JP4368508B2 - ポンプ吐出圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプ吐出圧制御装置に関し,特にアクチュエータへの供給圧力を制御する場合に流体圧力を安定して供給できるポンプ吐出圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車および産業車両に用いられているポンプ吐出圧制御装置としては、特開平8−42513号公報に記載されたものがある。
【0003】
前記特開平8−42513号公報に記載されたものは、ポンプ吐出流体を流量可変絞りを介してアクチュエータに供給する一方、前記流量可変絞りの前後の圧力差が所定値となるように前記流量可変絞り上流の作動流体の一部を適宜前記圧力差に感応するフローコントロール弁を介してポンプの吸い込み側へ還流している。
【0004】
この作動流体の還流量は、ポンプの吐出流量からアクチュエータの必要流量を差し引いた量に相当し、アクチュエータの必要量が車両速度の増加と共に低下するパワーステアリング装置にあっては、エンジン回転数に比例して増加する吐出流量は高速走行時には大部分が還流されることとなる。
【0005】
このため、前記増加した還流量の作動流体が通過する還流通路は、この還流量にあっても通路抵抗が少ない高容量(通路の径を大きくする等)の通路に形成して、この通路抵抗による背圧上昇等の圧力変動を抑制して、前記流量可変絞り前後の圧力差が変化することによるアクチュエータへの供給流量の変化を抑制するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のポンプ吐出圧制御装置において、アクチュエータへ供給する供給流量を制御することに加えて、アクチュエータへ供給する制御吐出圧を制御するようにしてアクチュエータを制御したい場合がある。
【0007】
このような場合、前記流量可変絞りの下流のアクチュエータへの吐出流体を電磁比例リリーフ弁に導き、設定圧を超える場合には、吐出流体の一部を前記還流通路へ適宜還流させることで前記制御吐出圧を調圧することができる。
【0008】
しかしながら、この方法では、前記還流通路への作動流体の還流量が変動する場合、前記還流通路内に圧力変動を生じる場合がある。
【0009】
この圧力変動は、前記電磁比例リリーフ弁の背圧を変動させ、電磁比例リリーフ弁の上流の制御吐出圧を変動させ、前記フローコントロール弁を閉弁方向への押圧力が変動することで還流通路への還流量も変動し、この還流量の変動が再び電磁比例リリーフ弁の背圧変動を惹起するという発振が生じ、安定性に問題を生ずることがあった。
【0010】
本発明は、上記従来の開題点に着目し成されたもので、フローコントロール弁からの還流通路の圧力変動の影響を受けず制御吐出圧の安定性確保ができるポンプ吐出圧制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、ポンプ吐出流体のアクチュエータへの供給系統に絞りを配置し、その絞り上流の圧力により開度を増加させる方向に付勢されると共に前記絞り下流の圧力により開度を減少させる方向に付勢され、その絞り前後の圧力差が所定値を超えるとき作動して、絞り上流の作動流体をポンプ吸込通路に連通した還流通路へ還流するスプール弁を備えたフローコントロール弁と、前記フローコントロール弁の絞り下流の制御吐出圧を指令電流により設定された圧力値に対応して開閉し、絞り下流の作動流体をポンプ吸込通路への戻し通路に還流させて調整する電磁比例リリーフ弁と、前記フローコントロール弁の還流通路との合流部分から前記電磁比例リリーフ弁までの戻し通路中に設けたオリフィスと、から構成したことを特徴とする。
【0012】
前記フローコントロール弁はアクチュエータへの作動流体の供給流量を制御するものであり、アクチュエータの要求特性に応じて前記絞りは固定絞りまたは可変絞りが選択される。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記オリフィスは、前記電磁比例リリーフ弁の出口穴、若しくは、前記戻し通路を構成する通路穴を小径にして構成したことを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、ポンプ吐出流体のアクチュエータへの供給系統に絞りを配置し、その絞り上流の圧力により開度を増加させる方向に付勢されると共に前記絞り下流の圧力により開度を減少させる方向に付勢され、その絞り前後の圧力差が所定値を超えるとき作動して、絞り上流の作動流体をポンプ吸込通路に連通した還流通路へ還流するスプール弁を備えたフローコントロール弁と、前記フローコントロール弁の絞り下流の制御吐出圧を、指令電流により設定された圧力値に対応して開閉し、絞り下流の作動流体をポンプ吸込通路への戻し通路に還流させて調整する電磁比例リリーフ弁と、前記戻し通路が連通するフローコントロール弁の還流通路からポンプ吸込通路に至る経路に接続したアキュムレータと、から構成したことを特徴とする。
【0016】
第4の発明は、ポンプ吐出流体のアクチュエータへの供給系統に絞りを配置し、その絞り上流の圧力により開度を増加させる方向に付勢されると共に前記絞り下流の圧力により開度を減少させる方向に付勢され、その絞り前後の圧力差が所定値を超えるとき作動して、絞り上流の作動流体をポンプ吸込通路に連通した還流通路へ還流するスプール弁を備えたフローコントロール弁と、前記フローコントロール弁の絞り下流の制御吐出圧を、指令電流により設定された圧力値に対応して開閉し、絞り下流の作動流体を戻し通路を介して直接リザーバタンクに還流させて調整する電磁比例リリーフ弁と、から構成したことを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
したがって、第1、3,4の発明では、電磁比例リリーフ弁に流す指令電流に比例してパイロット圧を変化させ、フローコントロール弁のスプール弁に作用する押圧力を変化させ、フローコントロール弁のスプール弁を移動させ、上記押圧力に釣り合うよう還流通路への作動流体の還流量を調整して、アクチュエータへ供給する新たな制御吐出圧及びこの制御吐出圧に対して所定の圧力差をもつポンプ圧を得ることができる。
そして、還流通路を通過する還流量の変化で、還流通路中に圧力変動があった場合においても、フローコントロール弁の還流通路中の圧力変動が緩和され、戻し通路を介して電磁比例リリーフ弁には伝えられず、電磁比例リリーフ弁の設定圧力が前記還流通路中の圧力変動に影響されて変動することが防止できる。
【0018】
そして、第1の発明では、フローコントロール弁の還流通路との合流部分から前記電磁比例リリーフ弁までの戻し通路中に設けたオリフィスによる圧力変動吸収手段を形成しているため、ポンプ吐出圧制御装置の全体構成および回路構成に何ら変更を加えることなく達成できる。
【0019】
そして、第2の発明では、第1の発明の効果に加えて、オリフィスを、前記電磁比例リリーフ弁の出口穴、若しくは、前記戻し通路を構成する通路穴を小径にして構成したため、オリフィスを形成するための部材を設ける必要がなく、穴加工時に段付穴の加工を行うのみでオリフィスを形成できる。
【0021】
また、第3の発明では、前記戻し通路が連通するフローコントロール弁の還流通路からポンプ吸込通路に至る経路に接続したアキュムレータを用いるため、ポンプ吐出圧制御装置の全体構成および回路構成に何ら変更を加えることなく達成できる。
【0022】
また、アキュムレータの圧力変動特性を調整することで所望の圧力変動のみを吸収させることもできる。
また、第4の発明では、電磁比例リリーフ弁の戻し通路を直接リザーバタンクに接続するのみでよいため、構成が簡単であると共に還流通路の圧力変動に一切影響されないので電磁比例リリーフ弁の制御油圧を安定して精度良く制御できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は本発明の一実施態様を示し、図1はポンプ吐出圧制御装置の全体の油圧回路図であり、図2はフローコントロール弁の断面図であり、図3はフローコントロール弁のパイロット圧を制御する電磁比例リリーフ弁の断面図を示す。
【0024】
図1において、ポンプ吐出圧制御装置1はフローコントロール弁2とフローコントロール弁2に隣接して配置される電磁比例リリーフ弁4とで構成され、これらフローコントロール弁2および電磁比例リリーフ弁4は、ポンプ3の図示しないケースに一体的に組込まれている。
【0025】
前記ポンプ3はエンジン等のポンプ駆動源5により駆動され、作動流体をリザーバタンク6から吸込通路7を介して吸込み、その吐出流体は前記フローコントロール弁2を介してアクチュエータ8に供給する。アクチュエータ8からの作動流体はドレイン通路9を介して前記リザーバタンク6に戻る。
【0026】
また、フローコントロール弁2からの還流された作動流体は還流通路10を介してポンプ3の吸込通路7に直接戻される。
【0027】
前記フローコントロール弁2は、ポンプ3からの作動流体を流量制御して下流に流す流量可変絞り21を備え、流量可変絞り21で流量制御された作動流体をアクチュエータ8に供給している。
【0028】
前記流量可変絞り21と並列にフローコントロールスプール弁22(以下スプール弁という)が配置され、一端にはポンプ圧Poによりスプール弁22を開弁方向に付勢すると共に、他端には流量可変絞り21下流の制御吐出圧Pcを微小な変動を抑制するオリフィス23を介して導入したパイロット圧Ppによりスプール弁22を閉弁方向に付勢されている。
【0029】
従って、スプール弁22はポンプ圧Poとパイロット圧Ppとのバランスに基づき変位し、パイロット圧Ppを基準として所定の圧力値(上記圧力差に相当する)だけ高いポンプ圧Poとなるよう流量制御可変絞り21上流の作動流体を開弁もしくは閉弁することで還流通路10へ還流させてポンプ圧Poを調圧するようにしている。
【0030】
前記フローコントロール弁2は、前記パイロット圧Ppが異常に上昇した際に開弁して、パイロット圧Ppを還流通路10へ還流してスプール弁22をポンプ圧Poにより開弁方向に変位させることでポンプ圧Poを減圧して制御吐出圧Pcを回路圧の異常な上昇を阻止し所定圧以下に減圧するリリーフ弁24を備えている。
【0031】
図2により、フローコントロール弁2の構造の詳細を説明する。なお、同一部品には同一符号を付して説明する。
【0032】
図2において、20は図示しないポンプボデーの一部を示し、一端がプラグ25で閉塞された摺動穴26の他端は流量可変絞り21を形成する小径穴27を挟んでアクチュエータ8に作動流体を供給するポート28に形成されている。前記ポート28はパイロット圧Ppの導入通路29を介してパイロット圧室30に連通し、導入通路29の一部は小径のオリフィス23に形成されている。
【0033】
前記摺動穴26の他端側にはポンプ3に連通するポンプポート31が開口すると共にポンプポート31の開口位置からプラグ25側に若干離れて還流通路10が開口している。
【0034】
前記スプール弁22は、大径部32と中径部33と小径部34とからなる段付構造に形成され、大径部32が摺動穴26に摺動自在に挿入され、プラグ25側の一端をパイロット圧Ppが加えられるパイロット室30に画成し、同時に大径部32の他端側をポンプ圧Poが作用するポンプ圧室35に画成する。
【0035】
また、スプール弁22はプラグ25に着座したスプリング36により他端側に付勢され、他端側のポンプ圧室35の圧力によりスプール弁22が前記スプリング36に抗して移動するとき大径部32で閉じていた還流通路10の一部がポンプ圧室35に開口してポンプ3からの作動流体の一部を還流通路10に還流させるよう連通する。
【0036】
さらに、スプール弁22の中径部33を挟んで他端から突出する小径部34はそれが貫通する小径穴27との間で流量可変絞り21を形成している。
【0037】
また、大径部32はパイロット圧室30に開口した中空に形成され、開口部にはスリーブ37で保持されたバルブシート38が設けられ、バルブシート38には背面からリリーフスプリング39により付勢され且つボールサポート40により支持されたスチールボール41が着座してリリーフ弁24を構成している。
【0038】
前記リリーフ弁24により戻された作動流体は大径部32に設けた横穴42および環状グルーブ43を介して前記還流通路10に戻される。
【0039】
即ち、ポンプ圧室35に流入した流量をQo,流量可変絞り21を通過する流量をQc,ポンプ圧室35から還流通路10へ還流される流量をQrfとすると、流量Qoは流量Qcと流量Qrfとに振り分けられ、下記の関係を持つ。
Qo=Qc+Qrf
また、スプール弁22の大径部32の断面積をAf1,中径部33の断面積をAf2,小径部34の断面積をAf3とし、ポンプ圧室35の圧力をPo,ポート28の制御吐出圧をPc,パイロット室30のパイロット圧をPpとし、Fkをスプリング36の荷重とすると、
Pc・Af3+Po(Af1−Af3)=Af1・Pp+Fk
の釣り合い式が成立する。
【0040】
静的には、Pc=Ppであるから、上記式は下記のように変換できる。
(Po−Pp)=Fk/(Af1−Af3)
即ち、流量可変絞り21の上流と下流との圧力差(Po−Pp)は、スプリング36の荷重Fkにより決定される。また、上記式は、パイロット圧Ppを調整することで制御吐出圧Pcを調整し、所定の上記圧力差(Po−Pp)の関係をもってポンプ圧Poをも調整することが理解できる。ポンプ圧Poは還流通路10への流量Qrfにより増減される。
【0041】
図1にもどり、前記電磁比例リリーフ弁4は、外部信号に基づいて設定リリーフ圧を変更可能となっているリリーフ弁であり、前記パイロット圧Ppを設定リリーフ圧に調圧する。
【0042】
従って、調圧時に一部のパイロット圧Ppの作動流体を前記還流通路10へ戻り通路11を介して還流させることで設定リリーフ圧に調圧する。
【0043】
設定リリーフ圧に調圧されたパイロット圧Ppは前記スプール弁22の他端に作用しスプール弁22を移動させ、ポンプ圧Poをパイロット圧Ppとバランスする圧力まで、開弁もしくは閉弁させて調圧し、前記流量可変絞り21を介して下流の制御吐出圧Pcが前記設定リリーフ圧となるよう制御する。
【0044】
前記電磁比例リリーフ弁4の戻り通路11には、オリフィス12が配置され、還流する作動流体はこのオリフィス12を通過した後に前記還流通路10へ流入する。
【0045】
図3により、電磁比例リリーフ弁4の構造の詳細を説明する。なお、同一部品には同一符号を付して説明する。
【0046】
前記電磁比例リリーフ弁4はバルブ部50と比例ソレノイド部60とで構成される。
【0047】
バルブ部50は、バルブシート51にポペット52を着座させるポペット弁であり、比例ソレノイド部60先端に固定されたスリーブ53内にバルブシート51が固定され、ポペット52は摺動自在に保持されている。
【0048】
前記スリーブ53は比例ソレノイド部60が図示しないポンプボデーに取付けられるとき、バルブシート51の背面からパイロット圧Ppを導入している。
【0049】
また、背面からソレノイドシャフト61によりバルブシート51側に押圧されているポペット52がバルブシート51から離脱して開弁するとき、作動流体はスリーブ53に設けた横穴54を介して戻り通路11に流入するようにしている。
【0050】
そして、本詳細図では図1とは異なり、戻り通路11中に配置されていたオリフィス12に代えて前記スリーブ53の横穴54を一部小径の段付穴として段付穴の小径穴部55にオリフィス機能を持たせるようにしている。
【0051】
比例ソレノイド部60は、ソレノイドコイル組立体62とこの組立体62とともに磁気回路を形成するベース63、プレート64、プラグ65、アーマチャ66から構成され、リード線67により制御電流が加えられるとき、制御電流値に応じた吸引力をもって、アーマチャ66をベース63側へ吸引するよう機能する。
【0052】
前記アーマチャ66は前記ソレノイドシャフト61に固定され、ソレノイドシャフト61はスプリング68により前記ポペット52側に付勢され、ポペット52をバルブシート51に着座させる。
【0053】
アジャスタ69は、スプリング68の付勢力を調整するものであり、これを操作することによって制御電流が印加されない場合の圧力値の高低を調整することが出来る。
【0054】
即ち、前記制御電流が印加されない場合には、ポペット52はソレノイドシャフト61を介してスプリング68の押圧力を受けて閉弁している。
【0055】
この状態におけるスプリング68の押圧力をFs,バルブシート51の開口面積をApとすると、開弁圧力即ちパイロット圧力Ppは、Pp=Fs/Apで決定される。
【0056】
制御電流を印加すると、前記スプリング68に対向する力Fsolがソレノイドシャフト61に作用することとなり、その場合のパイロット圧Ppは、
Pp=(Fs−Fsol)/Ap
となり、このパイロット圧Ppは、Fsol/Apだけ、即ち、比例ソレノイド部60により加えられた力だけ低く設定される。
【0057】
次に作動を説明する。
【0058】
ポンプ3を駆動し、作動流体を一方では流量可変絞り21を介してアクチュエータ8に供給し、他方ではスプール弁22を介して還流通路10を介してポンプ吸込通路7に還流させている。電磁比例リリーフ弁4に制御電流を供給していない状態では、パイロット圧Ppは前記のごとくスプリング68により設定された圧力となっている。
【0059】
この状態で、電磁比例リリーフ弁4に指令電流を流すと、それに比例して合計スプリング力(Fs−Fsol)を調整し、この調整された合計スプリング力(Fs−Fsol)に比例したパイロット圧Ppが発生し、このパイロット圧Ppはフローコントロール弁2のスプール弁22に作用する押圧力を変化させる。
【0060】
この押圧力の変化はフローコントロール弁2のスプール弁22を移動させ、上記押圧力に釣り合う新たな制御吐出圧Pc(制御吐出圧Pcがパイロット圧Ppの値となる)およびポンプ圧Po(前記したごとく制御吐出圧Pcに対して所定の圧力差をもつ)となるよう還流通路10への作動流体の還流量を調整する。
【0061】
上記調整において、還流通路10を通過する還流量の変化で、還流通路10中に圧力変動があった場合、この圧力変動は、図1の戻り通路11中に設けられたオリフィス12により減衰されるため、電磁比例リリーフ弁4には伝達されず、電磁比例リリーフ弁4は安定して作動する。
【0062】
図3の電磁比例リリーフ弁4にあっても、スリーブ53の段付穴54で形成した小径穴55がオリフィスとして機能して上記と同様に機能する。
【0063】
従って、この態様にあっては、ポンプ吸込通路7へ還流させる電磁比例リリーフ弁4の戻し通路11に圧力変動吸収手段としてオリフィス12,55を設けたため、フローコントロール弁2の還流通路10中の圧力変動が上記圧力変動吸収手段12,55により緩和吸収され、電磁比例リリーフ弁4の戻し通路11に伝えられるため、電磁比例リリーフ弁4の設定圧力が前記還流通路10中の圧力変動に影響されて変動することが防止できる。
【0064】
そして、フローコントロール弁2の還流通路10との合流部分から前記電磁比例リリーフ弁4までの戻し通路11中に設けたオリフィス12で圧力変動吸収手段を形成しているため、ポンプ吐出圧制御装置1の全体構成および回路構成に何ら変更を加えることなく達成できる。
【0065】
また、図3にあっては、オリフィスを、前記電磁比例リリーフ弁4の出口穴(横穴54)、若しくは、前記戻し通路11を構成する通路穴の一部を小径穴55にして構成したため、オリフィスを形成するための部材を設ける必要がなく、穴加工時に段付穴の加工を行うのみでオリフィスを形成できる。
【0066】
図4に示すポンプ吐出圧制御装置1は、本発明の他の実施態様を示すものである。図1に示す態様と同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0067】
図4にあっては、電磁比例リリーフ弁4の戻り通路13をフローコントロール弁2の還流通路10に連通させるのではなく、直接リザーバ6へ連通させるようにしている。
【0068】
本例にあっては、圧力変動を生じないリザーバ6へ戻り通路13を連通させるので、電磁比例リリーフ弁4がフローコントロール弁2により生ずる還流通路10内の圧力変動の影響を全く受けない。
【0069】
更に、本例にあっては、電磁比例リリーフ弁4の戻し通路13をリザーバタンク6に連通させるのみでよいため、構成が簡単であると共に還流通路10の圧力変動に一切影響されないので電磁比例リリーフ弁4の制御油圧を安定して精度良く制御できる。
【0070】
図5に示すポンプ吐出圧制御装置は、電磁比例リリーフ弁4の戻り通路11を従来と同様に還流通路10に連通させるのであるが、還流通路10もしくは還流通路10と連通するポンプ吸込通路7に、脈動を吸収緩和するアキュムレータ14等の脈動吸収装置を組み込んだものである。
【0071】
従って、還流通路10および還流通路10と連通するポンプ吸込通路7(図5で示す例)に圧力変動を吸収するアキュムレータ14を設置しているので、還流通路10中の圧力変動は抑えられ、電磁比例リリーフ弁4の安定性に影響を与えることがない。
【0072】
しかも、本例にあっては、還流通路10若しくは還流通路10が連通するポンプ吸込通路7に設置したアキュムレータ14を用いるため、ポンプ吐出圧制御装置1の全体構成および回路構成に何ら変更を加えることなく達成できる。
【0073】
また、アキュムレータ14の圧力変動特性を調整することで所望の圧力変動のみを吸収させることもできる。
【0074】
なお、上記実施形態において、圧力変動吸収手段としてオリフィスや小径穴、リザーバタンク、アキュムレータを用いるものについて説明したが、図示しないが、その他の圧力変動吸収手段であってもよい。
【0075】
他の圧力変動吸収手段としては、例えば、チョークや戻り通路途中に容積を拡大して設けた容積部やポンプ吸込通路途中に第2のリザーバタンクを設けて第2リザーバタンクに戻り通路を連通させるような圧力変動吸収手段を用いるものであってもよく、また、これ以外の圧力変動吸収手段を用いるものであってもよい。
【0076】
また、ポンプ吐出圧制御装置は、実施態様の一部に記載しているように自動車や産業車両に用いることは当然であるが、それ以外の用途にも、ポンプ吐出圧の制御が必要な場合には当然利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すポンプ吐出圧制御装置の油圧回路を示す回路図。
【図2】図1におけるフローコントロール弁の断面図。
【図3】同じく図1における電磁比例リリーフ弁の断面図。
【図4】本発明の他の実施形態を示すポンプ吐出圧制御装置の油圧回路を示す回路図。
【図5】本発明の更に他の実施形態を示すポンプ吐出圧制御装置の油圧回路を示す回路図。
【符号の説明】
1 ポンプ吐出圧制御装置
2 フローコントロール弁
3 ポンプ
4 電磁比例リリーフ弁
5 ポンプ駆動装置
6 リザーバタンク(圧力変動吸収手段)
7 ポンプ吸込通路
8 アクチュエータ
9 ドレイン通路
10 還流通路
11,13 戻し通路
12 オリフィス(圧力変動吸収手段)
14 アキュムレータ
21 流量可変絞り(絞り)
22 スプール弁
24 リリーフ弁
55 小径穴(圧力変動吸収手段)
Claims (4)
- ポンプ吐出流体のアクチュエータへの供給系統に絞りを配置し、その絞り上流の圧力により開度を増加させる方向に付勢されると共に前記絞り下流の圧力により開度を減少させる方向に付勢され、その絞り前後の圧力差が所定値を超えるとき作動して、絞り上流の作動流体をポンプ吸込通路に連通した還流通路へ還流するスプール弁を備えたフローコントロール弁と、
前記フローコントロール弁の絞り下流の制御吐出圧を、指令電流により設定された圧力値に対応して開閉し、絞り下流の作動流体をポンプ吸込通路への戻し通路に還流させて調整する電磁比例リリーフ弁と、
前記フローコントロール弁の還流通路との合流部分から前記電磁比例リリーフ弁までの戻し通路中に設けたオリフィスと、から構成したことを特徴とするポンプ吐出圧制御装置。 - 前記オリフィスは、前記電磁比例リリーフ弁の出口穴、若しくは、前記戻し通路を構成する通路穴を小径にして構成したことを特徴とする請求項1に記載のポンプ吐出圧制御装置。
- ポンプ吐出流体のアクチュエータへの供給系統に絞りを配置し、その絞り上流の圧力により開度を増加させる方向に付勢されると共に前記絞り下流の圧力により開度を減少させる方向に付勢され、その絞り前後の圧力差が所定値を超えるとき作動して、絞り上流の作動流体をポンプ吸込通路に連通した還流通路へ還流するスプール弁を備えたフローコントロール弁と、
前記フローコントロール弁の絞り下流の制御吐出圧を、指令電流により設定された圧力値に対応して開閉し、絞り下流の作動流体をポンプ吸込通路への戻し通路に還流させて調整する電磁比例リリーフ弁と、
前記戻し通路が連通するフローコントロール弁の還流通路からポンプ吸込通路に至る経路に接続したアキュムレータと、から構成したことを特徴とするポンプ吐出圧制御装置。 - ポンプ吐出流体のアクチュエータへの供給系統に絞りを配置し、その絞り上流の圧力により開度を増加させる方向に付勢されると共に前記絞り下流の圧力により開度を減少させる方向に付勢され、その絞り前後の圧力差が所定値を超えるとき作動して、絞り上流の作動流体をポンプ吸込通路に連通した還流通路へ還流するスプール弁を備えたフローコントロール弁と、
前記フローコントロール弁の絞り下流の制御吐出圧を、指令電流により設定された圧力値に対応して開閉し、絞り下流の作動流体を戻し通路を介して直接リザーバタンクに還流させて調整する電磁比例リリーフ弁と、から構成したことを特徴とするポンプ吐出圧制御装置。
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---|---|---|---|
JP2000268654A JP4368508B2 (ja) | 2000-09-05 | 2000-09-05 | ポンプ吐出圧制御装置 |
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