JP6432485B2 - 電力制御装置の車載構造 - Google Patents

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本発明は、走行用モータに電力を供給する電力制御装置の車載構造に関する。
特許文献1に、走行用モータに電力を供給する電力制御装置が走行用モータを収容するハウジングの上方に支持されている車載構造が開示されている。ハウジングの上面は、その前方が後方よりも低くなっている。電力制御装置は、その前後をフロントブラケットとリアブラケットによって、ハウジングの上面との間に隙間を有して支持されている。フロントブラケットの上部は、電力制御装置の前面に連結されている。フロントブラケットの下部は、ハウジングに連結されている。
特開2013−233836号公報
特許文献1の技術において、車両が前方衝突した際、電力制御装置には前方から衝突荷重が加わる。先に述べたように、電力制御装置は、上面前方が上面後方よりも低いハウジング上面との間に隙間を有して支持されている。それゆえ、衝突荷重によって電力制御装置はモータハウジングの上面に向かって押し込まれる。このとき、フロントブラケットの上部は、フロントブラケットとハウジングとの連結部を軸として回転する(変形する)。フロントブラケットの変形により電力制御装置が受ける衝突の衝撃は緩和されるが、衝突荷重が大きいとフロントブラケットと電力制御装置の連結箇所が破断し、電力制御装置がハウジングに強くぶつかる虞がある。なお、衝突荷重とは、車両が障害物等と衝突した際に車両の各所に加わる荷重のことである。本明細書は、電力制御装置の車載構造に関し、車両が衝突したときに電力制御装置が受ける衝突の衝撃をフロントブラケットが効果的に緩和する技術を提供する。
本明細書が開示する車載構造においては、走行用モータに電力を供給する電力制御装置は、走行用モータを収容するハウジングの上方に支持されている。ハウジングは、車両の前部空間に配置されている。また、ハウジングの上面はその前方が後方よりも低くなっている。電力制御装置は、その前後をフロントブラケットとリアブラケットによって上面との間に隙間を有して支持されている。フロントブラケットの上部は電力制御装置の前面に連結されている。フロントブラケットの下部はハウジングに連結されている。そして、電力制御装置の前面には、フロントブラケットの上端との間に間隙を隔てて対向するストッパがフロントブラケットの上方に設けられている。ストッパのフロントブラケットの上端に対向する下面が、車両側面視において凹面状に湾曲している。電力制御装置の前面に加わる衝突荷重によって、フロントブラケットの上部が、フロントブラケットとハウジングとの連結部分を軸として回転したとき、ストッパの湾曲している下面が、フロントブラケットの上端に当接する。衝突荷重によって電力制御装置がハウジングの上面に向けて押し込まれる際、フロントブラケットの上端がストッパの下面と当接する。この当接により、電力制御装置が受ける衝突荷重の一部がストッパを介してフロントブラケットの上端に伝わる。即ち、フロントブラケットの上端が衝突荷重の一部を支える。フロントブラケットと電力制御装置の連結部が外れ難くなり、フロントブラケットの上端に加わる衝突荷重に応じてフロントブラケットがさらに変形することで衝突の衝撃が緩和される。さらに、ストッパ下面が凹面状に湾曲していることによって、衝突荷重によって回転するフロントブラケットの上部がストッパ下面から外れ難くなる。これによって、フロントブラケットが衝突荷重の一部を受ける期間を長く確保することができる。その結果、フロントブラケットが衝突の衝撃を効果的に緩和する。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
フロントコンパートメント内の部品レイアウトの一例を示す斜視図である。 トランスアクスルハウジングとインバータの側面図である。 ブラケット変形後のトランスアクスルハウジングとインバータの位置関係を示す側面図である。 インバータに加わる荷重を説明する図である。 インバータに加わる荷重を説明する図である(ブラケット変形後)。 インバータに加わる荷重を説明する図である(ブラケットのさらなる変形後)。
図面を参照して実施例の車載構造を説明する。実施例の車載構造2は、走行用にモータ3とエンジン98の双方を備えたハイブリッド車100に適用されている。実施例の車載構造2は、モータ3に電力を供給するインバータ20を、トランスアクスルハウジング30の上方に支持する構造である。以下では、「トランスアクスルハウジング30」を略して「TAハウジング30」と表す。
図1に、ハイブリッド車100のフロントコンパートメント90におけるデバイスの配置を示す。なお、図中の座標系は、F軸が車両前方を示しており、V軸が車両上方を示しており、H軸は車幅方向(車両の側方)を示している。座標系の記号の意味は、以降の図でも同じである。
フロントコンパートメント90には、エンジン98、インバータ20、TAハウジング30などが配置されている。フロントコンパートメント90には他にも様々なデバイスが配置されているが、それらの図示は省略する。図1ではTAハウジング30やエンジン98などは模式化して描かれていることに留意されたい。
モータ3は、TAハウジング30に収容されている。TAハウジング30は、別言すれば、モータ3といくつかのギアセットを収容するギアボックスである。TAハウジング30は、例えば、アルミニウムのダイキャスト、あるいは、削り出しで作られる。TAハウジング30には、さらに、エンジン98の出力トルクとモータ3の出力トルクを合成/分配する動力分配機構6が収容されている。デファレンシャルギア4もTAハウジング30に収容されている。動力分配機構6は、状況に応じて、エンジン98の出力トルクを分割してデファレンシャルギア4とモータ3へ伝達する。この場合、ハイブリッド車100は、エンジントルクで走行しながらモータ3によって発電する。ハイブリッド車100は、また、制動時の車両の減速エネルギを使ってモータ3により発電する。発電で得た電力でバッテリを充電する。
エンジン98とTAハウジング30は、車幅方向で隣り合うように連結されている。エンジン98とTAハウジング30は、車両の構造強度を担保するサイドメンバ96に懸架されている。図1では1本のサイドメンバ96のみが描かれているが、図1においてエンジン98の左下にも別のサイドメンバが伸びている。エンジン98とTAハウジング30は、2本のサイドメンバの間に懸架されている。
インバータ20は、電力をモータ3へ供給する。より詳しくは、インバータ20は、不図示の高電圧バッテリの電力を昇圧した後、交流に変換してモータ3へ供給する。インバータ20は、また、モータ3が発電した交流電力を直流電力に変換し、さらに降圧する。降圧された電力によって高電圧バッテリが充電される。詳しくは後述するが、インバータ20は、TAハウジング30の上面との間に隙間を有して支持されている。
インバータ20は、その前側がフロントブラケット10によって支持されており、後側がリアブラケット40によって支持されている。インバータ20のフロントブラケット10の上方には、ストッパ5が設けられている。
図1とともに図2を参照してTAハウジング30とインバータ20の関係を詳しく説明する。図2は、車載構造2の全体図である。また、図2は、TAハウジング30とインバータ20の側面図を示している。「側面」とは、車幅方向(図中のH軸方向)から見たときの図に相当する。
インバータ20とTAハウジング30は、6本のパワーケーブル21で繋がっている。パワーケーブル21は、インバータ20からモータ3へ電力を送るためのワイヤハーネスである。説明を省略したが、TAハウジング30には2個の3相交流モータが収容されており、6本のパワーケーブル21は2組の3相交流を伝送する。符号31は、TAハウジング30に設けられているパワーケーブル端子を示している。
先に述べたように、TAハウジング30には、モータ3と動力分配機構6とデファレンシャルギア4が収容されている。TAハウジング30の内部では、モータ3の出力軸3aと動力分配機構6の主軸6aとデファレンシャルギア4の主軸4aが平行に並んでいる。それら3本の軸は車幅方向に伸びている。図2に示すように、3本の軸は、車幅方向からみて三角形をなすように配置されている。3本の軸の配置のため、TAハウジング30の上面30aは、前下がりに傾斜している。別言すれば、TAハウジング30の上面30aは、その前方が後方よりも低くなっている。それゆえ、上面30aの上方に支持されるインバータ20も、前下がりに傾斜して配置される。なお、「インバータ20が前下がりである」とは、インバータ20の前端の地上高さが後端の地上高さよりも低いことを意味する。
インバータ20は、フロントブラケット10とリアブラケット40によりTAハウジング30の上方に支持されている。フロントブラケット10は、インバータ20の前方に配置され、リアブラケット40はインバータ20の後方に配置される。インバータ20とTAハウジング30の間には、隙間G1が確保されている。この隙間G1は、フロントブラケット10とリアブラケット40によって確保される。
インバータ20とフロントブラケット10の間には防振ブッシュ12が配置されており、インバータ20とリアブラケット40の間には防振ブッシュ42が配置されている。モータ3と動力分配機構6とデファレンシャルギア4は走行中に激しく振動する。防振ブッシュ12、42は、モータ3などの振動からインバータ20を保護するために取り付けられている。また、インバータ20がフロントブラケット10とリアブラケット40によってTAハウジング30の上方に隙間G1を有して支持されていることも、インバータ20をモータ3などの振動から隔離するためである。
フロントブラケット10の下部がボルト52によってTAハウジング30の上面30aに固定され、フロントブラケット10の上部がボルト51によってインバータ20の前面20aに連結される。フロントブラケット10の上部とインバータ20の前面20aとの間には防振ブッシュ12が挟まれている。図2では示されていないが、フロントブラケット10は、車幅方向に並んだ2個のボルト52によってTAハウジング30に固定される。また、フロントブラケット10は、車幅方向に並んだ2個のボルト51によってインバータ20に連結される。フロントブラケット10は、金属板(鋼板)のプレス加工で作られている。なお、図2は、フロントブラケット10の形状を簡略化して示している。フロントブラケット10の上端は、車両側面(図中のH軸方向)から見て凸面状に湾曲している。
詳しい説明は省略するが、リアブラケット40もフロントブラケット10と同様の構造を有している。リアブラケット40の下部がボルト54によってTAハウジング30の上面30aに固定されており、リアブラケット40の上部がボルト53によってインバータ20の後面に固定されている。リアブラケット40の上部とインバータ20の後面との間には防振ブッシュ42が挟まれている。
インバータ20の前面20aには、ストッパ5が設けられている。ストッパ5は、フロントブラケット10の上方に設けられている。ストッパ5は、その下面5aが、フロントブラケット10の上端に対向するように配置されている。下面5aは、車両側面(図中のH軸方向)から見て凹面状に湾曲している。図2に示すように、ストッパ5は、ストッパ5とフロントブラケット10の上端との間の距離Haが、インバータ20の下面20bとTAハウジング30の上面30aとの間の距離Hbよりも短くなるように配置されている。なお、距離Haは、車両が衝突してフロントブラケット10が変形する前の長さを示す。ストッパ5は、車両が前方衝突(あるいは前方斜め衝突)した際に、インバータ20がTAハウジング30とぶつかるときの衝撃を緩和するために設けられている。
図2と図3を参照してストッパ5の機能を説明する。図2において、符号Wが示す矢印が、衝突荷重を示している。衝突荷重Wは、前方衝突を想定した場合の荷重であり、インバータ20の前端に加わる。図3は、インバータ20が衝突荷重Wを受けたときのフロントブラケット10とリアブラケット40の変形を示している。フロントブラケット10とインバータ20はボルト51で連結されており、フロントブラケット10とインバータ20の間には防振ブッシュ12が挟まれている。防振ブッシュ12は振動を吸収する弾性体で作られており、変形し易い。インバータ20が前方から衝突荷重Wを受けると、フロントブラケット10の上部が後方に倒れるように変形する。別言すると、インバータ20が前方から衝突荷重Wを受けると、フロントブラケット10の上部は、TAハウジング30との連結部分を軸として後方に回転する。フロントブラケット10が後方に回転するとともに、フロントブラケット10を固定しているボルト51と防振ブッシュ12が変形し、フロントブラケット10がストッパ5に近づく。先に述べたように、ストッパ5とフロントブラケット10の上端との間の距離Haは、インバータ20の下面20bとTAハウジング30の上面30aとの間の距離Hbよりも短い。それゆえ、衝突荷重Wによってフロントブラケット10が後方に倒れる際、インバータ20の下面20bがTAハウジング30の上面30aとぶつかるのに先立ってストッパ5の下面5aがフロントブラケット10の上端と当接する。この当接により、インバータ20が受ける衝突荷重の一部がストッパ5を介してフロントブラケット10の上端に伝わる。即ち、フロントブラケット10の上端が衝突荷重の一部を支える。これにより、インバータ20の下面20bがTAハウジング30の上面30aとぶつかるときの衝撃を緩和する。図3の符号P1は、ストッパ5とフロントブラケット10の上端との当接箇所である。上述したように、車両側面(図中のH軸方向)から見て、フロントブラケット10の上端は凸面状に湾曲し、ストッパ5の下面5aは凹面状に湾曲している。そのため、ストッパ5とフロントブラケット10の上端とは面で当接している。図3に示すように、ストッパ5とフロントブラケット10が接触したときには、まだ、インバータ20の下面20bとTAハウジング30の上面30aとの間に隙間G2が確保されている。
衝突荷重Wが大きいと、フロントブラケット10がストッパ5との衝突荷重に耐えられずにフロントブラケット10の上端が潰れてしまう場合がある。フロントブラケット10の上端が潰れると、インバータ20が更に下がってTAハウジング30と衝突することも考えられる。その場合でも、ストッパ5とフロントブラケット10との衝突が衝突荷重Wの一部を吸収するので、TAハウジング30の上面30aと衝突するときにインバータ20が受ける衝撃は緩和される。
図4と図5を参照して、前方衝突時にインバータ20が受ける衝突荷重の理論的解析を説明する。図4と図5では、フロントブラケット10の形状を簡略化して表すとともに、部品と部品(例えばフロントブラケット10とインバータ20)は一点で連結されているものとして扱う。
図4と図5は、インバータ20とフロントブラケット10とリアブラケット40を簡略化して描いた側面図である。図4は、フロントブラケット10が変形する前の各部品の位置関係を示しており、図5はフロントブラケット10が変形したときの各部品の位置関係を示している。インバータ20は、フロントブラケット10とリアブラケット40によって、TAハウジング30の上面30aとの間に隙間Gを隔てて支持されている。図4と図5に示した符号の意味は次の通りである。直線A1は、水平方向を示しており、直線A2はTAハウジング30の上面30aと平行な直線である。直線A1と直線A2の間の角度T1が、TAハウジング30の上面30aが水平方向となす角度を示している。
符号Wは先に述べたように衝突荷重を示しており、符号WLは、衝突荷重Wの上面30aに沿った方向の分力(平行分力荷重WL)を示しており、符号WHは、上面30aに垂直な方向の分力(垂直分力荷重WH)を示している。ポイントP2は、インバータ20の最前位置であり、衝突荷重Wが加わる位置(荷重点)である。ポイントP3は、フロントブラケット10とインバータ20との連結点である。ポイントP4は、フロントブラケット10とTAハウジング30との連結点である。ポイントP5は、リアブラケット40とインバータ20との連結点である。ポイントP6は、リアブラケット40とTAハウジング30との連結点である。
符号L1は、ポイントP2(荷重点)とポイントP5(リアブラケット40とインバータ20との連結点)の間の距離を示している。符号L2は、ポイントP2(荷重点)とポイントP3(フロントブラケット10とインバータ20との連結点)の間の距離を示している。符号L3は、ポイントP4(フロントブラケット10とTAハウジング30との連結点)とポイントP3(フロントブラケット10とインバータ20との連結点)の間の距離を示している。符号L4は、ポイントP5(リアブラケット40とインバータ20との連結点)とポイントP6(リアブラケット40とTAハウジング30との連結点)の間の距離を示している。符号H1は、ポイントP3とポイントP2(荷重点)との間の距離を示している。
太線矢印Raは、ポイントP3における、垂直分力荷重WHに対するフロントブラケット10の抗力を示している。符号Maは、フロントブラケット10に生じる曲げモーメントを示している。符号Mbは、リアブラケット40に生じる曲げモーメントを示している。
フロントブラケット10の抗力Raは、両端支持梁における力のつり合い方程式より、Ra=(L1/(L1+L2))・WHの式で求められる。ここで、L2がほぼゼロであることを考慮すると、Ra=WHとなる。即ち、垂直分力荷重WHが、そのまま、ポイントP3(フロントブラケット10とインバータ20との連結点)に集中する。平行分力荷重WLに起因してフロントブラケット10とリアブラケット40に生じる曲げモーメントは、WL・H1/2となる。フロントブラケット10には、垂直分力荷重WHに起因する曲げモーメント=WH・L3も加わる。以上から、Ma=WL・H1/2+WH・(L2+L3)>Mb=WL・H1/2−WH・(L1+L4)となる。なお、ここで、L2は、実際にはほぼゼロであり、無視することができる。また、フロントブラケット10とインバータ20との連結点(ポイントP3)のみが、垂直分力荷重WHを引き受ける。衝突荷重Wを受けると、リアブラケット40に生じる曲げモーメントMbよりも、フロントブラケット10に生じる曲げモーメントMaが大きくなる。従って、衝突荷重Wを受けると、各部品は、以下のように運動する。フロントブラケット10の上部は、フロントブラケット10とTAハウジング30との連結部分(より詳細にはフロントブラケット10の屈曲部分)を軸として後方へ回転する(変形する)。リアブラケット40の上部は、リアブラケット40とTAハウジング30との連結部分(より正確にはリアブラケット40の屈曲部分)を軸として後方へ回転する(変形する)。ただし、曲げモーメントMaが曲げモーメントMbよりも大きいので、フロントブラケット10の上部の回転角は、リアブラケット40の回転角よりも大きくなる。一方、インバータ20は、後方に移動しつつ、前部がTAハウジング30の上面30aに向けて押し込まれる。
図4、図5に示されているように、フロントブラケット10とインバータ20の連結点(ポイントP3)には、弾性体である防振ブッシュ12が位置している。そのため、ポイントP3が垂直分力荷重WHを受けると、防振ブッシュ12が変形し、ストッパ5がフロントブラケット10へ近づき、最終的にストッパ5とフロントブラケット10が当接する。符号P1が、ストッパ5とフロントブラケット10との接触箇所を示している。ストッパ5とフロントブラケット10が当接することで、ポイントP1に、垂直分力荷重WHに対する抗力Rcが生じる。その分、ポイントP3に加わっていた抗力Raが小さくなる。先に、垂直分力荷重WHに起因する曲げモーメントは、「WH・L3」であると述べた。垂直分力荷重WHに抗する箇所が、ポイントP3(フロントブラケット10とインバータ20との連結点)とポイントP1(フロントブラケット10とストッパ5との接触点)に分散する。ポイントP1は、ポイントP3よりもポイントP4(フロントブラケット10とTA30との連結点)に近い。このことは、垂直分力荷重WHに起因する曲げモーメントの腕がL3よりも小さくなることを意味する。即ち、フロントブラケット10とストッパ5が当接することにより、フロントブラケット10に生じる曲げモーメントMaが小さくなる。その結果、インバータ20の前側を下げる力が減少する。即ち、ストッパ5がフロントブラケット10と当接することによって、インバータ20の下面20bがTAハウジング30の上面30aとぶつかるときの衝撃が緩和される。
ストッパ5がフロントブラケット10と接触することで、垂直分力荷重WHに抗する箇所が、ポイントP3(フロントブラケット10とインバータ20との連結点)とポイントP1(フロントブラケット10とストッパ5との接触点)に分散する。このことは、防振ブッシュ12に加わる力(即ち、抗力Ra)が小さくなることを意味する。防振ブッシュ12に加わる力が小さくなるので、防振ブッシュ12が破断する可能性が小さくなる。
さらに、上記の考察より、次のことも言える。インバータ20の前部を下方に下げる力は、フロントブラケット10とインバータ20との連結点(ポイントP3)に作用する垂直分力荷重WHである。垂直分力荷重WHが生じるのは、インバータ20が、傾斜面(TAハウジング30の上面30a)の上方に支持されていることに起因する。即ち、ストッパ5が効果を奏するのは、インバータ20が車両のフロントコンパートメント90において前下がりの傾斜面(TAハウジング30の上面30a)の上方に支持されているという状況においてである。
図6には、図5のフロントブラケット10がさらに変形したときの各部品の位置関係を示している。図6では、衝突荷重Wによって、フロントブラケット10の上部とリアブラケット40の上部とがさらに後方へ回転している。一方、インバータ20は、さらに後方に移動しており、前部がTAハウジング30の上面30aに向けてさらに押し込まれている。図6では、フロントブラケット10の上部の回転により、ストッパ5に対するフロントブラケット10の角度も変化している。具体的には、図5では、フロントブラケット10が延びる方向と、ストッパ5の下面5aと、がなす角度は比較的大きい(直角に近い)。一方、図6では、フロントブラケット10が延びる方向と、ストッパ5の下面5aと、がなす角度は比較的小さい(直角から遠い)。通常、ストッパ5に対するフロントブラケット10の角度が小さくなる程、フロントブラケット10がストッパ5から滑って外れる可能性が高まる。しかし、本実施例では、ストッパ5の下面5aが凹面状に湾曲していることによって、フロントブラケット10の上部がストッパ5の下面5aから外れ難くなっている。そのため、図6のように、ストッパ5に対するフロントブラケット10の角度が小さくなっても(即ち、フロントブラケット10の上部が大きく回転しても)、フロントブラケット10の上部がストッパ5の下面5aから外れ難い。これによって、フロントブラケット10が衝突荷重の一部を受ける期間を長く確保することができる。その結果、フロントブラケット10が衝突の衝撃を効果的に緩和する。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。インバータ20が請求項における電力制御装置の一例に相当する。TAハウジング30が、請求項におけるハウジングの一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:車載構造
3:モータ
4:デファレンシャルギア
5:ストッパ
6:動力分配機構
10:フロントブラケット
12、42:防振ブッシュ
20:インバータ(電力制御装置)
21:パワーケーブル
30:トランスアクスルハウジング
40:リアブラケット
51、52、53、54:ボルト
90:フロントコンパートメント
96:サイドメンバ
98:エンジン
100:ハイブリッド車

Claims (1)

  1. 走行用モータに電力を供給する電力制御装置の車載構造であり、
    前記走行用モータを収納するハウジングが車両の前部空間に搭載されており、
    前記電力制御装置は、その前後をフロントブラケットとリアブラケットによって、上面前方が上面後方よりも低い前記ハウジングの上面との間に隙間を有して支持されており、
    前記フロントブラケットの上部が前記電力制御装置の前面に連結されており、
    前記フロントブラケットの下部が前記ハウジングに連結されており、
    前記電力制御装置の前記前面に、前記フロントブラケットの上端との間に間隙を隔てて対向するストッパが前記フロントブラケットの上方に設けられており、
    前記ストッパの前記フロントブラケットの上端に対向する下面が車両側面視において凹面状に湾曲しており、
    前記電力制御装置の前記前面に加わる衝突荷重によって、前記フロントブラケットの上部が、前記フロントブラケットと前記ハウジングとの連結部分を軸として回転したときに、前記ストッパの湾曲している下面が、前記フロントブラケットの上端に当接することを特徴とする車載構造。
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