JP6435165B2 - 液体クロマトグラフィ測定方法、液体クロマトグラフィ測定装置、及び液体クロマトグラフィ測定プログラム - Google Patents

液体クロマトグラフィ測定方法、液体クロマトグラフィ測定装置、及び液体クロマトグラフィ測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、液体クロマトグラフィ測定方法、液体クロマトグラフィ測定装置、及び液体クロマトグラフィ測定プログラムに係り、特に、血液などの生体試料の分析に使用される液体クロマトグラフィ測定方法、液体クロマトグラフィ測定装置、及び液体クロマトグラフィ測定プログラムに関する。
近年、血液検査におけるグリコヘモグロビン(HbA1c)の測定では、検査結果の即時報告などの要求が高く、測定時間を短縮する傾向にある。また、特に日本以外の国においては、主要成分としてのHbA1cの測定時に、付随成分として変異Hb及びサラセミア症スクリーニング指標となるHbを検出することが求められている。これは、血液中に変異Hbを含む場合又はサラセミア症スクリーニング指標となるHbが高値を示す場合、HbA1cの測定値が正確に得られない場合があるためである。
また、これらのHbは貧血やサラセミア症を含む別の疾患の指標となるため、その同定の要求も高い。
ここで、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を原理とする測定装置において、HbA1cを測定する装置は一般的に用いられている。
一方、HbE、HbS、HbC、HbDなどの変異Hbや、サラセミア症スクリーニング指標となるHbF、HbA2の同定を目的とした測定装置も用いられている。
HbA1c及び変異Hbを測定する方法としては、例えば特許文献1に開示された技術がある。
従来、HbA1c及び変異Hbは、別々の測定装置で測定するのが通常であった。また、1つの測定装置でHbA1c及び変異Hbの測定が可能であっても、複数の設定条件(以下、測定モードという)を切り替える必要があった(例えば非特許文献1参照)。
特開2009−236768号公報
Bio−Rad社「VariantII Dual Program」のカタログ
しかしながら、特許文献1記載の技術では、HbA1cと変異Hbの同時測定を行っているものの、変異Hbの分離項目は、HbSとHbCのみである。また、変異Hbを含まない通常の測定試料の場合でも、変異Hbを分離、測定するための送液を行うため測定時間が長くなり、HbA1cの測定で求められている測定時間の短縮を実現するのが困難である。また、溶離液の消費(コスト)も多くなる。
また、複数の測定モードを有する測定装置であっても、先に行った測定結果やクロマトグラムが通常のものと異なる場合、一旦測定を終えてから、別の測定モードに切り替えて測定するために、別のカラムや溶離液を取り付ける操作が必要であり、手間とコストがかかる。
さらに、一旦測定を終了させて再測定するため、測定開始・終了時の溶離液の送液(スタート送液・エンド送液)も必要となったり、また新たな測定試料も必要となったりするため、時間とコスト(溶離液消費)がかかる。
本発明は、測定装置における測定のための設定条件である測定モードを手動で切り替えることなく、また、測定途中または測定終了後に、測定終了処理(エンドシーケンス)や測定開始処理(スタートシーケンス)を実行することなく連続的に、測定試料中の主要成分及び付随成分を測定することができる液体クロマトグラフィ測定方法、液体クロマトグラフィ測定装置、及び液体クロマトグラフィ測定プログラムの提供を目的とする。
請求項1記載の発明の液体クロマトグラフィ測定装置は、液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程を実行するための第1測定手段と、前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程を実行するための第2測定手段と、前記第1測定工程と前記第2測定工程とを切り替える切替手段と、を備え、前記切替手段は、前記第1測定手段によって、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、前記測定試料中に含まれる成分が全て溶出する前に、前記第2測定工程に切り替え、前記第1測定手段によって、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出されなかった場合、前記第1測定工程を継続する。
これによれば、一態様において、第1の測定工程中に付随成分が検出された場合には、測定試料中に含まれる成分が全て溶出する前に、第2測定工程に切り替えて付随成分を同定し、第1測定工程中に付随成分が検出されなかった場合は第1測定工程を継続する。ここで、液体クロマトグラフィ装置においては、液体クロマトグラフィ法の原理上、測定のための設定条件を固定的に設定するのが通常である。すなわち、液体クロマトグラフィ法では、溶出成分の溶出パターンは、使用するカラムや溶離液、測定検体の特性により多様に変化する。そのため、測定したい成分を所定のタイミングで適切に溶出するために、液体クロマトグラフィを測定原理とする分析装置においては、搭載するカラム、溶離液及び検体の特性を検証の上、測定条件としての、測定の開始から終了まで送液順序や送液時間が厳密に設定される。そのため、送液順序や時間を途中で変更することは、通常は行われず、想定もされない。つまり、従来の液体クロマトグラフィ測定装置では、測定工程は固定するのが通常である。そして、液体クロマトグラフィを測定原理とする分析装置において、測定工程を変更したい場合には、測定モードを手動で切り替えることが必要となる。つまり、液やカラム、また送液条件の変更や機器調整を手動で行わなければならず、また、工程変更に当たっては、測定終了処理(エンドシーケンス)や測定開始処理(スタートシーケンス)の実行が必要となる。しかし、本発明は、一態様において、測定モードを従来のように手動で切り替えることなく測定工程のみ切り替え、また、測定試料中に含まれる成分が全て溶出する前に、測定終了処理(エンドシーケンス)や測定開始処理(スタートシーケンス)を実行することなく連続的に、測定試料中の主要成分及び付随成分を測定することができる。これにより、早く結果を出したい成分は確実に早く結果を出し、かつ、詳しく追加的に分析したい成分については測定モードを切り替えることなく自動的に測定工程のみを変更するので、従来のように、測定モードを切り替えて測定する場合と比較して測定時間を短縮することができる。
請求項2記載の発明は、前記第2測定工程が複数パターン存在し、前記切替手段は、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、前記複数パターンから選択した前記第2測定工程に切り替える。
これによれば、一態様において、第1測定工程において付随成分を検出後、最適の測定工程に切り替えることが可能となる。
請求項3記載の発明は、前記主要成分は、HbA1c及びHbA0の少なくとも一方を含み、前記付随成分は、変異Hb及びサラセミア症スクリーニング指標となるHbの少なくとも1種である。
請求項4記載の発明は、前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行すると共に、前記第2測定工程に対応した第2制御シーケンスであって、前記第1制御シーケンスにおける所定時点より後のシーケンスが異なるシーケンスを含む第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行する制御手段を備え、前記制御手段は、前記第1測定手段によって、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、少なくとも前記所定時点より後の期間においては、前記第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行する。
これにより、一態様において、測定モードを従来のように手動で切り替えることなく測定工程のみ切り替え、また、第1測定工程の途中又は終了後に、測定終了処理(エンドシーケンス)や測定開始処理(スタートシーケンス)を実行することなく連続的に、測定試料中の主要成分及び付随成分を測定することができる。
請求項5記載の発明は、前記第2制御シーケンスは、前記第1制御シーケンスにおける前記所定時点以前のシーケンスと同一のシーケンスを含み、前記制御手段は、前記第1測定手段によって、前記付随成分が検出された場合、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから前記第2制御シーケンスに切り替えることにより、前記第1測定工程の前記所定時点までの期間においては、前記第1測定工程と同一の測定工程を進行させ、前記所定時点より後の期間においては、前記第1測定工程と異なる測定工程を進行させる。
これにより、一態様において、前記付随成分が検出された場合、即座に、測定工程を切り替えても、あたかも切替が行われなかったように、引続き所望の主要成分の溶出を進行させることができる。
請求項6記載の発明は、前記所定時点が、所定の主要成分の所定量の溶出が完了する時点である。
これにより、一態様において、所定の主要成分を所定量溶出させた後はスムーズに、第1測定工程と異なる第2測定工程により、付随成分の溶出を行うことができる。つまり、本実施形態の上記測定工程によれば、付随成分の検出に基づくシーケンスのリアルタイムの切り替えと、ユーザが所望する主要成分の溶出の確実な検出並びに付随成分の同定を効率的に実現できる。
請求項7記載の発明の液体クロマトグラフィ装置は、液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程を実行するための第1測定手段と、前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程を実行するための第2測定手段と、前記第1測定工程と前記第2測定工程とを切り替える切替手段と、少なくとも2測定分以上の測定試料を保持する保持手段と、を備え、前記切替手段は、前記保持手段から1測定分の前記測定試料を導入して、前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行し、前記第1測定工程において前記付随成分が検出された場合、第1測定工程の終了後に、前記保持手段から1測定分の前記測定試料を新たに導入し、かつ、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから第2制御シーケンスに切り替え、前記第2測定工程に対応した前記第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行する
これにより、一態様において、第1測定工程により測定試料すべてが溶出されてから検出するため、第1測定工程の途中で第1測定工程と異なる第2測定工程に切り替える場合に比べて、第1測定工程の後半に溶出される付随成分も検出できるという利点がある。また、測定モードを従来のように手動で切り替えることなく測定工程のみ切り替え、また、第1測定工程の途中又は終了後に、測定終了処理(エンドシーケンス)や測定開始処理(スタートシーケンス)を実行することなく連続的に測定試料中の主要成分及び付随成分を測定することもでき、従来の測定モードを手動で切り替えて測定する場合のように新たな測定試料を用意する必要もなく、また測定時間を短縮することができる。
請求項8記載の発明は、前記第1測定手段及び前記第2測定手段が各々、溶離液を含み、前記第1測定工程及び前記第2測定工程が、前記溶離液の種類、前記溶離液の組合せ、及び前記溶離液の使用条件の少なくとも一つにおいて異なる。
請求項9記載の発明は、前記第1測定手段及び前記第2測定手段が各々、カラムを含み、前記第1測定工程及び前記第2測定工程の各々において使用するカラムが異なる。
請求項10記載の発明の液体クロマトグラフィ測定方法は、液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程中に前記測定試料の付随成分が検出された場合、前記測定試料中に含まれる成分が全て溶出する前に、前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程に切り替え、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出されなかった場合、前記第1測定工程を継続する。
これによれば、一態様において、請求項1に記載したのと同様に、従来のように、測定モードを切り替えて測定する場合と比較して測定時間を短縮することができる。
請求項11記載の発明は、前記第2測定工程が複数パターン存在し、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、前記複数パターンから選択した前記第2測定工程に切り替える。
これによれば、一態様において、請求項2に記載したのと同様に、第1測定工程において付随成分を検出後、最適の測定工程に切り替えることが可能となる。
請求項12記載の発明は、前記主要成分は、HbA1c及びHbA0の少なくとも一方を含み、前記付随成分は、変異Hb及びサラセミア症スクリーニング指標となるHbの少なくとも1種である。
請求項13記載の発明は、前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行すると共に、前記第2測定工程に対応した第2制御シーケンスであって、前記第1制御シーケンスにおける所定時点より後のシーケンスが異なるシーケンスを含む第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行し、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、少なくとも前記所定時点より後の期間においては、前記第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行する。
これによれば、一態様において、請求項4に記載したのと同様に、測定モードを従来のように手動で切り替えることなく測定工程のみ切り替え、また、第1測定工程の途中又は終了後に、測定終了処理(エンドシーケンス)や測定開始処理(スタートシーケンス)を実行することなく連続的に、測定試料中の主要成分及び付随成分を測定することができる。
請求項14記載の発明は、前記所定時点は、前記測定試料中に含まれる成分の溶出が完了していない時点であり、前記第2制御シーケンスは、前記第1制御シーケンスにおける前記所定時点以前のシーケンスと同一のシーケンスを含み、前記付随成分が検出された場合、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから前記第2制御シーケンスに切り替えることにより、前記第1測定工程の前記所定時点までの期間においては、前記第1測定工程と同一の測定工程を進行させ、前記所定時点より後の期間においては、前記第1測定工程と異なる測定工程を進行させる。
これによれば、一態様において、請求項5に記載したのと同様に、前記付随成分が検出された場合、即座に、測定工程を切り替えても、あたかも切替が行われなかったように、引続き所望の主要成分の溶出を進行させることができる。
請求項15記載の発明は、前記所定時点が、所定の主要成分の所定量の溶出が完了する時点である。
これによれば、一態様において、請求項6に記載したのと同様に、所定の主要成分を所定量溶出させた後はスムーズに、第1測定工程と異なる第2測定工程により、付随成分の溶出を行うことができる。つまり、本実施形態の上記測定工程によれば、付随成分の検出に基づくシーケンスのリアルタイムの切り替えと、ユーザが所望する主要成分の溶出の確実な検出並びに付随成分の同定を効率的に実現できる。
請求項16記載の発明の液体クロマトグラフィ測定方法は、液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程中に前記測定試料の付随成分が検出された場合、前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程に切り替え、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出されなかった場合、前記第1測定工程を継続する液体クロマトグラフィ測定方法であって、前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行すると共に、前記第2測定工程に対応した第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行し、少なくとも2測定分以上の測定試料を保持手段に保持し、前記保持手段から1測定分の前記測定試料を導入して前記第1測定工程を実行し、前記第1測定工程において前記付随成分が検出された場合、第1測定工程の終了後に、前記保持手段から1測定分の前記測定試料を新たに導入し、かつ、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから前記第2制御シーケンスに切り替え、前記第2測定工程を実行する
これによれば、一態様において、請求項7に記載したのと同様に、従来の測定モードを手動で切り替えて測定する場合のように新たな測定試料を用意する必要もなく、また測定時間を短縮することができる。
請求項17記載の発明の液体クロマトグラフィ測定プログラムは、コンピュータに、液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程中に前記測定試料の付随成分が検出された場合、前記測定試料中に含まれる成分が全て溶出する前に、前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程に切り替え、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出されなかった場合、前記第1測定工程を継続する処理を実行させる。
これによれば、一態様において、請求項1に記載したのと同様に、従来のように、測定モードを切り替えて測定する場合と比較して測定時間を短縮することができる。
また、液体クロマトグラフィ測定プログラムの発明について、以下に付記を開示する。
(付記1)
コンピュータに、
液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程中に前記測定試料の付随成分が検出された場合、前記第1測定工程の途中又は終了後に、前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程に切り替え、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出されなかった場合、前記第1測定工程を継続する
処理を実行させるための液体クロマトグラフィ測定プログラム。
(付記2)
前記第2測定工程が複数パターン存在し、
前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、前記複数パターンから選択した前記第2測定工程に切り替える、
付記1記載の液体クロマトグラフィ測定プログラム。
(付記3)
前記主要成分は、HbA1c及びHbA0の少なくとも一方を含み、前記付随成分は、変異Hb及びサラセミア症スクリーニング指標となるHbの少なくとも1種である、
付記1又は付記2記載の液体クロマトグラフィ測定プログラム。
(付記4)
前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行すると共に、前記第2測定工程に対応した第2制御シーケンスであって、前記第1制御シーケンスにおける所定時点より後のシーケンスが異なるシーケンスを含む第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行し、
前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、少なくとも前記所定時点より後の期間においては、前記第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行する、
付記1〜3の何れかに記載の液体クロマトグラフィ測定プログラム。
(付記5)
前記第2制御シーケンスは、前記第1制御シーケンスにおける前記所定時点以前のシーケンスと同一のシーケンスを含み、
前記付随成分が検出された場合、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから前記第2制御シーケンスに切り替えることにより、前記第1測定工程の前記所定時点までの期間においては、前記第1測定工程と同一の測定工程を進行させ、前記所定時点より後の期間においては、前記第1測定工程と異なる測定工程を進行させる、
付記4記載の液体クロマトグラフィ測定プログラム。
(付記6)
前記所定時点が、所定の主要成分の所定量の溶出が完了する時点である、
付記4又は付記5記載の液体クロマトグラフィ測定プログラム。
(付記7)
前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行すると共に、前記第2測定工程に対応した第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行し、
少なくとも2測定分以上の測定試料を保持する保持手段から1測定分の前記測定試料を導入して前記第1測定工程を実行し、前記第1測定工程において前記付随成分が検出された場合、第1測定工程の終了後に、前記保持手段から1測定分の前記測定試料を新たに導入し、かつ、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから前記第2制御シーケンスに切り替える、
付記1〜3の何れかに記載の液体クロマトグラフィ測定プログラム。
本発明によれば、一態様において、測定モードを従来のように手動で切り替えることなく、測定工程のみ切り替え、また、測定途中又は測定終了後に、測定終了処理(エンドシーケンス)や測定開始処理(スタートシーケンス)を実行することなく連続的に、測定試料中の主要成分及び付随成分を測定することができる、という効果を有する。
HPLC装置の一例を示す全体斜視図である。 HPLC装置の概略構成図である。 HPLC装置の測光ユニットの構成を示す一部断面図である。 HPLC装置の制御系の構成図である。 第1実施形態に係る液体クロマトグラフィ測定プログラムのフローチャートである。 クロマトグラムの一例を示す線図である。 クロマトグラムの一例を示す線図である。 制御シーケンスの選択及び切り替えについて説明するための図である。 第2実施形態に係る液体クロマトグラフィ測定プログラムのフローチャートである。 クロマトグラムの一例を示す線図である。 HPLC装置の変形例を示す概略構成図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1には、高速液体クロマトグラフィ(High Performance Liquid Chromatography:HPLC)を利用したHPLC装置Xの外観図を示した。
HPLC装置Xは、ラック10に保持させた採血管11をテーブル20にセットして、全血中のグリコヘモグロビン(HbA1c)濃度を自動で測定するように構成されたものである。このHPLC装置Xは、複数の溶離液ボトル12A、12B、12C、12D、12E(図1では5個)、及び装置本体2を備えている。
各溶離液ボトル12A〜12Eは、後述する分析カラム60に供給すべき溶離液A〜Eを各々保持したものであり、装置本体2におけるホルダ部21に配置されている。各溶離液は、用途に応じて例えば組成、成分比、pH、浸透圧等が異なる。
装置本体2は、上述のテーブル20及びホルダ部21の他に、筐体3の内部に収容された、脱気ユニット4、試料調製ユニット5、分析ユニット6、及び測光ユニット7を有している(図2参照)。
テーブル20は、所定部位にセットされたラック10を移動させることにより、ラック10に保持させた採血管11を、後述する試料調製ユニット5におけるノズル51により採取可能な位置に移動させるように構成されている。
筐体3には、操作パネル30及び表示パネル31が設けられている。操作パネル30は、複数の操作ボタン32が設けられたものであり、操作ボタン32を操作することにより、各種の動作(分析動作や印字動作など)を行わせるための信号を生成させ、あるいは各種の設定(分析条件の設定や被験者のID入力など)を行うことができる。表示パネル31は、分析結果やエラーである旨を表示するとともに、設定時における操作手順や操作状況などを表示するためのものである。
図2に示したように、脱気ユニット4は、分析ユニット6(分析カラム60)に溶離液を供給する前に、溶離液から溶存気体を除去するためのものであり、配管80A、80B、80C、80D、80Eを介して溶離液ボトル12A、12B、12C、12D、12Eに連結され、配管81A、81B、81C、81D、81Eを介して分析ユニット6のマニホールド61に連結されている。
試料調製ユニット5は、採血管11から採取した血液から、分析カラム60に導入する試料を調製するためのものである。この試料調製ユニット5は、ノズル51、調製液タンク52、及び希釈槽53を有している。
ノズル51は、採血管11の血液試料13をはじめとする各種の液体を採取するためのものであり、液体の吸引・吐出が可能であるとともに、上下方向及び水平方向に移動可能とされている。このノズル51の動作は、後述する制御部100によって制御される。
調製液タンク52は、血液試料13をもとに、分析カラム60に導入するための導入用試料を調製するための調製液を保持したものである。この調製液タンク52には、調製液として、赤血球の溶血させるための溶血剤を含む希釈液などが保持されている。希釈液としては、酸素飽和度の高いもの、例えば酸素飽和度が85%以上のものを使用するのが好ましい。調製液タンク52からの調製液の採取には、ノズル51が使用される。
なお、調製液タンク52には、希釈液として溶血剤を含むものが保持されているが、調製液タンク52に溶血剤を含まない希釈液と溶血剤とを個別に保持させてもよい。
希釈槽53は、血液試料13中の赤血球の溶血及び血液試料13の希釈を行って導入用試料を調製する場であるとともに、導入用試料を大気に接触させて導入用試料における酸素飽和度を高めるためのものである。この希釈槽53は、後述する分析ユニット6におけるインジェクションバルブ63に配管83を介して接続されており、希釈槽53において調製された導入用試料がインジェクションバルブ63を介して分析カラム60に導入できるように構成されている。また、希釈槽53は、導入用試料を大気に接触させるために上部が開放されている。
分析ユニット6は、分析カラム60の充填剤に対する生体成分の吸着・脱着をコントロールし、各種の生体成分を測光ユニット7に供するためのものであり、温調機構(図示省略)により温度コントロールされている。分析ユニット6における設定温度は、例えば40℃程度とされる。分析カラム60は、試料中のヘモグロビンを選択的に吸着させるための充填剤を保持させたものである。充填剤としては、例えばメタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体が使用される。
分析ユニット6は、分析カラム60の他に、マニホールド61、送液ポンプ62、及びインジェクションバルブ63を有している。
マニホールド61は、複数の溶離液ボトル12A〜12Eのうちの特定の溶離液ボトルから、インジェクションバルブ63に選択的に溶離液を供給させるためのものである。このマニホールド61は、配管81A〜81Eを介して脱気ユニット4に接続され、配管84を介してインジェクションバルブ63に接続されている。
送液ポンプ62は、溶離液をインジェクションバルブ63に移動させるための動力を付与するためのものであり、配管84の途中に設けられている。
インジェクションバルブ63は、一定量の導入用試料を採取するとともに、その導入用試料を分析カラム60に導入可能とするものであり、複数の導入ポート及び排出ポート(図示省略)を備えている。このインジェクションバルブ63には、インジェクションループ64が接続されている。このインジェクションループ64は、一定量(例えば数μL)の液体を保持可能なものであり、インジェクションバルブ63を適宜切り替えることにより、インジェクションループ64が希釈槽53と連通して希釈槽53からインジェクションループ64に導入用試料が供給される状態、インジェクションループ64が配管85を介して分析カラム60と連通してインジェクションループ64から導入用試料が分析カラム60に導入される状態を選択することができる。このようなインジェクションバルブ63としては、例えば六方バルブを使用することができる。
図3に示したように、測光ユニット7は、分析カラム60からの脱着液に含まれるヘモグロビンを光学的に検出するためのものであり、測光セル70、光源71、ビームスプリッタ72、測定用受光系73、及び参照用受光系74を有している。
測光セル70は、測光エリアを規定するためのものである。この測光セル70は、導入流路70A、測光流路70B、及び排出流路70Cを有しており、これらの流路70A、70B、70Cが一連に連通している。導入流路70Aは、分析カラム60(図2参照)からの脱離液を測光流路70Bに導入するためのものであり、分析カラム60に配管86を介して接続されている。測光流路70Bは、測光対象となる脱離液を流通させ、かつ脱離液を測光するための場を提供するものであり、直線状に形成されている。この測光流路70Bは、両端が開放しているとともに、両端部が透明カバー75により塞がれている。排出流路70Cは、測光流路70Bの脱離液を排出するためのものであり、配管87を介して廃液槽88に接続されている(図2参照)。
光源71は、測光流路70Bを流通する脱離液に光を照射するためのものである。この光源71は、光軸Lが測光流路70Bの中心を通過するように、測光流路70Bの端面70Ba(透明カバー75)に対面した状態で配置されている。光源71としては、オキシヘモグロビンの最大吸収波長とデオキシヘモグロビンの最大吸収波長との間の波長である420nm及び参照波長である500nmの光を含んだ波長範囲の光を出射可能なもの、例えばハロゲンランプが使用されている。もちろん、光源71としては、ハロゲンランプ以外のもの、例えば1または複数のLED素子を備えたものを使用することもできる。
ビームスプリッタ72は、光源71から出射された光のうち、測光流路70Bを透過した光を分割して測定用受光系73及び参照用受光系74に入射させるためのものであり、光軸L上において、45度傾斜した状態で配置されている。ビームスプリッタ72としては、ハーフミラーなどの公知の種々のものを使用することができる。
測定用受光系73は、ビームスプリッタ72を透過した光のうち、420nmの光を選択的に受光するものであり、光軸L上に配置されている。この測定用受光系73は、420nmの光を選択的に透過させる干渉フィルタ73Aと、干渉フィルタ73Aを透過した光を受光するための受光素子73Bと、を備えている。受光素子73Bとしては、フォトダイオードを使用することができる。
参照用受光系74は、ビームスプリッタ72において反射して光路が変えられた光のうち、参照波長である500nmの光を選択的に受光するものである。この測定用受光系74は、500nmの光を選択的に透過させる干渉フィルタ74Aと、干渉フィルタ74Aを透過した光を受光するための受光素子74Bと、を備えている。受光素子74Bとしては、フォトダイオードを使用することができる。
図4には、HPLC装置Xの制御系のブロック図を示した。図4に示すように、HPLC装置Xは、制御部100を備えている。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)100A、ROM(Read Only Memory)100B、RAM(Random Access Memory)100C、不揮発性メモリ100D、及び入出力インターフェース(I/O)100Eがバス100Fを介して各々接続された構成となっている。
I/O100Eには、脱気ユニット4、試料調製ユニット5、分析ユニット6、及び測光ユニット7が接続されている。
なお、後述する液体クロマトグラフィ測定プログラムは、本実施形態では一例として不揮発性メモリ100Dに予め記憶される。CPU100Aは、不揮発性メモリ100Dに記憶された液体クロマトグラフィ測定プログラムを読み込んで実行する。また、CD−ROM等の記録媒体に液体クロマトグラフィ測定プログラムを記録し、これをCD−ROMドライブ等で読み込むことにより実行するようにしてもよい。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図5には、制御部100のCPU100Aで実行される液体クロマトグラフィ測定処理のフローチャートを示した。
まずオペレータは、血液試料13が入った採血管11をラック10に保持させた状態で、ラック10をテーブル20の所定の部位にセットする。採血管11の血液試料13は、予め血漿層と血球層に分離させてもよい。血漿層と血球層の分離は、遠心分離機を用いて、あるいは血球成分を自然沈降させることにより行なうことができる。
血漿層と血球層との分離は、HPLC装置Xに遠心分離機を組み込んでHPLC装置Xにおいて行なうようにしてもよく、また、テーブル20に採血管11をセットした状態で一定時間静置することにより行ってもよい。
オペレータが操作パネル30を操作して測定開始を指示すると、CPU100Aは、不揮発性メモリ100Dに記憶された液体クロマトグラフィ測定プログラムを読み込んで実行する。
ステップS10では、第1測定工程用の血液試料13を導入する。具体的には、まずラック10にセットされた採血管11から、血液試料13を採取する。すなわち、ノズル51を動作させることによって採血管11から血液試料13を採取する。ノズル51によって採取された血液試料13は、ノズル51を動作させることによって希釈槽53に供給される。希釈槽53にはさらに、調製液タンク52から希釈液が供給され、ノズル51を利用したピペッティング操作によって希釈槽53内の液体を混合することによって導入用試料が調製される。なお、溶血剤を含まない希釈液と溶血剤とを併用する場合には、希釈槽53に対して希釈液及び溶血液を同時的に供給して血液試料13の希釈及び血液試料13の血球の溶血を同時的に行なってもよいし、それらを、時間をおいて個別に供給し、血液試料13の希釈及び血液試料13の血球の溶血を別工程として行なってもよい。
希釈槽53において調製された導入用試料は、希釈槽53において大気と一定時間接触させた後、インジェクションループ64に供給され、インジェクションループ64において保持される。
導入用試料を一定時間大気と接触させた場合には、導入用試料の溶存酸素量が増加させられる。このようにして導入用試料の酸素飽和度を高めた場合には、インジェクションループ64ひいては分析カラム60に対して溶存酸素量の大きな導入用試料を供給することができる。すなわち、導入用試料に含まれるヘモグロビンにおいて、オキシヘモグロビンの割合が大きなものとすることができる。
ここで、導入用試料と大気との接触時間(大気開放時間)は、例えば1〜2分とされる。これは、大気開放時間が短すぎる場合には導入用試料に対して十分な量の酸素を溶存させることができない一方で、大気開放時間が長すぎる場合には導入用試料調製後からインジェクションループ64へ導入用試料を導入するまでの時間が大きくなって測定時間が長くなってしまうからである。
また、希釈液として酸素飽和度の高いもの、例えば酸素飽和度が85%以上のものを使用する場合には、必ずしも希釈後の導入用試料を大気開放する必要はない。すなわち、酸素飽和度の高い希釈液を用いる場合には、希釈槽53として閉鎖されたものを用いる場合であっても一定時間(例えば1分以上)放置することにより、希釈後の導入用試料の酸素飽和度を高めることができ、ヘモグロビン中のオキシヘモグロビンの割合を大きなものとすることができる。
そして、インジェクションバルブ63を切り替えてインジェクションループ64に保持された試料を分析カラム60に導入させる。分析カラム60に試料が導入されると、充填剤にHbA1c、HbA0、変異Hb、及びサラセミア症スクリーニング指標となるHbが吸着される。
ステップS12では、第1測定工程を実行する。第1測定工程は、液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、測定試料の付随成分の有無を検出する工程である。主要成分は、例えばHbA1c及びHbA0の少なくとも一方を含み、付随成分は、例えば変異Hb及びサラセミア症スクリーニング指標となるHbである。変異Hbは、例えばHbE、HbS、HbC、HbD等であり、サラセミア症スクリーニング指標となるHbは、例えばHbF、HbA2等であるが、これらに限られるものではない。
第1測定工程は、予め定めた第1制御シーケンスにより、インジェクションバルブ63を適宜切り替えてインジェクションループ64に保持された測定試料を分析カラム60に供給すると共に、溶離液A〜Eを順次分析カラム60に供給することにより、主要成分を測定すると共に、測定試料の付随成分の有無を検出する工程である。
ここで、溶離液Aは、例えば分析カラム60の状態を整える、すなわち平衡化する作用を有すると共に、特定の付随成分(例えばHbX。Xは付随成分を表す任意の記号、以下同様)を分析カラム60から溶出させるための溶離液である。
また、溶離液Bは、例えば分析カラム60からHbA1cを溶出させるための溶離液である。
また、溶離液Cは、例えば分析カラム60からHbA0を溶出させるための溶離液である。
また、溶離液Dは、例えば分析カラム60内に残存した測定試料を押し流す、すなわち分析カラム60を洗浄するための溶離液である。
第1制御シーケンスでは、インジェクションバルブ63の切替操作を行うことにより、以下のシーケンスで各溶離液を分析カラム60に供給する。
溶離液A(t1秒)→溶離液B(t2秒)→溶離液C(t3秒)→溶離液D→(t4秒)
分析カラム60に溶離液を供給する順番と、各溶離液を供給する時間(t1〜t4)は、測定試料の主要成分を測定することができると共に、測定試料の付随成分を同定はできなくとも、付随成分の有無又は成分量が設定した基準から外れるか否かを検出することができるように各々設定される。
上記のように第1制御シーケンスに従って、まず溶離液Aを分析カラム60にt1秒間(例えば16秒)供給すると、充填材に特定の付随成分が吸着されていた場合には、この付随成分が脱着(溶出)される。
そして、次に溶離液Bを分析カラム60にt2秒間(例えば20秒)供給すると、充填材に吸着されたHbA1cが脱着される。
次に溶離液Cを分析カラム60にt3秒間(例えば45秒)供給すると、充填材に吸着されたHbA0が脱着される。
次に溶離液Dを分析カラム60にt4秒間(例えば8秒)供給すると、分析カラム60内に残存した測定試料が押し流され、分析カラム60が洗浄される。
分析カラム60から排出される各種ヘモグロビンを含む脱着液は、配管86を介して測光ユニット7の測光セル70に供給される。測光セル70に対しては、導入流路70Aを介して脱着液が導入され、この脱着液は測光流路70B及び排出流路70Cを通過した後に、配管87を介して廃液槽88に導かれる。
測光ユニット7においては、脱着液が測光流路70Bを通過する際に、光源71によって脱着液に対して連続的に光が照射される。その一方で、測光流路70Bを透過した光は、ビームスプリッタ72において分割された後、測定用受光系73及び参照用受光系74において受光される。測定用受光系73では、干渉フィルタ73Aを透過した420nmの光が受光素子73Bにおいて選択的に受光される。一方、参照用受光系74では、干渉フィルタ74Aを透過した参照波長である500nmの光が受光素子74Bにおいて選択的に受光される。受光素子73A,74Aでの受光結果(吸光度)は、制御部100に出力され、制御部100においてクロマトグラムが演算される。
クロマトグラムは、図6に示したように、測定を開始してからの経過時間と受光素子73A,74Aでの受光結果としての吸光度との関係を表すグラフである。このクロマトグラムのピークがどの位置に現れるかによって、どのヘモグロビンが検出されたかを知ることができると共に、吸光度の大きさによってヘモグロビンの濃度を知ることができる。
本実施形態では、例えば、測定試料に主要成分としてのHbA1c及びHbA0、及び特定の付随成分(例えばHbX)が含まれている場合において、第1制御シーケンスによって溶離液を切り替えて分析カラム60に順次送液した場合に、図6に示すように、ta、tb、tcの各時点にピークが現れることが予め想定されているとする。この場合、演算されたクロマトグラムから、ta秒の時点でピークが現れているか否かを判断することにより、付随成分が検出されたか否かを判断することができる。同様に、tbの時点でピークが現れているか否かを判断することによりHbA1cが検出されたか否かを判断することができ、tcの時点でピークが現れているか否かを判断することによりHbA0が検出されたか否かを判断することができる。例えば、図6に示すt1からt3の途中(tf付近)までの時点において、ta、tb、tc、tf以外の時点でピークが現れた場合は、予め想定されていない付随成分が検出されたと判断することができる。また、各時点における吸光度の大きさから各ヘモグロビンの濃度を算出することができる。
ステップS12では、演算されたクロマトグラフから各時点に溶出されたピークの吸光度から主要成分の濃度を求めると共に、予め想定された時点若しくは予め定めた想定された時点以外の時点に現れたピークの吸光度から付随成分の濃度を求める。求めた濃度は不揮発性メモリ100Dに記憶する。
ステップS14では、演算したクロマトグラムに基づいて、所望の付随成分が検出されたか否かを判断する。具体的には、演算されたクロマトグラムから、所定の時点までに吸光度が予め定めた閾値TH以上になったか否かを判断することにより、所定の時点までに付随成分が検出されたことを示すピークが現れているか否かを判断する。なお、閾値THは、所定の時点までにこの値以上の吸光度が検出されれば付随成分が検出されたと判断できる値に設定される。このように、所望の付随成分の成分量に相当する吸光度が閾値TH以上の場合は、所望の付随成分が検出されたものと判断され、閾値未満の場合は、所望の付随成分が検出されなかったものと判断される。従って、所望の付随成分の成分量に相当する吸光度が0より大きく且つ閾値TH未満の場合は、付随成分が存在する場合でも、付随成分が検出されなかったものと見なされる。すなわち、付随成分が検出されない場合とは、付随成分が全く存在しない場合だけでなく、付随成分が存在するが、付随成分が検出されなかったものと見なせる場合を含む。また、例えば、図6に示すt1からt3の途中(tf付近)までの時点)において、ta、tb、tc、tf以外の時点でピークが現れた場合は、予め想定されていない付随成分が検出されたと判断することができる。また、所定の時点までに主要成分すべて(例えば、HbA1c及びHbA0の両方)が予め定めた閾値未満であった場合も、広い意味で、付随成分が検出されたと判断する。例えば、図6のt1〜t3の途中の時点(tf)において、tb、tc両方の時点のピークが閾値未満の場合は、tf以降に付随成分が検出されることから、付随成分が検出されたと判断する。
なお、ステップS14では、所望の付随成分が検出されたか否かを判断する場合の具体例として、吸光度が予め定めた閾値TH以上になったか否かを判断する場合について説明したが、所望の付随成分が検出されたか否かを判断する際に用いるパラメータは吸光度に限られるものではない。例えば、クロマトグラムのピークの面積、所定の時間までに溶出された全ヘモグロビン成分のピーク面積に対する所定のピーク面積の比率等のパラメータを用いてもよい。すなわち、所望の付随成分が検出されたか否かを判断することができるパラメータであれば、吸光度に限定されるものではない。
また、吸光度、ピークの面積、及び所定の時間までに溶出された全ヘモグロビン成分のピーク面積に対する所定のピーク面積の比率のうち複数のパラメータを適宜組み合わせて、所望の付随成分が検出されたか否かを判断するようにしてもよい。例えば、測定原理上、どのような検体においても一定の閾値を設定して、付随成分の検出を評価できる場合や、また、例えば、検体濃度等の検体条件を一定に揃えた上で測定を実行する場合等は、上記の閾値を固定値として設定できる。一方で、検体濃度を調整する必要がなく、検体濃度等の検体条件を揃えずに測定を実行する場合、吸光度としては、検体濃度によって値が変動する可能性があるため、吸光度に関する閾値を固定値とすると、正確に付随成分を検出できない場合がある。そこで、このような場合には、上記各種パラメータを用いて、付随成分を検出する際の閾値を適宜調整、設定してもよい。こうすることで、測定の状況に応じて最適の閾値を設定することができ、付随成分の検出精度を高めることができる。
そして、付随成分が検出された場合はステップS18へ移行し、付随成分が検出されなかった場合は、ステップS16へ移行する。
ステップS16では、主要成分(例えばHbA1c及びHbA0)を検出したか否かを判断し、検出した場合にはステップS22へ移行して、第1測定工程を継続し、検出していない場合はステップ18へ移行する。
ステップS18では、第1測定工程とは異なる複数の測定工程から1つの測定工程を第2測定工程として選択する。測定工程は、検出したい主要成分の種類や溶出完了の程度によって選択される。
ステップS20では、所定の時点で、第1測定工程から、選択された第2測定工程への切替が実行される。
第1測定工程とは異なる第2測定工程の第2制御シーケンスは、本実施形態では、途中までは第1測定工程の制御シーケンスと同様である。
例えば、まず溶離液Aを分析カラム60にt1秒間(例えば16秒)供給する。次に溶離液Bを分析カラム60にt2秒間(例えば20秒)供給する。次に溶離液Cを分析カラム60にt3秒間(例えば50秒)供給する。
次に、溶離液Eを分析カラム60にt3’秒間(例えば40秒)供給する。
次に溶離液Dを分析カラム60にt4秒間(例えば8秒)供給する。
このように、第1測定工程とは異なる測定工程の制御シーケンスは、溶離液A、B、Cの順で分析カラム60に供給する点は第1制御シーケンスと同様であるが、溶離液Cを供給する時間、及び、その後に溶離液Eを供給する点が異なっている。
そして、溶離液Bは、導入用試料からHbA1cを溶出させるための溶離液であり、溶離液Cは、導入用試料からHbA0を溶出させるための溶離液であることから、溶離液Cを分析カラム60に供給中はHbA1cの溶出は終了しており、HbA0は溶出途中か溶出がほぼ終了していると考えられる。
従って、ステップS18では、例えば溶離液Cを分析カラム60に30秒供給した時点で主要Hbの測定が終了し、かつ付随成分が検出された場合には、第1測定工程とは異なる複数の制御シーケンスの中から1つの制御シーケンスを第2制御シーケンスとして選択し、ステップS20では、選択された第2制御シーケンスの途中から実行する。すなわち、第2制御シーケンスでは、溶離液Cはt3秒間(50秒)供給することになっているので、溶離液Cを分析カラム60に残り20秒間供給してから、溶離液Eを分析カラム60に供給する。
また、第2制御シーケンスでは、溶離液Eを分析カラム60に供給することにより、測定対象の付随成分を同定することができる。例えば図7に示すように、溶離液Eを分析カラム60にt3’秒間供給することにより、付随成分(図7では一例としてHbS、HbC)を同定(測定)することができる。具体的には、ステップS14と同様の処理により付随成分を同定できる。すなわち、図7に示すように、td秒の時点における吸光度が予め定めた閾値THs以上であればHbSが同定できたと判断でき、te秒の時点における吸光度が予め定めた閾値THc以上であればHbCが同定できたと判断できる。
一方、ステップS22では、第1測定工程を継続する。すなわち、引き続き第1制御シーケンスに従って溶離液を分析カラム60に供給する。そして、第1制御シーケンスが終了した場合にはステップS24へ移行する。
ステップS24では、ラック10にセットされた全ての採血管11について上記の測定が終了したか否かを判断し、全ての採血管11について測定が終了した場合は本ルーチンを終了し、測定が終了していない採血管11が存在する場合には、ステップS10へ戻って上記と同様の測定を引き続き実行する。
このように、本実施形態では、第1測定工程の途中で付随成分を検出したか否かを判断し、付随成分が検出された場合には、第1測定工程から第1測定工程とは異なる測定工程を実行するので、オペレータが測定モードを切り替える操作をしたり、分析カラム60や溶離液ボトルを交換したりする必要がなく、測定時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、第1測定工程は、主要成分及び付随成分を吸着するための充填剤が収容された分析カラムに測定試料を供給し、その後、前記付随成分(例えばHbX)を前記分析カラムから溶出させるための溶離液を前記分析カラムに供給し、その後、前記主要成分を前記分析カラムから溶出するための溶離液を前記分析カラムに供給する工程を含むが、本発明はこのような例に限定されない。すなわち、本発明は、前記第1の測定工程において、主要成分及び付随成分を吸着するための充填剤が収容された分析カラムに測定試料を供給し、その後、前記主要成分を前記分析カラムから溶出させるための溶離液を前記分析カラムに供給した後、前記付随成分を前記分析カラムから溶出するための溶離液を前記分析カラムに供給する工程を含んでもよいし、また、前記分析カラムに測定試料を供給した後、前記付随成分を前記分析カラムから溶出させるための溶離液を前記分析カラムに供給し、その後、前記主要成分を前記分析カラムから溶出するための溶離液を前記分析カラムに供給し、さらにその後、別の付随成分(HbE、HbS、HbC、HbDの変異Hb等、サラセミア症のスクリーニング指標となるHbは、HbF、HbA2等)を前記分析カラムから溶出させるための溶離液を前記分析カラムに供給する工程を含んでもよい。
さらに、本実施形態では、第1測定工程とは異なる第2測定工程の第2制御シーケンスが、途中まで、すなわち、HbA0の溶出後の時点(tcとtfの中間時点)まで、第1制御シーケンスと共通の場合について説明した。このように、検出したい主要成分が所定量溶出される時点まで、第1制御シーケンスと第2制御シーケンスとで共通化することにより、付随成分の検出後に即、制御シーケンスを切り換えても、あたかも切替が行われなかったように、引続き所望の主要成分の溶出処理を進行させることができ、所望の主要成分の溶出完了後、第1制御シーケンスとは異なる第2制御シーケンスにより、第1測定工程とは異なる第2測定工程における溶出処理をスムーズに実行させることができる。すなわち、本実施形態の上記制御シーケンスによれば、付随成分の検出と制御シーケンスの切替をリアルタイムで行うことができ、かつ、ユーザが所望する主要成分の確実な溶出と付随成分の溶出を効率的に実現できる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るHPLC装置Xは、制御部100のCPU100Aが、付随成分の有無又は当該付随成分の成分量が設定した基準から外れることを検出した場合に、使用するシーケンスを選択する機能を有する。すなわち、不揮発性メモリ100Dは、第1制御シーケンス及び第1制御シーケンスとは異なる複数の制御シーケンス(第2制御シーケンス)を実行するためのプログラムを記憶し、第1制御シーケンスとして1種類のシーケンス(α)と、第2制御シーケンスとして、3種類の第2制御シーケンス(β、γ、δ)を有する。図8に示すように、第2制御シーケンスβは、HbFの溶出が完了する時点ta’までは第1制御シーケンスと共通であり、HbFの溶出が完了する時点ta’後は、第1制御シーケンスと異なるシーケンスにより異なる溶出処理を実行する。第2制御シーケンスγは、HbA1cの溶出が完了する時点tb’(tbとtcの中間)までは第1制御シーケンスと共通であり、HbA1cの溶出が完了する時点tb’後は、第1制御シーケンスとは異なるシーケンスにより異なる溶出処理を実行する。第2制御シーケンスδは、HbA0の溶出が所定量(一例として80%程度)まで完了する時点tc’まで第1制御シーケンスと共通であり、tc’後は、第1制御シーケンスとは異なるシーケンスにより異なる溶出処理を実行する。なお、第2制御シーケンスを選択する機能以外の構成は、第1実施形態と同様である。
例えば、ユーザが、HbFは必ずデータ出力したい場合、その旨の入力をユーザがCPU100Aに対して行うことで、CPU100Aは、第1測定工程の実施中に付随成分を検出した場合、ta’まで第1制御シーケンスと共通する第2制御シーケンスβを選択して、当該第2制御シーケンスβに切り替える。同様に、例えば、ユーザが、HbA1cは必ずデータ出力したい場合、その旨の入力をユーザがCPU100Aに対して行うことで、CPU100Aは、第1測定工程の実行中に付随成分を検出した場合、第2制御シーケンスとしてtb’まで第1制御シーケンスと共通する第2制御シーケンスγを選択して、当該第2制御シーケンスγに切り替える。また、例えば、ユーザが、HbA0の途中までデータ出力し、その後は詳細に検討したい場合、その旨の入力をユーザがCPU100Aに対して行うことで、CPU100Aは、第1測定工程の実行中に付随成分を検出した場合、tc’まで第1制御シーケンスと共通する第2制御シーケンスδを選択して、当該第2制御シーケンスδに切り替える。
このように、本実施形態によれば、ユーザがデータ出力を希望する主要成分が所定量溶出される時点までのシーケンスを、第1制御シーケンスと第2制御シーケンスとで共通化することにより、付随成分の検出後に即、第2制御シーケンスに切り換えても、あたかも切替が行われなかったかのように、第2制御シーケンスへの切替後もスムーズに所望の主要成分を溶出でき、かつ、当該所望の主要成分溶出後は、第1制御シーケンスとは異なる第2制御シーケンスにより、付随成分の溶出を行うことができる。すなわち、本実施形態の上記制御シーケンスによれば、付随成分の検出と制御シーケンスの切替をリアルタイムで効率的に行うことができる。
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るHPLC装置Xは、希釈槽53とインジェクションバルブ63とを接続する配管83が、少なくとも2測定分以上の測定試料を保持することが可能な容量を有している。その他の構成は第1実施形態で説明したHPLC装置Xと同一であるので説明は省略する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図9には、本実施形態に係る制御部100のCPU100Aで実行される液体クロマトグラフィ測定処理のフローチャートを示した。なお、第1実施形態で説明した図5に示すフローチャートと異なる部分を中心に説明する。
ステップS110では、第1測定工程用の試料を導入する。まず、ラック10にセットされた採血管11から、血液試料13を採取し、希釈槽53内の液体と混合することによって試料が調製される。希釈槽53において調製された導入用試料は、2測定分が配管83に保持される。そして、配管83に保持された2測定分の試料のうち、1測定分の試料がインジェクションループ64に供給され、インジェクションループ64において保持される。
そして、インジェクションバルブ63を切り替えてインジェクションループ64に保持された試料を分析カラム60に導入させる。
ステップS112では、第1制御シーケンスに従って第1測定工程を実行する。
本実施形態では、第1制御シーケンスは、第1実施形態と異なり、溶離液B〜Dを順次分析カラム60に供給する。
具体的には、第1制御シーケンスでは、インジェクションバルブ63の切替操作を行った後、以下のシーケンスで各溶離液を分析カラム60に供給する。
溶離液B(t2秒)→溶離液C(t3秒)→溶離液D→(t4秒)
上記の順序で溶離液を分析カラム60に供給し、測光ユニット7の受光素子73A,74Aでの受光結果(吸光度)に基づいてクロマトグラムを演算し、演算したクロマトグラムに基づいてHbA1c及びHbA0の濃度を求める。求めた濃度は不揮発性メモリ100Dに記憶する。
ステップS112では、演算されたクロマトグラフの各時点におけるピークの吸光度から主要成分の濃度を求めると共に、想定された時点若しくは想定された時点以外の時点におけるピークの吸光度から付随成分の濃度を求める。求めた濃度は不揮発性メモリ100Dに記憶する。
ステップS116では、演算したクロマトグラムに基づいて、付随成分が検出されたか否かを判断する。本実施形態では、図10に示すように、第1測定工程を最後まで実行した場合には、tf秒の時点で付随成分(例えばHbE)を表すピークが出現する。このため、本実施形態では、tf秒の時点における吸光度が予め定めた閾値THe以上であるか否かを判断することにより、付随成分が検出されたか否かを判断することができる。
なお、ステップS116においても、ステップS14と同様に、付随成分が検出されたか否かを判断する際に用いるパラメータは吸光度に限られるものではなく、クロマトグラムのピークの面積、所定の時間までに溶出された全ヘモグロビン成分のピーク面積に対する所定のピーク面積の比率等のパラメータを用いてもよい。また、吸光度、ピークの面積、及び所定の時間までに溶出された全ヘモグロビン成分のピーク面積に対する所定のピーク面積の比率のうち複数のパラメータを適宜組み合わせて、所望の付随成分が検出されたか否かを判断するようにしてもよい。これにより、測定の状況に応じて最適の閾値を設定することができ、付随成分の検出精度を高めることができる。
換言すれば、本実施形態では、第1測定工程を分析カラム内の試料を全て溶出させるt4まで実行するため、第1測定工程終了までに付随成分が検出できればよい。
そして、付随成分が検出された場合は第1測定工程の終了後、ステップS117へ移行し、付随成分が検出されなかった場合は、第1測定工程の終了後、ステップS123へ移行する。
ステップ117では、第1測定工程の実行を終了する。
ステップS118では、第2測定工程用の試料を導入する。すなわち、配管83に保持されている第2測定工程用の試料をインジェクションループ64に保持させた後、分析カラム60に導入する。
ステップS120では、第1測定工程とは異なる複数の測定工程から1つの測定工程を第2測定工程として選択する。測定工程の選択は、検出された付随成分の種類などによって決定される。
ステップS122では、選択された第2測定工程を実行する。この第2測定工程は、第1実施形態で説明した図5のステップS20の処理と同様である。すなわち、本実施形態に係る第2制御シーケンスは、第1実施形態に係る第2制御シーケンスと同一である。
一方、ステップ123では、第1測定工程の実行を終了する。そして、ステップS124では、配管83に保持されていた第2の測定処理用の試料を廃棄する。すなわち、インジェクションループ64、分析カラム60、及び測光ユニット7を介して廃液槽88に廃液させる。
ステップS126では、図5のステップS24の処理と同様の処理を実行する。
このように、本実施形態では、2測定分の試料を配管83に保持しておき、第1測定工程中において、測定試料すべてが溶出される時点までに付随成分を検出したか否かを判断し、付随成分が検出された場合には、第1測定工程とは異なる測定工程を実行する。一方、付随成分が検出されなかった場合は、第1測定工程とは異なる測定工程用の試料を廃棄して次の試料の測定を実行するので、オペレータが測定モードを切り替える操作をしたり、新たな測定試料を用意する必要もなく、また分析カラム60や溶離液ボトルを交換したりする必要がなく、測定時間を短縮することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態には限定されず、種々に変更可である。例えば制御シーケンスは、前述した制御シーケンスに限られるものではない。また、例えば、血液中のヘモグロビン濃度を測定するためのHPLC装置に限らず、血液以外の検体を用いる場合、ヘモグロビン濃度以外の成分を測定する場合、あるいはHPLC装置以外の液体クロマトグラフィ装置についても適用することができる。
また、上記実施形態では、分析カラム60が一つの構成のHPLC装置Xについて説明したが、第1測定工程用及び第2測定工程用に各々分析カラムを設けた構成としてもよい。
例えば図11に示すように、第1測定工程用に分析カラム60A、第2測定工程用に分析カラム60Bを備えると共に、分析カラム60A及び分析カラム60Bを切り替えるための切替部65A、65Bを備えた構成とする。そして、CPU100Aは、第1測定工程を実行する場合は、配管85と分析カラム60Aが接続されるように切替部65Aを制御すると共に配管86と分析カラム60Aが接続されるように切替部65Bを制御し、第2測定工程を実行する場合は、配管85と分析カラム60Bが接続されるように切替部65Aを制御すると共に配管86と分析カラム60Bが接続されるように切替部65Bを制御する。このように、第1測定工程用及び第2測定工程用に各々分析カラムを設けた構成とすることにより、効率的に測定することができる。
X HPLC装置
4 脱気ユニット
5 試料調製ユニット
6 分析ユニット
7 測光ユニット
11 採血管
13 血液試料
60 分析カラム
100 制御部

Claims (17)

  1. 液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程を実行するための第1測定手段と、
    前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程を実行するための第2測定手段と、
    前記第1測定工程と前記第2測定工程とを切り替える切替手段と、
    を備え、
    前記切替手段は、
    前記第1測定手段によって、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、前記測定試料中に含まれる成分が全て溶出する前に、前記第2測定工程に切り替え、
    前記第1測定手段によって、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出されなかった場合、前記第1測定工程を継続する、
    液体クロマトグラフィ測定装置。
  2. 前記第2測定工程が複数パターン存在し、
    前記切替手段は、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、前記複数パターンから選択した前記第2測定工程に切り替える、
    請求項1記載の液体クロマトグラフィ測定装置。
  3. 前記主要成分は、HbA1c及びHbA0の少なくとも一方を含み、前記付随成分は、変異Hb及びサラセミア症スクリーニング指標となるHbの少なくとも1種である、
    請求項1又は請求項2記載の液体クロマトグラフィ測定装置。
  4. 前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行すると共に、前記第2測定工程に対応した第2制御シーケンスであって、前記第1制御シーケンスにおける所定時点より後のシーケンスが異なるシーケンスを含む第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記第1測定手段によって、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、少なくとも前記所定時点より後の期間においては、前記第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行する、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の液体クロマトグラフィ測定装置。
  5. 前記第2制御シーケンスは、前記第1制御シーケンスにおける前記所定時点以前のシーケンスと同一のシーケンスを含み、
    前記制御手段は、前記第1測定手段によって、前記付随成分が検出された場合、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから前記第2制御シーケンスに切り替えることにより、前記第1測定工程の前記所定時点までの期間においては、前記第1測定工程と同一の測定工程を進行させ、前記所定時点より後の期間においては、前記第1測定工程と異なる測定工程を進行させる、
    請求項4記載の液体クロマトグラフィ測定装置。
  6. 前記所定時点が、所定の主要成分の所定量の溶出が完了する時点である、
    請求項4又は請求項5記載の液体クロマトグラフィ測定装置。
  7. 液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程を実行するための第1測定手段と、
    前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程を実行するための第2測定手段と、
    前記第1測定工程と前記第2測定工程とを切り替える切替手段と、
    少なくとも2測定分以上の測定試料を保持する保持手段と、
    を備え、
    前記切替手段は、
    前記保持手段から1測定分の前記測定試料を導入して、前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行し、前記第1測定工程において前記付随成分が検出された場合、第1測定工程の終了後に、前記保持手段から1測定分の前記測定試料を新たに導入し、かつ、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから第2制御シーケンスに切り替え、前記第2測定工程に対応した前記第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行する、
    液体クロマトグラフィ測定装置。
  8. 前記第1測定手段及び前記第2測定手段が各々、溶離液を含み、前記第1測定工程及び前記第2測定工程が、前記溶離液の種類、前記溶離液の組合せ、及び前記溶離液の使用条件の少なくとも一つにおいて異なる、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の液体クロマトグラフィ測定装置。
  9. 前記第1測定手段及び前記第2測定手段が各々、カラムを含み、前記第1測定工程及び前記第2測定工程の各々において使用するカラムが異なる、
    請求項1〜8の何れか1項に記載の液体クロマトグラフィ測定装置。
  10. 液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程中に前記測定試料の付随成分が検出された場合、前記測定試料中に含まれる成分が全て溶出する前に、前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程に切り替え、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出されなかった場合、前記第1測定工程を継続する
    液体クロマトグラフィ測定方法。
  11. 前記第2測定工程が複数パターン存在し、
    前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、前記複数パターンから選択した前記第2測定工程に切り替える、
    請求項10記載の液体クロマトグラフィ測定方法。
  12. 前記主要成分は、HbA1c及びHbA0の少なくとも一方を含み、前記付随成分は、変異Hb及びサラセミア症スクリーニング指標となるHbの少なくとも1種である、
    請求項10又は請求項11記載の液体クロマトグラフィ測定方法。
  13. 前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行すると共に、前記第2測定工程に対応した第2制御シーケンスであって、前記第1制御シーケンスにおける所定時点より後のシーケンスが異なるシーケンスを含む第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行し、
    前記第1測定工程中に前記付随成分が検出された場合、少なくとも前記所定時点より後の期間においては、前記第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行する、
    請求項10〜12の何れか1項に記載の液体クロマトグラフィ測定方法。
  14. 前記所定時点は、前記測定試料中に含まれる成分の溶出が完了していない時点であり、
    前記第2制御シーケンスは、前記第1制御シーケンスにおける前記所定時点以前のシーケンスと同一のシーケンスを含み、
    前記付随成分が検出された場合、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから前記第2制御シーケンスに切り替えることにより、前記第1測定工程の前記所定時点までの期間においては、前記第1測定工程と同一の測定工程を進行させ、前記所定時点より後の期間においては、前記第1測定工程と異なる測定工程を進行させる、
    請求項13記載の液体クロマトグラフィ測定方法。
  15. 前記所定時点が、所定の主要成分の所定量の溶出が完了する時点である、
    請求項13又は請求項14記載の液体クロマトグラフィ測定方法。
  16. 液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程中に前記測定試料の付随成分が検出された場合、前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程に切り替え、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出されなかった場合、前記第1測定工程を継続する液体クロマトグラフィ測定方法であって、
    前記第1測定工程に対応した第1制御シーケンスに従って前記第1測定工程を実行すると共に、前記第2測定工程に対応した第2制御シーケンスに従って前記第2測定工程を実行し、
    少なくとも2測定分以上の測定試料を保持手段に保持し、
    前記保持手段から1測定分の前記測定試料を導入して前記第1測定工程を実行し、前記第1測定工程において前記付随成分が検出された場合、第1測定工程の終了後に、前記保持手段から1測定分の前記測定試料を新たに導入し、かつ、使用する制御シーケンスを前記第1制御シーケンスから前記第2制御シーケンスに切り替え、前記第2測定工程を実行する、
    液体クロマトグラフィ測定方法。
  17. コンピュータに、
    液体クロマトグラフィ法により測定試料の主要成分を測定すると共に、前記測定試料の付随成分を検出する第1測定工程中に前記測定試料の付随成分が検出された場合、前記測定試料中に含まれる成分が全て溶出する前に、前記付随成分を同定するための、前記第1測定工程と異なる第2測定工程に切り替え、前記第1測定工程中に前記付随成分が検出されなかった場合、前記第1測定工程を継続する
    処理を実行させるための液体クロマトグラフィ測定プログラム。
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