エレメントにおいて、前記析出物の一片の長さが1〜120nmである、スライドファスナー用エレメント。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のスライドファスナー用エレメントを備えたスライドファスナー。
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