JP6430022B2 - 電動機駆動装置および冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機を駆動する電動機駆動装置および冷凍サイクル装置に関する。
電動機を駆動する電動機駆動装置において、インバータを構成するスイッチング素子のうち、同一相に対応する1組のスイッチング素子が同時にオンすることで生じる短絡を防ぐため、短絡防止時間が設けられる。短絡防止時間では、インバータの出力電圧に歪みが生じることが知られている。短絡防止時間での電圧歪みの補償方法は過去より検討されている。
例えば、特許文献1には、電流指令値がゼロに近い、すなわち電流指令値の極性が変化する相の電圧指令を、電流の極性に関わらずの所定電圧値に補正し、他相は極性に応じて電圧指令を補正する技術が示されている。
また、特許文献2では、電流検出値よりも進み位相の電流指令値に生成し、この電流指令値を用いて直交座標上で電圧指令値を補正する技術が示されている。さらに、特許文献2では、2相変調方式により一相のスイッチング素子が全オンまたは全オフ区間に該当した場合に当該相の補償量を他相へ分割する技術が示されている。
特開平9−261974号公報 特開2002−247860号公報
特許文献1は電流がゼロとなる近傍では、電圧指令値の極性は補正前のままで電圧指令値を所定電圧値となるように補正することで、補正の際に仮定する極性が実際の出力電流の極性と異なることによる補正歪、すなわち極性違いによる補正歪を低減させている。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、歪の補正量が限定的となるため、十分な歪の抑制効果が得られず、短絡防止時間での電圧歪みを高い精度で補正することができないという課題がある。
また、特許文献2は、相電流ゼロクロス点すなわち相電流の極性が変化する点前後の、電流が比較的大きい期間では補償量すなわち短絡防止時間での歪を補正するための補正量を少なくし、大きな補償量を必要とする相電流ゼロクロス時点で最大の補償量を得るように構成している。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、全ての相に補償量を加算するため、極性違いによる補正歪を避けることができないという課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、短絡防止時間での電圧歪みを高い精度で補正することができる電動機駆動装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる電動機駆動装置は、電動機の複数の相のそれぞれに交流電力を出力するインバータ、複数の相のうちの1つである第1の相に流れる電流が閾値以下となる場合に、複数の相のうちの第2の相のそれぞれに印加する電圧を、第1の相に印加する電圧を補正するための補正電圧に応じて変化させる駆動信号を出力する制御部とを備える。
本発明にかかる電動機駆動装置および冷凍サイクル装置は、短絡防止時間での電圧歪みを高い精度で補正することができるという効果を奏する。
本発明にかかる電動機駆動装置の回路構成例を示す図 制御回路の構成例を示す図 インバータ制御回路からインバータ主回路に入力される駆動信号すなわちオンオフ信号の一例を示す図 図3に示した領域を拡大した図 比較例の2つの方法を示す図 インバータ制御回路の制御指令としての電圧指令値とインバータ主回路から実際に出力される出力電圧と、モータ電流との関係を示す図 デッドタイムによる歪みを補正するための補正電圧であるTd補正電圧の一例を示す図 補正電圧生成部における処理手順の一例を示すフローチャート 3相平衡を仮定してモータ電流が閾値以内となる相のモータ電流を算出する場合の補正電圧生成部における処理手順の一例を示すフローチャート 実施の形態2の空気調和機の構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる電動機駆動装置および冷凍サイクル装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる電動機駆動装置の回路構成例を示す図である。図1に示すように、本発明にかかる電動機駆動装置100は、直流電源1と、平滑コンデンサ2と、直流電流を3相交流電流、すなわち交流電力に変換して3相を有する電動機3に出力することにより電動機3を駆動するインバータであるインバータ主回路4と、インバータ主回路4を制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成する制御部であるインバータ制御回路5と、平滑コンデンサ2の電圧である直流電圧を検出する電圧検出器8と、を備える。インバータ主回路4と電動機3の間には、電動機3を流れる電流すなわちモータ電流を計測する電流計測器6,7が設けられている。なお、図1では、電流計測器6,7を2相に設け、2相のモータ電流の検出結果から3相分のモータ電流を求めるようにしているが、電流計測器を3相にそれぞれ設けてもよい。
本実施の形態の電動機駆動装置100は、空気調和機、冷凍機、洗濯乾燥機、冷蔵庫、除湿器、ヒートポンプ式給湯機、ショーケース、掃除機、ファンモータ、換気扇、手乾燥機、誘導加熱電磁調理器などにおいて、モータを駆動する装置として用いることができる。
インバータ主回路4は、電動機3のU相、V相、W相の巻線に電圧Vu,Vv,Vwをそれぞれ印加する。インバータ主回路4は、U相に対応する直列接続されたスイッチング素子群であるスイッチング素子4a,4bと、V相に対応する直列接続されたスイッチング素子群であるスイッチング素子4c,4dと、W相に対応する直列接続されたスイッチング素子群であるスイッチング素子4e,4fとを備える。同一相に対応するスイッチング素子4aとスイッチング素子4bとの対をアームと定義する。同様に、スイッチング素子4cとスイッチング素子4dとの対、およびスイッチング素子4eとスイッチング素子4fとの対もそれぞれアームである。以下、U相に対応するスイッチング素子4a,4bをU相のアームとも呼び、V相に対応するスイッチング素子4c,4dをV相のアームとも呼び、W相に対応するスイッチング素子4e,4fをW相のアームとも呼ぶ。
インバータ制御回路5は、電流計測器6,7により計測されたモータ電流と電圧検出器8により検出された直流電圧Vdcとに基づいて、電動機3を回転駆動させるための電圧、すなわち交流電力を電動機3へ印加するようインバータ主回路4を制御する。具体的には、インバータ制御回路5は、電流計測器6,7により計測されたモータ電流に基づいて各相の電圧指令値を生成する電圧指令演算部52と、短絡防止時間での電圧歪みを補正するための補正電圧を生成する補正電圧生成部53と、電圧指令値と補正電圧とに基づいて、相ごとのスイッチング素子のオンオフ状態をPWM制御するための駆動信号を生成してインバータ主回路4へ出力する駆動信号生成部51と、を備える。駆動信号生成部51は、補正電圧に基づいて電圧指令値を補正し、周波数があらかじめ定められた搬送波周波数であり振幅がVdc/2の基準信号である搬送波信号を生成し、搬送波信号と補正後の電圧指令値とを比較し、相互の大小関係に基づき駆動信号を生成する。駆動信号は、インバータ主回路4の各スイッチング素子のオンオフ状態を制御するためのPWM信号であり、スイッチング素子をオンすなわち閉とすることを示す値と、スイッチング素子をオフすなわち開とすることを示す値とのいずれかの値をとるパルス状の信号である。
インバータ主回路4を構成する各スイッチング素子は、駆動信号に応じてスイッチング動作することにより、電動機3へ電流を印加する。スイッチング素子4a,4b,4c,4d,4e,4fとしては、どのような素子を用いてもよいが、GaN(窒化ガリウム)、SiC(シリコンカーバイド:炭化珪素)、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体を用いることができる。ワイドバンドギャップ半導体を用いることで耐電圧性が高く、許容電流密度も高くなるため、モジュールの小型化が可能となる。ワイドバンドギャップ半導体は、耐熱性も高いため、放熱部の放熱フィンの小型化も可能になる。
インバータ制御回路5を構成する駆動信号生成部51、電圧指令演算部52および補正電圧生成部53は、専用のハードウェアであっても、メモリとメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)とを備える制御回路であってもよい。ここで、メモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)等が該当する。
インバータ制御回路5を構成する駆動信号生成部51、電圧指令演算部52および補正電圧生成部53が、専用のハードウェアで実現される場合、これらは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。
インバータ制御回路5を構成する駆動信号生成部51、電圧指令演算部52および補正電圧生成部53がCPUを備える制御回路で実現される場合、この制御回路は例えば図2に示す構成の制御回路200である。図2に示すように制御回路200は、CPUであるプロセッサ201と、メモリ202とを備える。インバータ制御回路5を構成する駆動信号生成部51、電圧指令演算部52および補正電圧生成部53が図2に示すように制御回路200により実現される場合、プロセッサ201がメモリ202に記憶された、インバータ制御回路5の各部の処理に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、メモリ202は、プロセッサ201が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
ここで、まず、短絡防止時間について説明する。インバータ主回路4から出力される電圧は、一般的にはインバータ主回路4においてPWM制御が実施されるため、搬送波周波数に対応する周期を単位として刻まれた電圧となる。搬送波周波数は、電動機3の回転周波数よりも高い周波数である。
図3は、インバータ制御回路5からインバータ主回路4に入力される駆動信号すなわちオンオフ信号の一例を示す図である。図3の1段目には、搬送波信号を示し、2段目には、スイッチング素子4aに対する駆動信号である駆動信号aを示している。図3の3段目には、スイッチング素子4bに対する駆動信号である駆動信号bを示し、4段目には、スイッチング素子4cに対する駆動信号である駆動信号cを示し、5段目には、スイッチング素子4dに対する駆動信号である駆動信号dを示し、6段目には、スイッチング素子4eに対する駆動信号である駆動信号eを示し、7段目には、スイッチング素子4fに対する駆動信号である駆動信号fを示している。図3の領域300は、駆動信号cがオフを示す値からオンを示す値へ変化し、駆動信号dがオンを示す値からオフを示す値へ変化する領域である。
図4は、図3に示した領域300を拡大した図である。1つのアームを構成する2つのスイッチング素子が同時にオンとなることで短絡することを防ぐため、一般に、図4に示すように、短絡防止時間Tdが設けられている。短絡防止時間は、デッドタイムとも呼ばれる。
デッドタイムが存在すると、インバータ主回路4の出力電圧は電圧指令値に対して非線形となり、インバータ主回路4から電動機3へ出力される出力電圧には歪みが発生する。電圧歪みによる悪影響は先行技術文献でも述べられている通りであり、電動機3の回転速度変動、電動機3からの電磁音増大などである。デッドタイムによる電圧歪みは電動機3に流れる電流の極性に応じて発生するので、電流の極性に合わせて電圧を補正すればよい。例えば、あらかじめ補正量の絶対値v(v>0)を定めておき、電流の極性に応じて補正電圧の極性を決定する。しかしながら、電流の極性が反転するゼロクロス付近は電流の検出量が極端に小さくなるので、電流の極性の誤検出による誤補正の恐れがある。
上記のような誤補正を防ぐ方法として、例えば、次の2つの方法を比較例として挙げる。図5は、比較例の2つの方法を示す図である。Td補正電圧(1)は、第1の方法を用いた場合のデッドタイムによる歪みを補正するための補正電圧を示し、Td補正電圧(2)は、第2の方法を用いた場合のデッドタイムによる歪みを補正するための補正電圧を示す。第1の方法は、図5に示すように、閾値α(α>0)を定めておき、モータ電流が−α〜αの範囲であれば、補正量を0とする方法である。第2の方法は、図5に示すように、モータ電流が−α〜αとなる期間で、電流に対して勾配をつけて台形形状の補正電圧とする。
しかしながら、上記の比較例では、いずれもモータ電流が−α〜αとなる期間、すなわち図5のta期間内のデッドタイムによる歪みの電圧補正とta期間外でのデッドタイムによる歪みの補正電圧には差異がある。ta期間内では、第1の方法、第2の方法ともに、所望の補正電圧とは異なる補正電圧が設定されていることから、デッドタイムによる歪みの補正の精度が低下する。モータ電流がαに対して、例えば2桁以上大きい場合にはta期間は短いが、モータ電流がαに近くなると、図5に示すta期間が長くなり、ta期間における補正電圧がデッドタイムによる歪みの補正全体へ与える影響が大きくなる。換言すると、第1の方法で言えば、電圧補正が0の期間が長くなり、第2の方法で言えば台形の勾配が緩やかになる。
そこで、本実施の形態では、以下に述べる電圧補正を実施することにより、モータ電流が−α〜αとなる期間内であっても、デッドタイムによる歪みの補正を確実に補正し、かつ電流極性とは逆方向の補正を行う誤補正を防ぐことにより、デッドタイムによる歪みを高精度に補正することができる。
図6は、インバータ制御回路5の制御指令としての電圧指令値とインバータ主回路4から実際に出力される出力電圧と、モータ電流との関係を示す図である。図6に示すように、インバータ制御回路5からは正弦波形状の電圧指令値401が出力されているにもかかわらず、デッドタイムの影響によりインバータ主回路4から実際に出力される出力電圧403は、正弦波形状とならない。具体的には、インバータ主回路4から実際に出力される出力電圧403は、モータ電流402が正極性の時に負側にオフセットし、モータ電流402が負極性の時に正側にオフセットする。このため、モータ電流402の極性の切り替わり時に、図6の点線で囲んだ部分に示すように、出力電圧403に歪みが生じる。
図6に示すデッドタイムによる歪みを抑制するために、比較例として示したように、モータ電流が−α〜αとなる期間内で補正電圧を0とすると、上述したように、デッドタイムによる歪みを高精度に補正することができない。そこで、本実施の形態では、モータ電流が−α〜αとなる期間内では、モータ電流が−α〜αとなっている相以外の相の電圧を補正する。電動機3は一般的には三相であり、上述したようにこれらの三相はU相、V相およびW相と呼ばれる。電動機3には各相の線間電圧によって電圧が印加されるため、相電圧自体ではなく、線間電圧を補正すれば、実質的に相電圧を補正したことと同義になる。
そこで、本実施の形態では、図7に示すように、電流極性が変化するタイミングの場合に、他相で電流極性が変化する相のTdの歪みを補正する。図7は、本実施の形態のデッドタイムによる歪みを補正するための補正電圧であるTd補正電圧の一例を示す図である。図7において、期間tuはU相のモータ電流が閾値以内となる期間、期間tvはV相のモータ電流が閾値以内となる期間、期間twはW相のモータ電流が閾値以内となる期間を示している。なお、モータ電流が閾値以下とは、モータ電流が−α〜αであることを示す、すなわちモータ電流の絶対値が閾値α以下であることを示す。
図7に示すように、U相電圧の補正電圧であるTd補正電圧(U相)は、tu期間内では0となっているため、モータ電流の極性の誤検出による補正誤りが発生しない。一方、U相電圧の補正電圧だけ0にすると線間電圧においてインバータ主回路4からの出力電圧に歪みが発生する。これに対し、本実施の形態では、tu期間内では、V相とW相の補正電圧に、U相で補正すべきデッドタイムによる歪みを補正するための補正電圧分を増減することにより、等価的にU相でのTdの補正を行ったことになる。
同様に、V相、W相のモータ電流が閾値以下となる場合、すなわちモータ電流が−α〜αの範囲内である場合に、それぞれV相、W相の補正電圧を0とするとともに、モータ電流が閾値以下となっている相以外の相の2つの補正電圧を増減させることにより、等価的にモータ電流が閾値以下となっている相のデッドタイムによる歪みを補正する。モータ電流が閾値以下となっている相のデッドタイムによる歪みの補正を、該相におけるモータ電流の検出結果に基づいて実施すると、モータ電流が閾値以下、すなわちモータ電流の極性の変化点の近傍では、モータ電流の極性の誤検出が生じやすく、これにより誤った電圧補正が実施される可能性がある。これに対し、本実施の形態では、モータ電流の極性の変化点の近傍では、他相の電圧を補正することにより、線間電圧においてモータ電流の極性の変化点の近傍となる相のデッドタイムによる歪みの補正に相当する補正が反映される。このため、モータ電流の検出における極性の誤検出の影響を受けず、かつデッドタイムによる歪みを確実に補正することができる。
すなわち、本実施の形態では、電動機3の複数の相のうちの1つである第1の相に流れる電流が閾値以下となる場合に、第1の相に出力される交流電力の電圧は、第1の相の電圧指令値に対応する電圧であり、複数の相のうち第1の相以外の相である第2の相に出力される交流電力の電圧は、第2の相の電圧指令値に対応する電圧より低いまたは高い。また、インバータ制御回路5は、第1の相に流れる電流が閾値以下となる場合に、複数の相のうち第1の相以外の1つ以上の第2の相のそれぞれに印加する電圧を、第1の相に印加する電圧を補正するための補正電圧に応じて変化させる駆動信号を出力することになる。
なお、以上の例では、デッドタイムによる歪みを補正するための補正電圧の絶対値vが一定値であるとして図面等を記載したが、デッドタイムによる歪みを補正するための補正電圧の絶対値vは、v=キャリア周波数fc×デッドタイム時間td×直流電圧Vdcで表されるため、直流電圧Vdcや実際のtdに応じて変化する値として設定しておいてもよい。また、実際のtdを観測することはコストアップとなるため、モータ電流の関数として近似しておき、モータ電流等に応じて変化する値として設定しておいてもよい。
図8は、本実施の形態の補正電圧生成部53における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、デッドタイムによる歪みを補正するための補正電圧の絶対値vは、あらかじめ算出されており、補正電圧生成部53が保持しているとする。また、vをモータ電流等の関数として定義する場合には、この関数が補正電圧生成部53に設定されている、またはモータ電流等と補正電圧の絶対値との対応を補正電圧生成部53がテーブル等により保持しているとする。図8に示すように、補正電圧生成部53は、電流計測器6,7によるモータ電流の検出結果から各相の電流、すなわちモータ電流を求め、電流が閾値以内となる相があるか否かを判断する(ステップS1)。
電流が閾値以内となる相がある場合(ステップS1 Yes)、補正電圧生成部53は、電流が閾値以内の相がどの相であるか否かを判断する(ステップS2)。電流が閾値以内の相がU相の場合(ステップS2 U相)、補正電圧生成部53は、U相電圧、すなわちU相の補正電圧を0に設定し、V,W相電圧、すなわちV,W相の補正電圧は、それぞれ自相+U相分に設定する(ステップS3)。具体的には、補正電圧生成部53は、U相の補正電圧を0に設定し、U,V,W相のモータ電流の極性に応じて、U,V,W相の所望の補正電圧ΔVu,ΔVv,ΔVwを求める。所望の補正電圧であるΔVu,ΔVv,ΔVwは、ここでは、対応する相のモータ電流の極性が正の場合にはv、対応する相のモータ電流の極性が負の場合には−vであるとする。そして、補正電圧生成部53は、V相の補正電圧、W相の補正電圧を以下の式(1)により算出する。なお、V,W相の補正電圧にU相分の補正電圧を加算する場合、線間電圧においてU相分の補正電圧が反映されるよう極性は逆にする。
V相の補正電圧=ΔVv+(−ΔVu)
W相の補正電圧=ΔVw+(−ΔVu) …(1)
例えば、U相のモータ電流の極性が負であり、V相のモータ電流の極性が負であり、W相のモータ電流の極性が正である場合、上記の式(1)は以下の式(2)で表すことができる。
V相の補正電圧=−v+v=0
W相の補正電圧=v+v=2v …(2)
電流が閾値以内の相がV相の場合(ステップS2 V相)、補正電圧生成部53は、V相電圧、すなわちV相の補正電圧を0に設定し、U,W相電圧、すなわちU,W相の補正電圧は、それぞれ自相+V相分に設定する(ステップS4)。U,W相の補正電圧は、以下の式(3)により算出することができる。
U相の補正電圧=ΔVu+(−ΔVv)
W相の補正電圧=ΔVw+(−ΔVv) …(3)
電流が閾値以内の相がW相の場合(ステップS2 W相)、補正電圧生成部53は、W相電圧、すなわちW相の補正電圧を0に設定し、U,V相電圧、すなわちU,V相の補正電圧は、それぞれ自相+W相分に設定する(ステップS5)。U,V相の補正電圧は、以下の式(4)により算出することができる。
U相の補正電圧=ΔVu+(−ΔVw)
V相の補正電圧=ΔVv+(−ΔVw) …(4)
電流が閾値以内となる相がない場合(ステップS1 No)、補正電圧生成部53は、U,V,Wの全相の補正電圧を、自相分のみとする(ステップS6)。すなわち、補正電圧生成部53は、U,V,W相の補正電圧をそれぞれ、上述のΔVu,ΔVv,ΔVwとする。
また、電流が閾値以内となる相は、モータ電流の検出において極性の誤検出が生じる可能性がある。このため、モータ電流が閾値以内となる相は、他の2相のモータ電流から3相平衡の条件により算出したモータ電流を用いてもよい。ただし、この場合、図1の構成例に対し、V相に対応する電流検出器を追加する。図9は、3相平衡を仮定してモータ電流が閾値以内となる相のモータ電流を算出する場合の補正電圧生成部53における処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップS1,S2,S6は、図8に示した例と同様である。
電流が閾値以内の相がU相の場合(ステップS2 U相)、補正電圧生成部53は、以下の式(5)によりU相電流を求める(ステップS11)。なお、U相電流はU相のモータ電流であり、V相電流はV相のモータ電流であり、W相電流はW相のモータ電流である。
U相電流=−V相電流−W相電流 …(5)
次に、補正電圧生成部53は、ステップS11で求めたU相電流を用いて、図8のステップS3と同様に、U,V,W相の補正電圧を算出する(ステップS12)。
電流が閾値以内の相がV相の場合(ステップS2 V相)、補正電圧生成部53は、以下の式(6)によりV相電流を求める(ステップS13)。
V相電流=−U相電流−W相電流 …(6)
次に、補正電圧生成部53は、ステップS13で求めたV相電流を用いて、図8のステップS4と同様に、U,V,W相の補正電圧を算出する(ステップS14)。
電流が閾値以内の相がW相の場合(ステップS2 W相)、補正電圧生成部53は、以下の式(7)によりW相電流を求める(ステップS15)。
W相電流=−U相電流−V相電流 …(7)
次に、補正電圧生成部53は、ステップS15で求めたW相電流を用いて、図8のステップS5と同様に、U,V,W相の補正電圧を算出する(ステップS16)。
図9に示したように、電流が閾値以内の相のモータ電流を他相のモータ電流を用いて算出することにより、モータ電流を高精度に検出することができ、さらに図8の例と同様に他相の電圧でデッドタイムによる歪みを補正するので、極性の誤検出が発生することによる誤補正を抑制することができる。図8の例では、電流が閾値以内の相のモータ電流の精度が高くなるため、他相の電圧でデッドタイムにより歪みを補正する際の補正精度を図7の例に比べて高めることができる。
また、GaN、SiC、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体でインバータ主回路部4を構成した場合、スイッチング速度が速く、電圧の時間変化率であるdv/dtが大きい。このため、モータ電流の極性の変化点近傍でデッドタイムによる歪みを補正すると、補正による電流変化率di/dtが大きく変化し、di/dtによるノイズが大きくなるといった課題がある。本実施の形態では、モータ電流の極性の変化点近傍では他相にてデッドタイムによる歪みを補正するので、ワイドバンドギャップ半導体を適用してもデッドタイムによる歪みに依存したノイズを増大させることなく、デッドタイムによる歪みを精度よく補正できる。
なお、本実施の形態では、3相の電動機3を制御する例について説明したが、3相に限定されず2相以上の電動機を制御する電動機駆動装置においても本実施の形態と同様のデッドタイムによる歪みの補正を行うことができる。すなわち、電流が閾値以内の相のデッドタイムによる歪みを補正するための補正電圧を0とし、電流が閾値以内の相で補正すべき補正電圧を他相の補正電圧により補正するようにすればよい。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2の空気調和機の構成例を示す図である。本実施の形態の空気調和機は、実施の形態1で述べた電動機駆動装置100を備える。本実施の形態の空気調和機は、実施の形態1の電動機3を内蔵した圧縮機81、四方弁82、室外熱交換器83、膨張弁84、室内熱交換器85が冷媒配管86を介して取り付けられた冷凍サイクルを有して、セパレート形空気調和機を構成している。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付している。
圧縮機81内部には冷媒を圧縮する圧縮機構87とこれを動作させる電動機3が設けられ、圧縮機81から室外熱交換器83と室内熱交換器85間を冷媒が循環することで冷暖房などを行う冷凍サイクルが構成されている。なお、図10に示した構成は、空気調和機だけでなく、冷蔵庫、冷凍庫等の冷凍サイクルを備える冷凍サイクル装置に適用可能である。
本実施の形態の空気調和機では、実施の形態1で述べた電動機駆動装置を備えているため、デッドタイムによる電圧歪みを高い精度で補正することができ、電動機3の回転速度変動および電動機3からの電磁音増大等を低減させることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 直流電源、2 平滑コンデンサ、3 電動機、4 インバータ主回路、4a,4b,4c,4d,4e,4f スイッチング素子、5 インバータ制御回路、6,7 電流計測器、51 駆動信号生成部、52 電圧指令演算部、53 補正電圧生成部、81 圧縮機、82 四方弁、83 室外熱交換器、84 膨張弁、85 室内熱交換器、86 冷媒配管、87 圧縮機構、100 電動機駆動装置。

Claims (7)

  1. 電動機の複数の相のそれぞれに交流電力を出力するインバータ
    前記複数の相のうちの1つである第1の相に流れる電流が閾値以下となる場合に、前記複数の相のうちの第2の相のそれぞれに印加する電圧を、前記第1の相に印加する電圧を補正するための補正電圧に応じて変化させる駆動信号を出力する制御部と、
    を備える電動機駆動装置。
  2. 前記インバータは、直列接続されたスイッチング素子群で構成されるアームを、前記複数の相の数だけ有し、
    前記補正電圧は、前記第1の相に対応する前記アームを構成する前記スイッチング素子群が同時に閉とならないように設けられる短絡防止時間により生じる前記インバータの出力電圧の歪を補正するための補正電圧である請求項に記載の電動機駆動装置。
  3. 前記スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体によって形成されている請求項に記載の電動機駆動装置。
  4. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素である請求項に記載の電動機駆動装置。
  5. 前記複数の相のそれぞれを流れる電流をそれぞれ検出する複数の電流検出器、
    を備え、
    前記第1の相を流れる電流を、前記第2の相を流れる電流を検出した電流検出器による検出結果に基づいて算出する請求項1からのいずれか1つに記載の電動機駆動装置。
  6. 前記電動機は、圧縮機に内蔵される請求項1からのいずれか1つに記載の電動機駆動装置。
  7. 請求項1からのいずれか1つに記載の電動機駆動装置を備える冷凍サイクル装置。
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