JP6429276B2 - 制動制御装置または制動制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制動制御に関する。
所定の条件が成立すると電気制動から摩擦制動へすり替える制動制御装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開2013−86626号公報
従来、すり替え時、摩擦制動装置の応答遅れにより、車両減速度の低下を招くおそれがある。
本発明の制動制御装置は、好ましくは、電気制動力を減少させる前に摩擦制動装置を作動させる。
よって、車両減速度の低下を抑制できる。
実施形態の制駆動制御システムのブロック線図である。 実施形態の回生協調制御部のブロック線図である。 実施形態のクリアランス補正後液圧演算部のブロック線図である。 実施形態のオフセット液圧を決定するためのマップを示す。 実施形態の運転者要求制動力演算部のブロック線図である。 実施形態の回生トルク制限値を決定するためのマップを示す。 実施形態の回生トルク目標値決定部のブロック線図である。 実施形態の目標液圧決定部のブロック線図である。 実施形態のすり替え前増圧判断部のブロック線図である。 実施形態の増圧開始トルク偏差を決定するためのマップを示す。 実施形態のすり替え前増圧加算部のブロック線図である。 液圧と減速度との関係を示す特性図である。 従来の回生協調制御におけるタイムチャートである。 実施形態の回生協調制御におけるタイムチャートである。 実施形態の低車速で制動操作が行われたときの回生協調制御におけるタイムチャートである。
以下、本発明の制動制御装置および制動制御方法を実施するための形態を、図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
(構成)
まず、構成を説明する。本実施形態の制動制御装置は、車両における制駆動制御システムに適用される。車両は電気自動車である。なお、車両はハイブリッド車でもよい。車両は、モータユニットと、液圧制動ユニットと、液圧制御ユニットHUと、各種コントローラを有する。モータユニットは、モータ、バッテリ、および電力変換装置(インバータ)等を備える。モータは、車輪に対してシャフト等を介して連結される電動機であり、例えば交流同期モータが用いられる。モータは、インホイールモータであってもよい。モータは、車輪に駆動用のトルクを供給するモータとして機能すると共に、車輪からのトルクにより回転されることで発電する発電機としても機能する。後者の場面で、モータユニットは、回生制動装置(電気制動装置)であり、車輪に対して回生制動力(電気制動力)を発生させる。
液圧制動ユニットは、所定の車輪毎に設けられ、液圧により作動することによって当該車輪に対して摩擦制動力(液圧制動力)を発生させる摩擦制動装置(液圧制動装置)である。液圧制動ユニットはディスクブレーキであり、ロータとキャリパを備える。ロータは、車輪と共に回転する回転部材(ディスク)である。キャリパは、パッドとピストンとシリンダを備える。パッドは、(キャリパの非作動状態で)ロータに対して所定のクリアランスをおいて配置される摩擦部材である。シリンダに供給される液圧によりピストンがパッドをロータに向けて押す。パッドが移動してロータに接触することで、この車輪に摩擦による制動力(摩擦制動力)が発生する。なお、液圧制動ユニットはドラムブレーキでもよく、上記ロータの代わりにドラムを用い、上記パッドの代わりにシューを用いてもよい。液圧制御ユニットHUは、ブレーキ配管を介してマスタシリンダおよび各キャリパに接続される。HUは、液圧発生源としてのポンプモータ、液圧回路、液路を開閉する電磁弁、および液圧回路中の液圧を検出する液圧センサ等を有するユニットである。HUは、各キャリパに対して個別に液圧を供給し、各液圧制動ユニットを個別に作動させることが可能である。各種コントローラは、モータを制御するモータコントローラMCと、HUを制御する制動制御コントローラ1と、車両の制駆動状態を制御する車両統合コントローラVCMとを含む。
図1は、制駆動制御システムの構成を示す。制駆動制御システムは、上記各種コントローラを有する。MCは、センサからの入力を受けて、モータが実際に発生するトルク(実モータトルクT)や回転数(実モータ回転数N)を検出または算出する。MCは、VCMからモータトルク指令T*の入力を受けてTを制御すると共に、VCMへTやNを出力する。制動制御コントローラ1は、センサからの入力を受けて運転者の制動操作量を検出または算出(以下、単に検出という。)する。制動操作量は、例えばブレーキペダルのストローク量BPSである。なお、制動操作量はマスタシリンダ液圧等でもよい。制動制御コントローラ1は、HUから液圧センサ値Psの入力を受け、HUへ電磁弁やポンプモータの駆動電流Iを出力する。VCMは、回生協調制御許可信号CLRおよびTやNを制動制御コントローラ1へ出力する。制動制御コントローラ1は、CLR等の入力を受けて、回生トルク目標値tTを算出する。回生トルクは、回生制動力(電気制動力)に相当する電気制動トルクである。VCMは、制動制御コントローラ1からtTの入力を受けて、回生トルク指令T*をMCへ出力する。
制動制御コントローラ1は、運転者要求相当液圧演算部2と、回生協調制御部3と、倍力制御部4を有する。運転者要求相当液圧演算部2は、運転者の制動操作が検出されると、制動操作検出フラグFLG1を立てる(例えばフラグを0から1にする。以下、同様)。また、検出された制動操作量BPSに基づき、運転者要求相当液圧Pdを算出する。回生協調制御部3は、運転者要求相当液圧演算部2からのFLG1およびPd、ならびに、VCMからのCLR等の入力を受けて、回生協調液圧指令P*およびtTを算出する。倍力制御部4は、検出されたBPS、運転者要求相当液圧演算部2からのPd、および回生協調制御部3からのP*の入力を受けて、最終的な液圧指令を算出し、HUへIを出力する。回生協調制御部3は、運転者の制動操作中であって液圧制動ユニットが非作動であり回生制動装置が作動(回生制動力が発生)しているとき、所定の条件が成立すると、算出された目標制動力(運転者要求制動力Fd)を実現するように回生制動力を減少させ摩擦制動力を増加させる回生協調制御(以下、これをすり替え(制御)という。)を行う。図2は、回生協調制御部3の構成を示す。回生協調制御部3は、クリアランス補正後液圧演算部30と、運転者要求制動力演算部31と、回生トルク制限値決定部32と、回生トルク目標値決定部33と、目標液圧決定部34と、すり替え前増圧判断部35と、すり替え前増圧加算部36とを有する。
クリアランス補正後液圧演算部30は、運転者要求相当液圧演算部2からのPdの入力を受けて、クリアランス補正後液圧Pd_hおよびオフセット増圧値(増圧分液圧目標値)tΔPを算出する。図3は、クリアランス補正後液圧演算部30の構成を示す。クリアランス補正後液圧演算部30は、オフセット液圧決定部300と、減算部301と、第1比較部302と、第2比較部303を有する。オフセット液圧決定部300は、Pdに基づきオフセット液圧(増圧分液圧)ΔPを決定する。図4は、オフセット液圧決定部300が用いるマップを示す。Pdが所定値Pd1未満では、ΔPがPdに応じた値になり、Pdが高いときは低いときよりもΔPが大きくなる。具体的には、ΔPはPdに比例する。PdがPd1以上では、Pdの大きさにかかわらず、ΔPは一定値ΔP1になる。減算部301は、PdからΔPを減じた値を算出する。第1比較部302は、PdからΔPを減じた値と0とを比較し、両者のうち大きい方をクリアランス補正後液圧Pd_hとして出力する。第2比較部303は、PdとΔPとを比較し、両者のうち小さい方をオフセット増圧値tΔPとして出力する。
運転者要求制動力演算部31は、運転者要求相当液圧演算部2からのFLG1の入力、およびクリアランス補正後液圧演算部30からのPd_hの入力を受けて、運転者要求制動力Fdを算出する。図5は、運転者要求制動力演算部31の構成を示す。運転者要求制動力演算部31は、比較部310と、スイッチ部311と、前後輪分配部312と、前輪側積算部313と、前左右輪分配部314と、後輪側積算部315と、後左右輪分配部316と、加算部317とを有する。比較部310は、Pd_hと0とを比較し、両者のうち大きい方を出力する。スイッチ部311は、FLG1が立っているときは比較部310から入力された値を出力し、FLG1が立っていないときは0を出力する。前後輪分配部312は、スイッチ部311から入力された液圧値を所定の割合で前輪側と後輪側に分配する。前輪側積算部313は、所定の前輪制動係数Cbfを上記前輪側に分配された液圧値に乗じることでこれを制動力へ換算する。前左右輪分配部314は、前輪側積算部313から入力された制動力値を所定の割合で前左輪側と前右輪側に分配する。後輪側積算部315は、所定の後輪制動係数Cbrを上記後輪側に分配された液圧値に乗じることでこれを制動力へ換算する。後左右輪分配部316は、後輪側積算部315から入力された制動力値を所定の割合で後左輪側と後右輪側に分配する。加算部317は、前左右輪分配部314および後左右輪分配部316から入力された各制動力値を加えることで運転者要求制動力Fdを算出する。
回生トルク制限値決定部32は、VCMからのNの入力を受けて、回生トルクの大きさの上限値(以下、回生トルク制限値という。)Tmaxを決定する。図6は、回生トルク制限値決定部32が用いるマップを示す。横軸は実モータ回転数N(rpm)を示す。縦軸は回生トルクT(Nm)を示す。細い実線は、回生協調制御で設定する回生トルク制限値Tmax1を示す。点線は、モータ・バッテリによる回生トルク制限値Tmax2を示す。太い実線は、最終的な回生トルク制限値Tmaxを示す。なお、一点鎖線は、Fdに相当する回生トルク(運転者要求制動力相当回生トルクT_Fd)を示す。Tmax1は、Nが0から第1の所定値N0までの範囲では0であり、NがN0以上の範囲ではNに比例する(Nが大きくなるのに応じて第1の割合で大きくなる)。Nは車速Vに相当する。すなわち、Tmax1は、低車速時に回生制動から液圧制動へ切り替えるためのパラメータであり、Vに応じた値に設定される。Tmax2は、Nが0からN0までの範囲では0であり、NがN0以上かつ第2の所定値N1未満の範囲ではNに比例する(Nが大きくなるのに応じて第2の割合で大きくなる)。Tmax2は、NがN1以上の範囲ではNに関わらず一定値Tmax0である。Tmax2は、モータユニットを保護するためのパラメータであり、Nに応じた値に設定される。回生トルク制限値決定部32は、Tmax1とTmax2のうち小さい方を、最終的な回生トルク制限値(以下、単に回生トルク制限値という。)Tmaxとする。図6のマップにおいて、Tmax1を示す細い実線とTmax2を示す点線とが交差するN2未満の範囲で、TmaxはTmax1となる。N2以上の範囲で、TmaxはTmax2(Tmax0)となる。
回生トルク目標値決定部33は、運転者要求制動力演算部31からのFdの入力、および回生トルク制限値決定部32からのTmaxの入力を受けて、回生トルク目標値tTを決定する。図7は、回生トルク目標値決定部33の構成を示す。回生トルク目標値決定部33は、積算部330と比較部331を有する。積算部330は、Fdに所定の制動力−トルク変換定数Cf-tを乗じることでこれをトルク(運転者要求制動力相当回生トルクT_Fd)へ換算する。比較部331は、T_FdとTmaxとを比較し、両者のうち小さい方をtTとして出力する。例えば、図6のマップにおいて、T_FdがTmax0を超える場合は、Nの全範囲においてTmaxがtTとなる。T_FdがTmax0を下回る場合は、T_Fdを示す一点鎖線とTmaxを示す太い実線とが交差するN未満の範囲で、TmaxがtTとなり、上記交差するN以上の範囲で、T_FdがtTとなる。
目標液圧決定部34は、VCMからのTの入力、および運転者要求制動力演算部31からのFdの入力を受けて、回生協調目標液圧tPを決定する。図8は、目標液圧決定部34の構成を示す。目標液圧決定部34は、第1積算部340と、減算部341と、第2積算部342を有する。第1積算部340は、Tに所定のトルク−制動力変換定数Ct-fを乗じることでこれを制動力(実回生制動力Fr)へ換算する。減算部341は、FdからFrを減じることで目標摩擦制動力tFfを算出する。第2積算部342は、tFfに所定の制動力−トルク変換定数Cf-tを乗じることでこれを液圧(回生協調目標液圧tP)へ換算する。
すり替え前増圧判断部35は、回生トルク制限値決定部32からのTmaxの入力、回生トルク目標値決定部33からのTt(T_Fd)の入力、および運転者要求相当液圧演算部2からのPdの入力を受けて、すり替え前の増圧を行うか否かを判断する。肯定判断すると、すり替え前増圧制御フラグFLG2を立てる。図9は、すり替え前増圧判断部35の構成を示す。すり替え前増圧判断部35は、減算部350と、第1比較部351と、増圧開始トルク偏差決定部352と、第2比較部353を有する。減算部350は、TmaxからT_Fdを減じることで回生トルク偏差δTを算出する。第1比較部351は、δTと0とを比較し、両者のうち大きい方を出力する。増圧開始トルク偏差決定部352は、Pdに基づき増圧開始トルク偏差ΔTを決定する。ΔTは、すり替えの前にキャリパ(シリンダ)の増圧を実行するか否かを判断するための閾値である。図10は、増圧開始トルク偏差決定部352が用いるマップを示す。Pdが所定値Pd2未満では、ΔTがPdに応じた値になる。Pdが高いときは低いときよりもΔTが大きくなる。具体的には、ΔTはPdに比例する。PdがPd2以上では、Pdの大きさにかかわらず、ΔTは一定値になる。第2比較部353は、第1比較部351から入力される値とΔTとを比較し、前者が後者を下回ると、すり替え前増圧制御フラグFLG2を立てる。
すり替え前増圧加算部36は、目標液圧決定部34からのtPの入力、クリアランス補正後液圧演算部30からのtΔPの入力、運転者要求相当液圧演算部2からのFLG1の入力、およびすり替え前増圧判断部35からのFLG2の入力を受けて、回生協調液圧指令P*を算出する。図11は、すり替え前増圧加算部36の構成を示す。すり替え前増圧加算部36は、第1スイッチ部360と、第2スイッチ部361と、第3スイッチ部362と、減算部363と、比較部364と、第1加算部365と、第2加算部366とを有する。第1スイッチ部360は、FLG2が立っているときは1を出力し、FLG2が立っていないときは第2スイッチ部361の出力の前回値を出力する。第2スイッチ部361は、FLG1が立っているときは第1スイッチ部360からの入力を出力し、FLG1が立っていないときは0を出力する。第3スイッチ部362は、第2スイッチ部361からの入力が1であるときはtΔPを出力し、第2スイッチ部361からの入力が0であるときは0を出力する。すなわち、FLG2およびFLG1が共に立っているときにtΔPを出力し、それ以外のときは0を出力する。減算部363は、第3スイッチ部362から入力される値から、第1加算部365の出力(後述するオフセット増圧指令tΔP*)の前回値を減じた値を算出する。比較部364は、減算部363から入力される値と所定の増圧レート値dPとを比較し、両者のうち小さい方を出力する。第1加算部365は、当該第1加算部365の出力(tΔP*)の前回値に、比較部364から入力される値を加えることで、今回のオフセット増圧指令(増圧分液圧指令)tΔP*を算出する。すなわち、基本的に、dPを累計することでtΔP*を算出する。第2加算部366は、tPに、第1加算部365から入力されるtΔP*を加えることで、P*を算出する。すなわち、tPにtΔPを加算する際、基本的に、dPの累計がtΔPになるまで、tPにdPを徐々に足し込む。
(作用)
次に、作用効果を説明する。液圧制動ユニットは、ある一定以上の液圧が発生した状態でないと、車両の減速度Gを発生しない。これは、ロータとパッドとの間のクリアランスのため、摩擦制動力が発生しない液圧領域があるためである。図12は、液圧Pと減速度Gとの関係を示す。実際の摩擦制動では、実線で示すように、P0からP1までの液圧領域ではGが発生せず、PがP1以上になると、Gが発生する。一方、従来の回生協調制御では、点線で示すように、Gが発生する液圧PをP1でなくP0としている。よって、回生制動力を減少させ摩擦制動力を増加させるすり替えの開始時に、PがP0からP1まで上昇するまでの間、摩擦制動力によるGが発生しない一方、摩擦制動力によるGが発生している前提で回生制動力が減少される。このため、全体としての制動力が一時的に不足してGが低下する。この一時的なGの低下が乗員に対し違和感を与え、乗り心地の低下を招くおそれがある。例えば、運転者の制動操作量が一定である状態で、(車速が低下する等が原因で)すり替えが行われるような場合、運転者に違和感を与えるおそれが高い。なお、図12でPがP3まで上昇すれば、点線に対する実線のGの低下は解消される。よって、全体としての制動力の一時的な不足も解消される。
図13は、従来の回生協調制御において、すり替え時に上記Gの低下が発生する様子を示すタイムチャートである。時刻t1で、制動操作量BPSが閾値BPS*を超える。制動操作が行われたと判断し、回生協調制御を開始する。t1以後、t2まで、車速Vが十分に高いため、BPSに応じた運転者要求制動力Fdが回生制動力のみにより賄われる。回生トルク目標値(モータが発生する実トルクTと同視できる)に相当する制動力F_tTは、Fdに一致する。回生制動力F_tTに応じたGが発生し、Vは徐々に低下する。時刻t2で、Vがすり替え開始車速Vstを下回る。よって、すり替えを開始する。t2以後、Vがすり替え終了車速Ved以下になるt3まで、すり替えを実行する。すなわち、Fdを実現するようにF_tTを減少させF_tPを増加させる。F_tPは、回生協調制御における目標液圧tPに相当する摩擦制動力である。ここで、P0からP3までの液圧領域でもGがPに応じて(図12の点線のように)発生する特性を前提として、tPが設定されている。時刻t2以後、tPをP0から上昇させる際、tPがP3まで上昇するまでの間、実際に発生する摩擦制動力は、F_tPよりも不足する。このため、t2の直後、一時的に、全体としての制動力がFdよりも不足してGが低下する。
これに対し、本実施形態の制動制御装置は、すり替えを開始する前に、オフセット増圧指令tΔP*を出力し、ロータとパッドとの間のクリアランスを予め小さくしておく。例えば、図12におけるP0よりも高く、かつP1までの間の所定液圧(オフセット液圧ΔP)を出力しておく。これにより、すり替えを開始した後の比較的早期に、tP(P*)の上昇に応じて摩擦制動力が実際に発生し、この実際に発生する摩擦制動力が比較的早期にF_tPに追従するようになる。よって、一時的なGの低下が抑制される。図14は、本実施形態の回生協調制御において、すり替え時に上記Gの低下の発生が抑制される様子を示すタイムチャートである。図13と相違する点のみ説明する。すり替え開始の判断には、回生トルク制限値Tmaxを用いる。Tmaxと要求制動力相当回生トルクT_Fdとの偏差δTが0になる(すなわちTmaxがT_Fdを下回る。以下、同様。)とき、すり替えを開始する。車速V(実モータ回転数N)の低下に伴い、時刻t11で、Tmaxが減少し始め、これに伴いδTも減少し始める。時刻t2で、δTが0になるため、すり替えを開始する。すり替えを開始する手前の時刻t12で、キャリパの増圧指令を出す。すなわち、時刻t12で、δTが閾値ΔTを下回るため、増圧を開始する。以後、時刻t2まで、増圧を行う。具体的には、t12で、δTがΔTを下回ると、FLG2を立てる。増圧レート値dPで徐々に増加するオフセット増圧指令tΔP*を回生協調目標液圧tPに加えることで、回生協調液圧指令P*を算出する。t12以後、すり替えが開始されるt2まで、tPは0であるため、P*はtΔP*と一致する。t2でP*はtΔPになる(ΔPが出力される)ものとする。すり替えを開始する手前の時刻t12〜t2で、tΔP*を出力し、増圧することで、t2ですり替えを開始する時点において、クリアランスが小さくなっている。よって、すり替えを開始したt2の直後、比較的早期に、摩擦制動力が実際に発生する。よって、Gの一時的な低下が抑制される。
上記のように、δTが0になると、すり替えを開始する(時刻t2)。低車速(低モータ回転数)時には十分な回生制動力を発生できないため、液圧制動へ切り替える。切り替えが完了するすり替え終了車速Vedは予め設定されている。回生協調制御では、キャリパの最大増圧勾配ですり替えを行った場合、車速VがVedとなるときにすり替えを終了できるように、回生トルク制限値Tmax1を設定する。ここで、キャリパの最大増圧勾配とは、液圧制御ユニットHUによるキャリパの増圧勾配の上限値であり、好ましくは、HUにおけるポンプモータの作動音が乗員に違和感を与えない程度の増圧勾配である。図6に示すように、Tmax1は、実モータ回転数N(車速V)に応じて設定される。NがN0以下の範囲では、Tmax1が0とされ、回生制動が禁止される。NがN0以上の範囲では、Tmax1は、Nが高いほど大きくなるように設定されている。Nに対するTmax1の勾配(第1の割合)は、上記最大増圧勾配に応じて決定される。Nが高いほどVがVedまで低下するまでの時間が長いと想定されるところ、Nが高いほど、Tmax1が大きくなることで、Tmax1とT_Fdとの偏差δTが大きくなり、すり替えの開始が抑制される。よって、より長く回生を実行でき、より多くのエネルギーを回収できる。また、Nが低いほどVがVedまで低下するまでの時間が短いと想定されるところ、Nが低いほど、Tmax1が小さくなることで、δTが小さくなり、すり替えの開始が促される。よって、適切にすり替えを実行できる。Tmax1の特性(Nに対する勾配等)は車両毎に適宜設定可能である。なお、最終的なTmaxを決定する際には、Tmax1だけでなく、Tmax2を用いる。Tmax2は、NがN1以上の範囲では一定値Tmax0である。すなわち、回生トルクがTmax0以下に制限される。これにより、モータユニットを保護することができる。なお、算出または検出された車速Vが、予め設定された車速(すり替え開始車速Vst)を下回ると、すり替えを開始するようにしてもよい。この場合、運転者の要求制動力を反映するパラメータ(制動操作量BPS等)に応じてVstを変化させてもよい。
上記のように、運転者の制動操作開始後にすり替え前の増圧を開始する。よって、すり替え前における過度な早期に増圧が開始され不必要な摩擦制動力(無駄な負荷)が発生することが抑制される。また、δTがΔTを下回ると、すり替え前の増圧を開始する(時刻t12)。図10に示すように、PdがPd2以下の範囲では、ΔTは、Pdが高いほど大きくなるように設定されている。Pdが高いほど運転者が大きなGを要求していると想定されるところ、Pdが高いほどΔTが大きくなることで、すり替え前のより早期に増圧が開始される。よって、より確実にクリアランスが小さくなってGの減少が抑制されるため、違和感をより効果的に軽減することができる。また、Pdが低いほど不必要な摩擦制動力の発生が違和感を与えるおそれが大きくなるところ、Pdが低いほどΔTが小さくなることで、すり替え開始のより直前に増圧が開始される。よって、より確実に、不必要な摩擦制動力の発生が抑制される。なお、Pdがある程度(Pd2)以上高くなるとΔTがそれ以上大きくならず一定値ΔT1になるように設定されている。よって、すり替え前における過度な早期に増圧が開始され不必要な摩擦制動力が発生することが抑制される。
すり替え開始前に、クリアランスを極力小さくしておく(ガタ詰めしておく)ためには、例えば図12のP1を出力することが好ましい。しかし、ロータとパッドとの間に過度な摩擦力を発生させず、かつクリアランスが0となるような液圧(オフセット液圧ΔP)は、実際には雨等の走行条件やパッドの摩耗等により変動するため、特定することが容易でない。そこで、例えば図4に示すようにオフセット液圧ΔPを予め設定する。ΔPは、Pdがある程度(Pd1)以上高くなると一定値ΔP1になるように設定されている。ΔP1は、例えば、所定の走行条件で、クリアランスが略0となり、かつ、ロータとパッドとの間に発生する摩擦力が略0となるような値とする。ΔP1は実験やシミュレーション等により設定できる。このようにΔPをΔP1以下に設定することで、すり替え前にクリアランスが過度に小さく(パッド等の押付け力が過度に大きく)なって不必要な摩擦制動力が発生する事態が抑制される。PdがPd1以下の範囲では、ΔPは、Pdが高いほど大きくなるように設定されている。Pdが高いほどGの減少が違和感を与えるおそれが大きくなるところ、Pdが高いほどΔPが大きくなることで、より確実にクリアランスが小さくなり、Gの減少が抑制される。よって、違和感をより効果的に軽減することができる。また、Pdが低いほど不必要な摩擦制動力の発生が違和感を与えるおそれが大きくなるところ、Pdが低いほどΔPが小さくなることで、より確実に、不必要な摩擦制動力の発生が抑制される。
なお、すり替え前増圧加算部36でP*を算出するに際しては、クリアランス補正後液圧演算部30でPdからΔPを差し引いて算出したクリアランス補正後液圧Pd_h(これに基づき算出されるtP)を用いる。よって、すり替え前(時刻t12〜t2)にPをΔPまで増加させておいても、その後、すり替え時(時刻t2〜t3)等に用いるtP(P*)からはΔPの分が予め引かれているため、実際のPが過大になることが抑制される。
低車速で運転者が制動操作を行った場合や、制動操作が急に行われた場合(ブレーキペダルの急踏み時)等、すり替え前の増圧を行っている最中(P*=tΔP*がtΔPになる前)にすり替えを開始せざるを得ないときがある。このとき、すり替え開始前にすり替え前の増圧を完了させよう(P*を予めtΔPにしておこう)とすると、すり替え前の増圧勾配が過度に大きくなり、これによりGが変動してショックを生じるおそれがある。これに対し、本実施形態の装置では、すり替え開始時点ですり替え前の増圧が完了しなくてもよいものとしており、すり替え前の増圧勾配(tΔP*の増加勾配であるdP)は一定値である。図15は、本実施形態の回生協調制御において、低車速で運転者が制動操作を行った場合、すり替え開始時点ですり替え前の増圧が完了しないときのタイムチャートである。図14と相違する点のみ説明する。低車速で制動操作が行われる。よって、制動操作時(時刻t1)の車速Vとすり替え開始車速Vstとの差が小さい。すなわち、すり替えが比較的早期に開始される。δTがΔTを下回ってすり替え前の増圧を開始する時刻t12から、δTが0になってすり替えを開始する時刻t2までの期間が短い。すり替え前の増圧では、dPでtΔP*が増加される。t12から所定時間経過後の時刻t21で、tΔP*がtΔPに達し、すり替え前の増圧が完了する。このt21では、すり替えがすでに開始されている。dPは、上記ショックの発生が抑制される所定の値に設定されている。よって、すり替え前の増圧に起因する上記ショックの発生が抑制される。なお、すり替えが開始される時刻t2以前に増圧が行われることでGの一時的な低下が抑制されることは、上記の通りである。なお、dPは、一定値でなく、PdやtΔPに応じて変化する値でもよい。例えば、tΔPが大きいときは小さいときよりもdPが大きくなるように、dPを変化させてもよい。この場合、より適当なタイミングですり替え前の増圧を完了させることができると共に、dPを上記ショックの発生が抑制される範囲内に設定すれば上記作用効果を得ることができる。
(効果)
以下、本実施形態の制動制御装置または制動制御方法が奏する効果を列挙する。
(1) 車輪に対して電気制動力を発生させるモータユニット(電気制動装置)と、作動することによって車輪に対して摩擦制動力を発生させる液圧制動ユニット(摩擦制動装置)とを備えた車両の制動制御コントローラ1(制動制御装置)であって、運転者要求制動力Fd(目標制動力)を算出する運転者要求制動力演算部31(目標制動力演算部)と、所定の条件(Tmax<T_Fd)が成立すると、算出されたFdを実現するように電気制動力を減少させ摩擦制動力を増加させる制御であるすり替えを行う回生トルク目標値決定部33、目標液圧決定部34、およびすり替え前増圧加算部36(すり替え制御部)と、電気制動力を減少させる前に液圧制動ユニットを作動させるすり替え前増圧判断部35およびすり替え前増圧加算部36(摩擦制動制御部)とを備えた。
電気制動力を減少させる前に液圧制動ユニットを作動させることで、減速度Gの低下を抑制できる。
(9) 制動制御コントローラ1(車両の制動制御装置)は、ブレーキペダルのストローク量BPS(運転者の制動操作状態)に基づき運転者要求制動力Fd(目標制動力)を算出する運転者要求制動力演算部31(目標制動力演算部)と、算出されたFdとなるよう、車両に設けられたモータユニット(回生制動装置)により発生させる回生制動力を算出し、所定の条件(Tmax<T_Fd)が成立すると回生制動力を減少させ、回生制動力の減少より前に、液圧制動ユニット(摩擦制動装置)により発生させる摩擦制動力を増加させるすり替え制御を行う回生トルク目標値決定部33、目標液圧決定部34、すり替え前増圧判断部35およびすり替え前増圧加算部36(すり替え摩擦制動制御部)とを備えた。
回生制動力を減少させる前に摩擦制動力を増加させることで、減速度Gの低下を抑制できる。
(2) すり替え前増圧判断部35およびすり替え前増圧加算部36(摩擦制動制御部、すり替え摩擦制動制御部)は、所定の条件(Tmax<T_Fd)が成立する前に液圧制動ユニット(摩擦制動装置)を作動させる。
すり替えを行う前に先行して液圧制動ユニットを作動させることで、すり替え時における減速度Gの低下を抑制できる。
(3)(11) 液圧制動ユニット(摩擦制動装置)は、車輪と共に回転するロータと、ロータに対して所定のクリアランスをおいて配置され、ロータに接触することで摩擦制動力を発生させるパッドとを備え、すり替え前増圧判断部35およびすり替え前増圧加算部36(摩擦制動制御部、すり替え摩擦制動制御部)は、所定の条件(Tmax<T_Fd)が成立する前にクリアランスを低減するように液圧制動ユニットを作動させる。
クリアランスを低減するように液圧制動ユニットを作動させることで、すり替え時における減速度Gの低下をより確実に抑制できる。
(6) 回生トルク目標値決定部33、目標液圧決定部34、およびすり替え前増圧加算部36(すり替え制御部、すり替え摩擦制動制御部)によるすり替えを終了させる車速であるすり替え終了車速Vedを設定し、電気制動力に相当するトルクである電気制動トルク(回生トルク)を制限値Tmaxに沿って減少させたときにVedですり替えが終了するよう、制限値Tmaxを設定する回生トルク制限値決定部32(電気制動トルク制限値設定部)を備え、所定の条件は、運転者要求制動力相当回生トルクT_Fd(目標制動力に相当する電気制動トルク)をTmaxが下回るときである。
(Vedですり替えが終了するよう設定された)制限値TmaxがT_Fdを下回るとすり替えを行うことで、すり替えを精度よく行うことができる。
(7)(15) すり替え前増圧判断部35およびすり替え前増圧加算部36(摩擦制動制御部、すり替え摩擦制動制御部)は、運転者要求制動力相当回生トルクT_Fd(目標制動力に相当する電気制動トルク)よりも制限値Tmaxが大きい状態で、T_FdとTmaxとの偏差δTが所定の偏差ΔT以下になったとき、液圧制動ユニット(摩擦制動装置)の作動を開始する。
δTがΔT以下になったとき液圧制動ユニットの作動を開始することで、液圧制動ユニットの作動開始タイミングを適切に設定できる。例えば、無駄な負荷を抑制できる。
(8)(14) 運転者要求制動力演算部31(目標制動力演算部)は、ブレーキペダルのストローク量BPS(運転者の制動操作状態)に応じて運転者要求制動力Fd(目標制動力)を算出し、すり替え前増圧判断部35およびすり替え前増圧加算部36(摩擦制動制御部、すり替え摩擦制動制御部)は、運転者の制動操作開始後、所定の条件(Tmax<T_Fd)が成立する前に液圧制動ユニット(摩擦制動装置)を作動させる。
運転者の制動操作開始後に液圧制動ユニットを作動させることで、液圧制動ユニットの作動開始タイミングを適切に設定できる。例えば、無駄な負荷を抑制できる。
(10) ブレーキペダルのストローク量BPS(運転者の制動操作状態)に基づき運転者要求制動力Fd(目標制動力)を算出し、算出されたFdを実現するように、車両に設けられたモータユニット(回生制動装置)および液圧制動ユニット(摩擦制動装置)を作動させる車両の制動制御方法であって、運転者の制動操作中であって液圧制動ユニットが非作動でありモータユニットにより回生制動力が発生しているとき、所定の条件(Tmax<T_Fd)が成立すると回生制動力を減少させ、回生制動力の減少に先立って液圧制動ユニットを作動させる。
回生制動力の減少に先立って液圧制動ユニットを作動させることで、減速度Gの低下を抑制できる。
(16) 液圧制動ユニット(摩擦制動装置)の作動は、運転者の制動操作開始後、所定の条件(Tmax<T_Fd)が成立する前に行われる。
運転者の制動操作開始後に液圧制動ユニットの作動が行われることで、液圧制動ユニットの作動開始タイミングを適切に設定できる。例えば、無駄な負荷を抑制できる。
[実施形態2]
本実施形態において、オフセット液圧ΔPの所定値ΔP1は、所定の走行条件で、ロータとパッドが接触するような値とされる。実施形態1(図4)と同様、ΔPは、Pdがある程度(Pd1)以上高くなると一定値ΔP1になるように設定される。他の構成は実施形態1と同様である。よって、すり替え前に、ΔP1が発生すると、予めロータとパッドとが接触し、微小な摩擦制動力が発生する。このため、より確実に、Gの一時的な低下が抑制される。なお、ΔP1は、ロータとパッドとを過度に押付けず、不必要な摩擦制動力(無駄な負荷)の発生が抑制される値に設定することが好ましい。
以下、本実施形態の効果を列挙する。
(4)(12) すり替え前増圧判断部35およびすり替え前増圧加算部36(摩擦制動制御部、すり替え摩擦制動制御部)は、所定の条件(Tmax<T_Fd)が成立する前に、液圧制動ユニット(摩擦制動装置)により所定値(ΔP1に相当する摩擦制動力)以下の摩擦制動力を発生させる。
予め摩擦制動力を発生させることで、摩擦制動装置の作動の遅れを小さくし、減速度Gの低下をより効果的に抑制できる。また、発生させる摩擦制動力を所定値以下にすることで、負荷の増加を抑制できる。
(5)(13) すり替え前増圧判断部35およびすり替え前増圧加算部36(摩擦制動制御部、すり替え摩擦制動制御部)は、所定の条件(Tmax<T_Fd)が成立する前にロータとパッドを接触させる。
予めロータとパッドを接触させることで、摩擦制動装置の作動の遅れを小さくし、減速度Gの低下をより効果的に抑制できる。
[他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態を、実施形態に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、回生トルク偏差δTや車速V以外の適当なパラメータを用いて、すり替えを開始する条件を規定してもよい。
1 制動制御コントローラ(制動制御装置)
31 運転者要求制動力演算部(目標制動力演算部)
32 回生トルク制限値決定部(電気制動トルク制限値設定部)
33 回生トルク目標値決定部(すり替え制御部、すり替え摩擦制動制御部)
34 目標液圧決定部(すり替え制御部、すり替え摩擦制動制御部)
35 すり替え前増圧判断部(摩擦制動制御部、すり替え摩擦制動制御部)
36 すり替え前増圧加算部(すり替え制御部、摩擦制動制御部、すり替え摩擦制動制御部)

Claims (7)

  1. 車輪に対して電気制動力を発生させる電気制動装置と、
    作動することによって車輪に対して摩擦制動力を発生させる摩擦制動装置と
    を備えた車両の制動制御装置であって、
    目標制動力を算出する目標制動力演算部と、
    所定の条件が成立すると、前記算出された目標制動力を実現するように前記電気制動力を減少させ前記摩擦制動力を増加させる制御であるすり替えを行うすり替え制御部と、
    前記所定の条件が成立する前に前記摩擦制動装置を作動させる摩擦制動制御部と
    前記すり替え制御部によるすり替えを終了させる車速であるすり替え終了車速を設定し、前記電気制動力に相当するトルクである電気制動トルクを制限値に沿って減少させたときに前記すり替え終了車速ですり替えが終了するよう、前記制限値を設定する電気制動トルク制限値設定部と、
    をさらに備え、
    前記所定の条件は、前記目標制動力に相当する前記電気制動トルクを前記制限値が下回るときであることを特徴とする制動制御装置。
  2. 請求項1に記載の制動制御装置において、
    前記摩擦制動装置は、
    車輪と共に回転するロータと、
    前記ロータに対して所定のクリアランスをおいて配置され、前記ロータに接触することで前記摩擦制動力を発生させるパッドとを備え、
    前記摩擦制動制御部は、前記所定の条件が成立する前に前記クリアランスを低減するように前記摩擦制動装置を作動させることを特徴とする制動制御装置。
  3. 請求項2に記載の制動制御装置において、
    前記摩擦制動制御部は、前記所定の条件が成立する前に、前記摩擦制動装置により所定値以下の前記摩擦制動力を発生させることを特徴とする制動制御装置。
  4. 請求項2に記載の制動制御装置において、
    前記摩擦制動制御部は、前記所定の条件が成立する前に前記ロータと前記パッドを接触させることを特徴とする制動制御装置。
  5. 請求項1に記載の制動制御装置において、
    前記摩擦制動制御部は、前記目標制動力に相当する前記電気制動トルクよりも前記制限値が大きい状態で、前記目標制動力に相当する前記電気制動トルクと前記制限値との偏差が所定の偏差以下になったとき、前記摩擦制動装置の作動を開始することを特徴とする制動制御装置。
  6. 請求項1に記載の制動制御装置において、
    前記目標制動力演算部は、運転者の制動操作状態に応じて前記目標制動力を算出し、
    前記摩擦制動制御部は、運転者の制動操作開始後、前記所定の条件が成立する前に前記摩擦制動装置を作動させることを特徴とする制動制御装置。
  7. 運転者の制動操作状態に基づき目標制動力を算出し、前記算出された目標制動力を実現するように、車両に設けられた回生制動装置および摩擦制動装置を作動させる車両の制動制御方法であって、
    運転者の制動操作中であって前記摩擦制動装置が非作動であり前記回生制動装置により回生制動力が発生しているとき、所定の条件が成立すると前記回生制動力を減少させ、前記回生制動力の減少に先立って前記摩擦制動装置を作動させるすり替えを行うにあたり、
    前記すり替えを終了させる車速であるすり替え終了車速を設定し、前記回生制動力に相当するトルクである回生制動トルクを制限値に沿って減少させたときに前記すり替え終了車速ですり替えが終了するよう、前記制限値を設定し、
    前記所定の条件を、前記目標制動力に相当する前記回生制動トルクを前記制限値が下回るときとする制動制御方法。
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