JP6439860B2 - 空調機、センサユニット、及び、空調システム - Google Patents

空調機、センサユニット、及び、空調システム Download PDF

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Description

本明細書に記載する技術は、空調機、センサユニット、及び、空調システムに関する。
生体の心拍や呼吸、動き等の生体情報を測定する技術が研究、検討されている。また、測定した生体情報を、例えば、空調の制御に連携させる技術も検討されている。
特開2011−15887号公報 特開2013−24466号公報 特開2015−21658号公報 国際公開第2006/038441号 特開2014−39666号公報 特開2008−146866号公報 特開2014−058254号公報
生体の心拍や呼吸、動きは、ドップラーセンサを用いて検出することが可能である。しかし、空調機が空調の対象とする空間では、空調機の運転時に発生する振動に起因してドップラーセンサの検出値にノイズ成分が含まれ得る。そのため、生体情報の検出に誤差が生じ得る。
1つの側面では、本明細書に記載する技術の目的の1つは、空調機が空調の対象とする空間における生体情報の検出精度の向上を図ることにある。
1つの側面において、空調機は、ドップラーセンサと慣性センサとを有するセンサユニットを備えてよい。前記慣性センサは、加速度の検出軸が、前記ドップラーセンサから送信される電波の指向性の方向に方向付けられてよい。
また、1つの側面において、センサユニットは、空調機に取り付けられたセンサユニットであって、ドップラーセンサと、慣性センサと、を有してよい。センサユニットは、前記空調機の運転時の振動を受ける位置に取り付けられていてよい。前記慣性センサは、加速度の検出軸が、前記ドップラーセンサから送信される電波の指向性の方向に方向付けられてよい。
更に、1つの側面において、空調システムは、ドップラーセンサと慣性センサとを有するセンサユニットと、前記センサユニットが取り付けられた空調機と、制御システムと、を備えてよい。制御システムは、前記センサユニット及び前記空調機と通信可能に接続され、前記センサユニットから受信した前記ドップラーセンサの検出値を、前記センサユニットから受信した前記慣性センサの検出値に応じて補正し、補正した値に基づいて生成した信号を、前記空調機へ送信してよい。
1つの側面として、空調機が空調の対象とする空間における生体情報の検出精度の向上を図ることができる。
一実施形態に係る空調システムの構成例を示すブロック図である。 図1に例示した空調システムに用いられる非接触式睡眠センサの構成例を示すブロック図である。 図1に例示した空調システムに用いられる非接触式睡眠センサの構成例を示すブロック図である。 図1に例示した空調機の構成に着目した空調システムの構成例を示すブロック図である。 図1に例示した空調システムに用いられる制御システムの構成例を示すブロック図である。 図1に例示した空調システムに用いられる非接触式睡眠センサの外観の一例を模式的に示す図である。 図1に例示した空調機に対する非接触式睡眠センサの取り付け位置の一例を説明するための図である。 図1に例示した空調機に対する非接触式睡眠センサの取り付け位置の一例を説明するための図である。 図1に例示した空調機の取り付け冶具に非接触式睡眠センサが取り付けられる態様を説明するための図である。 図1〜図3に例示した非接触式睡眠センサにおけるドップラーセンサ及び慣性センサの出力信号の時間変化の一例を示す図である。 図2及び図3に例示した非接触式睡眠センサにおけるドップラーセンサの出力信号に基づいて得られる体動量の時間変化と慣性センサ値の時間変化との一例を示す図である。 図11に例示した体動量を基に得られた、睡眠判定のための演算値(判定値)の時間変化の一例(補正前)を示す図である。 睡眠判定のための演算値(判定値)のリファレンスの一例を示す図である。 図11に例示した体動量を基に得られた、睡眠判定のための演算値(判定値)の時間変化の一例(補正後)を示す図である。 一実施形態に係る伸展時波長の概念を模式的に例示する図である。 一実施形態に係る伸展時波長の算出例を説明するための図である。 図1〜図3に例示した非接触式睡眠センサの動作例を説明するためのフローチャートである。 図17の動作例において、慣性センサの出力信号を用いた補正前後の体動量の時間変化の一例を示す図である。 図17の変形例1を示すフローチャートである。 変形例1での伸展時波長の補正の一例を説明するための図である。 図17の変形例2を示すフローチャートである。 変形例2に係る判定閾値の補正の一例を説明するための図である。 変形例2に係る判定閾値と慣性センサ値との関係の一例を示す図である。
以下、図面を参照して実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。また、以下に説明する各種の例示的態様は、適宜に組み合わせて実施しても構わない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
図1は、一実施形態に係る空調システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す空調システム1は、例示的に、空調機2と、ネットワーク(NW)3と、制御システム4と、を備えてよい。
空調機2は、例示的に、ルータ6を介して、ネットワーク3と通信可能に接続されてよい。ネットワーク3に、制御システム4が接続されてよい。したがって、空調機2は、例示的に、ルータ6及びネットワーク3を介して制御システム4と通信可能であってよい。
空調機2は、制御システム4との通信により、空調機2の運転状況を示す信号(「情報」又は「データ」と言い換えてもよい。)を制御システム4宛に送信したり、空調機2の運転を制御する信号を制御システム4から受信したりすることができる。
空調機2とルータ6との間の接続は、有線接続でもよいし無線接続でもよい。別言すると、空調機2は、有線及び無線の一方又は双方による通信をサポートする通信インタフェース(IF)を備えていてよい。
なお、空調機2は、家庭用及び業務用のいずれであってもよい。家庭用の空調機2は、所謂「家電」の一例であり、ネットワーク3と通信が可能な「家電」は、「情報家電」と称されてもよい。
ネットワーク3は、例示的に、WAN(Wide Area Network)や、LAN(Local Area Network)、インターネットに該当してよい。また、ネットワーク3には、無線アクセス網が含まれてもよい。例えば、ルータ6は、無線IFによって無線アクセス網に接続して制御システム4と通信することが可能であってよい。
制御システム4は、既述のように、ネットワーク3及びルータ6経由で空調機2と通信が可能であり、例えば、空調機2から受信した情報に基づいて空調機2の動作(「運転」と称してもよい。)を制御することができる。
制御システム4は、例示的に、1又は複数のサーバを備えてよい。別言すると、空調機2の運転制御は、1つのサーバによって制御されてもよいし、複数のサーバによって分散的に制御されてもよい。サーバは、例えば、クラウドデータセンタに備えられたクラウドサーバに該当してもよい。
空調機2には、センサ5が取り付けられてよい。センサ5は、例示的に、空調機が空調の対象とする空間における利用者の生体情報を非接触でセンシングすることが可能である。なお、空調機2が空調の対象とする空間は、便宜的に、「空調空間」と称してよい。
「空調空間」は、屋内の空間であってよく、例えば、寝室等の室内空間であってよい。「空調空間」における「利用者」は、センサ5によるセンシング対象の一例である。「生体情報」は、「バイタル情報」と称してもよい。「センシング」は、「検出」あるいは「測定」と言い換えられてもよい。
バイタル情報の非限定的な一例は、利用者の心拍や、呼吸、身体の動きを示す情報である。利用者の「身体の動き」は、便宜的に、「体動」と略称してよい。「体動」には、例示的に、利用者の活動中の動きに限らず、利用者の睡眠時等の安静時の心拍や呼吸の変化に応じた身体の動きが含まれてよい。
バイタル情報を基に、例えば、利用者が睡眠中であるか覚醒中であるかの睡眠状態を検出、判定、又は、推定することが可能である。したがって、センサ5は、便宜的に、「非接触式睡眠センサ5」と称してもよい。バイタル情報に基づく睡眠状態の判定は、便宜的に、「睡眠判定」と略称してよい。睡眠判定手法の一例については後述する。
センサ5は、ルータ6に接続されてよく、空調機2と同様に、ルータ6を介してネットワーク3と通信することが可能であってよい。例えば、センサ5は、センシングしたバイタル情報や睡眠判定結果等の情報を、ルータ6及びネットワーク3経由で、制御システム4宛に送信することが可能であってよい。
センサ5が制御システム4宛に送信する情報は、便宜的に、「センサ情報」と総称してよい。「センサ情報」には、バイタル情報及び睡眠判定結果の一方又は双方が含まれてよい。制御システム4は、センサ情報を基に、例えば、空調空間が利用者にとって快適な環境となるように空調機2の運転を遠隔制御してよい。
空調機2の運転を遠隔制御(「空調制御」と称してよい。)することには、例示的に、利用者の就寝時の快眠を助けるような、温度制御や風量制御、風向制御等が含まれてよい。そのような空調制御は、便宜的に、「快眠制御」と称してもよい。
センサ5とルータ6との間の接続は、無線接続でもよいし有線接続でもよい。別言すると、センサ5は、無線及び有線の一方又は双方による通信をサポートする通信IFを備えていてよい。無線接続には、例示的に、「WiFi(Wireless Fidelity)」(登録商標)や「Bluetooth」(登録商標)が用いられてよい。
なお、センサ5は、空調機2とは異なり、制御システム4によって制御されなくてよい。別言すると、センサ5は、制御システム4宛の片方向の通信が可能であれば足り、制御システム4が送信した信号の受信をサポートしなくても構わない。別言すると、センサ5は、空調機2とは通信しなくてよく、したがって、空調機2の運転を制御することも行なわなくてよい。
(非接触式睡眠センサ5の構成例)
次に、図2及び図3を参照して、非接触式睡眠センサ5の構成例について説明する。図2及び図3に示すように、非接触式睡眠センサ5は、例示的に、ドップラーセンサ51、慣性センサ52、プロセッサ53、メモリ54、通信IF55、及び、電力受信IF56を備えてよい。
図3に例示するように、ドップラーセンサ51、慣性センサ52、プロセッサ53、メモリ54、通信IF55、及び、電力受信IF56は、例示的に、バス57によって、互いに通信可能に接続されてよい。なお、ドップラーセンサ51及び慣性センサ52を備えた非接触式睡眠センサ5は、「センサユニット5」と称されてもよい。
ドップラーセンサ51は、例示的に、空調空間へ送信した電波と、当該送信電波の反射波と、を位相検波してビート信号を生成する。ビート信号がドップラーセンサ51の出力信号としてプロセッサ53に与えられてよい。
例えば図2に示すように、ドップラーセンサ1は、アンテナ511、ローカル発振器(Oscillator, OSC)512、MCU(Micro Control Unit)513、検波回路514、オペアンプ(OP)515、及び、バッテリ516を備えてよい。
アンテナ511は、OSC512で生成された発振周波数をもつ電波を空調空間へ送信し、また、当該送信電波が空調空間に位置する利用者で反射した電波(反射波)を受信する。なお、図2の例において、アンテナ511は、送受信に共用であるが、送受信に個別であってもよい。
OSC512は、例示的に、MCU513の制御に応じて発振動作して、所定周波数の信号(便宜的に「ローカル信号」と称してよい。)を出力する。ローカル信号は、アンテナ511から送信電波として送信されると共に、検波回路514に入力される。
OSC512の発振周波数(別言すると、ドップラーセンサ51が送信する電波の周波数)は、例示的に、マイクロ波帯の周波数であってよい。マイクロ波帯は、例示的に、2.4GHz帯でもよいし、24GHz帯でもよい。これらの周波数帯は、日本の電波法で屋内での使用が認められている周波数帯の一例である。電波法の規制を受けない周波数帯を、ドップラーセンサ51の送信電波に用いても構わない。
MCU513は、例示的に、プロセッサ53の制御に応じてOSC512の発振動作を制御する。
検波回路514は、アンテナ511で受信された反射波と、OSC512からのローカル信号(別言すると、送信電波)と、を位相検波してビート信号を出力する。なお、検波回路514は、送信電波と反射波とをミキシングするミキサに置換されてもよい。ミキサによるミキシングは、位相検波と等価であると捉えてよい。
ここで、検波回路514によって得られるビート信号には、空調空間における利用者の心拍や、呼吸、体動等の身体的な変化に応じて、ドップラー効果によって、振幅変化と周波数変化とが現われる。
例えば、空調空間における利用者の身体的な変化量(別言すると、ドップラーセンサ1に対する相対速度)が大きくなるほど、ビート信号の周波数及び振幅値は大きくなる傾向にある。別言すると、ビート信号には、利用者の心拍や、呼吸、体動等の身体的な変化を示す情報が含まれる。
オペアンプ515は、検波回路514から出力されるビート信号を増幅する。増幅されたビート信号は、プロセッサ53に入力される。
バッテリ516は、例示的に、MCU513、検波回路514及びオペアンプ515に駆動電力を供給する。
一方、慣性センサ52は、例示的に、非接触式睡眠センサ5自体の「動き」(「位置変化」と言い換えてもよい。)をセンシングする。非接触式睡眠センサ5の「動き」は、例えば、空調機2の運転時の振動が非接触式睡眠センサ5に伝わることによって生じ得る。
空調機2の運転時の振動は、例示的に、空調機2の送風ファンの回転や、空調機2のルーバの動き、ルーバから噴出される風等によって生じ得る。慣性センサ52は、これらを原因とする空調機2の振動を非接触式睡眠センサ5自体の「動き」としてセンシングすることが可能である。
非接触式睡眠センサ5に「動き」が生じると、内蔵のドップラーセンサ51の出力信号に、「動き」に応じた信号成分がノイズ成分として加わり得る。例えば、空調機2の振動がセンサ5に伝わって非接触式睡眠センサ5自体が振動すると、ドップラーセンサ51も振動する。
ドップラーセンサ51が振動すると、その出力信号には、センシング対象の「動き」に応じた周波数及び振幅の変化に加えて、ドップラーセンサ51自体の振動に起因する周波数及び振幅の変化がノイズとして含まれてしまう。例えば、ドップラーセンサ51の振動に応じて、ドップラーセンサ51の出力振幅は大きくなり周波数は高くなる傾向にある。
加えて、空調機2は、運転中に、送風量や送風方向を空調空間の温度や湿度等に応じて自動調節することがあるため、空調機2の運転中の振動が一定であるとも限らず、センサ5に伝わる振動も一定であるとは限らない。そのため、ドップラーセンサ51の出力振幅及び周波数が、空調機2の運転中には一定である、とも限らない。
ドップラーセンサ51の出力信号に、空調機2の振動に起因したノイズ成分が加わると、センシング対象のバイタル情報の検出精度が低下し得る。結果として、バイタル情報に基づく睡眠判定の精度も低下し得る。
そこで、本実施形態では、慣性センサ52のセンシング結果を用いて、センサ5自体の動きに応じたノイズ成分に起因するバイタル情報の検出精度の低下、ひいては、睡眠判定精度の低下を回避あるいは抑制できるようにする。詳細については後述する。
慣性センサ52は、加速度センサでもよいし、ジャイロスコープでもよい。加速度センサには、例示的に、圧電式及び静電容量式のいずれのセンサを適用してもよい。ジャイロスコープには、回転機械(コマ)式、光学式、及び、振動式のいずれのセンサを適用してもよい。
慣性センサ52は、1又は複数の検出軸を有していてよい。検出軸に沿う方向の「動き」が例えば「加速度」として検出されてよい。慣性センサ52の少なくとも1つの検出軸は、ドップラーセンサ51の送信電波が有する指向性の方向(便宜的に「電波送信方向」と称してよい。)に方向付けられていてよい。
別言すると、慣性センサ52は、ドップラーセンサ51の電波送信方向についての、非接触式睡眠センサ5の「動き」を検出可能に配置、設定されてよい。慣性センサ52で検出された「動き」に応じた信号が、プロセッサ53に入力されてよい。なお、慣性センサ52は、ドップラーセンサ51の作動中に作動していればよい。
プロセッサ53は、ドップラーセンサ51の出力信号と慣性センサ52の出力信号とに基づいて、空調空間における利用者のバイタル情報を検出することができ、また、バイタル情報に基づいて当該利用者の睡眠状態を判定することができる。
なお、プロセッサ53は、演算能力を備えた演算装置の一例である。演算装置は、演算デバイス又は演算回路と称されてもよい。演算装置の一例であるプロセッサ53には、例示的に、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)が適用されてよい。
慣性センサ52の出力信号は、プロセッサ53において、バイタル情報の補正や睡眠判定に用いられる閾値の補正に用いられてよい。補正の具体例については後述する。
次に、図3において、メモリ54は、記憶媒体の一例であり、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等であってよい。メモリ54には、プロセッサ53が読み取って動作するために用いられる、プログラムやデータが記憶されてよい。「プログラム」は、「ソフトウェア」あるいは「アプリケーション」と称されてもよい。「データ」には、プロセッサ53の動作に応じて生成されたデータが含まれてよい。
通信IF55は、例示的に、ルータ6と接続されてネットワーク3経由で制御システム4との通信を可能にする。例えば、通信IF55は、ドップラーセンサ51の出力信号と慣性センサ52の出力信号とを基にして得られた、非接触式睡眠センサ5のセンサ情報(例示的に、バイタル情報や睡眠判定結果等)を制御システム4宛に送信してよい。したがって、通信IF55は、送信処理に着目すれば、制御システム4宛に情報を送信する送信部の一例である。
電力受信IF56は、例示的に、非接触式睡眠センサ5のための駆動電力の供給を受けるインタフェースである。電力受信IF56は、図4に太実線で例示するように、電源ケーブル7にて空調機2の電源回路28に接続されて、空調機2から電力の供給を受けてよい。あるいは、受信電力IF56は、図4に太点線で例示するように、交流(AC)電源に接続されて電力の供給を受けてもよい。
別言すると、非接触式睡眠センサ5のための電源は、空調機2と共用でもよいし、空調機2とは個別でもよい。空調機2とは個別の電源から非接触式睡眠センサ5に給電すれば、空調機2の電源がOFFであっても、非接触式睡眠センサ5はセンシングが可能である。別言すると、非接触式睡眠センサ5は、空調機2の非動作時でもセンサ5単体として作動可能なので、「見守り機能」として利用できる。
なお、非接触式睡眠センサ5の受信電力IF56と、空調機2の電源回路28との接続には、ユニバーサルシリアルバス(USB)が適用されてよい。例えば、空調機2には、電力を供給可能なUSBポートが備えられてよい。空調機2のUSBポートに、非接触式睡眠センサ5の受信電力IF56が、電源ケーブル7の一例としてのUSBケーブルによって接続されて電力の供給を受けてよい。
(空調機2の構成例)
図4は、空調機2の構成に着目した空調システム1の構成例を示すブロック図である。図4に示す空調機2は、例示的に、コントローラ21を備える。コントローラ21は、空調機2の運転を制御する。
コントローラ21には、例示的に、空調機2の送風ファン22を駆動するモータや、空調機2のルーバ23を駆動するモータが接続されてよい。送風ファン22は、送風機の一例であり、例示的に、クロスフローファンであってよい。ルーバ23は、風向調節器の一例であり、「エアウィング23」と称されてもよい。
クロスフローファン22がコントローラ21によって制御されることで、例えば、空調機2の送風量を制御できる。エアウィング23がコントローラ21によって制御されることで、例えば、空調機2の送風方向を制御できる。
また、コントローラ21には、例示的に、通信IF24、操作部25、温度センサ26、湿度センサ27、及び、電源回路28が接続されてよい。
通信IF24は、ルータ6に接続されて、ネットワーク3経由で制御システム4との通信を可能にするインタフェースである。通信IF24には、例示的に、イーサネット(登録商標)カードが適用されてよい。
通信IF24は、送信処理に着目すれば、制御システム4宛に情報を送信する送信部の一例であり、受信処理に着目すれば、制御システム4が空調機2宛に送信した情報を受信する受信部の一例である。
操作部25は、空調機2の利用者によって操作されて、その操作に応じた信号(便宜的に「操作信号」と称してよい。)をコントローラ21に入力する。操作信号に応じた制御がコントローラ21によって実施される。
なお、操作部25は、空調機2本体に取り付けられた操作パネルに該当してもよいし、例えば赤外線通信によって空調機2の運転を遠隔制御するためのリモートコントローラに該当してもよい。
温度センサ26は、空調空間の温度をセンシングする。湿度センサ27は、空調空間の湿度をセンシングする。コントローラ21は、温度センサ26及び湿度センサ27の一方又は双方のセンサ情報に基づいて、送風ファン22やルーバ23を適応的に制御してよい。
電源回路28は、空調機2の駆動電力を生成する。既述のように、電源回路28から電源ケーブル7を通じて非接触式睡眠センサ5に電力が供給されてよい。
なお、コントローラ21には、クリーニング機構29が接続されてもよい。クリーニング機構29は、例示的に、空調機2のフィルタを空調機2が自律的にクリーニングするための機構であってよい。クリーニング機構29によるクリーニングは、例示的に、空調機2の電源OFFに応じて実施されてもよい。
また、コントローラ21には、カメラ30が接続されてもよい。カメラ30は、空調空間の様子を撮影してよい。カメラ30で撮影された画像データが、通信IF24から制御システム4宛に送信される情報に含まれてよい。画像データは、静止画像データでもよいし、動画像データでもよい。
制御システム4で受信された、カメラ30の画像データは、情報端末からアクセス可能であってよい。情報端末は、例えば、空調機2の利用者やその親族が所持する端末であってもよいし、空調空間の監視を許可されたセキュリティ会社が所有する端末であってもよい。情報端末には、パーソナルコンピュータ(PC)や、携帯電話機(スマートフォンを含んでよい。)、タブレットPC等が該当してよい。
制御システム4で受信された空調空間の画像データを情報端末にて参照することで、空調空間から離れた遠隔地にて空調空間の様子を、空調機2の利用者やその親族、あるいはセキュリティ会社等が、監視、確認することが可能である。
(制御システム4の構成例)
図5は、図1に例示した制御システム4の構成例を示すブロック図である。図5に示す制御システム4は、例示的に、プロセッサ41、メモリ42、記憶装置43、通信インタフェース(IF)44、及び、ペリフェラルIF45を備えてよい。
プロセッサ41、メモリ42、記憶装置43、通信IF44、及び、ペリフェラルIF45は、例示的に、バス46によって、互いに通信可能に接続されてよい。
プロセッサ41は、例示的に、制御システム4としての動作を制御する。当該制御には、ネットワーク3との通信を制御することや、既述のように、ネットワーク3経由で空調機2を遠隔制御することが含まれてよい。
例えば、プロセッサ41は、通信IF44で受信された、非接触式睡眠センサ5のセンサ情報を基に、空調機2の運転を制御する制御信号を生成してよい。当該制御信号は、通信IF44から空調機2宛に送信されてよい。空調機2宛に送信された制御信号は、ネットワーク3及びルータ6を経由して空調機2(例えば、通信IF24)で受信されてよい。
なお、プロセッサ41は、非接触式睡眠センサ5のプロセッサ53と同様に、演算能力を備えた演算装置の一例である。演算装置は、演算デバイス又は演算回路と称されてもよい。演算装置の一例であるプロセッサ41には、例示的に、CPUやDSPが適用されてよい。
メモリ42は、記憶媒体の一例であり、RAMやフラッシュメモリ等であってよい。メモリ42には、プロセッサ41が読み取って動作するために用いられる、プログラムやデータが記憶されてよい。「プログラム」には、空調機2の運転を遠隔制御するプログラムが含まれてよい。「データ」には、プロセッサ4の動作に応じて生成されたデータや空調機2宛の制御信号等が含まれてよい。
記憶装置43は、例示的に、通信IF44で受信された、非接触式睡眠センサ5のセンサ情報を記憶してよい。センサ情報は、例示的に、記憶装置43においてデータベース(DB)化されてよい。DB化されたデータは、「クラウドデータ」や「ビッグデータ」等と称されてよい。なお、記憶装置43には、例示的に、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等が適用されてよい。
通信IF44は、例示的に、ネットワーク3に接続されて、ネットワーク3経由で空調機2との通信を可能にする。通信IF44は、受信処理に着目すれば、非接触式睡眠センサ5が制御システム4宛に送信した情報を受信する受信部の一例である。一方、送信処理に着目すれば、通信IF44は、例えば、プロセッサ41が生成した空調機2宛の制御信号を送信する送信部の一例である。通信IF44には、例示的に、イーサネット(登録商標)カードが適用されてよい。
ペリフェラルIF45は、例示的に、制御システム4に周辺機器を接続するためのインタフェースである。周辺機器には、制御システム4に情報を入力するための入力機器や、制御システム4で得られた情報を出力する出力機器が含まれてよい。入力機器には、キーボードやマウス、タッチパネル等が含まれてよい。出力機器には、ディスプレイやプリンタ等が含まれてよい。
(非接触式睡眠センサ5の取り付け位置)
次に、図6〜図9を参照して、非接触式睡眠センサ5の取り付け位置の一例について説明する。図6は、非接触式睡眠センサ5の外観の一例を模式的に示す図である。図6に例示する非接触式睡眠センサ5は、図7に模式的に例示するように、空調機2本体の筐体表面のいずれかの位置に取り付けられてよい。
筐体表面は、空調機2の運転時に振動する位置の一例である。別言すると、非接触式睡眠センサ5は、空調機2の運転時の振動を受ける位置に取り付けられればよい。空調機2の運転時の振動は、例示的に、既述の送風ファン22や、ルーバ23、クリーニング機構29の動作に応じて生じ得る。
非接触式睡眠センサ5が取り付けられる筐体表面は、例えば図7に模式的に示すように、空調機2本体の筐体の正面、当該筐体の側面、及び、当該筐体の底面のいずれであってもよい。非接触式睡眠センサ5によって空調空間を見通せる位置であれば、非接触式睡眠センサ5の、空調機2本体の筐体表面に対する取り付け位置は問わなくてよい。
例えば、空調機2本体は、室内の壁面との距離が近い位置に設置されることもあるし、室内の壁面から離れた位置に設置されることもある。また、屋内の対向する壁面間の中心付近に空調機2本体が設置されることもある。
したがって、非接触式睡眠センサ5の、空調機2本体の筐体表面に対する取り付け位置は、そのような空調機2本体の設置位置(「設置環境」又は「設置条件」と称してもよい。)に応じて適宜に選定されてよい。
非限定的な一例として、「壁掛け式」の空調機2であれば、空調機2本体の筐体底面における幅方向の中心付近は、空調空間を見通せる位置であることが多いため、そのような位置に非接触式睡眠センサ5が取り付けられてよい。
なお、図8は、空調機2の本体の筐体底面に非接触式睡眠センサ5が取り付けられた例を模式的に示す側面図である。図8に例示するように、空調機2の筐体底面に送風口の開閉扉200が設けられている場合、当該開閉扉200を避けた位置に非接触式睡眠センサ5が取り付けられてよい。開閉扉200を避けた位置は、図8の例では、空調機2の本体の筐体底面において、空調機2が設置された壁面に近い位置であってよい。
非接触式睡眠センサ5は、空調機2本体の筐体表面に限らず、例えば図9に模式的に示すように、空調機2本体を壁面に取り付けるための冶具8(「取り付け冶具8」と称してよい。)に取り付けられてもよい。
冶具8には空調機2の運転時の振動が伝わるから、冶具8に取り付けられた非接触式睡眠センサ5は、空調機2の運転時の振動を受ける。別言すると、非接触式睡眠センサ5は、空調機2本体が取り付けられている冶具8と接する位置に取り付けられてよい。
なお、冶具8は、空調機2のエレメントと捉えてよい。別言すると、空調機2本体と冶具8とのセットが、一体的に空調機2を構成する、と捉えてもよい。空調機2本体と冶具8とのセットを、便宜的に、「空調ユニット2」と言い換えてもよい。
非接触式睡眠センサ5の取り付けは、着脱自在であってよい。例示的に、非接触式睡眠センサ5の取り付けには、接着剤や両面テープ、ねじ止め等の接合手段が適用されてよい。
例えば、非接触式睡眠センサ5は、空調機2本体の筐体表面に、接着剤や両面テープで取り付けられてもよいし、ねじ止めされてもよい。また、非接触式睡眠センサ5は、冶具8に、接着剤や両面テープで取り付けられてもよいし、図9に模式的に例示するように、センサ5を冶具8に取り付けるための冶具9にねじ止めされてもよい。
なお、非接触式睡眠センサ5は、空調機2本体の筐体表面に限らず、空調機2の内部に取り付けられてもよい。例えば、空調機2の正面カバーの裏面や、正面カバー内側の空間に存在するフレームや部品等に、センサ5が取り付けられてもよい。上述したいずれの取り付け態様であっても、センサ5の取り付けは、「後付け」であってよい。
空調機2は、「壁掛け式」に限らず、空調空間の「天井」に取り付けられるタイプ(便宜的に「天井埋め込み式」と称してよい。)の空調機であってもよい。「天井埋め込み式」の空調機2であっても、非接触式睡眠センサ5は、空調機2の運転時の振動を受ける位置に取り付けられればよい。
(動作例)
以下、図10〜図18を参照して、上述した空調システム1の動作例について説明する。図10は、非接触式睡眠センサ5におけるドップラーセンサ51及び慣性センサ52の出力信号(「検出値」と称してもよい。)の時間変化の一例を示す図である。
図10の横軸は時間を表し、図10の左側の縦軸はドップラーセンサ51の検出値(例えば正規化された電圧値)を表し、図10の右側の縦軸は慣性センサ52の検出値(例えば、加速度[G])を表す。ドップラーセンサ51の検出値は、便宜的に、「ドップラーセンサ値」と称してよい。慣性センサ52の検出値は、便宜的に、「慣性センサ値」と称してよい。
図10において、点線Aで示す信号波形がドップラーセンサ51の検出値を表し、実線Bで示す信号波形が慣性センサ52の検出値を表す。なお、一点鎖線Cで示す信号波形は、ドップラーセンサ51の検出値(点線A)を後述する補正処理によって補正した検出値(「補正後検出値」と称してよい。)を表す。また、図10には、時刻T1までは空調機2が運転中であり、時刻T1において空調機2の電源がOFFされて、以降、空調機2の動作が停止している例を示している。
図10に例示するように、時刻T1までの空調機2の運転中においては、空調機2の運転に伴う振動が非接触式睡眠センサ5に伝わるため、当該振動に応じた変化がドップラーセンサ値(点線A参照)及び慣性センサ値(実線B参照)に現われる。
なお、空調機2が非運転であり振動しない場合、慣性センサ値に変化は現われない。例えば、空調機2の非運転時において慣性センサ52で検出される加速度は1重力加速度(1G)であると考えてよい。
図10の点線Aに例示するように、空調機2の運転時の振動に応じたドップラーセンサ値の変化は、本来のドップラーセンサ値に対するノイズ成分(便宜的に「振動ノイズ」と称してもよい。)となる。
当該振動ノイズは、既述のとおり、ドップラーセンサ値に基づくバイタル情報の検出誤差につながり、そのため、バイタル情報に基づく睡眠判定にも誤差が生じ得る。空調機2の運転時の振動に起因してドップラーセンサ値に生じ得るノイズ成分は、慣性センサ値を用いてキャンセルすることが可能である。
図11は、ドップラーセンサ値に基づいて得られるバイタル情報の一例としての体動量の時間変化と、慣性センサ値の時間変化と、の一例を示す図である。図11の左側の縦軸は体動量を表し、図11の右側の縦軸は慣性センサ値を表す。また、図11において、点線Aで示す信号波形が体動量の時間変化の一例を示し、実線Bで示す信号波形が慣性センサ値(振幅値)の時間変化の一例を示す。
なお、図11において、点線Cは、体動量に基づく睡眠判定に用いられる閾値(「判定閾値」と称してよい。)を表す。例示的に、体動量が判定閾値を超えていれば、空調空間における利用者が覚醒していると判定してよく、体動量が判定閾値未満であれば当該利用者が睡眠中であると判定してよい。
体動量は、ドップラーセンサ値の時間変化として捉えることができる。例えば、センシング対象である利用者が覚醒しており活動中であると、センシング対象の体動が、ドップラーセンサ値に、振幅値及び周波数の変化として現われる。例えば、利用者の体動量が大きいほど、ドップラーセンサ値の振幅値及び周波数は大きくなる傾向にある。
利用者が睡眠中等の安静時では、利用者の体動は、心拍や呼吸の変化が支配的になる。そのため、ドップラーセンサ値の振幅値は変化しないか変化があっても無視してよい程度の変化であると考えてよい。
したがって、心拍や呼吸の変化に起因する体動は、ドップラーセンサ値の周波数変化として現われる、と考えてよい。例えば、心拍数や呼吸数が増加するほど、ドップラーセンサ値の周波数は大きくなる傾向にある。
よって、ドップラーセンサ値の振幅値及び周波数の変化を基に、体動量を検出することができる。ドップラーセンサ値の振幅値及び周波数の変化は、例えば、図10に示した信号波形(点線A参照)を時間領域で直線に伸ばした時の長さの変化として捉えることができる。
信号波形を時間領域で直線に伸ばした時の長さは、便宜的に、「伸展時波長」と称してよい。したがって、「伸展時波長」は、通常の「波長」とは異なる概念である。「伸展時波長」は、或る単位時間において、ドップラーセンサ値が時間領域で描く軌跡の長さに相当する、と捉えてもよい。なお、単位時間は、「秒」単位でもよいし、「分」単位でもよい。
図15に「伸展時波長」の概念を模式的に例示する。図15の横軸は時間(t)を示し、図15の縦軸はドップラーセンサ値(例えば、電圧[V])を示す。
図15において、点線Aで示す信号波形は、例示的に、センシング対象の利用者が睡眠中である時の、ドップラーセンサ値の時間変化を模式的に表す。実線Bで示す信号波形は、センシング対象の利用者が覚醒して活動中である時の、ドップラーセンサ値の時間変化を模式的に表す。
「伸展時波長」は、図15の下部に例示するように、点線A及び実線Bで示される、単位時間(ΔT)あたりの信号波形を、時間方向に直線に伸ばした時の長さに相当する。
「伸展時波長」は、例示的に、ドップラーセンサ値を、或る周期(「サンプリング周期」と称してよい。)で、逐次的に、メモリ54(図3参照)に記憶してゆき、単位時間にわたって振幅値の変化量を加算することで算出できる。
「伸展時波長」の算出例について、図16を参照して説明する。図16の横軸は、時間(t)を表し、図16の縦軸は、ドップラーセンサ値(例えば、振幅値に相当する電圧[V])を表す。
図16に例示する信号波形では、或るタイミングt=TN+2、t=TN+1、及び、t=Tにおいて、それぞれ、ドップラーセンサ値は、「Aα+2」、「Aα+1」、及び、「Aα」である。
なお、「N」はタイミングのラベルを表す整数である。「A」は電圧値[V]がとり得る実数であり、「α」は電圧値のラベルを表す整数である。各タイミングt=TN+2、t=TN+1、及び、t=Tは、それぞれ「サンプリングタイミング」と称してよい。サンプリングタイミングの間隔は、一定でもよいし異なっていてもよい。
プロセッサ53は、例示的に、各サンプリングタイミングで得られた振幅値(電圧値)を基に、サンプリングタイミング間の振幅変化量を求める。例えば、プロセッサ53は、隣り合うサンプリングタイミングでの振幅値の差分を、サンプリングタイミング間の振幅変化量として求めてよい。
例示的に、プロセッサ53は、サンプリングタイミングt=TN+2と、次のサンプリングタイミングt=TN+1との間の振幅変化量を絶対値|Aα+1−Aα+2|として求めてよい。同様に、プロセッサ53は、サンプリングタイミングt=TN+1と次のサンプリングタイミングt=Tとの間の振幅変化量を絶対値|Aα−Aα+1|として求めてよい。
プロセッサ53は、このような演算を、単位時間あたりのサンプリング回数にわたって繰り返し実施し、得られた振幅変化量を、|Aα−Aα+1|+|Aα+1−Aα+2|+…のように、加算することで、「伸展時波長」を算出できる。慣性センサ52によって検出される慣性センサ値についても、同様にして、「伸展時波長」を算出できる。
なお、図16に例示したように、ドップラーセンサ値が電圧値[V]で表される場合、「伸展時波長」の単位は、例えば「電圧/時間」(V/min)で表される。
また、単位時間あたりの振幅値のサンプリング数は、少なすぎると「伸展時波長」の算出精度が低下し、多すぎると演算負荷が高くなり演算遅延等が生じ得るから、現実的なレンジで設定されてよい。更に、「伸展時波長」は、所定時間にわたって時間平均されてよい。例えば、単位時間を1秒として1分間に得られた60個の「伸展時波長」の平均をとってよい。
単位時間あたりの「伸展時波長」の変化が、例えば図11の点線Aで示した「体動量」として検出されてよい。例えば、1秒毎に得られる「伸展時波長」を1分(=60秒)間にわたって加算した値が、「体動量」として求められてよい。
このようにして得られた「体動量」に基づいて睡眠判定が実施されてよい。睡眠判定には、例示的に、「AW2式」や「Cole式」と呼ばれる演算式(「判定式」と称してもよい。)を適用してよい。
例えば、或る判定時間(例示的に、数分間)にわたって得られた「体動量」を基に「AW2式」や「Cole式」によって演算した値が、或る閾値以上であれば「睡眠」と判定し、閾値未満であれば「覚醒」と判定してよい。なお、「AW2式」や「Cole式」による演算値は、「判定値」と称されてもよい。
図12〜図14に、体動量を基に得られた演算値(判定値)の時間変化の一例を示す。図12〜図14には、「判定値=0」で「覚醒」、「判定値=1」で「睡眠」と判定される例を示している。図12〜図14の横軸(時間)の数値は、図11の横軸の数値と対応している。
図12に例示する点線Aは、慣性センサ値による補正前の判定値を表し、図13に例示する二点鎖線Bは、判定値のリファレンスを表し、図14に例示する一点鎖線Cは、慣性センサ値による補正後の判定値を表す。図13に例示する判定値のリファレンス(二点鎖線B)は、例示的に、空調機2が非運転中であり慣性センサ値に変化が無いと仮定した時に得られる判定値に相当する。
図12と図13との比較から、図12において、時間領域の6箇所(判定タイミングta〜tf)で、図12の判定値(点線A)に、図13のリファレンス(二点鎖線B)からのずれが生じていることが分かる。例えば、判定タイミングta〜tfでは、それぞれ、図13のリファレンスによれば「睡眠」と判定されるべきところ、図12では「覚醒」と誤判定されている。
当該誤判定は、図10〜図13の比較から、ドップラーセンサ値に、空調機2の運転中の振動に応じたノイズ成分が加わっているため、判定値にリファレンスとの誤差が生じていることが原因であると理解できる。
したがって、慣性センサ値を用いてドップラーセンサ値(あるいは「伸展時波長」でもよい。)から振動ノイズをキャンセルすれば、図14の一点鎖線Cに例示するように、判定値を図13のリファレンスに一致させる、あるいは、近づけることができる。よって、睡眠判定の精度を向上できる。
以下、図17を参照して、ドップラーセンサ値の振動ノイズをキャンセルする処理を含む睡眠判定処理の一例について説明する。なお、図17に例示するフローチャートは、例示的に、非接触式睡眠センサ5のプロセッサ53にて実行されると捉えてよい。
プロセッサ53は、空調機2の運転中にドップラーセンサ51から電波を空調空間に送信させる(処理P11)。なお、ドップラーセンサ51は、少なくとも空調機2の運転中に空調空間に電波を送信するように制御されればよい。例えば、ドップラーセンサ51は、空調機2が運転中か停止中かに関わらず、常時、電波を送信するように制御されてよい。
ドップラーセンサ51による電波の送信に応じて、プロセッサ53は、ドップラーセンサ51からドップラーセンサ値を受信する(処理P12)。また、プロセッサ53は、慣性センサ52から慣性センサ値を受信する(処理P21)。
プロセッサ53は、受信したドップラーセンサ値を適宜に増幅してよい。当該増幅の増幅率が慣性センサ値に応じて補正されてよい(処理P13)。別言すると、ドップラーセンサ値が、慣性センサ値に応じて補正されてよい。
例えば、プロセッサ53は、慣性センサ値の振幅値を算出する(処理P22)。慣性センサ値の振幅値は、ドップラーセンサ51の電波送信方向に方向付けられた1つの検出軸について得られる検出値から算出されてもよいし、当該検出軸を含む複数の検出軸について得られる検出値の合成値として算出されてもよい。
プロセッサ53は、算出した振幅値に応じた補正値を決定する(処理P23)。補正値は、ドップラーセンサ値に加わっている振動ノイズをキャンセル(あるいは最小化)できる値に相当する。例えば、プロセッサ53は、慣性センサ値が大きいほどドップラーセンサ値が相対的に小さく見えるように補正値を決定してよい。
したがって、処理P15において、プロセッサ53は、振動ノイズがキャンセルされた「伸展時波長」を算出することができる。プロセッサ53は、補正後のドップラーセンサ値を基に、図15にて説明したとおりに、振幅変化量を算出する(処理P14)。
なお、慣性センサ値に応じて補正は、振幅変化量に対して適用されてもよい。また、上述した処理P12と、処理P21〜P23と、は、並行して実施されてよい。
プロセッサ53は、処理P14で算出した振幅変化量を基に、ドップラーセンサ値についての「伸展時波長」を算出し(処理P15)、算出した「伸展時波長」を基に、既述のとおり「体動量」を算出する(処理P16)。図18に、慣性センサ値を用いた補正前後の体動量の時間変化の一例を示す。
図18において、点線Aが補正前の体動量の時間変化の一例を示し、実線Bが補正後の体動量の時間変化の一例を示す。図18に例示するように、補正後の体動量の振幅値は、振動ノイズのキャンセルに応じて、補正前の体動量の振幅値よりも小さくなる。
プロセッサ53は、算出した「体動量」を基に図12〜図14に例示したような睡眠判定を行なう(処理P17)。睡眠判定の結果は、例示的に、通信IF55から制御システム4宛に送信されてよい(処理P18)。
上述のように、処理P13にてドップラーセンサ値を慣性センサ値に応じて補正することで、後述する変形例1及び2(図19〜図23)と比較して、以降の処理を改変しなくてよい。
(変形例1)
なお、振動ノイズのキャンセルは、ドップラーセンサ値(又は、振幅変化量)を補正する代わりに、例えば図19に示すように、ドップラーセンサ値の「伸展時波長」を補正することで実施してもよい。なお、図19の処理P31〜P33、P36〜P38、及び、P41は、それぞれ、図17の処理P11、P12、P14、P16〜P18、及び、P21と同様でよい。
図19に例示するように、プロセッサ53は、例えば、空調機2の運転中にドップラーセンサ51から電波を空調空間に送信させる(処理P31)。
ドップラーセンサ51による電波の送信に応じて、プロセッサ53は、ドップラーセンサ51からドップラーセンサ値を受信する(処理P32)。また、プロセッサ53は、慣性センサ52から慣性センサ値を受信する(処理P41)。
プロセッサ53は、ドップラーセンサ51から受信したドップラーセンサ値を基に振幅変化量を算出し(処理P33)、算出した振幅変化量を基に第1の「伸展時波長」を算出する(処理P34)。
算出した「伸展時波長」は、適宜に、増幅されてよく(処理P35)、当該増幅の増幅率が慣性センサ値に基づいて補正されてよい。
例えば、プロセッサ53は、慣性センサ52から受信した慣性センサ値を基に第2の「伸展時波長」を算出し(処理P42)、当該「伸展時波長」に応じた補正値を決定する(処理P43)。
補正値は、ドップラーセンサ値の「伸展時波長」に加わっている振動ノイズをキャンセル(あるいは最小化)できる値に相当する。例えば、プロセッサ53は、慣性センサ値の伸展時波長が長いほど、ドップラーセンサ値の伸展時波長が相対的に小さく見えるように線形的に補正値を決定してよい。
非限定的な一例として、プロセッサ53は、慣性センサ値の「伸展時波長」を「x」、ドップラーセンサ値の伸展時波長の補正値を「y」で表した場合に、y=ax+b(a及びbは定数)で表される線形演算にて補正値Yを求めてよい。図20に、y=ax+bの関係の一例を示す。
図20の横軸は、慣性センサ値の単位時間にわたる振幅変化量(電圧変化量)の合計を表し、慣性センサ値の伸展時波長に相当する。図20の縦軸は、ドップラーセンサ値の単位時間にわたる振幅変化量(電圧変化量)の合計を表し、ドップラーセンサ値の伸展時波長(補正値)を表す。図20の例では、定数a=0.5504であり、定数b=3522.9である。
処理P35において、プロセッサ53は、ドップラーセンサ値の「伸展時波長」の増幅率を補正値に従って補正することで、「伸展時波長」から振動ノイズをキャンセルすることができる。当該補正は、既述の補正値yをドップラーセンサ値の伸展時波長から減算することと等価であると捉えてよい。なお、処理P32〜P34と、処理P41〜P43と、は、並行して実施されてよい。
プロセッサ53は、処理P35において振動ノイズをキャンセルした「伸展時波長」を基に、「体動量」を算出し(処理P36)、算出した「体動量」を基に図12〜図14に例示したような睡眠判定を行なう(処理P37)。
変形例1によれば、ドップラーセンサ値の「伸展時波長」を慣性センサ値の「伸展時波長」に応じて補正するので、既述のようにドップラーセンサ値を慣性センサ値に応じて補正する場合に比して、精度の高い補正が可能である。
例えば、ドップラーセンサ値を慣性センサ値に応じて補正する場合、ドップラーセンサ値の「伸展時波長」の算出や、当該「伸展時波長」に基づく「体動量」の算出において、例えば、60秒間等の単位時間にわたる時間平均値をとると、誤差が累積し得る。この点は、後述する変形例2においても同様である。
これに対し、変形例1によれば、例えば、上記の時間平均値をとる単位時間よりも短い周期(例えば1秒等のサンプリング周期)毎に得られるドップラーセンサ値の「伸展時波長」を、当該周期毎に得られる慣性センサ値の「伸展時波長」で補正できる。
したがって、変形例1は、ドップラーセンサ値をリアルタイムに補正することと等価的に捉えることができ、ドップラーセンサ値の補正精度が向上する。ドップラーセンサ値の補正精度が向上することで、体動量の検出精度や睡眠判定精度も向上する。
また、「伸展時波長」の補正は、例示的に、「伸展時波長」に加算される候補のドップラーセンサ値の振幅変化量を補正することで実現できるので、プロセッサ53による演算量も抑えることができる。
(変形例2)
なお、図12及び図13にて説明したような睡眠判定の誤判定は、「体動量」の判定閾値を補正することによって防止あるいは抑制してもよい。例えば、プロセッサ53は、図12の判定タイミングta〜tfに相当する時刻での体動量の判定閾値を、「覚醒」と判定されにくくなるような値に補正(例えば、増加)してよい。
図21に、判定閾値の補正を含む睡眠判定処理の一例をフローチャートにて示す。図21に例示するフローチャートも、非接触式睡眠センサ5のプロセッサ53にて実行されると捉えてよい。図21の処理P51〜P54及びP55〜P57は、それぞれ、変形例1(図19)の処理P31〜P34及びP36〜P38と同様でよい。また、図21の処理P61及びP62は、それぞれ、図17の処理P21及びP22と同様でよい。
図21に例示するように、プロセッサ53は、例えば、空調機2の運転中にドップラーセンサ51から電波を空調空間に送信させる(処理P51)。
ドップラーセンサ51による電波の送信に応じて、プロセッサ53は、ドップラーセンサ51からドップラーセンサ値を受信する(処理P52)。また、プロセッサ53は、慣性センサ52から慣性センサ値を受信する(処理P61)。
プロセッサ53は、受信したドップラーセンサ値を基に、図16にて説明したとおりに、振幅変化量を算出し(処理P53)、算出した振幅変化量を基に「伸展時波長」を算出する(処理P54)。
更に、プロセッサ53は、算出した「伸展時波長」を基に「体動量」を算出し(処理P55)、算出した「体動量」を基に図12〜図14に例示したような睡眠判定を行なう(処理P56)。当該睡眠判定に用いる判定閾値が、慣性センサ値に応じて補正されてよい。
例えば、プロセッサ53は、慣性センサ52から受信した慣性センサ値の振幅値を算出し(処理P62)、当該振幅値に応じた判定閾値を決定する(処理P63)。判定閾値は、例えば図22に模式的に示すように、「体動量」を基にした判定が「覚醒」と判定されにくくなるように増加されてよい。
非限定的な一例として、判定閾値は、例えば図23に示すように、慣性センサ値の値が0.01[G]増加する毎に、「1」ずつ増加されてよい。なお、図23に例示する判定閾値と慣性センサ値との関係は、例示的に、メモリ54に記憶されてよい。
これにより、睡眠判定処理P56において、図12及び図13に例示したような睡眠判定の誤判定が生じることを回避あるいは抑制できる。睡眠判定の結果は、例示的に、通信IF55から制御システム4宛に送信されてよい(処理P57)。なお、判定閾値の補正は、図17に例示した睡眠判定処理(P17)や、図19に例示した睡眠判定処理(P37)に適用されてもよい。
以上のように、上述した各変形例を含む実施形態によれば、空調機2の運転中の振動に応じてドップラーセンサ値に加わる振動ノイズを、慣性センサ値に応じてキャンセルできるから、空調空間における利用者のバイタル情報の検出精度向上を図ることができる。
バイタル情報の検出精度の向上に応じて、バイタル情報に基づく睡眠判定に空調機2の振動ノイズが与える影響を抑止あるいは抑制できるので、睡眠判定の精度を向上できる。
睡眠判定の精度が向上することにより、睡眠判定の結果を利用した空調制御の精度が向上し、空調制御の効率化を図ることができる。例えば、制御システム4は、睡眠判定結果に応じて空調機2の送風温度や送風量、送風方向等を適応的に制御できる。
したがって、空調システム1は、例えば、利用者の快眠を助けるような快適な環境を利用者に提供できる。なお、睡眠判定結果に基づく空調制御は、便宜的に、「快眠制御」と称してもよい。
また、非接触式睡眠センサ5は、図6〜図9に例示したように、既設の空調機2に対して簡単に取り付ける(別言すると、後から外付けする)ことができる。したがって、空調機2の機種等に依存せずに、上述した空調制御を実現でき、既存の空調設備の有効活用を図りながら、快適な環境を利用者に提供できる。
既存の空調設備を有効活用できるから、空調機2を買い替える必要もなく、空調システム1の低コスト化を図ることができる。将来的には、センサ5が空調機2に内蔵されることも想定されるが、例えば、空調システム1の市場開拓の初期段階では、設置済みの空調機2にセンサ5を後付けすることで、低コストで上述した空調制御が実現可能になるから、市場参入のハードルも低くすることができる。
また、将来的に、センサ5が空調機2に内蔵されるとしても、空調機2の設置場所によっては、その内蔵位置からでは空調空間を効率的に見通せない可能性もある。例えば、空調機2が設置されている壁や天井が邪魔になって、空調空間をセンサ5から効率的に見通せなくなる可能性がある。
したがって、既述のようにセンサ5を空調機2に対して後付けできることは、センサ5による見通し方向や見通し範囲を容易に変更、調節できることにつながり、センサ5が空調機2に予め内蔵される場合に比べて便利であると云える。
なお、上述した各変形例を含む実施形態では、図17〜図23に例示した処理が、非接触式睡眠センサ5のプロセッサ53にて実施される態様について説明した。しかし、図17〜図23に例示した処理の一部又は全部は、制御システム4(例えば、プロセッサ41)にて実施されてもよい。
例示的に、センサ5は、ドップラーセンサ値及び慣性センサ値を制御システム4宛に送信し、制御システム4が、受信した各センサ値を基に、伸展時波長の算出処理や体動量の算出処理、慣性センサ値を用いた補正処理、睡眠判定処理を実施してもよい。
あるいは、センサ5は、ドップラーセンサ値及び慣性センサ値を基に睡眠判定を行なうまでの処理過程で算出した算出値を制御システム4宛に送信し、制御システム4が、受信した算出値を基に、睡眠判定までの残りの処理過程を実行してもよい。
制御システム4において算出処理や補正処理、睡眠判定処理を実施する態様であれば、例えば、制御システム4のプロセッサ41が読み取って動作するプログラムやデータの改変によって制御システム4の機能追加やアップデートが容易に可能になる。したがって、センサ5には改変等を加えずに、制御システム4の改変によって一元的に空調システム1のアップデート等が容易に可能になる。
また、上述した各変形例を含む実施形態では、空調空間における利用者の睡眠判定について説明したが、ドップラーセンサ値及び慣性センサ値を基に、利用者が空調空間に滞在しているか不在であるかの判定を行なってもよい。制御システム4は、利用者の滞在及び不在に応じて、空調機2の運転を適応的に遠隔制御してよい。
1 空調システム
2 空調機
21 コントローラ
22 送風ファン
23 ルーバ
24 通信IF
25 操作部
26 温度センサ
27 湿度センサ
28 電源回路
29 クリーニング機構
30 カメラ
3 ネットワーク(NW)
4 制御システム
41 プロセッサ
42 メモリ
43 記憶装置
44 通信IF
45 ペリフェラルIF
46 バス
5 センサ(非接触式睡眠センサ)
51 ドップラーセンサ
511 アンテナ
512 ローカル発振器(OSC)
513 MCU
514 検波回路
515 オペアンプ(OP)
516 バッテリ
52 慣性センサ
53 プロセッサ
54 メモリ
55 通信IF
56 電力受信IF
57 バス
6 ルータ
7 電源ケーブル
8,9 冶具
200 開閉扉

Claims (13)

  1. ドップラーセンサと慣性センサとを有するセンサユニット
    を備え
    前記慣性センサは、加速度の検出軸が、前記ドップラーセンサから送信される電波の指向性の方向に方向付けられた、空調機。
  2. 前記慣性センサは、前記ドップラーセンサの作動中に作動する、請求項1に記載の空調機。
  3. 前記センサユニットは、制御システム宛にセンサ情報を送信する送信部を有し、
    前記空調機は、前記センサ情報に基づいて前記制御システムが生成した制御信号を受信する受信部を備えた、請求項1に記載の空調機。
  4. 前記センサユニットは、前記空調機の運転時の振動を受ける位置に取り付けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載の空調機。
  5. 前記センサユニットは、前記空調機の本体に取り付けられている、請求項に記載の空調機。
  6. 前記センサユニットは、前記空調機の本体が取り付けられている冶具に取り付けられている、請求項に記載の空調機。
  7. 前記センサユニットは、
    前記ドップラーセンサの検出値を前記慣性センサの検出値に応じて補正する、請求項1〜のいずれか1項に記載の空調機。
  8. 前記センサユニットは、
    前記空調機が空調の対象とする空間における利用者の体動状態を前記ドップラーセンサの検出値に基づいて検出するために用いる閾値を、前記慣性センサの検出値に応じて補正する、請求項1〜のいずれか1項に記載の空調機。
  9. 前記センサユニットは、
    前記ドップラーセンサの検出値の変化が単位時間あたりに時間領域で描く軌跡に相当する第1の波形の長さと、前記慣性センサの検出値の変化が単位時間あたりに時間領域で描く軌跡に相当する第2の波形の長さと、を求め、
    前記第1の波形の長さを前記第2の波形の長さに応じて補正する、請求項1〜のいずれか1項に記載の空調機。
  10. 空調機に取り付けられたセンサユニットであって、
    ドップラーセンサと、
    慣性センサと、
    を有し、
    前記空調機の運転時の振動を受ける位置に取り付けられており、
    前記慣性センサは、加速度の検出軸が、前記ドップラーセンサから送信される電波の指向性の方向に方向付けられた
    センサユニット。
  11. 前記位置は、前記空調機の筐体表面である、請求項1に記載のセンサユニット。
  12. 前記位置は、前記空調機の本体が取り付けられている冶具と接する位置である、請求項1に記載のセンサユニット。
  13. ドップラーセンサと慣性センサとを有するセンサユニットと、
    前記センサユニットが取り付けられた空調機と、
    前記センサユニット及び前記空調機と通信可能に接続され、前記センサユニットから受信した前記ドップラーセンサの検出値を、前記センサユニットから受信した前記慣性センサの検出値に応じて補正し、補正した値に基づいて生成した信号を、前記空調機へ送信する制御システムと、
    を備えた、空調システム。
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