JP4070391B2 - ベーンポンプの圧力調整装置 - Google Patents

ベーンポンプの圧力調整装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧力制御弁を備えたベーンポンプの圧力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の制御弁を備えたベーンポンプとしては、圧力制御弁FVがベーンポンプVPに1体に組付けられた図5に示すような構造が知られている。このベーンポンプVPは、ボディ1側のブッシュ3及びカバー15側のブッシュ13によって駆動軸9を回転自在に支持している。駆動軸9には、ボディ1内に設けたロータ12がスプラインにより結合され、このロータ12には複数のベーン10が放射状に組み込まれている。
【0003】
更に、上記ロータ12の周囲には、図7に示すように楕円形の内壁を有するカムリング11が設けられている。そして、駆動軸9が駆動されると、当該駆動軸9に嵌装されたロータ12が回転し、このときベーン10がカムリング11の内壁に沿って出没を繰り返す。つまり、各ベーン10の先端がカムリング11に密接したまま回転するとともに、これら各ベーン10間のそれぞれが、独立した室を構成する。そして、各室が収縮行程に入ったときに高圧室1B側へ作動油を吐出する一方、各室が拡大行程に入ったときに吸込み管4を介してタンクTnに連通する低圧通路1C側から作動油を吸入する。
【0004】
ロータ12及びカムリング11の側面にはサイドプレート6が設けられている。このサイドプレート6の背面側には高圧室1Bを形成するとともに、この高圧室1BにベーンポンプVPの吐出油が導かれる。そして、この高圧室1B内の作動油の圧力により、サイドプレート6をロータ12側に押しつけ、ローディングバランスを保つとともに当接面からの圧油の漏出を少なくする。ボディ1とサイドプレート6の当接部にはシール7及び8が介装され、高圧室1Bからの圧油の流出を防止するとともに、ボディ1の右端部にはオイルシール2が装着され、駆動軸9をシールしている。
【0005】
ベーンポンプVPの駆動軸9は図示していないエンジンに連結されており、エンジンを始動すると駆動軸9に嵌装されたロータ12が回転する。従って、エンジン回転数が上昇すればするほどベーンポンプVPの吐出量が多くなる。ベーン10とサイドプレート6及びカバー15との摺接面からの漏れ油は、駆動軸9とロータ12のスプライン結合部及びロータ12の内周隙間6Bを介して、駆動軸9側の油溜り1Dに集合され、駆動軸9を回動自在に支持するブッシュ3に設けられた油溝3Aを介して、オイルシール2の背面側隙間1Eに流出する。
【0006】
ブッシュの油溝3Aは、ベーン10側からの漏れ油が恒常的に通過し、ブッシュ3の駆動軸9の支持部には常に新しい漏れ油が補充されるので、摺接部の焼き付きが未然に防止されるとともに、作動油の劣化を防止することができる。ブッシュの油溝3Aからオイルシールの背面側隙間1Eに流出した漏れ油は、ブッシュ3の繋止孔の一部を切り欠いて形成した窪み1Fと環流孔1Gを介して、タンクTnに連なるベーンポンプの低圧通路1Cに環流する。ブッシュの油溝3Aは、巾に比べて深さが浅いので、漏れ油の通過に際してはダンピング作用があるため、油溜り1Dは平準化された圧力となる。
【0007】
まず、図6に示す圧力調整弁SVに対してコントローラCTからの励磁電流が出力されず、連通孔1Pを介して図8に示す圧力制御弁FVの制御ばね室1Kに連通する圧力調整弁SVの1次圧力室1Qと、ダンピングオリフィス46Bと還流孔1Rとを介してベーンポンプの低圧通路1Cに連なる2次圧力室46A間が、ソレノイドSd側のばね48の設定荷重で背面から付勢されたポペット44の尖端44Bにより、遮断されている場合について説明する。
【0008】
図8(A)に示す作動停止状態の圧力制御弁FVは、ベーンポンプVPと共通のボディ1に、ベーンポンプの高圧室1B及び低圧通路1Cに連通するポンプポートP及びタンクポートTが設けられ、ボディ1に螺着されたコネクタ29には、プラグ28が保持されている。また、ボディ1に摺動自在に嵌合されたスプール21の左側には、プラグ28との当接段部21Aと負荷PSへの出力流量を制御する小径部21Bが突設されている。この小径部21Bをプラグ28の内周孔28Aに挿入することで、その挿入部分に絞りVを形成する。
【0009】
ボディ1内には、スプール21が摺動自在に嵌合され、このスプール21の右側には制御ばね室1Kが形成されている。この制御ばね室1K内には、絞りVの下流側(出力ポートPS側)の圧力が、コネクタの連通孔29A〜溝29B及びボディ1の連通孔1L〜1M〜1Nからなる連通路を介して導かれるとともに、制御ばね25が収容されスプール21を左方に付勢している。
【0010】
出力ポートPS側の負荷、例えば、油圧モータに駆動されるエンジンルーム内のファンを始動すると、ベーンポンプVPより供給される圧油は、ポンプポートPを介して圧力室1Jに導かれ、スプール21の大径部左端面21Fの受圧面積に圧力室1Jと制御ばね室1K間の差圧を乗じた推力が、出力ポートPS側の圧力が導かれた制御ばね室1K内の制御ばね25の反力に打ち勝って、図8(B)に示すようにスプール21を即座に右方に移動させる。この結果、絞りVが開口するので、所定圧力の出力流量が出力ポートPS側に供給される。
【0011】
ここで、絞りVの前後の差圧は、スプール21の大径部左端面21Fの右方への移動によって開口するタンクポートTの開口面積によって決定される。絞りVの下流側の圧力、つまり出力ポートPS側への供給圧力は、通路29A〜29B〜1L〜1M〜1Nを通って制御ばね室1Kに導かれるので、スプール21の両端の差圧は、絞りVの前後の差圧に等しくなる。
【0012】
そして差圧が大きくなると、この差圧にスプール21の大径部左端面21Fの面積を乗じた推力が、制御ばね25の反力にうち勝って、この推力が制御ばね25の反力にバランスする位置までスプール21を右方に移動させる。そして、スプール21の大径部左端面21FがタンクポートTに開口する位置まで移動すると、ポンプポートPがタンクポートTに連通するので、ベーンポンプVPの圧油の一部はタンクに還流される。このように、スプール21の移動量に応じて、絞りV前後の差圧が変化する。
【0013】
一方、スプール21の内部には、バルブシート33,ボール34,サポート35及びリリーフばね36等からなるリリーフ弁を内蔵している。出力ポートPS側への供給圧力が導かれた制御ばね室1K内の圧力は、フィルター31を介してバルブシート33に導かれ、リリーフばね36の端部に嵌着され当該リリーフばねに背面から付勢されたサポート35を介して、上記バルブシート33に着座するボール34に付加される。
【0014】
出力ポートPS側の圧力が異常に上昇し、制御ばね室1K内の圧力がリリーフばね36によって設定されている圧力を越えると、ボール34を押し開き制御ばね室1K内の作動油がタンクポートTへ還流される。そうすると、制御ばね室1K内の圧力が低下するため、スプール21の大径部左端面21Fの受圧面積にポンプポートPに連通する圧力室1Jと制御ばね室1K間の差圧を乗じた推力が、出力ポートPS側の圧力が導かれた制御ばね室1K内の制御ばね25の反力に打ち勝って、図8(B)に示すように、スプール21が右方に移動されポンプポートPをタンクポートTに連通する。
【0015】
この結果、ポンプポートPからタンクポートTに直接圧油が解放され、出力ポートPS側に供給される圧油の最大圧力が制御される。すなわち、スプール21は通常は前述した圧力制御弁として機能し、出力ポートPS側の圧力が異常に上昇した場合は、上述したリリーフ弁として機能する。
【0016】
続いて、圧力調整弁SVを図6に基づいて説明する。ボビン50にはコイル41が巻装され、当該ボビン50の内周側には鉄心42が嵌着されている。当該鉄心42にはアジャスタ49によりセット荷重を調整できるばね48が、アジャスタ49とポペット44の軸部44Cの左端に冠着されたばね座との間に収容され、ポペット44の尖端44Bをシート47側に付勢している。ポペットの軸部44Cには左右に貫通する連通孔が穿設されたコア44Aが圧入等により繋止され、当該コア44Aは軸部44Cを移動自在に支持する軸受け43Aを繋止したガイド43に係合している。
【0017】
圧力調整弁SVの1次圧力室1Qは、連通孔1Pを介して前記圧力制御弁FVの制御ばね室1Kに連通させるとともに、2次圧力室46Aは、ダンピングオリフィス46Bと還流孔1Rを介してベーンポンプの低圧通路1Cに連通している。
【0018】
コントローラCTの出力によりコイル41に励磁電流が流れると、上記鉄心42が磁化され、上記コア44Aが鉄心42に吸引されるので、コア44Aが繋止されたポペット44は左方に吸引され、シート47に対向するポペットの尖端44Bを右方に駆動するばね48の付勢力Fpがその分だけ減少する。シート47に当接するポペットの尖端44Bの受圧面積をAp,2次圧力室46Aの圧力をPrとすると、圧力調整弁SVの1次圧力室1Qの圧力Pqは、
Pq=Fp/Ap+Pr となる。
【0019】
すなわち、圧力調整弁SVの励磁電流を調整することにより、1次圧力室1Qの圧力Pqを調整することができる。圧力調整弁SVの1次圧力室1Qは、圧力制御弁FVの制御ばね室1Kを介して出力ポートPS側に連通しているので、前述したリリーフ作動と同様にスプール21を作動させ、出力ポートPS側への供給圧力Psを圧力調整弁SVの励磁電流により調整できることになる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、圧力調整弁SVの2次圧力室46Aは、ダンピングオリフィス46Bと還流孔1Rを介してベーンポンプの低圧通路1Cに連通している。このため、リリーフ作動時等に圧力制御弁FVからの還流油の流入によって低圧通路1Cの圧力が脈動すると、圧力調整弁SVの1次圧力室1Qと2次圧力室46A間の差圧が一定であっても、圧力制御弁FVの制御ばね室1Kに連通している1次圧力室1Qの圧力は、脈動する低圧通路1Cの圧力の影響を受けてしまうことになる。特に、低圧通路1Cの脈動が激しいと、出力ポートPS側の圧力が激しく変動する。
【0021】
本発明は以上の様な実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、出力ポートの圧力変動を小さくすることのできるベーンポンプの圧力調整弁を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明は、「駆動軸がエンジンに連結されエンジンの回転数に応じて吐出量が変化するベーンポンプと、このベーンポンプを負荷に接続する流路の途中に設けた絞りを介して負荷への供給圧力を制御する圧力制御弁と、この圧力制御弁の出力圧力を調整する圧力調整弁とを備え、圧力制御弁は、ボディと、前記絞りの上流側のポンプポートに接続した圧力室と、タンクに連通するタンクポートと、前記ボディに摺動自在に組み込んだスプールと、このスプールを挟んで圧力室の反対側に設けられた制御ばね室と、この制御ばね室に収容されスプールを左方に付勢する制御ばねとから構成され、上記圧力制御弁の上流側の圧力を前記スプールの左方の圧力室に、また下流側の圧力を右方の制御ばね室に導き、前記絞り前後の差圧が所定圧力以上になったとき、圧力室の圧力と制御ばね室間の差圧によるスプールの右方への推力が前記制御ばねの反力に打ち勝って前記スプールを移動させ、そのスプールの位置に応じた開度で圧力室を前記タンクポートに開口させて負荷への供給圧力を制御するとともに、圧力調整弁は、上記制御ばね室に連通する1次圧力室と、ソレノイドの励磁電流によってこの1次圧力室に対する圧力が調整される2次圧力室とを備え、上記圧力制御弁の制御ばね室の圧力をソレノイドの励磁電流によって調整するようにしたベーンポンプ」を前提とするものである。
【0023】
上記の課題を解決するために本発明のとった第1の手段は、「上記圧力調整弁の2次圧力室を、還流孔を介してベーンからの漏れ油が集合する駆動軸側の油溜りに連通させ、上記2次圧力室の圧油を駆動軸を回転自在に支持するブッシュの油溝を介して前記タンクポートに連なるベーンポンプの低圧通路に還流させること」である。つぎに第2の手段は、「上記圧力調整弁の2次圧力室を、ドレン通路を介してタンクに連通させること」である。続いて第3の手段は、「上記圧力調整弁の2次圧力室を、還流孔を介してタンクに接続された吸込み管に連なる吸込み通路に連通させること」である。還流孔は吸込み通路に直接開口させてもよいし、吸込み通路に設けた緩衝溝に開口させてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
車輌のエンジンルームを冷却するファンを油圧モータにより駆動する場合、当該油圧モータに圧油を供給するベーンポンプの供給流量を所定量に制御したとしても、油圧モータの内部漏れが作動油の温度によって変動するので、ファンを所定の回転数に制御することは困難である。この不具合を回避するためには、供給流量ではなく供給圧力を制御することが一般的におこなわれている。本発明に係わるベーンポンプは、上記供給圧力を制御するために使用されるものである。
【0025】
まず、本発明に係わる圧力調整装置の第1実施形態を図1に基づいて説明する。本実施形態に係わる圧力調整装置の従来構造に対する相違点は、圧力調整弁SVの2次圧力室46Aを、還流孔1Sを介してベーンからの漏れ油が集合する油溜り1Dに連通させたことである。2次圧力室46Aと還流孔1Sの間には、従来と同様なダンピングオリフィス46Bが設けられている。
【0026】
油溜り1Dは、ブッシュに設けられた油溝3A〜オイルシールの背面隙間1E〜ブッシュの外周側に形成された窪み1F〜還流孔1Gからなる還流通路を介して低圧通路1Cに連通している。上記ブッシュに設けられた油溝3Aは巾に比べて深さを浅くしたので、例えば、図8に示す圧力制御弁FVのリリーフ作動時等に、圧力制御弁FVからの還流流量によってベーンポンプの低圧通路1Cの圧力が脈動していても、圧力の脈動は、深さが浅い油溝3Aを出入りする作動油の通路抵抗により平準化され、油溜り1Dの圧力変動は小さくなる。
【0027】
このように、圧力調整弁SVの2次圧力室46Aとベーンポンプの低圧通路1Cの間に、還流孔1Sを介して、従来からある油溜り1D〜ブッシュに設けられた油溝3A〜オイルシールの背面隙間1E〜ブッシュ外周側の窪み1F〜還流孔1Gからなる還流通路を介在させるだけで、例えベーンポンプの低圧通路1Cの圧力が脈動していても、出力ポートPSに連なる圧力制御弁FVの制御ばね室に連通させた圧力調整弁SVの1次圧力室1Qの圧力、すなわち、ベーンポンプの出力ポートPSの圧力変動を小さくすることができる。
【0028】
続いて、本発明に係わる圧力調整装置の第2実施形態を図2に基づいて説明する。本実施形態においても2次圧力室46Aとドレン通路1Tの間には、従来と同様なダンピングオリフィス46Bが設けられている。本実施形態に係わる圧力調整装置の従来構造に対する相違点は、圧力調整弁SVの2次圧力室46Aを、ドレン通路1Tを介して直接タンクTnに連通させたことである。
【0029】
タンクTn内の圧力はほぼ一定なので、出力ポートPSに連なる圧力制御弁FVの制御ばね室1Kに連通させた圧力調整弁SVの1次圧力室1Qの圧力、すなわち、ベーンポンプの出力ポートPSの圧力変動を殆どなくすることができる。しかしドレン通路1Tは、従来よりある吸込み管とは別に設けるため、構造が複雑になってしまうという難点がある。
【0030】
つぎに説明する第3実施形態は、上記第2実施形態の難点を解消するもので、第2実施形態に対する相違点は、圧力調整弁SVの2次圧力室46AをタンクTnに連なる吸込み管4に連通させたことである。従来よりある吸込み管4を利用するので、構造が複雑になるの回避することができる。
【0031】
まず、第3実施形態に係わる圧力調整装置の具体的な構造を、図3に示す第1実施例に基づいて説明する。この実施例では、圧力調整弁SVの2次圧力室46Aに連なる還流孔1Uを、タンクTnに接続された吸込み管4に連なる吸込み通路1Vに直接連通させている。2次圧力室46Aと還流孔1Uの間には、従来と同様なダンピングオリフィス46Bが設けられている。吸込み通路1Vは、吸込み抵抗を小さくするためベーンポンプの低圧通路1Cに比べて通路面積を大きく設計しているので、例え低圧通路1Cの圧力が脈動していても、圧力脈動はタンクTnに連なる吸込み通路1Vに解放された途端に小さくなる。
【0032】
つぎに、図4に示す第2実施例は、還流孔1Uと吸込み通路1Vとの接続部に環状の緩衝溝1Wを設けたものである。上記第1実施形態の吸込み通路1V側に設けられた緩衝溝1W内は、吸込み通路1V内の作動油の流動に伴う動圧の影響が除かれるので、例えば、圧力制御弁FVからの還流流量によって、吸込み通路1V内に多少の圧力脈動が発生しても、その影響を殆ど無くすることができる。
【0033】
上述した第3実施形態では、いずれの実施例においても、圧力調整弁SVの2次圧力室46Aを、タンクTnに接続された吸込み管4に連なる吸込み通路1Vに連通させる。タンクTn内の圧力はほぼ一定なので、出力ポートPSに連なる圧力制御弁FVの制御ばね室に連通させた圧力調整弁SVの1次圧力室1Qの圧力、すなわち、ベーンポンプの出力ポートPSの圧力変動を小さくすることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、圧力調整弁の2次圧力室とベーンポンプの低圧通路の間に、従来からある油溜り〜ブッシュに設けられた油溝〜オイルシールの背面隙間〜ブッシュ外周側の窪み〜連通孔からなる還流通路を介在させるだけで、例えベーンポンプの低圧通路の圧力が脈動していても、圧力の脈動は深さが浅い油溝を出入りする作動油の通路抵抗により平準化され、油溜りの圧力変動は小さくなるため、圧力調整弁の1次圧力室の圧力、すなわち、ベーンポンプの出力ポートの圧力変動を小さくすることができる。
つぎに請求項2の発明によれば、圧力調整弁の2次圧力室を、ドレン通路を介してタンクに連通させる。2次圧力室を連通させたタンク内の圧力はほぼ一定なので、出力ポートに連なる圧力調整弁の1次圧力室の圧力、すなわち、出力ポートの圧力変動を殆どなくすることができる。
続いて請求項3の発明によれば、圧力調整弁の2次圧力室を還流孔を介してタンクに接続された吸込み管に連なる吸込み通路に連通させる。吸込み通路は、吸込み抵抗を小さくするためベーンポンプの低圧通路に比べて通路面積を大きく設計しているので、例え低圧通路の圧力が脈動していても、圧力脈動はタンクに連なる吸込み通路に解放された途端に小さくなる。2次圧力室を連通させたタンク内の圧力はほぼ一定なので、出力ポートに連なる圧力調整弁の1次圧力室の圧力、すなわち、出力ポートの圧力変動を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係わるベーンポンプの圧力調整装置の要部断面図である。
【図2】第2実施形態に係わるベーンポンプの圧力調整装置の要部断面図である。
【図3】第3実施形態の第1実施例に係わる圧力調整装置の要部断面図である。
【図4】第3実施形態の第2実施例に係わる圧力調整装置の要部断面図である。
【図5】従来技術に係わるベーンポンプの要部断面図である。
【図6】従来技術に係わるベーンポンプの圧力調整装置の要部断面図である。
【図7】上記ベーンポンプのJ−J矢視図である。
【図8】(A) 従来技術に係わる圧力制御弁の停止状態の断面図である。
(B) 従来技術に係わる圧力制御弁の操舵状態の断面図である。
【符号の説明】
FV 圧力制御弁
SV 圧力調整弁
Sd ソレノイド
PS 負荷
VP ベーンポンプ
V 絞り
P ポンプポート
T タンクポート
Tn タンク
1 ボディ
1C 低圧通路
1D 油溜り
1J 圧力室
1K 制御ばね室
1T ドレン通路
1V 吸込み通路
1W 緩衝溝
3A ブッシュの油溝
1S,1U 還流孔
9 駆動軸
10 ベーン
25 制御ばね
46A 2次圧力室

Claims (5)

  1. 駆動軸がエンジンに連結されエンジンの回転数に応じて吐出量が変化するベーンポンプと、このベーンポンプを負荷に接続する流路の途中に設けた絞りを介して負荷への供給圧力を制御する圧力制御弁と、この圧力制御弁の出力圧力を調整する圧力調整弁とを備え、圧力制御弁は、ボディと、前記絞りの上流側のポンプポートに接続した圧力室と、タンクに連通するタンクポートと、前記ボディに摺動自在に組み込んだスプールと、このスプールを挟んで圧力室の反対側に設けられた制御ばね室と、この制御ばね室に収容されスプールを左方に付勢する制御ばねとから構成され、上記圧力制御弁の上流側の圧力を前記スプールの左方の圧力室に、また下流側の圧力を右方の制御ばね室に導き、前記絞り前後の差圧が所定圧力以上になったとき、圧力室の圧力と制御ばね室間の差圧によるスプールの右方への推力が前記制御ばねの反力に打ち勝って前記スプールを移動させ、そのスプールの位置に応じた開度で圧力室を前記タンクポートに開口させて負荷への供給圧力を制御するとともに、圧力調整弁は、上記制御ばね室に連通する1次圧力室と、ソレノイドの励磁電流によってこの1次圧力室に対する圧力が調整される2次圧力室とを備え、上記圧力制御弁の制御ばね室の圧力をソレノイドの励磁電流によって調整するようにしたベーンポンプにおいて、上記圧力調整弁の2次圧力室を、還流孔を介してベーンからの漏れ油が集合する駆動軸側の油溜りに連通させ、上記2次圧力室の圧油を駆動軸を回転自在に支持するブッシュの油溝を介して前記タンクポートに連なるベーンポンプの低圧通路に還流させることを特徴とするベーンポンプの圧力調整装置。
  2. 駆動軸がエンジンに連結されエンジンの回転数に応じて吐出量が変化するベーンポンプと、このベーンポンプを負荷に接続する流路の途中に設けた絞りを介して負荷への供給圧力を制御する圧力制御弁と、この圧力制御弁の出力圧力を調整する圧力調整弁とを備え、圧力制御弁は、ボディと、前記絞りの上流側のポンプポートに接続した圧力室と、タンクに連通するタンクポートと、前記ボディに摺動自在に組み込んだスプールと、このスプールを挟んで圧力室の反対側に設けられた制御ばね室と、この制御ばね室に収容されスプールを左方に付勢する制御ばねとから構成され、上記圧力制御弁の上流側の圧力を前記スプールの左方の圧力室に、また下流側の圧力を右方の制御ばね室に導き、前記絞り前後の差圧が所定圧力以上になったとき、圧力室の圧力と制御ばね室間の差圧によるスプールの右方への推力が前記制御ばねの反力に打ち勝って前記スプールを移動させ、そのスプールの位置に応じた開度で圧力室を前記タンクポートに開口させて負荷への供給圧力を制御するとともに、圧力調整弁は、上記制御ばね室に連通する1次圧力室と、ソレノイドの励磁電流によってこの1次圧力室に対する圧力が調整される2次圧力室とを備え、上記圧力制御弁の制御ばね室の圧力をソレノイドの励磁電流によって調整するようにしたベーンポンプにおいて、上記圧力調整弁の2次圧力室を、ドレン通路を介してタンクに連通させることを特徴とするベーンポンプの圧力調整装置。
  3. 駆動軸がエンジンに連結されエンジンの回転数に応じて吐出量が変化するベーンポンプと、このベーンポンプを負荷に接続する流路の途中に設けた絞りを介して負荷への供給圧力を制御する圧力制御弁と、この圧力制御弁の出力圧力を調整する圧力調整弁とを備え、圧力制御弁は、ボディと、前記絞りの上流側のポンプポートに接続した圧力室と、タンクに連通するタンクポートと、前記ボディに摺動自在に組み込んだスプールと、このスプールを挟んで圧力室の反対側に設けられた制御ばね室と、この制御ばね室に収容されスプールを左方に付勢する制御ばねとから構成され、上記圧力制御弁の上流側の圧力を前記スプールの左方の圧力室に、また下流側の圧力を右方の制御ばね室に導き、前記絞り前後の差圧が所定圧力以上になったとき、圧力室の圧力と制御ばね室間の差圧によるスプールの右方への推力が前記制御ばねの反力に打ち勝って前記スプールを移動させ、そのスプールの位置に応じた開度で圧力室を前記タンクポートに開口させて負荷への供給圧力を制御するとともに、圧力調整弁は、上記制御ばね室に連通する1次圧力室と、ソレノイドの励磁電 流によってこの1次圧力室に対する圧力が調整される2次圧力室とを備え、上記圧力制御弁の制御ばね室の圧力をソレノイドの励磁電流によって調整するようにしたベーンポンプにおいて、上記圧力調整弁の2次圧力室を、還流孔を介してタンクに接続された吸込み管に連なる吸込み通路に連通させることを特徴とするベーンポンプの圧力調整装置。
  4. 上記還流孔は吸込み通路に直接開口させることを特徴とする請求項3に記載のベーンポンプの圧力調整装置。
  5. 上記還流孔は吸込み通路に設けた緩衝溝に開口させることを特徴とする請求項3に記載のベーンポンプの圧力調整装置。
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