JP3602822B2 - 整圧装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、上流側管路から下流側管路へのガスの送出圧力を調整するための整圧装置に係り、特に下流側管路で異常昇圧の発生を抑制する機能を有する整圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
整圧装置は、上流側管路のガスの圧力変動や負荷流量に関係なく、下流側管路内のガスの圧力を所定の圧力値となるように調整するものである。
【0003】
図5は、従来の整圧装置100の概略構成を表す断面図である。この整圧装置100は、ガバナ113と流量制御部115により構成されている。ガバナ113は、本体部121の中に流路122を備えている。流路122は、その入口122a側が上流側管路111と接続され、出口122b側が下流側管路112とそれぞれ接続されている。この流路122の出口122b側には下流側のガスの圧力を低下させるために狭管部122Cが設けられている。流路122には、下流側管路112のガスの圧力を所定の圧力値P1 に保つための調整弁部131が設けられている。調整弁部131の上方には、調整弁部131を駆動するための駆動部140と、この駆動部140を制御するための圧力感知部150とが設けられている。圧力感知部150には、一端が流路122の狭管部122Cより下流側に接続された管路156、および、一端が流路122で管路156より下流側に接続された管路158がそれぞれ接続されている。管路158には流量制御部115が設けられている。流量制御部115は、下流側管路112のガスが圧力値P1 よりも大きな設定圧力値P2 以上になると、その流量制御弁部172により下流側管路112からのガスを伝達するようになっている。
【0004】
この整圧装置100では、通常時、流路122の狭管部122Cで低下したガスの圧力が管路157が通じてガバナ113の圧力感知部150で感知され、この感知された圧力を基に、駆動部140を介して調整弁部131の開度が制御され、下流側管路112のガスの圧力が所定の圧力値P1 となるように調整される。
【0005】
ところで、この整圧装置100では、上流側管路111のガスの圧力が上昇しても、前述したように流路122の狭管部122Cの作用により、ガバナ13で調整弁部131の開度が大きくなり、下流側管路112のガスの圧力が更に上昇するというように正帰還が生じてしまい、異常昇圧が起こってしまう。そこで、下流側管路112のガスが設定圧力値P2 以上になると、通常時は閉じている流量制御部115の流量制御弁部172が開いて、管路157を通じて狭管部122Cよりも高い、下流側管路112のガスの圧力も圧力感知部150に感知されるようになる。この感知された高い圧力を基に、駆動部140によって駆動されることにより調整弁部131の開度が小さくなるように制御される。これにより、下流側管路112のガスの圧力が圧力値P1 となるように調整されて、下流側管路112内で異常昇圧の発生が防止されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の整圧装置100では、上流側管路111のガスの圧力が低い場合にはガバナ113で昇圧量を大きくし、逆に上流側管路111のガスの圧力が高い場合には、昇圧量を小さくする必要があり、上流側管路111における圧力変動に対応できないという問題があった。特に、上流側管路111の圧力が高い場合には、応答性を確保し、安定した特性を得るために、流量制御部115における流量制御弁部172の大口径化が必要であった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、上流側管路のガスの圧力変動に柔軟に対応することができると共に、これにより下流側管路の異常昇圧を容易に防止することができ、装置の小型化を図ることが可能となる整圧装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の整圧装置は、互いに隔てられた上流側管路と下流側管路との境界に設けられるものであって、入口側が上流側管路に接続され、出口側が下流側管路に接続されると共に、狭管部を有する流路と、流路の狭管部より下流側に接続された第1の管路と、流路で第1の管路に対して下流側に接続された第2の管路と、第1の管路および第2の管路の他端が接続されると共に、第1の管路を通じて流路の狭管部におけるガスの圧力、および、第2の管路を通じて下流側管路のガスの圧力を感知する第1の圧力感知部と、第1の圧力感知部によって感知された圧力を基に下流側管路に送出するガスの圧力を第1の設定圧力値に保つ調整弁部とを有する第1の弁手段と、一端が前記流路の入口側に設けられた第3の管路と、第3の管路の他端に設けられると共に、第3の管路を通じて上流側管路のガス圧力を感知する第2の圧力感知部と、第2の圧力感知部によって感知された圧力を基に、第1の管路のガスの流路面積を調整する流量調整弁部とを有する第2の弁手段と、第2の管路を通じて、下流側管路の圧力変動を感知する第3の圧力感知部と、第3の圧力感知部が第1の設定圧力値より大きな第2の設定圧力値より小さい圧力を感知すると下流側管路からのガスを遮断し、第3の圧力感知部が第2の設定圧力値以上の圧力を感知すると、遮断した状態から遮断していない状態への復帰を自動的に行う流量制御弁部とを有する第3の弁手段とを備えたを備えたものである。
【0009】
この整圧装置では、第1の弁手段において、第1の圧力感知部によって、第1の管路を通じて流路の狭管部のガスの圧力変動、および、第2の管路を通じて下流側管路のガスの圧力変動が感知され、調整弁部によって、この感知された圧力を基に下流側管路に送出するガスの圧力が第1の設定圧力値に保たれる。第2の弁手段において、第2の圧力感知部によって、第3の管路を通じて上流側管路のガス圧力が感知され、この感知された圧力を基に、流量調整弁部によって第1の管路のガスの流路面積が調整される。第3の弁手段において、第3の圧力感知部によって、第2の管路を通じて下流側管路の圧力変動が感知され、第3の圧力感知部で第1の設定圧力値より大きな第2の設定圧力値より小さい圧力が感知された場合には、下流側管路からのガスを遮断する。そして、第3の圧力感知部で第2の設定圧力値以上の圧力が感知されると、遮断した状態から遮断していない状態への復帰が自動的に行われる。
【0010】
請求項2記載の整圧装置は、請求項1記載の第1の弁手段が、更に、第1の圧力感知部が第2の設定圧力値より大きい第3の設定圧力値以上の圧力を感知すると、調整弁部に替わり作動して上流側管路からのガスを遮断し、第1の圧力感知部が第3の設定圧力値より低い圧力を感知すると、遮断した状態から遮断していない状態への復帰を自動的に行う遮断弁部を有するものである。
【0011】
この整圧装置では、第1の圧力感知部が第2の設定圧力値より大きい第2の設定圧力値以上の圧力を感知した場合には、遮断弁部が調整弁部に替わり作動して、上流側管路からのガスを遮断する。そして、第1の圧力感知部が第2の設定圧力値より低い圧力を感知すると、遮断状態から遮断していない状態への復帰が自動的に行われる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態に係る整圧装置10の概略断面構成を表すものである。この整圧装置10は、互いに隔てられた上流側管路11と下流側管路12との境界に設けられ、ガバナ13、流量調整部14、および流量制御部15により構成されている。ガバナ13は、下流側管路12の異常昇圧を防止するための自動復帰型の遮断弁部を備えている。流量調整部14は流量調整弁部を備えている。この流量調整弁部によって、上流側管路11の圧力変動が感知され、この感知された圧力をもとにガバナ13に伝達する下流側管路12のガスの圧力が調整される。流量制御部15は流量制御弁部を備えている。この流量制御弁部によって、下流側管路12の圧力変動が感知され、この感知された圧力をもとにガバナ13に伝達する下流側管路12のガスの圧力が制御される。なお、ガバナ13は本発明の「第1の弁手段」、流量調整部14は本発明の「第2の弁手段」、流量制御部15は本発明の「第3の弁手段」の一具体例にそれぞれ対応している。
【0014】
ガバナ13は、本体部21の中にガスの流路22を備えている。この流路22は、入口22aがフランジ22A,11B同士が連結されることにより上流側管路11に接続され、出口22bがフランジ部22B,12A同士が連結されることによりで下流側管路12に接続されると共に、出口22b側に狭管部22Cを有している。流路22には、入口22a側と出口22b側との間に仕切部23A,23Bが設けられている。この仕切部23A,23Bの間には、空洞を有する筒体部24が配設されている。筒体部24の内部には弁部30が設けられている。この弁部30は、下流側管路12へ送出されるガスの圧力を設定圧力値P1 (第1の設定圧力値)となるように調整し、下流側管路12のガスの圧力が設定圧力値P1 よりも大きな設定圧力値P2 (第3の設定圧力値)以上になると上流側管路11からのガスを遮断する機能を有するものである。弁部30の上方には、この弁部30を駆動するための駆動部40と、この駆動部40を制御するための圧力感知部50とが設けられている。
【0015】
弁部30は、調整弁部31および遮断弁部32により構成されている。調整弁部31は、筒体部24で仕切部23A,23Bより下方に設けられる弁座31Aと、駆動部40に連動され、弁座31Aと所定の間隔をおいて上方に設けられる弁体31Bとにより構成されている。この調整弁部31は、駆動部40によって弁体31Bが上下に駆動され、弁体31Bと弁座31Aとの間隔が調整されて下流側管路12へのガスの圧力が設定圧力値P1 となるように調整するものである。一方、遮断弁部32は、筒体部24で仕切部23A,23Bより上方に設けられる弁座32Aと、駆動部40に連動され、弁座32Aと所定の間隔をおいて上方に設けられ、調整弁部31の上方に調整ばね33を介して接続される弁体32Bとにより構成されている。この遮断弁部32は、下流側管路12のガスの圧力が設定圧力値P2 以上になると、駆動部40によって、調整ばね33が圧縮されることにより、弁体32Bが弁座32Aに押し付けられて、下流側管路12へのガスの送出を停止するものである。
【0016】
なお、図示しないが、筒体部24の側面には金網等からなる筒状ストレーナの一端が接続され、その他端は本体部21の底部と接続されている。また、弁体31Bの下方には、弁体31Bに接続される弁棒、および、この弁棒に連動する連動子を介してバランスダイヤフラムが設けられている。バランスダイヤフラムは、流路22の入口22a側の圧力変動を感知することにより、この圧力変動により弁部30が作動するために設定した零点がずれないように調整するものである。
【0017】
駆動部40は、一端が弁部30と接続され、弁部30を駆動する弁棒41と、弁棒41の他端と固定支軸42を介して連設され、固定支軸42を中心にして回動するレバー43と、レバー43の一端に接続される連動子44とにより構成されており、連動子44に接続されたレバー43が固定支軸42を中心として時計回りあるいは反時計回りに回動し、レバー43に連設された弁棒41が上方あるいは下方に動くことにより弁部30を駆動するようになっている。
【0018】
圧力感知部50には、連動子44の他端が固定され、連動子44に感知した圧力を伝達するダイヤフラム51が設けられている。圧力感知部50は、このダイヤフラム51によって2つの部屋、すなわち、駆動部40側において下流側管路12の圧力を制御する圧力制御室52と、通気口(図示せず)を介して大気に連通された大気連通室53とに分けられている。
【0019】
圧力制御室52と流路22の狭管部22Cの下流側との間には管路57(第1の管路)が設けられており、圧力制御室52に狭管部22Cにおけるガスの圧力が伝達されるようになっている。圧力制御室52と流路22において管路57よりも下流側に接続された管路58(第2の管路)が設けられており、圧力制御室52に下流側管路12におけるガスの圧力が伝達されるようになっている。ダイヤフラム51の大気連通室53側には、開口部54Aを有する受圧板54が設けられ、また、大気連通室53のキャップ部53Aには調整ねじ56が組み込まれている。この調整ねじ56には調整ばね55の一端が固定され、この調整ばね55の他端側が受圧板54の開口部54Aを介してダイヤフラム51に固定されており、ダイヤフラム51を圧力制御室52方向に付勢している。なお、調整ばね55の付勢力は、調整ねじ56をキャップ部53Aにねじ込むことにより調整できるようになっている。
【0020】
流量調整部14は、管路61(第3の管路)を備えている。この管路61は、ガバナ13の流路22の入口22a側とガバナ13の本体部21に設けられた溝部62とを接続する。この溝部62には、管路61を通じて上流側管路11の圧力を感知するための圧力感知部63と、この感知された圧力を基に管路57の流路面積を調整するための流量調整弁部66が設けられている。
【0021】
圧力感知部63には、上流側管路11のガスの圧力を感知するダイヤフラム
64が設けられている。圧力感知部63は、このダイヤフラム64によって2つの部屋、すなわち、管路61側において上流側管路11の圧力が伝達される開室62aと、ガバナ13側の閉室62bとが設けられている。流量調整弁部66には、一端が溝部62の底部に設けられ、ダイヤフラム64を付勢する調整ばね65と、ダイヤフラム64によって制御される流量調整弁66bとが設けられている。この流量調整弁66bは、本体部21に設けられた細孔66aを介して管路57に突出するようになっている。
【0022】
この流量調整弁部66は、管路61を通じて伝達された上流側管路11のガスの圧力がダイヤフラム64によって感知され、この感知された圧力が高くなった場合には、流量調整弁66bによって管路57の流路面積が狭められ、逆に、ダイヤフラム64で感知された圧力が低くなった場合には、流量調整弁66bによって管路57の流路面積が拡げられる機能を有するものである。
【0023】
流量制御部15は、管路58を入口58a側と出口58b側との間に仕切部71A,71Bを備えている。この仕切部71A,71Bの上端には弁座72Aが設けられ、この弁座72Aと所定の間隔をおいて上方に位置する弁体72Bが設けられている。これら弁座72Aおよび弁体72Bにより流量制御弁部72が構成される。この流量制御弁部72は、下流側管路12のガスの圧力が設定圧力値P3 (第2の設定圧力値)以上になると遮断するものである。なお、設定圧力値P3 は、設定圧力値P1 よりも大きくて、かつ、設定圧力値P2 よりも小さい。流量制御弁72の上方には、この流量制御弁部72を駆動するための弁棒74と、弁棒74の他端に連接された連動子75を介して、下流側管路12の圧力を感知するための圧力感知部73が設けられている。
【0024】
圧力感知部73には、管路58に設けられた通孔58aを介して、下流側管路12のガスの圧力が伝達される。圧力感知部73は、連動子75の他端が固定され、連動子75に感知した圧力を伝達するダイヤフラム76を備えている。圧力感知部73は、このダイヤフラム76によって2つの部屋、すなわち、弁棒74側において下流側管路12の圧力を制御する圧力制御室77と、調整ばね79が設けられた閉室78とに分けられている。
【0025】
ダイヤフラム76の閉室78側には、開口部80Aを有する受圧板80が設けられ、また、閉室78のキャップ部73Aには調整ねじ81が組み込まれている。この調整ねじ81には調整ばね79の一端が固定され、この調整ばね79の他端側が受圧板80の開口部80Aを介してダイヤフラム76に固定されており、ダイヤフラム76を圧力制御室78方向に付勢している。なお、調整ばね79の付勢力は、調整ねじ81をキャップ部73Aにねじ込むことにより調整できるようになっている。
【0026】
次に、図2〜4および図1を参照して、このように構成された整圧装置10の動作について説明する。なお、図2および図3の各図において、図(A)は流量調整部14の流量調整弁部66付近を拡大したもの、図(B)は流量制御部15の流量制御弁部72付近を拡大したものをそれぞれ表している。なお、図4において、図(A)および図(B)はガバナ13の弁部30付近を拡大したものを表している。整圧装置10の動作は、上流側管路11におけるガスの圧力によって、(1)上流側管路11のガスの圧力が低下したときと、(2)上流側管路11の圧力が上昇したときとに分けられる。
【0027】
まず、(1)上流側管路11のガスの圧力が低下したときの整圧装置10の動作について説明する。このとき、上流側管路11のガスの圧力低下に伴って、下流側管路12のガスの圧力も低下する。このとき、図2(A)に示したように、流量調整部14において、管路61を通じて上流側管路11のガスの圧力が伝えられ、開室62aの圧力が低下し、ダイヤフラム64が開室62a側に変位する。この開室62a側に変位したダイヤフラム64に連動した流量調整弁65bが開室62a側に移動し、管路57の流路面積が拡げられ、狭管部22Cで低下されたガスの圧力がガバナ13の圧力制御室52に伝達されやすくなる。
【0028】
このように流路22の狭管部22Cで低下されたガスの圧力が圧力制御室52に伝達されると、図4(A)に示したように、圧力制御室52側の圧力は調整ばね55の付勢力と大気による大気連通室53側の圧力より小さくなり、ダイヤフラム51が圧力制御室52側に変位する。この圧力制御室52側に変位したダイヤフラム51に固定された連動子44を介して、レバー43が固定支軸42を中心として時計回りに回動し、レバー43に連設された弁棒41が上方に動き、調整弁部31の開度、すなわち弁体31Bと弁座31Aとの間の間隔が大きくなり、下流側管路12の低下した圧力が上昇して設定圧力値P1 に調整されるようになる。
【0029】
このとき、下流側管路12のガスの圧力は、設定圧力値P1 、あるいは、設定圧力値P1 よりも低下しており、流量制御部15の設定圧力値P3 以下となっているので、流量制御弁15の流量制御弁部72は下流側管路12のガスを遮断した状態にあり、下流側管路12のガスの圧力はガバナ13の圧力制御室52に伝達されない。
【0030】
次に、(2)上流側管路11のガスの圧力が上昇したときの整圧装置10の動作について説明する。このとき、上流側管路11のガスの昇圧に伴って、下流側管路12のガスの圧力も上昇する。このとき、図3(A)に示したように、流量調整部14において、管路61を通じて上流側管路11のガスの圧力が伝えられ、開室62aの圧力が上昇し、ダイヤフラム64が閉室62b側に変位する。この閉室62b側に変位したダイヤフラム64に連動した流量調整弁66bが閉室62b側に移動し、管路57の流路面積が狭められ、狭管部22Cで低下した下流側管路12のガスの圧力がガバナ13の圧力制御室52に伝達されにくくなる。
【0031】
ここで、下流側管路12のガスが流量制御部15の設定圧力値P3 より大きくなっている場合には、図3(B)に示したように、流量制御部15において、管路58を通じて下流側管路12のガスの高い圧力が伝えられ、通孔58Aを介して圧力制御室77内の圧力が上昇し、ダイヤフラム76が閉室78側に変位する。この閉室78側に変位したダイヤフラム76によって、連動子75を介して連動した弁棒74が上方に駆動され、弁棒64の下端に設けられた弁体72Aが上方に移動し、弁座72Bから離れ、下流側管路12のガスの昇圧がガバナ13の圧力制御室52に伝達されるようになる。
【0032】
以上のように、圧力制御室52には、流路22の狭管部22Cで低下したガスの圧力が伝達されにくくなると共に、下流側管路12のガスの昇圧がガバナ13の圧力制御室52に伝達されるので、図4(A)に示したように、圧力制御室52側の圧力は調整ばね55の付勢力と大気による大気連通室53側の圧力より大きくなり、ダイヤフラム51が大気連通室53側に変位する。この大気連通室53側に変位したダイヤフラム51に固定された連動子44を介して、レバー43が固定支軸42を中心として反時計回りに回動し、レバー43に連設された弁棒41が下方に動き、調整弁部31の開度、すなわち弁体31Bと弁座31Aとの間の間隔が小さくなり、下流側管路12の上昇した圧力が低下して設定圧力値P1 に調整されるようになる。
【0033】
なお、図4(B)に示したように、調整弁部31の弁座31Aと弁体31Bとの間に異物等が混入し、調整弁部31が正常に作動しなくなり、下流側管路12の圧力が遮断弁部32の設定圧力P2 以上になると、遮断弁部32における弁体32Bが弁座32Aに押し付けられて、遮断弁部32における弁体32Bが弁座32Aに押し付けられて、下流側管路12へガスの送出が停止される。なお、下流側管路12のガスの圧力が設定圧力値P2 より低下すると、遮断弁部32が遮断した状態から遮断していない状態への復帰が自動的に行われ、調整弁部31に切り替わり、前述したように調整弁部31によって下流側管路12のガスの圧力が調整される。
【0034】
このように本実施の形態では、流量調整部14において、圧力感知部63によって、管路61を通じて上流側管路11のガスの圧力が感知され、この感知された圧力を基に、流量調整弁部66によって、管路57のガスの流路面積を調整するようにしたので、上流側管路12のガスの圧力変動、特に上流側管路12のガスの圧力が上昇したときに柔軟に対応することができて、下流側管路12の異常昇圧を容易に防止することができる。また、これにより、流量制御部15の流量制御弁部72を大口径化する必要性がなくなるので、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0035】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態の整圧装置の構成要素やその配置は図1に示したものに限られない。また、ダイヤフラム51は直動式またはパイロット式を問わず利用可能である。更に、ガバナ13の弁部30を調整弁部31と遮断弁部32よりなるようにしたが、調整弁部31のみよりなるようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の整圧装置によれば、流量調整部において、圧力感知部によって、第3の管路を通じて上流側管路のガスの圧力が感知され、この感知された圧力を基に、流量調整弁部によって、第1の管路のガスの流路面積を調整するようにしたので、上流側管路のガスの圧力変動、特に上流側管路のガスの圧力が上昇したときに柔軟に対応することができて、下流側管路の異常昇圧を容易に防止することができる。また、これにより、流量制御部の流量制御弁部を大口径化する必要性がなくなるので、装置の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る整圧装置の概略構成を表す図である。
【図2】整圧装置の動作を説明するために要部を拡大した図である。
【図3】整圧装置の動作を説明するために要部を拡大した図である。
【図4】整圧装置の動作を説明するために要部を拡大した図である。
【図5】従来の整圧装置の概略構成を表す図である。
【符号の説明】
10・・・ 整圧装置、11・・・ 上流側管路、12・・・ 下流側管路、13・・・ ガバナ、14・・・ 流量調整部、15・・・ 流量制御部、21・・・ 本体部、22・・・ 流路、22a,58a・・・ 入口、22b,58b・・・ 出口、11B,12A,22A,22B・・・ フランジ、22C・・・ 狭管部、23A,23B,71A,71B・・・ 仕切部、24・・・ 筒体部、30・・・ 弁部、31・・・ 調整弁部、31A,32A,72A・・・ 弁座、31B,32B,72B・・・ 弁体、32・・・ 遮断弁部、33,55,65,79・・・ 調整ばね、40・・・ 駆動部、41・・・ 弁棒、42・・・ 固定支軸、43・・・ レバー、44・・・ 連動子、50,63,73・・・ 圧力感知部、51,64,76・・・ ダイヤフラム、52,77・・・ 圧力制御室、53・・・ 大気連通室、53A,73A・・・ キャップ部、54,80・・・ 受圧板、54A,80A・・・ 開口部、56,80・・・ 調整ねじ、57,58,61・・・ 管路、58a・・・ 通孔、62・・・ 溝部、62a・・・ 開室、62b,78・・・ 閉室、66・・・ 流量調整弁部、66a・・・ 細孔、66b・・・ 流量調整弁、72・・・ 流量制御弁部
Claims (2)
- 互いに隔てられた上流側管路と下流側管路との境界に設けられる整圧装置であって、
入口側が前記上流側管路に接続され、出口側が前記下流側管路に接続されると共に、狭管部を有する流路と、前記流路の狭管部より下流側に接続された第1の管路と、前記流路で前記第1の管路に対して下流側に接続された第2の管路と、前記第1の管路および第2の管路の他端が接続されると共に、前記第1の管路を通じて前記流路の狭管部におけるガスの圧力、および、第2の管路を通じて前記下流側管路のガスの圧力を感知する第1の圧力感知部と、前記第1の圧力感知部によって感知された圧力を基に前記下流側管路に送出するガスの圧力を第1の設定圧力値に保つ調整弁部とを有する第1の弁手段と、
一端が前記流路の入口側に設けられた第3の管路と、前記第3の管路の他端に設けられると共に、第3の管路を通じて前記上流側管路のガス圧力を感知する第2の圧力感知部と、第2の圧力感知部によって感知された圧力を基に、前記第1の管路のガスの流路面積を調整する流量調整弁部とを有する第2の弁手段と、
前記第2の管路を通じて、前記下流側管路の圧力変動を感知する第3の圧力感知部と、前記第3の圧力感知部が第1の設定圧力値より大きな第2の設定圧力値より小さい圧力を感知すると下流側管路からのガスを遮断し、前記第3の圧力感知部が第2の設定圧力値以上の圧力を感知すると、遮断した状態から遮断していない状態への復帰を自動的に行う流量制御弁部とを有する第3の弁手段と
を備えたことを特徴とする整圧装置。 - 前記第1の弁手段は、更に、前記第1の圧力感知部が前記第2の設定圧力値より大きな第3の設定圧力値以上の圧力を感知すると、前記調整弁部に替わり作動して前記上流側管路からのガスを遮断し、前記第1の圧力感知部が第3の設定圧力値より低い圧力を感知すると、遮断した状態から遮断していない状態への復帰を自動的に行う遮断弁部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の整圧装置。
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