JP6438955B2 - 薬物送達デバイス用のピストンロッドおよびピストンロッドを含む薬物送達デバイス - Google Patents

薬物送達デバイス用のピストンロッドおよびピストンロッドを含む薬物送達デバイス Download PDF

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Description

本開示は、薬物送達デバイス用のピストンロッドおよびピストンロッドを含む薬物送達デバイスに関する。
本発明の一目的は、改善された特性を有する薬物送達デバイス用のピストンロッドを提供することである。
本開示の一態様によれば、薬物送達デバイス用のピストンロッドが提供され、ピストンロッドは、第1の内径を有する第1のねじ山と、第2の内径を有する第2のねじ山とを含み、第1の内径は、第2の内径とは異なる。特に、第1の内径は、第2の内径より小さい。さらに、ピストンロッドの第1のねじ山は、第1のピッチを含み、第2のねじ山は、第2のピッチを含み、第1および第2のピッチは、同じ大きさを有する。ピストンロッドは、医薬品の用量を投薬するために、デバイスの遠位端の方へ動かされるように構成することができる。
「遠位端」という用語は、デバイスのうちデバイスの投薬端に最も近い端部またはその一部を指すことができる。「近位端」という用語は、デバイスのうちデバイスの投薬端から離れて最も遠い端部またはその一部を指すことができる。同様に、「遠位方向」という用語は、デバイスの投薬端に向かう方向を指すことができ、「近位方向」という用語は、デバイスの投薬端から離れる方向を指すことができる。
特に、ピストンロッドは、親ねじとして構成することができる。ピストンロッドは、医薬品容器、たとえばカートリッジ内の栓またはピストンに作用して、容器から医薬品を投薬するように構成することができる。ピストンロッドの遠位端に支承面を配置することができ、支承面は、栓またはピストンに当接するように構成される。ピストンロッドのねじ山は、薬物送達デバイスのさらなる部材、たとえば用量の投薬中にピストンロッドをデバイスの投薬端の方へ駆動するように構成された部材、または用量の設定中にピストンロッドの動きを抑止する部材に係合するように構成することができる。
薬物送達デバイスは、注射デバイスとすることができる。薬物送達デバイスは、使用者が用量のサイズを選択することができるような可変用量デバイスとすることができる。薬物送達デバイスは、複数用量の適用分野向けに構成することができる。医薬品は、針によって使用者へ送達することができる。薬物送達デバイスは、ペン型デバイスとすることができる。薬物送達デバイスは、使い捨てとすることができる。「使い捨て」という用語は、医薬品の利用可能な量が薬物送達デバイスから送達された後、薬物送達デバイスを再利用することができないことを意味する。薬物送達デバイスは、液体の医薬品を送達するように構成することができる。医薬品は、たとえば、インスリンとすることができる。
第1のねじ山の内径が第2のねじ山の内径より小さいピストンロッドの利点は、ピストンロッドの第1のねじ山に係合される部材とピストンロッドとの間の摩擦力を小さく維持することができることである。それによって、ピストンロッドに沿って部材を回す(screw)ために必要とされるトルクを小さく維持することができる。第2のねじ山の内径が第1のねじ山の内径より大きいため、ピストンロッドは、十分な機械的安定性を有することができる。さらに、ピストンロッドと第2のねじ山に係合される部材との間の接触面は、十分な投薬精度を提供するのに十分なほど大きくすることができる。
第1のねじ山が第1のピッチを含み、第2のねじ山が第2のピッチを含み、第1および第2のピッチが同じ大きさを有するピストンロッドの利点は、両部材がピストンロッドに沿って同じ軸方向の距離をあけて回されるとき、第1の部材のピストンロッドの周りの回転数を第2の部材のピストンロッドの周りの回転数に等しくすることができることである。第1の部材は、たとえば、用量投薬動作中にピストンロッドに沿って回される部材とすることができる。第2の部材は、たとえば、用量設定動作中にピストンロッドに沿って回される部材とすることができる。代替実施形態では、第1および第2のピッチは、異なる大きさを有することができる。
一実施形態によれば、第1および第2のねじ山の少なくとも1つは、ピストンロッドの長さ全体にわたって延びる。好ましくは、第1および第2のねじ山の両方が、ピストンロッドの長さ全体にわたって延びる。別法として、第1および第2のねじ山の一方は、ピストンロッドの長さ全体にわたって延び、第1および第2のねじ山の他方は、ピストンロッドの一区間(section)内、たとえばピストンロッドの近位区間または遠位区間内のみに延びる。遠位区間は、薬物送達デバイスの投薬端の方へ誘導された区間とすることができる。近位区間は、薬物送達デバイスの投薬端から離れる方へ向けられた区間とすることができる。別法として、第1および第2のねじ山はどちらも、ピストンロッドの一区間内のみに延びることができる。一実施形態では、これらの区間は、重なり合うことができる。代替実施形態では、これらの区間は、重なり合わないものとすることができる。特に、これらの区間は、互いに距離をあけて配置することができる。
一実施形態によれば、第1および第2のねじ山は、逆回転である。第1のねじ山は、左回転とすることができ、第2のねじ山は、右回転とすることができ、または逆も同様である。一実施形態によれば、第1および第2のねじ山は、互いに交差する。特に、第1および第2のねじ山は、十字に進む。
一実施形態によれば、第1および第2のねじ山の少なくとも1つは、2条ねじ(twin−start thread)である。2条ねじは、2つのねじ山開始点を含む。それによって、2条ねじに係合される部材、たとえばピストンロッドナットまたはロッキング部材は、増大された安定性で取り付けることができる。さらに、ピストンロッドは、増大された安定性で案内することができる。好ましくは、第1および第2のねじ山はどちらも、2条ねじである。
一実施形態によれば、ピストンロッドは、少なくとも1つの軸方向の溝または少なくとも1つの軸方向のスプラインを含むことができる。たとえば、ピストンロッドは、2つの軸方向の溝または2つの軸方向のスプラインを含むことができる。溝またはスプラインは、ピストンロッドの両側に配置することができる。少なくとも1つの軸方向の溝または少なくとも1つの軸方向のスプラインは、ピストンロッドを薬物送達デバイスのハウジングに対して回転方向に固定するように構成することができる。これは、少なくとも1つの溝またはスプラインが、ハウジングに対して回転方向に固定された部材の対応するスプラインまたは溝に係合することによって実現することができる。別法として、少なくとも1つの溝またはスプラインは、ハウジングの対応するスプラインまたは溝に係合することができる。それによって、ピストンロッドは、用量の設定および投薬中にハウジングに対して回転方向に固定することができる。
本発明のさらなる態様によれば、薬物送達デバイスが提供され、薬物送達デバイスは、ピストンロッドを含む。ピストンロッドは、上記のように構成することができる。さらに、薬物送達デバイスは、ハウジングを含む。ピストンロッドは、特に用量の設定中と投薬中の両方で、ハウジングに回転方向に固定することができる。
薬物送達デバイスは、ピストンロッドに係合することができるさらなる部材を含むことができる。たとえば、薬物送達デバイスは、用量の設定中にピストンロッドの周りで回転される部材を含むことができる。この部材は、第2のねじ山に係合することができる。さらに、薬物送達デバイスは、用量の投薬中にピストンロッドの周りで回転される部材を含むことができる。この部材は、第1のねじ山に係合することができる。
一実施形態によれば、薬物送達デバイスは、ピストンロッドの第1のねじ山に係合されるロッキング部材を含み、ロッキング部材がロッキング状態にあるとき、ピストンロッドの動きが抑止される。ロッキング部材は、ハウジングに対して軸方向に固定することができる。たとえば、ロッキング部材は、薬物送達デバイスまたはハウジングの部材に当接するフランジを含むことができる。ロッキング状態で、ロッキング部材は、薬物送達デバイスのハウジングに対して回転方向に固定することができる。ロッキング部材は、用量の設定中、薬物送達デバイスのさらなる部材との係合のため、ロッキング状態とすることができる。それによって、ピストンロッドの軸方向運動を抑止することができる。用量の投薬中、ロッキング部材は、そのロッキング状態から解放することができる。一例として、薬物送達デバイスのさらなる部材との係合を解放することができる。特に、ロッキング部材は、ロッキング状態から解放されるとき、ハウジングに対して自由に回転することができる。それによって、ピストンロッドがデバイスの投薬端の方へ軸方向に動くことを有効にすることができる。それによって、医薬品の用量の投薬を実現することができる。ロッキング部材は、たとえば、ロックナットとすることができる。
一実施形態によれば、ロッキング部材は、用量の投薬中にピストンロッドを離れさせるように構成される。特に、ロッキング部材は、ピストンロッドがデバイスの投薬端に向かう方向へ動かされるとき、ハウジングに対して軸方向に固定することができるが、回転することができる。それによって、ロッキング部材は、ピストンロッドの周りで回転させることができ、特にピストンロッドを離れさせることができる。ロッキング部材がピストンロッドの第1のねじ山に係合され、ピストンロッドの第1のねじ山がピストンロッドの第2のねじ山より小さい内径を有するため、離れさせるトルクを小さく維持することができる。
さらなる実施形態によれば、薬物送達デバイスは、ピストンロッドの第2のねじ山に係合されるピストンロッドナットを含み、ピストンロッドナットは、医薬品の用量を設定するためにピストンロッドに沿ってデバイスの近位端に向かう方向へ回転するように構成される。特に、ピストンロッドナットは、用量設定部材が用量設定方向に回転されるとき、デバイスの近位端の方へ回転させることができる。
さらなる実施形態によれば、駆動アセンブリは回転部材を含み、ピストンロッドナットは、回転部材の回転によって回転される。特に、ピストンロッドナットは、回転部材に係合することができる。回転部材は、スリーブとすることができる。ピストンロッドナットは、回転方向に固定することができるが、回転部材に対して軸方向に可動とすることができる。回転部材は、用量を設定するために回転させることができる。回転部材が用量設定方向に回転されるとき、ピストンロッドナットは、デバイスの近位端の方へ動かされる。回転部材が用量取消し方向に回転されるとき、ピストンロッドナットは、デバイスの遠位端の方へ動かされる。
さらなる実施形態によれば、薬物送達デバイスは、ピストンロッドナットに力を及ぼすことによってピストンロッドをデバイスの遠位端に向かう方向へ動かすばね部材を含む。ばね部材は、たとえば、コイルばねとすることができる。ばね部材は、用量の設定中に圧縮することができる。
特に、ロッキング部材を回転させて離れさせるトルクは、ばね部材がピストンロッドナットに力を及ぼすことによって引き起こすことができる。特に、離れさせるトルクは、ロッキング部材がそのロッキング状態にないとき、特にアクチュエータが起動されたとき、ロッキング部材を回転させる。それによって、ロッキング部材をピストンロッドに沿って回すことができ、特にピストンロッドを離れさせることができる。
ピストンロッドナットが用量設定部材の回転によってデバイスの近位端の方へ回転されるとき、ピストンロッドナットは、ばね部材を圧縮することができる。それによって、ばね部材内にエネルギーを蓄積することができ、このエネルギーは、用量の投薬中に解放することができる。ピストンロッドナットは、用量設定部材が用量取消し方向に回転されるとき、デバイスの投薬端の方へ回転させることができる。用量の投薬中、ピストンロッドナットは、ピストンロッドをデバイスの遠位端の方へ駆動することができる。特に、ばね部材は、ピストンロッドナットに力を及ぼして、ピストンロッドナットを駆動し、それによってピストンロッドをデバイスの遠位端の方へ駆動することができる。
用量の投薬中は、ピストンロッドナットとピストンロッドとの間の相対的な回転運動を防止することができる。これは、ピストンロッドナットがハウジングに対して回転方向に固定され、ピストンロッドがハウジングに対して回転方向に固定されることによって実現することができる。ピストンロッドナットが医薬品の用量を送達するためにデバイスの投薬端の方へ動かされるとき、ピストンロッドは、ピストンロッドナットとともに投薬端の方へ動かされる。
さらなる実施形態によれば、薬物送達デバイスはアクチュエータを含み、ロッキング部材は、アクチュエータが起動されたとき、そのロッキング位置から動かされる。アクチュエータは、トリガとすることができる。アクチュエータは、医薬品の用量を投薬するために使用者によって動作されるように構成することができる。アクチュエータは、動作されるとき、ハウジングに対して軸方向に動かすことができ、たとえばデバイスの投薬端に向かう方向へ動かすことができる。ロッキング部材がそのロッキング状態にあるとき、ロッキング部材は、アクチュエータに係合することができる。アクチュエータが起動されたとき、アクチュエータとロッキング部材との間の係合を解放することができる。それによって、ロッキング部材は、そのロッキング状態から解放することができる。それによって、ロッキング部材は、自由に回転することができる。好ましくは、アクチュエータは、ハウジングに対して回転方向に固定される。
さらなる実施形態によれば、アクチュエータは、ピストンロッドの少なくとも1つの軸方向の溝またはスプラインに係合する。それによって、用量設定および用量投薬中に、ハウジングに対するピストンロッドの回転を抑止することができる。
別の態様によれば、本発明は、ピストンロッドを含む薬物送達デバイスに関し、ピストンロッドは、第1の内径を有する第1のねじ山と、第2の内径を有する第2のねじ山とを含み、ここで、第1の内径は、第2の内径より小さく、第1のねじ山は、第1のピッチを含み、第2のねじ山は、第2のピッチを含み、第1および第2のピッチは、同じ大きさを有する。薬物送達デバイスは、ピストンロッドの第1のねじ山に係合されるロッキング部材をさらに含み、ここで、ロッキング部材がロッキング状態にあるとき、ピストンロッドの動きは抑止され、ロッキング部材は、用量の投薬中にピストンロッドを離れさせるように構成される。
さらに別の態様では、本発明は、ピストンロッドを含む薬物送達デバイスに関し、ピストンロッドは、第1の内径を有する第1のねじ山と、第2の内径を有する第2のねじ山とを含み、ここで、第1の内径は、第2の内径より小さく、第1のねじ山は、第1のピッチを含み、第2のねじ山は、第2のピッチを含み、第1および第2のピッチは、同じ大きさを有する。薬物送達デバイスは、ピストンロッドの第1のねじ山に係合されるロッキング部材をさらに含み、ここで、ロッキング部材がロッキング状態にあるとき、ピストンロッドの動きは抑止される。薬物送達デバイスは、アクチュエータをさらに含み、ここで、ロッキング部材は、アクチュエータが起動されたとき、そのロッキング状態から解放される。
本明細書で使用する用語「医薬品」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C)と可変領域(V)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
さらなる特徴、改良、および便法は、図に関する例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
薬物送達デバイスの分解図である。 組み立てられた状態における図1の薬物送達デバイスの断面図である。 回転部材、ピストンロッド、ピストンロッドナット、およびロッキング部材の詳細図である。 ロッキング部材の詳細図である。 ピストンロッドの概略図である。 ピストンロッドのさらなる実施形態を示す図である。 用量の設定中のアクチュエータとピストンロッド、ロッキング部材、および連結部材との係合を示す図である。 図7のアセンブリを示す断面図である。 図9Aおよび図9Bは、組み立てられた状態における、用量が設定されていない薬物送達デバイスの近位部分を示す図である。 設定された用量の量が標示窓内に表示されている、薬物送達デバイスの近位部分を示す図である。 図11Aおよび図11Bは、最大用量が設定された状態における図9Aおよび図9Bの薬物送達デバイスを示す図である。 図12Aおよび図12Bは、医薬品の用量がデバイスから送達された状態における図9A、図9B、図11A、および図11Bの薬物送達デバイスを示す図である。 インジケータに係合された連結部材を示す詳細図である。 インジケータおよび窓部材の概略図である。 図15Aおよび図15Bは、カートリッジホルダおよびインジケータの断面図である。 窓部材の断面図である。 図17A〜図17Cは、薬物送達デバイスの動作中の3つの異なる状態における窓部材およびインジケータを示す図である。 図18A〜図18Cは、3つの異なる状態における最終用量止め部材と回転部材との係合を示す図である。 薬物送達デバイスの近位端を通る断面図である。 回転部材と用量設定部材との係合を示す図である。 図21A〜図21Cは、3つの異なる状態における図20による用量設定部材および回転部材を示す図である。 回転部材と用量設定部材との係合の代替実施形態を示す図である。 図23A〜図23Dは、アクチュエータが作動された際の機構の動作を説明する図である。 用量の投薬中のアクチュエータおよびロッキング部材を示す図である。 図25A〜図25Cは、用量が投薬された後のアクチュエータとロッキング部材との再係合を示す図である。
図1は、薬物送達デバイス101の分解図および薬物送達デバイス101の構成要素に対する組立て経路を示す。特に、薬物送達デバイス101は注射デバイスである。薬物送達デバイス101は、使用者が用量のサイズを選択することができるような可変用量デバイスである。薬物送達デバイス101は、複数用量の適用分野向けに構成される。デバイスは、完全に組み立てられて使用する準備ができた状態で、使用者へ送達することができる。このデバイスは部材数が少なく、コストに敏感なデバイスの適用分野にとって特に魅力的である。
カートリッジ118は、カートリッジホルダ117内に収容される。カートリッジホルダ117は、ハウジング116に堅く束縛される。カートリッジホルダ117には、アクチュエータ120が回転方向に束縛される。アクチュエータ120とカートリッジホルダ117との間に、リセット部材121が配置される。リセット部材121は、たとえば、ばねとすることができる。リセット部材121の軸方向の力がカートリッジホルダ117へ伝送され、カートリッジホルダ117によって打ち消される。ピストンロッド102が、カートリッジ118内に配置されたピストン119に当接するように構成される。ピストンロッド102は、カートリッジ118から医薬品を送達するために、ピストン119をデバイスの遠位端111に向かう方向へ動かすように構成される。ピストンロッド102については、より詳細に後述する。
薬物送達デバイス101は、医薬品の設定された用量の量を示すように構成されたインジケータ128をさらに含む。インジケータ128は、数字スリーブとすることができる。インジケータ128は、連結部材130によって回転部材123に連結される。回転部材123は、スリーブとすることができる。インジケータ128の上に窓部材147が配置される。窓部材147は、透明材料を含む。最終用量止め部材124が、ねじ山によって回転部材123に係合される。最終用量止め部材124は、たとえば、ロックナットとすることができる。最終用量止め部材124は、カートリッジ118内の医薬品の残りの量より大きい用量の設定を防止するように構成される。より詳細には後述するロッキング部材125およびピストンロッドナット126が、ピストンロッド102に係合するように構成される。ピストンロッドナット126は、駆動制御部材として構成される。特に、ピストンロッドナット126は、医薬品の用量を送達するようにピストンロッド102に作用する。ピストンロッドナット126とキャップ131との間には、ばね部材127が配置される。ばね部材127は、たとえば、コイルばねとすることができる。デバイス101の近位端112に、用量設定部材122が配置される。
図2は、組み立てられた状態における薬物送達デバイス101の断面図を示す。特に、図2は、駆動アセンブリ180を示す。用量設定部材122は、医薬品の用量を設定するために、用量設定方向113に回転させることができる。用量設定方向113は、たとえば、時計回り方向とすることができる。用量を設定および投薬するために必要とされる力は一貫しており、カートリッジ118内でピストン119を動かすために必要とされる力に依存しない。用量設定部材122は、医薬品の設定された用量を取り消すために、用量取消し方向114に回転させることができる。用量取消し方向114は、たとえば、反時計回り方向とすることができる。薬物送達デバイス101は、医薬品のいかなる用量も投薬されることなく、用量の取消しを許容する。より詳細に後述するように、用量設定部材122が用量設定方向または用量取消し方向113、114に回転されるとき、用量設定部材122と回転部材123との係合のため、回転部材123も回転される。特に、用量設定部材122が回転されるとき、回転部材123はハウジング116に対して回転される。回転部材123は、ハウジング116に対して軸方向に固定される。回転部材123が用量の設定中に回転されるとき、ピストンロッドナット126も回転される。それによって、ピストンロッドナット126がピストンロッド102の周りを回転し、デバイス101の近位端112の方へ動く。ピストンロッドナット126がデバイス101の近位端112の方へ動くとき、ばね部材127は、キャップ131とピストンロッドナット126との間で圧縮される。特に、ばね部材127は、使用者が必要な用量を選択するときにチャージされるエネルギーを蓄積するように圧縮される。このエネルギーは、デバイスが用量を投薬するために作動されるまで蓄積される。この時点で、ばね部材127内に蓄積されたエネルギーは、カートリッジ118からの医薬品を使用者へ送達するために使用される。
連結部材130は、回転部材123の周りに同心円状に配置される。用量設定中、連結部材130は、回転部材123に係合される。さらに、連結部材130は、インジケータ128に係合される。インジケータ128は、連結部材130の周りに同心円状に配置される。特に、連結部材130は、用量の設定中に回転部材123およびインジケータ128に対して回転方向に固定される。用量の投薬中、連結部材130は、ロッキング部材125およびインジケータ128に係合される。連結部材130は、用量の設定および投薬中にインジケータ128の回転を引き起こすように構成される。連結部材130およびインジケータ128については、より詳細に後述する。
図3は、回転部材123、ピストンロッド102、ピストンロッドナット126、およびロッキング部材125のより詳細な図を示す。
ピストンロッドナット126は、ピストンロッド102にねじ係合される。さらに、ピストンロッドナット126は、回転部材123に対して回転方向に固定される。これは、回転部材123の軸方向の溝154に係合するピストンロッドナット126のスプライン137によって実現される。代替実施形態では、回転部材123とピストンロッドナット126とは、回転部材123内のスプラインおよびピストンロッドナット126内の溝によって連結することができる。ピストンロッドナット126は、回転部材123の軸方向の溝154に沿って回転部材123に対して軸方向に可動である。ピストンロッド102は、用量の設定および取消し中、薬物送達デバイス101のハウジング116に対して軸方向および回転方向に固定される。これについては、図7および図8でより詳細に説明する。
用量の設定または取消し中、ピストンロッドナット126は、ピストンロッドナット126が回転部材123に対して回転方向に固定されるため、回転部材123ともに薬物送達デバイス101のハウジング116に対して回転する。それによって、ピストンロッドナット126は、ピストンロッド102に対して回転する。ピストンロッドナット126とピストンロッド102とのねじ係合のため、ピストンロッドナット126は、ピストンロッド102に沿って螺着される。この結果、ピストンロッドナット126は、回転部材123およびピストンロッド102に対して軸方向に動く。特に、ピストンロッドナット126は、用量の設定中はデバイスの近位端112に向かう方向へ動かされ、用量の取消し中はデバイスの遠位端に向かう方向へ動かされる。さらに、ロッキング部材125がピストンロッド102に係合される。特に、ロッキング部材125はピストンロッド102にねじ係合される。ロッキング部材125のねじ山は、ピストンロッドナット126とは逆の螺旋方向を有する。用量の設定中、ロッキング部材125は、ハウジングに対して回転方向に固定される。それによって、用量の設定中、ピストンロッド102の動きが抑止される。用量の投薬中、ロッキング部材125は、ハウジングに対して回転することが有効にされる。特に、ロッキング部材125は、ピストンロッド102を離れさせる。ロッキング部材125がピストンロッド102を離れさせるために必要とされるトルクは、ばね部材127によって提供される。
図4は、ロッキング部材125のより詳細な図を示す。ロッキング部材125は、ロックナットとして構成される。ロッキング部材125は、ねじ山152によってピストンロッドにねじ係合される。さらに、ロッキング部材125は、複数のスプライン136を含む。スプライン136は、ロッキング部材125の外周の周りに円周方向に配置される。スプライン136は、用量の設定中はアクチュエータ120に係合し、用量の投薬中は連結部材130に係合するように構成される。ロッキング部材125は、延ばされたスプライン153をさらに含むことができる。延ばされたスプライン153は、スプライン136間に等しく分散させて配置することができる。延ばされたスプライン153の端部は、スプライン136の端部を越えて延びる。延ばされたスプライン153の端部は、面取りすることができる。延ばされたスプライン153によって、位置合わせ不良公差(misalignment tolerance)を減らすことができる。さらに、延ばされたスプライン153のため、ロッキング部材125の成形を許容することができる。ロッキング部材125は、フランジ135をさらに含む。フランジ135によって、ロッキング部材125は、薬物送達デバイスのハウジング116に対して軸方向に固定される。特に、フランジ135は、回転部材123の遠位端の内面に当接する。たとえば図7を参照してより詳細に後述するように、用量の設定中、ロッキング部材125は、アクチュエータ120との係合のため、ハウジング116に対して回転方向に固定される。
図5は、ピストンロッド102の概略図を示す。ピストンロッド102は親ねじである。ピストンロッド102は、第1のねじ山103および第2のねじ山104を含む。第1および第2のねじ山103、104は、ピストンロッド102の長さ全体にわたって延びる。第1のねじ山103と第2のねじ山104は、逆回転である。第1のねじ山103のピッチ105は、第2のねじ山104のピッチ106に等しい。代替実施形態では、第1のねじ山103のピッチ105は、第2のねじ山のピッチ106とは異なることができる。第1のねじ山103と第2のねじ山104は逆回転であるため、互いに交差する。第1のねじ山103および第2のねじ山104は、2条ねじである。第1のねじ山103は、2つのねじ山開始点(thread start)181、182を含む。第2のねじ山104は、2つのねじ山開始点183、184を含む。ピストンロッド102は、少なくとも1つの軸方向のスプライン115を含む。たとえば、ピストンロッド102は、2つの軸方向のスプライン115を含むことができる。スプライン115は、ピストンロッド102の長さ全体に沿って通る。図5では、1つのスプライン115のみを見ることができる。第2のスプラインは、第1のスプライン115とは反対側に配置される。特に、スプライン115は、回転対称に配置される。スプライン115は、アクチュエータ120の係合機能133に係合するように構成される。別法として、ピストンロッド102、特にスプライン115は、ハウジング116に直接係合することもできる。ロッキング部材125は、ピストンロッド102の第1のねじ山103に係合される。第1のねじ山103のピッチ105がロッキング部材125に係合することは、ピストンロッド102に印加される軸方向の力が、ロッキング部材125と回転部材123との間のインターフェースにおけるスラスト軸受の摩擦に打ち勝つのに十分なトルクをロッキング部材125内に生成することを確実にするために重要である。ピストンロッドナット126は、ピストンロッド102の第2のねじ山104に係合される。第1のねじ山103は、右ねじである。第2のねじ山104は、左ねじである。
図6は、ピストンロッド102の好ましい実施形態を示す。図6に示すピストンロッド102は、図5に示すピストンロッド102に類似しているが、第1のねじ山103の第1の内径107が、第2のねじ山104の第2の内径108より小さい。第1の内径107は、第1のねじ山103の小径である。第2の内径108は、第2のねじ山の小径である。特に、第1の内径107は、ピストンロッド102の主軸191から第1のねじ山103のピッチ105の表面までの距離の2倍である。特に、第2の内径108は、ピストンロッド102の主軸191から第2のねじ山104のピッチ105の表面までの距離の2倍である。特に、第1のねじ山103は、第2のねじ山104より深く切り込まれている。ピストンロッド102が第2のねじ山104の第2の内径108より小さい第1のねじ山103の第1の内径107を有することの1つの利点は、第1のねじ山103と、第1のねじ山103に係合される部材、特にロッキング部材125との間の接触直径がわずかでもよいことである。所与のねじ山ピッチに対して、接触直径が小さければ小さいほど、リード角はより大きくなる。
リード角を増大させることで、ねじ山インターフェースで生じる摩擦力を低減させる。したがって、ピストンロッド102と離れさせる要素との間の接触直径が小さければ小さいほど、摩擦損失もより小さくなる。したがって、ピストンロッド102がより大きい内径を有するアセンブリと比較すると、ばね部材127によって提供されなければならない離れさせる力を小さく維持することができる。特に、ロッキング部材125が用量の投薬中にピストンロッド102を離れさせるとき、ロッキング部材125とピストンロッド102との間の摩擦力に打ち勝たなければならない。ピストンロッド102と離れさせる要素との間の接触面、したがって接触直径が小さければ小さいほど、この摩擦力もより小さくなる。
第2の内径108が第1の内径107より大きいため、ピストンロッド102はそれでもなお、十分な機械安定性を有する。
この図では見やすいようにする理由で図示しないが、ピストンロッド102は軸方向のスプラインをさらに含む。これらのスプラインは、図5に示すように構成される。
図7は、用量の設定中またはデバイスが使用されていない非動作状態における、アクチュエータ120とピストンロッド102、ロッキング部材125、および連結部材130との係合を示す。アクチュエータ120は、ハウジング116に対して回転方向に固定される。アクチュエータ120は開口部172を含み、ピストンロッド102は開口部172を通って延びる。アクチュエータ120は、アクチュエータ120の第1の係合機能132によってロッキング部材125に係合される。アクチュエータ120の第1の係合機能132は、たとえば、アクチュエータ120の凹部173に配置されたスプラインまたは歯を含むことができる。アクチュエータ120の第1の係合機能132は、ロッキング部材125のスプライン136に係合する。アクチュエータ120の第1の係合機能132がロッキング部材125のスプライン136に係合されるとき、アクチュエータ120に対するロッキング部材125の回転運動が抑止される。アクチュエータ120が薬物送達デバイスのハウジング116に対して回転方向に固定されるため、アクチュエータ120の第1の係合機能132がロッキング部材125のスプライン136に係合されるとき、ロッキング部材125もまたハウジング116に対して回転方向に固定される。さらに、アクチュエータ120は、ピストンロッド102の軸方向のスプライン115に係合される第2の係合機能133を含む。第2の係合機能133は、アクチュエータ120の開口部172に配置される。アクチュエータ120の第2の係合機能133は、スプラインまたは突起として構成することができる。それによって、ピストンロッド102は、薬物送達デバイスのハウジング116に対して恒久的に回転方向に固定される。さらに、アクチュエータ120は、連結部材130に係合される。特に、アクチュエータ120は、連結部材130の係合機能156に係合するスナップ機能155を含む。アクチュエータ120のスナップ機能155は、デバイスの組立て中に連結部材130の係合機能156に係合することができる。この係合のため、連結部材130は、アクチュエータ120に対して恒久的に軸方向に固定される。
図8は、図7のアクチュエータ120を横断面図に示す。この実施形態では、ピストンロッド102の軸方向のスプライン115に係合するように構成されたアクチュエータ120の第2の係合機能133を示す。さらに、アクチュエータ120は、カートリッジホルダ117内の溝に係合される突起167を含む。それによって、アクチュエータ120は、カートリッジホルダ117に対して回転方向に固定され、それによって、カートリッジホルダ117がハウジング116に堅く束縛されているため、ハウジング116に対して回転方向に固定される。しかし、アクチュエータ120の制限された軸方向の移動が可能にされる。
図9Aおよび図9Bは、組み立てられた状態における薬物送達デバイス101の駆動アセンブリ180を示す。図9Bは、デバイス101の駆動アセンブリ180を断面図に示す。用量を設定するために、用量設定部材122は、用量設定方向113に回転される。用量設定部材122が回転されるとき、回転部材123も回転される。これは、回転部材123が用量設定部材122に連結されているからである。回転部材123と用量設定部材122との連結については、図20および図21A〜21Cを参照しながらより詳細に後述する。ピストンロッドナット126が回転部材123に対して回転方向に固定されるため、ピストンロッドナット126は、回転部材123とともに回転する。それによって、ピストンロッドナット126は、ピストンロッド102の周りを回転され、ピストンロッド102に沿ってデバイス101の近位端112の方へ軸方向に動く。ピストンロッドナット126は、デバイスの近位端の方へ動かされるとき、ばね部材127を圧縮する。用量が設定されていないときでも、ピストン119ではすべての用量サイズに対して0Nより大きい最小の力が必要とされるため、ばね部材127は軽く圧縮される。用量設定部材122が用量取消し方向に回転されるとき、ピストンロッドナット126は、デバイスの遠位端の方へ動かされ、ばね部材127の圧縮は解放される。ばね部材127は、キャップ131とピストンロッドナット126の近位面134との間に配置される。矢印164は、用量の設定中のピストンロッドナット126の動きを示す。矢印165は、用量の設定中の最終用量止め部材124の動きを示す。最終用量止め部材124およびその機能性については、図18A〜18Cを参照しながらより詳細に説明する。
回転部材123が用量の設定または取消し中に回転されるとき、連結部材130およびインジケータ128も回転される。これは、図13により詳細に示すように、連結部材130と回転部材123との係合およびインジケータ128と連結部材との係合のためである。特に、連結部材130の回転は、インジケータ128の回転および軸方向の並進運動をもたらす。インジケータ128が回転されるとき、標示窓129内に示される数字は、設定された用量を示す。また、図10に示すように、用量設定部材122の必要とされる回転の決定を支援するため、標示窓129のいずれかの側に、単一の数字を見ることができる。図10は、標示窓129内に設定された用量の量が表示されている薬物送達デバイス101の近位部分を示す。
特に、連結部材130は、標示窓129を通じて正しい用量が表示されることを確実にするため、用量の設定中と投薬中との両方でインジケータ128を回転させる。標示窓129は、薬物送達デバイスのハウジング内の切抜きである。インジケータ128と標示窓129との間に、窓部材147が配置される。窓部材147は、薬物送達デバイスのハウジング内への埃または塵の侵入を防止することができる。ゼロと事前に画成された最大値との間で、1単位の増分で用量を選択することができる。この範囲内で、任意の用量を選択することができる。1単位は、たとえば、0.01mlである。
図11Aおよび図11Bは、用量が設定された状態における薬物送達デバイスを示す。特に、最大用量が設定されている。最大値は、たとえば、80単位である。図11Bは、デバイス101を断面図に示す。標示窓129内に設定された用量の量が示される。設定された用量の量は、インジケータ128によって示される。インジケータ128は、その最も近位の位置にある。ばね部材127は、ピストンロッドナット126によって圧縮される。最終用量止め部材124は、図9Bに示す最終用量止め部材124の位置と比較すると、近位方向へ軸方向に並進運動している。図11Aに矢印166によって示すように、アクチュエータ120が使用者によって作動されるとき、特に遠位方向に動かされるとき、医薬品の設定された用量が薬物送達デバイスから送達される。アクチュエータ120が作動されるとき、ロッキング部材125は、アクチュエータ120から係合解除される。この機構については、図23A〜23Dを参照しながらより詳細に後述する。ロッキング部材125がアクチュエータ120から係合解除されるとき、ロッキング部材125は、ハウジング116に対して回転することが有効にされる。ロッキング部材125が回転することが有効にされるとき、ピストンロッド102は、ハウジング116に対して軸方向に動くことが有効にされる。投薬中、ロッキング部材125は、用量を設定するときの回転部材123の方向とは逆方向に、回転方向に駆動され、したがってインジケータ128を後方へ回して、表示される用量の値を低減させる。
用量が設定され、アクチュエータ120が作動されるとき、ピストンロッド102は、薬物送達デバイスの遠位端111に向かう方向へ動く。特に、ばね部材127は、ピストンロッドナット126の近位面134に力を及ぼす。この力は、ピストンロッド102をデバイスの遠位端の方へ動かす。特に、ピストンロッド102は、軸方向に動くが、ハウジング116に対して回転しない。ピストンロッド102がデバイスの遠位端に向かう方向へ動かされるとき、ロッキング部材125は、ピストンロッド102を離れさせる。医薬品の投薬中、インジケータ128は、その最初の位置へ戻される。
図12Aおよび図12Bは、医薬品の用量がデバイスから送達された状態における薬物送達デバイス101を示す。ピストンロッド102、最終用量止め部材124、用量設定部材122、回転部材123、ロッキング部材125、およびピストンロッドナット126を除くすべての構成要素は、最初の位置にある。特に、インジケータ128は、「0」の数字が標示窓129内に示されるように、最初の位置にある。
図13は、インジケータ128に係合された連結部材130を詳細図に示す。特に、インジケータ128は、連結部材130に回転方向に束縛される。これは、連結部材130の係合手段143がインジケータ128の係合手段144に係合されることによって実現される。たとえば、インジケータ128の係合手段144は、連結部材130内の対応する溝に係合するスプラインとすることができる。インジケータ128と連結部材130とは、インジケータ128の軸方向の移動範囲全体にわたって係合されたままである。
図14は、インジケータ128の周りに同心円状に配置されたインジケータ128および窓部材147の概略図を示す。インジケータ128には数字の螺旋状の経路が印刷されており、螺旋のピッチは、インジケータ128と窓部材147とを連結するねじ山のピッチに整合する。インジケータ128と窓部材147とを連結するねじ山148を、図16に示す。窓部材147を通して見るインジケータ128の数字は、設定された用量に対応する。窓部材147は、インジケータ128上の数字を使用者にとってより明確にする拡大要素を含む。インジケータ128は、少なくとも1つの最大用量当接部(maximum dose abutment)145を含む。窓部材147は、少なくとも1つの最大用量当接部146を含む。最大用量当接部146は、指定の量を超える用量の設定を抑止する。インジケータ128は、少なくとも1つの止め機能170をさらに含む。止め機能170は、設定された用量が完全に投薬されたとき、カートリッジホルダ117の止め機能171に当接するように構成される。代替実施形態では、止め機能171は、ハウジング116に位置することができる。特に、止め機能170は、投薬終了止め具として作用する。さらに、止め機能170は、ダイヤルダウン止め具として作用する。これは、用量の取消し中は、用量をゼロ単位より遠くへダイヤル設定することができないことを意味する。
カートリッジホルダ117およびインジケータ128の断面図を、図15Aおよび図15Bに示す。図15Aでは、インジケータ128の止め機能170は、用量の投薬中、カートリッジホルダ117の止め機能171に接近する。図15Bでは、インジケータ128の止め機能170は、カートリッジホルダ117の止め機能171に当接する。インジケータ128の止め機能170がカートリッジホルダ117の止め機能171に当接するとき、インジケータ128のさらなる回転が抑止される。したがって、カートリッジホルダ117は、用量終了状態でインジケータ128に対する回転止め具を提供する。さらに、インジケータ128の回転が抑止されるとき、連結部材130の回転も抑止される。連結部材130の回転が抑止されるとき、ロッキング部材125の回転も抑止される。それによって、医薬品の用量の投薬が抑止される。
図16では、窓部材147の一部分をより詳細に示す。窓部材147は、ねじ山148を介してインジケータ128に連結されるように構成される。さらに、窓部材147は、係合手段158を含む。窓部材147の係合手段158は、ハウジング116に係合するように構成される。それによって、ハウジング116に対する窓部材147の回転が抑止される。特に、窓部材147は、ハウジング116に堅く束縛される。たとえば、窓部材147の係合手段158は、スプラインとすることができる。別法として、係合手段158は、溝とすることができる。
図17A〜17Cは、用量の設定中の3つの異なる状態における窓部材147およびインジケータ128を示す。インジケータ128は、連結部材130によるインジケータ128の回転が窓部材147に対するインジケータ128の回転および軸方向の並進運動をもたらすように、窓部材147にねじ連結される。用量の設定中、インジケータ128の最大用量当接部146は、図17Aおよび図17Bに示すように、窓部材147の最大用量当接部146に接近する。最大用量が設定されたとき、インジケータ128の最大用量当接部145は、図17Cに示すように、窓部材147の最大用量当接部146に当接する。それによって、インジケータ128のさらなる回転が抑止される。それによって、最大用量を超える用量の設定が抑止される。最大用量は、窓部材147を通して見ることができる。
図18A〜18Cは、デバイスの3つの異なる状態における回転部材123に対する最終用量止め部材124の位置を示す。回転部材123は、最終用量止め具駆動部材190として作用する。最終用量止め部材124に対する回転部材123の許容しうる回転数は、カートリッジ118の容量によって決定される。特に、回転部材123の動きは、最終用量止め部材124の動きをもたらす。最終用量止め部材124は、ハウジング116に対して回転方向に固定されるが、軸方向に可動である。これは、最終用量止め部材124の少なくとも1つの突起176によって実現され、突起176は、ハウジング116に係合するように、たとえばハウジング116の少なくとも1つの軸方向の溝177(図2参照)に係合するように構成される。最終用量止め部材124は、ねじ山161によって回転部材123に係合される。最終用量止め部材124は、最終用量止め部材当接部159を含む。図18Aは、いかなる用量も設定される前の位置における最終用量止め部材124を示す。回転部材123が用量設定方向113に回転されるとき、最終用量止め部材124は、回転部材123に沿ってデバイスの近位端の方へ動く。医薬品のわずかな量のみがカートリッジ内に残っているとき、回転部材123の最終用量止め面160は、図18Bに見ることができるように、最終用量止め部材124の最終用量止め面159に接近する。図18Cに示すように、回転部材の最終用量止め面160が最終用量止め部材124の最終用量止め面159に当接するとき、用量のさらなる設定が抑止される。これは、用量設定方向113における回転部材123のさらなる回転が抑止されるからである。それによって、カートリッジ内に残っている医薬品の用量より大きい用量の設定が抑止される。さらに、回転部材123を用量取消し方向114に回転させることによって、医薬品の設定された用量の取消しもやはり可能である。回転部材123が用量取消し方向114に回転されるとき、最終用量止め部材124は、デバイスの遠位端111の方へ動かされる。
図19は、薬物送達デバイスの近位端を通る断面図を示す。この断面図は、ハウジング116内の突起169によるハウジング116と用量設定部材122との間の軸方向の制約を示す。さらに、キャップ131の配置を示す。キャップ131は、用量設定部材122内に束縛される。キャップ131は、小径支承部(small diameter bearing)178を介して用量設定部材122の遠位面に接触する。このインターフェースを通して、ピストン119がピストンロッド102に作用する力がハウジング116へ伝送され、ハウジング116によって打ち消される。特に、小径支承部178は、回転部材123に対する支承部を提供する。さらに、ばね部材127は、キャップ131に接触する。キャップ131は、回転部材123に係合する制約機能175を介して回転部材123に軸方向に固定される。
図20は、回転部材123と用量設定部材122との係合を示す。回転部材123は、キャップ131上に取り付けられる。用量設定部材122は、少なくとも1つ、たとえば2つのラチェット機能140を含む。ラチェット機能140は、用量設定部材122内の窪みとして構成される。回転部材123は、少なくとも1つ、たとえば2つのラチェットアーム141を含む。回転部材123のラチェットアーム141は、用量設定部材122のラチェット機能140に係合する。ばね部材127によって提供される軸方向のばね力がピストンロッドナット126に作用するとき、ピストンロッドナット126がピストンロッド102とのねじインターフェースを離れさせようとすることによって、トルクが生み出される。ピストンロッドナット126と回転部材123との係合のため、回転部材123へ接線方向の力が伝送される。それによって、たとえば用量の取消し中、回転部材123のラチェットアーム141が用量設定部材122のラチェット機能140に当接しないとき、回転部材123を回転させることができる。用量の取消し中、ラチェットアーム141とラチェット機能140との間に短い持続時間にわたって間隙が生じることができる。特に、ラチェットアーム141は、用量の取消し中、短い持続時間にわたってラチェット機能140から係合解除することができる。回転部材123のラチェットアーム141は、薬物送達デバイスのハウジングのハウジングラチェット機能142にさらに係合する。ハウジングラチェット機能142は、たとえば、ハウジング116の内周に位置する複数の歯または窪みとすることができる。
用量設定部材122とハウジング116との間のラチェットインターフェースは、用量が設定された後に使用者が用量設定部材122を解放するとき、ばね部材127がピストンロッドナット126に作用することによって生成されるトルクが、デバイスをゼロ単位位置へ戻さないことを確実にする。ゼロ単位位置とは、用量の単位が設定されていない位置である。
図21A〜21Cは、図20による用量設定部材122および回転部材123を示し、特に3つの異なる状態における用量設定部材122のラチェット機能140および回転部材123のラチェットアーム141を示す。
図21Aは、用量の設定中の状態における用量設定部材122と回転部材123との係合を示す。用量設定部材122が用量設定方向113に回転されるとき、回転部材123は、ラチェットアーム141と用量設定部材122のラチェット機能140との係合のため、用量設定部材122とともに回転される。特に、用量設定部材122は、ラチェットアーム141の径方向面179に作用し、回転部材123を直接回転させて、回転部材123をハウジングラチェット機能142の次の窪みまたは歯に係合させる。ラチェット機能140は、用量設定部材122内の窪みとして構成される。用量設定部材122の内周は、ハウジングのハウジングラチェット機能142の上へ、薬物送達デバイスの長手方向軸に向かう方向にわずかに延びる。特に、用量設定部材122のラチェット機能140は、ハウジングラチェット機能142に対して拡大される。したがって、回転部材123のラチェットアーム141は、用量設定部材122が用量設定方向113に回転されるとき、ハウジングラチェット機能142から係合解除することができるが、用量設定部材122のラチェット機能140からは係合解除することができない。ラチェットアーム141がハウジングラチェット機能142に完全に再係合してからラチェット機能140に当接することを確実にするため、ラチェット機能140のランプ角が低減される。これは、使用者が用量設定部材122を通して衝撃負荷を受けるのを防止するためである。ラチェットアーム141がハウジングラチェット機能142に再係合するとき、使用者に可聴フィードバックを与えることができる。さらに、ハウジングラチェット機能142は、用量取消し方向における回転部材123の意図しない回転を抑止することができる。
図21Bは、用量設定部材122が回転していない状態における回転部材123および用量設定部材122を示す。この状態はまた、用量設定部材122の回転中に一時的に生じることがある。この状態で、回転部材のラチェットアーム141は、用量設定部材のラチェット機能140およびハウジングラチェット機能142に完全に係合される。
図21Cは、用量の取消し中の回転部材123および用量設定部材122を示す。用量設定部材が用量取消し方向114に回転されるとき、ラチェットアーム141は、用量設定部材のラチェット機能140から一時的に係合解除される。さらに、ラチェットアーム141は、ハウジングラチェット機能142から係合解除される。これは、用量設定部材122によって径方向の内方方向へラチェットアーム141が撓むからである。これは、用量設定部材122がラチェットアーム141の傾斜面185に作用することによって実現される。ばね部材127によって回転部材123にトルクが作用するため、回転部材は、ラチェットアーム141が用量設定部材のラチェット機能140に再係合するまで、用量取消し方向に回転される。用量設定部材122は次に、設定された用量を増大または減少させるいずれかの方向に回すことができる。
図22は、用量設定部材122の代替実施形態を示す。この実施形態では、必要とされるラチェットアームばね力が低減される。それによって、ダイヤル設定トルクが低減される。この実施形態は、回転部材123の当接部に係合する追加の係合機能162を含む。追加の係合機能162は、出っ張りとして構成される。用量設定部材122は、2つの出っ張りを含む。用量設定部材122が用量設定方向113に回転されるとき、用量設定部材122と回転部材123との間の係合の強度が増大される。さらに、この係合は、回転部材123を用量取消し方向114に駆動する。用量設定部材122の係合機能162は、回転部材123を用量設定方向113に回転させるように構成される。それによって、用量の設定中、回転部材123のラチェットアーム141には負荷がかからない。それによって、ラチェットアーム141は、損傷されるのを防止することができる。特に、ラチェットアーム141は、ばね部材127がピストンロッドナット126に作用することによって生成されるトルクに耐える単一の機能を実行する。特に、ラチェットアーム141は、用量設定部材122の回転を回転部材123の回転に伝達しない。回転部材123の回転は、係合機能162のみによって実現される。追加の利益は、用量設定部材122とラチェットアーム141との間における摺動摩擦インターフェースの除去である。
図23A〜23Dは、アクチュエータ120が作動されて用量が投薬されるときの機構の動作を説明する。アクチュエータ120を作動するために必要とされる力およびアクチュエータ120が動かなければならない距離は小さく、特に器用さを損なった使用者に著しい人間工学的な利点を提供する。
図23Aは、アクチュエータ120が作動される前の機構を示す。ロッキング部材125は、アクチュエータ120に係合され、それによって薬物送達デバイスのハウジング116に対して回転方向に固定される。連結部材130は、連結部材130と回転部材123との係合のため、したがってロッキング状態で、回転部材123に対して回転方向に固定される。特に、連結部材130は、用量設定部材122が使用者によって回転されない限り、ロッキング状態にある。ロッキング部材125が、ロッキング部材125とアクチュエータ120との係合によりロッキング状態にあるため、ピストンロッド102は、ハウジングに対して軸方向および回転方向に固定される。特に、ロッキング部材125は、ピストンロッド102に対して回転可能でない。図23Bに示すように、アクチュエータ120がデバイスの遠位端の方へ動かされるとき、連結部材130は、アクチュエータ120とともに動かされる。これは、アクチュエータのスナップ機能155と連結部材130の係合機能156との係合のためである。ロッキング部材125は、ロッキング部材のフランジ135が回転部材123の表面に当接するため、その軸方向位置に留まる。
アクチュエータ120が図21Bに示すように遠位方向の方へさらに動かされるとき、連結部材130は、引っ張られてロッキング部材125のスプライン136に係合する。それによって、連結部材130は、ロッキング部材125に対して回転方向に固定される。アクチュエータ120が図23Cに示す位置に到達したとき、連結部材130は、回転部材123から完全に係合解除される。アクチュエータ120が図23Dに示す位置に到達したとき、ロッキング部材125とアクチュエータ120との間の係合は解放される。特に、アクチュエータ120の第1の係合機能132は、ロッキング部材125のスプライン136から係合解除される。ロッキング部材125は、アクチュエータ120から完全に係合解除されるとき、ハウジング116に対して回転することが有効にされる。それによって、ピストンロッド102は、ハウジング116に対して軸方向に動くことが有効にされる。ピストンロッド102が動くことが有効にされるとき、特にロッキング部材125が回転することが有効にされるとき、ばね部材127の力は解放される。特に、ばね部材127は、弛緩することが有効にされる。特に、ピストンロッド102は、ばね部材127の力によって遠位方向に動かされる。特に、ばね部材は、ピストンロッドナット126に力を及ぼし、それによってピストンロッドナット126を動かし、それとともにピストンロッド102を動かす。それによって、ロッキング部材125は、ピストンロッド102を離れさせる。
ばね部材127がピストンロッドナット126の近位面に作用し、それによってピストンロッド102を遠位方向に動かすとき、ロッキング部材125のフランジ135は、回転部材123の内面に押し付けられる。それによって、ロッキング部材125の回転は妨害される。ピストンロッド102を離れさせるために必要とされるトルクがより小さい場合、ばね部材127がピストンロッドナット126に作用する力は低減されることができ、ロッキング部材125が回転部材123の内面に押し付けられる力はより小さくなる。それによって、ロッキング部材125のフランジ135と回転部材123の内面との間のインターフェースにおける摩擦損失を低減させることができる。これは、第1のねじ山103の内径107が第2のねじ山104の内径108より小さいピストンロッド102を使用することよって実現することができる。そのようなピストンロッド102を図6に示す。
連結部材130がロッキング部材125のスプライン136に係合しているため、連結部材130は、ロッキング部材125とともに回転する。特に、連結部材は、用量の設定中の連結部材130の回転とは逆の方向に回転する。それによって、連結部材130は、インジケータ128を再びその最初の位置へ回転させる。
リセット部材121は、カートリッジホルダ117の近位面に反応する。リセット部材121は、使用者がアクチュエータ120を解放するときにアクチュエータ120をその最初の位置へ戻す近位方向の復帰力を提供する。
図24は、用量の投薬中のアクチュエータ120およびロッキング部材125を示す。この状態で、ロッキング部材125は、薬物送達デバイスのハウジングに対して、特にアクチュエータ120に対して回転することが有効にされる。アクチュエータ120は、フィードバック機能163を含み、フィードバック機能163は、たとえば、可撓アームとすることができる。フィードバック機能163は、ロッキング部材125のスプライン36に軽く係合することができる。ロッキング部材125が回転するとき、特にスプライン136がフィードバック機能163を通過するとき、フィードバック機能163は、径方向外方の方向、特に薬物送達デバイスの長手方向軸から離れる方向に撓む。1つのスプラインがフィードバック機能163を通過するとき、可聴クリックが生じる。特に、フィードバック機能163がその撓んでいない位置へ急速に戻るとき、クリックが生じる。各クリックは、単一の単位の投薬に対応する。これは、ロッキング部材125上のスプライン136の数字が、ロッキング部材125の1回の回転中に投薬された単位の数に等しいからである。
図25A〜25Cは、用量が投薬されてアクチュエータ120が解放された後のアクチュエータ120とロッキング部材125との再係合を示す。アクチュエータ120が解放されるとき、アクチュエータ120の第1の係合機能132は、ロッキング部材125のスプライン136に再係合する。アクチュエータ120の係合機能132は、再係合中にロッキング部材125がばね部材127によってもたらされるトルクに逆らって回されるように傾斜している。それによって、ロッキング部材125は、小さい距離だけ巻き戻される。それによって、ピストンロッドは、小さい距離だけ後退させられる。ロッキング部材125のこの巻戻しは、製造公差の結果である機構内の隙間の影響を除去する。そうでない場合、これらの公差は、ピストンロッドのわずかな前進および医薬品の用量の投薬を招く可能性がある。ロッキング部材125の巻戻しは、ピストンロッド102を後退させ、ロッキング部材125がインジケータ128の代わりに投薬止め具として作用していることを確実にする。
101 薬物送達デバイス
102 ピストンロッド
103 第1のねじ山
104 第2のねじ山
105 第1のピッチ
106 第2のピッチ
107 第1の内径
108 第2の内径
109 デバイスの長手方向軸
110 ピストンロッドの長手方向軸
111 デバイスの遠位端
112 デバイスの近位端
113 用量設定方向
114 用量取消し方向
115 ピストンロッドの軸方向のスプライン
116 ハウジング
117 カートリッジホルダ
118 カートリッジ
119 ピストン
120 アクチュエータ
121 リセット部材
122 用量設定部材
123 回転部材
124 最終用量止め部材
125 ロッキング部材
126 ピストンロッドナット
127 ばね部材
128 インジケータ
129 標示窓
130 連結部材
131 キャップ
132 アクチュエータの第1の係合機能
133 アクチュエータの第2の係合機能
134 ピストンロッドナットの近位面
135 ロッキング部材のフランジ
136 ロッキング部材のスプライン
137 ピストンロッドナットのスプライン
138 キャップの支承部
139 キャップのスナップ機能
140 用量設定部材のラチェット機能
141 回転部材のラチェットアーム
142 ハウジングラチェット機能
143 連結部材の係合手段
144 インジケータの係合手段
145 インジケータの最大用量当接部
146 窓部材の最大用量当接部
147 窓部材
148 窓部材のねじ山
149 投薬止め具の端部
150 遠位方向
151 近位方向
152 ロッキング部材のねじ山
153 ロッキング部材の延ばされたスプライン
154 回転部材の軸方向の溝
155 アクチュエータのスナップ機能
156 連結部材の係合機能
158 窓部材の係合手段
159 最終用量止め部材の最終用量止め面
160 回転部材の最終用量止め面
161 回転部材のねじ山
162 用量設定部材の係合機能
163 フィードバック機能
164 矢印
165 矢印
167 アクチュエータの突起
168 拡大要素
169 突起
170 インジケータの止め機能
171 カートリッジホルダの止め機能
172 アクチュエータの開口部
173 窪み
175 キャップの制約機能
176 最終用量止め部材の突起
177 ハウジングの軸方向の溝
178 小径支承部
179 ラチェットアームの径方向面
180 駆動アセンブリ
181 ねじ山開始点
182 ねじ山開始点
183 ねじ山開始点
184 ねじ山開始点
185 ラチェットアームの傾斜面
190 最終用量止め具駆動部材
191 主軸

Claims (12)

  1. ストンロッド(102)を含む薬物送達デバイス(101)であって、前記ピストンロッド(102)は、第1の内径(107)を有する第1のねじ山(103)と、第2の内径(108)を有する第2のねじ山(104)とを含み、ここで、第1の内径(107)は、第2の内径(108)より小さく、第1のねじ山(103)は、第1のピッチ(105)を含み、第2のねじ山(104)は、第2のピッチ(106)を含み、第1および第2のピッチ(105、106)は、同じ大きさを有前記薬物送達デバイスは、ピストンロッド(102)の第1のねじ山(103)に係合されるロッキング部材(125)を含み、ここで、ロッキング部材(125)がロッキング状態にあるとき、ピストンロッド(102)の動きは抑止され、そして、前記薬物送達デバイスは、ピストンロッドの第2のねじ山(104)に係合されるピストンロッドナット(126)を含み、該ピストンロッドナットは、医薬品の用量を設定するためにピストンロッド(102)に沿ってデバイスの近位端(112)に向かう方向へ回転するように構成される、前記薬物送達デバイス
  2. 第1および第2のねじ山(103、104)は、逆回転である、請求項1に記載の薬物送達デバイス
  3. 第1のねじ山(103)は、ピストンロッド(102)の第1の区間内に延び、第2のねじ山(104)は、ピストンロッド(102)の第2の区間内に延び、第1および第2の区間は重なり合う、請求項1または2に記載の薬物送達デバイス
  4. 第1および第2のねじ山(103、104)の少なくとも1つは、ピストンロッド(102)の長さ全体にわたって延びる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス
  5. 第1および第2のねじ山(103、104)の少なくとも1つは、2条ねじ(181、182)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス
  6. 少なくとも1つの軸方向のスプライン(115)または少なくとも1つの軸方向の溝を
    含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス
  7. ハウジング(116)を含み、ここで、ピストンロッド(102)は、ハウジング(116)に回転方向に固定される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
  8. ロッキング部材(125)は、用量の設定中にロッキング状態にあり、ロッキング部材(125)は、用量の投薬中に自由に回転する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
  9. ロッキング部材(125)は、用量の投薬中にピストンロッド(102)を離れさせるように構成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
  10. アクチュエータ(120)を含み、ここで、ロッキング部材(125)は、アクチュエータ(120)が起動されたとき、そのロッキング状態から解放される、請求項のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
  11. アクチュエータ(120)は、ピストンロッド(102)の少なくとも1つの軸方向のスプライン(115)または溝に係合し、それによってハウジング(116)に対するピストンロッド(102)の回転を抑止する、請求項10に記載の薬物送達デバイス。
  12. ピストンロッドナット(126)に力を及ぼすことによってピストンロッド(102)をデバイスの遠位端(111)に向かう方向へ動かすばね部材(127)を含む、請求項11のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
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