JP2021125141A - 安全運転度評価装置、安全運転度評価方法、安全運転度評価プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

安全運転度評価装置、安全運転度評価方法、安全運転度評価プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】安全運転度を適切に評価すること。【解決手段】安全運転度評価装置3は、道路に対して設定された標準走行速度を取得する標準走行速度取得部322と、車両が道路を走行した時の走行速度のうち、車両周囲の所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時の走行速度に基づいて、車両の安定走行速度を取得する安定走行速度取得部323と、標準走行速度と安定走行速度との差分に基づいて、車両の安全運転度を評価する安全運転度評価部324とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、安全運転度評価装置、安全運転度評価方法、安全運転度評価プログラム及び記憶媒体に関する。
従来、車両のドライバの安全運転度を評価する安全運転度記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の安全運転度記録装置は、車両の運転状況に基づいて、当該車両のドライバの安全運転行為を判定する。そして、当該安全運転度記録装置は、当該安全運転行為の判定結果に基づいて、当該ドライバの安全運転度を評価する。例えば、当該安全運転度記録装置では、法定速度超過や急激な加減速等の運転行為があった場合には、安全運転度を低く評価する。
特開2002−225586号公報
ところで、法定速度超過等は、車両周囲に存在する他の車両等の障害物の影響により危険回避等の目的で不本意に生じてしまう可能性がある。
特許文献1に記載の安全運転度記録装置では、安全運転度を評価するにあたって、車両周囲に存在する障害物を考慮していないため、安全運転度を適切に評価することができない、という問題が一例として挙げられる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、例えば安全運転度を適切に評価することができる安全運転度評価装置、安全運転度評価方法、安全運転度評価プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
請求項1に記載の安全運転度評価装置は、道路に対して設定された標準走行速度を取得する標準走行速度取得部と、車両が前記道路を走行した時の走行速度のうち、前記車両周囲の所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時の走行速度に基づいて、前記車両の安定走行速度を取得する安定走行速度取得部と、前記標準走行速度と前記安定走行速度との差分に基づいて、前記車両の安全運転度を評価する安全運転度評価部とを備えることを特徴とする。
また、請求項4に記載の安全運転度評価方法は、安全運転度評価装置が実行する安全運転度評価方法であって、道路に対して設定された標準走行速度を取得する標準走行速度取得ステップと、車両が前記道路を走行した時の走行速度のうち、前記車両周囲の所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時の走行速度に基づいて、前記車両の安定走行速度を取得する安定走行速度取得ステップと、前記標準走行速度と前記安定走行速度との差分に基づいて、前記車両の安全運転度を評価する安全運転度評価ステップとを含むことを特徴とする。
また、請求項5に記載の安全運転度評価プログラムは、道路に対して設定された標準走行速度を取得する標準走行速度取得ステップと、車両が前記道路を走行した時の走行速度のうち、前記車両周囲の所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時の走行速度に基づいて、前記車両の安定走行速度を取得する安定走行速度取得ステップと、前記標準走行速度と前記安定走行速度との差分に基づいて、前記車両の安全運転度を評価する安全運転度評価ステップとをコンピュータに実行させるための安全運転度評価プログラムである。
また、請求項6に記載の記憶媒体は、道路に対して設定された標準走行速度を取得する標準走行速度取得ステップと、車両が前記道路を走行した時の走行速度のうち、前記車両周囲の所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時の走行速度に基づいて、前記車両の安定走行速度を取得する安定走行速度取得ステップと、前記標準走行速度と前記安定走行速度との差分に基づいて、前記車両の安全運転度を評価する安全運転度評価ステップとをコンピュータに実行させるための安全運転度評価プログラムを記憶したことを特徴とする。
図1は、実施の形態に係る安全運転度評価システムの構成を示すブロック図である。 図2は、車載端末の構成を示すブロック図である。 図3は、安全運転度評価装置の構成を示すブロック図である。 図4は、第1の動作を示すフローチャートである。 図5は、ステップS1Dを説明する図である。 図6は、安全運転度DBに記憶されたデータの一例を示す図である。 図7は、第2の動作を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
〔安全運転度評価システムの概略構成〕
図1は、実施の形態に係る安全運転度評価システム1の構成を示すブロック図である。
安全運転度評価システム1は、車両VEの走行状態に応じて当該車両VEの安全運転度を評価するシステムである。この安全運転度評価システム1は、図1に示すように、車載端末2と、安全運転度評価装置3とを備える。そして、これら車載端末2及び安全運転度評価装置3は、無線通信網であるネットワークNE(図1)を介して、通信を行う。
なお、安全運転度評価装置3と通信を行う車載端末2の台数は、図1では1台のみとしているが、実際には、複数の車両にそれぞれ搭載された複数台である。
〔車載端末の構成〕
図2は、車載端末2の構成を示すブロック図である。
車載端末2は、例えば、車両VEに設置される据え置き型のナビゲーション装置またはドライブレコーダーである。なお、車載端末2としては、ナビゲーション装置またはドライブレコーダーに限らず、車両VEの乗員が利用するスマートフォン等の携帯型端末を採用しても構わない。この車載端末2は、図2に示すように、センサ部21と、端末本体22とを備える。
センサ部21は、図2に示すように、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ211と、車速センサ212と、加速度センサ213と、外界センサ214とを備える。
GNSSセンサ211は、GNSSを利用して、航法衛星から送信された測位用データを含む電波を受信する。当該測位用データは、緯度及び経度情報等から車両VEの絶対的な位置を検出するために用いられる。なお、利用されるGNSSは、例えば、GPS(Global Positioning System)であってもよいし、他のシステムであっても構わない。
車速センサ212は、車両VEの走行速度を検出し、当該走行速度に応じた車速データを生成する。
加速度センサ213は、車両VEの加速度を検出し、当該加速度に応じた加速度データを生成する。
外界センサ214は、車両VEの前方に存在する障害物までの距離を離散的に測定し、当該障害物の表面を3次元の点群として認識し、点群データを生成するライダである。ここで、本実施の形態において記載する「障害物」は、車両VEの走行の障害となる他の車両等を意味し、地物は含まない。なお、外界センサ214としては、車両VEの前方に存在する障害物までの距離を測定することができれば、ライダに限らず、ミリ波レーダ、ソナー、あるいは、カメラ等を採用しても構わない。
そして、センサ部21は、上述した測位用データ、車速データ、加速度データ、及び点群データ等の出力データを端末本体22に出力する。
端末本体22は、図2に示すように、通信部221と、制御部222と、記憶部223とを備える。
通信部221は、制御部222による制御の下、ネットワークNEを介して安全運転度評価装置3との間で情報の送受信を行う。
制御部222は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のコントローラによって、記憶部223に記憶された各種プログラムが実行されることにより実現され、車載端末2全体の動作を制御する。なお、制御部222は、CPUやMPUに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成されても構わない。
記憶部223は、制御部222が実行する各種のプログラム、当該制御部222が処理を行う時に必要なデータ、及び車載端末2を一意に識別する端末ID(Identifier)等を記憶する。
〔安全運転度評価装置の構成〕
図3は、安全運転度評価装置3の構成を示すブロック図である。
安全運転度評価装置3は、例えば、サーバ装置である。この安全運転度評価装置3は、図3に示すように、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備える。
通信部31は、制御部32による制御の下、ネットワークNEを介して車載端末2(通信部221)との間で情報の送受信を行う。
制御部32は、CPUやMPU等のコントローラによって、記憶部33に記憶された各種プログラム(本実施の形態に係る安全運転度評価プログラムを含む)が実行されることにより実現され、安全運転度評価装置3全体の動作を制御する。なお、制御部32は、CPUやMPUに限らず、ASICやFPGA等の集積回路によって構成されても構わない。この制御部32は、図3に示すように、情報取得部321と、標準走行速度取得部322と、安定走行速度取得部323と、安全運転度評価部324とを備える。
情報取得部321は、通信部31を介して車載端末2から各種の情報(センサ部21からの出力データ(測位用データ、車速データ、加速度データ、及び点群データ)、及び記憶部223に記憶された端末ID)を取得する。
標準走行速度取得部322は、安全運転度の評価対象とする車両VEが走行している道路(以下、対象道路と記載)に対して設定された標準走行速度を地図DB(データベース)331から取得する。当該標準走行速度は、当該対象道路を安全に走行する際の基準となる速度である。当該標準走行速度としては、当該対象道路の法定速度を採用してもよく、あるいは、安全運転度評価システム1の管理者が任意に設定した値(例えば、法定速度に対して所定の係数(例えば0.8)を乗じた値)を採用しても構わない。
安定走行速度取得部323は、安全運転度の評価対象とする車両VEが対象道路を走行した時の走行速度のうち、所定の条件を満たす走行速度に基づいて、安定走行速度を取得する。そして、安定走行速度取得部323は、当該対象道路について取得した安定走行速度を当該対象道路の標準走行速度と当該車両VEに搭載された車載端末2の端末IDとに関連付けて記憶部33に記憶する。
安全運転度評価部324は、記憶部33に記憶された情報のうち、安全運転度の評価対象とする車両VEに搭載された車載端末2の端末IDに関連付けられた標準走行速度と安定走行速度との差分に基づいて、当該車両VEの安全運転度を評価する。
記憶部33は、制御部32が実行する各種のプログラム(本実施の形態に係る安全運転度評価プログラムを含む)の他、制御部32が処理を行う時に必要なデータ、及び当該処理によって生成されたデータ等を記憶する。この記憶部33は、図3に示すように、地図DB331と、安全運転度DB332とを備える。
地図DB331は、地図データを記憶する。当該地図データは、道路に相当するリンクと道路の接続部分(交差点)に相当するノードとにより表された道路データと、当該道路データに含まれる各道路に対してそれぞれ設定された上述した標準走行速度とを含む。
安全運転度DB332は、制御部32の処理によって生成されたデータを記憶する部分であり、具体的には後述するが、端末ID毎に、標準走行速度、安定走行速度、及び安全運転度を記憶する。
〔安全運転度評価方法〕
次に、安全運転度評価装置3(制御部32)の動作(安全運転度評価方法)について説明する。以下では、安全運転度評価装置3の動作(安全運転度評価方法)として、第1の動作と第2の動作とを順に説明する。
〔第1の動作〕
図4は、第1の動作を示すフローチャートである。
先ず、情報取得部321は、通信部31を介して車載端末2からの各種の情報(センサ部21からの出力データ(測位用データ、車速データ、加速度データ、及び点群データ)、及び記憶部223に記憶された端末ID)の取得を開始する(ステップS1A)。以降、情報取得部321は、所定の周期で車載端末2からの各種の情報の取得を繰り返し、実行する。
ステップS1Aの後、標準走行速度取得部322は、対象道路の標準走行速度を地図DB331から取得する(ステップS1B:標準走行速度取得ステップ)。
具体的に、標準走行速度取得部322は、情報取得部321にて取得された測位用データに基づいて、車載端末2の現在位置、すなわち、当該車載端末2が搭載された車両VEの現在位置を推定する。そして、標準走行速度取得部322は、地図DB331に記憶された地図データを参照し、当該車両VEの現在位置に対応した当該車両VEが走行している対象道路に関連付けられた標準走行速度を取得する。
ステップS1Bの後、制御部32は、対象道路が変化したか否かを常時、監視する(ステップS1C)。
具体的に、制御部32は、情報取得部321にて取得された測位用データに基づいて、車両VEの現在位置を推定する。そして、制御部32は、地図DB331に記憶された地図データを参照し、当該車両VEの現在位置に対応した当該車両VEが走行している対象道路が変化したか否かを常時、監視する。言い換えれば、制御部32は、車両VEがこれまで走行していた道路とは異なる道路を走行し始めたか否かを常時、監視する。なお、以下に記載の「変化前の対象道路」とは、当該「これまで走行していた道路」に相当する。
そして、対象道路が変化したと判定された場合(ステップS1C:Yes)には、安定走行速度取得部323は、車両VEが変化前の対象道路を走行した時の安定走行速度を取得する(ステップS1D:安定走行速度取得ステップ)。ここで、安定走行速度取得部323は、当該安定走行速度を取得する際、車両VEが当該変化前の対象道路を走行している時に車載端末2から取得した車速データ及び点群データを用いる。なお、対象道路が変化していないと判定された場合(ステップS1C:No)には、制御部32は、ステップS1Cを繰り返す。
図5は、ステップS1Dを説明する図である。具体的に、図5(a)は、安全運転度の評価対象とする車両VEが標準走行速度V0である対象道路を走行している時に車載端末2から取得した車速データに基づく走行速度の時間変化を示す図である。図5(b)は、図5(a)に対応した図であって、車載端末2から取得した点群データから推定される当該車両VEと当該車両VEの前方に存在する障害物(他の車両)との車間距離の時間変化を示す図である。図5(c)では、図5(a)に示した走行速度の時間変化について、安定走行速度を取得する際に用いる走行速度を実線で示し、その他の走行速度を一点鎖線で示している。
具体的に、安定走行速度取得部323は、車両VEが対象道路を走行している時に車載端末2から取得した車速データに基づいて、当該車両VEが当該対象道路を走行した時の走行速度を認識する。そして、安定走行速度取得部323は、当該車両VEが当該対象道路を走行した時の走行速度のうち、所定の条件を満たす走行速度に基づいて、当該対象道路を走行した時の安定走行速度を取得する。
本実施の形態では、上述した所定の条件は、以下に示す第1〜第3の条件である。
第1の条件は、車両VEの前方の所定の距離閾値Ls(例えば100m)内に障害物(他の車両)が存在しないという条件である。なお、距離閾値Lsとしては、一律の値として設定してもよく、あるいは、対象道路の標準走行速度に応じて異なる値(例えば、標準走行速度の高い道路ほど距離閾値Lsが長くなる等)としても構わない。
すなわち、安定走行速度取得部323は、車両VEが対象道路を走行している時に車載端末2から取得した点群データに基づいて、当該車両VEが当該対象道路を走行した時の車間距離(当該車両VEと当該車両VEの前方に存在する障害物(他の車両)との距離)を推定する。そして、安定走行速度取得部323は、車両VEが対象道路を走行した時の走行速度のうち、第1の条件を満たす走行速度を抽出する。当該第1の条件を満たす走行速度は、車両VEが対象道路を走行した時の走行速度のうち、車両VEの前方に先行車両が存在せずに当該車両VEのドライバの意思のままに走行した時の走行速度に相当する。以下では、説明の便宜上、車両VEの前方に先行車両が存在せずに当該車両VEのドライバの意思のままに行われる走行を「フリー走行」と記載する。
第2の条件は、車両VEの走行速度が速度閾値Vs以上である(少なくとも停車状態ではない)という条件である。
第3の条件は、車両VEの走行速度の偏差が所定の値以内となる状態が所定の時間以上継続しているという条件である。より具体的に、本実施の形態では、第3の条件は、直近の単位時間(例えば3秒)の車両VEの走行速度の移動平均に対する偏差が所定の値(例えば±1km/h)以内となる状態が所定の時間(例えば5秒)以上継続しているという条件である。
図5に示した例では、第1,第2の期間T1,T2における走行速度は、車両VEの前方の距離閾値Ls内に障害物が存在している状態で当該車両VEが走行していた時の走行速度である。すなわち、第1,第2の期間T1,T2における走行速度は、第1の条件を満たさない。このため、安定走行速度取得部323は、車両VEが対象道路を走行した全期間T0における走行速度のうち、第1,第2の期間T1,T2の走行速度については、安定走行速度を取得する走行速度から除外する。
また、図5に示した例では、第3,第4の期間T3,T4における走行速度は、速度閾値Vs未満である。すなわち、第3,第4の期間T3,T4における走行速度は、第2の条件を満たさない。このため、安定走行速度取得部323は、車両VEが対象道路を走行した全期間T0における走行速度のうち、第3,第4の期間T3,T4の走行速度についても、安定走行速度を取得する走行速度から除外する。
そして、図5に示した例では、車両VEが対象道路を走行した全期間T0から第1〜第4の期間T1〜T4を除外した第5,第6の期間T5,T6のうち、第7,第8の期間T7,T8における走行速度は、第3の条件を満たす。このため、安定走行速度取得部323は、第7,第8の期間T7,T8における走行速度を用いて、以下の式(1)により、車両VEが対象道路を走行した時の安定走行速度Vr1を取得する。
〔数1〕
Vr1=((V7×T7)+(V8×T8))/(T7+T8) ・・・(1)
なお、式(1)において、V7は、期間T7における走行速度の平均値である。また、V8は、期間T8における走行速度の平均値である。
以上説明したように、安定走行速度Vr1は、フリー走行時の走行速度のうち、第2,第3の条件を満たす走行速度である。このため、車両VEのドライバは、標準走行速度V0である道路をVr1の走行速度(安定走行速度)で走行する傾向があるとみなすことができる。
ステップS1Dの後、安定走行速度取得部323は、当該ステップS1Dにて取得した対象道路を走行した時の安定走行速度をステップS1Bにて取得した当該対象道路の標準走行速度及び車載端末2から取得した端末IDに関連付けて安全運転度DB332に記憶する(ステップS1E)。
この後、制御部32は、ステップS1Bに戻る。
図6は、安全運転度DB332に記憶されたデータの一例を示す図である。
安全運転度DB332には、端末ID毎に、標準走行速度、安全走行速度、及び安全運転度が関連付けられたデータが記憶される。
具体的に、図6に示した例では、端末IDである「ID♯1」に対して、標準走行速度である「速度♯11A」、及び安定走行速度である「速度♯11B」の組と、標準走行速度である「速度♯12A」、及び安定走行速度である「速度♯12B」の組と、後述するステップS2Eにて評価された安全運転度である「安全運転度♯1」とが関連付けられている。ここで、標準走行速度である「速度♯11A」、及び安定走行速度である「速度♯11B」の組は、ステップS2〜S5の1回目のループにおけるステップS5で安全運転度DB332に記憶されたデータである。一方、標準走行速度である「速度♯12A」、及び安定走行速度である「速度♯12B」の組は、ステップS2〜S5の2回目のループにおけるステップS5で安全運転度DB332に記憶されたデータである。すなわち、安全運転度DB332には、車両VEが走行した道路毎に、標準走行速度及び安定走行速度の組がそれぞれ記憶されていく。
なお、図6に示した例では、端末ID、標準走行速度、安全走行速度、及び安全運転度を「ID♯1」、「速度♯11A」、「速度♯11B」、及び「安全運転度♯1」等の抽象的な符号でそれぞれ表現したが、実際には、数値や文字列等が記憶されることとなる。
〔第2の動作〕
図7は、第2の動作を示すフローチャートである。
安全運転度評価装置3(安全運転度評価部324)は、例えば日に1回や月に1回の周期で以下に示す第2の動作を実行する。
先ず、安全運転度評価部324は、安全運転度の評価対象とする車両VEに搭載された車載端末2の端末IDを選択する(ステップS2A)。
ステップS2Aの後、安全運転度評価部324は、安全運転度DB332に記憶されたデータのうち、当該ステップS2Aにて選択した評価対象とする端末IDに関連付けられた標準走行速度及び安定走行速度を1組毎に読み出す(ステップS2B)。
ステップS2Bの後、安全運転度評価部324は、当該ステップS2Bにて読み出した標準走行速度及び安定走行速度について、1組毎に差分(標準走行速度から安定走行速度を差し引いた差分)を取得する(ステップS2C)。図6に示した例では、ステップS2Aにて評価対象とする端末IDとして「ID♯11」を選択した場合には、ステップS2Cにおいて、速度♯11Aから速度♯11Bを差し引いた差分と、速度♯12Aから速度♯12Bを差し引いた差分等が取得される。
ステップS2Cの後、安全運転度評価部324は、当該ステップS2Cにて取得した各差分に対して、当該各差分を取得する際に用いた標準走行速度が低いほど大きい重み係数をそれぞれ乗じる(ステップS2D)。例えば、安全運転度評価部324は、時速30kmの標準走行速度に対応する差分に対しては重み係数C1を乗じ、時速60kmの標準走行速度に対応する差分に対しては重み係数C2を乗じ、時速100kmの標準走行速度に対応する差分に対しては重み係数C3を乗じる。なお、重み係数C1〜C3は、C1>C2>C3の関係を有する。
ステップS2Dの後、安全運転度評価部324は、当該ステップS2Dにて重み係数をそれぞれ乗じた各差分に基づく統計量を取得する(ステップS2E)。当該統計量としては、当該各差分の平均値、最頻値、あるいは、中央値等を例示することができる。
ステップS2Eの後、安全運転度評価部324は、当該ステップS2Eにて取得した統計量に基づいて、評価対象とする端末IDの安全運転度を評価する(ステップS2F:安全運転度評価ステップ)。
ここで、ステップS2Eにて取得された統計量は、車両VEのドライバの潜在的な走行速度の傾向が反映されたものである。例えば、当該統計量がマイナスに大きい値となるほど、走行速度を出し過ぎる傾向がある。この場合には、安全運転度評価部324は、安全運転度を低く評価する。また、当該統計量がプラスの値である場合には、走行速度を出し過ぎる傾向はない。この場合には、安全運転度評価部324は、安全運転度を高く評価する。しかしながら、当該統計量がプラスに極端に大きい場合には、後続車両に追突されるリスクがある。この場合には、安全運転度評価部324は、安全運転度を低く評価する。
なお、安全運転度は、ステップS2Eにて取得された統計量の他、車載端末2から取得した加速度データ及び車速データを基に検出される急加速・急減速や法定速度オーバー等の発生頻度を加えて、総合的に評価しても構わない。
ステップS2Fの後、安全運転度評価部324は、当該ステップS2Fにて評価した安全運転度を評価対象として選択した端末IDに関連付けて安全運転度DB332に記憶する(ステップS2G)。なお、当該安全運転度としては、対応する端末IDの車載端末2に対して通信部31を介して送信し、当該車載端末2が搭載された車両VEのドライバに通知されるようにしてもよい。また、当該安全運転度としては、自動車保険の保険料の算出の基準として利用されても構わない。
ステップS2Gの後、安全運転度評価部324は、安全運転度DB332に記憶された全ての端末IDについてステップS2A〜S2Gを実施したか否かを判定する(ステップS2H)。
全ての端末IDについてステップS2A〜S2Gを実施していないと判定された場合には、制御部32は、ステップS2Aに戻る。一方、全ての端末IDについて実施したと判定された場合には、制御部32は、第2の動作を終了する。
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態に係る安全運転度評価装置3は、道路に対して設定された標準走行速度を取得するとともに、車両VEが当該道路を走行した時の走行速度のうち、フリー走行時の走行速度に基づいて、車両VEの安定走行速度を取得する。そして、安全運転度評価装置3は、標準走行速度と安定走行速度との差分に基づいて、車両VEの安全運転度を評価する。すなわち、安全運転度評価装置3は、車両VE周囲に存在する他の車両等の障害物を考慮して、安全運転度を評価する。
したがって、本実施の形態に係る安全運転度評価装置3によれば、車両VE周囲を走行する他の車両等の影響により危険回避等の目的で不本意に生じた法定速度超過等を除外し、安全運転度を適切に評価することができる。
また、安全運転度評価装置3は、車両VEが道路を走行した時の走行速度のうち、フリー走行時で、かつ、当該走行速度の偏差が所定の値以内となる状態が所定の時間以上継続した時の走行速度に基づいて、安定走行速度を取得する。このため、加速時及び減速時等の走行速度を除外し、安全運転度を評価するにあたって、信頼性の高い安定走行速度を取得することができる。
ところで、例えば、時速100kmの標準走行速度の道路を時速20km超過で走行(安定走行速度:時速120km)するのと、時速30kmの標準走行速度の道路を同じ時速20km超過で走行(安定走行速度:時速50km)するのとでは、生じる事故リスクに差が出ることが考えられる。すなわち、時速100kmの標準走行速度と時速120kmの安定走行速度との差分と、時速30kmの標準走行速度と時速50kmの安定走行速度との差分とを同じ値として安全運転度を評価するよりも、後者の差分を前者の差分よりも大きい値に変換した方が安全運転度を適切に評価することが可能となる。
そこで、本実施の形態に係る安全運転度評価装置3は、互いに対応する標準走行速度及び安定走行速度同士の各差分に対して、標準走行速度が低いほど大きい重み係数をそれぞれ乗じ、当該重み係数を乗じた各差分に基づいて、車両VEの安全運転度を評価する。このため、安全運転度をより適切に評価することが可能となる。
(その他の実施形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態において、安全運転度評価装置3の全ての構成を車載端末2に設けても構わない。この場合には、当該車載端末2は、本実施の形態に係る安全運転度評価装置に相当する。また、安全運転度評価装置3における制御部32の一部の機能を車載端末2に設けても構わない。この場合には、安全運転度評価システム1全体が本実施の形態に係る安全運転度評価装置に相当する。
上述した実施の形態において、道路に対して設定された標準走行速度を当該道路の交通状況や当該道路の場所での天候等に応じて変化するように構成しても構わない。また、複数の車両が道路を走行した時の各安定走行速度の統計量(例えば、平均値、最頻値、中央値等)を標準走行速度として当該道路に対して設定しても構わない。
上述した実施の形態では、安定走行速度を取得する際の第1の条件として、車両VEの前方の所定の距離閾値Ls内に障害物が存在しないという条件を採用したが、これに限らない。第1の条件としては、車両VE周囲(車両VEの前方、後方、及び側方の少なくともいずれか)の所定の距離閾値Ls内に障害物が存在しないという条件であれば、その他の条件を採用しても構わない。
上述した実施の形態では、安定走行速度を取得する際の第3の条件として、直近の単位時間の車両VEの走行速度の移動平均に対する偏差が所定の値以内となる状態が所定の時間以上継続しているという条件を採用していたが、これに限らない。第3の条件としては、車両VEの走行速度の偏差が所定の値以内となる状態が所定の時間以上継続しているという条件であれば、移動平均に対する偏差ではなく直前の走行速度に対する偏差を採用しても構わない。
上述した実施の形態において、安定走行速度を取得する際の所定の条件としては、第1の条件のみで構成しても構わない。すなわち、第2,第3の条件を省略しても構わない。例えば、安定走行速度取得部323は、車両VEが対象道路を走行した時の走行速度のうち、第1の条件を満たす走行速度の平均値等を、当該対象道路を走行した時の安定走行速度として取得する。
上述した実施の形態に係る安全運転度評価方法において、ステップS2Dを省略しても構わない。すなわち、ステップS2Dを実行せずに、ステップS2Eにおいて、ステップS2Cにて取得した各差分に基づく統計量を取得しても構わない。
3 安全運転度評価装置
322 標準走行速度取得部
323 安定走行速度取得部
324 安全運転度評価部

Claims (6)

  1. 道路に対して設定された標準走行速度を取得する標準走行速度取得部と、
    車両が前記道路を走行した時の走行速度のうち、前記車両周囲の所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時の走行速度に基づいて、前記車両の安定走行速度を取得する安定走行速度取得部と、
    前記標準走行速度と前記安定走行速度との差分に基づいて、前記車両の安全運転度を評価する安全運転度評価部とを備える
    ことを特徴とする安全運転度評価装置。
  2. 前記安定走行速度取得部は、
    前記車両が前記道路を走行した時の走行速度のうち、前記車両周囲の前記所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時で、かつ、当該走行速度の偏差が所定の値以内となる状態が所定の時間以上継続した時の走行速度に基づいて、前記安定走行速度を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の安全運転度評価装置。
  3. 前記安定走行速度取得部は、
    前記標準走行速度が互いに異なる複数の前記道路のそれぞれを前記車両が走行した時の走行速度に基づいて、前記標準走行速度毎に前記安定走行速度を取得し、
    前記安全運転度評価部は、
    互いに対応する前記標準走行速度及び前記安定走行速度同士の各差分に対して、前記標準走行速度が低いほど大きい重み係数をそれぞれ乗じ、当該重み係数を乗じた前記各差分に基づいて、前記車両の安全運転度を評価する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の安全運転度評価装置。
  4. 安全運転度評価装置が実行する安全運転度評価方法であって、
    道路に対して設定された標準走行速度を取得する標準走行速度取得ステップと、
    車両が前記道路を走行した時の走行速度のうち、前記車両周囲の所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時の走行速度に基づいて、前記車両の安定走行速度を取得する安定走行速度取得ステップと、
    前記標準走行速度と前記安定走行速度との差分に基づいて、前記車両の安全運転度を評価する安全運転度評価ステップとを含む
    ことを特徴とする安全運転度評価方法。
  5. 道路に対して設定された標準走行速度を取得する標準走行速度取得ステップと、
    車両が前記道路を走行した時の走行速度のうち、前記車両周囲の所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時の走行速度に基づいて、前記車両の安定走行速度を取得する安定走行速度取得ステップと、
    前記標準走行速度と前記安定走行速度との差分に基づいて、前記車両の安全運転度を評価する安全運転度評価ステップと
    をコンピュータに実行させるための安全運転度評価プログラム。
  6. 道路に対して設定された標準走行速度を取得する標準走行速度取得ステップと、
    車両が前記道路を走行した時の走行速度のうち、前記車両周囲の所定の範囲内に障害物が存在しない状態で走行した時の走行速度に基づいて、前記車両の安定走行速度を取得する安定走行速度取得ステップと、
    前記標準走行速度と前記安定走行速度との差分に基づいて、前記車両の安全運転度を評価する安全運転度評価ステップとをコンピュータに実行させるための安全運転度評価プログラムを記憶した
    ことを特徴とする記憶媒体。
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