本開示は、パイロット型整圧器に関する。
流体圧力を調整する装置として直動型とパイロット型の整圧器が知られている。一般に直動型整圧器は、パイロット型整圧器よりも動特性に優れ、パイロット型整圧器は直動型整圧器よりも静特性に優れている。
特許文献1のパイロット型整圧器は、ベンチュリを採用することによりオフセット(ドゥループ)を低減させている。しかしながら、特許文献1のパイロット型整圧器は、アンローディングスタイルのパイロット型整圧器のみを対象としており、ローディングスタイルのパイロット型整圧器に直接適用することはできない。
本開示は、オフセット低減効果および応答性に優れたローディングスタイルおよびアンローディングスタイルのパイロット型整圧器を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第1に、主弁体および前記主弁体を駆動するためのローディング圧力の流体が導入されるローディング室を含む主レギュレータと、第1基準圧室、第1検圧室、前記第1基準圧室と前記第1検圧室とを区画するパイロットダイアフラムおよび前記パイロットダイアフラムと連動するパイロット弁体を含むパイロットレギュレータと、を備え、1次側ラインL1の1次圧力P1の流体を目標とする2次圧力P2の流体に減圧調整し2次側ラインL2に送出するパイロット型整圧器であって、前記主レギュレータの下流側に設けられ、流体の通過によりベンチュリ効果を発生させ前記主弁体により減圧された流体を一部領域においてより低い陰圧PVの流体圧力にするベンチュリ効果発生手段と、前記2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rを検知するための第1検知ポートと、前記陰圧PVを検知するための第2検知ポートと、前記第1検知ポートから前記第2検知ポートに至るフィードバックラインと、を備え、前記第1検圧室は、前記フィードバックラインの途中の位置に接続されることを特徴とする。
この構成によれば、ベンチュリ効果発生手段およびフィードバックラインは、パイロットレギュレータの第1検圧室に2次側ラインL2の実際の流体圧力よりも低く、かつ、陰圧PVよりも高い値の流体圧力を導入する手段およびパイロット型整圧器のオフセットを低減させる手段として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第2に、第1の態様において、前記フィードバックラインにブースト調整弁が設けられてもよい。
この構成によれば、ブースト調整弁は、パイロット型圧力調整器の主レギュレータから送出される流体流量の増加にともない発生する場合があるブースト現象を抑制する手段として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第3に、第1または第2の態様において、前記フィードバックラインに流量調整弁が設けられてもよい。
この構成によれば、流量調整弁は、1次圧力P1の上昇にともない発生する場合があるブースト現象を抑制する手段として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第4に、第1乃至第3のいずれか一つの態様において、前記フィードバックラインに流量計測手段が設けられてもよい。
この構成によれば、流量計測手段は、パイロット型整圧器の主レギュレータから送出される流体流量の推定手段として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第5に、第1乃至第4のいずれか一つの態様において、前記第1検圧室は、前記フィードバックラインに並列または直列のいずれかにより接続されてもよい。
この構成によれば、第1検圧室は、直列または並列の接続方式により伝達関数が変化する、フィードバックラインを構成する管路要素として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第6に、第1乃至第5のいずれか一つの態様において、前記パイロットレギュレータは、プレ減圧弁の後段に接続されてもよい。
この構成によれば、プレ減圧弁は、パイロットレギュレータの応答性を調整する手段として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第7に、第1乃至第6のいずれか一つの態様において、パイロットレギュレータは、ローディング室およびパイロットレギュレータの出口側の流体がフィードバックラインに流出するのを制限するブリード絞りを備えるものであってよい。
この構成によれば、パイロットレギュレータは、正作動の主レギュレータに適用されるローディングパイロットとして機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第8に、第1乃至第6のいずれか一つの態様において、パイロットレギュレータは、パイロット供給ラインからローディング室およびパイロットレギュレータの入口側への流体の流入を制限するリストリクタを備えるものであってよい。
この構成によれば、パイロットレギュレータは、負作動の主レギュレータに適用されるアンローディングパイロットとして機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第9に、第7の態様において、前記主レギュレータは、前記フィードバックラインの途中の位置に接続される第2基準圧室および前記主弁体と連動し前記ローディング室と前記第2基準圧室を区画する主ダイアフラムを備えてもよい。
この構成によれば、主レギュレータは、2パス制御方式のローディングスタイルのパイロット型整圧器の主レギュレータとして機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第10に、第9の態様において、前記主レギュレータは、前記主レギュレータの前記主弁体から前記ベンチュリ効果発生手段に至る流路の途中に開口し、前記第2基準圧室に至る内部整圧ラインを備えてもよい。
この構成によれば、内部整圧ラインは、フィードバックラインとともにデュアルの整圧ラインとして機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第11に、第9または第10の態様において、前記第2基準圧室は、前記フィードバックラインに並列または直列のいずれかにより接続されてもよい。
この構成によれば、第2基準圧室は、直列または並列の接続方式により伝達関数が変化する、フィードバックラインを構成する管路要素として機能する。
図1Aは、実施例1に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。図1Bは、主弁体をプラグ付き弾性ダイアフラムとし、弁座をケージにより構成した一例である。
図2A、実施例2に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。図2Bは、ブリード絞りをパイロットレギュレータの内部に設けた一例である。
図3は、実施例3に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。
図4は、実施例4に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。
図5は、実施例5に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。
図6は、実施例6に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。
図7は、実施例7に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。
図8は、変形例1に係るパイロット型整圧器1B(ローディング型)を示している。
(実施例1)
図1A、図1Bは、実施例1に係るローディングスタイルのパイロット型整圧器1Aを示している。パイロット型整圧器1Aは、主レギュレータ30Aと、パイロットレギュレータ100Aと、ベンチュリ効果発生手段50と、フィードバックライン70とを含んでいる。
主レギュレータ30Aは、第1入口11A、第1出口12A、第1入口11Aと第1出口12Aとの間の第1流体通路13Aを有する第1弁部14Aと、第1流体通路13A内に設けられ第1入口11Aの流体を減圧する主弁体15Aと、主弁体15Aが着座可能に対向する第1弁座16Aと、ローディング圧力PLAを導入するための第1チャンバポート18Aが構成されるローディング室19Aと、第2チャンバポート26が構成されフィードバックライン70の途中の位置71に接続される第2基準圧室23Aと、ローディング室19Aと第2基準圧室23Aとを区画するとともに主弁体15Aと第1連動子15ARおよび第1梃子部材15ATを介して連動する主ダイアフラム17Aと、および、主ダイアフラム17Aに作用して主弁体15Aを閉方向に付勢する第1付勢手段22Aと、を含んでいる。
主レギュレータ30Aは、1次側ラインL1の1次圧力P1の流体を目標とする2次圧力P2の流体に減圧調整し2次側ラインL2に送出する。図1Aにおいて、第1弁座16Aは、シートリング16ASにより、主弁体15Aは、シートリング16ASの頂部のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座するプラグ弁15APにより構成されている。
図1Bに示すように、第1弁座16Aは、ケージ25により、主弁体15Aはケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座するプラグ付き弾性ダイアフラム24Pにより構成してもよい。
図1Aのパイロットレギュレータ100Aは、第2入口81A、第2出口82A、第2入口81Aと第2出口82Aとの間の第2流体通路83Aを有する第2弁部84Aと、第2流体通路83A内に設けられ第2入口81Aの流体を減圧するパイロット弁体85Aと、パイロット弁体85Aが着座可能に対向する第2弁座86Aと、フィードバックライン70の途中の位置71の流体圧力(P2V1)を導入する第4チャンバポート87が設けられた第1検圧室88Aと、大気圧PAまたは他の供給源からの流体圧力のいずれかを導入する第3チャンバポート89Aが設けられた第1基準圧室90Aと、第1検圧室88Aと第1基準圧室90Aとを区画するとともにパイロット弁体85Aと第2連動子85ARおよび第2梃子部材85ATを介して連動するパイロットダイアフラム91Aと、第1基準圧室90Aに設置されパイロットダイアフラム91A作用してパイロット弁体85Aを開く方向に付勢する第2付勢手段92Aと、および、ローディング室19Aおよび第2出口82Aの流体がフィードバックライン70または2次側ラインL2にブリードするのを制限するブリード絞り93と、を含んでいる。
パイロットレギュレータ100Aは、パイロット弁体85Aおよびブリード絞り93を通過する流体の流量に応じて第1検圧室88Aに導入された流体圧力の変化をより大きなローディング圧力PLAの流体に変換し、パイロットレギュレータ100Aの第2出口82Aから送出する。
ブリード絞り93は、ローディング室19Aおよびパイロットレギュレータ100Aの出口側の流体がフィードバックライン70に流出するのを制限する。ブリード絞り93の入口側は、例えば、ローディング室19Aおよびパイロットレギュレータ100Aの第2出口82Aに接続され、ブリード絞り93の出口側は、パイロットブリードライン502を経由してフィードバックライン70に接続される。ブリード絞り93は、図2Bに示すようにパイロットレギュレータ100Aの内部において、パイロット弁体85Aと第2出口82Aとの間の第2流体通路83Aから第1検圧室88Aに至る流路の途中に設けてもよい。また、ブリード絞り93は、図1に示すパイロットブリードライン502上または図2Bに示すパイロットレギュレータ100Aの内部のいずれか一つ以上に設けてもよい。
ベンチュリ効果発生手段50は、主レギュレータ30Aの下流側に設けられ、主弁体15Aから第1出口12Aに向かって減圧された流体が通過するとベンチュリ効果を発生させ、主弁体15Aにより減圧された流体を一部領域(図1中の符号202矢印付近)においてより低い陰圧PVの流体圧力にする。ベンチュリ効果発生手段50は、例えば、ベンチュリ(図6参照)、ノズル(図7参照)、アスピレータなどにより構成することができる。図1Aにおいて、ベンチュリ効果発生手段50は、アスピレータとして機能する第1出口12Aに開口する第2検知ポート202により構成される。
フィードバックライン70は、2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rを検知するための第1検知ポート201から、陰圧PVを検知するための第2検知ポート202に至る。フィードバックライン70は、途中の位置71において、第4チャンバポート87を介して第1検圧室88Aに接続され、第2チャンバポート26を介して第2基準圧室23Aに接続される。なお、第2チャンバポート26を介して大気圧PAまたは他の圧力源からの流体圧力が第2基準圧室23Aに導入されてもよい。図示しない入口側バルブ、フィルタ、ESV(緊急遮断弁)、図示の出口側バルブ600などが、必要により設けられてもよい。
以下、図1を参照して、実施例1のパイロット型整圧器1Aの動作について説明する。2次側ラインL2の下流側に接続されている図示しない流体消費機器が使用を開始すると、2次側ラインL2内の流体圧力は低下する。低下した2次側ラインL2内の流体圧力は、第1検知ポート201、第2検知ポート202を経由しパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aに導入され、パイロットダイアフラム91Aに作用する流体圧力も低下する。
パイロットダイアフラム91Aに作用する流体圧力が低下するとパイロット弁体85Aが開き、第2出口82Aから出力されるローディング圧力PLAが増加する。ローディング圧力PLAが増加すると、ローディング室19Aと第2基準圧室23Aの圧力差が大きくなり第1付勢手段22Aの付勢力に抗して主弁体15Aが開く。主弁体15Aが開くと、1次側ラインL1から2次側ラインL2へ減圧された流体が流れる。
ベンチュリ効果発生手段50は、主レギュレータ30Aの下流側に設けられ、主弁体15Aから第1出口12Aに向かって減圧された流体が通過するとベンチュリ効果を発生させ、主弁体15Aにより減圧された流体を一部領域(図1中の符号202矢印付近)においてより低い陰圧PVの流体圧力にする。流体消費機器の消費流量が比較的小さいときは、ベンチュリ効果は小さく、第1検知ポート201の流体圧力と、第2検知ポート202の陰圧PVとは、ほぼ同じ値を示す。流体消費機器の消費流量がある程度大きくなると、ベンチュリ効果が大きくなり第2検知ポート202の陰圧PVは低下し、第2検知ポート202の陰圧PVと第1検知ポート201の流体圧力との間に差圧が発生する。第2検知ポート202と、第1検知ポート201との間に差圧が発生すると、第1検知ポート201から第2検知ポート202に至るフィードバックライン70に、主弁体15Aおよびベンチュリ効果発生手段50を通過する流体流量に相関または比例するフィードバック流が発生する。
流体消費機器が使用を停止すると、2次側ラインL2内の流体圧力は上昇する。上昇した2次側ラインL2内の流体圧力は、第1検知ポート201、第2検知ポート202の両方を経由しパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aに導入され、パイロットダイアフラム91Aに作用する流体圧力も上昇する。
パイロットダイアフラム91Aに作用する流体圧力が上昇するとパイロット弁体85Aが閉じ、第2出口82Aから送出されるローディング圧力PLAが減少する。ローディング圧力PLAが減少すると、ローディング室19Aと第2基準圧室23Aの圧力差が小さくなり第1付勢手段22Aの付勢力により主弁体15Aが閉じる。
パイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aの流体圧力は、2次側ラインL2の実際の流体圧力よりも低く、かつ、陰圧PVよりも高い値を示すため、パイロット型整圧器1Aのオフセット(ドゥループ)は低減される。また、流体消費機器の使用開始または使用停止にともなう2次側ラインL2の流体圧力の変動は、第1検知ポート201と第2検知ポート202の両方を介してパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aに導入されるため、パイロット型整圧器1Aの応答性は、より一層改善される。
実施例1のパイロット型整圧器1Aによれば、
(1)ベンチュリ効果発生手段50およびフィードバックライン70は、パイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aに2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rよりも低く、かつ、陰圧PVよりも高い値の流体圧力を導入する手段およびパイロット型整圧器1Aのオフセットを低減させる手段として機能する。
(2)第1検知ポート201と第2検知ポート202は、ともにパイロットダイアフラム91Aに2次側ラインL2の流体圧力を導入するための検知手段およびパイロット型整圧器1Aの応答性を向上させる手段として機能する。
(実施例2)
図2Aは、パイロット型整圧器1A(ローディング型)の一部分を拡大したものである。実施例2のパイロット型整圧器1Aは、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700をフィードバックライン70上に備える点で実施例1と相違するが、その他の構成は実施例1と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
ブースト調整弁300は、第3入口305、第3出口306、第3入口305と第3出口306の間の第3流体通路307を有する第3弁部308と、第3流体通路307内に設けられ第3弁座302に着座または近接して対向するブースト弁体301と、ブースト弁体301を第3弁座302に着座または近接する方向に付勢する第3付勢手段304と、第3入口305の流体圧力が導入される第3検圧室309と、大気圧PAまたは他の圧力源からの流体圧力が導入される第4検圧室310と、および、第3検圧室309と第4検圧室310とを区画しブースト弁体301と連動する第3ダイアフラム303を含んでいる。なお、第3弁座302を設けず、ブースト弁体301は、第3流体通路307に突出させてもよい。
流量調整弁400は、第4入口401と、第4出口402と、第4入口401と第4出口402との間の第4流体通路403を有する第4弁部404と、第4流体通路403内に設けられ第4入口401の流体の通過を制限する流量調整弁体405と、1次圧力P1の流体圧力を導入する第5チャンバポート407が設けられた第5検圧室408と、大気圧PAを導入する第6チャンバポート409が設けられた第6検圧室410と、第5検圧室408と第6検圧室410とを区画するとともに流量調整弁体405と連動する第4ダイアフラム411と、および、第4ダイアフラム411に作用して流量調整弁体405を開方向に付勢する第4付勢手段412を含んでいる。なお、第6チャンバポート409は、省略してもよい。
流量計測手段700は、フィードバックライン70の流量を計測する。例えば、超音波流量計、熱式流量計、渦流量計、差圧流量計、層流型流量計などの流量計を用いることができる。
図2Aにおいてフィードバックライン70には、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700が備えられているが、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700のいずれか一つ以上を設けてもよい。
以下、図2Aを参照して、実施例2のパイロット型整圧器1Aの動作について説明する。ブースト調整弁300は、例えば、フィードバックライン70の第1検知ポート201側に設けられる。パイロット型整圧器1Aの主レギュレータ30Aから送出される流体の流量が増加すると2次側ラインL2の流体圧力がブーストする場合がある。ブーストはオフセットとは反対の現象を意味する。2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rが上昇すると第3検圧室309の流体圧力が上昇する。第3検圧室309の流体圧力が上昇すると、第3ダイアフラム303は、第3付勢手段304の付勢力に抗して移動する。ブースト弁体301は、第3ダイアフラム303と連動して第3弁座302からより離れ第3流体通路307の有効面積SE1を増加させる。
2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rがブースト調整弁300の設定値を超えるとブースト調整弁300の有効面積SE1が増加し、第1検圧室88Aに導入される流体圧力は、2次側ラインL2の実際の流体圧力に近づく。このように、ブースト調整弁300は、2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rが許容を超えて上昇することを抑制する。
流量調整弁400は、例えば、フィードバックライン70の第2検知ポート202側に設けられる。パイロット型整圧器1Aの主レギュレータ30Aから送出される流体の流量の増加に加えて、1次側ラインL1の1次圧力P1が上昇すると2次側ラインL2の流体圧力のブーストが顕著になる場合がある。1次圧力P1が上昇すると、第5検圧室408の流体圧力が上昇する。第5検圧室408の流体圧力が上昇すると、第4ダイアフラム411は、第4付勢手段412の付勢力に抗して移動する。流量調整弁体405は、第4ダイアフラム411と連動して第4流体通路403内にさらに突出し、第4流体通路403の有効面積SE2を減少させる。このように、流量調整弁400は、1次側ラインL1の1次圧力P1が上昇すると第4流体通路403の有効面積SE2を減少させる。このように流量調整弁400は、1次圧力P1が上昇した際に、2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rが許容を超えて上昇することを抑制する。
流量計測手段700は、フィードバックライン70上に設けられる。予め主弁体15Aを通過する流体流量とフィードバックライン70の流体流量との相関または比例関係を求めておけば、流量計測手段700による計測値から主弁体15Aを通過する流体流量を推定することが可能となる。
実施例2のパイロット型整圧器1Aによれば、
(1)ブースト調整弁300は、パイロット型整圧器1Aの主レギュレータ30Aから送出される流体流量の増加にともない発生するブースト現象を抑制する手段として機能する。
(2)流量調整弁400は、1次圧力P1の上昇にともない発生するブースト現象を抑制する手段として機能する。
(3)流量計測手段700は、パイロット型整圧器1Aの主レギュレータ30Aから送出される流体流量の推定手段として機能する。
(実施例3)
図3は、実施例3に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。
実施例3のパイロット型整圧器1Aは、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700をフィードバックライン70に備える点、第1検圧室88Aおよび第2基準圧室23Aがフィードバックライン70に直列に接続される点で実施例1と相違するが、その他の構成は実施例1と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図3に示すように、第1検圧室88Aは、第4チャンバポート入口87Iと第4チャンバポート出口87Oを介してフィードバックライン70に直列に接続される。さらに、第2基準圧室23Aは、第2チャンバポート入口26Iと第2チャンバポート出口26Oを介してフィードバックライン70に直列に接続される。なお、図3において、第1検圧室88Aおよび第2基準圧室23Aは、フィードバックライン70に直列に接続されているが、いずれか一方を直列に接続し、他方を並列に接続してもよい。図3において、流量調整弁400は、主レギュレータ30Aの筐体に組み込まれて一体化されているが、別体化して設けてもよい。
実施例3のパイロット型整圧器1Aによれば、
(1)第1検圧室88Aは、直列または並列の接続方式により伝達関数(例えば、積分効果)が変化する、フィードバックライン70を構成する管路要素として機能する。
(2)第2基準圧室23Aは、直列または並列の接続方式により伝達関数(例えば、積分効果)が変化する、フィードバックライン70を構成する管路要素として機能する。
(実施例4)
図4は、実施例4に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。
実施例4のパイロット型整圧器1Aは、主レギュレータ30Aの第2基準圧室23Aとパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aとを連通孔95を介して流体連通させている点、主レギュレータ30Aが、内部整圧ライン20を備える点で、実施例3と相違するが、その他の構成は実施例1と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
主レギュレータ30Aの第2基準圧室23Aは、パイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aと連通孔95を介して流体連通している。
内部整圧ライン20は、主レギュレータ30Aの主弁体15Aからベンチュリ効果発生手段50に至る流路の途中に開口し、第2基準圧室23Aに至る。
連通孔95は、主レギュレータ30Aの第2基準圧室23Aとパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aの流体圧力を均一化する。
内部整圧ライン20は、フィードバックライン70とともに検知ラインとして機能する。また、内部整圧ライン20は、主弁体15Aにより減圧された直後の流体の動圧PDを第2基準圧室23Aに導入し、ベンチュリ効果発生手段50により発生する陰圧PVを打ち消す方向に作用させることで、フィードバックライン70の2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rがブーストすることを抑制する。
実施例4のパイロット型整圧器1Aによれば、
(1)筐体に形成された連通孔95は、パイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aおよび主レギュレータ30Aの第2基準圧室23Aの圧力を均一化する手段として機能する。
(2)内部整圧ライン20は、フィードバックライン70とともにデュアルの整圧ラインとして機能するとともにブースト現象を抑制する手段として機能する。
(実施例5)
図5は、実施例5に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。実施例1乃至実施例4のパイロット型整圧器1Aは、ローディングスタイルであるが、実施例5のパイロット型整圧器1Bは、アンローディングスタイルである。
主レギュレータ30Bは、第1入口11B、第1出口12B、第1入口11Bと第1出口12Bとの間の第1流体通路13Bを有する第1弁部14Bと、第1流体通路13B内に設けられ第1入口11Bの流体を減圧する主弁体15Bと、主弁体15Bが着座可能に対向する第1弁座16Bと、ローディング圧力PLBを導入するための第1チャンバポート18Bが構成されるローディング室19Bと、大気圧PAまたは他の供給源からの流体圧力のいずれかを導入する第2チャンバポート27が構成された第2基準圧室23Bと、ローディング室19Bと第2基準圧室23Bとを区画するとともに第1連動子15BRおよび第1梃子部材15BTを介して主弁体15Bと連動する主ダイアフラム17Bと、および、主ダイアフラム17Bに作用して主弁体15Bを開方向に付勢する第1付勢手段22Bを含んでいる。
主レギュレータ30Bは、1次側ラインL1の1次圧力P1の流体を目標とする2次圧力P2の流体に減圧調整し2次側ラインL2に送出する。図5において、第1弁座16Bは、シートリング16BSにより、主弁体15Bは、シートリング16BSの頂部のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座するプラグ弁15BPにより構成されている。
図5のパイロットレギュレータ100Bは、第2入口81B、第2出口82B、第2入口81Bと第2出口82Bとの間の第2流体通路83Bを有する第2弁部84Bと、第2流体通路83B内に設けられ第2入口81Bの流体を減圧するパイロット弁体85Bと、パイロット弁体85Bが着座可能に対向する第2弁座86Bと、フィードバックライン70の途中の位置71の流体圧力(P2V1)を導入する第4チャンバポート87が設けられた第1検圧室88Bと、大気圧PAまたは他の供給源からの流体圧力のいずれかを導入する第3チャンバポート89Bが設けられた第1基準圧室90Bと、第1検圧室88Bと第1基準圧室90Bとを区画するとともにパイロット弁体85Bと第2連動子85BRおよび第2梃子部材85BTを介して連動するパイロットダイアフラム91Bと、第1基準圧室90Bに設置されパイロットダイアフラム91B作用してパイロット弁体85Bを開く方向に付勢する第2付勢手段92Bと、および、1次圧力P1の流体がパイロットレギュレータ100Bの第2入口81Bおよびローディング室19Bに流入するのを制限するリストリクタ94を含んでいる。
パイロットレギュレータ100Bは、パイロット弁体85Bおよびリストリクタ94を通過する流体の流量に応じて、第1検圧室88Bに導入された流体圧力の変化をより大きなローディング圧力PLBの流体に変換し、リストリクタ94の出口側から送出する。
リストリクタ94は、パイロット供給ライン501からローディング室19Bおよびパイロットレギュレータ100Bの第2入口81Bへの流体の流入を制限する。例えば、リストリクタ94の入口側は、パイロット供給ライン501に接続され、リストリクタ94の出口側は、パイロットレギュレータ100Bの第2入口81Bおよびローディング室19Bに接続され、1次圧力P1の流体がパイロットレギュレータ100Bの第2入口81Bおよびローディング室19Bに流入するのを制限する。
フィードバックライン70は、2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rを検知するための第1検知ポート201から、陰圧PVを検知するための第2検知ポート202に至る。フィードバックライン70は、途中の位置71において、第4チャンバポート87を介して第1検圧室88Bに接続される。
以下、図5を参照して、実施例5のパイロット型整圧器1Bの動作について説明する。2次側ラインL2の下流側に接続されている図示しない流体消費機器が使用を開始すると、2次側ラインL2内の流体圧力は低下する。低下した流体圧力は、第1検知ポート201、第2検知ポート202を経由しパイロットレギュレータ100Bの第1検圧室88Bに導入され、パイロットダイアフラム91Bに作用する流体圧力も低下する。
パイロットダイアフラム91Bに作用する流体圧力が低下すると第2付勢手段92Bの付勢力によりパイロット弁体85Bが開き、リストリクタ94の流体通過量および圧力降下量が増加し、第2入口81Bの流体圧力が低下する。第2入口81Bの流体圧力が低下すると、ローディング圧力PLBが低下し、ローディング室19Bと第2基準圧室23Aの圧力差が大きくなり第1付勢手段22Bの付勢力に抗して主弁体15Bが開く。主弁体15Bが開くと、1次側ラインL1から2次側ラインL2へ減圧された流体が流れる。
ベンチュリ効果発生手段50は、主レギュレータ30Bの下流側に設けられ、例えば、アスピレータにより構成される。ベンチュリ効果発生手段50は、主弁体15Bから第1出口12Bに向かって減圧された流体が通過するとベンチュリ効果を発生させ、主弁体15Aにより減圧された流体を一部領域(図5中の符号202矢印付近)においてより低い陰圧PVの流体圧力にする。流体消費機器の消費流量が比較的小さいときは、ベンチュリ効果は小さく、第2検知ポート202の流体圧力と第1検知ポート201の流体圧力とは、ほぼ同じ値を示す。流体消費機器の消費流量がある程度大きくなると、ベンチュリ効果が大きくなり第2検知ポート202の流体圧力は低下し、第2検知ポート202の流体圧力と、第1検知ポート201の流体圧力との間に差圧が発生する。第2検知ポート202と、第1検知ポート201との間に差圧が発生すると、第1検知ポート201から第2検知ポート202に至るフィードバックライン70に、主弁体15Aおよびベンチュリ効果発生手段50を通過する流体流量に相関または比例するフィードバック流が発生する。
第1検圧室88Bは、フィードバックライン70の途中の第1位置71に接続されているので、パイロットダイアフラム91Bには、第1検知ポート201における流体圧力よりも低く、第2検知ポート202よりも高い流体圧力が作用する。
実施例5のパイロット型整圧器1Bによれば、
(1)ベンチュリ効果発生手段50およびフィードバックライン70は、パイロットレギュレータ100Bの第1検圧室88Bに2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rよりも低く、かつ、陰圧PVよりも高い値の流体圧力を導入する手段およびパイロット型整圧器1Bのオフセットを低減させる手段として機能する。
(2)第1検知ポート201と第2検知ポート202は、ともにパイロットダイアフラム91Bに2次側ラインL2の流体圧力を導入するための検知手段およびパイロット型整圧器1Aの応答性を向上させる手段として機能する。
(実施例6)
図6は、実施例6に係るアンローディングスタイルのパイロット型整圧器1Bを示している。実施例6のパイロット型整圧器1Bは、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700をフィードバックライン70上に備える点、第1検圧室88Bがフィードバックライン70に直列に接続されている点、主レギュレータ30Bの主弁体15Bがプラグ付き弾性ダイアフラム24Pである点、第1弁座16Bがケージ25である点、ブースト調整弁300とパイロットレギュレータ100Bの筐体が一体化されている点、ベンチュリ効果発生手段50がベンチュリにより構成されている点で、実施例5と相違するが、その他の構成は実施例5と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
主レギュレータ30Bは、第1入口11Bと第1出口12Bの間の第1流体通路13Bに挿入される中空のケージ25と、ケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座し主弁体15Bとして機能するプラグ付き弾性ダイアフラム24Pと、および、プラグ付き弾性ダイアフラム24Pをケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFを閉止する方向に付勢する第5付勢手段24Sを含んでいる。
図6において、ブースト調整弁300とパイロットレギュレータ100Bの筐体が一体化されているが、別体化して構成してもよい。
以下、図6を参照して、実施例6のパイロット型整圧器1Bの動作について説明する。
2次側ラインL2の下流側に接続されている図示しない流体消費機器が使用を開始すると、2次側ラインL2内の流体圧力は低下する。低下した流体圧力は、第1検知ポート201、第2検知ポート202の両方を経由しパイロットレギュレータ100Bの第1検圧室88Bに導入され、パイロットダイアフラム91Bに作用する流体圧力も低下する。
パイロットダイアフラム91Bに作用する流体圧力が低下すると第2付勢手段92Bの付勢力によりパイロット弁体85Bが開き、リストリクタ94の流体通過量および圧力降下量が増加し、第2入口81Bの流体圧力が低下する。第2入口81Bの流体圧力が低下すると、ローディング圧力PLBが低下し、ローディング室19Bとケージ25内部の流体の圧力差が大きくなり、第5付勢手段24Sによる付勢力に抗してプラグ付き弾性ダイアフラム24Pがケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFを開く。ケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFが開くと、1次側ラインL1から2次側ラインL2へ減圧された流体が流れる。
ベンチュリ効果発生手段50は、主レギュレータ30Aの下流側に設けられ、例えば、スロート部を有するベンチュリにより構成される。ベンチュリ効果発生手段50は、主弁体15Bから第1出口12Bに向かって減圧された流体が通過するとベンチュリ効果を発生させ、主弁体15Bにより減圧された流体を一部領域(スロート部付近)においてより低い陰圧PVの流体圧力にする。流体消費機器の消費流量が比較的小さいときは、ベンチュリ効果は小さく、第2検知ポート202の流体圧力と、第1検知ポート201の流体圧力とは、ほぼ同じ値を示す。流体消費機器の消費流量がある程度大きくなると、ベンチュリ効果が大きくなり第2検知ポート202の流体圧力は低下し、第2検知ポート202の流体圧力と第1検知ポート201の流体圧力との間に差圧が発生する。第2検知ポート202と、第1検知ポート201との間に差圧が発生すると、第1検知ポート201から第2検知ポート202に至るフィードバックライン70に、主弁体15Bおよびベンチュリ効果発生手段50を通過する流体流量に相関または比例するフィードバック流が発生する。
第1検圧室88Bは、フィードバックライン70の途中の第1位置71に接続されているので、パイロットダイアフラム91Bには、第1検知ポート201における流体圧力よりも低く、第2検知ポート202よりも高い流体圧力が作用する。
実施例6のパイロット型整圧器1Bによれば、
(1)ブースト調整弁300は、パイロット型整圧器1Bの主レギュレータ30Bから送出される流体流量の増加にともない発生するブースト現象を抑制する手段として機能する。
(2)流量調整弁400は、1次圧力P1の上昇にともない発生するブースト現象を抑制する手段として機能する。
(3)流量計測手段700は、パイロット型整圧器1Bの主レギュレータ30Bから送出される流体流量の推定手段として機能する。
(4)第1検圧室88Bは、直列または並列の接続方式により伝達関数が変化する、フィードバックライン70を構成する管路要素として機能する。
(5)プラグ付き弾性ダイアフラム24Pは、主レギュレータ30Bの主弁体15Bとして、ケージ25は、第1弁座16Bとして機能する。
(実施例7)
図7は、実施例7に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。実施例7のパイロット型整圧器1Bは、主レギュレータ30Bの主弁体15Bがスリーブ21である点、第1弁座16Bがクロージャ22である点、ベンチュリ効果発生手段50がノズルにより構成されている点で、実施例6と相違するが、その他の構成は実施例6と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
主レギュレータ30Bは、第1入口11Bと第1出口12Bの間の第1流体通路13Bに挿入れたクロージャ22を備え、主弁体15Bは、クロージャ22のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座するスリーブ21である。
実施例7のパイロット型整圧器1Bによれば、
(1)スリーブ21は、主レギュレータ30Bの主弁体15Bとして、クロージャ22は、第1弁座16Bとして機能する。
(変形例1)
図8に示すパイロットレギュレータ100Aは、パイロットダイアフラム91Aとして機能する上部ダイアフラム91AUおよび下部ダイアフラム91ALと、ヨーク91AYに設けられたヨーク弁座86AYに着座可能に開閉しパイロット弁体85Aとして機能するサプライバルブ85ASと、リレイスプリング85ACによりヨーク弁座86AYが閉止する方向に付勢され、第1検圧室88A内の流体圧力が設定圧を超える流体圧力に急上昇した際にローディング圧力PLAの流体を第1検圧室88Aに排出するエキゾーストバルブ85AEと、および、第2弁座86Aとして機能するリレーノズル86ANを含んでいる。実施例1乃至実施例4に係るパイロットレギュレータ100Aは、図8に示すエキゾーストバルブ85AEを備えたものであってよい。この構成によれば、パイロットレギュレータ100Aは、消費機器が急停止した際に発生するロックアップ量を低減させる手段として機能する。
(変形例2)
図8に示すように、パイロットレギュレータ100Aは、2段減圧方式となるようにプレ減圧弁800Aの後段に設置される。アンローディングスタイルについてもパイロットレギュレータ100Bは、2段減圧方式となるように図示しないプレ減圧弁800Bの後段に設置されてもよい。
(変形例3)
主レギュレータ30A、30Bおよびパイロットレギュレータ100A、100Bは、梃子式のものでなくてもよい。ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700は、適宜、選択的に設けてよい。第1付勢手段乃至第5付勢手段は、コイルばね、板バネなどの弾性力を付勢する部材で構成してよい。パイロットブリードライン502のフィードバックライン70への接続位置は、図示した位置に限定することを意図するものではない。例えば、パイロットブリードライン502のフィードバックライン70への接続位置は、第1検圧室88A、88Bに接続されるフィードバックライン70の途中の位置71としてもよい。また、パイロットブリードライン502は、第1検圧室88A、88Bに接続されてもよい。ブリード絞り93およびリストリクタ94は、可変絞りにより有効面積SE1および有効面積SE2を調整可能な構成してもよい。
1A、1B:パイロット型整圧器、15A、15B:主弁体、17A、17B:主ダイアフラム、19A、19B:ローディング室、20:内部整圧ライン、23A、23B:第2基準圧室、30A、30B:主レギュレータ、50:ベンチュリ効果発生手段、70:フィードバックライン、85A、85B:パイロット弁体、88A、88B:第1検圧室、90A、90B:第1基準圧室、91A、91B:パイロットダイアフラム、93:ブリード絞り、94:リストリクタ、100A:パイロットレギュレータ(ローディングパイロット)、100B:パイロットレギュレータ(アンローディングパイロット)、201:第1検知ポート、202:第2検知ポート、300:ブースト調整弁、400:流量調整弁、501:パイロット供給ライン、700:流量計測手段、800:プレ減圧弁、L1:1次側ライン、L2:2次側ライン、P1:1次圧力、P2:2次圧力、PLA:ローディング圧力、PLB:ローディング圧力、PV:陰圧
本開示は、パイロット型整圧器に関する。
流体圧力を調整する装置として直動型とパイロット型の整圧器が知られている。一般に直動型整圧器は、パイロット型整圧器よりも動特性に優れ、パイロット型整圧器は直動型整圧器よりも静特性に優れている。
特許文献1のパイロット型整圧器は、ベンチュリを採用することによりオフセット(ドゥループ)を低減させている。しかしながら、特許文献1のパイロット型整圧器は、アンローディングスタイルのパイロット型整圧器のみを対象としており、ローディングスタイルのパイロット型整圧器に直接適用することはできない。
本開示は、オフセット低減効果および応答性に優れたローディングスタイルおよびアンローディングスタイルのパイロット型整圧器を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第1に、主弁体および前記主弁体を駆動するためのローディング圧力の流体が導入されるローディング室を含む主レギュレータと、第1基準圧室、第1検圧室、前記第1基準圧室と前記第1検圧室とを区画するパイロットダイアフラムおよび前記パイロットダイアフラムと連動するパイロット弁体を含むパイロットレギュレータと、1次側ラインL1の1次圧力P1の流体を前記パイロットレギュレータの入口側に供給するためのパイロット供給ラインと、前記パイロットレギュレータから出力される前記ローディング圧力の流体を前記ローディング室に供給するためのローディングラインと、を備え、前記1次側ラインL1の1次圧力P1の流体を目標とする2次圧力P2の流体に減圧調整し2次側ラインL2に送出するパイロット型整圧器であって、前記主レギュレータの下流側に設けられ、流体の通過によりベンチュリ効果を発生させ前記主弁体により減圧された流体を一部領域においてより低い陰圧PVの流体圧力にするベンチュリ効果発生手段と、前記2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rを検知するための第1検知ポートと、前記陰圧PVを検知するための第2検知ポートと、前記第1検知ポートから前記第2検知ポートに至るフィードバックラインと、前記パイロットレギュレータの出口側から前記フィードバックラインに接続されるパイロットブリードラインと、前記ローディング室および前記パイロットレギュレータの出口側の流体を前記フィードバックラインに流出するのを制限するブリード絞りと、を備え、前記第1検圧室および前記パイロットブリードラインは、それぞれ、前記フィードバックラインの途中の位置に接続されることを特徴とする。
この構成によれば、ベンチュリ効果発生手段およびフィードバックラインは、パイロットレギュレータの第1検圧室に2次側ラインL2の実際の流体圧力よりも低く、かつ、陰圧PVよりも高い値の流体圧力を導入する手段およびパイロット型整圧器のオフセットを低減させる手段として機能する。また、この構成によれば、パイロットレギュレータは、正作動の主レギュレータに適用されるローディングパイロットとして機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第2に、第1の態様において、前記フィードバックラインにブースト調整弁が設けられてもよい。
この構成によれば、ブースト調整弁は、パイロット型圧力調整器の主レギュレータから送出される流体流量の増加にともない発生する場合があるブースト現象を抑制する手段として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第3に、第1または第2の態様において、前記フィードバックラインに流量調整弁が設けられてもよい。
この構成によれば、流量調整弁は、1次圧力P1の上昇にともない発生する場合があるブースト現象を抑制する手段として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第4に、第1乃至第3のいずれか一つの態様において、前記フィードバックラインに流量計測手段が設けられてもよい。
この構成によれば、流量計測手段は、パイロット型整圧器の主レギュレータから送出される流体流量の推定手段として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第5に、第1乃至第4のいずれか一つの態様において、前記第1検圧室は、前記フィードバックラインに並列または直列のいずれかにより接続されてもよい。
この構成によれば、第1検圧室は、直列または並列の接続方式により伝達関数が変化する、フィードバックラインを構成する管路要素として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第6に、第1乃至第5のいずれか一つの態様において、前記パイロットレギュレータは、プレ減圧弁の後段に接続されてもよい。
この構成によれば、プレ減圧弁は、パイロットレギュレータの応答性を調整する手段として機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第7に、第1乃至第6のいずれか一つの態様において、パイロットレギュレータは、前記ブリード絞りに代えて、前記パイロット供給ラインから前記ローディング室および前記パイロットレギュレータの入口側への流体の流入を制限するリストリクタを備えるものであってよい。
この構成によれば、パイロットレギュレータは、負作動の主レギュレータに適用されるアンローディングパイロットとして機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第8に、第1乃至第6のいずれか一つの態様において、前記主レギュレータは、前記フィードバックラインの途中の位置に接続される第2基準圧室および前記主弁体と連動し前記ローディング室と前記第2基準圧室を区画する主ダイアフラムを備えてもよい。
この構成によれば、主レギュレータは、2パス制御方式のローディングスタイルのパイロット型整圧器の主レギュレータとして機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第9に、第8の態様において、前記主レギュレータは、前記主レギュレータの前記主弁体から前記ベンチュリ効果発生手段に至る流路の途中に開口し、前記第2基準圧室に至る内部整圧ラインを備えてもよい。
この構成によれば、内部整圧ラインは、フィードバックラインとともにデュアルの整圧ラインとして機能する。
本開示の一態様に係るパイロット型整圧器は、第10に、第8または第9の態様において、前記第2基準圧室は、前記フィードバックラインに並列または直列のいずれかにより接続されてもよい。
この構成によれば、第2基準圧室は、直列または並列の接続方式により伝達関数が変化する、フィードバックラインを構成する管路要素として機能する。
図1Aは、実施例1に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。図1Bは、主弁体をプラグ付き弾性ダイアフラムとし、弁座をケージにより構成した一例である。
図2A、実施例2に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。図2Bは、ブリード絞りをパイロットレギュレータの内部に設けた一例である。
図3は、実施例3に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。
図4は、実施例4に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。
図5は、実施例5に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。
図6は、実施例6に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。
図7は、実施例7に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。
図8は、変形例1に係るパイロット型整圧器1B(ローディング型)を示している。
(実施例1)
図1A、図1Bは、実施例1に係るローディングスタイルのパイロット型整圧器1Aを示している。パイロット型整圧器1Aは、主レギュレータ30Aと、パイロットレギュレータ100Aと、ベンチュリ効果発生手段50と、フィードバックライン70とを含んでいる。
主レギュレータ30Aは、第1入口11A、第1出口12A、第1入口11Aと第1出口12Aとの間の第1流体通路13Aを有する第1弁部14Aと、第1流体通路13A内に設けられ第1入口11Aの流体を減圧する主弁体15Aと、主弁体15Aが着座可能に対向する第1弁座16Aと、ローディング圧力PLAを導入するための第1チャンバポート18Aが構成されるローディング室19Aと、第2チャンバポート26が構成されフィードバックライン70の途中の位置71に接続される第2基準圧室23Aと、ローディング室19Aと第2基準圧室23Aとを区画するとともに主弁体15Aと第1連動子15ARおよび第1梃子部材15ATを介して連動する主ダイアフラム17Aと、および、主ダイアフラム17Aに作用して主弁体15Aを閉方向に付勢する第1付勢手段22Aと、を含んでいる。
主レギュレータ30Aは、1次側ラインL1の1次圧力P1の流体を目標とする2次圧力P2の流体に減圧調整し2次側ラインL2に送出する。図1Aにおいて、第1弁座16Aは、シートリング16ASにより、主弁体15Aは、シートリング16ASの頂部のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座するプラグ弁15APにより構成されている。
図1Bに示すように、第1弁座16Aは、ケージ25により、主弁体15Aはケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座するプラグ付き弾性ダイアフラム24Pにより構成してもよい。
図1Aのパイロットレギュレータ100Aは、第2入口81A、第2出口82A、第2入口81Aと第2出口82Aとの間の第2流体通路83Aを有する第2弁部84Aと、第2流体通路83A内に設けられ第2入口81Aの流体を減圧するパイロット弁体85Aと、パイロット弁体85Aが着座可能に対向する第2弁座86Aと、フィードバックライン70の途中の位置71の流体圧力(P2V1)を導入する第4チャンバポート87が設けられた第1検圧室88Aと、大気圧PAまたは他の供給源からの流体圧力のいずれかを導入する第3チャンバポート89Aが設けられた第1基準圧室90Aと、第1検圧室88Aと第1基準圧室90Aとを区画するとともにパイロット弁体85Aと第2連動子85ARおよび第2梃子部材85ATを介して連動するパイロットダイアフラム91Aと、第1基準圧室90Aに設置されパイロットダイアフラム91A作用してパイロット弁体85Aを開く方向に付勢する第2付勢手段92Aと、および、ローディング室19Aおよび第2出口82Aの流体がフィードバックライン70または2次側ラインL2にブリードするのを制限するブリード絞り93と、を含んでいる。
パイロットレギュレータ100Aは、パイロット弁体85Aおよびブリード絞り93を通過する流体の流量に応じて第1検圧室88Aに導入された流体圧力の変化をより大きなローディング圧力PLAの流体に変換し、パイロットレギュレータ100Aの第2出口82Aから送出する。
ブリード絞り93は、ローディング室19Aおよびパイロットレギュレータ100Aの出口側の流体がフィードバックライン70に流出するのを制限する。ブリード絞り93の入口側は、例えば、ローディング室19Aおよびパイロットレギュレータ100Aの第2出口82Aに接続され、ブリード絞り93の出口側は、パイロットブリードライン502を経由してフィードバックライン70に接続される。ブリード絞り93は、図2Bに示すようにパイロットレギュレータ100Aの内部において、パイロット弁体85Aと第2出口82Aとの間の第2流体通路83Aから第1検圧室88Aに至る流路の途中に設けてもよい。また、ブリード絞り93は、図1に示すパイロットブリードライン502上または図2Bに示すパイロットレギュレータ100Aの内部のいずれか一つ以上に設けてもよい。
ベンチュリ効果発生手段50は、主レギュレータ30Aの下流側に設けられ、主弁体15Aから第1出口12Aに向かって減圧された流体が通過するとベンチュリ効果を発生させ、主弁体15Aにより減圧された流体を一部領域(図1中の符号202矢印付近)においてより低い陰圧PVの流体圧力にする。ベンチュリ効果発生手段50は、例えば、ベンチュリ(図6参照)、ノズル(図7参照)、アスピレータなどにより構成することができる。図1Aにおいて、ベンチュリ効果発生手段50は、アスピレータとして機能する第1出口12Aに開口する第2検知ポート202により構成される。
フィードバックライン70は、2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rを検知するための第1検知ポート201から、陰圧PVを検知するための第2検知ポート202に至る。フィードバックライン70は、途中の位置71において、第4チャンバポート87を介して第1検圧室88Aに接続され、第2チャンバポート26を介して第2基準圧室23Aに接続される。なお、第2チャンバポート26を介して大気圧PAまたは他の圧力源からの流体圧力が第2基準圧室23Aに導入されてもよい。図示しない入口側バルブ、フィルタ、ESV(緊急遮断弁)、図示の出口側バルブ600などが、必要により設けられてもよい。
以下、図1を参照して、実施例1のパイロット型整圧器1Aの動作について説明する。2次側ラインL2の下流側に接続されている図示しない流体消費機器が使用を開始すると、2次側ラインL2内の流体圧力は低下する。低下した2次側ラインL2内の流体圧力は、第1検知ポート201、第2検知ポート202を経由しパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aに導入され、パイロットダイアフラム91Aに作用する流体圧力も低下する。
パイロットダイアフラム91Aに作用する流体圧力が低下するとパイロット弁体85Aが開き、第2出口82Aから出力されるローディング圧力PLAが増加する。ローディング圧力PLAが増加すると、ローディング室19Aと第2基準圧室23Aの圧力差が大きくなり第1付勢手段22Aの付勢力に抗して主弁体15Aが開く。主弁体15Aが開くと、1次側ラインL1から2次側ラインL2へ減圧された流体が流れる。
ベンチュリ効果発生手段50は、主レギュレータ30Aの下流側に設けられ、主弁体15Aから第1出口12Aに向かって減圧された流体が通過するとベンチュリ効果を発生させ、主弁体15Aにより減圧された流体を一部領域(図1中の符号202矢印付近)においてより低い陰圧PVの流体圧力にする。流体消費機器の消費流量が比較的小さいときは、ベンチュリ効果は小さく、第1検知ポート201の流体圧力と、第2検知ポート202の陰圧PVとは、ほぼ同じ値を示す。流体消費機器の消費流量がある程度大きくなると、ベンチュリ効果が大きくなり第2検知ポート202の陰圧PVは低下し、第2検知ポート202の陰圧PVと第1検知ポート201の流体圧力との間に差圧が発生する。第2検知ポート202と、第1検知ポート201との間に差圧が発生すると、第1検知ポート201から第2検知ポート202に至るフィードバックライン70に、主弁体15Aおよびベンチュリ効果発生手段50を通過する流体流量に相関または比例するフィードバック流が発生する。
流体消費機器が使用を停止すると、2次側ラインL2内の流体圧力は上昇する。上昇した2次側ラインL2内の流体圧力は、第1検知ポート201、第2検知ポート202の両方を経由しパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aに導入され、パイロットダイアフラム91Aに作用する流体圧力も上昇する。
パイロットダイアフラム91Aに作用する流体圧力が上昇するとパイロット弁体85Aが閉じ、第2出口82Aから送出されるローディング圧力PLAが減少する。ローディング圧力PLAが減少すると、ローディング室19Aと第2基準圧室23Aの圧力差が小さくなり第1付勢手段22Aの付勢力により主弁体15Aが閉じる。
パイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aの流体圧力は、2次側ラインL2の実際の流体圧力よりも低く、かつ、陰圧PVよりも高い値を示すため、パイロット型整圧器1Aのオフセット(ドゥループ)は低減される。また、流体消費機器の使用開始または使用停止にともなう2次側ラインL2の流体圧力の変動は、第1検知ポート201と第2検知ポート202の両方を介してパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aに導入されるため、パイロット型整圧器1Aの応答性は、より一層改善される。
実施例1のパイロット型整圧器1Aによれば、
(1)ベンチュリ効果発生手段50およびフィードバックライン70は、パイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aに2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rよりも低く、かつ、陰圧PVよりも高い値の流体圧力を導入する手段およびパイロット型整圧器1Aのオフセットを低減させる手段として機能する。
(2)第1検知ポート201と第2検知ポート202は、ともにパイロットダイアフラム91Aに2次側ラインL2の流体圧力を導入するための検知手段およびパイロット型整圧器1Aの応答性を向上させる手段として機能する。
(実施例2)
図2Aは、パイロット型整圧器1A(ローディング型)の一部分を拡大したものである。実施例2のパイロット型整圧器1Aは、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700をフィードバックライン70上に備える点で実施例1と相違するが、その他の構成は実施例1と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
ブースト調整弁300は、第3入口305、第3出口306、第3入口305と第3出口306の間の第3流体通路307を有する第3弁部308と、第3流体通路307内に設けられ第3弁座302に着座または近接して対向するブースト弁体301と、ブースト弁体301を第3弁座302に着座または近接する方向に付勢する第3付勢手段304と、第3入口305の流体圧力が導入される第3検圧室309と、大気圧PAまたは他の圧力源からの流体圧力が導入される第4検圧室310と、および、第3検圧室309と第4検圧室310とを区画しブースト弁体301と連動する第3ダイアフラム303を含んでいる。なお、第3弁座302を設けず、ブースト弁体301は、第3流体通路307に突出させてもよい。
流量調整弁400は、第4入口401と、第4出口402と、第4入口401と第4出口402との間の第4流体通路403を有する第4弁部404と、第4流体通路403内に設けられ第4入口401の流体の通過を制限する流量調整弁体405と、1次圧力P1の流体圧力を導入する第5チャンバポート407が設けられた第5検圧室408と、大気圧PAを導入する第6チャンバポート409が設けられた第6検圧室410と、第5検圧室408と第6検圧室410とを区画するとともに流量調整弁体405と連動する第4ダイアフラム411と、および、第4ダイアフラム411に作用して流量調整弁体405を開方向に付勢する第4付勢手段412を含んでいる。なお、第6チャンバポート409は、省略してもよい。
流量計測手段700は、フィードバックライン70の流量を計測する。例えば、超音波流量計、熱式流量計、渦流量計、差圧流量計、層流型流量計などの流量計を用いることができる。
図2Aにおいてフィードバックライン70には、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700が備えられているが、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700のいずれか一つ以上を設けてもよい。
以下、図2Aを参照して、実施例2のパイロット型整圧器1Aの動作について説明する。ブースト調整弁300は、例えば、フィードバックライン70の第1検知ポート201側に設けられる。パイロット型整圧器1Aの主レギュレータ30Aから送出される流体の流量が増加すると2次側ラインL2の流体圧力がブーストする場合がある。ブーストはオフセットとは反対の現象を意味する。2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rが上昇すると第3検圧室309の流体圧力が上昇する。第3検圧室309の流体圧力が上昇すると、第3ダイアフラム303は、第3付勢手段304の付勢力に抗して移動する。ブースト弁体301は、第3ダイアフラム303と連動して第3弁座302からより離れ第3流体通路307の有効面積SE1を増加させる。
2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rがブースト調整弁300の設定値を超えるとブースト調整弁300の有効面積SE1が増加し、第1検圧室88Aに導入される流体圧力は、2次側ラインL2の実際の流体圧力に近づく。このように、ブースト調整弁300は、2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rが許容を超えて上昇することを抑制する。
流量調整弁400は、例えば、フィードバックライン70の第2検知ポート202側に設けられる。パイロット型整圧器1Aの主レギュレータ30Aから送出される流体の流量の増加に加えて、1次側ラインL1の1次圧力P1が上昇すると2次側ラインL2の流体圧力のブーストが顕著になる場合がある。1次圧力P1が上昇すると、第5検圧室408の流体圧力が上昇する。第5検圧室408の流体圧力が上昇すると、第4ダイアフラム411は、第4付勢手段412の付勢力に抗して移動する。流量調整弁体405は、第4ダイアフラム411と連動して第4流体通路403内にさらに突出し、第4流体通路403の有効面積SE2を減少させる。このように、流量調整弁400は、1次側ラインL1の1次圧力P1が上昇すると第4流体通路403の有効面積SE2を減少させる。このように流量調整弁400は、1次圧力P1が上昇した際に、2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rが許容を超えて上昇することを抑制する。
流量計測手段700は、フィードバックライン70上に設けられる。予め主弁体15Aを通過する流体流量とフィードバックライン70の流体流量との相関または比例関係を求めておけば、流量計測手段700による計測値から主弁体15Aを通過する流体流量を推定することが可能となる。
実施例2のパイロット型整圧器1Aによれば、
(1)ブースト調整弁300は、パイロット型整圧器1Aの主レギュレータ30Aから送出される流体流量の増加にともない発生するブースト現象を抑制する手段として機能する。
(2)流量調整弁400は、1次圧力P1の上昇にともない発生するブースト現象を抑制する手段として機能する。
(3)流量計測手段700は、パイロット型整圧器1Aの主レギュレータ30Aから送出される流体流量の推定手段として機能する。
(実施例3)
図3は、実施例3に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。
実施例3のパイロット型整圧器1Aは、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700をフィードバックライン70に備える点、第1検圧室88Aおよび第2基準圧室23Aがフィードバックライン70に直列に接続される点で実施例1と相違するが、その他の構成は実施例1と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
図3に示すように、第1検圧室88Aは、第4チャンバポート入口87Iと第4チャンバポート出口87Oを介してフィードバックライン70に直列に接続される。さらに、第2基準圧室23Aは、第2チャンバポート入口26Iと第2チャンバポート出口26Oを介してフィードバックライン70に直列に接続される。なお、図3において、第1検圧室88Aおよび第2基準圧室23Aは、フィードバックライン70に直列に接続されているが、いずれか一方を直列に接続し、他方を並列に接続してもよい。図3において、流量調整弁400は、主レギュレータ30Aの筐体に組み込まれて一体化されているが、別体化して設けてもよい。
実施例3のパイロット型整圧器1Aによれば、
(1)第1検圧室88Aは、直列または並列の接続方式により伝達関数(例えば、積分効果)が変化する、フィードバックライン70を構成する管路要素として機能する。
(2)第2基準圧室23Aは、直列または並列の接続方式により伝達関数(例えば、積分効果)が変化する、フィードバックライン70を構成する管路要素として機能する。
(実施例4)
図4は、実施例4に係るパイロット型整圧器1A(ローディング型)を示している。
実施例4のパイロット型整圧器1Aは、主レギュレータ30Aの第2基準圧室23Aとパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aとを連通孔95を介して流体連通させている点、主レギュレータ30Aが、内部整圧ライン20を備える点で、実施例3と相違するが、その他の構成は実施例1と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
主レギュレータ30Aの第2基準圧室23Aは、パイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aと連通孔95を介して流体連通している。
内部整圧ライン20は、主レギュレータ30Aの主弁体15Aからベンチュリ効果発生手段50に至る流路の途中に開口し、第2基準圧室23Aに至る。
連通孔95は、主レギュレータ30Aの第2基準圧室23Aとパイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aの流体圧力を均一化する。
内部整圧ライン20は、フィードバックライン70とともに検知ラインとして機能する。また、内部整圧ライン20は、主弁体15Aにより減圧された直後の流体の動圧PDを第2基準圧室23Aに導入し、ベンチュリ効果発生手段50により発生する陰圧PVを打ち消す方向に作用させることで、フィードバックライン70の2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rがブーストすることを抑制する。
実施例4のパイロット型整圧器1Aによれば、
(1)筐体に形成された連通孔95は、パイロットレギュレータ100Aの第1検圧室88Aおよび主レギュレータ30Aの第2基準圧室23Aの圧力を均一化する手段として機能する。
(2)内部整圧ライン20は、フィードバックライン70とともにデュアルの整圧ラインとして機能するとともにブースト現象を抑制する手段として機能する。
(実施例5)
図5は、実施例5に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。実施例1乃至実施例4のパイロット型整圧器1Aは、ローディングスタイルであるが、実施例5のパイロット型整圧器1Bは、アンローディングスタイルである。
主レギュレータ30Bは、第1入口11B、第1出口12B、第1入口11Bと第1出口12Bとの間の第1流体通路13Bを有する第1弁部14Bと、第1流体通路13B内に設けられ第1入口11Bの流体を減圧する主弁体15Bと、主弁体15Bが着座可能に対向する第1弁座16Bと、ローディング圧力PLBを導入するための第1チャンバポート18Bが構成されるローディング室19Bと、大気圧PAまたは他の供給源からの流体圧力のいずれかを導入する第2チャンバポート27が構成された第2基準圧室23Bと、ローディング室19Bと第2基準圧室23Bとを区画するとともに第1連動子15BRおよび第1梃子部材15BTを介して主弁体15Bと連動する主ダイアフラム17Bと、および、主ダイアフラム17Bに作用して主弁体15Bを開方向に付勢する第1付勢手段22Bを含んでいる。
主レギュレータ30Bは、1次側ラインL1の1次圧力P1の流体を目標とする2次圧力P2の流体に減圧調整し2次側ラインL2に送出する。図5において、第1弁座16Bは、シートリング16BSにより、主弁体15Bは、シートリング16BSの頂部のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座するプラグ弁15BPにより構成されている。
図5のパイロットレギュレータ100Bは、第2入口81B、第2出口82B、第2入口81Bと第2出口82Bとの間の第2流体通路83Bを有する第2弁部84Bと、第2流体通路83B内に設けられ第2入口81Bの流体を減圧するパイロット弁体85Bと、パイロット弁体85Bが着座可能に対向する第2弁座86Bと、フィードバックライン70の途中の位置71の流体圧力(P2V1)を導入する第4チャンバポート87が設けられた第1検圧室88Bと、大気圧PAまたは他の供給源からの流体圧力のいずれかを導入する第3チャンバポート89Bが設けられた第1基準圧室90Bと、第1検圧室88Bと第1基準圧室90Bとを区画するとともにパイロット弁体85Bと第2連動子85BRおよび第2梃子部材85BTを介して連動するパイロットダイアフラム91Bと、第1基準圧室90Bに設置されパイロットダイアフラム91B作用してパイロット弁体85Bを開く方向に付勢する第2付勢手段92Bと、および、1次圧力P1の流体がパイロットレギュレータ100Bの第2入口81Bおよびローディング室19Bに流入するのを制限するリストリクタ94を含んでいる。
パイロットレギュレータ100Bは、パイロット弁体85Bおよびリストリクタ94を通過する流体の流量に応じて、第1検圧室88Bに導入された流体圧力の変化をより大きなローディング圧力PLBの流体に変換し、リストリクタ94の出口側から送出する。
リストリクタ94は、パイロット供給ライン501からローディング室19Bおよびパイロットレギュレータ100Bの第2入口81Bへの流体の流入を制限する。例えば、リストリクタ94の入口側は、パイロット供給ライン501に接続され、リストリクタ94の出口側は、パイロットレギュレータ100Bの第2入口81Bおよびローディング室19Bに接続され、1次圧力P1の流体がパイロットレギュレータ100Bの第2入口81Bおよびローディング室19Bに流入するのを制限する。
フィードバックライン70は、2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rを検知するための第1検知ポート201から、陰圧PVを検知するための第2検知ポート202に至る。フィードバックライン70は、途中の位置71において、第4チャンバポート87を介して第1検圧室88Bに接続される。
以下、図5を参照して、実施例5のパイロット型整圧器1Bの動作について説明する。2次側ラインL2の下流側に接続されている図示しない流体消費機器が使用を開始すると、2次側ラインL2内の流体圧力は低下する。低下した流体圧力は、第1検知ポート201、第2検知ポート202を経由しパイロットレギュレータ100Bの第1検圧室88Bに導入され、パイロットダイアフラム91Bに作用する流体圧力も低下する。
パイロットダイアフラム91Bに作用する流体圧力が低下すると第2付勢手段92Bの付勢力によりパイロット弁体85Bが開き、リストリクタ94の流体通過量および圧力降下量が増加し、第2入口81Bの流体圧力が低下する。第2入口81Bの流体圧力が低下すると、ローディング圧力PLBが低下し、ローディング室19Bと第2基準圧室23Aの圧力差が大きくなり第1付勢手段22Bの付勢力に抗して主弁体15Bが開く。主弁体15Bが開くと、1次側ラインL1から2次側ラインL2へ減圧された流体が流れる。
ベンチュリ効果発生手段50は、主レギュレータ30Bの下流側に設けられ、例えば、アスピレータにより構成される。ベンチュリ効果発生手段50は、主弁体15Bから第1出口12Bに向かって減圧された流体が通過するとベンチュリ効果を発生させ、主弁体15Aにより減圧された流体を一部領域(図5中の符号202矢印付近)においてより低い陰圧PVの流体圧力にする。流体消費機器の消費流量が比較的小さいときは、ベンチュリ効果は小さく、第2検知ポート202の流体圧力と第1検知ポート201の流体圧力とは、ほぼ同じ値を示す。流体消費機器の消費流量がある程度大きくなると、ベンチュリ効果が大きくなり第2検知ポート202の流体圧力は低下し、第2検知ポート202の流体圧力と、第1検知ポート201の流体圧力との間に差圧が発生する。第2検知ポート202と、第1検知ポート201との間に差圧が発生すると、第1検知ポート201から第2検知ポート202に至るフィードバックライン70に、主弁体15Aおよびベンチュリ効果発生手段50を通過する流体流量に相関または比例するフィードバック流が発生する。
第1検圧室88Bは、フィードバックライン70の途中の第1位置71に接続されているので、パイロットダイアフラム91Bには、第1検知ポート201における流体圧力よりも低く、第2検知ポート202よりも高い流体圧力が作用する。
実施例5のパイロット型整圧器1Bによれば、
(1)ベンチュリ効果発生手段50およびフィードバックライン70は、パイロットレギュレータ100Bの第1検圧室88Bに2次側ラインL2の実際の流体圧力P2Rよりも低く、かつ、陰圧PVよりも高い値の流体圧力を導入する手段およびパイロット型整圧器1Bのオフセットを低減させる手段として機能する。
(2)第1検知ポート201と第2検知ポート202は、ともにパイロットダイアフラム91Bに2次側ラインL2の流体圧力を導入するための検知手段およびパイロット型整圧器1Aの応答性を向上させる手段として機能する。
(実施例6)
図6は、実施例6に係るアンローディングスタイルのパイロット型整圧器1Bを示している。実施例6のパイロット型整圧器1Bは、ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700をフィードバックライン70上に備える点、第1検圧室88Bがフィードバックライン70に直列に接続されている点、主レギュレータ30Bの主弁体15Bがプラグ付き弾性ダイアフラム24Pである点、第1弁座16Bがケージ25である点、ブースト調整弁300とパイロットレギュレータ100Bの筐体が一体化されている点、ベンチュリ効果発生手段50がベンチュリにより構成されている点で、実施例5と相違するが、その他の構成は実施例5と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
主レギュレータ30Bは、第1入口11Bと第1出口12Bの間の第1流体通路13Bに挿入される中空のケージ25と、ケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座し主弁体15Bとして機能するプラグ付き弾性ダイアフラム24Pと、および、プラグ付き弾性ダイアフラム24Pをケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFを閉止する方向に付勢する第5付勢手段24Sを含んでいる。
図6において、ブースト調整弁300とパイロットレギュレータ100Bの筐体が一体化されているが、別体化して構成してもよい。
以下、図6を参照して、実施例6のパイロット型整圧器1Bの動作について説明する。
2次側ラインL2の下流側に接続されている図示しない流体消費機器が使用を開始すると、2次側ラインL2内の流体圧力は低下する。低下した流体圧力は、第1検知ポート201、第2検知ポート202の両方を経由しパイロットレギュレータ100Bの第1検圧室88Bに導入され、パイロットダイアフラム91Bに作用する流体圧力も低下する。
パイロットダイアフラム91Bに作用する流体圧力が低下すると第2付勢手段92Bの付勢力によりパイロット弁体85Bが開き、リストリクタ94の流体通過量および圧力降下量が増加し、第2入口81Bの流体圧力が低下する。第2入口81Bの流体圧力が低下すると、ローディング圧力PLBが低下し、ローディング室19Bとケージ25内部の流体の圧力差が大きくなり、第5付勢手段24Sによる付勢力に抗してプラグ付き弾性ダイアフラム24Pがケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFを開く。ケージ25の頂部のオリフィス開口部ORFが開くと、1次側ラインL1から2次側ラインL2へ減圧された流体が流れる。
ベンチュリ効果発生手段50は、主レギュレータ30Aの下流側に設けられ、例えば、スロート部を有するベンチュリにより構成される。ベンチュリ効果発生手段50は、主弁体15Bから第1出口12Bに向かって減圧された流体が通過するとベンチュリ効果を発生させ、主弁体15Bにより減圧された流体を一部領域(スロート部付近)においてより低い陰圧PVの流体圧力にする。流体消費機器の消費流量が比較的小さいときは、ベンチュリ効果は小さく、第2検知ポート202の流体圧力と、第1検知ポート201の流体圧力とは、ほぼ同じ値を示す。流体消費機器の消費流量がある程度大きくなると、ベンチュリ効果が大きくなり第2検知ポート202の流体圧力は低下し、第2検知ポート202の流体圧力と第1検知ポート201の流体圧力との間に差圧が発生する。第2検知ポート202と、第1検知ポート201との間に差圧が発生すると、第1検知ポート201から第2検知ポート202に至るフィードバックライン70に、主弁体15Bおよびベンチュリ効果発生手段50を通過する流体流量に相関または比例するフィードバック流が発生する。
第1検圧室88Bは、フィードバックライン70の途中の第1位置71に接続されているので、パイロットダイアフラム91Bには、第1検知ポート201における流体圧力よりも低く、第2検知ポート202よりも高い流体圧力が作用する。
実施例6のパイロット型整圧器1Bによれば、
(1)ブースト調整弁300は、パイロット型整圧器1Bの主レギュレータ30Bから送出される流体流量の増加にともない発生するブースト現象を抑制する手段として機能する。
(2)流量調整弁400は、1次圧力P1の上昇にともない発生するブースト現象を抑制する手段として機能する。
(3)流量計測手段700は、パイロット型整圧器1Bの主レギュレータ30Bから送出される流体流量の推定手段として機能する。
(4)第1検圧室88Bは、直列または並列の接続方式により伝達関数が変化する、フィードバックライン70を構成する管路要素として機能する。
(5)プラグ付き弾性ダイアフラム24Pは、主レギュレータ30Bの主弁体15Bとして、ケージ25は、第1弁座16Bとして機能する。
(実施例7)
図7は、実施例7に係るパイロット型整圧器1B(アンローディング型)を示している。実施例7のパイロット型整圧器1Bは、主レギュレータ30Bの主弁体15Bがスリーブ21である点、第1弁座16Bがクロージャ22である点、ベンチュリ効果発生手段50がノズルにより構成されている点で、実施例6と相違するが、その他の構成は実施例6と同じであり、同じ部材には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
主レギュレータ30Bは、第1入口11Bと第1出口12Bの間の第1流体通路13Bに挿入れたクロージャ22を備え、主弁体15Bは、クロージャ22のオリフィス開口部ORFを開閉可能に着座するスリーブ21である。
実施例7のパイロット型整圧器1Bによれば、
(1)スリーブ21は、主レギュレータ30Bの主弁体15Bとして、クロージャ22は、第1弁座16Bとして機能する。
(変形例1)
図8に示すパイロットレギュレータ100Aは、パイロットダイアフラム91Aとして機能する上部ダイアフラム91AUおよび下部ダイアフラム91ALと、ヨーク91AYに設けられたヨーク弁座86AYに着座可能に開閉しパイロット弁体85Aとして機能するサプライバルブ85ASと、リレイスプリング85ACによりヨーク弁座86AYが閉止する方向に付勢され、第1検圧室88A内の流体圧力が設定圧を超える流体圧力に急上昇した際にローディング圧力PLAの流体を第1検圧室88Aに排出するエキゾーストバルブ85AEと、および、第2弁座86Aとして機能するリレーノズル86ANを含んでいる。実施例1乃至実施例4に係るパイロットレギュレータ100Aは、図8に示すエキゾーストバルブ85AEを備えたものであってよい。この構成によれば、パイロットレギュレータ100Aは、消費機器が急停止した際に発生するロックアップ量を低減させる手段として機能する。
(変形例2)
図8に示すように、パイロットレギュレータ100Aは、2段減圧方式となるようにプレ減圧弁800Aの後段に設置される。アンローディングスタイルについてもパイロットレギュレータ100Bは、2段減圧方式となるように図示しないプレ減圧弁800Bの後段に設置されてもよい。
(変形例3)
主レギュレータ30A、30Bおよびパイロットレギュレータ100A、100Bは、梃子式のものでなくてもよい。ブースト調整弁300、流量調整弁400、流量計測手段700は、適宜、選択的に設けてよい。第1付勢手段乃至第5付勢手段は、コイルばね、板バネなどの弾性力を付勢する部材で構成してよい。パイロットブリードライン502のフィードバックライン70への接続位置は、図示した位置に限定することを意図するものではない。例えば、パイロットブリードライン502のフィードバックライン70への接続位置は、第1検圧室88A、88Bに接続されるフィードバックライン70の途中の位置71としてもよい。また、パイロットブリードライン502は、第1検圧室88A、88Bに接続されてもよい。ブリード絞り93およびリストリクタ94は、可変絞りにより有効面積SE1および有効面積SE2を調整可能な構成してもよい。
1A、1B:パイロット型整圧器、15A、15B:主弁体、17A、17B:主ダイアフラム、19A、19B:ローディング室、20:内部整圧ライン、23A、23B:第2基準圧室、30A、30B:主レギュレータ、50:ベンチュリ効果発生手段、70:フィードバックライン、85A、85B:パイロット弁体、88A、88B:第1検圧室、90A、90B:第1基準圧室、91A、91B:パイロットダイアフラム、93:ブリード絞り、94:リストリクタ、100A:パイロットレギュレータ(ローディングパイロット)、100B:パイロットレギュレータ(アンローディングパイロット)、201:第1検知ポート、202:第2検知ポート、300:ブースト調整弁、400:流量調整弁、501:パイロット供給ライン、700:流量計測手段、800:プレ減圧弁、L1:1次側ライン、L2:2次側ライン、P1:1次圧力、P2:2次圧力、PLA:ローディング圧力、PLB:ローディング圧力、PV:陰圧