JP6436882B2 - レギュレータ - Google Patents
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Description
これにより、2次側圧力が設定圧力よりも低ければ、弁体103が開弁方向に移動して1次側の流体が2次側に流入し、2次側圧力が設定圧力と同じになると、閉弁する。
そこで、一般的なレギュレータでは、上記のような大流量時の設定圧力降下を抑制するため、流量増加時に圧力感知部が感知する圧力を設定圧力より下げるためのベンチュリー管を設けたり、シートディスクの面積を大きくしてスプリングの付勢力低下を補うなどの対策を行ったりしている。しかし、いずれの対策も圧力条件により影響を受けてしまい、効果が一定に現れない。圧力条件によっては、2次側圧力が異常昇圧する場合がある。
第1の弁は、第2及び第3の弁を介して圧力感知部に圧力が導入され、1次側から2次側へ流すガスの流量を調整する。
第2の弁は、第1の弁の2次側に設けられた狭管部の圧力を第1の弁の圧力感知部に伝達する管路に設けられ、第1の弁の前後差圧が大きくなった場合に、第1の弁の圧力感知部での圧力低下が過大になるのを防ぐことを目的としている。狭管部での圧力低下が大きくなりすぎると、第3の弁による2次側管路から第1の弁の圧力感知部への圧力供給が不足し、結果としてその後に2次側圧力の上昇を引き起こすことになると考えられ、これを防止するための調整機能を第2の弁は持つ。
第3の弁は、2次側圧力を感知し、設定圧力以下であれば閉弁しているが、設定圧力以上になると開弁して、第1の弁の圧力感知部に2次側管路からの圧力を導入し、2次側圧力の異常昇圧を防止する機能を持つ。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、より簡素な構成によって、2次側圧力の異常昇圧を抑制できるレギュレータを得ることを目的とする。
図1は、この発明の実施の形態1に係るレギュレータ1を示す断面図である。レギュレータ1は、自身から見て上流側の配管である1次側管路2と、自身から見て下流側の配管である短管3a、ディフューザ3b及び2次側管路3cとの間に設けられる。ディフューザ3bは、下流に行くにつれて流路断面積が広くなる管であり、ディフューザ3bの下流に位置する2次側管路3cの流路断面積は、ディフューザ3bの上流に位置する短管3aの流路断面積よりも広くなる。
レギュレータ1は、ガス等の流体を、2次側管路3cの圧力が設定圧力となるように、1次側管路2から、短管3a次いでディフューザ3b次いで2次側管路3cへと流通させる。レギュレータ1は、第1の弁4と第2の弁6とを有する。
第1の弁4は、入口側が1次側管路2に接続し、出口側が2次側である短管3aに接続した流路41を有する。流路41には、弁座42と弁体43とから成るシートディスクが設けられており、弁体43が弁座42に接触し、また弁座42から離れることによって流路41が開閉される。図1は、弁体43が弁座42から離れた開弁状態を示している。弁体43は、弁棒44の一端に固定されている。弁棒44の他端は、リンク機構45に固定されている。
第1の空間49aと流路41とを仕切る遮蔽板51を貫通して、リンク機構45及び弁棒44は紙面左右方向に移動する。
図1における弁座42及び弁体43付近の拡大図である図2(a)に示すように、第2の空間53は、弁座42よりも幅広の弁体43と弁座42とにより形成される前室53aと、それ以外の後室53bとを有する。同じ弁座42周りの空間であっても、軸Xを境とした紙面上方に位置し短管3a側に向けて大きく開放している空間54と比べて、前室53aでは弁座42と弁体43との間を通過した流体が滞留しやすく、設定圧力よりも高い圧力が発生する。そして、前室53aで設定圧力よりも高圧となった流体は、絞り形成体52により狭められた後室53bによりその圧力を維持しながら、管路9へ送出される。
図2(b)では、弁体43よりも幅広の弁座42と、弁体43及び絞り形成体52とにより、設定圧力よりも高い圧力が発生する前室53aを形成する。また、図2(c)では、図2(a)に示す構成において、弁座42を弁体43と同様に幅広とし、設定圧力よりも高い圧力が発生する前室53aを形成する。前室53aの圧力を維持するように狭められた後室53bを含め、第2の空間53の圧力は設定圧力よりも高くなる。
図2(a)〜(c)で示したように、要は、弁座42と弁体43との間を通過した流体が流入して設定圧力よりも高い圧力となる第2の空間53に、管路9を接続した構成であればよい。
図3は、第2の弁6の構成例を示す断面図である。第2の弁6は、入口側が管路9に接続し、出口側が管路7に接続した流路61を有する。流路61には、弁座62と弁体63とから成るシートディスクが設けられている。
第1の弁4により2次側の圧力制御を行っている状態において、第2の空間53の圧力は、2次側の設定圧力よりも高くなっている。
圧力伝達管路8の圧力は、弁座42と弁体43との間を通過する流体の流量増加に伴いより低い圧力を示し、第1の空間49aの圧力が低下する。これは、弁座42と弁体43との間を通過する流量が増えると流速が上がり、短管3aと圧力伝達管路8との接続部分で働くベンチュリー効果が顕著となって、圧力伝達管路8及び第1の空間49aの圧力が低下するからである。
すると、ダイヤフラム47が紙面下方に移動し、リンク機構45により弁体43は紙面右方つまり開弁方向に移動する。これにより、設定圧力とするのに必要な流量以上の流量が流路41を通過して2次側管路3cへ送られることから、2次側管路3cの圧力が設定圧力以上に上昇しようとする。
すると、ダイヤフラム47が紙面上方に移動し、リンク機構45により弁体43は紙面左方つまり閉弁方向に移動する。これにより、設定圧力とするのに必要な流量以下の流量が流路41を通過して2次側管路3cへ送られることとなり、2次側管路3cの圧力が低下しようとする。
図4で示した構成に対してだけでなく、図1で示した構成に対して狭管部55を設けてもよい。
図4及び図5に示す構成とすると、1次側管路2の圧力が低下した場合に、図1に示す構成と比較し、2次側管路3cの圧力の低下をより抑制しやすくなる。なお、弁座42と弁体43との間を通過する流量が増加した場合では、第1の空間49aの圧力の低下が図1に示す構成のものよりも大きくはなるが、第2の弁6により第2の空間53の圧力が導入されることで、2次側圧力の異常昇圧は十分抑制できる。
2 1次側管路
3a 短管
3b ディフューザ
3c 2次側管路
4 第1の弁
6 第2の弁
7 管路
8 圧力伝達管路
9 管路
10 圧力伝達管路
11 フランジ
41 流路
42 弁座
43 弁体
44 弁棒
45 リンク機構
46 圧力感知部
47 ダイヤフラム
48 スプリング
49a 第1の空間
49b 第3の空間
50 大気孔
51 遮蔽板
52 絞り形成体
53 第2の空間
53a 前室
53b 後室
54 空間
55 狭管部
61 流路
62 弁座
63 弁体
64 リンク機構
65 圧力感知部
66 ダイヤフラム
67 スプリング
68a 第4の空間
68b 第5の空間
69 大気孔
70 ポート
100 レギュレータ
101 圧力感知部
102 弁座
103 弁体
104 圧力伝達管路
105 ダイヤフラム
106 スプリング
Claims (3)
- 1次側から2次側へと流体を流す流路に設けられるシートディスクと、
前記シートディスクと連動し、第1の空間の圧力に応じて変位するダイヤフラムと、
一端が前記シートディスクよりも下流の位置に、他端が前記第1の空間に接続する第1圧力伝達管路と、
前記シートディスクを通過した流体が流入し2次側の設定圧力よりも高圧になる第2の空間とを有する第1の弁と、
前記第1圧力伝達管路の一端の接続位置よりも下流かつ流路断面積の広い位置に一端が接続する第2圧力伝達管路を介して感知した圧力に応じて開閉し、入口側が前記第2の空間に、出口側が前記第1の空間に接続する第2の弁とを備え、
前記第2の弁は、感知した圧力が前記設定圧力よりも大きい第2の設定圧力以下の場合に閉弁し、前記第2の設定圧力よりも高い場合に開弁することを特徴とするレギュレータ。 - 下流側の配管と接続するためのフランジを備え、
前記第1圧力伝達管路の一端は、前記フランジよりも上流の位置に接続することを特徴とする請求項1記載のレギュレータ。 - 前記シートディスクを通過した流体が通過する、下流側へ向けてノズル状に形成された狭管部を、前記第1圧力伝達管路の一端が接続する位置に備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレギュレータ。
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