JP4919896B2 - 圧力調整弁 - Google Patents

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本発明は、給湯器等に使用される圧力調整弁に関するものである。
一次側通路と、一次側通路に直列に接続された二次側通路と、一次側通路と二次側通路との境界部よりも二次側通路側に配設されて前記境界部の流路面積を可変調整する弁体を有すると共に止水機能を有する弁機構とを備え、弁機構は二次側通路の流体圧力を感知して弁体を閉弁方向へ付勢する感圧部材を有することを特徴とする圧力調整弁が特許文献1等に開示されている。
特開2006−048549号公報
特許文献1等に開示された従来の圧力調整弁においては、感圧部材により付勢された弁体が一次側通路と二次側通路との境界部の流路面積を可変調整することにより、二次側通路の流体圧力が一次側通路の流体圧力に対して減圧調整される。特許文献1等に開示された従来の圧力調整弁には、圧力調整弁を通って流体が流れている時に、一次側通路の流体圧力の上昇に伴って減圧後の二次側通路の流体圧力も上昇し、感圧部材の付勢力を受けた弁体が弁座に接近して両者間の隙間が狭まるので、高圧の流体が一次側通路に供給された場合、弁体と弁座間の隙間が微小になり、流体中の微小異物が前記隙間に挟まって弁機構の止水機能が阻害されるという問題があった。圧力調整弁の止水機能が阻害されると、圧力調整弁よりも下流側の水回り機器の水栓が閉じている時にウォーターハンマー等により圧力調整弁の一次側通路の流体圧力が適正範囲を超えて上昇した場合、当該圧力が弁体と弁座との間の隙間を介して圧力調整弁の二次側通路に伝達され、更には下流側の水回り機器にも伝達されて当該水回り機器が損傷する事態を招くおそれがある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、一次側通路と、一次側通路に直列に接続された二次側通路と、一次側通路と二次側通路との境界部よりも二次側通路側に配設されて前記境界部の流路面積を可変調整する弁体を有すると共に止水機能を有する弁機構とを備える圧力調整弁であって、圧力調整弁を通って流体が流れている時に、弁機構の弁体と弁座との間の隙間に微小異物が挟まる事態の発生が抑制された圧力調整弁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、一次側通路と、一次側通路に直列に接続された二次側通路と、二次側通路に直列に接続された三次側通路と、一次側通路と二次側通路との境界部よりも二次側通路側に配設されて前記境界部の流路面積を可変調整する弁体を有すると共に止水機能を有する第1弁機構と、二次側通路と三次側通路との境界部の流路面積を可変調整する弁体を有する第2弁機構とを備え、第1弁機構と第2弁機構とは、それぞれ三次側通路の流体圧力を感知して前記境界部の流路面積を減少させる方向へ弁体を付勢する感圧部材を有し、第2弁機構は止水機能を有さないことを特徴とする圧力調整弁を提供する。
本発明に係る圧力調整弁においては、第1弁機構で減圧した流体圧力を第2弁機構で更に減圧するので、一次側通路の流体圧力が高くなっても、三次側通路の流体圧力は、第2弁機構を有さない従来の圧力調整弁の二次側通路の流体圧力に比べて低い値に維持される。止水機能を有する第1弁機構の弁体は、三次側通路の流体圧力を感知した感圧部材によって、一次側通路と二次側通路との境界部の流路面積を減少させる方向へ、即ち弁座に接近する方向へ付勢されるので、三次側通路の流体圧力が従来の圧力調整弁の二次側通路の流体圧力よりも低い値に維持される本発明に係る圧力調整弁においては、一次側通路の流体圧力が高くなっても、弁体と弁座との間の隙間は従来の圧力調整弁に比べて大きな値に維持される。従って、本発明に係る圧力調整弁においては、圧力調整弁を流体が流れている時に、止水機能を有する弁機構の弁体と弁座との間の隙間に微小異物が挟まる事態の発生が抑制される。
第1弁機構が止水機能を有しているので、第2弁機構は減圧機能のみ有すれば良い。第2弁機構が止水機能を有さないことにより、第2弁機構の構成が簡素化され、ひいては圧力調整弁の構成が簡素化される。
本発明の好ましい態様においては、第1弁機構の弁体の一次側通路流体圧力受圧面とは反対側の受圧面が三次側通路の流体圧力を受圧する。
第1弁機構の弁体の一次側通路流体圧力受圧面とは反対側の受圧面に印加される流体圧力は、弁体を弁座に接近する方向へ付勢する。従って、前記反対側の受圧面に、二次側通路の流体圧力に代えて、二次側通路の流体圧力よりも低圧の三次側通路の流体圧力を印加すれば、圧力調整弁を流体が流れている時の第1弁機構の弁体と弁座との間の隙間を大きくすることができ、弁体と弁座との間の隙間に微小異物が挟まる事態の発生を、より効果的に抑制することができる。
本発明の好ましい態様においては、三次側通路に絞り部が配設され、三次側通路の前記絞り部よりも下流側の流体圧力が第1弁機構の感圧部材と第1弁機構の弁体の前記反対側の受圧面とに印加される。
三次側通路に絞り部を設け、該部に圧力損失を発生させることにより、圧力調整弁よりも下流側の流量を、圧力調整弁よりも上流側の流体圧力変動の影響を極力排して、略定流量化することができる。この結果、圧力調整弁よりも下流に配設される末端のバルブに、流量調整機能を有さない単なる電磁弁を使用することが可能になる。また、絞り部よりも下流側の低い流体圧力を第1弁機構の感圧部材と第1弁機構の弁体の前記反対側の受圧面とに印加することにより、圧力調整弁を流体が流れている時の第1弁機構の弁体と弁座との間の隙間を更に大きくすることができ、弁体と弁座との間の隙間に微小異物が挟まる事態の発生をより一層効果的に抑制することができる。
本発明に係る圧力調整弁においては、第1弁機構で減圧した流体圧力を第2弁機構で更に減圧するので、一次側通路の流体圧力が高くなっても、三次側通路の流体圧力は、第2弁機構を有さない従来の圧力調整弁の二次側通路の流体圧力に比べて低い値に維持される。止水機能を有する第1弁機構の弁体は、三次側通路の流体圧力を感知した感圧部材によって、一次側通路と二次側通路との境界部の流路面積を減少させる方向へ、即ち弁座に接近する方向へ付勢されるので、三次側通路の流体圧力が従来の圧力調整弁の二次側通路の流体圧力よりも低い値に維持される本発明に係る圧力調整弁においては、一次側通路の流体圧力が高くなっても、弁体と弁座との間の隙間は従来の圧力調整弁に比べて大きな値に維持される。従って、本発明に係る圧力調整弁においては、圧力調整弁を流体が流れている時に、止水機能を有する弁機構の弁体と弁座との間の隙間に微小異物が挟まる事態の発生が抑制される。
第1弁機構が止水機能を有しているので、第2弁機構は減圧機能のみ有すれば良い。第2弁機構が止水機能を有さないことにより、第2弁機構の構成が簡素化され、ひいては圧力調整弁の構成が簡素化される。
本発明の実施例に係る圧力調整弁を説明する。
図1に示すように、圧力調整弁1はボディ10を備えている。直列に接続された一次側通路11、二次側通路12、三次側通路13がボディ10の内部に形成されている。一次側通路11の上流端11aは図示しない水道配管に接続され、三次側通路13の下流端13aは図示しない給湯装置に接続されている。
側通路11内に逆止弁機構14が配設されている。
一次側通路11と二次側通路12との境界部の流路面積を可変調整する止水機能を有する第1弁機構15と、二次側通路12と三次側通路13との境界部の流路面積を可変調整する第2弁機構16とが配設されている。
第1弁機構15は、ボディ10の一部が形成するシリンダ15aと、シリンダ15a内で往復摺動するピストンヘッド15bと、ピスンヘッド15bの一方の端面から延びてシリンダ15aの一端からシリンダ15a外へ突出する第1ピストンロッド15cと、シリンダ15aの前記一端が形成する筒状の弁座15dと、第1ピストンロッド15cのシリンダ15a外へ突出した一端に固定されて弁座15dに対峙する弁体15eと、シリンダ15a周壁の第1ピストンロッド15cに対峙する部位に形成された開口15fと、ピストンヘッド15bの他方の端面から延びてシリンダ15aの他端からシリンダ15a外へ突出する第2ピストンロッド15gと、第2ピストンロッド15gのシリンダ15a他端から突出した一端に中心部が固定されたダイヤフラム15hと、ボディ10の一部により形成され、ダイヤフラム15hに対峙しダイヤフラム15hとシリンダ15aとピストンヘッド15bと協働して感圧室15iを形成するダイヤフラムケース15jと、ダイヤフラム15hを感圧室15i側へ押圧するバネ15kと、バネ15kを収容すると共にダイヤフラムケース15jと協働してダイヤフラム15hの周縁部を挟持するバネケース15mと、ピストンヘッド15bの周溝に収容されてピストンヘッド15bとシリンダ15a内周面との摺接部をシールするOリング15nとを有している。
シリンダ15aの前記一端が一次側通路11と二次側通路12との境界部17を形成している。弁体15eは二次側通路12内に配設されている。弁体15eの断面積はシリンダ15aの前記一端が形成する開口の面積よりも大きな値に設定されている。従って弁体15eは、弁座15dに接近離隔して境界部17の流路面積を可変調整することができると共に、弁座15dに当接して境界部17を閉鎖することができる。ピストンヘッド15bの受圧面積は弁体15eの受圧面積よりも大きな値に設定されている。ダイヤフラム15hの受圧面積はピストンヘッド15bの受圧面積よりも十分に大きな値に設定されている。
第2弁機構16は、ボディ10の一部が形成するシリンダ16aと、シリンダ16a内で往復摺動するピストンヘッド16bと、ピスンヘッド16bの一方の端面から延びてシリンダ16aの一端からシリンダ16a外へ突出する第1ピストンロッド16cと、第1ピストンロッド16cのシリンダ外へ突出した一端に固定された弁体16eと、シリンダ16a周壁の第1ピストンロッド16cに対峙する部位に形成された開口16fと、ピストンヘッド16bの他方の端面から延びてシリンダ16aの他端からシリンダ16a外へ突出する第2ピストンロッド16gと、第2ピストンロッド16gのシリンダ16a他端から突出した一端に中心部が固定されたダイヤフラム16hと、ボディ10の一部により形成され、ダイヤフラム16hに対峙しダイヤフラム16hとシリンダ16aとピストンヘッド16bと協働して感圧室16iを形成するダイヤフラムケース16jと、ダイヤフラム16hを感圧室16i側へ押圧するバネ16kと、バネ16kを収容すると共にダイヤフラムケース16jと協働してダイヤフラム16hの周縁部を挟持するバネケース16mとを有している。シリンダ16aの前記一端が二次側通路12と三次側通路13との境界部18を形成している。弁体16eは二次側通路12内に配設されている。弁体16eの断面積はシリンダ16aの前記一端が形成する開口の面積よりも小さな値に設定されている。従って、弁体16eはシリンダ16aの前記一端に接近離隔して境界部18の流路面積を可変調整することができるが、境界部18を閉鎖することはできない。
第1弁機構15の感圧室15iと第2弁機構16の感圧室16iとは、三次側通路13に連通している。
圧力調整弁1の下流側に配設された図示しない給湯装置の水栓が閉鎖され、圧力調整弁1内の水が停止している時は、止水機能を有する第1弁機構15は閉弁して境界部17を閉じており、二次側通路12は一次側通路11から遮断されている。止水機能を有さない第2弁機構16は開弁しており、二次側通路12と三次側通路13とは境界部18を介して連通している。この状態で、圧力調整弁1よりも上流側でウォーターハンマー等が発生し、圧力調整弁1の一次側通路11の水圧が適正範囲を超えて上昇しても、ピストンヘッド15bの受圧面積が弁体15eの受圧面積よりも大きく設定されており、一次側通路11の水圧は弁体15eを閉弁方向に付勢するので、第1弁機構15は開弁しない。従って、一次側通路11と二次側通路12との境界部17が閉鎖された状態は維持され、一次側通路11の適正範囲を超えた高水圧は二次側通路12に伝達されず、境界部18を介して二次側通路12に連通する三次側通路13に伝達されず、三次側通路の下流に配設された給湯装置に伝達されない。この結果、給湯装置の損傷が防止される。
給湯装置の水栓が開放されると、圧力調整弁1の二次側通路12と三次側通路13の水圧が低下する。この結果、ピストンヘッド15bと弁体15eとに印加される一次側通路11の水圧による付勢力の和は閉弁方向に働くが、ダイヤフラム15hに印加される三次側通路13の水圧による閉弁方向の付勢力の減少量が、ピストンヘッド15bと弁体15eとに印加される一次側通路11の水圧による閉弁方向の付勢力よりも大きくなり、弁体15eが弁座15dから離れ、第1弁機構15は開弁して、境界部17を開放する。境界部17を水道水が流れる際に、より詳しくは、第1弁機構の弁体15eと弁座15dとの間に形成された環状隙間を水道水が流れる際に、圧力損失が発生して水道水は減圧される。次いで、境界部18を水道水が流れる際に、より詳しくは第2弁機構16の弁体16eとシリンダ16aの前記一端との間に形成された環状隙間を水道水が流れる際に、圧力損失が発生して水道水は更に減圧される。二段階に亙って減圧された水道水が圧力調整弁1の下流側に配設された給湯装置に供給されることにより、給湯装置に印加される水圧が適正値に維持され、給湯装置の水栓からの吐出流量が適正値に維持される。
何らかの原因で三次側通路13の水圧が上昇すると、第1弁機構15においては、バネ15kの付勢力に抗してダイヤフラム15hが弁座15dから遠ざかる方向へ弾性変形し、ダイヤフラム15hに固定された第2ピストンロッド15gが、ひいてはピストンヘッド15b、第1ピストンロッド15cがダイヤフラム15hに追随してダイヤフラム15h側へ移動し、弁体15eが弁座15dに接近する。この結果、境界部17の流路面積が狭まり、より詳しくは弁座15dと弁体15eとの間の環状隙間が狭まり、境界部17を水道水が通過する際の圧力損失が増加する。同様にして第2弁機構16においても、境界部18の流路面積が狭まり、より詳しくは弁体16eとシリンダ16aの前記一端との間の環状隙間が狭まり、境界部18を水道水が通過する際の圧力損失が増加する。この結果、三次側通路13の水圧が下降する。従って、圧力調整弁1においては、三次側通路13の水圧は所定値以下に維持される。
給湯装置の水栓が閉鎖されて、圧力調整弁1内の水道水の流れが止まると、一次側通路11の水圧と二次側通路12の水圧との差圧が零になり、二次側通路12の水圧と三次側通路13の水圧との差圧が零になる。第1弁機構15のピストンヘッド15b、弁体15eに印加される水圧による開弁方向の付勢力と閉弁方向の付勢力とはバランスする。この時、ダイヤフラム15hに印加される水圧による閉弁方向の付勢力がバネ15kの開弁方向の付勢力よりも大きくなり、弁体15eが弁座15dに当接して一次側通路11と二次側通路12との境界部17を閉鎖する。この結果、圧力調整弁1は閉弁する。
圧力調整弁1を通って水道水が流れている時は、三次側通路13の水圧は一次側通路11の水圧の増減に応答して増減する。しかし圧力調整弁1においては、水道水が圧力調整弁1を通って流れている時に、第1弁機構15で減圧した水圧を第2弁機構16で更に減圧するので、一次側通路11の水圧が高くなっても、三次側通路13の水圧は、第2弁機構16に相当する二段目の弁機構を有さない従来の圧力調整弁の二次側通路の水圧に比べて低い値に維持される。止水機能を有する第1弁機構15の弁体15eは、三次側通路13の水圧を感知したダイヤフラム15hによって、一次側通路11と二次側通路12との境界部17の流路面積を減少させる方向へ、即ち弁座15dに接近する方向へ付勢されるので、ダイヤフラム15hに印加される流体圧力が従来の圧力調整弁に比べて低い圧力調整弁1においては、一次側通路11の水圧が高くなっても、弁体15eと弁座15dとの間の隙間は従来の圧力調整弁に比べて大きな値に維持される。従って、圧力調整弁1においては、圧力調整弁1を水道水が流れている時に、止水機能を有する第1弁機構15の弁体15eと弁座15dとの間の隙間に微小異物が挟まる事態の発生が抑制される。
第1弁機構15が止水機能を有しているので、第2弁機構16は減圧機能のみ有すれば良い。第2弁機構16が止水機能を有さないことにより、第2弁機構16の構成が簡素化され、ひいては圧力調整弁1の構成が簡素化されている。
図2に示すように、圧力調整弁1’においては、第1弁機構の弁体15e’はピストンヘッド20を形成している。ピストンヘッド20は、ボディ10の一部が形成する一端が閉鎖されたシリンダ21に、往復摺動可能に内嵌合している。ピストンヘッド20の周溝に収容されたOリング22がピストンヘッド20とシリンダ21内周面との摺接部をシールしている。ピストンヘッド20の弁座15dから離隔する側の端面20aは、弁体15e’の一次側通路流体圧力受圧面とは反対側の受圧面を形成している。端面20aが形成する受圧面の面積は、弁体15e’の一次側通路流体圧力受圧面と同一値に設定されている。シリンダヘッド15bとピストンロッド15cとシリンダヘッド20とを貫通する連通穴23が、シリンダ21の閉鎖端とピストンヘッド20の端面20aとの間の空間を三次側通路13のダイヤフラム15h近傍部に連通させている。
三次側通路13の第2弁機構16に近接する部位に、オリフィスを有する絞り部24が配設されている。絞り部24に代えて、ベンチュリを有する絞り部を配設しても良い。
上記構成により、第1弁機構15のダイヤフラム15hには、三次側通路13の絞り部24よりも下流側の流体圧力が印加され、第1弁機構15の弁体15e’の、一次側通路流体圧力受圧面とは反対側の受圧面20aには、三次側通路13の絞り部24よりも下流側の流体圧力が印加される。
上記を除き、実施例2に係る圧力調整弁1’の構造は、実施例1に係る圧力調整弁1の構造と同一である。図2において、実施例1に係る圧力調整弁1の構成部材と同一の構成部材には図1と同一の参照番号を付している。
第1弁機構15の弁体15e’の一次側通路流体圧力受圧面とは反対側の受圧面20aに印加される流体圧力は、弁体15e’を弁座15dに接近する方向へ付勢する。従って、前記反対側の受圧面20aに、実施例1のように二次側通路12の流体圧力を印加するのに代えて、二次側通路12の流体圧力よりも低圧の三次側通路13の流体圧力を印加すれば、圧力調整弁1’を流体が流れている時の第1弁機構15の弁体15e’と弁座15dとの間の隙間を、実施例1に比べて大きくすることができ、弁体15e’と弁座15dとの間の隙間に微小異物が挟まる事態の発生を、実施例1よりも効果的に抑制することができる。
三次側通路13に絞り部24を設け、該部に圧力損失を発生させることにより、圧力調整弁1’よりも下流側の流量を、圧力調整弁1’よりも上流側の流体圧力変動の影響を極力排して、略定流量化することができる。この結果、圧力調整弁1’よりも下流に配設される末端のバルブに、流量調整機能を有さない単なる電磁弁を使用することが可能になる。また、絞り部24よりも下流側の低い流体圧力を第1弁機構15のダイヤフラム15hと第1弁機構15の弁体15e’の前記反対側の受圧面20aとに印加することにより、圧力調整弁1’を流体が流れている時の第1弁機構15の弁体15e’と弁座15dとの間の隙間を更に大きくすることができ、弁体15e’と弁座15dとの間の隙間に微小異物が挟まる事態の発生をより一層効果的に抑制することができる。
実施例2において、第2弁機構16を取り除いて三次側通路13を二次側通路12に合体させ、合体後の二次側通路12に絞り部を配設し、当該絞り部よりも下流側の流体圧力をダイヤフラム15hと弁体15e’の前記反対側の受圧面20aとに印加しても良い。
上記構成によれば、第1弁機構15で減圧した流体圧力を二次側通路12に配設した絞り部で更に減圧するので、一次側通路の流体圧力が高くなっても、二次側通路12の絞り部よりも下流側の流体圧力は、前記絞り部を有さない従来の圧力調整弁の二次側通路の流体圧力に比べて低い値に維持される。第2弁機構16を備える場合に比べると低下するものの、定流量機能は従来の圧力調整弁に比べて高いレベルに維持される。止水機能を有する第1弁機構15の弁体15e’は、二次側通路12の絞り部よりも下流側の流体圧力を感知したダイヤフラム15hによって、一次側通路11と二次側通路12との境界部17の流路面積を減少させる方向へ、即ち弁座15dに接近する方向へ付勢されるので、第1弁機構15と絞り部とにより二段階で減圧された低圧の流体圧力がダイヤフラム15hに印加されることにより、一次側通路11の流体圧力が高くなっても、弁体15e’と弁座15dとの間の隙間は、弁機構により減圧されただけの二次側通路の流体圧力を感圧部材に印加していた従来の圧力調整弁に比べて、大きな値に維持される。第1弁機構15の弁体15e’の、一次側通路流体圧力受圧面とは反対側の受圧面20aに印加される流体圧力は、弁体15e’を弁座15dに接近する方向へ付勢する。従って、前記反対側の受圧面20aに、絞り部を有さない従来の圧力調整弁の二次側通路の流体圧力よりも低い、絞り部よりも下流側の二次側通路12の流体圧力を印加すれば、圧力調整弁1を流体が流れている時の第1弁機構15の弁体15e’と弁座15dとの間の隙間を、弁機構により減圧されただけの二次側通路の流体圧力を前記反対側の受圧面に印加していた従来の圧力調整弁に比べて、大きくすることができる。この結果、圧力調整弁1’を流体が流れている時に、止水機能を有する第1弁機構15の弁体15e’と弁座15dとの間の隙間に微小異物が挟まる事態の発生が抑制される。
本発明の実施例1に係る圧力調整弁の断面図である。 本発明の実施例2に係る圧力調整弁の断面図である。
符号の説明
1 圧力調整弁
10 ボディ
11 一次側通路
12 二次側通路
13 三次側通路
15 第1弁機構
16 第2弁機構
15h、16h ダイヤフラム
17 一次側通路と二次側通路との境界部
18 二次側通路と三次側通路との境界部
20 ピストンヘッド
21 シリンダ
22 Oリング
23 連通穴
24 絞り部

Claims (3)

  1. 一次側通路と、一次側通路に直列に接続された二次側通路と、二次側通路に直列に接続された三次側通路と、一次側通路と二次側通路との境界部よりも二次側通路側に配設されて前記境界部の流路面積を可変調整する弁体を有すると共に止水機能を有する第1弁機構と、二次側通路と三次側通路との境界部の流路面積を可変調整する弁体を有する第2弁機構とを備え、第1弁機構と第2弁機構とは、それぞれ三次側通路の流体圧力を感知して前記境界部の流路面積を減少させる方向へ弁体を付勢する感圧部材を有し、第2弁機構は止水機能を有さないことを特徴とする圧力調整弁。
  2. 第1弁機構の弁体の一次側通路流体圧力受圧面とは反対側の受圧面が三次側通路の流体圧力を受圧することを特徴とする請求項1に記載の圧力調整弁。
  3. 三次側通路に絞り部が配設され、三次側通路の前記絞り部よりも下流側の流体圧力が第1弁機構の感圧部材と第1弁機構の弁体の前記反対側の受圧面とに印加されることを特徴とする請求項2に記載の圧力調整弁。
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