JP3625936B2 - 圧力補償付流量制御弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、絞り弁流通時の入口と出口間の圧力差を略一定に補償するように絞り弁の入口側から過剰な供給液体をタンクに戻す圧力補償弁を備えた圧力補償付流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような圧力補償付流量制御弁は、例えば特公平3−45243号公報に記載されており、連通路の入口と出口間を通じる開度調整自在の絞りを形成する弁体を有した絞り弁と、連通路の絞り弁入口側からの圧力を開き方向へ、また、連通路の絞り弁出口側からの圧力を閉じ方向へそれぞれ作用されるとともに、ばねによって閉じ方向に付勢された弁体を有して連通路の絞り弁入口側からタンクへ通じるよう分岐する戻り路を連通遮断するよう設置した圧力補償弁とを備え、連通路の絞り弁出口側からタンクへ通じるよう分岐したパイロット通路に、このパイロット通路を連通遮断する弁体を有したパイロットリリーフ弁と、このパイロットリリーフ弁よりも連通路側に絞りを設け、連通路の絞り弁出口側からの圧力を、パイロット通路の絞りとパイロットリリーフ弁の間より圧力補償弁の弁体へ作用させるため導いている。
【0003】
このように絞りとパイロットリリーフ弁の間から連通路の絞り弁出口側圧力を圧力補償弁に導くのは、圧力補償弁でリリーフ弁作用をも得ようとするためである。すなわち、例えば今、この圧力補償付流量制御弁で油圧シリンダを作動しているとして、このシリンダのピストンが作動端に達して停止すると、絞り弁を通過する流れが停止する。流れが停止すれば絞り弁前後に差圧が生じないので圧力補償弁の弁体はばねにより閉じ方向に移動しようとするが、同時に連通路の圧力が上昇するのでパイロットリリーフ弁が開きパイロット通路が流通し、パイロットリリーフ弁でほぼ一定圧に圧力制御される絞りの後では絞り前より圧力が低下する。圧力補償弁の弁体は、この低下した圧力で閉じ方向に押圧されるので、絞り弁の入口側の圧力による押圧で開く。これにより、該入口側圧力が、パイロットリリーフ弁の設定圧力より幾分高い、ほぼ一定圧力に維持されるリリーフ弁作用が得られ、全供給油は圧力補償弁よりタンクへ戻されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような、パイロットリリーフ弁が開いて行なわれる圧力補償弁でのリリーフ弁作用では、通常のパイロット操作式リリーフ弁と比較すると、圧力オーバーライド特性が悪いものとなる。なお、リリーフ弁作用での圧力オーバーライド特性は、圧力制御で得られる圧力の一定性をはかる目安となるもので、通過流量の増加に対する圧力増加が大きい程、圧力オーバーライド特性が悪いとされている。そして前記圧力補償弁での圧力オーバーライド特性の悪化は、圧力補償弁の弁体を閉じ方向に付勢するばねが、圧力補償の際の絞り弁の入口、出口間の差圧を設定する必要上、通常のパイロット操作式リリーフ弁の場合と比較すると、大きなばね力を必要としてばね定数の大きなばねを選定せざるを得ないことから、通過流量の増加に応じた圧力補償弁の弁体開度の増加に対し、この弁体を閉じ方向に押圧するばね力の増加が大きく、ばね力とパイロット通路から導くパイロットリリーフ弁で圧力制御された圧力との押圧に抗して弁体を開く入口側圧力が、ばね力増加に相当分、大きく増加するために生じるものである。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑み、リリーフ弁作用を行なう際の圧力補償弁の圧力オーバーライド特性悪化を抑えた圧力補償付流量制御弁を実現しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の圧力補償付流量制御弁では、パイロット通路に絞りよりも連通路側にフィルタを設け、パイロット通路流通の際におけるパイロット通路の絞りよりも前でフィルタより後の圧力を受けてパイロットリリーフ弁の弁体を開き方向に押圧する受圧体を設けるようにした。また、パイロット通路流通の際におけるパイロット通路の絞りよりも前の連通路の絞り弁入口側から導く圧力を受けてパイロットリリーフ弁の弁体を開き方向に押圧する受圧体を設けるようにした。
【0007】
このような圧力補償付流量制御弁では、パイロット通路のパイロットリリーフ弁が開いて圧力補償弁によるリリーフ弁作用が行なわれている際、連通路の絞り弁入口側には、圧力補償弁の弁体に作用する、パイロット通路の絞り後から導く圧力と、ばね力とによる閉じ方向の押圧力に相当する圧力が生じ、また、パイロットリリーフ弁の弁体は、連通路の圧力増加に応じ受圧体による押圧で一層開度を増して、パイロット通路の絞り後の、圧力補償弁の弁体を閉じ方向に押圧すべく導かれる圧力を低下させる。従って、圧力補償弁での通過流量の増加に応じて連通路の絞り弁入口側の圧力が増加するとき、この増加に応じて、前記のようにパイロット通路の絞り後から圧力補償弁の弁体を閉じ方向に押圧すべく導かれる圧力が低下するので、この圧力の低下に相当分、この圧力低下が生じない場合と比較すると、弁体を開く連通路の絞り弁入口側の圧力が小さくなる。このため、圧力補償弁での通過流量の増加に対する連通路の絞り弁入口側圧力の増加を小さくできて圧力オーバーライド特性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
そして、本発明の、パイロット通路流通の際におけるパイロット通路の絞りよりも前の圧力を受けてパイロットリリーフ弁の弁体を開き方向に押圧するよう設ける受圧体は、パイロットリリーフ弁の弁体と当接してこれを開き方向に押圧するよう、該弁体と別個に形成することができるし、また、パイロットリリーフ弁の弁体と一体に形成することもできる。
【0009】
さらに、パイロットリリーフ弁の弁体を開き方向に押圧すべく受圧体が受ける圧力は、流通路の絞り弁出口側から導いても、また、流通路の絞り弁入口側から導いてもよい。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
第1実施例を示す図1と第2図及びその使用状態を示す図3において、1は本体で、絞り弁2の弁体3を摺動自在に挿入する弁孔4を有し、弁孔4には、入口孔5が通じた径大部6と、出口孔7が通じた径大部8を、軸方向に隔置して設けている。弁体3は、弁孔4の開口端を閉じる端蓋9との間に形成されるばね室10に設置したばね11によって押圧される図示のノーマル位置では、径大部7、8間を遮断するランド12を有し、このランド12には、ばね11による押圧に抗して弁体3がノーマル位置から移動するとき、移動量に応じた開度で両径大部7、8間を連通させる複数の溝13を設けており、径大部6、8及び入口孔5、出口孔7により連通路14が形成されている。
【0011】
15は圧力補償弁であり、その弁体16を摺動自在に収容した弁孔17は、タンクT(図3参照)に接続される戻り孔18に通じた径大部19を有し、該弁孔17は、その一端で通孔20により、絞り弁2の径大部6に通じている。弁孔17の他端は、端蓋21で閉じており、端蓋21と弁体16間にはパイロット室22が形成されるとともに、弁体16を図示ノーマル位置へと押圧するばね23が設置されている。そして、弁体16は、ノーマル位置で通孔20と径大部19間を遮断するが、ばね23による押圧に抗してパイロット室22側へ移動すると、通孔20と径大部19間を連通する複数の切欠24を有しており、また、通孔20、径大部19及び戻り孔18により戻り路25が形成されている。
【0012】
26は出口孔7に通じる通孔であり、該通孔26は、フィルタ27を経た後通孔28、29を経て通孔30に通じ、該通孔30には絞り31が設置されている。そして、通孔28は、パイロットリリーフ弁32の小径弁孔33の内端に通じている。パロットリリーフ弁32は、小径弁孔33に連設する大径弁孔34と、大径弁孔34内で弁体35を両弁孔33、34間の段部に形成する弁座36に当接するよう押圧する調圧ばね37を有し、該調圧ばね37のばね力は、調整ねじ38の回動調整により変更可能となっている。
【0013】
前記通孔30は、圧力補償弁15のパイロット室22に通じた通孔39を経て通孔40に通じ、該通孔40は、パイロットリリーフ弁32における小径弁孔33に弁座36寄り位置で通じている。そして、パイロットリリーフ弁32における大径弁孔34は、通孔41、42を経て圧力補償弁15における径大部19に通じており、これら通孔26、28、29、30、39、40、41、42とパイロットリリーフ弁の両弁孔33、34により、出口孔7からタンクTに通じるよう分岐した、圧力補償弁15のためのパイロット通路43が形成されている。44は、小径弁孔33に摺動自在に収容した、受圧体となるピストンであり、前記パイロット通路の流通時には、絞り31の前の圧力を受けて弁体35を開き方向に押圧するようになっている。なお、絞り弁2の前記ばね室10も、通孔41、42を経てタンクTに通じるようになっている。また、45は、フィルタ27設置のためのスペーサである。
【0014】
前記絞り弁2の弁孔4の内奥には、弁体3との間にパイロット室46が形成されており、47は、弁体3を移動するためパイロット室46の圧力を制御する電磁比例式のパイロットリリーフ弁である。パイロットリリーフ弁47は、弁孔48に挿入される本体部材49と、本体部材49と一体に螺着されたソレノイド50を備え、これらは、ソレノイド50を本体1に螺着することで、本体1に取り付けられている。本体部材49には、内端側を小径孔部とした段付孔51が貫通形成され、52は、段付孔51の段部に形成された、弁体53が着座する弁座である。そして、弁体53は、ソレノイド50のコイル54への通電時に、電流に応じた強さで固定鉄心55へ吸引されるよう生じる可動鉄心56への該吸引力により、弁座52へ着座すべく押圧されるようになっている。
【0015】
57は入口孔5に通じた通孔で、該通孔57はフィルタ58を経た後、通孔59を介し前記弁孔48の内端側に通じて段付孔51の内端側の小径孔部に通じている。そして、段付孔51の大径孔部は通孔60、61を介し通孔62により戻り孔18に通じている。そして、通孔59には絞り63が設置されるとともに、弁孔48の内端側は、通孔64によりパイロット室46に通じている。これにより、通孔57、59、弁孔48、段付孔51、通孔60、61、62によって入口孔5からタンクTへ通じるよう分岐した、絞り63を設置するパイロット通路65が形成され、このパイロット通路65流通時の絞り63後でパイロットリリーフ弁47により圧力制御されて得られる圧力が、通孔64によりパイロット室46に導入される如く構成されている。なお、66はフィルタ58設置のためのスペーサである。
【0016】
この圧力補償付流量制御弁(図3においてはVで示す)は、図3の如く、入口孔5が、図示しない油圧ポンプとこれを駆動する電動機を有した、あるいはさらに安全弁等を付設した油圧源Pに接続され、出口孔7が、電磁切換弁67により制御流れを得るよう開作動されるパイロット操作式の逆止め弁68を介し、下降方向へ負荷される単動形の油圧シリンダ69に通路70により接続される。通路70の逆止め弁68と圧力補償付流量制御弁との間からは、電磁操作式の開閉弁71と流量調整弁72を直列設置した、タンクTへの戻り通路73が分岐している。
【0017】
この実施例の作動を説明する。図示状態では、油圧ポンプが停止して油圧源Pからの圧油供給はなく、油圧シリンダ69は下降端で停止しており、また、絞り弁2におけるパイロットリリーフ弁47にはそのソレノイド50に通電されておらず、絞り弁2の弁体3は、ばね11の押圧力で、入口、出口孔5、7がそれぞれ通じた径大部6、8間を遮断するノーマル位置にある。そして、油圧シリンダ69を上昇させるとき、パイロットリリーフ弁47のソレノイド50に所定電流が通電され、そして油圧源Pの油圧ポンプが起動されて入口孔5へ圧油が供給される。
【0018】
これにより、パイロット通路65へは入口孔5からの圧油が流通し、その絞り63後では、パイロットリリーフ弁47により、通電値に応じた圧力が生じる。この圧力はパイロット室46に導かれるので、絞り弁2の弁体3は、この圧力による押圧力とばね11による押圧力が釣り合う位置へと移動して、径大部6、8間を移動に応じた開度で連通する絞りが溝13により形成され、入口孔5から出口孔7への流通が生じ油圧シリンダ69が上昇を開始する。そして以後、パイロットリリーフ弁47のソレノイド50へは、所定値に達するまで所定の増加度合いで増加する電流が供給され、これ応じて溝13による絞りの開度は漸次増加する。
【0019】
入口孔5から出口孔7への流通が始まると、出口孔7に通じたパイロット通路43により出口孔7の圧力が圧力補償弁15のパイロット室22へ導かれる。なお、この圧力はパイロットリリーフ弁32の設定圧力に達しないのでこのリリーフ弁32の弁体35は弁座36に着座した状態を保っている。このため圧力補償弁15は、前記溝13により形成の絞り前である入口孔5からの圧力を開き方向に、また、パイロット室22へ導かれる溝13による絞り後の圧力を閉じ方向に、それぞれ作用される弁体16が、これら圧力差による開き方向への押圧力とばね23による閉じ方向への押圧力とが釣り合うよう移動して切欠24での通孔20と径大部19間の開度を変化させ、溝13による絞り前後にばね23のばね力で設定される差圧を得るよう、入口孔5からの供給油の過剰分を戻り孔18へ排出させる、周知の圧力補償作用を行う。
【0020】
そして、油圧シリンダ69へは圧力補償作用のもとに溝13による絞りの開度に応じた流量が供給され、油圧シリンダ69は漸次増速した後、一定速度で上昇作動する。上昇作動が進み、油圧シリンダ69のピストンが上昇端近くに達すると、絞り弁2におけるパイロットリリーフ弁47のソレノイド50への電流が小さな値へと、漸次減少する過程をへて変化される。これに応じ、溝13による絞りは小さな開度へと漸次減少し、油圧シリンダ69のピストンは、漸次減速した後、小さな速度で行程端に達し停止する。
【0021】
この油圧シリンダ69の停止で、油圧シリンダ69への供給経路の圧力が上昇するので、パイロット通路43でのパイロットリリーフ弁32は、弁体35が弁座36より離座して開き、パイロット通路43での流通が生じ、このとき絞り31による圧力低下が生じて、絞り31後のパイロットリリーフ弁32との間では、絞り31前よりも圧力が低くなり、この圧力がパイロット室22に導く圧力補償弁15の弁体16は、入口孔5からの圧力による押圧で開かれてリリーフ弁作用を行い、油圧源Pからの供給油は、戻り孔18へ戻される。
【0022】
この圧力補償弁15のリリーフ弁作用において、パイロット通路43での流通が生じたときの絞り31での圧力低下により、ピストン44が、パイロットリリーフ弁32の弁体35に当接し、ピストン44が受ける絞り31前の圧力による押圧力によって弁体35を開き方向に押圧する。このピストン44に作用する絞り31前の圧力は、出口孔7からフィルタ27を経てパイロット通路43で導かれているが、このリリーフ弁作用時でのパイロット通路43の通過流量は小さくて、溝13による絞りや、フィルタ27での圧力低下がさほど大きくないので、実質的に入口孔5の圧力と同じとなる。そして、この圧力を受けるピストン44は、入口孔5の圧力が大きくなれば調圧ばね37の押圧に抗して一層大きな開度をとるよう、弁体35を移動させ、絞り31後の圧力を低下させるので、圧力補償弁15の弁体16が一層開き、入口孔7での圧力上昇が抑えられる。このため、弁体16へばね力を作用させるばね22のばね定数が大きくなることが避けられない圧力補償弁15においても、従来例にみられるような圧力オーバーライド特性の悪化が抑えられる。
【0023】
次いで油圧源Pにおいては、油圧ポンプが停止され、油圧源Pからの供給が停止され、圧力補償弁15の弁体16は図示の閉じ位置へ復帰する。またパイロットリリーフ弁47のソレノイド50への通電が停止され、絞り弁2は、弁体3がばね11により図示のノーマル位置へ復帰するとともに、油圧シリンダ69は逆止め弁68により下降が阻止されてパイロットリリーフ弁32の弁体35も弁座に着座した図示の閉じ位置へ復帰する。この状態から、電磁切換弁67を切り換えるとともに、開閉弁71を開いて、油圧シリンダ69が下降作動される。
【0024】
この実施例においては、上記のように圧力補償弁15のリリーフ弁作用の際、圧力オーバーライド特性の悪化が抑えられるので、油圧源Pからの圧油が無駄に圧力上昇せず、動力損失が抑えられる。また、各パイロット通路43、65にはフィルタ27、58を設置したので、パイロット通路43、65の絞り31、63や、パイロットリリーフ弁32、47の弁体35、53と弁座36、52の間に異物が入り込むような事態の発生を抑えて弁の良好な作動を維持できる。
【0025】
図4、図5は、第2実施例を示す。なお、第2実施例は、大部分が第1実施例と変わらないので、図4には要部のみが示してあり、以下第1実施例との相違点を説明すと、80は、パイロットリリーフ弁32における小径弁孔33の弁座36寄りの位置と、絞り弁2の弁孔4のばね室10側に形成した環状溝81を通じる通孔であり、環状溝81は、絞り弁2の弁体3がノーマル位置にあるときばね室10に通じるが、弁体3がノーマル位置から移動すると、弁体3によりばね室10との連通が断たれるようになっている。
【0026】
そしてこのものでは、絞り弁2の弁体3がノーマル位置にあるとき、油圧源
Pから供給されると、圧力補償弁15のパイロット室22が通孔39、40を経て通孔80、環状溝81そして通孔41、42を介し戻り孔18よりタンクTに通じられるので、この供給油は圧力補償弁15の弁体を、ばね23の押圧に抗する比較的小さな圧力を生じるのみで開き、タンクTに排出されて、いわゆるアンロード作用がなされる。絞り弁2の弁体3がノーマル位置から移動すれば環状溝81とばね室10の連通が断たれて第1実施例と同様な作用、効果が得られる。
【0027】
図6、図7、図8は、それぞれ第3、第4、第5実施例を示す。第1実施例との相違点を以下説明すると、図6では、圧力補償弁15のためのパイロット通路43でのパイロットリリーフ弁32の弁体35には、受圧体となる受圧体部82が一体に形成されており、また、図7のものでは、このように受圧体部82を一体に形成した弁体35に、絞り31が組み込まれている。これらのものも、圧力補償弁15によるリリーフ弁作用の際、連通路14の圧力上昇を受圧体部82で受けて弁体35が開かれ、前記第1実施例と同様な作用、効果が得られる。そして、図8のものは、受圧体となるピストン44は、パイロット通路83より連通路14の絞り弁2の入口側から導かれる圧力が作用するようになっており、このものも、前記第1実施例と同様な作用、効果が得られる。なお、図8の第5実施例のものにおいても、図6での第3実施例のように、受圧体であるピストン44を弁体35と一体にすることができる。しかしながら、弁体35が小径の場合、この第5実施例や、前記第1実施例のように、受圧体となるピストン44を弁体35と別個にすれば、これらの製作を容易に行うことができる。
【0028】
【発明の効果】
このように本発明の圧力補償付流量制御弁によれば、圧力補償弁のリリーフ弁作用の際の圧力オーバーライド特性の悪化が抑えられ、動力損失を少なくできる。
また、パイロット通路に絞りよりも連通路側にフィルタを設け、パイロット通路流通の際におけるパイロット通路の絞りよりも前でフィルタより後の圧力を受けてパイロットリリーフ弁の弁体を開き方向に押圧する受圧体を設けたことにより、パイロット通路の絞りやパイロットリリーフ弁に異物が入り込むような事態の発生を抑えて弁の良好な作動を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す平面断面図。
【図2】図1でのA−A線に沿った断面図。
【図3】本発明の第1実施例の使用例を示す油圧回路図。
【図4】本発明の第2実施例を示す部分平面断面図。
【図5】本発明の第2実施例を示した油圧回路図。
【図6】本発明の第3実施例を一部断面で示した油圧回路図。
【図7】本発明の第4実施例を一部断面で示した油圧回路図。
【図8】本発明の第5実施例を一部断面で示した油圧回路図。
【符号の説明】
2 絞り弁
3 弁体
11 ばね
14 連通路
15 圧力補償弁
23 ばね
25 戻り路
31 絞り
32 パイロットリリーフ弁
35 弁体
43 パイロット通路
44 受圧体
Claims (5)
- 連通路の入口と出口間を通じる開度調整自在の絞りを形成する弁体を有した絞り弁と、連通路の絞り弁入口側からの圧力を開き方向へ、また、連通路の絞り弁出口側からの圧力を閉じ方向へそれぞれ作用されるとともに、ばねによって閉じ方向に付勢された弁体を有して連通路の絞り弁入口側からタンクへ通じるよう分岐する戻り路を連通遮断するよう設置した圧力補償弁とを備え、連通路の絞り弁出口側からタンクへ通じるよう分岐したパイロット通路に、このパイロット通路を連通遮断する弁体を有したパイロットリリーフ弁と、このパイロットリリーフ弁よりも連通路側に絞りを設け、連通路の絞り弁出口側からの圧力を、パイロット通路の絞りとパイロットリリーフ弁の間より圧力補償弁の弁体へ作用させるため導くようにした圧力補償付流量制御弁において、パイロット通路に絞りよりも連通路側にフィルタを設け、パイロット通路流通の際におけるパイロット通路の絞りよりも前でフィルタより後の圧力を受けてパイロットリリーフ弁の弁体を開き方向に押圧する受圧体を設けたことを特徴とする圧力補償付流量制御弁。
- 受圧体がパイロットリリーフ弁の弁体とは別個に形成され、パイロットリリーフ弁の弁体に当接してこの弁体を開き方向に押圧する請求項1に記載の圧力補償付流量制御弁。
- 受圧体がパイロットリリーフ弁の弁体と一体に形成された請求項1に記載の圧力補償付流量制御弁。
- 受圧体が連通路の絞り弁出口側から導く圧力を受けてパイロットリリーフ弁の弁体を開き方向に押圧する請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧力補償付流量制御弁。
- 連通路の入口と出口間を通じる開度調整自在の絞りを形成する弁体を有した絞り弁と、連通路の絞り弁入口側からの圧力を開き方向へ、また、連通路の絞り弁出口側からの圧力を閉じ方向へそれぞれ作用されるとともに、ばねによって閉じ方向に付勢された弁体を有して連通路の絞り弁入口側からタンクへ通じるよう分岐する戻り路を連通遮断するよう設置した圧力補償弁とを備え、連通路の絞り弁出口側からタンクへ通じるよう分岐したパイロット通路に、このパイロット通路を連通遮断する弁体を有したパイロットリリーフ弁と、このパイロットリリーフ弁よりも連通路側に絞りを設け、連通路の絞り弁出口側からの圧力を、パイロット通路の絞りとパイロットリリーフ弁の間より圧力補償弁の弁体へ作用させるため導くようにした圧力補償付流量制御弁において、パイロット通路流通の際におけるパイロット通路の絞りよりも前の連通路の絞り弁入口側から導く圧力を受けてパイロットリリーフ弁の弁体を開き方向に押圧する受圧体を設けたことを特徴とする圧力補償付流量制御弁。
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