JP6437311B2 - ビス−トリス緩衝液を用いたタンパク質の精製方法 - Google Patents

ビス−トリス緩衝液を用いたタンパク質の精製方法 Download PDF

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Description

本発明は、4種の緩衝液を使用する、タンパク質、特にモノクローナル抗体の小規模および大規模精製のための2段階クロマトグラフィー法に関する。
抗体の精製は、生物生産の最も費用のかかる局面の一つであり得る。モノクローナル抗体(mAb)は、一般的に、各段階において特定の緩衝系を用いて、3段階で、3種の樹脂のクロマトグラフィー法を用いて精製される。この通常の精製法は、回収ステップ、次いでのイオン交換ステップを包含し、仕上げ(polishing)ステップで完結し、通常3から5作業日(貯蔵およびオープンフェーズを含めて。)を必要とする。ますます増大した細胞培養力価(cell culture titer)およびより大きな細胞培養液量が、生産のために使用されてきているため、下流処理は、工業上のボトルネックと考えられている。これは、とりわけ、モノクローナル抗体生産に関連しており、ここで、焦点は、バッチ量から離れ、下流処理能力の方に移っている。さらに、前臨床および臨床相研究は、より迅速に生産し得る、より大量の抗体を必要とする。
従って、抗体精製のために使用されるステップの数の低減、およびバッチを得るために要する時間の低減の、両方のニーズが業界に存在する。
(発明の要旨)
本発明者らは、抗体を精製するための新しい方法を見いだしており、前記方法は、卓越した純度を有する高収量の精製された抗体を得ることを可能にしつつ、限られた数のステップを含む。従って、精製されたタンパク質は、医学的応用に適する。従って、上記方法は、臨床試験のため、および/またはタンパク質を含む医薬組成物のマーケティングのためにタンパク質を精製するために使用することができる。
つまり、この方法は、わずか二つのクロマトグラフィーステップ:一つのアフィニティークロマトグラフィー、および一つのマルチモーダル樹脂クロマトグラフィーのみを含む。加えて、これらの二つのクロマトグラフィーステップ中に使用される全ての緩衝液は、同一の母溶液(mother solution)から出発して調製され得ることが見いだされた。言い換えれば、前記化学物質の濃度は、ある緩衝液から他の緩衝液へ変化し得るが、全ての緩衝液は、同一の化学物質からなってよい。これらの緩衝液は、有利には、例えばNaCl、酢酸および水と組み合わせたビストリスを含む。緩衝液交換の必要性がないので、上記方法は、実施するのが容易であり、自動化および/または連続モードでの操作に非常に好適である。加えて、全ての緩衝液が同一の化学物質からなり得るという事実は、クロマトグラフィーカラムを調製するための時間をおおいに低減することを可能にし、手作業の介入の必要性も減少させる。本発明の方法は、オープンフェーズ(即ち、精製システムが、新しい緩衝液のためのクロマトグラフィーカラムを調製すること、試料を希釈すること、またはそのpHを調節することなどの手動操作を実施するために開放されるステップ)を低減することまたは廃止することをさらに可能にし、汚染のリスクを低減する。従って、本発明の方法は、バッチの迅速な生産および精製システムの占有時間を減少させることの両方を可能にする。従って、それは、工業規模での組換えタンパク質のスケールアップおよび精製に適する。
二つの特定のプロトコルが、3種の異なる抗体のために設定され実行されている。第一のプロトコルにおいて、第一のクロマトグラフィーステップの終了時に得られた粗タンパク質のpHを、ビストリス溶液を用いて調節する(実施例3、4および5を参照されたい。)。このプロトコルは、精製される特定の抗体に関係なく、それが優れた再現性のある結果を与える限りでは、万能であることが示されている(実施例6を参照されたい。)。第二のプロトコルにおいて、第一のクロマトグラフィーステップの終了時に得られた粗タンパク質溶離液は、第二のクロマトグラフィーカラムに直接、即ち、pH調節、緩衝液交換または希釈などの処理を受けることなく通される(実施例7を参照されたい。)。このプロトコルにおいて、二つのクロマトグラフィーステップの後に膜吸着体(membrane adsorber)への通過が続く場合がある。この第二のプロトコルは、極めて迅速である(出発原料100Lで約7または8時間)という利点を有する。加えて、それは、完全に自動化することができ、連続モードで操作することができ、いかなるオープンフェーズも含まない。
従って、本発明は、第一のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、第一のクロマトグラフィーカラムに溶液を通すステップ、第一のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、第一のクロマトグラフィーカラムに洗浄およびサニテーション緩衝液(sanitation buffer)を通すステップ、第一のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、第一の溶離緩衝液を用いて第一のクロマトグラフィーカラムから粗タンパク質溶離液を溶離するステップ、および、場合によってビストリス溶液を用いて粗タンパク質溶離液のpHを調節するステップを含む第一のクロマトグラフィーステップ;ならびに第二のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、第二のクロマトグラフィーカラムに粗タンパク質溶離液を通すステップ、第二のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、および第二の溶離緩衝液を用いて第二のクロマトグラフィーカラムから精製されたタンパク質を回収するステップを含む第二のクロマトグラフィーステップを含む、溶液からタンパク質を精製する方法を提供する。
本発明は、第一のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、第一のクロマトグラフィーカラムに溶液を通すステップ、第一のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、第一の溶離緩衝液を用いて第一のクロマトグラフィーカラムから粗タンパク質溶離液を溶離するステップ、および、場合によってビストリス溶液を用いて粗タンパク質溶離液のpHを調節するステップを含む第一のクロマトグラフィーステップ;ならびに第二のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、第二のクロマトグラフィーカラムに粗タンパク質溶離液を通すステップ、第二のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、第二のクロマトグラフィーカラムに洗浄およびサニテーション緩衝液を通すステップ、第二のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ、および第二の溶離緩衝液を用いて第二のクロマトグラフィーカラムから精製されたタンパク質を回収するステップを含む第二のクロマトグラフィーステップを含む、溶液からタンパク質を精製する方法も提供する。
本発明の一実施形態において、ビストリス溶液は、1Mのビストリス溶液である。他の実施形態において、各緩衝液は、ビストリスを含む、および/または各緩衝液は、様々な濃度の同一の化学物質を含む。別の実施形態において、各緩衝液は、ビストリス、酢酸、NaCl、および水を含む。
本発明の一実施形態において、第一のクロマトグラフィーカラムは、タンパク質Aカラムであり、第二のクロマトグラフィーカラムは、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムである。本発明の別の実施形態において、第一のクロマトグラフィーカラムは、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムであり、第二のクロマトグラフィーカラムは、タンパク質Aカラムである。本発明の他の実施形態において、溶液からタンパク質を精製する方法は、陰イオン交換クロマトグラフィー(AEX)カラムに溶液を通すステップを含むいずれのクロマトグラフィーステップも含まない。
本発明の一実施形態において、精製されるタンパク質は、抗体である。別の実施形態において、抗体はモノクローナル抗体である。
本発明の一実施形態において、上記方法は、ステップ(b)の後に膜吸着体に粗タンパク質溶離液を通すステップをさらに含む。別の実施形態において、上記方法は、ステップ(b)の後にナノ濾過ステップならびに/またはナノ濾過ステップの後に限外濾過および透析濾過ステップをさらに含む。
本発明の特定の実施形態において、第一の溶離緩衝液は、20mM ビストリス、および20mM NaClを含み、酢酸によってpH3.5に調節され;第二の溶離緩衝液は、20mM ビストリス、および20mM NaClを含み、酢酸によってpH4.5に調節された;平衡緩衝液は、20mM ビストリス、および20mM NaClを含み、酢酸によってpH7.4に調節された;洗浄およびサニテーション緩衝液は、20mM ビストリス、および1M NaClを含み、酢酸によってpH7.4に調節される。本発明の他の実施形態において、第一の溶離緩衝液は、20mM ビストリス、および20mM NaClを含み、酢酸によってpH4.5に調節され;20mM ビストリス、および20mM NaClを含み、第二の溶離緩衝液は、酢酸によってpH3.5に調節され;平衡緩衝液は、20mM ビストリス、および20mM NaClを含み、酢酸によってpH7.4に調節され;洗浄およびサニテーション緩衝液は、20mM ビストリス、および1M NaClを含み、酢酸によってpH7.4に調節される。
本発明は、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムおよび/またはタンパク質Aカラム;ならびにビストリス、酢酸、NaCl、および水を含む少なくとも1種の緩衝液を含むキットを提供する。いくつかの実施形態において、キットは、本発明の方法を用いて溶液からタンパク質を精製するために使用される。
本発明は、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムおよび/またはタンパク質Aカラム;ならびにビストリス、酢酸、NaCl、および水を含むまたはこれらからなる少なくとも1種の緩衝液を調製するための使用説明書を含むキットも提供する。いくつかの実施形態において、キットは、本発明の方法を用いて溶液からタンパク質を精製するために使用される。
本発明は、少なくとも一つのクロマトグラフィーステップによって、溶液からタンパク質を精製するための、ビストリス、酢酸、NaCl、および水を含むまたはこれらからなる緩衝液の使用をさらに提供する。いくつかの実施形態において、クロマトグラフィーステップは、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーステップおよび/またはタンパク質Aクロマトグラフィーステップである。同様に提供されるのは、本発明の方法によって溶液からタンパク質を精製するためのビストリス、酢酸、NaCl、および水を含むまたはこれらからなる緩衝液の使用である。
本発明は、最終濃度20mM ビストリスおよび20mM NaClの溶液100Lを作成するステップ;酢酸によって溶液のpHを7.4に調節するステップ;ならびに溶液50Lを集めるステップを含む平衡緩衝液を調製する方法をさらに提供する。本発明は、酢酸によって平衡緩衝液の配合物からの残りの溶液50LのpHを4.5に調節するステップ;および溶液25Lを集めるステップを含む洗浄およびサニテーション緩衝液を調製する方法も提供する。本発明は、酢酸によって洗浄およびサニテーション緩衝液の配合物からの残りの溶液25LのpHを3.5に調節するステップを含む溶離緩衝液を調製する方法をさらに提供する。本発明は、溶離緩衝液の配合物から残りの溶液25Lに1M当量 NaClを添加するステップを含む溶離緩衝液を調製する方法をさらに提供する。本明細書に開示された方法によって調製される緩衝液は、本発明の方法を用いて溶液からタンパク質を精製するために使用することができる。
開示された精製方法のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲と共に以下の詳細な説明からより完全に理解される。特許請求の範囲は、この中の記述によって定義され、明細書に記載された特徴および利点の特定の考察によらないことに留意されたい。
開示された精製方法の実施形態の、以下の詳細な説明は、以下の図面と合わせて読まれる場合に最も理解され得る。
実施例3から6に開示された精製方法の緩衝液を配合するために使用されるプロトコルの概略図である。 2段階精製法の概略図である。 大規模精製カラムのための2段階精製法の使用の概略図である。 「1日1バッチ」の大規模精製の概略図である。 「1日1バッチ」の大規模精製の結果を示した図である。 実施例7に開示された精製方法の緩衝液を配合するために使用されるプロトコルの概略図である。
混合モード樹脂(マルチモーダル樹脂とも呼ばれる。)の有用性に基づき、本発明者らは、二つのクロマトグラフィーステップのみを用いる新しい精製方法を開発した。言い換えれば、上記方法は、クロマトグラフィーカラムの通過を含む2ステップのみを含む。
本発明は、
(a)
−第一のクロマトグラフィーカラムに前記溶液を通すこと;
−第一の溶離緩衝液を用いて第一のクロマトグラフィーカラムから粗タンパク質溶離液を溶離すること
を含む、第一のクロマトグラフィーステップ;および
(b)
−第二のクロマトグラフィーカラムにステップ(a)の終了時に得られた粗タンパク質溶離液を通すこと;
−第二の溶離緩衝液を用いて第二のクロマトグラフィーカラムから精製されたタンパク質を回収すること
を含む、第二のクロマトグラフィーステップ
を含む、またはこれらからなり、
ここで、各緩衝液は、ビストリスを含む、溶液からタンパク質を精製する方法に関係する。
より具体的には、二つの上記クロマトグラフィーステップのそれぞれは、
−クロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ;
−クロマトグラフィーカラムに溶液または粗タンパク質溶離液を通すステップ(上記に記載のとおり。);
−クロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ;
−場合によってクロマトグラフィーカラムに洗浄およびサニテーション緩衝液を通すステップ;
−場合によってクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ;
−溶離緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから粗タンパク質溶離液を溶離するまたは精製されたタンパク質を回収するステップ(上記に記載のとおり。)
を含み得、またはこれらからなり得、ここで、各緩衝液は、ビストリスを含む。
上記に示されたとおり、本発明の上記方法は、二つのクロマトグラフィーステップのみを含む。より具体的には、上記方法は、陰イオン交換クロマトグラフィー(AEX)カラムに溶液を通すステップを含むクロマトグラフィーステップおよび/または仕上げのためのクロマトグラフィーステップを欠いていてもよい。本発明による方法は、二つのクロマトグラフィーステップのみを含むが、それは、製薬目的特にヒトへの投与に適する精製されたタンパク質を得ることを可能にする。
3から2への精製方法におけるステップの数の低減(および精製方法を完了するために必要な全体時間の同時の低減)に加えて、開示された方法は、7から4へ精製のために使用される緩衝液の数を低減する。加えて、緩衝液は、同一成分(即ち、ビストリス、NaCl、酢酸および水)を含み、これは、緩衝液の調製を非常に容易にする。開示された精製法は同様に、多様なmAbの精製を可能にすることに加えて、mAbの精製を簡単にし、全体収量を改善し、出発原料、商品原価および工程所要時間を低減する。
従来のタンパク質精製法と対照的に、上述のように、本明細書に開示された方法は、4種の緩衝液:平衡緩衝液、洗浄緩衝液、および2種の溶離緩衝液を使用する。開示された方法に使用される緩衝液は、一つの母溶液からの同一の化合物のマトリックスを用いて作られ、これは、緩衝液の調製をおおいに容易にする。
本明細書で使用される「本発明による緩衝液」は、ビストリスを含む緩衝液を意味する。ビストリスは、当業者によく知られている化合物であり、このIUPAC名は、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、およびこのCAS番号は、6976−37−0である。本発明によるこのような緩衝液は、平衡緩衝液、洗浄およびサニテーション緩衝液、および/または溶離緩衝液に一致し得る。
より具体的には、本発明によるこのような緩衝液は、様々な濃度の同一の化学物質(これらの一つはビストリスである。)を含んでよくまたはこれらからなってよい。特定の一実施形態において、緩衝液は、ビストリス、酢酸および水を含むまたはこれらからなる。より具体的な一実施形態において、緩衝液は、ビストリス、酢酸、NaClおよび水を含むまたはこれらからなる。言い換えれば、このような緩衝液は、様々な濃度のビストリス、酢酸、NaClおよび水を含むまたはこれらからなる。
溶離緩衝液は、例えば、15から25mM(例えば、20mM)ビストリス、および15から25mM(例えば、20mM)NaClを含んでよくまたはこれらからなってよく、酢酸によって3から4の間のpH(例えば、3.5)に調節される。このような溶離緩衝液は、タンパク質Aカラムなどのアフィニティークロマトグラフィーカラムとの使用に特に適している。
溶離緩衝液は、同様に、15から25mM(例えば、20mM)ビストリス、および15から25mM(例えば、20mM)NaClを含んでよくまたはこれらからなってよく、酢酸によって4から5の間のpH(例えば、4.5)に調節される。このような溶離緩衝液は、例えば、Capto Adhereなどのマルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムとの使用に特に適している。
溶離緩衝液は、同様に、15から25mM(例えば、20mM)ビストリス、および150から250mM(例えば、200mM)NaClを含んでよくまたはこれらからなってよく、酢酸によって8から9の間のpHに調節される。このような溶離緩衝液は、例えば、Capto MMCなどのマルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムとの使用に重要である。
平衡緩衝液は、15から25mM(例えば、20mM)ビストリス、および15から25mM(例えば、20mM)NaClを含んでよくまたはこれらからなってよく、酢酸によって7から8の間のpH(例えば、7.4)に調節される。
洗浄およびサニテーション緩衝液は、15から25mM(例えば、20mM)ビストリス、および0.9から1.1mM(例えば、1M)NaClを含んでよくまたはこれらからなってよく、酢酸によって7から8の間のpH(例えば、7.4)に調節される。
より具体的には、開示された方法における使用のためのある平衡緩衝液は、20mM ビストリスおよび20mM NaClを含有し、2mM酢酸によってpH7.4に調節される。開示された使用のためのある洗浄緩衝液は、20mM ビストリスおよび1M NaClを含有すし、2mM酢酸によってpH7.4に調節される。開示された方法における使用のためのある第一の溶離緩衝液は、20mM ビストリスおよび20mM NaClを含有すし、275mM酢酸によってpH3.5に調節される。開示された方法における使用のためのある第二の溶離緩衝液は、20mM ビストリスおよび20mM NaClを含有し、35mM酢酸によってpH4.5に調節される。
上記の緩衝液配合の利点には、望ましくない相互作用を最小化し、pHおよび導電率の降下を限定し、従来の精製方法に対して増加した収量を促進しつつ、より大きな適合性で、mAb生成物が、開示された方法において使用される二つのクロマトグラフィーカラムを通る能力が含まれる。削減した数の緩衝液を使用することに加えて、開示された方法の別の態様は、Bis−Tris緩衝液の使用である。
本明細書で使用される用語「ポリペプチド」または「タンパク質」は、天然タンパク質、即ち、自然発生の、特に非組換え細胞、または非遺伝子操作または非組換え細胞によって産生されたタンパク質の配列を有する分子を意味し、天然タンパク質のアミノ酸配列を有する分子、または天然配列の1種以上のアミノ酸からの欠失、これらへの付加、および/または置換を有する分子を含む。特定の態様において、精製されるタンパク質は、抗体である。
本明細書で使用される用語「抗体」は、無傷抗体、または特定の結合について無傷抗体と競合するその結合断片を意味する。結合断片には、限定はされないが、F(ab)、F(ab’)、F(ab’)、Fvおよび一本鎖抗体が含まれる。用語「重鎖」には、抗原に特異性を付与するために十分な可変領域配列を有する任意の免疫グロブリンポリペプチドが含まれる。
本明細書で使用される用語「重鎖」は、完全長重鎖およびその断片を包含する。完全長重鎖には、可変領域ドメイン、VH、および三つの定常領域ドメイン、CH1、CH2、およびCH3が含まれる。VHドメインは、ポリペプチドのアミノ末端であり、CH3ドメインは、カルボキシル末端である。
本明細書で使用される用語「軽鎖」は、完全長軽鎖およびその断片を包含する。完全長軽鎖には、可変領域ドメイン、VL、および定常領域ドメイン、CLが含まれる。重鎖同様に、軽鎖の可変領域ドメインは、ポリペプチドのアミノ末端にある。本明細書で使用される「軽鎖」には、抗原に特異性を付与するために十分な可変領域配列を有する任意の免疫グロブリンポリペプチドが含まれる。
天然に存在する抗体の構造単位は、一般的に四量体を含む。このような各四量体は、一般的に、ポリペプチド鎖の二つの同一ペアからなり、各ペアは、1種の完全長軽鎖(一般的に約25kDaの分子量を有する。)および1種の完全長重鎖(一般的に約50−70kDaの分子量を有する。)を有する。各軽鎖および重鎖のアミノ末端部分は、一般的に、抗原認識に一般的に関与する約100から110またはこれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に関与する定常領域を一般的に規定する。ヒト軽鎖は、一般的に、カッパおよびラムダ軽鎖として分類される。重鎖は、一般的に、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファ、またはイプシロンとして分類され、抗体のイソタイプを、それぞれIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEと定義する。IgGは、限定はされないが、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含むいくつかのサブクラスを有する。IgMは、限定はされないが、IgM1およびIgM2を含むサブクラスを有する。IgAは、限定はされないが、IgA1およびIgA2を含むサブクラスに同様にさらに分類される。完全長軽鎖および重鎖の中で、一般的に、可変および定常領域は、約12またはこれ以上のアミノ酸の「J」領域によって接続されており、重鎖は、約10またはこれ以上のアミノ酸の「D」領域も含む。
各軽鎖/重鎖ペアの可変領域は、一般的に、抗原結合部位を形成する。可変領域は、一般的に、相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる三つの超可変領域によって接続された、相対的に保存されたフレームワーク領域(FR)の同一の一般構造を示す。各ペアの二つの鎖からのCDRは、フレームワーク領域によって整列され、これは、特定のエピトープへの結合を可能にし得る。N末端からC末端まで、軽鎖および重鎖可変領域の両方とも、一般的に、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割当ては、一般的に、Kabatら、1991年、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH Publication No.91−3242の定義に一致する。二重特異性または二元機能性抗体は、一般的に、二つの異なる重鎖/軽鎖ペアおよび二つの異なる結合部位を有する人工ハイブリット抗体である。
F(ab)断片は、一つの軽鎖およびCH1および一つの重鎖の可変領域からなる。F(ab)分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することができない。F(ab‘)断片は、鎖間ジスルフィド結合が、二つの重鎖の間に形成されてF(ab‘)分子が形成され得るように、CH1およびCH2の間に、より多くの定常領域を含有する一つの軽鎖および一つの重鎖を含有する。Fv領域は、重鎖および軽鎖の両方からの可変領域を含むが、定常領域を欠く。一本鎖抗体は、それらの中に重鎖および軽鎖可変領域が、柔軟なリンカーによって結合されて一本鎖ポリペプチドを形成し、抗原結合領域を形成するFv分子である。特定の実施形態における「多重特異性」または「多機能性」抗体以外の二価抗体は、同一の抗原特異性を有する結合部位を含むと理解される。
開示された方法によって精製され得るモノクローナル抗体(mAbs)は、従来のモノクローナル抗体手法、例えば、当技術分野でよく知られている標準の体細胞ハイブリダイゼーションを含む多様な技術によって生成することができる。体細胞ハイブリダイゼーション処置が好ましいが、原則として、モノクローナル抗体を生成するための他の技術、例えば、Bリンパ球のウイルスまたは発癌性形質転換は、使用され得る。モノクローナル抗体は、例えばマウス、キメラ、ヒト化または完全ヒト抗体に対応してもよい。
特定の実施形態において、本発明の方法によって精製される抗体は、ヒトβアミロイドタンパク質の原線維形態に特異的に結合する抗体(例えば、ヒト化抗体)、細菌表面多糖ポリ−N−アセチルグルコサミン(PNAG)に特異的に結合する抗体(例えば、完全ヒト抗体)、およびCD38膜貫通糖タンパク質に特異的に結合する抗体(例えば、ヒト化抗体)からなる群から選択されるモノクローナル抗体である。
本明細書で使用される語句「タンパク質を回収すること」は、開示された精製方法を使用した後にタンパク質を集めることを意味する。開示された精製方法は、多様な標準のタンパク質クロマトグラフィー技術、例えば、限定はされないが、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、およびマルチモーダル樹脂クロマトグラフィーを用いて達成することができる。
開示された方法の特定の実施形態において、第一または第二のクロマトグラフィーカラムは、タンパク質Aカラムである。タンパク質Aカラムは、樹脂リガンドおよびタンパク質の間のアフィニティーによって機能して、不純物の高効率の除去をもたらす。開示された方法においてタンパク質Aカラムを用いることの別の利点は、mAbがタンパク質Aに対する広範なアフィニティーを有することである。開示された方法の一実施形態において、タンパク質Aカラムは、MabSelect Sureレジン(GE Healthcare)である。
開示された方法の追加の実施形態において、第一または第二のクロマトグラフィーカラムは、マルチモーダル(混合モード)樹脂クロマトグラフィーカラムである。マルチモーダル樹脂は、mAbとのいくつかの機序:イオン性、疎水性および水素結合相互作用を通して興味のあるタンパク質と相互に作用する。より具体的には、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムにおいて、mAb:イオン性相互作用は、古典的な陰イオン交換クロマトグラフィー(AEX)カラムにおいて起こるmAb:陰イオン性相互作用と反対にmAb:陽イオン性相互作用である。
開示された方法の特定の一実施形態において、マルチモーダル樹脂は、Capto Adhereレジン(GE Healthcare)である。Capto adhereは、高度に架橋したアガロースベースのマトリックスを有するマルチモーダル陰イオン交換体である。Capto adhereの特徴が、以下に要約されている(Healthcare Life Sciences、データファイル28−9078−88 ACを参照されたい。)。
Figure 0006437311
開示された方法の別の特定の実施形態において、マルチモーダル樹脂は、Capto MMCレジン(GE Healthcare)である。Capto MMCは、高度に架橋したアガロースベースのマトリックスを有するマルチモーダル陽イオン交換体である。Capto MMCの特徴が、以下に要約されている(GE Healthcare Life Sciences、データファイル11−0035−45 AAを参照されたい。)。
Figure 0006437311
本発明による方法は、第一のクロマトグラフィーステップの終了時にビストリス溶液を用いて粗タンパク質溶離液のpHを調節するステップを含んでよくまたはこれを含まなくてよい。
第一の実施形態において、第一のクロマトグラフィーステップの終了時にビストリス溶液を用いて、粗タンパク質溶離液のpHは、例えば、6から7の間のpH(例えば、6.5)に調節される。このようなビストリス溶液は、1M ビストリス溶液であってよい。このような方法において、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムは、例えば、Capto Adhereカラムに一致してよい。この方法の特定の一例は、実施例3から6に開示されている。
第二の実施形態において、第一のクロマトグラフィーステップの終了時に得られた粗タンパク質溶離液は、第二のクロマトグラフィーカラムに直接通す。より具体的には、二つのステップの間に(pH調節、緩衝液交換または希釈などの)処置を行わない。このような一方法において、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムは、例えば、Capto MMCカラムと一致してよい。さらに、粗タンパク質溶離液は、以下にさらに記載されるように、第二のクロマトグラフィーステップの後に膜吸着体に通してよい。この方法の特定の一例は、実施例7に開示されている。このような一方法において、手動による介入および精製システムの開放を必要とするステップ間の処置(例えば、不活性化容器における希釈、不活性化後の濾過およびタンパク質Aプール容器におけるpH調節)は、全く存在しない。
本明細書に開示された方法は、精製されたタンパク質を回収するために使用することができる。本明細書で使用される「精製された」は、インビトロ、エキソビボ、またはインビボでのタンパク質の有効な使用を可能にする純度を意味する。タンパク質が、インビトロ、エキソビボ、またはインビボ用途において有用であるためには、それは、このような用途においてそのタンパク質の使用を妨害し得る、または興味のあるタンパク質への混入が少なくとも望ましくない異物、他のタンパク質、および/もしくは化学物質を実質的に含むべきではない。このような用途には、治療組成物の調製、治療組成物におけるタンパク質の投与、および本明細書に開示された他の方法が含まれる。好ましくは、本明細書で言及される「精製された」タンパク質は、任意の方法(即ち、自然源からの直接精製によって、遺伝子組換えによって、または合成的に)によって生成することができ、タンパク質が、所与の組成物中の合計タンパク質の少なくとも約80%重量/重量を構成するように、より好ましくは、所与の組成物中の合計タンパク質の少なくとも約85%、より好ましくは、少なくとも約90%、より好ましくは、少なくとも約91%、より好ましくは、少なくとも約92%、より好ましくは、少なくとも約93%、より好ましくは、少なくとも約94%、より好ましくは、少なくとも約95%、より好ましくは、少なくとも約96%、より好ましくは、少なくとも約97%、より好ましくは、少なくとも約98%、より好ましくは、少なくとも約99%を構成するように、他のタンパク質成分から精製されたタンパク質である。
本明細書で使用される「粗タンパク質」は、任意の方法(即ち、天然源からの直接精製によって、遺伝子組換えによって、または合成的に)で生成することができ、タンパク質が所与の組成物中の合計タンパク質の少なくとも約80%重量/重量を構成するように、他のタンパク質成分から精製したタンパク質を意味する。
一実施形態において、開示された方法は、「ステップ(c)」と呼ばれる第三ステップをさらに含み、この中で、粗タンパク質溶離液を、ステップ(b)の後に膜吸着体に通す。特に、第一のクロマトグラフィーステップの終了時に得られる粗タンパク質溶離液が、第二のクロマトグラフィーカラムに直接通される場合に、ステップ(c)は、実施することができる。膜吸着体は、微孔性粒子ではなく大きな細孔を有する膜を使用するクロマトグラフィーマトリックスまたはフィルターの一形態である。これらの細孔は、全体のフィルターエリアに広がり、サンプルの極めて急速な流速、および膜の内部構造内での標的分子の最適な結合を容易にする。膜は、スピンカラムに組み込むことができ、これらは、複合溶液からの標的タンパク質の容易な選択的な分離を可能にする。膜吸着体を用いることの利益は、これらが、異物を結合することについて従来のクロマトグラフィー方法と同様に有効であり;これらが、高い処理流速を可能にし、これらが、パッキング、バリデーションまたはクリーニングを必要とせず、使い捨てできるが、再使用できることである。耐塩性の膜は、さらにより多くのタイプの精製を可能にする。特定の実施形態において、膜吸着体は、耐塩性の相互作用クロマトグラフィー膜吸着体(例えば、Satorius STIC膜吸着体)またはQ膜吸着体である。
製薬目的で組換えタンパク質を精製する場合、クロマトグラフィーステップに、一般的に濾過ステップが続く。従って、本発明の方法は、ステップ(b)または(c)の後にナノ濾過をさらに含むことができる。ナノ濾過ステップの後に、限外濾過および透析濾過ステップを、さらに実施することができる。本明細書で使用される「限外濾過」または「UF」は、粒径およびUF膜中の細孔のサイズに基づいて溶液から粒子および/またはイオンを物理的に選択的に除去するために、半透膜を使用する濾過技術を意味する。本明細書で使用される「ナノ濾過」は、例えば、ウイルス粒子を除去するために使用されるナノフィルターを通した溶液の濾過を意味する。本明細書で使用される「透析濾過」は、溶液から塩または溶媒を完全に除去、これらを置き換え、またはこれらの濃度を低下させるために限外濾過膜を使用する技術を意味する。
最後に、精製されたタンパク質は、貯蔵に適する組成物、ならびに/または
動物および/もしくはヒトへの投与に適する医薬組成物に配合することができる。
開示された方法の多数の利点の一つは、それが高度に純粋なタンパク質の良好な収量を得ることを可能にすることである。本発明の方法で回収された精製されたタンパク質は、例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の純度を示し得る。加えて、本発明の方法は、少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の収率を有する精製されたタンパク質を回収することを可能にし得る。
本発明の別の態様は、本発明の方法における使用に適する緩衝液を調製する方法に関係する。実際に、全てのこれらの緩衝液は、単一の母溶液から出発して極めて容易に迅速に調製することができる。
緩衝液を調製するためのこのような方法は、
i)最終濃度15から25mM(例えば、20mM)ビストリスおよび15から25mM(例えば、20mM)NaClの溶液(例えば、溶液100L)を作成するステップ;
ii)酢酸によって7から8の間の値(例えば、7.4)に溶液のpHを調節するステップ;
iii)溶液の半分を集め、これにより平衡緩衝液を得るステップ;
iv)ステップ(iii)からの溶液の残り半分のpHを、酢酸によって4から5の間に含まれる値(例えば、4.5)に調節するステップ;
v)ステップ(iv)で得られた溶液の半分を集め、これにより溶離緩衝液を得るステップ
vi)酢酸によって3から4の間の値(例えば、3.5)にステップ(v)からの溶液の残り半分のpHを調節し、これによりさらなる溶離緩衝液を得るステップ
vii)ステップ(iii)で得られた平衡緩衝液の半分を集め、NaClを添加して0.9から1.1mMの間の(例えば、1M)最終NaCl濃度を得、これにより洗浄およびサニテーション緩衝液を得るステップ
を含んでよくまたはこれらからなってよい。
このような方法が、図1に概略図で描かれている。
別法として、緩衝液を調製するための方法は、
i)最終濃度15から25mM(例えば、20mM)ビストリスおよび15から25mM(例えば、20mM)NaClの溶液(例えば、溶液100L)を作成するステップ;
ii)酢酸によって8から9の間の値(例えば、8.2)に溶液のpHを調節するステップ;
iii)溶液の4分の1(例えば、25L)を集め、これにより溶離緩衝液を得るステップ;
iv)ステップ(iii)からの残りの溶液のpHを、酢酸によって7から8の間の値(例えば、7.4)に調節するステップ;
v)ステップ(iv)で得られた溶液の3分の2を集め、これにより平衡緩衝液を得るステップ
vi)ステップ(V)からの残りの溶液のPHを、酢酸によって3から4の間の値(例えば、3.5)に調節して、これによりさらなる溶離緩衝液を得るステップ
vii)ステップ(v)で得られた平衡緩衝液の半分を集め、NaClを添加して0.9から1.1mMの間の(例えば、1M)最終NaCl濃度を得、これにより洗浄およびサニテーション緩衝液を得るステップ
を含んでよくまたはこれらからなってよい。
このような方法が、図6に概略図で描かれている。
緩衝液を調製するための上記方法の一つは、二つのクロマトグラフィーステップを実施する前の、本発明の方法のまさに最初のステップと一致してもよい。
本発明は、さらに、
(a)マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムおよび/またはタンパク質Aカラムなどのアフィニティークロマトグラフィーカラム;ならびに
(b)本発明による少なくとも1種の緩衝液(例えば、ビストリス、酢酸、NaCl、および水を含むまたはこれらからなる。)、および/または本発明による少なくとも1種の緩衝液(例えば、ビストリス、酢酸、NaCl、および水を含むまたはこれらからなる。)を調製するための使用説明書
を含むまたはこれらからなるキットに関係する。
本発明は、さらに、少なくとも一つのクロマトグラフィーステップによって、溶液からタンパク質を精製するための、本発明による緩衝液(例えば、ビストリス、酢酸、NaCl、および水を含むまたはこれらからなる。)の使用を企図する。より具体的には、少なくとも一つのクロマトグラフィーステップは、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーステップおよび/またはタンパク質Aカラムなどのアフィニティークロマトグラフィーステップであってよい。
以下に続く実施例は、開示された方法の特定の実施形態、およびこの種々の使用の実例となる。これらは、説明の目的でのみ記載されており、いささかも本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
[実施例1]
精製緩衝液の最適化
1.1.ビストリス緩衝液はタンパク質Aカラムと共に溶離液として使用することができる
タンパク質Aカラムでのクロマトグラフィーステップを実施する場合、溶離緩衝液は、一般的に、クエン酸塩またはグリシン緩衝液から構成される。このようなタンパク質Aカラムでのクロマトグラフィーステップを、次の古典的な条件
−カラム:MabSelect Sure 80mL
−平衡緩衝液:pH7.2におけるPBS緩衝液
−溶離緩衝液:pH3.0における100mMクエン酸ナトリウム
−ロード:1.48g/Lの抗CD38 mAbを含む溶液 1L
を用いて実施した。
7.92g/LのmAbを含む粗タンパク質溶離液175mLが、クロマトグラフィーステップ(1.386gのmAb)の後に得られた。
本発明者らは、クエン酸緩衝液が、ビストリス緩衝液で置き換えられ得るか否かを調査した。
以下の条件:
−カラム:MabSelect Sure 80mL
−平衡緩衝液:pH7.2におけるPBS緩衝液
−溶離緩衝液:pH3.5における100mM ビストリス(酢酸によって調節されたpH)
−ロード:1.48g/Lの抗CD38 mAbを含む溶液 1L
を使用した。
本発明者らは、6.8g/LのmAb(1.369gのmAb)を含む粗タンパク質溶離液200mLを得た。
これは、タンパク質Aカラムでのクロマトグラフィーステップを実施する場合、溶離緩衝液としてのビストリス緩衝液の使用は、古典的なクエン酸ナトリウム緩衝液と同様に良好な結果を得ることを可能にすることを示している。
1.2.ビストリス緩衝液は、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムでの緩衝液として有利に使用することができる
タンパク質Aクロマトグラフィーカラムの通過後に得られる粗タンパク質溶離液を、次いで、Capto adhereマルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムに通した。この目的で、本発明者らは、最初に、以下の条件を試験した。
−カラム:Capto adhere 1mL
−平衡緩衝液:pH8.6における100mMクエン酸ナトリウム(80%)およびpH2.2における100mMクエン酸(20%)、最終pHは5.3に近かった。
−溶離緩衝液:最適な溶離が起こるところを確認するために二つの上記緩衝液の濃度を変更する。
−洗浄緩衝液:平衡緩衝液と同一である。
−ロード:35mgの抗CD38 mAbを含み、5.3のpHを有する粗タンパク質溶離液 20mL。
明らかにpHが低下したために、抗体が、洗浄ステップ中に溶離されることが見いだされた。実際に、pHは、再び5.3のpHに増加する前に、瞬間的に5.3から4.0に低下した。pHが4.0に落下した事実は、抗体が洗浄ステップ中に溶離されるのに十分であった。
本発明者らは、次いで、ビストリス緩衝液の使用は、洗浄ステップ中に望ましくない溶離を回避できるか否かを調査した。彼らは、以下の条件を試験した。
−カラム:Capto adhere 1mL
−平衡緩衝液:pH7.0(酢酸によって調製されたpH)における20mM ビストリス
−溶離緩衝液:pH6.0(酢酸によって調製されたpH)における20mM ビストリス
−洗浄/再生緩衝液:pH4.0(酢酸によって調製されたpH)における20mM ビストリス
−サニテーション緩衝液:NaOH 0.5N
−ロード:約30mgの抗CD38 mAbを含む粗タンパク質溶離液 18mL。この溶離液は、上記の段落1.1において記載された第二のクロマトグラフィーから入手した。溶離液のpHを、Capto adhereカラムにロードする前に、1M ビストリス溶液によって7.2のpHに調節した。
本発明者らは、これらの条件は、抗体の正しい溶離を得ることを可能にすることを見いだした。実際に、抗体は、6.0のpHを有するビストリス溶離緩衝液で溶離された。二つのより小さい無視できるピークが、pH4.0における再生中およびNaOHによる清掃中に見られた。
酢酸の代わりにHClで、ビストリス緩衝液のpHを調節することが、有益であり得るか否かを、さらに試験した。以下の条件を使用した。
−カラム:Capto adher 1mL
−平衡緩衝液:pH7.0(HCl 1Nで調節されたpH)における20mM ビストリス。
−溶離緩衝液:ビストリス緩衝液によるグラジエント(20mM、4のPH、HCl 1Nで調節されたpH)。
−ロード:約15mgの抗CD38 mAbを含む粗タンパク質溶離液 10mL。この溶離液は、上記の段落1.1において記載された第二のクロマトグラフィーから入手した。溶離液のpHは、Capto adhereカラムにロードする前に、1M ビストリス溶液で7.2のpHに調節された。
これらの条件を用いて、抗体は、洗浄ステップ中に溶離されなかった。従って、このアッセイは、ビストリス緩衝液の使用は、洗浄ステップ中に抗体の好ましからざる溶離を防止することを可能にすることを確認している。しかし、pHが酢酸ではなくHClによって調節された場合に、pHは、溶離ステップ中に同様に急速に低下しなかった。従って、酢酸ではなくHClによってpHを調節する場合に、抗体の溶離は、あまり有効ではなかった。
結論として、本発明者らは、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーステップ中に、ビストリスを含む平衡および溶離緩衝液の使用は、洗浄および衛生ステップ中の抗体の好ましからざる溶離を回避することを可能にすることを驚くべきことに見いだした。彼らは、酢酸によってビストリス緩衝液のpHを調節することが有利であることをさらに見いだした。ビストリス緩衝液は、タンパク質Aクロマトグラフィーステップを実施するために好適であることも見いだされたので、本発明者らは、緩衝液を、全て同一の化合物のマトリックスを用いて作成することができる精製方法を見いだしたが、このことは、緩衝液の調製を大きく促進する。
pH調節の目的のために、全てビストリスおよび酢酸を含む平衡緩衝液、洗浄緩衝液、および二つの溶離緩衝液の最適なpHを決定するために、さらなる実験を実施した。本発明者らは、さらに、NaClを緩衝液に有利に添加することができることを予想外に見いだした。これらの追加の実験は、実施例2から7に記載された精製緩衝液およびプロトコルをもたらした。
[実施例2]
精製緩衝液の配合
本明細書に記載された2段階精製法は、4種の緩衝液:全て同一の母溶液から調製される、平衡緩衝液、洗浄およびサニテーション緩衝液、および2種の溶離緩衝液を使用する。プロトコルの概略図が、図1に示されており、以下のとおりである。20mM当量 ビストリスおよび20mM当量 NaClを、母溶液としての100L注射用蒸留水(WFI)に入れ、次いで、溶液のpHを、酢酸を用いて7.4に調節した。次いで、得られた溶液の50Lを集め、平衡緩衝液として貯蔵した。次いで、平衡緩衝液25Lを取り出し、1M当量 NaClを添加し、これによりpHを3.5に減少させた。得られた溶液25Lは、洗浄およびサニテーション緩衝液であった。次いで、母溶液の残り50LのpHを、酢酸によって4.5に調製した。次いで、この溶液25Lを、溶離緩衝液の一つとして集めた。次いで、母溶液の残り25Lを、酢酸を用いて3.5にpH調節して、もう一つの溶離液を得た。
[実施例3]
2段階モノクローナル抗体精製方法
2段階モノクローナル抗体(mAb)精製方法は、MabSelect Sureレジンを使用する第一のクロマトグラフィーステップによって開始する。2カラム容量(CV)の平衡緩衝液をカラムに通す。次いで、mAb溶液をカラムにロードする。次に、2CVの洗浄緩衝液をカラムに通し、次いで2CVの平衡緩衝液を通す。次いで、粗mAb溶液を、1CVの第一の溶離緩衝液を用いて溶離する。二つのクロマトグラフィーステップの間に、低いpH処理がある。これは、pH3.5±0.1に達するための1M酢酸を使用する低いpH調節またはpH5±0.1に達するための1M ビストリスを使用するpH調節であってよい。第二のクロマトグラフィーを、Capto Adhereクロマトグラフィーカラムを用いて行う。2CVの平衡緩衝液をカラムに通す。次いで、粗mAb溶液を、カラムにロードし、次いで4CVの平衡緩衝液を通す。次いで、部分的に精製されたmAb溶液を、1CVの第二の溶離緩衝液を用いて溶離する。クロマトグラフィーに続き、mAbを、ナノ濾過および限外濾過/透析濾過の両方で濾過することができる。ナノ濾過は、X0HCおよびVPDプレフィルター(Millipore)を使用する予備濾過ステップで始まり、Viresolve Proフィルター(Millipore)を使用するナノ濾過で終わる。次いで、限外濾過を、50g/Lの目標濃度で行い、次いで7体積のヒスチジン緩衝液(プロセスの概略図について図2を参照されたい。)を使用する透析濾過を行う。
[実施例4]
ヒト化13C3 mAbの少量バッチ精製
実施例2に記載されたプロトコルを、53gヒト化13C3 mAbの少量バッチ精製のために使用した。国際公開WO 2009/065054に記載されたように、13C3 mAbは、ヒトβアミロイドタンパク質の原線維形態に結合する。
mAbのバルクハーベストを深層濾過システムによって浄化し、0.22μmフィルターを用いて濾過した後に、精製前に2−8℃で96時間、50Lの使い捨てバッグに貯蔵した。バルクハーベスト43Lを、240cm/時の流速で3.1L MabSelect Sureカラムにロードした。第一のクロマトグラフィーステップを、上記のとおり実施し、mAb溶液6Lを集めた。次いで、溶離液を、Milli−Q水4Lで希釈して、約5g/Lの濃度の溶液を作った。次いで、pHを、1M ビストリス1Lで6.5に再調節した。次いで、11.03Lの合計体積を、C0HCグレード深層フィルターおよび0.22μm Millipakフィルターを通して濾過した。次いで、11.58Lを集め、2−8℃で貯蔵した。第二のクロマトグラフィーステップについて、MabSelect sure溶離液を、240cm/時の流速で4L Capto adhereカラムにロードした。ロードステップの後、クロマトグラフィーを、上記のとおり行い、10Lのバッグに集め、5.58Lの最終体積であった。最終生成物を、0.22μm Millipakフィルターを通して濾過し、2−8℃で貯蔵した。
古典的なmAb精製と比べて、本明細書に開示された2段階法は、>90%の全収率および>98%の純度、今回は、特に99.4%の純度および9.49g/Lの最終濃度の類似した結果を返した。
[実施例5]
モノクローナル抗体の大量精製
2段階精製法は、モノクローナル抗体の大規模精製に適用することもできる。第一のクロマトグラフィーステップについて、バルクハーベスト(216L)のヒト化13C3 mAbを、4つのアリコートに分け、それぞれ約54Lの4操作で240cm/時の流速で3.1L MabSelect Sureカラムにロードした。クロマトグラフィーを、上記のとおり行い、mAb溶離液をMobuis 100Lバッグに集めた。さらに、各ロードステップの後、カラムを、平衡緩衝液によって平衡化した。溶液19.7LのpHは、3.9と測定された。次いで、溶離液を、MilliQ水60Lで5g/Lの濃度に希釈した。次いで、pHを、1M酢酸4.0Lによって3.5に調節し、約1時間続けた。pHの維持に続いて、溶離液を、1M ビストリス溶液7LによってCapto AdhereステップのためにpH6.5にpH調節した。このステップの最終体積は、91Lであり、生成物は、4℃で貯蔵した。第二のクロマトグラフィーステップについて、MabSelect sure溶離液を、分割し、4操作で240cm/時の流速で3.5L Capto Adhereカラムにロードした。各ロードステップの後、カラムを平衡緩衝液によって平衡化した。全ての溶離を、0.22μmフィルターを通して同一の50LFlexboyバッグに集め、各ステップの後、洗浄緩衝液を用いて、衛生化を実施した。最終体積は、22.1Lであり、2−8℃で貯蔵した。次いで、X0HCフィルター(Millipore)を用いて、深層濾過ステップを実施した。X0HCフィルターおよび続くステップで使用されるVPFプレフィルター間の互換性の問題によって、同一のホルダーで濾過を実施するために、VPFプレフィルターをX0HCフィルターに加えた。収量の損失を最小化するために、Modus 1.3ナノフィルターを、二つの深層フィルターの後に直列で設置した。0.22mのX0HCグレード(2×0.11m)、0.22mのVPFフィルター(2×0.11m2)、およびModus 1.3(0.21m)を通して、溶液を濾過した。濾過の後、回収された合計体積は25.9Lであった。圧力は、460ml/分で、1.8で開始して約1.3バールで終了し、圧力の問題は現れなかった。最終ステップは、溶液の限外濾過および透析濾過であった。限度容量を1.71mに増加したホルダーを有するMillipore Cogent Mにおいて、二つのプロセスを実施した。バッチを、9.3Lの一定体積でCogent Mにロードして、溶液を50g/Lに濃縮した。12L/M/Hポンプクロスフローで、第一の濃度に、50分後に到達した。次いで、透析濾過を、14L/M/Hポンプクロスフローで、165分で、7体積の10mMヒスチジンpH6.5で行った。次いで、生成物を、8L/M/Hポンプクロスフローで30分かけてゆっくりと濃縮した。流れを、ΔP<0.6バールより小さく留まるように調節し、1670ml/分で開始し520ml/分で終わった。集めた溶液の最終体積は2.6Lであり、175.7g/L(UV)の最終濃度で457gのmAbを含有した。最後に、生成物を、0.22μmのSartopore 2−150フィルターを用いて濾過し、4℃で貯蔵した。
[実施例6]
異なるモノクローナル抗体の精製
ヒト化13C3抗体に加えて、上記に記載された2段階精製法を、追加の抗体、即ち、細菌表面多糖ポリ−N−アセチルグルコサミン(PNAG)に特異的に結合する完全ヒト抗体、およびCD38膜貫通糖タンパク質に特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体を精製するために使用した。
以下の表は、これら3種の抗体の精製で得られた全収率および純度を示している。
Figure 0006437311
次いで、精製されたヒト化13C3 mAbおよび精製された抗PNAG mAbを、臨床試験の枠組みでヒトに投与した。
結論として、2段階精製法は、卓越した純度を有する良好な収率の精製された抗体を得ることを可能にし、精製された抗体は、ヒトへの投与に適する品質を有することが、三つの異なる抗体で確認された。
[実施例7]
「1日1バッチ」精製方法
大規模精製は、第一のクロマトグラフィーステップの終了時に得られた粗タンパク質溶離液を、第二のクロマトグラフィーカラムに直接通すことによって、マルチモーダルカラムに接続されたタンパク質Aカラムの使用を用いることもできる(図3を参照されたい。)。大規模精製のための方法を使用することの利益のいくつかは、さらなる希釈、pH調節、または貯蔵が必要ではないことである。さらに、この方法は、粗抗体試料の急速なロードを可能にする。大規模抗体精製法を、7時間30分の期間にわたる340gバッチのmAb精製のために使用した(図4を参照されたい。)。上記精製法は、98%収率(332/340g)および96.9%純度をもたらした(図5を参照されたい。)。さらに、上記方法を使用する異物除去は、従来の精製法で見られるものと類似のレベルであった。
上記に記載された大規模精製法を、例えば、前臨床および臨床試験における使用のための、より大量のより有効な抗体試料の目標を満足するために使用することができる。
より具体的には、「1日1バッチ」と呼ばれるこのプロセスを、ヒト化13C3 mAbの大規模精製に適用した。目的は、貯蔵、オープンフェーズ、希釈/調節ステップを用いずに、2クロマトグラフィーステップによって、1日だけで200Lバッチ全部を精製することであった。
緩衝液は、図6に示されたように調製した。
第一のクロマトグラフィーステップについて、バルクハーベスト(179L)を、4つのアリコートに分け、4操作で3.1L MabSelect Sureカラムにロードした。全ての操作を、緩衝液B(20mM NaCl、20mM ビストリス pH7.4)で平衡化し、緩衝液D(1M NaCl、20mM ビストリス pH7.4)で洗浄し、緩衝液C(20mM NaCl、20mM ビストリス pH3.5)で溶離した。各溶離物を、3.1L Capto MMCカラムに直接ロードした。各ロード操作の前に、カラムを、緩衝液C(20mM NaCl、20mM ビストリス pH3.5)で平衡化し、次いで、ロード後に、カラムを、緩衝液B(20mM NaCl、20mM ビストリス pH7.4)で平衡化し、生成物を、緩衝液A(200mM NaCl、20mM ビストリス pH8.2)で溶離した。全部のバッチを、午前7時から午後3時までの1作業日で精製した。
これら二つのクロマトグラフィーステップの後、全ての溶離された分画を、50Lバッグに集める前に、STIC膜に通した。
第一のカラムにロードされた合計体積は、1.61g/LのmAb濃度で179Lであった。精製された合計体積は、7.26g/LのmAb力価で35.7Lであった。全収率は、90%であった。
本発明を詳細にその特定の実施形態への参照によって説明したが、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、修正および変更が可能であることは明らかである。より具体的には、本発明のいくつかの態様が、特に有利であるとして本明細書で確認されたが、本発明は、これらの特定の態様に必ずしも限定されないことが企図されている。
本明細書に記載および/または引用された各参照は、その全体を参照により組み込む。

Claims (18)

  1. 溶液からタンパク質を精製するための方法であって、
    (a)−第一のクロマトグラフィーカラムに溶液を通すこと;
    −第一の溶離緩衝液を用いて、第一のクロマトグラフィーカラムから粗タンパク質溶離液を溶離すること
    を含む、第一のクロマトグラフィーステップ;および
    (b)−第二のクロマトグラフィーカラムに、ステップ(a)の終了時に得られた粗タンパク質溶離液を通すこと;
    −第二の溶離緩衝液を用いて、第二のクロマトグラフィーカラムから精製されたタンパク質を回収すること
    を含む、第二のクロマトグラフィーステップ
    を含み、
    ここで、各緩衝液は、ビストリス、酢酸、塩化ナトリウム(NaCl)、および水を含み、
    ここで、第一のクロマトグラフィーカラムは、タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーカラムであり、
    ここで、第二のクロマトグラフィーカラムは、マルチモーダル樹脂クロマトグラフィーカラムであり、
    そしてここで、タンパク質はモノクローナル抗体、または特定の結合について無傷抗体と競合するその結合断片である、
    方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    二つのクロマトグラフィーステップのそれぞれ一つが、
    −クロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ;
    −クロマトグラフィーカラムに溶液または粗タンパク質溶離液を通すステップ;
    −クロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ;
    −場合によってクロマトグラフィーカラムに洗浄およびサニテーション緩衝液を通すステップ;
    −場合によってクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すステップ;
    −溶離緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから粗タンパク質溶離液を溶離するまたは精製されたタンパク質を回収するステップ
    を含み、
    ここで、各緩衝液は、ビストリス、酢酸、塩化ナトリウム(NaCl)、および水を含む、
    方法。
  3. 溶液からタンパク質を精製するための方法が、二つのクロマトグラフィーステップのみを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. ステップ(a)が、ビストリス溶液を用いて粗タンパク質溶離液のpHを調節することをさらに含み、特に、ステップ(a)が、ビストリス溶液を用いて、粗タンパク質溶離液のpHを6から7の間の値に調節することをさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップ(a)の終了時に得られた粗タンパク質溶離液が、pH調節、緩衝液交換または希釈などのいずれの処理も受けることなく、第二のクロマトグラフィーカラムに直接通される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の方法であって、
    (a)(i)第一のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すこと;
    (ii)第一のクロマトグラフィーカラムに溶液を通すこと;
    (iii)第一のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すこと;
    (iv)第一のクロマトグラフィーカラムに洗浄およびサニテーション緩衝液を通すこと;
    (v)第一のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すこと;
    (vi)第一の溶離緩衝液を用いて第一のクロマトグラフィーカラムから粗タンパク質溶離液を溶離すること;および
    (vii)場合によってビストリス溶液を用いて粗タンパク質溶離液のpHを調節すること
    を含む、第一のクロマトグラフィーステップ;ならびに
    (b)(i)第二のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すこと;
    (ii)第二のクロマトグラフィーカラムにステップ(a)からの粗タンパク質溶離液を通すこと;
    (iii)第二のクロマトグラフィーカラムに平衡緩衝液を通すこと;および
    (iv)第二の溶離緩衝液を用いて第二のクロマトグラフィーカラムから精製されたタンパク質を回収すること
    を含む、第二のクロマトグラフィーステップ
    を含
    ここで、各緩衝液は、ビストリス、酢酸、塩化ナトリウム(NaCl)、および水を含む、
    方法。
  7. モノクローナル抗体が、ヒトβアミロイドタンパク質の原線維形態に特異的に結合する抗体、細菌表面多糖ポリ−N−アセチルグルコサミン(PNAG)に特異的に結合する抗体、およびCD38膜貫通糖タンパク質に特異的に結合する抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップ(b)の後に、膜吸着体に粗タンパク質溶離液を通すステップ(c)をさらに
    含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  9. 膜吸着体が、耐塩性の相互作用クロマトグラフィー膜吸着体である、請求項に記載の方法。
  10. ステップ(b)または(c)の後にナノ濾過ステップをさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  11. ナノ濾過ステップの後に限外濾過および透析濾過ステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 第一の溶離緩衝液が、15から25mM ビストリス、および15から25mM NaClを含み、酢酸によって3から4の間のpHに調節された、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 第二の溶離緩衝液が、
    −15から25mM ビストリス、および15から25mM NaClを含み、酢酸によって4から5の間のpHに調節された、または
    −15から25mM ビストリス、および150から250mM NaClを含み、酢酸によって8から9の間のpHに調節された、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 平衡緩衝液が、15から25mM ビストリス、および15から25mM NaClを含み、酢酸によって7から8の間のpHに調節された、請求項2から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 洗浄およびサニテーション緩衝液が、15から25mM ビストリス、および0.9から1.1mM NaClを含み、酢酸によって7から8の間のpHに調節された、請求項2から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 精製されたタンパク質が、少なくとも85%の収率で回収される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 回収された精製されたタンパク質が、少なくとも95%の純度を示す、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 回収された精製されたタンパク質を医薬組成物中に配合するステップをさらに含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
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