JP6430450B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、往復動する可動部材が弾性部材によって付勢されている遊技機に関する。
従来、この種の遊技機として、可動部材が、直動しかつその直動方向に延びた形状をなすと共に、弾性部材が、引っ張られて弾性変形する例えば引張コイルバネ等の引張弾性部材であって、可動部材に対して横並びに配置されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−200338号公報(段落[0086]、図19、図20)
ところで、可動部材の可動ストロークが長くなると、引張弾性部材の弾性変形代だけではなく、自然長も長くなる。また、引張弾性部材の自然長を長くせずに弾性変形代だけを長くすると、引張弾性部材の劣化が早くなったり、所望の弾発力を得ることができなくなる。しかしながら、引張弾性部材の弾性変形代及び自然長が長くなると、上記した従来の遊技機の構造では、引張弾性部材に対応して一直線状に延びた長い線形スペースが必要になり、そのような一直線状に延びた長い線形スペースを遊技機内で確保しようとすると、引張弾性部材の配置が極めて限定されるという問題が生じていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、可動部材を付勢する引張弾性部材の配置の自由度を高くすることが可能な遊技機の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、ベース部材に対して第1位置と第2位置との間で回動すると共に、ベース部材に対して第1位置と第2位置との間で往復移動する可動部材と、線形をなして、一端が前記ベース部材に取り付けられる一方、他端が前記可動部材に取り付けられ、前記可動部材を前記第1位置から前記第2位置側へと付勢する引張弾性部材とを備えた遊技機であって、前記ベース部材に設けられ、前記引張弾性部材の少なくとも一部に当接して前記引張弾性部材を屈曲状態に保持しながら前記引張弾性部材の伸縮を許容する屈曲保持部を備えたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の構成によれば、可動部材が第2位置から第1位置へと移動する第1移動工程の少なくとも一部で引張弾性部材が引っ張られて変形する。そして、可動部材が第1位置から第2位置に移動する第2移動工程の少なくとも一部で引張弾性部材の弾発力が利用される。ここで、可動部材の可動ストロークを大きくすると、その分、引張弾性部材が長くなるが、本発明の遊技機には、引張弾性部材を屈曲状態に保持しながら引張弾性部材の伸縮を許容する屈曲保持部がベース部材に設けられているので、可動部材の周囲の空きスペースに合わせた形状に引張弾性部材を屈曲させて収めることが可能となる。これにより、引張弾性部材を配置するために一直線状に延びた長い線形スペースが必要であった従来のものに比べ、引張弾性部材の配置の自由度が高くなる。
本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図 電飾可動役物が下端位置にあるときの遊技板の正面図 電飾可動役物が上端位置にあるときの遊技板の正面図 (A)電飾可動役物が下端位置にあるときの役物ユニット周辺の側断面図、(B)電飾可動役物が上端位置にあるときの役物ユニット周辺の側断面図 電飾可動役物が下端位置にあるときの役物ユニットの正面図 電飾可動役物が上端位置にあるときの役物ユニットの正面図 直動ガイドの分解斜視図 直動ガイドの断面図 アーム部材36の正面図 (A)屈曲保持部周辺の正面図、(B)屈曲保持部周辺の側断面図 電飾可動役物が移動途中にあるときの役物ユニットの正面図 変形例に係るパチンコ遊技機の屈曲保持部周辺の正面図 変形例に係るパチンコ遊技機の屈曲保持部周辺の正面図
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1〜図11に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10(本発明の「遊技機」に相当する)は、前面が前面枠10Zにて覆われており、その前面枠10Zのガラス窓10Wを通して遊技板11の遊技領域R1が視認可能になっている。この遊技領域R1内を、操作ノブ28を回動させることにより弾き出された遊技球が流下する。
図2に示すように、遊技領域R1は全体が略円形状で、その中央には、遊技板表示窓10Hが貫通形成され、遊技板11の後方に備えた液晶表示装置30の表示画面30Gが遊技板表示窓10Hを通して前方に臨んでいる。また、遊技板表示窓10Hの下方には、始動入賞口14、大入賞口15が備えられている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞すると、当否判定が行われて、その当否判定結果が表示画面30Gに表示され、判定結果が当りであれば、大入賞口15が開放状態となる「大当り遊技」が実行され、外れであれば大入賞口15が閉じたままとなる。
遊技板表示窓10Hには、遊技板11の前面側から表示装飾枠23の嵌合枠部23Bが嵌め込まれ、表示装飾枠23の前面装飾部23Aによって技板表示窓10Hの開口縁が前方から覆われている。嵌合枠部23Bの下辺部分は、遊技球が転動可能なステージ23Sになっていて、ステージ23Sの後縁部から規制壁23Cが上方に起立して、表示画面30Gの下端部を覆っている。なお、規制壁23Cには、その左右方向の中央部から上方に装飾板23Hが延設されている。
図4に示すように、規制壁23Cの後端面と表示画面30Gとの間には、遊技球2〜3倍程度の開口が備えられ、その開口の下方に図5に示した役物ユニット35が備えられている。役物ユニット35は、ベース部材40の前面に電飾可動役物33を含む複数の部品を組み付けてなる。なお、遊技板11の後面には、始動入賞口14及び大入賞口15の可動部を駆動するための駆動機構や、それら始動入賞口14及び大入賞口15への入賞球を案内するダクトが備えられ、それらの後方に役物ユニット35が配置されている。
図5に示すように、ベース部材40は、横長矩形のプレート状になっていて、前方から見て上縁部の左寄り位置から上部突片40Cが上方に突出している。そして、その上部突片40Cがステージ23Sの左右方向における中央に配置された状態で遊技板11に対して図示しない支持部品を介して固定されている。また、ベース部材40は全体が遊技板11及び表示装飾枠23の後方に隠れた状態になっている。
以下の説明において、左右の何れかを特定して部位の構造を説明する場合には、それら部位を前側、即ち、遊技者側から見た状態を前提としているものとする。
電飾可動役物33は、前後方向偏平な筐体構造をなし、前方から見ると縦長の矩形部33Aの上端部に、その矩形部33Aの横幅と略同一の直径をなした円形部33Cの下側一部を重ねた形状をなしている。そして、電飾可動役物33は、ベース部材40の左右方向のうち上部突片40Cが形成されている部分の前側に配置されて、直動ガイド41を介してベース部材40に上下動可能に支持されている。
詳細には、直動ガイド41は、上下方向に延びた第1〜第3のレール91,92,93(図7参照)を前後に重ね、図8に示すように、第1と第2のレール91,92の間、及び、第2と第3のレール92,93の間をそれぞれスライダ95にてスライド可能に連結した構造をなしている。そして、第3のレール93が電飾可動役物33の左側縁部の後面側に固定されると共に、第1のレール91がベース部材40に固定され、これにより、電飾可動役物33が図5に示した下端位置と、図6に示した上端位置との間を上下動する。また、矩形部33Aの左端部からは帯状のレールカバー33Bが垂下していて第3のレール93の下側略半分を前方から覆っている。
図5に示すように、電飾可動役物33が下端位置に位置すると、レールカバー33Bの下縁部はベース部材40の下縁部と重なり、電飾可動役物33の上端部のみが、上部突片40Cから上方に僅かに突出した状態になる。このとき、図2及び図4(A)に示すように、電飾可動役物33は遊技板11及び表示装飾枠23の後方に隠れた状態になる。そして、図6に示すように、電飾可動役物33が上端位置に移動すると、電飾可動役物33のうちレールカバー33Bの下端部より上側部分が上部突片40Cの上方に位置し、電飾可動役物33の円形部33Cが表示画面30Gにおける上下左右の中央部に配置された状態(図3参照)になる。
電飾可動役物33の内部には、図示しない電飾基板が収容され、電飾可動役物33の前面には、円形部33Cに円形に並べられた複数のレンズ部33D等が備えられて電飾基板からの光が透過するようになっている。また、レールカバー33Bと直動ガイド41との間に下方と両側方とに開放した隙間が備えられ、電飾基板に接続されたケーブル33Fが矩形部33Aの下端部の左端からその隙間に向かって下方に導出されている。そして、そのケーブル33Fは、湾曲して上方に折り返され、ベース部材40のうち左側端部に備えたケーブル保持部33Hに中間部分を保持された後、ベース部材40の後方へ導出されている。
図5に示すように、ベース部材40のうち電飾可動役物33の右側には、電飾可動役物33を上下動させるための昇降駆動機構42が備えられている。昇降駆動機構42には、電飾可動役物33に連動して回動するアーム部材36と、駆動源としてのモータ34と、モータ34の動力を電飾可動役物33へと伝達する複数のギア48A,48B,48C及び中継部材50とが備えられている。
図9に示すように、アーム部材36は、本発明に係る「可動部材」に相当し、略直角三角形となった主板部36Mから延長バー36Nを延長した構造になっている。また、主板部36Mの外縁部のうち直交する両辺は、第1と第2の直線外縁部36D,36Eになっていて、斜辺部は、本発明に係る隣接外縁部36Fになっている。
また、主板部36Mには、直角となった角部の内側部分を前後に貫通する回転中心孔36Pが形成され、そこにブッシュ36Lが挿入されかつ、さらにその内側に螺子が挿入されて、図5の如くベース部材40における電飾可動役物33の右側方の上縁部にねじ込まれている。そして、アーム部材36は、図5に示すように、第1直線外縁部36Dが回転中心孔36Pから垂下しかつ、第2直線外縁部36Eが回転中心孔36Pより電飾可動役物33から離れた側に略水平に延びた状態となる第1位置と、図6に示すように、第2直線外縁部36Eが回転中心孔36Pから垂下しかつ、第1直線外縁部36Dが回転中心孔36Pより電飾可動役物33側に略水平に延びた状態となる第2位置との間を回動する(第2位置から第1位置への移動が本発明の「第1移動工程」に相当し、第1位置から第2位置への移動が本発明の「第2移動工程」に移動する)。即ち、アーム部材36の主板部36Mは、アーム部材36の回動中心P1の近傍から水平に延びた水平限界線より下方で回動する。なお、ブッシュ36Lは、摺動樹脂製であって、円筒の一端から側方にフランジ部が張り出した構造をなし、フランジ部が回転中心孔36Pの前側開口縁に重ねられている。
主板部36Mには、第1直線外縁部36Dに沿って長孔36Aが形成されている。長孔36Aは、第1直線外縁部36Dのうち回転中心孔36Pから離れた側の端部から回転中心孔36P寄り位置に亘って延び、第1直線外縁部36Dにおいて長孔36Aが形成されている部分が外側に若干膨らんでいる。また、長孔36Aの幅方向の中心に延びた架空の中心線L1は、アーム部材36の回動中心を通過するようになっている。
延長バー36Nは、主板部36Mのうち第1直線外縁部36Dの回転中心孔36Pから離れた側の端部から長孔36Aに対して直角になるように延び、そのアーム部材36の先端部が電飾可動役物33に連結されている。詳細には、矩形部33Aは、下縁部より上側が前述したように筐体構造をなし、下縁部は筐体構造部分の前面側から下方に垂下した板状になって、その後方に延長バー36Nの先端部が配置されている。また、矩形部33Aの下縁部には、右側端部からレールカバー33B寄り位置まで延びた長孔33Nが形成されている。そして、回転中心孔36Pに挿入されたブッシュ36Lと同一形状の1対のブッシュ36L,36Lが長孔33Nに前後から挿入されると共に、それらブッシュ36L,36Lの内側に共通の螺子が通されて延長バー36Nの先端部にねじ込まれている。本実施形態では、これらブッシュ36L,36Lと螺子とから先端係合部36Tが構成され、その先端係合部36Tが長孔33N内をスライドして電飾可動役物33とアーム部材36とが連動する。
具体的には、図5に示すように、アーム部材36が第1位置に位置して延長バー36Nが略水平に延びた状態になると、その延長バー36Nの延長線上に電飾可動役物33の長孔33Nが延びかつその長孔33Nの右端に先端係合部36Tが位置した状態になってアーム部材36が下端位置に配置される。そこからアーム部材36が図5の時計回りに略45度回動すると、先端係合部36Tが長孔33Nの左端寄り位置に至る(図11参照)。そこから更にアーム部材36が時計回りに略45度回動すると、図6に示すように、アーム部材36が第2位置まで至って延長バー36Nが鉛直に起立した状態になると共に、長孔33Nの右端に先端係合部36Tが位置した状態になる。
また、前述したようにアーム部材36の主板部36Mは、アーム部材36の回動中心P1の近傍から水平に延びた水平限界線より下方で回動し、アーム部材36が第1位置に配置されているときに水平限界線より下方に位置していた延長バー36Nが、アーム部材36が第2位置に配置されると、水平限界線より上方に起立して電飾可動役物33を下方から支持するので、アーム部材36を視認不可能な状態に維持して電飾可動役物33のみを視認可能な状態と視認不可能な状態とに変更する演出を行うことが可能になる。
図5に示すように、第1位置に配置されたアーム部材36における主板部36Mの左側方には、モータ34からの動力をアーム部材36に伝達するための中継部材50が備えられている。中継部材50は、円板状をなして、ベース部材40の前面に形成された円形陥没部40Lに受容されると共に、中心部に形成された貫通孔に前述のブッシュ36Lと螺子とが挿通されてベース部材40に回動可能に取り付けられている。また、中継部材50は、アーム部材36の回動領域を含む平面より後方に位置し、アーム部材36が第1位置に配置された状態でベース部材40の外縁部の右側部分がアーム部材36の長孔36Aに後方から重なり、そこに取り付けられた中継係合部50Aが長孔36Aにスライド可能に係合している。また、中継係合部50Aは、前述したブッシュ36Lを長孔36Aに前側から挿入しかつその内側に螺子を通してなり、その螺子が中継部材50にねじ込まれて中継部材50に取り付けられている。
ここで、中継部材50の回動中心と中継係合部50Aの中心との間の距離を特定半径とすると、中継部材50の回動中心は、アーム部材36の回動中心に対して特定半径だけ下方でかつ特定半径だけ左側にずれた位置に配置されている。これにより、中継係合部50Aが、中継部材50の回動中心に対して水平右側方に位置したときには、その中継係合部50Aは、アーム部材36の回動中心の鉛直下方に配置された状態になり、このとき、長孔36A内では、図には表されていないが中継係合部50Aが長孔36A内の一端面から僅かに離れた配置となる。その状態から中継部材50が図5において時計回りに135度回動すると、アーム部材36の回動中心と中継部材50の回動中心と中継係合部50Aとが一直線上に並んで中継係合部50Aが長孔36Aの他端寄り位置に至る。そこから更に中継部材50が時計回りに135度回動すると、図6に示すように、中継係合部50Aが、中継部材50の回動中心に対して鉛直上方でかつアーム部材36の回動中心の水平左横に位置した状態となり、このときも、長孔36A内では、図には表されていないが中継係合部50Aが長孔36A内の一端面から僅かに離れた配置となる。
また、中継部材50がモータ34によって図5における反時計回りに回転駆動されると、中継係合部50Aが中継部材50の回転中心より水平右側方位置から僅かに上側にずれた位置で長孔36Aの一端面に当接してアーム部材36が第1位置に位置決めされる。これにより、アーム部材36が第1位置に配置されると、アーム部材36から中継部材50にかかる力(負荷)により、中継部材50は中継係合部50Aを長孔36Aの一端面に押し付ける方向にトルクを受けることになり、アーム部材36からの負荷によって回転しないようにロックされる。また、中継部材50が図6における時計回りに回転駆動されると、中継係合部50Aが中継部材50の回転中心より鉛直真上位置から僅かに右側にずれた位置で長孔36Aの一端面に当接してアーム部材36が第2位置に位置決めされる。これにより、アーム部材36が第2位置に配置されると、第1位置に配置された場合と同様に、アーム部材36からの負荷によって回転しないようにロックされる。これらにより、モータ34に負荷をかけずにアーム部材36を第1位置と第2位置に保持することができる。
なお、中継係合部50Aが中継部材50の回転中心に対して水平右側方の位置に配置されたときに長孔36Aの一端面に当接してアーム部材36が第1位置に位置決めされ、中継係合部50Aが中継部材50の回転中心に対して鉛直真上位置に配置されたときに長孔36Aの一端面に当接してアーム部材36が第2位置に位置決めされるようにしてもよい。そのような構成であっても、中継部材50からの力によって中継部材50を回動させるトルクが抑えられるので、アーム部材36を第1位置及び第2位置に保持するモータ34の負荷が軽減される。
図6に示すように、モータ34は、アーム部材36の回動範囲の外側下方に配置されてベース部材40の前面側に取り付けられ、モータ34の回転出力部と中継部材50との間が複数のギヤで接続されている。具体的には、アーム部材36が第1位置に配置された状態における主板部36Mの下方には、ベース部材40の一部を段付き状に前側に隆起させて台座部40Bが形成されている。その台座部40Bは、前方から見ると外縁上部が半円形をなし、その円弧の両端から外縁側部がベース部材40の下端部まで直線状に延びた形状になっている。また、台座部40Bの前面はベース部材40全体の前面と平行になっている。さらには、図10(B)に示すように、ベース部材40には、台座部40Bを後方から覆う後部カバー40Sが取り付けられている。そして、例えば、台座部40Bの前面の右下部分及び右上部分と台座部40Bの右側方部分とから前方にそれぞれ支柱40Dが突出していて、それら支柱40Dの先端面にモータ支持板34Pが押し当てられて螺子止めされている(図10(A)参照)。
また、台座部40Bには、外縁上部の円弧と同心円の貫通孔40Aが形成され、それに対応させてモータ支持板34Pにも貫通孔34Bが形成されている。そして、モータ支持板34Pの貫通孔34Bの前側開口縁にモータ34のステータが固定されると共に、モータ34の回転出力部が台座部40Bの後側に位置しかつその回転出力部に入力ギヤ34Aが固定されている。
さらには、ベース部材40の前面のうち中継部材50の下方には、円形陥没部40Lに連通したギヤ収容陥没部40Mが形成され、台座部40Bの左側の段差面には、ギヤ収容陥没部40Mに向かって図示しない開口が形成されている。そして、ギヤ収容陥没部40Mに、第1と第2の小ギヤ48A,48Bと大ギヤ48Cとが収容され(図10(A)参照)、それらのうち第1の小ギヤ48Aが入力ギヤ34Aに対して左側から噛合し、その第1の小ギヤ48Aに対して第2の小ギヤ48Bが左側から噛合し、さらに、その第2の小ギヤ48Bに対して大ギヤ48Cが上方から噛合している。また、中継部材50の後面には、図示しない出力ギヤが一体回転可能に備えられ、その出力ギヤに対して大ギヤ48Cが下方から噛合している。これらにより、モータ34の動力が中継部材50,アーム部材36、電飾可動役物33へと伝達されて、アーム部材36が第1位置と第2位置との間を回動すると共に、電飾可動役物33が下端位置と上端位置との間を直動する。
ところで、電飾可動役物33を上端位置から下端位置へと移動するときには、電飾可動役物33に係る重力(以下、「電飾可動役物33の自重」という)がモータ34を補助するが、電飾可動役物33を下端位置から上端位置へと移動するときには、電飾可動役物33の自重がモータ34の負荷となる。そこで、電飾可動役物33の自重に対するカウンターバランサとして引張弾性部材37がアーム部材36とベース部材40との間で伸縮するように取り付けられている。
具体的には、引張弾性部材37は、金属製の引張コイルバネであって、その両端部には取付リング37R,37Rが備えられている(図5参照)。取付リング37Rは、引張弾性部材37のコイル部分を構成する線材をそのコイル部分の巻回軸を含む平面内でリング形状に成形してなる。
また、図5に示すように、引張弾性部材37を取り付けるために、アーム部材36のうち主板部36Mの隣接外縁部36Fにおける第2直線外縁部36E側の端部にはバネ取付突部36Hが設けられている。バネ取付突部36Hは、第1位置に配置されたアーム部材36の回転中心から離れる側に水平に突出していて先端部が円弧状になっていて、その円弧の中心となる位置に図示しないバネ取付孔が形成されている。そして、引張弾性部材37の一端の取付リング37Rに、ワッシャー36Wを貫通したバネ取付螺子36Vが通されて、そのバネ取付螺子36Vがアーム部材36のバネ取付孔にねじ込まれている。これにより、引張弾性部材37の一端部がバネ取付突部36Hに回動可能に取り付けられている。
ベース部材40には、第1位置に配置されたアーム部材36のバネ取付突部36Hに対して右斜め下方となる位置にフック40Fが形成されている。フック40Fは、ベース部材40から前方に突出してから右上方に向かって屈曲した形状になっている。そして、そのフック40Fが引張弾性部材37の他端側の取付リング37Rに通されて、引張弾性部材37の他端部がベース部材40に固定されている。そして、図5に示すように、引張弾性部材37の中間部が、ベース部材40の台座部40Bに備えた屈曲保持部45Kによって屈曲した状態に保持されている。
図10(B)に示すように、屈曲保持部45Kは、台座部40Bの前面から突出した円筒状の支持筒部40Tと、その支持筒部40Tの外側に回転可能に嵌合したプーリ45とからなる。支持筒部40Tは、モータ支持板34Pに後面から突き合わされかつ、内側にモータ34の一部を受容している。また、プーリ45は、ポリアセタール等の摺動樹脂により構成され、支持筒部40Tと同じ軸長の円筒部45Aの前端から側方にフランジ45Bを張り出した形状をなし、モータ支持板34Pによってプーリ45が支持筒部40Tに抜け止めされている。そして、プーリ45の円筒部45Aに引張弾性部材37の軸方向における中間部が押し当てられてアーム部材36が第1位置に配置されているときには、引張弾性部材37がU字状に湾曲した状態に保持されている。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、このパチンコ遊技機10の作用効果について説明する。図6に示すように、電飾可動役物33が上端位置に配置され、アーム部材36が第2位置に配置されているときは、アーム部材36の回動中心(以下、適宜、「回動中心P1」と記載する)と、アーム部材36のうち引張弾性部材37が取り付けられている力点P2(詳細には、バネ取付螺子36Vの中心)と、引張弾性部材37における屈曲保持部45Kとの当接部分のうち力点P2に最も近い側の力点側当接点P3とを結ぶ3点連絡線L2が略直線状になる。このとき、引張弾性部材37は僅かに引っ張られた状態でアーム部材36には、引張弾性部材37の弾発力が僅かしか作用しておらず、電飾可動役物33の自重がアーム部材36に負荷としてかかっているが、前述したようにアーム部材36が第2位置に配置された状態では、中継部材50はアーム部材36からの力によって回動しないようにロックされるので、モータ34には負荷がかからない。なお、このときのアーム部材36の位置が本発明の「直列位置」に相当する。また、本実施形態では、直列位置と第2位置とが同位置となっている。
この状態からモータ34の動力によって中継部材50が図6における反時計回り方向に回転駆動すると、前記ロックが解除され、アーム部材36がモータ34からの動力と電飾可動役物33の自重とを受けて引張弾性部材37を引っ張り変形させながら第1位置に向かって回動する。このとき、引張弾性部材37の変形に伴ってプーリ45が回転し、或いは、引張弾性部材37がプーリ45の周面で摺動して、引張弾性部材37全体が伸ばされる。そして、アーム部材36が第1位置寄りの途中位置に至ったときに3点連絡線L2が直角に曲がった状態になり(図11参照)、そこから更に回動してアーム部材36が第1位置に至ると3点連絡線L2が鋭角に屈曲した状態になる(図5参照)。また、引張弾性部材37のうち力点P2と力点側当接点P3とを結ぶ末端直線部L3に相当する部分は、アーム部材36の隣接外縁部36Fに対して略平行になって隣接する。この状態で、引張弾性部材37が最大に伸びた状態になって、引張弾性部材37の弾発力がアーム部材36から中継部材50に付与されることになるが、前述したようにアーム部材36が第1位置に配置された状態では、中継部材50はアーム部材36からの力によって回動しないようにロックされるので、モータ34には負荷がかからない。
この状態からモータ34の動力によって中継部材50が図5における時計回り方向に回転駆動すると、前記ロックが解除され、アーム部材36がモータ34からの動力と引張弾性部材37からの弾発力を受け、電飾可動役物33の自重に抗して電飾可動役物33を下端位置から上端位置に向けて押し上げる。その際も、引張弾性部材37の変形に伴ってプーリ45が回転し、或いは、引張弾性部材37がプーリ45の周面で摺動し、引張弾性部材37全体が縮む。また、アーム部材36が第1位置を離れて第1位置寄りの途中位置に至ったときに3点連絡線L2が直角に曲がった状態になり(図11参照)、そこから更に回動して3点連絡線L2の屈曲角が広がっていく。これにより、引張弾性部材37の伸縮方向が力点P2の円弧状軌跡と十分に重なり、引張弾性部材37の弾発力がアーム部材36に効率良く伝えられてモータ34の負荷が軽減される。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、アーム部材36の可動ストロークが大きく、その分、引張弾性部材37が長くなっても、引張弾性部材37を屈曲状態に保持しながら引張弾性部材37の伸縮を許容する屈曲保持部45Kが設けられているので、アーム部材36の周囲の空きスペースに合わせた形状に引張弾性部材37を屈曲させて収めることができる。これにより、引張弾性部材37を配置するために一直線状に延びた長い線形スペースが必要であった従来のものに比べ、引張弾性部材37の配置の自由度が高くなる。そして、パチンコ遊技機10内の空いているスペースに引張弾性部材37を配置することができるので、パチンコ遊技機10のコンパクト化が図られる。また、アーム部材36が第1位置に配置された状態で、引張弾性部材37のうち力点P2と力点側当接点P3とを結ぶ末端直線部L3に相当する部分がアーム部材36の隣接外縁部36Fに対して略平行になって隣接し、干渉しない範囲でアーム部材36と引張弾性部材37とを近づけてあるのでこれによりコンパクト化を図ることができる。
なお、本実施形態では屈曲保持部45Kに設けられた支持筒部40Tの内側にモータ34の一部が受容されて有効利用が図られて、このことによってもコンパクト化が図られる。さらには、アーム部材36が第1位置と第2位置との間を移動する間に長孔36A内を中継係合部50Aが往復すると共に、前述したように長孔33N内を先端係合部36Tが往復するので、長孔36A,33Nの有効利用が図られ、この点においてもコンパクト化が図られる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、パチンコ遊技機10に本発明を適用していたが、遊技機であれば、コイン遊技機やスロットマシン等に適用してもよい。
(2)上記実施形態では、電飾可動役物33が直動する構成であったが、例えば、アーム部材36の先端に固定されてアーム部材36の回動と共に回動する構成であってもよい。また、電飾可動役物33の直動方向は、上下に限らず、左右、斜め等であってもよい。
(3)上記実施形態では、電飾可動役物33の直動と連動するアーム部材36を備え、電飾可動役物33を動かすためにアーム部材36を動作させる構成であったが、アーム部材36自体が可動役物であってもよい。
(4)上記実施形態では、アーム部材36の可動ストロークの全域で、引張弾性部材37が、常時、屈曲状態に保持されていたが、アーム部材36の可動ストロークの一部でのみ屈曲状態に保持されていてもよい。
(5)上記実施形態では、ベース部材40に回転可能に支持されたプーリ45に引張弾性部材37が当接していたが、支持筒部40Tの外周面に円弧状の摺動部材を固定して、その摺動部材に引張弾性部材37を当接させてもよい。また、屈曲保持部45Kのうち引張弾性部材37に当接する部分は、通常の樹脂又は金属等の部材であってもよい。
(6)上記実施形態では、引張弾性部材37は、アーム部材36の移動軌跡を含む面と平行な面内で屈曲していたが、アーム部材36の移動軌跡を含む面と交差する面内で屈曲していてもよい。具体的には、引張弾性部材37がアーム部材36の後方に配されていてもよい。
(7)上記実施形態では、引張弾性部材37が引張コイルバネであったが、ゴムであってもよい。また、引張コイルバネやゴムと非弾性部材(ナイロン紐等)とを直列に接続したものであってもよい。
(8)アーム部材36の回転角度は180度以内に限らず180度以上であってもよい。また、上記実施形態では、本発明の「可動部材」が回動する構成であってが、図12に示すように直動する構成であってもよい。
(9)上記実施形態では、アーム部材36がモータ34により駆動される構成であったが、例えば遊技者の手により動かされる構成であってもよい。
(10)上記実施形態では、屈曲保持部の断面が円形であったが、図13(A)に示すように引張弾性部材37と当接可能な部分のみが円弧状となった形状であってもよいし、図13(B)に示すように四角形であってもよい。
(11)上記実施形態では、アーム部材36の回動範囲が、第1位置と第2位置との間であったが、これより大きくてもよい。例えば、アーム部材36が、付勢された第2位置を挟んで第1位置と反対側の第3位置まで回動可能な構成で、遊技状態に応じて、第2位置から第1位置へ移動したり、第2位置から第3位置へ移動したりする構成であってもよい。
(12)上記実施形態では、本発明の「直列位置」が第2位置であったが、第1位置と第2位置との間であってもよい。この構成の場合、引張弾性部材37は、アーム部材36が第1位置から第2位置へ移動する際に、アーム部材36が直列位置に達するまではアーム部材36を直列位置に付勢し、直列位置到達後第2位置に達するまでは引っ張られて弾性変形する。また、アーム部材36が第2位置から第1位置へ移動する際も、引張弾性部材37は、アーム部材36が直列位置に達するまではアーム部材36を直列位置に付勢し、直列位置到達後第1位置に達するまでは引っ張られて弾性変形する。
(13)上記実施形態では、アーム部材36が第2位置に配されたときに、3点連絡線が直線状になる構成であったが、引張弾性部材37が最短となっていれば、3点連絡線が屈曲している構成であってもよい。
(14)上記実施形態では、アーム部材36が第1位置に配されたときに、アーム部材36の回動中心P1が、アーム部材36の力点P2と引張弾性部材37の力点側当接点P3とを通る直線から外れて位置していたが、アーム部材36の回動中心P1が、アーム部材36の力点P2と引張弾性部材37の力点側当接点P3との間に位置した状態で、これら3点が直線状に並ぶ構成であってもよい。この構成とした場合、アーム部材36が第1位置に配された状態では引張弾性部材37によるアーム部材36の回動が規制され、アーム部材36が第1位置から動いた地点からアーム部材36が第2位置へ向けて付勢される。
なお、本実施形態を概念化すると、以下の[1]〜[20]の発明となる。
[1]ベース部材に対して第1位置と第2位置との間で往復移動する可動部材と、
線形をなして、一端が前記ベース部材に取り付けられる一方、他端が可動部材に取り付けられ、前記可動部材が前記第2位置から前記第1位置に移動する際に引っ張られて、前記可動部材を前記第2位置へ向けて付勢する引張弾性部材とを備えた遊技機であって、
前記ベース部材に設けられ、前記引張弾性部材の軸方向の少なくとも一箇所に当接して前記引張弾性部材を屈曲状態に保持しながら前記引張弾性部材の伸縮を許容する屈曲保持部を備えたことを特徴とする遊技機。
[1]の構成とした場合、可動部材が第2位置から第1位置へと移動すると引張弾性部材が引っ張られて変形する。そして、可動部材が第1位置から第2位置に移動する際に引張弾性部材の弾発力が利用される。ここで、可動部材の可動ストロークを大きくすると、その分、引張弾性部材が長くなるが、本発明の遊技機には、引張弾性部材を屈曲状態に保持しながら引張弾性部材の伸縮を許容する屈曲保持部がベース部材に設けられているので、可動部材の周囲の空きスペースに合わせた形状に引張弾性部材を屈曲させて収めることが可能となる。これにより、引張弾性部材を配置するために一直線状に延びた長い線形スペースが必要であった従来のものに比べ、引張弾性部材の配置の自由度が高くなる。
[2]前記引張弾性部材は、前記可動部材の移動軌跡を含む面と平行な面内で屈曲状態に保持されている[1]に記載の遊技機。
引張弾性部材は、可動部材の移動軌跡を含む面と交差する面内で屈曲していてもよいし、上記した[2]の発明のように、可動部材の移動軌跡を含む面と平行な面内で屈曲していてもよい。また、請求項2の構成によれば、可動部材と引張弾性部材とを含む機構部分がコンパクトになる。
[3]前記可動部材は、前記ベース部材に回動可能に支持され、
前記可動部材の回動中心と、前記可動部材のうち前記引張弾性部材が取り付けられている力点と、前記引張弾性部材における前記屈曲保持部との当接部分のうち前記力点に最も近い側の力点側当接点とを、前記回動中心、前記力点及び前記力点側当接点の順番で結ぶ3点連絡線が、前記可動部材が前記第2位置に配置されたときに略直線状になり、前記可動部材が前記第1位置に配置されたときに屈曲した状態になる[2]に記載の遊技機。
可動部材は、ベース部材に対して直動可能に支持されていてもよいし、上記した[3]の発明のように、ベース部材に回動可能に支持されていてもよい。また、可動部材がベース部材に回動可能に支持されている場合、[3]の遊技機のように、その可動部材の回動中心と力点と、引張弾性部材の力点側当接点とを結ぶ3点連絡線が、可動部材が第2位置に配置されたときに略直線状になり、可動部材が第1位置に配置されたときに屈曲した状態になるように構成することで、第1位置から第2位置に移動するストロークの全体で引張弾性部材の弾発力を引張弾性部材の移動のために利用することが可能となる。
[4]前記3点連絡線が、前記可動部材が前記第1位置に配置されたときに鋭角に曲がり、前記可動部材が前記第1位置と前記第2位置との中間に配置されたときに直角に曲がる[3]に記載の遊技機。
[4]の構成とした場合、引張弾性部材の伸縮方向を力点の円弧状軌跡に沿わせることができ、第1位置で3点連絡線の屈曲角が直角又は鈍角になってそこから屈曲角が徐々に大きくなっていくものに比べ、引張弾性部材の弾発力を可動部材に効率良く伝えることが可能となる。
[5]前記可動部材には、前記第1位置に配置された状態で、前記力点と前記力点側当接点とを結ぶ末端直線部と略平行になって前記引張弾性部材に隣接する隣接外縁部が備えられている[3]又は[4]に記載の遊技機。
[5]の構成とした場合、引張弾性部材が可動部材と干渉しない範囲で隣接配置されて、可動部材及び引張弾性部材の設置領域のコンパクト化が図られる。
[6]上端位置と下端位置との間を上下動可能となるように前記ベース部材に支持されると共に、前記可動部材が前記第1位置に配置されているときに前記下端位置に配置される一方、前記可動部材が前記第2位置に配置されているときに前記上端位置に配置されるように前記可動部材に連結された従動部材を備えた[3]乃至[5]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
[6]の構成とした場合、従動部材が下端位置から上端位置に移動するときに受ける重力による負荷を引張弾性部材の弾発力によって軽減することが可能となる。
[7]前記力点は、前記可動部材が前記第1位置に配置されているときに前記可動部材の回動中心に対して側方に位置する一方、前記可動部材が前記第2位置に配置されているときに前記可動部材の回動中心に対して下方に位置する[6]に記載の遊技機。
[7]の構成とした場合、可動部材がシーソーの役割を果たし、可動部材の力点が引張弾性部材に引っ張られて下方に移動すると、従動部材が上方に持ち上げられる。
[8]前記可動部材には、前記第1位置に配置されている状態で前記回動中心の下方で略上下方向に延びた第1直線外縁部と、前記回動中心の側方で前記力点側に向かって略水平に延びた第2直線外縁部とを有する主板部と、前記第1直線外縁部のうち前記可動部材の回動中心から離れた側の端部から前記力点と反対側に延びた延長バーとが備えられ、
前記従動部材には、その可動方向と交差する方向に延びた従動部材側長孔が備えられ、
前記延長バーの先端部には、前記従動部材の前記従動部材側長孔に係合した先端係合部が備えられた[7]に記載の遊技機。
[8]の構成とした場合、可動部材が第1位置に位置すると、主板部の第2直線外縁部が可動部材の回動中心の近傍から水平側方に延びた状態になる一方、可動部材が第2位置に位置すると、主板部の第1直線外縁部が可動部材の回動中心の近傍から水平側方に延びた状態になる。即ち、主板部は、可動部材の回動中心の近傍から水平に延びた水平限界線より下方で回動することになる。そして、可動部材が第1位置に配置されているときに水平限界線より下方に位置していた延長バーが、可動部材が第2位置に配置されると、水平限界線より上方に起立して従動部材を下方から支持した状態になる。このようにして、従動部材を可動部材の側方位置から可動部材の上方位置へと押し上げることが可能となる。
[9]前記可動部材の可動領域全体及びその可動領域の側方に位置する従動部材の可動領域の下端側部分とを前方から覆うカバー部材を備え、前記可動部材の前記第1位置から前記第2位置への移動に伴って前記従動部材が前記カバー部材の上縁部から上方に出現する[8]に記載の遊技機。
[9]の構成とした場合、可動部材を覆い隠すカバー部材から従動部材のみが上方に出現する演出を行うことが可能となる。
[10]前記可動部材は、前記ベース部材に回動可能に支持され、
前記可動部材に形成された可動部材側長孔と、
前記ベース部材に支持されて、前記可動部材側長孔に係合した中継係合部を有し、前記可動部材と連動して回動する中継部材と、
電力を受けて前記中継部材を回転駆動する駆動源とを備えた[1]乃至[9]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
[10]の構成とした場合、駆動源の動力を中継部材を介して可動部材に伝達して可動部材を回転駆動することが可能となる。
[11]前記可動部材が前記第1位置に位置した状態で、前記中継係合部と前記中継部材の回動中心とを結ぶ直線が前記可動部材側長孔の長手方向と略直交する位置又はその近傍に配置される[10]に記載の遊技機。
[11]の構成とした場合、可動部材が第1位置に配置されると、可動部材から中継部材にかかる力(負荷)が中継部材の回動中心側を向き、これにより可動部材からの力によって中継部材を回動させるトルクが抑えられるので、可動部材を第1位置に保持する駆動源の負荷が軽減される。
[12]前記可動部材が前記第1位置寄り位置に位置したときに、前記中継係合部と前記中継部材の回動中心とを結ぶ直線が前記可動部材側長孔の長手方向と略直交しかつ前記中継係合部が前記可動部材側長孔の一端寄り位置に位置し、
前記可動部材が前記第1位置に位置したときに、前記中継係合部が前記可動部材側長孔の一端面に当接して前記可動部材側長孔の一端に位置する[10]又は[11]に記載の遊技機。
[12]の構成とした場合、可動部材が第1位置に配置されると、可動部材から中継部材にかかる力(負荷)により、中継部材は中継係合部を可動部材側長孔の一端面に押し付ける方向にトルクを受けることになり、可動部材からの力によって回転しないようにロックされる。これにより、駆動源に負荷をかけずに可動部材を第1位置に保持することが可能となる。
[13]前記可動部材が前記第2位置に位置した状態で、前記中継係合部と前記中継部材の回動中心とを結ぶ直線が前記可動部材側長孔の長手方向と略直交する位置又はその近傍に配置される[10]乃至[12]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
[13]の構成とした場合、可動部材が第2位置に配置されると、可動部材から中継部材にかかる力(負荷)が中継部材の回動中心側を向き、これにより可動部材からの力によって中継部材を回動させるトルクが抑えられるので、可動部材を第2位置に保持する駆動源の負荷が軽減される。
[14]前記可動部材が前記第2位置寄り位置に位置した状態で、前記中継係合部と前記中継部材の回動中心とを結ぶ直線が前記可動部材側長孔の長手方向と略直交しかつ前記中継係合部が前記可動部材側長孔の一端寄り位置に位置し、
前記可動部材が前記第2位置に位置した状態で、前記中継係合部が前記可動部材側長孔の一端面に当接して前記可動部材側長孔の一端に位置するように構成された[10]乃至[13]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
[14]の構成とした場合、可動部材が第2位置に配置されると、可動部材から中継部材にかかる力(負荷)により、中継部材は中継係合部を可動部材側長孔の一端面に押し付ける方向にトルクを受けることになり、可動部材からの力によって回転しないようにロックされる。これにより、駆動源に負荷をかけずに可動部材を第2位置に保持することが可能となる。
[15]前記中継部材の回動中心は、前記可動部材の回動中心に対して上位方向で前記中継係合部の回動半径分だけ下方でかつ、左右方向で前記中継係合部の回動半径分だけ側方に位置すると共に、前記可動部材が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する間に前記中継部材が略3/4回転し、
前記中継係合部は、前記可動部材が前記第1位置に配置された状態で前記可動部材の回動中心に対する略鉛直下方に位置する一方、前記可動部材が前記第2位置に配置された状態で前記可動部材の回動中心に対する略水平側方に位置するように構成されたことを特徴とする[10]乃至[14]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
[15]の構成とした場合、中継係合部の可動角度の両端で中継係合部が可動部材側長孔の一端に位置し、中継係合部の可動角度の中央で中継係合部が可動部材側長孔の一端から最も離れた位置に到達することになるので、可動部材側長孔を有効に利用することができ、コンパクト化が図られる。また、中継部材を略3/4回転させると可動部材が1/4回転することになり、中継部材と可動部材との間で駆動源からの動力を増幅させることが可能となる。
[16]前記屈曲保持部に設けられて、前記ベース部材から突出し、側方から前記引張弾性部材が宛がわれた支持筒部と、
前記ベース部材に回転可能に支持されて前記中継部材に連動するギヤとを備え、
前記支持筒部の一端側から内側に前記駆動源の一部が受容される一方、前記支持筒部の他端側に前記ギヤの一部が配置されて、前記ギヤを介して前記駆動源の動力が前記中継部材に伝達されるようにした[10]乃至[15]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
[16]の構成とした場合、屈曲保持部に設けられた支持筒部の内側領域の有効利用が図られる。
[17]前記引張弾性部材は、前記可動部材の可動ストロークの全域で、常時、前記屈曲保持部によって屈曲状態に保持されている[1]乃至[16]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
上述してきた引張弾性部材は、可動部材の可動ストロークの一部でのみ屈曲状態に保持されていてもよいし、上記した[17]の発明のように、可動部材の可動ストロークの全域で、常時、屈曲状態に保持されていてもよい。
[18]前記屈曲保持部のうち前記引張弾性部材に当接する部分は、前記引張弾性部材と摺動可能な円弧状の摺動部材で構成されている[1]乃至[17]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
屈曲保持部のうち引張弾性部材に当接する部分は、通常の樹脂又は金属等の部材であってもよいが、上記した[18]の構成のように、引張弾性部材と摺動可能な円弧状の摺動部材で構成されていることが好ましい。
[19]前記屈曲保持部のうち前記引張弾性部材に当接する部分は、前記ベース部材に回転可能に支持されたプーリである[1]乃至[18]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
屈曲保持部のうち引張弾性部材に当接する部分は、固定されていてもよいし、上記した[19]の構成のように、回転可能に支持されたプーリとしてもよい。
[20]前記引張弾性部材は、引張コイルバネである[1]乃至[19]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
引張弾性部材は、紐状のエラストマーであってもよいし、[20]の発明のように、引張コイルバネであってよいし、紐状のエラストマーと引張コイルバネとを直列に接続したものであってもよい。
10 パチンコ遊技機(遊技機)
11 遊技板(カバー部材)
23 表示装飾枠(カバー部材)
33 電飾可動役物(従動部材)
34 モータ(駆動源)
35 役物ユニット
36 アーム部材(可動部材)
36A 長孔(可動部材側長孔)
36D 第1直線外縁部
36E 第2直線外縁部
36F 隣接外縁部
36M 主板部
36N 延長バー
36T 先端係合部
37 引張弾性部材
40 ベース部材
45 プーリ
45K 屈曲保持部
50 中継部材

Claims (1)

  1. ベース部材に対して第1位置と第2位置との間で回動すると共に、
    ベース部材に対して第1位置と第2位置との間で往復移動する可動部材と、
    線形をなして、一端が前記ベース部材に取り付けられる一方、他端が前記可動部材に取り付けられ、前記可動部材を前記第1位置から前記第2位置側へと付勢する引張弾性部材とを備えた遊技機であって、
    前記ベース部材に設けられ、前記引張弾性部材の少なくとも一部に当接して前記引張弾性部材を屈曲状態に保持しながら前記引張弾性部材の伸縮を許容する屈曲保持部を備えたことを特徴とする遊技機。
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