JP6437364B2 - 信号処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、光コヒーレンストモグラフィ撮像技術に関するものであり、特にフーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィ撮像における信号処理に関する。
医学や生化学の技術分野では、容器中で培養された細胞や微生物を観察することが行われる。観察対象となる細胞等に影響を与えることなく観察を行う方法として、顕微鏡等を用いて細胞等を撮像する技術が提案されている。このような技術の1つとして、光コヒーレンストモグラフィ技術を利用したものがある。そのうちフーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィ(以下、「FD−OCT」と略称する)と称される技術では、種々の波長成分を含む光を光源から被撮像物に入射させ、被撮像物からの反射光と参照光との間で生じる干渉光を検出する。そして、干渉光のスペクトルをフーリエ変換して、被撮像物の深さ方向の情報を得ている。
FD−OCT技術では、光源のスペクトルがガウス分布と異なる場合、フーリエ変換後のスペクトルに現れるサイドローブが画像ノイズの原因となることが知られている。この問題に関連して、例えば特許文献1、2に記載の技術では、検出されたエンベロープがガウス分布型となるように干渉信号のスペクトルを変換してからフーリエ変換することによって、サイドローブの抑制が図られている。
特開2007−101249号公報 特開2008−175698号公報
他方、画像の深さ方向の高分解能化を図る上では、より広帯域で各波長成分を満遍なく含む光源が求められる。このような光源を用いた場合にはサイドローブの発生が大きくなる。このように、画像の分解能とサイドローブの大きさとはトレードオフの関係にあり、サイドローブを低減させて画像ノイズを抑えつつ、より高い分解能を得るという目的において、上記従来技術には改善の余地が残されている。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、光コヒーレンストモグラフィを用いた撮像技術において、サイドローブに起因する画像ノイズを抑えつつ画像の高分解能化を図ることのできる技術を提供することを目的とする。
この発明の一の態様は、フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィを用いて被撮像物から取得される干渉信号に基づき、前記被撮像物の奥行き方向における反射光強度分布を求める信号処理方法であって、上記目的を達成するため、前記干渉信号から干渉光のスペクトルを示す第1スペクトルデータを取得する工程と、前記第1スペクトルデータに対しスペクトル変換処理を行って第2スペクトルデータを作成する工程と、前記第2スペクトルデータに対しフーリエ変換処理を行って前記反射光強度分布を求める工程とを備え、前記スペクトル変換処理は、前記第1スペクトルデータが前記撮像における光源のスペクトルを示すとき、変換後の前記第2スペクトルデータが所定の基準スペクトル曲線に対応するものとなる変換特性を有する処理であり、前記基準スペクトル曲線は、前記光源のスペクトルに含まれる波長成分の範囲内にピークを有する第1のガウス曲線のうち前記ピークの位置を含む中央波長区間外の部分曲線と、前記第1のガウス曲線とピーク位置が共通でピーク高さが前記第1のガウス曲線よりも低くかつ前記中央波長区間の両端において前記第1のガウス曲線と交わる第2のガウス曲線のうち前記中央波長区間内の部分曲線とを連結した曲線であることを特徴としている。
このように構成された発明では、上記従来技術と同様に、干渉信号のスペクトルに対しスペクトル変換処理を行った上でフーリエ変換を行う。このとき、スペクトルを単一のガウス曲線に合わせるのではなく、2つのガウス曲線の部分を連結した基準スペクトル曲線に合わせるように変換特性が設定される。詳しくは後述するが、このような変換特性に基づきスペクトル変換処理を行うことで、フーリエ変換後のスペクトルに現れるサイドローブを低減し、しかも画像の分解能についても良好に維持することが可能である。
また、この発明の他の態様は、フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィを用いて被撮像物から干渉信号を検出する検出手段と、本発明にかかる信号処理方法を用いて、前記干渉信号から前記被撮像物の奥行き方向における反射光強度分布を求め、その結果に基づき前記被撮像物の画像を作成する画像処理手段とを備える画像処理装置である。
このように構成された発明では、フーリエ変換後のスペクトルにおけるサイドローブが低減されているため画像ノイズが少なく、しかも高い分解能の画像を得ることができる。
上記のように、本発明によれば、光コヒーレンストモグラフィを用いた撮像技術において、サイドローブに起因する画像ノイズを抑えつつ画像の高分解能化を図ることが可能である。
本発明にかかる画像処理装置の一実施形態を示す図である。 この画像処理装置における撮像原理を説明する図である。 この画像処理装置の動作を示すフローチャートである。 干渉光から反射光強度分布を求めるプロセスの概念を示す図である。 スペクトル変換処理における変換特性の求め方の基本原理を示す図である。 変換特性を決定するための処理を示すフローチャートである。 基準スペクトル曲線を決定する方法を説明する図である。 基準スペクトル曲線のフーリエ変換結果の例を示す図である。 パラメータの設定と性能との関係を示す図である。 最適化された基準スペクトル曲線のフーリエ変換結果を示す図である。 被撮像物を撮像して得られるスペクトルを例示する図である。
図1は本発明にかかる画像処理装置の一実施形態を示す図である。この画像処理装置1は、液体(例えば培養液)中で培養されたスフェロイド(細胞集塊)を断層撮像し、得られた断層画像を画像処理して、スフェロイドの立体像を作成する。以下の各図における方向を統一的に示すために、図1に示すようにXYZ直交座標軸を設定する。ここでXY平面が水平面、Z軸が鉛直軸を表す。より詳しくは、(+Z)方向が鉛直上向き方向を表している。
画像処理装置1は、板状部材の上面に液体を担持可能な窪部(ウェル)Wが多数形成されたウェルプレート(マイクロプレートとも称される)WPを、ウェルWの開口面を上向きにして略水平姿勢に保持する保持部10を備えている。ウェルプレートWPの各ウェルWには予め適宜の培養液が所定量注入されており、液中ではウェルWの底面WbにスフェロイドSpが培養されている。図1では一部のウェルWにのみスフェロイドSpが記載されているが、各ウェルWでスフェロイドSpが培養される。
保持部10により保持されたウェルプレートWPの下方に、撮像ユニット20が配置される。撮像ユニット20は、被撮像物の断層画像を非接触、非破壊(非侵襲)で撮像することが可能な光干渉断層撮像(Optical Coherence Tomography;OCT)装置が用いられる。詳しくは後述するが、OCT装置である撮像ユニット20は、被撮像物への照明光を発生する光源21と、光源21からの光を分割するビームスプリッタ22と、対物レンズ23と、参照ミラー24と、分光器25と、光検出器26と、これらを一体的に保持・収容する筐体27とを備えている。
また、画像処理装置1はさらに、装置の動作を制御する制御ユニット30と、撮像ユニット20の可動部を駆動する走査駆動機構40とを備えている。制御ユニット30は、CPU(Central Processing Unit)31、A/Dコンバータ32、信号処理部33、3D復元部34、インターフェース(IF)部35、画像メモリ36およびメモリ37を備えている。
CPU31は、所定の制御プログラムを実行することで装置全体の動作を司り、CPU31が実行する制御プログラムや処理中に生成したデータはメモリ37に保存される。A/Dコンバータ32は、撮像ユニット20の光検出器26から受光光量に応じて出力される信号をデジタルデータに変換する。信号処理部33は、A/Dコンバータ32から出力されるデジタルデータに基づき後述する信号処理を行って、被撮像物の断層画像を作成する。3D復元部34は、撮像された複数の断層画像の画像データに基づいて、撮像された細胞集塊の立体像(3D像)を作成する機能を有する。信号処理部33により作成された断層画像の画像データおよび3D復元部34により作成された立体像の画像データは、画像メモリ36により適宜記憶保存される。
インターフェース部35は画像処理装置1と外部との通信を担う。具体的には、インターフェース部35は、外部機器と通信を行うための通信機能と、ユーザからの操作入力を受け付けたり各種の情報をユーザに報知するためのユーザインターフェース機能とを有する。この目的のために、インターフェース部35には、装置の機能選択や動作条件設定などに関する操作入力を受け付け可能な例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどの入力デバイス351と、信号処理部33により作成された断層画像や3D復元部34により作成された立体像など各種の処理結果を表示する例えば液晶ディスプレイからなる表示部352とが接続されている。
また、CPU31は走査駆動機構40に制御指令を与え、これに応じて走査駆動機構40は撮像ユニット20に所定の走査移動を行わせる。次に説明するように、走査駆動機構40により実行される撮像ユニット20の走査移動と、光検出器26による受光光量の検出との組み合わせにより、被撮像物である細胞集塊の断層画像が取得される。
図2はこの画像処理装置における撮像原理を説明する図である。より具体的には、図2(a)は撮像ユニット20における光路を示す図であり、図2(b)はスフェロイドの断層撮像の様子を模式的に示す図である。なお、原理を理解しやすくするために、図2では、撮像ユニット20の各構成のうち筐体27および撮像光学系における一般的な対物レンズと同等である対物レンズ23の記載を省いている。前記したように、撮像ユニット20は光干渉断層撮像(OCT)装置として機能するものである。
撮像ユニット20では、例えば発光ダイオードまたはスーパールミネッセントダイオード(SLD)などの発光素子を有する光源21から、広帯域の波長成分を含む低コヒーレンス光ビームL1が出射される。光ビームL1はビームスプリッタ22に入射し、破線矢印で示すように一部の光L2がウェルWに向かい、一点鎖線矢印で示すように一部の光L3が参照ミラー24に向かう。
ウェルWに向かった光L2は、ウェルWに担持された培養液内のスフェロイドSpに入射し、スフェロイドSpにより反射される。スフェロイドSpが光L2に対する透過性を有するものでなければ光L2はスフェロイドSpの表面で反射される。一方、スフェロイドSpが光L2に対してある程度の透過性を有するものである場合、光L2はスフェロイドSp内まで進入してその内部の構造物により反射される。光L2として例えば近赤外線を用いることで、入射光をスフェロイドSp内部まで到達させることが可能である。
スフェロイドSpの表面もしくは内部の反射面で反射された反射光L4と、参照ミラー24で反射された参照光L5とは、ビームスプリッタ22を介して光検出器26に入射する。このとき、反射光L4と参照光L5との間で位相差に起因する干渉が生じるが、干渉光の強度が最大となる反射面の深さは波長ごとに異なる。つまり、波長ごとの干渉光の強度は被撮像物の深さ方向の情報を有している。したがって、干渉光を波長ごとに分光して光量を検出し、検出された干渉信号をフーリエ変換することにより、被撮像物の深さ方向における反射光強度分布を求めることができる。このような原理に基づくOCT撮像技術は、フーリエドメイン(Fourier Domain)OCT(FD−OCT)と称される。
この実施形態の撮像ユニット20は、ビームスプリッタ22から光検出器26に至る干渉光の光路上に分光器25が設けられている。分光器25としては、例えばプリズムを利用したもの、回折格子を利用したもの等を用いることができる。干渉光は波長成分ごとに分光されて光検出器26に受光される。
光検出器26が干渉光を検出することで得られる干渉信号をフーリエ変換することで、スフェロイドSpのうち、光ビームL2の入射位置における深さ方向、つまりZ方向の反射光強度分布が求められる。ウェルWに入射する光ビームL2をX方向に走査することで、XZ平面と平行な平面における反射光強度分布が求められ、その結果から当該平面を断面とするスフェロイドSpの断層画像を作成することができる。
図2(a)に点線矢印で示すように、ウェルWに対する撮像ユニット20の相対位置をY方向に多段階に変更しながら、その都度断層画像の撮像を行うことで、図2(b)に示すように、スフェロイドSpをXZ平面と平行な断面で断層撮像した多数の断層画像Itを得ることができる。Y方向の走査ピッチを小さくすれば、スフェロイドSpの立体構造を把握するのに十分な分解能の画像データを得ることができる。撮像ユニット20における上記各部の走査移動は、CPU31から制御指令を受けた走査駆動機構40の作動によって実現される。
なお、上記では、撮像ユニット20がビームスプリッタ22を用いて被撮像物からの反射光と参照ミラー24からの参照光との干渉を生じさせるものとして説明している。しかしながら、OCT装置としてはこれ以外にも、光ファイバカプラを用いて反射光と参照光との干渉を生じさせるものがあり、本実施形態でもこのようなタイプのOCT装置を適用することが可能である。
図3はこの画像処理装置の動作を示すフローチャートである。最初に、撮像すべきスフェロイドSpが培養液とともに担持されたウェルプレートWPが、ユーザまたは搬送ロボットにより保持部10にセットされる(ステップS101)。CPU31は、撮像ユニット20および走査駆動機構40を制御して、被撮像物であるウェルW内のスフェロイドSpの断層撮像を行う。
より詳しくは、光ビームL2を走査することでウェルWに対する入射位置をX方向に変化させ、各位置における干渉光を光検出器26により検出して、XZ平面に平行な断面における干渉信号を取得する(ステップS102)。デジタルデータ化された干渉信号はメモリ37に記憶保存される。走査駆動機構40によりウェルWに対する撮像ユニット20の相対位置をY方向に所定ピッチで変更しながら(ステップS103)、ウェルW全体に対する撮像が終了するまで(ステップS104)、上記処理が繰り返される。
こうしてウェルWの各位置において取得された干渉信号に基づき、信号処理部33がそれぞれの位置における深さ方向の反射光強度分布を算出する(ステップS105)。そして、信号処理部33は、X方向の各位置における反射光強度分布から、XZ平面に平行な1つの断面におけるウェルW内の断層画像を表す断層画像データを作成する(ステップS106)。Y方向の各位置において同様に断層画像データが作成される。作成された断層画像データは画像メモリ36に記憶保存される。
こうして得られた断層画像データに基づき、3D復元部34が、スフェロイドSpの立体像に対応する3D画像データを作成する(ステップS107)。具体的には例えば、Y方向に離散的に取得された断層画像データをY方向に補間することにより、3D画像データを求めることが可能である。断層画像データから3D画像データを作成する技術は既に実用化されているので詳しい説明を省略する。
次に、信号処理部33による信号処理についてより詳しく説明する。上記のように、信号処理部33は被撮像物の各位置から取得された干渉信号に基づき断層画像データを作成する処理機能を有する。この処理は、干渉信号から各位置の反射光強度分布を求めるプロセス(ステップS105)と、反射光強度分布から断層画像データを求めるプロセス(ステップS106)とを含む。このうち後半部分の反射光強度分布から断層画像データを求めるプロセスについては、FD−OCTにおける周知の技術を適用することができるので説明を省略する。
図4は干渉光から反射光強度分布を求めるプロセスの概念を示す図である。被撮像物(スフェロイドSp)からの反射光L4と参照ミラー24からの参照光L5との干渉光は、分光器25により波長成分ごとに分解されて光検出器26に受光される。光検出器26から出力される干渉信号は、波長ごとの干渉光強度、つまり干渉光のスペクトルを示すものである。干渉信号がA/Dコンバータ32によりデジタル化されてなるデータを、ここでは「第1スペクトルデータ」と称する。
信号処理部33では、スペクトル変換処理部331により第1スペクトルデータが第2スペクトルデータに変換される(スペクトル変換処理)。そして、第2スペクトルデータがフーリエ変換処理部332によりフーリエ変換されて、反射光強度分布データが作成される。フーリエ変換処理部332における処理としては、周知の高速フーリエ変換アルゴリズムを適用することが可能である。
スペクトル変換処理は、第1スペクトルデータに基づき、第1スペクトルデータにより表されるスペクトルとは異なるスペクトルを表す第2スペクトルデータを作成する処理である。第1スペクトルデータにより表されるスペクトルを波長の関数S1(λ)と表すとすると、第2スペクトルデータにより表されるスペクトルS2(λ)は次式:
S2(λ)=M(λ)・S1(λ) … (式1)
により表すことができる。関数M(λ)はスペクトル変換処理における変換特性を表している。
図5はスペクトル変換処理における変換特性の求め方の基本原理を示す図である。図5(a)に示すように、光源21から出射された光が元のスペクトルを維持したまま分光器25を介して光検出器26に入射する場合を考える。例えば、光源21からの光が直接分光器25に入射する、あるいは、被撮像物からの反射光がなく参照光のみが分光器25に入射する状態がこれに相当する。このときA/Dコンバータ32から出力されるデータ、すなわち第1スペクトルデータは、光源の持つスペクトルに対応したものとなる。
なお、この場合の第1スペクトルデータには分光器25および光検出器26を含む受光部の分光感度特性が反映されるため、第1スペクトルデータが表すスペクトルが光源のスペクトルと完全に一致するとは限らない。しかしながら、干渉光を検出する際にも同じ分光感度特性の影響を受けるので、このときの第1スペクトルデータは実質的に光源のスペクトルを表しているということができる。すなわち、以下において「光源のスペクトル」というとき、特に断りのない限り、光源21が発する光のスペクトル自体ではなく、分光器25および光検出器26を通して検出される光源のスペクトルを意味するものとする。「干渉光のスペクトル」についても同様とする。
FD−OCT撮像においては、種々の波長成分を含む広帯域の光源が用いられる。すなわち、図5(b)に例示するように、光源21のスペクトルI(λ)は広い波長範囲の広がりを有している。広帯域であるほど深さ方向の分解能が高くなるので、種々の波長成分を均等に含む光、例えば分光スペクトルが矩形となるような光が望ましい。実際の光源21では、発光波長の異なる複数の発光素子を組み合わせることで、図5(b)に示すような山谷のあるスペクトル形状となっている。
このようなスペクトルに対応するデータ(第1スペクトルデータ)をフーリエ変換すると、変換後のデータ(第2スペクトルデータ)に大きなサイドローブが生じ、画像ノイズの原因となる。このため、検出された光のスペクトルをガウス分布型にスペクトル変換してからフーリエ変換することが行われている。しかしながら、例えば光源のスペクトルが中心波長λ、半値全幅Δλを有するガウス曲線に従うとき、深さ方向の分解能Rは次式:
R=0.44λ /Δλ … (式2)
で表され、分解能は適用するガウス曲線の半値幅により制限される。このように、単純なガウス型スペクトルへの変換では、分解能とサイドローブの大きさとがトレードオフの関係にある。
この問題に関し、本願発明者は、光源のスペクトルが、単純なガウス曲線ではなく2つの異なるガウス曲線を組み合わせた曲線に変換されるような変換特性を有するスペクトル変換処理を行うことにより、サイドローブを抑えつつ分解能の優れたOCT画像データを得られることを見出した。
具体的には、図5(c)に示すように、中心波長λが共通でピーク高さが異なり、かつピーク位置以外で互いに交わる2つのガウス曲線、すなわち第1のガウス曲線G1および第2のガウス曲線G2を考える。そして、中心波長λを含み2つのガウス曲線G1,G2の低波長側交点に対応する波長λから高波長側交点に対応する波長λまでの中央波長区間Rcについてはピーク高さが低い方のガウス曲線G2を、その両側の区間Re1,Re2についてはピークが高い方のガウス曲線G1を採用し、これらの部分曲線を連結した曲線(図5(c)に実線で示す曲線)を基準スペクトル曲線SSとする。
図5(a)に示すように、光源のスペクトルに対応する第1スペクトルデータが入力データI(λ)としてスペクトル変換処理部331に与えられたときの出力データO(λ)が基準スペクトル曲線SSを示すものとなるように、スペクトル変換処理部331の変換特性M(λ)が設定される。すなわち次式:
M(λ)=O(λ)/I(λ) … (式3)
より、変換特性が決定される。
以上より、スペクトル変換処理部331の変換特性M(λ)については、
(1)光源のスペクトルの取得、
(2)ガウス曲線G1,G2の決定(基準スペクトル曲線SSの特定)、
(3)光源のスペクトルに対応する第1スペクトルデータI(λ)と基準スペクトル曲線SSに対応する第2スペクトルデータO(λ)とに基づく変換特性M(λ)の特定、
という手順で決定される。
図6は変換特性を決定するための処理を示すフローチャートである。また、図7は基準スペクトル曲線を決定する方法を説明する図である。この処理は、光源21のスペクトル特性に変化があったときに実行されるものであり、例えば装置の出荷時や光源21が交換された後等に実行されて、変換特性M(λ)が設定される。装置の起動時や撮像の度等に実行される必要はない。
最初に光源のスペクトルが取得される(ステップS201)。前述したように、被撮像物からの反射光がない状態で光検出器26が受光した光が光源に対応するスペクトルを有しており、このときにA/Dコンバータ32から出力される第1スペクトルデータが光源のスペクトルを表す。
次に、光源のスペクトルにおけるスペクトル強度に対し第1の閾値が適宜に設定される(ステップS202)。図7(a)に示すように、波長の関数I(λ)として表される光源のスペクトルに対応する第1スペクトルデータに対し、第1の閾値Th1が設定される。第1の閾値Th1は光源のスペクトルと後に設定される第1のガウス関数G1との交点におけるスペクトル強度に対応しており、光源のスペクトルのうち以降の演算に有効に利用される帯域を定めるパラメータである。第1の閾値Th1を小さくするとフーリエ変換後に現れるサイドローブを小さくすることができる。
光源のスペクトルにおけるピーク値(最大スペクトル強度)Imaxに対して1%程度の値に閾値Th1を設定することにより、サイドローブによって生じる画像ノイズを実用上問題のないレベルに抑えられることが実験的にわかっている。ここでは、第1の閾値Th1を光源のスペクトルにおける最大スペクトル強度Imaxの1%とするが、目的に応じ適宜変更されてもよい。
第1の閾値Th1に基づき、第1のガウス曲線G1が特定される(ステップS203)。具体的には、光源のスペクトルに対応する関数I(λ)の値が第1の閾値Th1となる波長の値が、低波長側(λa)および長波長側(λb)の双方で特定される。そして、これら2つの波長における値が第1の閾値Th1と等しく、これら2つの波長の平均値(λb−λa)/2を中心波長λとし、ピーク高さが最大スペクトル強度Imaxと同じであるガウス曲線が、第1のガウス曲線G1とされる。
次に、中央波長区間の広さが適宜に設定される(ステップS204)。また、スペクトル強度に対して第2の閾値Th2が適宜に設定される(ステップS205)。これらの順序は逆でもよい。
中央波長区間は、基準スペクトル曲線SSを作成するのに際して第1のガウス曲線G1と第2のガウス曲線G2とをどの波長で連結するかを決めるパラメータである。後述するように、中央波長区間が広ければ分解能の値は単調に減少する(分解能としては向上する)が、サイドローブの大きさはより複雑な変化を示す。この実施形態では、中央波長区間の広さ等の各パラメータの組み合わせを種々に変更してシミュレーションを行うことで最適条件が見出される。
また、第2の閾値Th2は、第2のガウス曲線G2を決めるためのパラメータであり、特にその半値幅の大きさに影響するパラメータである。第2の閾値Th2が大きいほど第2のガウス曲線G2の半値幅は大きくなる。第1のガウス曲線G1よりもピーク高さが低く、かつ第1のガウス曲線G1と交わるという要請から、第2のガウス曲線は第1のガウス曲線G1よりも広い半値幅を有し、このために第2の閾値Th2は第1の閾値Th1よりも大きな値に設定される必要がある。
図7(b)に示すように、中心波長λに対し短波長側および長波長側で対称となるように中央波長区間Rcが適宜に定められる。中央波長区間Rcの両端部のうち短波長側および長波長側の波長をそれぞれ符号λ、λにより表す。後の処理のために、光源のスペクトルの強度が第1の閾値Th1となる波長λa、λbにより規定される波長区間を有効波長区間Raとし、有効波長区間Raの広さに対する中央波長区間Rcの広さの比、すなわち次式:
Rb=(λ−λ)/(λb−λa) … (式4)
で表される値Rbを、「帯域レート」と称する。また、第1の閾値Th1よりも大きな第2の閾値Th2が適宜に設定される。
次に、第2のガウス曲線G2が特定される(ステップS206)。図7(c)に示すように、第2のガウス曲線G2は、中心波長λが第1のガウス曲線G1と共通で、中央波長区間Rcの両端の波長λ、λにおいて第1のガウス曲線G1と交わり、有効波長区間Rtの両端の波長λa、λbにおける値が第2の閾値Th2となるガウス曲線である。この条件を満たすガウス曲線が一意に特定され、第2のガウス曲線G2とされる。
こうして特定された第1および第2のガウス曲線G1,G2からさらに、基準スペクトル曲線SSが特定される(ステップS207)。具体的には、図7(c)に示すように、第2のガウス曲線G2のうち中央波長区間Rc内の部分曲線と、第1のガウス曲線G1のうち中央波長区間Rc以外の部分曲線とが連結されてなる曲線が、基準スペクトル曲線SSとなる。そして、光源のスペクトルと基準スペクトルSSとに基づき、スペクトル変換処理部331の変換特性M(λ)が仮決定される(ステップS208)。すなわち、光源のスペクトルに対応する関数I(λ)と、基準スペクトル曲線SSに対応する関数O(λ)とに基づき、(式3)より変換特性M(λ)が求められる。
次に、こうして特定された変換特性M(λ)の妥当性が評価される(ステップS209)。すなわち、基準スペクトル曲線SSで表されるスペクトルがフーリエ変換されたときのサイドローブの大きさおよび分解能が、数値シミュレーションにより求められる。
図8は基準スペクトル曲線のフーリエ変換結果の例を示す図である。第1の閾値Th1、第2の閾値Th2および中央波長区間Rcの広さの各パラメータにより特定される基準スペクトル曲線SSを表す関数O(λ)をフーリエ変換する。これらのパラメータの組み合わせによってフーリエ変換後のスペクトルの形状は変化する。一般的には、図8(a)に示すように主ピークPmの半値全幅Δλが小さくなるケースではサイドローブが大きくなる一方、図8(b)に示すようにサイドローブが小さくなるケースでは主ピークPmの半値全幅Δλが大きくなる傾向がある。
OCT撮像における深さ方向の分解能を向上させるためには主ピークの半値全幅Δλが小さいことが望ましく、画像ノイズを低減するためにはサイドローブが小さいことが望ましい。シミュレーションでは、基準スペクトル曲線SSのフーリエ変換結果から得られる主ピークPmの半値全幅Δλから分解能が見積もられる。また、サイドローブのうち最もピーク値が大きく画像ノイズの主要因となるのは、主ピークPmの両脇に生じる第2ピークPsである。そこで、画像の劣化度合いを指標する値として、第2ピークPsの高さが用いられる。第2ピークPsの高さについては主ピークPmの高さで正規化されることが望ましい。このように、分解能および第2ピークの大きさが、当該OCT撮像装置の画像品質における性能を表す指標となる。
パラメータの組み合わせを種々に変更して、分解能および第2ピークの大きさが要求される性能仕様を満たす組み合わせが探索される。パラメータのうち第1の閾値Th1については、光源の波長範囲を有効に利用するとの観点から、事実上は規定値(例えば最大スペクトル強度Imaxの1%)に固定されていることが好ましい。したがって、主として第2の閾値Th2および中央波長区間Rcの設定が順次変更され、設定ごとに性能(分解能および第2ピーク高さ)が評価される。
図6に示すように、ステップS204からのまたはステップS205からの処理がループ処理として繰り返されることで、パラメータの組み合わせが種々に変更されて分解能と第2ピーク高さとが算出される。必要に応じてステップS202に戻り、第1の閾値Th1が変更されてもよい。必要な組み合わせについて処理が終了すると(ステップS210)、それらの組み合わせの中から、要求仕様を満たす性能が得られる組み合わせが最適条件として選出される(ステップS211)。なおステップS210では要求仕様が満たされたときに処理が終了するようにしてもよい。
図9はパラメータの設定と性能との関係を示す図である。なお、図では中央波長区間Rcの広さを(式4)で表される帯域レートRbにより定量的に表している。図9(a)はパラメータ設定値と分解能との関係を示しており、分解能は長さの次元で表されるため、値が小さいほど分解能は高くなる。同図に示すように、帯域レートRbが広いほど分解能は高く(グラフ縦軸において0に近く)なり、また第2の閾値Th2が大きいほど分解能は高くなる。
一方、図9(b)はパラメータ設定値と第2ピーク高さとの関係を示している。帯域レートRbの増加に対して、第2ピーク高さは増加した後減少に転じ、ある帯域レートRbの値で急激に低下した後緩やかに増加する。第2の閾値Th2が大きいほど第2ピーク高さは大きくなる。
帯域レートRbに対し第2ピーク高さが急激に変化する特異点Q1〜Q4が見られるが、これは、帯域レートRbの増加につれて主ピークPmの半値全幅Δλが小さくなり、これに伴ってサイドローブの周期も小さくなるため、第2ピークPsが主ピークPmの裾とほぼ重なって分離できなくなることに起因すると考えられる。すなわち、このとき主ピークPmの両脇に認識されるピークは、第2ピークの外側に現れる第3ピークであると考えられ、本来の第2ピークの高さよりもピーク値が小さくなる。
図9(a)および図9(b)より、この特異点Q1〜Q4は、分解能および第2ピーク高さの両方において好ましい性能を示す帯域レートRbの値の一例を示していると考えられる。そこで、このような特異点に対応し、しかも性能が要求仕様を満たす条件を最適条件とする。
図9(c)に示すように、特異点Q1〜Q4における第2ピーク高さと、それに対応する帯域レートRbの値および第2の閾値Th2との関係をプロットすると、特異点における第2ピーク高さと帯域レートRbの値との間、および、特異点における第2ピーク高さと第2の閾値Th2との間にはそれぞれ線形の関係がある。第2ピーク高さは小さいほどよいが、図9(c)に示す関係から、特異点における第2ピーク高さを小さくしようとすると帯域レートRbおよび第2の閾値Th2も小さくなり、図9(a)に示すように、分解能の点では不利となる。
例えば、特異点における第2ピーク高さを要求仕様で規定される最大許容値以下に抑え、かつその範囲で実現可能な最高の分解能を得るという目的のためには、図9(c)に示すように、要求仕様における第2ピーク高さの許容値Preqに対応する帯域レートRbおよび第2の閾値Th2を最適条件とすることができる。第2ピーク高さをより低減する必要がある場合には、図9(c)において許容値Preqの位置よりも左側の第2ピーク高さに対応する帯域レートRbおよび第2の閾値Th2の組み合わせで、分解能が要求仕様を満たすようなものを選択すればよい。このようにして、スペクトル変換処理部331における変換特性M(λ)を最適化することができる。
図10は最適化された基準スペクトル曲線のフーリエ変換結果を示す図である。比較のため、基準スペクトル曲線を単純なガウス曲線とした場合のフーリエ変換結果を点線で示している。基準スペクトル曲線がほぼガウス曲線であるとき、サイドローブは極めて小さくなるが、主ピークの半値全幅は比較的広く、これにより深さ方向の分解能が制限される。これに対して、上記のように最適化された基準スペクトル曲線SSをフーリエ変換した場合には、実線で示すように、主ピークの幅がより狭くなっており、分解能が改善されている。サイドローブについては、点線で示される場合よりも増加しているが、スペクトル変換処理前の第1スペクトルデータS1を直接フーリエ変換する場合と比較すれば大きく改善されている。したがって、分解能および画像ノイズの両面において、性能の向上が見込める。
図11は被撮像物を撮像して得られるスペクトルを例示する図である。任意の被撮像物を撮像することにより、当該被撮像物に対応する第1スペクトルデータS1(λ)が得られる。これに対し、上記のように最適化された変換特性M(λ)および(式1)に基づきスペクトル変換処理が実行される。これにより、第1スペクトルデータS1(λ)とは異なるスペクトル形状を示す第2スペクトルデータS2(λ)が得られる。単純な例として、被撮像物が分光反射率の均一な単一の反射面を有するものであるとき、図11(a)に示すように、変換後の第2スペクトルデータS2(λ)は基準スペクトル曲線SSを包絡線とするスペクトル形状となる。しかしながら、より一般的な被撮像物は多層の反射面を含むため、第2スペクトルデータS2(λ)は、各層から得られる干渉光がそれぞれ有するスペクトルが重畳されたスペクトル形状を示すことになる。
こうして得られた第2スペクトルデータをフーリエ変換することで、被撮像物の深さ方向における反射光強度分布が求められる。図11(b)に示すように、フーリエ変換の結果、被撮像物が有する反射面の深さに対応して1つまたは複数の主ピークが生じるが、最適化されたスペクトル変換処理を適用することで、各主ピークのサイドローブを小さく、またピーク幅を小さくすることができる。このため、画像ノイズを抑えつつ、従来技術よりも高い分解能を得ることができる。
以上説明したように、この実施形態の画像処理装置1においては、撮像ユニット20が本発明の「検出手段」として機能する一方、制御ユニット30、特にCPU31および信号処理部33が本発明の「画像処理手段」として機能している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、FD−OCT撮像装置としての画像処理装置1に設けられた制御ユニット30が、光源のスペクトルからスペクトル変換処理における変換特性M(λ)を最適化する機能と、最適化された変換特性M(λ)を用いて被撮像物の画像を作成する機能とを兼備しているが、変換特性M(λ)を最適化する機能は撮像装置とは別体の処理装置により実行されてもよい。すなわち、撮像装置とは別に用意された処理装置によって最適化された変換特性M(λ)が画像処理装置1の制御ユニット30に与えられて、画像処理装置1が被撮像物を撮像する構成であってもよい。
また、上記実施形態の制御ユニット30としては、パーソナルコンピュータやワークステーション等の一般的な構成の汎用処理装置を用いることも可能である。すなわち、撮像ユニット20、走査駆動機構40およびこれらの動作させるための最小限の制御機能を有する撮像装置と、上記処理内容を記述した制御プログラムを実行することで制御ユニット30として機能するパーソナルコンピュータ等との組み合わせにより、画像処理装置1が構成されてもよい。
また例えば、上記実施形態の制御ユニット30では、CPU31、信号処理部33および3D復元部34がそれぞれ個別の機能ブロックとなっているが、例えば信号処理部33および3D復元部34が一体のGPU(Graphic Processing Unit)により構成されてもよく、またこれらの機能が単体のCPUにより実現される構成であってもよい。
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、この発明においては、第1のガウス曲線は、ピーク位置よりも短波長側および長波長側のそれぞれで光源のスペクトル分布曲線において光強度が所定の閾値となる点を通るものとすることができる。また、第1のガウス曲線のピーク高さが、光源のスペクトルにおけるピーク高さと等しくなるように設定されてもよい。
また、第1のガウス曲線のピーク波長と中央波長区間の短波長側の端に対応する波長との差が、中央波長区間の長波長側の端に対応する波長と第1のガウス曲線のピーク波長との差に等しくなるように構成されてもよい。また、変換特性は、第1スペクトルデータにおける波長を変数とする関数として規定されてもよい。
また、この発明では、光源のスペクトルを取得し、そのスペクトル分布曲線における光強度に対して第1の閾値を設定し、ピーク位置よりも短波長側および長波長側のそれぞれで光源のスペクトル分布曲線において光強度が第1の閾値となる点を通るガウス曲線を第1のガウス曲線として特定し、中央波長区間の広さと、第1の閾値より大きい第2の閾値とを設定し、第1のガウス曲線における光強度の値が第1の閾値となる波長における光強度の値が第2の閾値となり、かつ中央波長区間の短波長側および長波長側のそれぞれで第1のガウス曲線と交わるガウス曲線を第2のガウス曲線として特定し、特定された第1のガウス曲線および第2のガウス曲線から変換特性を決定するように構成されてもよい。
この場合、第1の閾値が、光源のスペクトルにおけるピーク高さに応じて設定されることが好ましい。また、中央波長区間の広さ、第1の閾値および第2の閾値の組み合わせを複数段階に変更設定し、設定ごとに変換特性を仮決定して特定されるスペクトルに対しフーリエ変換処理を行い、得られるスペクトルにおけるサイドローブの高さが所定の許容値以下となる設定における中央波長区間の広さ、第1の閾値および第2の閾値の組み合わせに基づき、変換特性を決定することができる。
この発明は、FD−OCT撮像技術全般に適用することができる。特に、ウェルプレート等の容器中で培養された細胞や細胞集塊を撮像する医学・生化学・創薬の分野において好適に適用することができる。
1 画像処理装置
20 撮像ユニット(検出手段)
21 光源
25 分光器
26 光検出器
30 制御ユニット(画像処理手段)
31 CPU
33 信号処理部
G1 第1のガウス曲線
G2 第2のガウス曲線
S1(λ) 第1スペクトルデータ
S2(λ) 第2スペクトルデータ

Claims (9)

  1. フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィを用いて被撮像物から取得される干渉信号に基づき、前記被撮像物の奥行き方向における反射光強度分布を求める信号処理方法であって、
    前記干渉信号から干渉光のスペクトルを示す第1スペクトルデータを取得する工程と、
    前記第1スペクトルデータに対しスペクトル変換処理を行って第2スペクトルデータを作成する工程と、
    前記第2スペクトルデータに対しフーリエ変換処理を行って前記反射光強度分布を求める工程と
    を備え、
    前記スペクトル変換処理は、前記第1スペクトルデータが前記撮像における光源のスペクトルを示すとき、変換後の前記第2スペクトルデータが所定の基準スペクトル曲線に対応するものとなる変換特性を有する処理であり、
    前記基準スペクトル曲線は、前記光源のスペクトルに含まれる波長成分の範囲内にピークを有する第1のガウス曲線のうち前記ピークの位置を含む中央波長区間外の部分曲線と、前記第1のガウス曲線とピーク位置が共通でピーク高さが前記第1のガウス曲線よりも低く、かつ前記中央波長区間の両端において前記第1のガウス曲線と交わる第2のガウス曲線のうち、前記中央波長区間内の部分曲線とを連結した曲線である信号処理方法。
  2. 前記第1のガウス曲線は、ピーク位置よりも短波長側および長波長側のそれぞれで、前記光源のスペクトル分布曲線において光強度が所定の閾値となる点を通る請求項1に記載の信号処理方法。
  3. 前記第1のガウス曲線のピーク高さが、前記光源のスペクトルにおけるピーク高さと等しい請求項1または2に記載の信号処理方法。
  4. 前記第1のガウス曲線のピーク波長と前記中央波長区間の短波長側の端に対応する波長との差が、前記中央波長区間の長波長側の端に対応する波長と前記第1のガウス曲線のピーク波長との差に等しい請求項1ないし3のいずれかに記載の信号処理方法。
  5. 前記変換特性は、前記第1スペクトルデータにおける波長を変数とする関数として規定される請求項1ないし4のいずれかに記載の信号処理方法。
  6. 前記光源のスペクトルを取得し、そのスペクトル分布曲線における光強度に対して第1の閾値を設定し、ピーク位置よりも短波長側および長波長側のそれぞれで前記光源のスペクトル分布曲線において光強度が前記第1の閾値となる点を通るガウス曲線を前記第1のガウス曲線として特定し、
    前記中央波長区間の広さと、前記第1の閾値より大きい第2の閾値とを設定し、前記第1のガウス曲線における光強度の値が前記第1の閾値となる波長における光強度の値が前記第2の閾値となり、かつ前記中央波長区間の短波長側および長波長側のそれぞれで前記第1のガウス曲線と交わるガウス曲線を前記第2のガウス曲線として特定し、
    特定された前記第1のガウス曲線および前記第2のガウス曲線から前記変換特性を決定する請求項1に記載の信号処理方法。
  7. 前記第1の閾値が、前記光源のスペクトルにおけるピーク高さに応じて設定される請求項6に記載の信号処理方法。
  8. 前記中央波長区間の広さ、前記第1の閾値および前記第2の閾値の組み合わせを複数段階に変更設定し、設定ごとに前記変換特性を仮決定して特定される前記スペクトルに対し前記フーリエ変換処理を行い、得られるスペクトルにおけるサイドローブの高さが所定の許容値以下となる設定における前記中央波長区間の広さ、前記第1の閾値および前記第2の閾値の組み合わせに基づき前記変換特性を決定する請求項6または7に記載の信号処理方法。
  9. フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィを用いて被撮像物から干渉信号を検出する検出手段と、
    請求項1ないし8のいずれかに記載の信号処理方法を用いて、前記干渉信号から前記被撮像物の奥行き方向における反射光強度分布を求め、その結果に基づき前記被撮像物の画像を作成する画像処理手段と
    を備える画像処理装置。
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