JP6440431B2 - 車載装置 - Google Patents
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Description
本発明に係る車載装置は、車両に搭載されて該車両の安全運転レベルを判定する車載装置であって、前記車両の現在の走行速度を検出する車速部と、前記判定の対象となる走行期間中に常時連続して気圧変動量を測定する気圧変動センサと、前記気圧変動センサが測定した前記気圧変動量から前記車両の上下動情報を算出する上下動情報算出部と、前記上下動情報算出部により算出された上下動情報から前記走行期間中に前記車両により走行される道路の状態を推定する道路状態推定部と、前記道路状態推定部の推定した道路の状態に基づいて、前記道路における前記判定の対象となる走行期間中の適正速度を算出する適正速度算出部と、前記走行速度と前記適正速度に基づいて前記安全運転レベルを判定し、当該判定の結果を表す判定結果情報を出力する安全運転レベル判定部と、前記安全運転レベル判定部の出力する判定結果情報を通知する通知部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る車載装置によれば、道路の傾斜や段差、路面の凹凸などを考慮に入れた適正速度を基に現時点での運転がどの程度安全かが自動的瞬時に判定することができ、適切な助言をユーザに与えることができる。
本発明に係る車載装置によれば、道路の状態の詳細を推定してその結果を基に安全運転レベルを判定することができる。
本発明に係る車載装置によれば、よりきめ細かく正確な安全運転レベル判定ができる。
本発明に係る車載装置によれば、推定した道路状況に加えて本来定められている制限速度などの情報を利用して安全運転レベルの判定ができる。
本発明に係る車載装置によれば、運転中のユーザに対してリアルタイムに安全運転レベルを判定して通知することにより、危険な運転になった場合に即座に修正して安全運転を維持することができる。
本発明に係る車載装置によれば、ユーザだけでなくユーザや車両を管理する者が安全運転レベルを把握することができ、その情報を基にユーザに対して適切な指導を行うことができる。
本発明に係る車載装置によれば、安全運転レベルを判定した結果を即座に送信することができ、危険な運転になった場合に即座に管理者から注意を与えることができる。
本発明に係る車載装置によれば、微小な気圧変動を検出することにより、車両の微小な上下動を検出することで、道路の状態の正確な把握に基づいた安全運転レベルの判断を行うことができる。
本発明に係る車載装置によれば、気圧の微小な変動を正確に検出して上下動情報を算出し、その情報に基づいて正確な安全運転レベルの判断を行うことができる。
本発明に係る車載装置によれば、わずかな気圧変動に対応した信号を出力することで、車両の微小な上下動を検出でき、それに基づいて正確な安全運転レベルの判断を行うことができる。
(第1の実施形態)
本発明にかかる車載装置の第1実施形態を図1〜図5を用いて説明する。
図1は本発明の第1実施形態にかかる車載装置1の構成を示すブロック図である。図2は気圧変動センサ4の断面構造を示す模式図である。図3は車載装置1の特徴的動作を示すフローチャートである。図4(a)(b)は高さ変動データを周波数成分に変換した例を示す図である。図5は車載装置1の特徴的動作のバリエーション部分を示すフローチャートである。
本実施形態に係る車載装置1は、例えば、ユーザの使用する車両の内部(車内)であって、ユーザが操作しやすいよう運転席付近に設置される。車載装置1は、車載装置1の各部を統括制御するための制御部2と、車両の速度データを取得する車速取得部3と、車両の気圧変動量を検出するための気圧変動センサ4と、気圧変動量を表す気圧変動データより、車両の高さ変動量を算出する上下動情報算出部5と、高さ変動量より道路状態を推定する道路状態推定部6と、道路状態より安全運転のための適正速度を算出する適正速度算出部7と、適正速度と車両速度の比較によって運転がどの程度安全なものであるかを示す安全運転レベルを判定する安全運転レベル判定部8と、ユーザが車載装置1の起動や停止その他の各種設定情報を入力したり、安全運転レベルをユーザに警告するためのインターフェース部9と、を持つ。
ここで、高さ変動量Δhの単位はメートル[m]であり、測定気圧P1,P2の単位は、ヘクトパスカル[hPa]である。なお、車両の高さ変動量は、その時刻における温度情報も組み込んだ気圧高度対応表をあらかじめ作成しておき、その表を参照することで気圧変動量から算出することもできる。
次いで、車載装置1にて実現される安全運転レベルの判定・報知処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。
まず、ユーザがインターフェース部9を操作して車載装置1による安全運転レベル判定機能を開始させる。なお、安全運転レベル判定機能は、エンジン駆動中は常時実行されるように設定してもよい。すると制御部2は、車速取得部3から現在の車両速度を取得する(ステップS1)。次いで、制御部2は、気圧変動センサ4を起動し、気圧変動センサ4から気圧変動データを得る(ステップS2)。制御部2はステップS2にて取得した気圧変動データを、上下動情報算出部5に送る。次いで、上下動情報算出部5は、上述の変換式に基づいて上下動情報を算出し、制御部2に出力する(ステップS3)。
次いで、制御部2より道路状態の推定結果を取得した適正速度算出部7は、道路状態に即した適正速度を算出し、当該算出した適正速度を制御部2に出力する(ステップS5)。
本発明にかかる車載装置の第2実施形態を図6〜図8を用いて説明する。
図6は本発明の第2実施形態にかかる車載装置21の構成を示すブロック図である。図7は車載装置21の特徴的動作を示すフローチャートである。なお、図6に示す構成や図7に示すステップのうち、図1、図3と同一の構成、ステップについては同一符号を与え説明を省略する。
地図データ記憶部24は、ハードディスクドライブ等で構成され地図データ23を記憶する。
次いで、車載装置21にて実現される安全運転レベルの判定・報知処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。ここで、ステップS1〜ステップS4の処理までは図3に示す処理と同一であるので説明を省略する。本実施形態においては、ステップS4にて道路状態推定部6が道路状態の推定を行った後、位置取得部22が車両の現在位置を取得して制御部2に送信する(ステップS31)。次に制御部2は、地図データ記憶部24に記憶された地図データ23を参照して、車両の現在位置に対応する地図データ23上の位置と、当該位置における道路の制限速度を把握する(ステップS32)。適正速度算出部7は、当該道路状態と制限速度から適正速度を算出する(ステップS33)。適正速度算出部7は、例えば、道路状態として傾斜が少なく段差や路面凹凸が少ないことが推定されている場合は、適正速度は制限速度と同一とする。また、適正速度算出部7は、道路に段差や凹凸が多い場合は、その量に応じて適正速度は制限速度よりも低い値とする。更に、適正速度算出部7は、道路が傾斜している坂道である場合は、適正速度を更に低い値とする。
本発明にかかる車載装置を用いた車両安全管理システム50の実施形態を図9〜図11を用いて説明する。
図9は本発明の第3実施形態にかかる車両安全管理システム50の構成を示すブロック図である。車両安全管理システム50には複数の車両が登録される。ある車両には車載装置41a、別の車両には車載装置41b、が搭載され、すべての車両に1台ずつ車載装置が搭載される。車両安全管理システム50は、これらの車載装置41a、41b、・・とデータの通信を行うデータ管理サーバ51と、車両を管理する管理者が使用する端末である管理者装置61を含む。
本実施形態に係る車載装置41aが車載装置1と相違する点は、運転者データ71を記憶する運転者データ記憶部73と、車載通信部72と、を更に備える点である。
以上説明した実施形態においては気圧変動センサ4として、MEMS(MicroElectroMechanicalSystems)プロセスによって作製された薄膜からなる片持ち梁(カンチレバー)を持つ微小な圧力センサを利用することができる。以下に構造と信号処理方法について説明する。
図13は、気圧変動センサ4としての圧力センサ81の構成を示す平面図である。また、図14は、図13中に示すA−A線に沿った圧力センサ81の断面図である。
圧力センサ81は、所定の周波数帯域(例えば、0.05Hz〜10kHz)の圧力変動を検出するセンサであって、センサ本体83と、気圧計測用カンチレバー84と、蓋部312と、変位測定部85とを有する。
これにより、気圧計測用カンチレバー84は、基端部84aを固定端とし、先端部84bを自由端とした片持ち梁構造とされている。
これら一対のピエゾ抵抗320は、導電性材料からなる配線部321を介して相互に電気的に接続されている。
この場合、気圧計測用カンチレバー84の基端部84aに加わる応力に応じて起電力が発生し、この起電力を検出することで、気圧計測用カンチレバー84の変位を検出することが可能となる。
次に、図15及び図16を参照して、上述した圧力センサ81が、微小な圧力変動を検出する場合の動作について説明する。
図15は、圧力センサ81の出力の一例を模式的に示す図である。図15(A)はキャビティ内外の圧力の経時変化を示す図であり、図15(B)は圧力センサ81の出力の経時変化を示す図である。
このように、気圧計測用カンチレバー84の変位に基づいた出力信号の変動をモニタすることで、キャビティ310外部の圧力変動を検出することができる。
次に、圧力センサ81を用いた本実施形態において、上下動情報算出部5が圧力センサ81の出力から車両の上下移動量を算出する手順について、図17のフローチャートを用いて説明する。
このため、車載データ変換部6は、Δt時間後のPin(i+1)を、次の式(3)で得ることができる。
次いで、上下動情報算出部5は、ステップS707にて得られたPin(i+1)と、ステップS705にて算出したPout(i)とを上下動情報算出部5を構成する記憶装置に格納する(ステップS708;流量算出ステップ)。
ここで、Δhは上下移動量[m]、Poutは気圧(絶対圧)[hPa]である。
これにより、上下動情報算出部5は、外圧Pout(i)からPout(i+1)へ変化した場合の上下移動量を求めることができる。
上記により、上下動情報算出部5は、圧力センサ81の出力信号から外圧Poutの時間経緯、そして上下方向の移動量を計測することができる。
上記実施形態に係る適正速度算出部7の算出する適正速度は、道路状態のみに応じて算出されるものに限られず、安全運転に係る他の要因、例えば、タイヤの空気圧、車両周囲の輝度(又は車両のライトのオン/オフ状態)、車両の重量、気象状態(晴天,雨天,霧等)、なども考慮して算出されることとしてもよい。
2 制御部
3 車速取得部(車速部)
4 気圧変動センサ
5 上下動情報算出部
6 道路状態推定部
7 適正速度算出部
8 安全運転レベル判定部
9 インターフェース部(通知部)
10 キャビティ
11 カンチレバー
12 ギャップ
13 ピエゾ抵抗素子
21 車載装置
22 位置取得部
23 地図データ
24 地図データ記憶部
31 道路データ
32 背景データ
33 文字データ
34 誘導データ
41a、41b、・・・ 車載装置
50 車両安全管理システム
51 データ管理サーバ
52 車両IDデータ
53 ユーザデータ
54 安全運転レベルデータ
55 サーバ通信部
56 管理サーバ記憶部
61 管理者装置(管理端末)
71 ユーザデータ
72 車載通信部
73 運転者データ記憶部
81 圧力センサ
82 SOI基板
82a シリコン支持層
82b シリコン酸化膜等の酸化層
82c シリコン活性層
83 センサ本体
83−1 センサ本体の第一の部分
83−2 センサ本体の第二の部分
84 気圧計測用カンチレバー
84a 気圧計測用カンチレバー基端部
84b 気圧計測用カンチレバー先端部
85 変位測定部
310 キャビティ
312 蓋部
313 ギャップ
315 貫通孔
320 ピエゾ抵抗
321 配線部
322 検出回路
At 強度閾値
f1 第1周波数閾値
f2 第2周波数閾値
p1、p2、p3 強度ピーク
S1〜S7、S11〜S15、S31〜S34 車載装置の動作ステップ
S701〜S711 上下移動量算出の動作ステップ
Claims (7)
- 車両に搭載されて該車両の安全運転レベルを判定する車載装置であって、
前記車両の現在の走行速度を検出する車速部と、
前記判定の対象となる走行期間中に常時連続して気圧変動量を測定する気圧変動センサと、
前記気圧変動センサが測定した前記気圧変動量から前記車両の上下動情報を算出する上下動情報算出部と、
前記上下動情報算出部により算出された上下動情報から前記走行期間中に前記車両により走行される道路の状態を推定する道路状態推定部と、
前記道路状態推定部の推定した道路の状態に基づいて、前記道路における前記判定の対象となる走行期間中の適正速度を算出する適正速度算出部と、
前記走行速度と前記適正速度に基づいて前記安全運転レベルを判定し、当該判定の結果を表す判定結果情報を出力する安全運転レベル判定部と、
前記安全運転レベル判定部の出力する判定結果情報を通知する通知部と、
を備え、
前記気圧変動センサは、
所定容積からなるキャビティと、
気圧を伝達する圧力伝達媒体を前記キャビティ内外に流通させる連通孔と、
大気圧変動に応じて可変する基準圧に相当し前記キャビティの内部圧力を表す内圧と、周囲の気圧と、の差圧に関する気圧変動量を出力する出力部と、を備え、
前記上下動情報算出部は、
前記気圧変動量に基づいて、前記内圧と前記周囲の気圧との差圧を求める差圧算出部と、
前記内圧の設定値と前記差圧算出部により算出された前記差圧とに基づいて、前記周囲の気圧を算出する圧力算出部と、
前記差圧算出部により算出された前記差圧に基づいて、前記キャビティ内外を流通する圧力伝達媒体の所定時間当たりの流通量を算出する流量算出部と、
前記流量算出部により算出された前記流通量と前記キャビティの容積とに基づいて、所定時間後の前記内圧を算出し、当該算出した内圧で前記圧力算出部にて用いる前記内圧の設定値を更新する内圧更新部と、
を有し、
前記道路状態推定部は道路の傾斜度を推定し、更に、道路上の段差の有無と当該段差の大きさ、路面凹凸の有無と当該凹凸の大きさ、の少なくとも何れか一つを推定するものであることを特徴とする車載装置。 - 前記安全運転レベル判定部は、前記適正速度に基づいて複数段階におよぶ安全運転レベルを設定可能であり、安全運転レベルの段階に応じて異なる判定結果情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
- 前記車両の現在位置を特定する位置特定部と、
前記位置特定部により特定された現在位置から前記車両の現在走行する道路の制限速度を特定する制限速度特定部と、
を備え、
前記適正速度算出部は、前記制限速度特定部により特定された制限速度を用いて、前記適正速度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。 - 前記通知部は、前記判定結果情報を表示画面部と音声出力部との少なくとも何れか一方を介して、前記車両のユーザに対して通知を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車載装置。
- 前記車載装置は、前記車載装置を搭載した車両を管理する管理端末とネットワークを介して接続され、
前記安全運転レベル判定部の出力する判定結果情報を前記ネットワークを介して前記管理端末に送信する通信部を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車載装置。 - 前記通信部は、無線通信用の通信インターフェースであることを特徴とする請求項5に記載の車載装置。
- 前記気圧変動センサは、前記連通孔を除く前記キャビティの開口面を塞ぐように設けられ、前記差圧に応じて撓み変形するカンチレバーを有し、
前記出力部は、前記カンチレバーの撓み変形量に応じた気圧変動量を出力することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の車載装置。
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