JP6438106B1 - 半導体モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】モジュール筐体内の封止材の注入量ばらつきを許容し、不良品を判定できる半導体モジュールを提供する。【解決手段】半導体モジュール1は、ベース板10と、ベース板上に取り付けられ、上面に複数の外部端子12及び半導体素子が実装された回路基板と、ベース板に取り付けられ、回路基板を取り囲む壁からなるモジュール筐体20と、モジュール筐体の上部に取り付けられ、外部端子が引き出される複数の外部端子孔が外周領域に形成されたモジュール蓋30と、モジュール筐体の内部に注入されてモジュール筐体内部を封止する封止材とを備える。外部端子の先端の端子部121は、モジュール蓋の上面に対向するように折り曲げられて配置されている。モジュール蓋の上面には、少なくとも外周領域から最外周領域まで連続する領域に、下面付近まで凹んだ溝33が形成されており、溝に封止材が充填される複数の封止材孔が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ダイオード、サイリスタ、トランジスタ等の半導体素子や外部端子が実装された基板をモジュールケースに収容し、モジュールケース内を封止材で封止した半導体モジュールに関する。
半導体モジュールは、ベース板にダイオード、サイリスタ、トランジスタ等の半導体素子を実装した回路基板に外部端子を接続し、少なくとも回路基板を取り囲むように、モジュールケース内に収容したものである。モジュールケースは、モジュール筐体或いは、モジュール筐体とこれを覆うモジュール蓋から構成される。外部端子はモジュールケースの外部、例えば上部に引き出される端子部を有し、この端子部に配線等が接続されて用いられる。
モジュール蓋には、外部端子の端子部(先端部)を引き出すための外部端子孔が形成されるとともに、上面には、六角環状(すなわち、外形が六角形のリング状)のナットを収容するための六角柱形状のナット収容部が形成されている。そして、ナット収容部にナットが収容され、外部端子の端子部が折り曲げられて、端子部がナット収容部を覆うようにされている。
このような半導体モジュールでは、半導体素子や回路基板等への水分の侵入を阻止し、これら部材の腐食を防止するとともに、半導体モジュール内部の絶縁特性を保持するために、モジュール筐体と基板とモジュール蓋とで形成された内部空間が、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の封止材で封止されている(例えば特許文献1参照)。
ここで、このような半導体モジュールの製造方法について説明する。まず、ベース板に半導体素子等が実装された回路基板を搭載し、回路基板を囲むようにモジュール筐体の下部をベース板に接着剤を塗布し、熱処理にて外部端子を半導体素子や回路基板に半田付けするのと同時に、ベース板にモジュール筐体を接着する。次に、モジュール筐体の内部に所定量の封止材を注入する。
次に、モジュール蓋の外部端子孔に外部端子の端子部を挿通させながら、モジュール蓋をモジュール筐体の上部に嵌め合わせ、封止材を硬化させる。
最後に、モジュール蓋のナット収容部にナットを収容し、外部端子の端子部をモジュール蓋の上面に沿うように略直角に折り曲げて、半導体モジュールを完成させる。そして、各工程の終了後に目視による検査が行われる。
特開平8−23054号公報
このような半導体モジュールを製造する場合、外部端子を基板の上面に立てた状態で半田付けするには、外部端子の位置合わせ用の治具が必要となり作業が煩雑でコストがかかる。
そこで、モジュール筐体の内周面に沿って外部端子を保持した状態で基板に実装できるように、モジュール筐体の内周面に保持部を設けることが考えられる。この場合、外部端子は、保持部によって立った姿勢が保持された状態で半田付けされた後に、保持部を含めた必要高さまで封止材が注入されて、モジュール筐体内が封止される。
しかし、封止材を一定の所定量だけ注入していても、ベース板やモジュール筐体等反りのばらつき等により、封止材の注入高さが上下することがあり、各半導体モジュールに応じて、封止材の適量が異なる場合がある。封止材が適量よりも多いと、封止材を注入した後でモジュール蓋をモジュール筐体の上部に嵌め合わせると、封止材が半導体モジュールの内部から溢れ出し、不良品となってしまう。一方、封止材が適量よりも少ないと、モジュール筐体とモジュール蓋との固定が不十分な場合があるが、モジュール蓋で中が見えないため、封止材の注入量が適量であるか否かを視認できないために不良品と判別することが出来ない。
そこで、本発明は、上述した如き課題に鑑みてなされたものであり、封止材の注入量にばらつきが発生しても、多少のばらつきを許容し、ばらつき(適量との差)が大きい場合には、不良品であると一目で判定することができる半導体モジュールを提供することを目的とする。
以上のような目的を達成するために、本発明に係る半導体モジュールは、ベース板と、前記ベース板上に取り付けられ、上面に複数の外部端子及び半導体素子が実装された回路基板と、前記ベース板に取り付けられ、前記回路基板を取り囲む壁からなるモジュール筐体と、前記モジュール筐体の上部に取り付けられ、前記外部端子が引き出される複数の外部端子孔が外周領域に形成されたモジュール蓋と、前記モジュール筐体の内部に注入されて前記モジュール筐体内部を封止する封止材とを備える半導体モジュールであって、前記外部端子の先端の端子部は、前記モジュール蓋の上面に対向するように折り曲げられて配置されており、前記モジュール蓋の前記上面には、少なくとも外周領域から最外周領域まで連続する領域に、下面付近まで凹んだ溝が形成されており、前記溝に、前記封止材が充填される複数の封止材孔が形成されていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、モジュール蓋をモジュール筐体の上部に嵌め合わせると、封止材の量が適量の場合、封止材が封止材孔の途中の高さまで充填される。封止材の量が適量より少し多い場合、モジュール筐体の内部に注入された所定量を超える封止材は封止材孔から溝に溢れるが、溝に留めることができるため、不良品とはならない。また、封止材の量が適量より少し少ない場合でも、封止材が封止材孔に充填される高さまで達していれば品質が確保されるため、封止材の量に多少のばらつきがあっても、不良品となるのを防止することができる。したがって、封止材が少し多くても、溢れ出た封止材がモジュール蓋の上面や外部端子の端子部に付着することを防止でき、半導体モジュールの動作不良や外観不良を防止できる。また、封止材の量が少ない場合、封止材が充填されていない封止材孔があれば、封止材の量が不足していると視認できるので、半導体モジュールの内部が見えなくても、封止材の量の不足による不良であると容易に判定できる。このように、不良品の発生を減少させ、封止材量不足の不良品を即座に除外でき、効率や歩留まりを向上させることができる。
本発明においては、前記溝の前記溝を最外周領域の外溝と外周領域より内側の内溝との間に塀部が形成されており、前記封止材孔は、前記内溝に形成されているようにしてもよい。このような構成とすることにより、毛細管現象により外溝上に吸いあがった封止材が塀部により内溝側に移動するのが阻止され、外溝上の封止材が硬化することで、モジュール蓋をモジュール筐体に強固に固定できる。また、外溝上と封止材孔内に封止材が存在するか否かを見ることで、封止材の量が適量であるか容易に目視確認することができる。
本発明においては、前記モジュール蓋の最外周領域の前記溝が形成されていない箇所には、前記上面より低く前記溝より高い位置に段差部が形成されていることを特徴とする。このような構成とすることにより、毛細管現象によりモジュール蓋の側面を上昇した封止材が溝の最外周領域の外溝上に這い上がるが、外溝の周囲の最外周領域の段差部と塀部で囲まれた範囲に封止材を溜められ、モジュール蓋上に上昇した封止材の位置を定めることができる。また、封止材量が少し多いときでも、毛細管現象により上昇した封止材が、段差部より上には登れずに段差部上に留められるため、封止材がモジュール筐体の上面に付着することを防止できる。
本発明においては、前記溝には、前記溝の最外周領域の外溝と外周領域より内側の内溝との間に塀部が形成されており、前記封止材孔は、前記内溝に形成されるとともに、前記モジュール蓋の最外周領域の前記溝が形成されていない箇所には、前記上面より低く前記溝より高い位置に段差部が形成されていることを特徴とする。
本発明においては、前記段差部の高さは、前記塀部の高さと同じであることを特徴とする。このような構成とすることにより、封止材が塀部と段差部のどこかを超えていることが視認されれば、封止材が塀部と段差部の両方を超える量であることが分かり、何れか見やすい部分を確認することで、封止材の量を判断することができる。そして、例えば封止材が塀部と段差部のどこかを超えていれば不良品と判定するようにすれば、不良品の判定漏れを防止できる。また、モジュール蓋を成型するための金型の加工高さを揃えることができ、金型が複雑にならない。
本発明においては、前記段差部の高さは、前記塀部の高さより高くしてもよい。このような構成とすることにより、塀部が封止材で埋まっても、封止材の高さがモジュール蓋の上面まではまだ距離があるので良品と判定し、更に封止材の量が多く段差部まで封止材が乗りあげたら、封止材が上面に付着する可能性があるほど非常に多く不良品であると判定するなど、判定基準に段階を設けることができる。
本発明においては、前記段差部には、複数の段差が形成されているようにしてもよい。このような構成とすることにより、封止材が少しだけ多い場合には、毛細管現象で1段目の段差部に封止材が乗りあげるが、1段目より高い段差部には毛細管現象が生じないため、封止材がモジュール筐体の上面に付着するのを防止できる。また、例えば1段目の段差部に封止材が付着しても良品とし、2段目以上の段差部まで封止材が乗りあげたら、封止材が非常に多く不良品であると判定するなど、不良品の判定基準を複数段階に設定することができる。
本発明においては、前記溝の前記封止材孔が形成されている部分が、前記モジュール蓋の前記下面よりも下方に突出した凸部であるようにしてもよく、前記モジュール蓋の下面において前記溝に対応する部分が、前記モジュール蓋の前記下面よりも下方に突出した凸部であるようにしてもよい。このような構成とすることにより、封止材孔の下端からモジュール蓋の上面までの距離が長くなるので、封止材が少し少なくても封止材孔に届き、封止材が比較的多くてもモジュール蓋の上面まで余裕が出来、封止材の量のばらつきの許容範囲を増すことができる。そのため、品質が確保された半導体モジュールを、効率よく数多く生産することができる。また、凸部が封止材に埋没して一体的になるため、モジュール蓋をモジュール筐体に強固に固定し、機械的強度を増すことができる。
本発明においては、前記溝は、隣り合う前記端子部の間に形成されていることを特徴とする。このような構成とすることにより、外部端子の端子部と他の外部端子の端子部との間の沿面距離を長くできる。
本発明においては、前記封止材孔は、前記溝の外周領域に形成されているようにしてもよい。このような構成とすることにより、封止材孔と外溝とが近くにあるので、モジュール蓋をモジュール筐体の上部に嵌め合わせた後、封止材の注入量が適量であるかを一目で確認することができる。
本発明においては、前記封止材孔は、前記溝の前記外部端子孔と隣り合う位置に形成されているようにしてもよい。このような構成とすることにより、外部端子のすぐ近くが封止材で固められ、外部端子の折り曲げ時に、モジュール蓋や外部端子が動かないので、外部端子の半田剥離等を防止することができる。
以上のような半導体モジュールによれば、封止材の注入量にバラつきが発生しても、溝や封止材孔を確認することで不良品を一目で判定することができる。そのため、封止材の注入量が非常に多い場合、及び封止材の注入量が少ない場合を一目で判定し、不良品を取り除くことができる。また、封止材の注入量が少し多い場合には、封止材が封止材孔から溢れるが、溢れた封止材が溝内に留まってモジュール蓋の上面に付着しないため、封止材量の多少のばらつきを許容することができ、不良品の発生を減少させることができる。これにより、充分な品質が確保された半導体モジュールを得ることができる。
本発明に係る半導体モジュールの斜視図である。 図1に示すA−A線の断面図である。 モジュール蓋が取り外された半導体モジュールの斜視図である。 図2のαの外部端子及び保持部を示す部分拡大斜視図である。 外部端子及び保持部を示す断面図である。 本発明に係るモジュール蓋の表面の平面図である。 本発明に係るモジュール蓋の裏面の平面図である。 凹所を示す図である。 封止材の注入量について説明するための図である。
以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1〜3に示すように、半導体モジュール1は、ベース板10と、ベース板10に固着された回路基板11と、ベース板10の外周上に回路基板11を囲むように接着されたモジュール筐体20と、モジュール蓋30とを備える。
ベース板10上に回路基板11が固着されており、回路基板11に、半導体素子14や内部端子15および外部端子12等が半田付けされている。
モジュール筐体20は、回路基板11を取り囲むように形成された壁201を有し、壁201間を水平方向に横切る梁22が形成されている。そして、壁201の下部が、ベース板10の外周側面に接着剤で接着されている。モジュール筐体20にはモジュール蓋30が被せられ、外部端子12がモジュール蓋30の外部に引き出されている。
外部端子12と、モジュール筐体20に形成された、外部端子12を保持する保持部23の一例について図2〜図5を用いて説明する。
外部端子12は、板状の部材であって、下端部が半導体素子14に直接、或いは回路基板11と電気接続される。外部端子12は、その上部に端子部121を有する。
外部端子12は、回路基板11から立ち上がった面がモジュール筐体20の壁201の内面に沿うように配置され、外部に引き出された先端の端子部121は、モジュール蓋30の上面に沿うように水平方向に曲げられた状態で、用いられる。外部端子12の両側面には、一対の突出部126が外部端子12の幅方向に突出している。外部端子12の突出部126の上辺は、外側に向けて下降する斜辺126aをなしており、突出部126は三角形状をなしている。この斜辺126aは、後述する保持部23の端子側面対向部231に向けて下降している。
図2および図3に示すように、モジュール筐体20には、壁201の水平方向に沿って内周面201aの内側に張り出した張出部234が形成されている。張出部234には、外部端子12が配置されたときその両外側に対応する位置に、一対の保持部23がモジュール筐体20の内側に向けて突出するように形成されている。張出部234の外部端子12の外面に対向する上面には、外部端子12の外面に向けて下方に傾斜する第3の傾斜面234aを有する。張出部234は、モジュール筐体20を補強するように作用する。ここで、張出部234には梁22が連結されており、一対の保持部23の一方が、この張出部234と梁22との連結部に形成されている。本例では張出部234が壁201の全周に形成されているが、張出部234は、保持部23が形成される位置に対応して、壁201の一部に形成するようにしてもよい。また、一対の保持部23は、梁22に形成してもよく、一対の保持部23の内一方を張出部23に形成し、他方を梁22に形成することもできる。図2に点線で示すように、張出部234は、梁22と共に後述する封止材40内に封止される。
図4および図5に示されるように、保持部23は、外部端子12の側面に対向する端子側面対向部231と、端子側面対向部231の先端から連続して形成され、外部端子12の内面に対向する端子内面対向部232とを有する。また、端子側面対向部231の下部に連続して、外部端子12の側面方向に延びる端子受け部233が形成されている。端子内面対向部232を省略した図5に示すように、この端子受け部233の上面の斜面233aに、外部端子12の突出部126を載置し、外部端子12を下から支持する。
端子側面対向部231の上面は、外部端子12の側面に向けて下方に傾斜する第1傾斜面231aを有する。
また、端子内面対向部232の上面は、外部端子12の内面に向けて下方に傾斜する第2傾斜面232aを有する。
保持部23の端子受け部233は、外部端子12の側面に向けて下降するように形成された内向きの斜面233aを有している。この斜面233aに外部端子12の突出部126を載置すると、外部端子12の突出部126の先端が、斜面233aに支持されるので、外部端子12と保持部23とが上下に接触する面積が小さく、外部端子12と保持部23の間の上下の隙間を大きくすることができる。そのため、後述するように、封止材40を注入する際に、外部端子12と保持部23との隙間に封止材40を埋め易くなっている。
外部端子12の突出部126を保持部23の端子受け部233に載置すると、外部端子12が立った姿勢でモジュール筐体20に保持される。また、外部端子12の突出部126が端子側面対向部231に、外部端子12の内面が端子内面対向部232に、外部端子の外面が張出部234に夫々位置規制されるため、モジュール筐体20に対して上下及び前後左右の位置が定まり、外部端子12を半導体素子14或いは回路基板11の所望の接続位置に正しく配置するよう位置決めできる。このようにして、複数の外部端子12をそれぞれ対応する保持部23に保持することで、モジュール筐体20に複数の外部端子12を正しい位置に保持した状態で持ち運ぶこともでき、ベース板10にモジュール筐体20を位置決めした後で、外部端子12を保持部23の上から挿入させて、外部端子12を半田付けする場所に保持できるので、治具等がなくても外部端子12をモジュール筐体20に自立させて位置決めでき、組立性が向上する。
モジュール筐体20の内部には、水平方向に延びる梁22が設けられている。梁22の両端は、壁201の内側に沿って延びる張出部234に連結されている。
一対の保持部23のうちの少なくとも一方(例えば図4の左側)は、梁22に設けられている。梁22は、モジュール筐体20を補強する役目をなしている。なお、梁22を壁201の内周面201a間を接続するように形成しても良い。
例えば、外部端子12を半田付けする際に外部端子12が移動したり回転してしまうと、半田付けができずに不良品となる。また、端子部121を折り曲げる際に外部端子12が回転すると、回路基板11や半導体素子14を押圧し、これらの部材を破損する恐れがある。本実施形態の半導体モジュール1では、保持部23が外部端子12の前後左右の移動を規制するので、半導体素子14や回路基板11との接続時の位置ずれが防止される。モジュール筐体20内部を封止材40で封止する際には、封止材40が保持部23の端子側面対向部231の第1傾斜面231a、端子内面対向部232の第2傾斜面232a、第3傾斜面234aによって案内されて、引っかかることなく保持部23と外部端子12との間から下方に流れ込み、保持部23の下にも円滑に回り込むため、封止材40と外部端子12の間に空洞ができるのを防止できる。
また、外部端子12の突出部126の先端を端子受け部233の斜面233aに載置して下から支持するため、封止材40が流れにくい外部端子12と保持部23との上下方向の接触面積が小さくなり、両者の隙間が大きくなる。そのため、封止材40が外部端子12と保持部23との隙間に埋まり、保持部23の斜面233aに沿って封止材40が下に回り込み、封止材40と外部端子12の間に空洞ができるのを防止し、半導体モジュール1に不具合が生じるのを防ぐことができる。このように、封止材40と外部端子12の間に空洞ができないようにする構成には、モジュール蓋30は必須の要件ではない。
次に、モジュール蓋30の一例について図6〜図8を用いて説明する。図8(a)はモジュール蓋30の四隅に形成された凹所35の平面図であり、図8(b)は図8(a)に示すD−D線断面図である。
モジュール蓋30は、上面30aと下面30bを有する板状に形成されている。図6はモジュール蓋30の上面30aから見た平面図を、図7は下面30bから見た平面図を夫々示している。モジュール蓋30には、外部端子12の端子部121を挿通するための外部端子孔31と、ナット50を収容するための複数のナット収容部351が形成されている。ナット収容部351の内、モジュール蓋30の四隅のナット収容部351には、ナット収容部351に連続して、成型流入部352が形成され、モジュール蓋30の四隅には、ナット収容部351と成型流入部352からなる4つの凹所35が構成されている。ナット収容部351は、四隅とそれ以外のものとで同じ形状をしているため、ここでは、四隅の凹所35を構成するナット収容部351と、これに連続して形成された成型流入部352を例に、説明する。
図8に示すように、ナット収容部351は、モジュール蓋30の内部にナット50を収容するものであり、ナット収容部351の下部はモジュール蓋30の下面30bから下に突出している。ナット収容部351の内周面には、その上端よりも少し低い位置から下方向に伸びた3個のナット抑え部354が形成されている。ナット抑え部354は下方向に進むにしたがって他のナット抑え部354との間の距離が広くなる、三角形のテーパとなっている。ナット50は一般に、横からみて上面の角部が外側に向けて下降する傾斜を有しており、ナット抑え部354のテーパは、ナット50の傾斜に沿う角度を有している。ナット抑え部354と他のナット抑え部354との間隔は、上方ではナット50の外径よりも若干小さく、下方に向けて広がっている。ナット収容部351にナット50を収容する際には、ナット50の側面でナット抑え部35の上部を押し広げるようにナット50を圧入する。ナット50を収容すると、テーパ形状のナット抑え部354の下面が、ナット50上面の傾斜を上から抑えるようになり、これにより、ナット50がナット収容部351から抜けなくなっている。なお、ナット抑え部354のテーパの傾斜角度を、ナット50の上面の傾斜と同じにすると、ナット50の移動を阻止する効果が高い。全てのナット収容部351は、モジュール蓋30の外部端子孔31から引き出された外部端子12を折り曲げて、端子部121がモジュール蓋30の上面30aに沿うようにすると、端子部121で隠されて、外から見えないようになる。
また、四隅の凹所35には、ナット収容部351に連続して、半円柱形状の成型流入部352が形成されている。成型流入部352は、モジュール蓋30の上面30aより低い位置に形成されている。射出成型で樹脂成型品を成型すると、金型の射出口の個所に該当する成型流入部352に、凸状又は凹状の射出跡352aが残されてしまう。凸状の射出跡352aがモジュール蓋30の上面30aに残されると、上面30aに沿うように外部端子12の端子部121を折り曲げる際に、端子部121がきちんと曲がらずに、浮いた状態になる可能性がある。また、このような射出跡352aが見えるのは、外観上好ましくない。そこで、成型流入部352を、端子部121の折り曲げを阻害しないモジュール30の上面30aよりも低い位置であって、外部端子12を折り曲げた後は、端子部121によって、射出跡352aが見えないような位置に形成している。また、成型流入部352をナット収容部351と外部端子孔31との間に形成すると、ナット収容部351と成型流入部352からなる凹所35全体を、端子部121で確実に覆って隠すことができる。
このように、四隅の凹所35の成型流入部352から成型樹脂を注入してモジュール蓋30を形成するので、成型樹脂が素早く均一に注入される。また、射出跡352aが残ってしまっても、成型流入部352はモジュール蓋30の上面30aより低い位置にあるため、外部端子12を折り曲げる際に射出跡352aが邪魔になることがない。
モジュール蓋30の中央領域には、モジュール蓋30を貫通する複数の空気孔34が形成されている。また、モジュール蓋30の外周領域には、外部端子12の端子部121を挿通させて外部に引き出すよう、モジュール蓋30を貫通する複数の外部端子孔31が形成されている。これら空気孔34と外部端子孔31は、上端がモジュール蓋30の上面30aの高さで、下端が下面30bの高さに一致している。モジュール蓋30の上面30aには、深さを有する平面視でL字形状の溝33が形成されている。溝33の底面の高さは、後述するように溝33に液体等が付着してもモジュール蓋30の上面30aに影響を与えない程度に、上面30aよりも十分に低く、モジュール蓋30の下面30bより若干高い位置に形成されている。溝33は、モジュール蓋30の上面30aに沿って折り曲げられる複数の外部端子12の端子部121間を夫々区画するように形成されている。各外部端子12の端子部121の間に溝33が形成されているため、端子部121と他の端子部121を繋ぐ経路は、モジュール蓋30の上面30a−溝33−上面30aとなり、上面30a上の直線距離に比べて沿面距離が長くなっている。溝33は後述する塀部333により仕切られ、塀部333よりも内側に位置する内溝33aと塀部333よりも外側の最外周領域に位置する外溝33bで構成される。内溝33aの外周領域には、モジュール蓋30を貫通する封止材孔331が形成されて、封止材孔331と外溝33bとの間に、前述の塀部333が位置している。つまり、溝33は、外周領域の封止材孔331を含む内溝33aと、最外周領域の外溝33bとの間が、塀部333で仕切られている。塀部333の高さは、モジュール蓋30の上面30aより低い高さに設定されている。そして図7に示すように、モジュール蓋30の下面30bは、封止材孔331が形成されている溝33の一部が、下方に突出する凸部332にされている。封止材孔331は、内溝33aの底面から凸部332を貫通しており、封止材孔331の下端はモジュール蓋30の下面30bより低い高さにある。後に詳述する図9にも示すように、各部材の高さ関係を説明すると、高い位置から順に、空気孔34及び外部端子孔31の上端(モジュール蓋30の上面30aの高さ)、溝33の塀部333、封止材孔331の上端(溝33の底面の高さ)、空気孔34及び外部端子孔31の下端(モジュール蓋30の下面30bの高さ)、封止材孔331の下端(溝33の凸部332の下端の高さ)となっている。
封止材孔331及び空気孔34の大きさは、溶融状態の封止材40が毛細管現象で上昇しない程度に選択されている。そのため、封止材40が封止材孔331及び空気孔34に接触する高さ以上に注入されても、封止材40が封止材孔331及び空気孔34の内壁を伝って上昇することがなく注入された封止材40の高さに留まる。外部端子孔31も同様に、毛細管現象が起きないような大きさにされている。
ここで、モジュール蓋30の上面30aに封止材40が付着して固まると、上面30aに出っ張りができてしまい、外部端子12の端子部121を正しい位置まで折り曲げようとしたときに、この出っ張った封止材40が邪魔になり、端子部121の折り曲げの障害になり、不良品となってしまうことがある。そのため、空気孔34と外部端子孔31は、封止材40が毛細管現象で上昇しない大きさにする必要がある。また、溝33に少量の封止材40が付着してまだらに固まると、外観上好ましくない。したがって、封止材孔331の大きさも、毛細管現象が起きない大きさにされている。
モジュール蓋30の上面の最外周領域には、上面30aより低く溝33の底面より高い位置に、モジュール蓋30の外周を1周するように段差部36が形成されている。なお、モジュール蓋30の最外周領域の溝33には、段差部36が形成されず、最外周領域は溝33の底面が露出している。本例では、段差部36の高さは、塀部333の高さと同じとなっている。なお、段差部36は、複数段あってもよい。
モジュール蓋30の下面30bは、ナット収容部351が下方に突出している。
また、モジュール蓋30の下面30bには、下方に突出した補強梁37が形成されている。
補強梁37は、外周領域付近では、隣接するナット収容部351と他のナット収容部351とを連結するように形成され、中央領域では、対向する外周領域の補強梁37と他の補強梁37を連結する補強梁37と、対向するナット収容部351と他のナット収容部351を連結する補強梁37を中央領域で交差させ、補強梁37で各空気孔34を個別に取り囲んで仕切るようにして形成されている。また、外周領域付近の補強梁37は、前述の溝33の一部の凸部332に連結されており、モジュール蓋30の外周領域付近と中央領域付近を補強し、モジュール蓋30の成型時の反りや歪みの発生を防止している。
モジュール蓋30はこのように構成されており、上面30aから見て、最外周領域に段差部36と外溝33bを有し、外部端子12の端子部121が配される上面30aを区画するように溝33が形成されている。内溝33aの外周領域の封止材孔331と外溝33bとの間が塀部333で仕切られ、封止材孔331に並ぶ外周領域には、外部端子孔31が形成されている。外部端子孔31は、ナット収容部351と対をなして形成され、四隅のナット収容部351には、これに連続して上面30aより低い位置に成型流入部352が、外部端子孔31とナット収容部351との間に形成されて、ナット収容部351と成型流入部352からなる凹所35を構成している。そして、四隅以外の外部端子12に対応する箇所には、成型流入部352が設けられず、ナット収容部351のみが形成されている。また、モジュール蓋30の中央領域には、空気孔34が設けられている。
また、モジュール蓋30は、ナット収容部351と補強梁37が下面30bから下に突出しており、更に溝33の封止材孔331が形成された箇所が、下面30bから下に突出している。

モジュール筐体20とベース板10とモジュール蓋30とで形成された内部空間には、所定量の封止材40が封止されているが、本発明では、所定量として内部空間に空気層が形成されないよう、モジュール蓋30の下面30bの高さまで封止材40が封止される。
次に、半導体モジュール1を組み立てる組立方法(半導体モジュールの製造方法)について説明する。モジュール筐体20をベース板10の外周に配置し、モジュール筐体20の保持部23の端子側面対向部231と端子内面対向部232の間に外部端子12を挿入し、外部端子12の突出部126を保持部23の端子受け部233上面の斜面233aに載置して、モジュール筐体20の保持部23に外部端子12を支持させる。外部端子12は保持部23によって、位置決めされ、半田付け時に移動することがない。なお、外部端子12を保持部23に保持させた後で、モジュール筐体20をベース板10上に配置させることもできる。いずれも、モジュール筐体20とベース板10の配置が定まれば、外部端子12を所定の位置に位置決めできる。また、外部端子12が保持部23で立った姿勢で前後左右の位置を拘束されるため、外部端子12を正しい位置に半田付けすることができる。
半田付けの後に、モジュール筐体20の内部に所定量の溶融された封止材40を注入する(注入工程)。本例では、所定量は、封止材40の上面がモジュール蓋30の下面30bの高さになる量とする。封止材40を注入する際に、封止材40の粘性により、封止材40が滑らかに広がらずに、保持部23の周辺等に停滞して空洞を生じる恐れがある。しかし本発明では、保持部23の上端に、第1傾斜面231a、第2傾斜面232aを形成し、張出部234の上端にも第3傾斜面234aを形成しているため、封止材40が各傾斜面231a、232a、234aに沿って外部端子12に向けて流れ込み、封止材40が良好に周辺に回り込む。また、端子受け部233の上面を斜面233aとし、外部端子12の突出部126の上辺を斜辺126aで構成しているため、封止材40が外部端子12から保持部23の隙間に流れ込み、斜面233aに沿って下に回り込むため、封止材40が円滑に回り込み、封止材40と外部端子12の間に空洞が生じるのが防止されている。さらに、端子受け部233の上面の斜面233aに外部端子12の突出部126の先端を載置して支持しているので、外部端子12と保持部23との接触面積が小さく、封止材40が停滞し易い外部端子12と保持部23との間の隙間が大きく、端子受け部233の斜面233aに沿って封止材40が流れるため、封止材40が外部端子12と保持部23との隙間にも埋まり易くなっている。このように、外部端子12と保持部23の周囲に、封止材40が回り込み易くしているため、封止材40と外部端子12の間に空洞ができるのを防止し、半導体モジュール1の不具合の発生を防ぐことができる。
このような、モジュール筐体20内に封止材40を注入する際に、封止材40の回り込みを円滑にし、封止材40と外部端子12の間に空洞を生じないような効果を得るためには、モジュール蓋30は必須ではなく、これを省略することができる。
次に、封止材40が硬化する前に、モジュール蓋30の外部端子孔31に外部端子12の端子部121を挿通させながら、モジュール蓋30をモジュール筐体20の上部に嵌め合わせ、封止材40を熱処理等で硬化させる。(取付工程)。空気孔34は、モジュール蓋20の下面30b側で、補強梁37で夫々囲まれて仕切られている。モジュール蓋30をモジュール筐体20の上部に嵌め合わせていくときに、封止材40の高さに補強梁37の高さが一致すると、補強梁37と封止材40からなる小部屋ができ、この小部屋に空気が誘導されて少量ずつ溜る。この後、モジュール蓋20を更に下降させると少量の空気が、夫々の部屋の空気孔34から排出されることになる。その後封止材40を硬化させる際に発生するガスを、空気孔34から排出できるので、ガスが抜け易く、ガスが急激に抜けた衝撃で、空気孔34から封止材40が飛散するのを防止することができる。
封止材40が適量のとき、モジュール蓋30をモジュール筐体20への取付位置に置くと、モジュール蓋30の下面30bの高さが封止材40の上面と一致する。このとき、ナット収容部351のモジュール蓋30の下面30bより下に突出した、ナット収容部351と補強梁37および、溝33の一部の下方に突出した凸部332も封止材40に埋め込まれた状態になる。このとき、封止材40の上面は、空気孔34の下端の高さに位置し、封止材孔331の途中の高さに位置する。モジュール蓋30の最外周領域は、モジュール蓋30とモジュール筐体20との隙間が狭いため、封止材40がこの隙間を毛細管現象により上昇し、外溝33bの上に到達する。しかし、外溝33bと内溝33aの外周領域の封止材孔331との間には、塀部333が形成されているため、封止材40が塀部333に阻止されて、外溝33bから内溝33aに流れ込むのが防止されている。また、溝33が形成されていない最外周領域の段差部36の高さは、塀部333と同じ高さと十分に高く、毛細管現象によって上昇した封止材40が、段差部36を超えない高さに選択されている。
封止材40を硬化させると、封止材40がモジュール筐体20の梁22や保持部23及び張出部234を抱え込んで一体となっている。したがって、硬化した封止材40とモジュール筐体20とが相対的に移動することがなく、強固に両者が固定される。また、外部端子12と保持部23の隙間にも封止材40が充分に回り込んでいるため、外部端子12がモジュール筐体20にしっかりと固定される。さらに、保持部23は、モジュール筐体20を補強する梁22や張出部234に形成されているため、外部端子12が堅牢な位置に固定された状態にされている。
モジュール蓋30は、下方に突出するナット収容部351、補強梁37と溝33の凸部332が封止材40に埋め込まれて、封止材40とモジュール蓋30が一体的に固定される。また、モジュール蓋30の外溝33bの上面に、毛細管現象で這い上がった封止材40が硬化するので、モジュール蓋30と封止材40とが強固に固定される。モジュール蓋30の外溝33bは、外部端子孔31の両側に形成されるため、外溝33bが封止材40で固定されることで、モジュール蓋30は、外部端子12の近傍の固定が強固になる。したがって、後の工程で端子部121を折り曲げることになるが、その折り曲げる力を加えても、モジュール蓋30が外れることがなく、外部端子12が移動しない。さらに、後述するように、半導体モジュール1が完成した後に目視検査する際に、モジュール蓋30の上面30a側から見て、外部端子12付近に形成された外溝33bに、封止材40が硬化していること、封止材孔331の途中まで封止材40が充填していることを確認するだけで、封止材40の量が適切であったことが分かり、検査工程が容易になる。また、これら封止材孔331と外溝33bはモジュール蓋30の外周領域と最外周領域に、近接して配置されているため、一目で確認することができる。このとき、モジュール蓋30の外周1周を見れば、全ての封止材孔331と外観33bとを確認でき、後述する不良品の判定ができる。
次に、ナット50をナット収容部351に圧入して収容し、外部端子12の端子部121を、モジュール蓋30の上面30aに沿うように折り曲げ、半導体モジュール1が完成する。完成状態では、モジュール蓋30を射出成型した際にできた射出跡352aは、端子部121で隠れて見えないため、外観を損なうことはない。また、外部端子12は、モジュール蓋30が強固に固定された箇所の近傍にあり、モジュール筐体20内部では、補強用の梁22に形成された保持部23によって確実に固定されている。したがって、端子部121を折り曲げる際に、外部端子12が移動することがないため、外部端子12の半田剥離等が起こらず、折り曲げが容易にできる。また、モジュール蓋30が強固に固定されているため、外部端子12の折り曲げ時のガタツキにより、外部端子12と接続されている半導体素子14や回路基板11へのダメージを防止することができる。
ここで、封止材40は、少なくとも前記保持部23の高さまで(例えば図5の高さLまで)を封止すれば封止する効果を得ることができる。しかし、封止材40を注入した後でモジュール蓋30を被せると、封止材40の量が適量であるか否かを視認することができない。そのため、本発明によれば、以下のようにして封止材40の量の適否を確認できるようにしている。
封止材40の注入量について詳細に説明する。図9は、封止材の注入量について説明するための図であり、図9(a)〜(d)は図1に示すB−B線断面図及びC−C線断面図であるが、注入量を明示するために外部端子12は省略されている。
封止材40は、同量を注入したとしても、ベース板10やモジュール筐体20等の反りの違いにより、半導体モジュール1によって、封止材40の注入高さ、即ち個々の半導体モジュール1にとっての「適量」には、多少のばらつきが発生することがある。そのため、本発明では、以下に説明するように封止材40の量が多少ばらついても、充分な品質が確認された半導体モジュール1が得られるようにしている。
(A)封止材40の注入量が適量である場合(図9(a)の状態)
モジュール蓋30の下面30bの高さLを封止材40の適量としている。このとき、封止材孔331が形成された溝33の一部は下方に突出した凸部332とされていることから、モジュール蓋30の下面30bの高さまで封止材40を注入すると、封止材40が封止材孔331の途中まで、埋められる。また、モジュール蓋30とモジュール筐体20との間に隙間は狭く、毛細管現象で封止材40が上昇し、外溝33bに封止材40が乗り上がるが、塀部333により移動を阻止されて、内溝33aに封止材40が流れ込むことはない。このように、モジュール蓋30の外周領域に形成されている封止材孔331の途中まで封止材40が充填される。また、封止材孔331の近傍にある外溝33bは、ここに乗り上がった封止材40で固められて、モジュール蓋30と封止材40が強固に固定される。図6からも明らかなように、外溝33bと封止材孔331は上面から見て、近い位置に形成されていて、封止材40の量が適量であるか、容易に目視確認することができる。
このように、封止材40が適量の場合には、封止材40はモジュール蓋30の最外周領域と封止材孔331の途中の高さまで存在するが、モジュール蓋30の上面30aの塀部333よりも内側には存在していない。
(B)封止材40の注入量が少し多い場合(図9(b)の状態)
封止材40の注入量が少しだけ多く、例えば溝33の底面の高さを僅かに超えるが、塀部333を超えないLの高さの場合を説明する。封止材40の上面は、溝33の底面を超えるため、封止材孔331を経由して、内溝33aの中に溢れて侵入する。また、外部端子孔31の途中まで封止材40が埋められた状態になるが、外部端子孔31内で毛細管現象は生じないため、封止材40がモジュール蓋30の上面30aにまでは到達することはない。封止材40は溝33の高さを超えるため、モジュール蓋30の外溝33bにも、封止材40が乗り上げるが、塀部333でせき止められて内溝33aと外溝33b間で封止材40が移動しない。溝33の底面はモジュール蓋30の上面30aよりも十分低い深さに形成されているため、溝33内に溢れた封止材40は、モジュール蓋30の上面30aに付着することがなく、端子部121が配置される上面30bには影響しない。また、封止材40が少しだけ多い場合には、段差部36の側面を封止材40が這い上がり、少量の封止材40が段差部36上に乗り上げることがあるが、段差部36はモジュール蓋30の上面30aより低い位置に設けられているため、この段差部36に余分な封止材40を留めることができる。このように、封止材40が少しだけ多い場合、余分な封止材40は封止材孔331から溝33内に溢れるため、モジュール筐体20から外側にこぼれることを防止できる。封止材40がモジュール筐体20の壁201の外側にこぼれると、モジュール筐体20の外観を損なうため、不良品となってしまう。しかし、本発明のように、モジュール蓋30に溝33と塀部333を形成することで、半導体モジュール1の品質を損なわないようにできる。ここで、溝33以外のモジュール蓋30とモジュール筐体20との隙間にも、毛細管現象により封止材40が吸いあがるが、段差部36と上面30aには高さの差があるため、封止材40はモジュール蓋30の上面30aまでは到達しない。このように、溝33、塀部333、段差部36を形成しているため、余分な封止材40が半導体モジュール1の品質を損なうことを防止できるため、廃棄品を減らすことができる。つまり、封止材40の注入量が少し多くても良品ができる。
(C)封止材40の注入量が非常に多い場合(図9(c)の状態)
封止材40の注入量が非常に多く、封止材40が塀部333を乗り越える場合には、内溝33aと外溝33bの間を封止材40が移動するのを阻止することができず、モジュール蓋30の上面30aに、封止材40が付着する恐れがある。また、塀部333と同じ高さの最外周領域の段差部36の上に大量の封止材40が乗り上がることになる。すると、モジュール蓋30の上面30aに封止材40が付着する可能性があることから、不良品と判定して除外する。このように、塀部333及び段差部36の両方が封止材40で覆われているか否かを、不良品の判定基準としており、塀部333と段差部36が同じ高さに設定されているので、目視確認が容易で、作業性が良好になる。なお塀部333と段差部36を同じ高さとすることで、モジュール蓋30を成型するための金型の加工高さを揃えることができ、金型が複雑にならない。
(D)封止材40の注入量が非常に少ない場合(図9(d)の状態)
封止材40が封止材孔331に注入されないほど少ない高さLの場合、封止材40が封止材孔331に入っていないことが目視で確認できる。また、外溝33bにも封止材40が乗り上がらず、これも同様に目視で確認できる。このような場合には、モジュール蓋30が強固に固定されていない状態であるので、不良品と一目で判定することができる。
本実施形態においては、モジュール蓋30の上面30aには、平面視でL字形状の溝33が形成されている場合について述べたが、これに限定されるものではなく、平面視で一直線形状の溝が形成されているように構成してもよく、溝33は、モジュール蓋30の外部端子12の端子部121が配置される上面を仕切るものであれば良く、任意の形状の任意の個数の溝33が形成されているように構成してもよい。また、溝33の封止材孔331が形成された部分を、モジュール蓋30の下面30bより下に突出した凸部332にした例を示したが、溝33或いは内溝33a全体を凸部332とし、補強梁37の一部として兼用することもできる。
また、封止材孔331や空気孔34の数は、任意の個数が形成されているように構成してもよい。本実施形態においては、モジュール筐体20の内部に所定量の溶融された封止材40を注入する場合について述べたが、シリコーン樹脂等のゲルと封止材40を併用してもよい。
モジュール蓋30の最外周領域の段差部36の高さを塀部333と同じ場合を例示したが、段差部36の高さを前記塀部333の高さより高くしてもよい。このようにすると、塀部333が封止材40で埋まっても、封止材40の高さがモジュール蓋30の上面30aまではまだ距離があるので良品と判定し、更に封止材40の量が多く段差部36まで封止材40が乗りあげたら、封止材40が非常に多く不良品であると判定するなど、判定基準に段階を設けることができる。
また、段差部36を複数段形成してもよい。この場合、封止材40が少しだけ多い場合には、毛細管現象で1段目の段差部36に封止材40が乗りあげるが、1段目より高い段差部36には毛細管現象が生じないため、封止材がモジュール筐体の上面に付着するのを防止できる。2段目以上の段差部36まで封止材40が乗りあげたら、封止材40が非常に多く不良品だと判定するなど、不良品の判定基準を複数段階に設定することができる。
本発明に係る半導体モジュールは、半導体素子や外部端子が実装された回路基板をモジュールケース内に収容し、モジュールケース内を封止材で封止した半導体モジュールに適用することができる。
1 半導体モジュール
10 ベース板
11 回路基板
12 外部端子
121 端子部
126 突出部
126a 斜辺
14 半導体素子
15 内部端子
20 モジュール筐体
201 壁
201a 内周面
22 梁
23 保持部
231 端子側面対向部
231a 第1傾斜面
232 端子内面対向部
232a 第2傾斜面
233 端子受け部
233a 斜面
234 張出部
234a 第3傾斜面
30 モジュール蓋
30a 上面
30b 下面
31 外部端子孔
32 ゲート端子孔
33 溝
33a 内溝
33b 外溝
331 封止材孔
332 凸部
333 塀部
34 空気孔
35 凹所
351 ナット収容部
352 成型流入部
352a 射出跡
354 ナット抑え部
36 段差部
37 補強梁
40 封止材
50 ナット

Claims (12)

  1. ベース板と、
    前記ベース板上に取り付けられ、上面に複数の外部端子及び半導体素子が実装された回路基板と、
    前記ベース板に取り付けられ、前記回路基板を取り囲む壁からなるモジュール筐体と、
    前記モジュール筐体の上部に取り付けられ、前記外部端子が引き出される複数の外部端子孔が外周領域に形成されたモジュール蓋と、
    前記モジュール筐体の内部に注入されて前記モジュール筐体内部を封止する封止材とを備える半導体モジュールであって、
    前記外部端子の先端の端子部は、前記モジュール蓋の上面に対向するように折り曲げられて配置されており、
    前記モジュール蓋の前記上面には、少なくとも外周領域から最外周領域まで連続する領域に、下面付近まで凹んだ溝が形成されており、
    前記溝に、前記封止材が充填される複数の封止材孔が形成されていることを特徴とする半導体モジュール。
  2. 前記溝には、前記溝の最外周領域の外溝と外周領域より内側の内溝との間に塀部が形成されており、前記封止材孔は、前記内溝に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  3. 前記モジュール蓋の最外周領域の前記溝が形成されていない箇所には、前記上面より低く前記溝より高い位置に段差部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  4. 前記溝には、前記溝の最外周領域の外溝と外周領域より内側の内溝との間に塀部が形成されており、前記封止材孔は、前記内溝に形成されるとともに、
    前記モジュール蓋の最外周領域の前記溝が形成されていない箇所には、前記上面より低く前記溝より高い位置に段差部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  5. 前記段差部の高さは、前記塀部の高さと同じであることを特徴とする請求項4に記載の半導体モジュール。
  6. 前記段差部の高さは、前記塀部の高さより高いことを特徴とする請求項4に記載の半導体モジュール。
  7. 前記段差部には、複数の段差が形成されていることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
  8. 前記溝の前記封止材孔が形成されている部分が、前記モジュール蓋の前記下面よりも下方に突出した凸部であることを特徴とする請求項1〜請求項7に記載の半導体モジュール。
  9. 前記モジュール蓋の下面において前記溝に対応する部分が、前記モジュール蓋の前記下面よりも下方に突出した凸部であることを特徴とする請求項1〜請求項8に記載の半導体モジュール。
  10. 前記溝は、隣り合う前記端子部の間に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
  11. 前記封止材孔は、前記溝の外周領域に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
  12. 前記封止材孔は、前記溝の前記外部端子孔と隣り合う位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
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