JP6433934B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
各実施形態の説明には、XYZ直交座標系を用いる。n−形半導体領域2からp形半導体領域3に向かう方向をZ方向(第1方向)とする。また、Z方向に対して垂直であり、相互に直交する2方向をX方向およびY方向とする。
以下の説明において、n+、n−及びp+、pの表記は、各導電形における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわち、「+」が付されている表記は、「+」および「−」のいずれも付されていない表記よりも不純物濃度が相対的に高く、「−」が付されている表記は、いずれも付されていない表記よりも不純物濃度が相対的に低いことを示す。
以下で説明する各実施形態について、各半導体領域のp形とn形を反転させて各実施形態を実施してもよい。
図1および図2を用いて、第1実施形態に係る半導体装置の一例について説明する。
図1は、第1実施形態に係る半導体装置100の平面図である。
図2は、図1のA−A’断面図である。
なお、図1では、空隙Vが破線で表されている。
図1および図2に表すように、半導体装置100は、n+形(第1導電形)カソード領域1(第1半導体領域)、n−形半導体領域2(第2半導体領域)、p形(第2導電形)半導体領域3(第3半導体領域)、p+形アノード領域4(第4半導体領域)、絶縁部10、絶縁部20、カソード電極30、およびアノード電極31を有する。
n+形カソード領域1は、カソード電極30の上に設けられ、カソード電極30と電気的に接続されている。
p形半導体領域3は、n−形半導体領域2の上に設けられている。
p+形アノード領域4は、p形半導体領域3の上に選択的に設けられている。
アノード電極31は、p+形アノード領域4の上に位置し、p+形アノード領域4と電気的に接続されている。アノード電極31とp形半導体領域3との間には、絶縁部20が設けられている。
図3は、図2の絶縁部10近傍を拡大した部分拡大断面図である。
第2絶縁領域11bは、13族元素および15族元素からなる第1群より選択される少なくとも1つの第1元素を含む。例えば、第2絶縁領域11bは、ボロンおよびリンの少なくともいずれかを含む。
これに対して、第1絶縁領域11aは、この第1元素を含んでいない。あるいは、第1絶縁領域11aが第1元素を含んでいた場合であっても、第1絶縁領域11aにおける第1元素の濃度は、第2絶縁領域11bにおける第1元素の濃度よりも低い。
空隙Vは、Z方向において、第1絶縁領域11aと第2絶縁領域11bとの間に位置している。
第3絶縁領域12cは、第2方向において、第1絶縁部分11同士の間に位置する。第4絶縁領域12dは、Z方向において、n+形カソード領域1と第1絶縁部分11との間に位置する。すなわち、第3絶縁領域12cは第1絶縁部分11の側方に位置し、第4絶縁領域12dは第1絶縁部分11の下方に位置している。
n+形半導体領域1、n−形半導体領域2、p形半導体領域3、p+形アノード領域4は、シリコン、炭化シリコン、窒化ガリウム、またはガリウムヒ素を含む。
半導体材料に添加されるn形不純物としては、ヒ素、リン、またはアンチモンを用いることができる。p形不純物としては、ボロンを用いることができる。
絶縁部10に含まれる第1絶縁材料としては、酸化シリコンを用いることができる。
カソード電極30およびアノード電極31は、アルミニウムなどの金属材料を含む。
図4、図6〜図12は、第1実施形態に係る半導体装置100の製造工程を表す工程断面図である。
図5は、第1実施形態に係る半導体装置100の製造工程を表す工程平面図である。
図4は、図5のA−A’断面図に相当する。また、図6〜図12は、図5のA−A’線が付された位置における製造工程を表している。
なお、第2開口OP2の幅は、第1開口OP1の幅と等しくても良いし、異なっていてもよい。
続いて、p+形アノード領域4の上に金属層を形成し、この金属層をパターニングすることで、図11に表すように、アノード電極31が形成される。
本実施形態に係る半導体装置では、n−形半導体領域2およびp形半導体領域3の周りに、これらの半導体領域に接する絶縁部10が設けられるとともに、絶縁部10が複数の空隙Vを有する。
n−形半導体領域2およびp形半導体領域3の周りに、これらの半導体領域に接する絶縁部10を設けた場合、pn接合面はX−Y面に沿って広がり、絶縁部10で途切れる。このため、n−形半導体領域2とp形半導体領域3との間のpn接合面が屈曲することによる電界集中を抑制することができる。
さらに、絶縁部10が、n−形半導体領域2を囲む複数の空隙Vを有することで、絶縁部10において、pn接合面の端部近傍における等電位線の屈曲を緩和させることができる。このため、pn接合面の端部における電界集中をより一層抑制し、半導体装置の耐圧を向上させることが可能となる。
絶縁部10の外側に外部電荷が存在すると、半導体装置の耐圧が変動する場合がある。外部電荷による耐圧の変動を十分に抑制するためには、絶縁部10の、第2方向における厚みが、厚いことが望まれる。このような絶縁部10を形成する方法として、幅の広い環状の開口を形成し、この開口の内部に絶縁層を埋め込むことで、絶縁部10を形成することが考えられる。しかし、幅の広い開口の内部に絶縁層を埋め込むことは困難であり、また、埋め込みが完了するまでに長い処理時間を要する。
絶縁部10は、図13に表す構造を有していてもよい。
図13は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置110の一部を拡大した部分拡大断面図である。
当該一部の第1絶縁部分11と、当該他の一部の第1絶縁部分11と、が第2方向において交互に設けられている。
または、絶縁部10は、図14に表す構造を有していてもよい。
図14は、第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置120の一部を拡大した部分拡大断面図である。
まず、図4〜図6に表す工程を行った後、絶縁層IL4の一部のみ、または絶縁層IL3の一部および絶縁層IL4のみが除去されるように研磨する。その後、図7〜図9に表す工程を行い、絶縁層IL5〜IL7を形成する。
このような方法によれば、絶縁層IL7を形成する際の絶縁層IL6の上面の位置が、絶縁層IL4を形成する際の絶縁層IL1の上面の位置よりも高くなる。この結果、絶縁層IL7で第2開口OP2を覆った際に形成される空隙の上端の位置が、先に形成された空隙の上端の位置よりも高くなる。
また、絶縁部10の構造を、第1変形例および第2変形例を組み合わせた構造とすることも可能である。
図15を用いて、第2実施形態に係る半導体装置200について説明する。
図15は、第2実施形態に係る半導体装置200の一部を拡大した部分拡大断面図である。
第3絶縁部分13は窒化物を含むため、酸化物を含む第1絶縁部分11および第2絶縁部分12に比べて、パッシベーション性が高い。
あるいは、絶縁部10は、図9に表す工程において、絶縁層IL5を形成した後、絶縁層IL6を形成する前に、窒化物を含む絶縁層を形成することで作製される。もしくは、絶縁層IL6を形成した後、絶縁層IL7を形成する前に、窒化物を含む絶縁層を形成してもよい。
または、図6に表す工程と図9に表す工程の両方において窒化物を含む絶縁層を形成してもよい。
図16および図17を用いて第3実施形態に係る半導体装置300について説明する。
図16は、第3実施形態に係る半導体装置300の平面図である。
図17は、図16のA−A’断面図である。
まず、n−形半導体層2aの一部およびp形半導体領域3の一部周りに、周方向に並べられた複数の第1開口OP1を形成する。続いて、図6に表す工程と同様に、第1開口OP1の内部に絶縁部を形成する。続いて、この絶縁部同士の間に第2開口OP2を形成する。第2開口OP2も同様に、n−形半導体層2aの一部およびp形半導体領域3の一部周りに、周方向に並べられる。続いて、図8および図9と同様に、第2開口OP2の内部に絶縁部を形成する。その後は、図10〜図12と同様に、他の構成要素を形成することで、半導体装置300が得られる。
また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1開口OP1および第2開口OP2のそれぞれの第2方向における長さを長くすることで、絶縁部10の第2方向における厚みを厚くすることができる。このため、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1実施形態と同様に、開口内部への絶縁部の形成を容易とするとともに、絶縁部10の第2方向における厚みを容易に厚くすることが可能となる。
図18を用いて第4実施形態に係る半導体装置400について説明する。
図18は、第4実施形態に係る半導体装置400の断面図である。
半導体装置400では、n+形半導体領域1はドレイン領域として機能し、p形半導体領域3はベース領域として機能する。また、電極30は、ドレイン電極として機能し、電極31は、ソース電極として機能する。
図18に表すように、半導体装置400は、n+形ドレイン領域1(第1半導体領域)、n−形半導体領域2(第2半導体領域)、p形ベース領域3(第3半導体領域)、n+形ソース領域5(第5半導体領域)、ゲート電極6、ゲート絶縁層7、絶縁部10、ドレイン電極30、およびソース電極31を有する。
ゲート電極6と、n−形半導体領域2、p形ベース領域3、およびn+形ソース領域5のそれぞれと、の間には、ゲート絶縁層7が設けられている。
ソース電極31は、p形ベース領域3およびn+形ソース領域5と電気的に接続されている。
ソース電極31とゲート電極6との間には、ゲート絶縁層7が設けられ、これらの電極は電気的に分離されている。
図19および図20を用いて第5実施形態に係る半導体装置500について説明する。
図19は、第5実施形態に係る半導体装置500の平面図である。
図20は、図19のA−A’断面図である。
なお、図19では、絶縁層20、アノード電極31、および導電層32が省略されている。
加えて、半導体装置500は、導電層32をさらに有していてもよい。
空隙V1と空隙V2は、環状に設けられ、それぞれがn−形半導体領域2の一部およびp形半導体領域3を囲んでいる。空隙V1と空隙V2とは、Z方向に対して垂直な第2方向(半導体装置500の中心から外周に向かう方向)において、交互に設けられている。また、空隙V2の幅(第2方向における寸法)は、空隙V1の幅よりも広い。
また、絶縁部10は、n−形半導体領域2の一部およびp形半導体領域3に加え、さらにn+形半導体領域1の一部を囲んでいてもよい。
導電層32は、絶縁層20およびアノード電極31の周りに設けられ、アノード電極31と、絶縁部10の周りのn−形半導体領域2と、を接続している。
導電層32は、例えば、高抵抗の窒化シリコンや多結晶シリコンなどの半絶縁材料を含む。導電層32における電気抵抗率は、n−形半導体領域2における電気抵抗率よりも高く、絶縁層20における電気抵抗率よりも低い。導電層32における電気抵抗率は、例えば、1×107Ωcm以上1×1012Ωcm以下である。
図21、図22、および図24は、第5実施形態に係る半導体装置500の製造工程を表す工程断面図である。
図23は、第5実施形態に係る半導体装置500の製造工程を表す工程平面図である。
なお、図23では、絶縁層IL1およびIL3が省略され、絶縁層IL2の外縁が破線で表されている。
なお、図22は、絶縁層IL3によって開口OP1が埋め込まれた場合の様子を表している。
一例として、開口OP2は、X−Y平面における短辺が3μm以下の矩形状に形成される。なお、複数の開口OP2の配列は、図23に表す例に限られない。例えば、絶縁層IL2同士の間の領域において、開口OP2が、第2方向に複数形成されていてもよい。
その後、図10〜図12に表す工程と同様に、p+形アノード領域4、アノード電極31、およびカソード電極30を順次形成し、n+形半導体層1aをダイシングすることで、図19および図20に表される半導体装置500が得られる。
このとき、n−形半導体領域2とp形半導体領域3のpn接合面の周りの電位は、導電層32における電位分布に応じて分布する。このため、導電層32を設けることで、pn接合面の端部における電界集中をさらに抑制することが可能となる。
なお、n−形半導体領域2の外縁の破砕層などを通してp形半導体領域がカソード電位と略等しくなるのであれば、n−形半導体領域2の上にp形半導体領域が設けられ、当該p形半導体領域とアノード電極31とが導電層32によって接続されていてもよい。
このような方法によれば、開口OP4を絶縁層IL4によって容易に塞ぐことができ、幅の広い空隙V2を容易に形成することが可能となる。
この点について、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、開口OP4を周方向に離間させて形成しているため、開口OP5を形成した際の絶縁層IL2の倒壊を抑制することが可能である。
図25は、第5実施形態の第1変形例に係る半導体装置510の平面図である。
図26は、図25のA−A’断面図である。
なお、図25では、絶縁層20、アノード電極31、および導電層32が省略されている。
図25および図26に表すように、空隙V1は、n−形半導体領域2の一部およびp形半導体領域3の周りに環状に形成されている。また、複数の空隙V2が、空隙V1に囲まれて形成されている。複数の空隙V2は、n−形半導体領域2の一部およびp形半導体領域3の周りに、周方向に並んでいる。
図27および図28は、第5実施形態の第1変形例に係る半導体装置510の製造工程を表す工程平面図である。
なお、図27では、絶縁層IL1が省略されている。
また、図28では、絶縁層IL1およびIL3が省略され、絶縁層IL2の外縁が破線で表されている。
その後、図10〜図12に表す工程と同様に、p+形アノード領域4、アノード電極31、およびカソード電極30を順次形成し、n+形半導体層1aをダイシングすることで、図25および図26に表される半導体装置510が得られる。
図29は、第5実施形態の第2変形例に係る半導体装置520の断面図である。
半導体装置520は、絶縁層16を有する点で、半導体装置500と異なる。
絶縁層16を設けることで、外部キャリヤによる半導体装置の耐圧の変動をより一層抑制することが可能となる。
本実施形態に係る半導体装置がMOSFETである場合、半導体装置500に対して、例えば、半導体装置400と同様に、p+形アノード領域4が省略され、n+形ソース領域5、ゲート電極6、およびゲート絶縁層7が設けられる。
また、各半導体領域における不純物濃度については、例えば、SIMS(二次イオン質量分析法)により測定することが可能である。
あるいは、絶縁部10の断面をエッチングすることでも確認できる。例えば、希フッ酸やバッファードフッ酸に対しては、第1絶縁部分11に対するエッチングレートが第2絶縁部分12に対するエッチングレートよりも大きい。このため、これらの薬液を用いて絶縁部10の断面をエッチングした場合、第2絶縁部分12の位置が第1絶縁部分11の位置よりも高くなり、絶縁部10における第1絶縁部分11および第2絶縁部分12の有無および互いの位置関係を確認することができる。
Claims (8)
- 第1導電形の第1半導体層に、それぞれが前記第1半導体層の一部を囲む複数の環状の第1開口を、互いに離間させて形成する工程と、
前記第1開口の内部に第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層同士の間に位置する前記第1半導体層の他の一部を除去することで、それぞれが前記第1半導体層の前記一部を囲む複数の環状の第2開口を、互いに離間させて形成する工程と、
前記第2開口の内部に第2絶縁層を形成する工程と、
を備えた半導体装置の製造方法。 - 前記第1絶縁層を形成する工程において、前記第1絶縁層を前記第1開口の内壁に沿って形成し、
前記第2絶縁層を形成する工程において、前記第2絶縁層を前記第2開口の内壁に沿って形成し、
前記第2開口を形成する前に、前記第1絶縁層の上に第3絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層の上に第4絶縁層を形成する工程と、
をさらに備えた請求項1記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第3絶縁層を形成する工程において、前記第1開口を覆う前記第3絶縁層を形成することで、前記第1絶縁層と前記第3絶縁層との間に空隙を形成する請求項2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第4絶縁層を形成する工程において、前記第2開口を覆う前記第4絶縁層を形成することで、前記第2絶縁層と前記第4絶縁層との間に空隙を形成する請求項3記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1半導体層の前記一部の表面に第2導電形の第3半導体領域を形成する工程と、
前記第3半導体領域の上に、前記第3半導体領域における第2導電形の不純物濃度よりも高い第2導電形の不純物濃度を有する、第2導電形の第4半導体領域を形成する工程と、
前記第4半導体領域の上に、前記第4半導体領域と電気的に接続された電極を形成する工程と、
をさらに備えた請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 第1導電形の第1半導体層に、それぞれが前記第1半導体層の一部を囲む複数の環状の第1開口を、互いに離間させて形成する工程と、
前記第1開口の内部に第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層の上に第2絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層同士の間に位置する前記第1半導体層の他の一部が露出するように、前記第2絶縁層に第2開口を形成する工程と、
前記第1半導体層の前記他の一部を除去することで、前記第1半導体層の前記一部を囲む環状の第3開口を形成する工程と、
前記第3開口を覆う第3絶縁層を形成し、空隙を形成する工程と、
を備えた半導体装置の製造方法。 - 前記第2絶縁層を形成する工程において、前記第2絶縁層によって前記第1開口を塞ぐことで、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に空隙を形成する請求項6記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2開口を形成する工程において、前記第2開口は、前記第1半導体層の前記一部の周りに、周方向に並べて複数形成される請求項6または7に記載の半導体装置の製造方法。
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