JP6428981B1 - 車両足回り部品素材の製造方法および製造装置、車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材ならびに車両足回り部品素材 - Google Patents

車両足回り部品素材の製造方法および製造装置、車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材ならびに車両足回り部品素材 Download PDF

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Abstract

車両足回り部品素材の製造方法は、マルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を、局所的に誘導加熱する部分の位置を連続して移動させつつ、Ac3変態点以上950℃以下の温度に局所的に誘導加熱することと、車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に誘導加熱された部分を局所的に連続して変形することと、車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に連続して変形された部分を連続して焼入れすることと、を備える。

Description

本明細書は、車両足回り部品素材の製造方法および製造装置、車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材ならびに車両足回り部品素材に関する。
鋼材の任意の箇所を、加熱し、任意の形状に曲げ、焼入れにより高強度化する3次元熱間曲げ焼入れ(3DQ: 3Dimensional Hot Bending and Quench)技術を本発明者達は研究開発している。3DQは車両の構造材等の製造に好適に用いられる技術である。3DQにより製造される構造材には軽量かつ高強度という特長がある。3DQによる構造材等の製造には金型が不要であるという特長がある。
3DQ装置では、加熱装置と冷却装置が近接して配置される。3DQ装置を使用した鋼材の加工では、鋼材を加熱装置と冷却装置の順に通過させながら、加熱装置と冷却装置の間の鋼材に生じる高温部に任意の方向の曲げモーメントを与える。3DQ技術によって、鋼材の任意の箇所が任意の形状に曲げられ、焼入れされた部材に加工できる。
曲げモーメント付与手段は、特に限定されない。曲げモーメント付与手段としては、国際公開番号WO2006/093006のように冷却装置の鋼材送り方向下流側に配置された可動ローラーダイス、国際公開番号WO2010/050460のように鋼材送り方向下流側の鋼材端部に取り付けられたチャックとマニピュレータ、国際公開番号WO2011/007810のように鋼材送り方向上流側の鋼材端部に取り付けられたチャックとマニピュレータが例示される。
3DQでは、曲げ加工のみならず、ねじり加工も可能である。国際公開番号WO2006/093006と国際公開番号WO2011/007810には3DQでねじり加工が可能であることが開示されている。国際公開番号WO2010/084898には3DQによるねじり部材が開示されている。
本明細書の主な目的は、3DQ等の、熱間で曲げ等の変形を行いその後焼入れを行う技術で製造された部材の疲労破壊を防止または抑制できる技術を提供することにある。
本明細書の一態様によれば、
マルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を、局所的に誘導加熱する部分の位置を連続して移動させつつ、Ac3変態点以上950℃以下の温度に局所的に誘導加熱することと、
前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に誘導加熱された部分を局所的に連続して変形することと、
前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に連続して変形された部分を連続して焼入れすることと、を備える車両足回り部品素材の製造方法が提供される。
本明細書の他の態様によれば、
鋼材を加熱する第1の加熱装置と、
加熱された前記鋼材を冷却する第1の冷却装置と、
前記鋼材を局所的に誘導加熱する第2の加熱装置と、
前記鋼材の局所的に誘導加熱された部分に局所的に変形力を付与する変形力付与装置と、
前記鋼材の局所的に変形力を付与された部分を冷却して焼入れする第2の冷却装置と、
前記鋼材を連続して移動させる移動装置と、を備え、
前記移動装置は、前記鋼材を、前記第1の加熱装置、前記第1の冷却装置、前記第2の加熱装置および前記第2の冷却装置に対して相対的に移動させる移動装置であり、
前記第1の加熱装置、前記第1の冷却装置、前記第2の加熱装置および前記第2の冷却装置は前記鋼材の相対的な移動方向にこの順に配置されている、車両足回り部品素材の製造装置が提供される。
本明細書のさらに他の態様によれば、誘導加熱後焼入れして車両足回り部品素材を製造するためのマルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材が提供される。
本明細書のさらに他の態様によれば、マルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の溶接鋼管である車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材が提供される。
本明細書のさらに他の態様によれば、鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱しその後冷却して製造した車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材が提供される。
本明細書のさらに他の態様によれば、溶接鋼管の鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱しその後冷却して製造した車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材が提供される。
本明細書により、熱間で曲げ等の変形を行いその後焼入れを行う技術で製造された部材の疲労破壊を防止または抑制できる技術が提供される。その結果、耐疲労性の要求される車両足回り部品素材を耐疲労性の優れた車両足回り部品素材として製造できる。車両足回り部品とは、サスペンションやサブフレームを構成する部品である。具体的にはアッパーアーム、ロアアーム、トーションビーム、スタビライザー等が例示される。このような部品は重要保安部品であり、耐疲労性が要求される。
図1は、本明細書の好ましい実施の形態の車両足回り部品素材の製造装置を説明するための概略構成図である。 図2は、3DQ前の熱処理を行わなかったフェライト−パーライト組織の素管のSEM写真である。 図3は、3DQ前の熱処理を行なって製造したマルテンサイト組織を有する素管のSEM写真である。 図4は、3DQ前の熱処理を行なって製造したベイナイト組織を有する素管のSEM写真である。 図5は、3DQ加熱温度850℃の場合の硬度の比較を示す図である。 図6Aは、3DQ前の熱処理がなく3DQ前の組織がフェライト−パーライトの素管を使用し、3DQ加熱温度900℃の場合のマイクロスコープによる表面割れ観察写真である。 図6Bは、3DQ前の熱処理を行い、3DQ前の組織をマルテンサイトとした素管を使用し、3DQ加熱温度900℃の場合のマイクロスコープによる表面割れ観察写真である。
3DQで製造された部材を疲労試験すると、150万回程度負荷をかけると疲労破壊することがある。疲労破壊した破面にはCuの介在が認められ、Cuが疲労破壊に影響していると考えられる。3DQに供せられる鋼材には故意にCuを付着させることは無く、Cuはどこからか混入したものと考えられる。
3DQで製造された部材の疲労破壊した破面は粒界破面であり、破面にはCuが存在する。また、疲労破壊は曲げられた部材の曲げの外側で発生することが多い。このことから本発明者達は、疲労破壊の発生する理由を次のように考えた。
3DQは、次のような方法である。鋼材を送りながら、誘導加熱装置でAc3変態点以上まで鋼材を局所的に加熱し、誘導加熱装置から鋼材の送り方向下流側において冷却装置で鋼材を速やかに焼入れする。誘導加熱装置と冷却装置の間の鋼材には局所的なAc3変態点以上の温度の高温部が生じる。この高温部に曲げモーメントを与えることで鋼材を熱間曲げし、冷却装置による冷却により焼入れと形状の固定を行う。
鋼材表面にCuが混入すると誘導加熱によりCuが溶融し鋼材表面から鋼材の結晶粒界に溶け込む。Cuが溶け込み結晶粒界が弱くなった鋼材に曲げモーメントが与えられると結晶粒界に沿って微細な亀裂が生じる。微細な亀裂を抱えたまま鋼材に繰り返し負荷が与えられると微細な亀裂が起点になり、疲労破壊が生じる。
この仮説によれば、Cuが溶融し、鋼材表面から鋼材の結晶粒界に溶け込まなければ疲労破壊を防止または抑制できる。従って、誘導加熱装置による加熱をCuが溶融しない温度範囲に抑えることができれば疲労破壊を防止または抑制できると発明者達は考えた。
疲労破壊した鋼材は、フェライト−パーライト組織の鋼材を誘導加熱装置で1000℃以上に急速加熱(例えば、昇温速度800℃/sec)して製造したものであった。急速加熱するのは鋼材の高温で軟化した領域を狭くした方が、加工精度が良好であるからである。鋼材のAc3変態点はその組成にもよるがおおよそ800〜900℃である。急速加熱した場合、元の素材の鋼材中の炭化物の分布が均一でないためCが均一に分散せず、焼入れした後の硬度が安定しない。焼入れした後の硬度を安定させるべく、Cを均一に分散させるには急速加熱する場合1000℃以上の加熱が必要である。
Cuの融点は1085℃である。疲労破壊は誘導加熱装置で1085℃未満の加熱した鋼材にも発生する。このことから本発明者達は混入するCuは純粋な銅ではなく融点の低いCu合金(例えば黄銅)であると推定している。
Cu合金の溶融を避けるべく加熱温度を下げると、焼入れ後の硬度に支障をきたす。Cu合金の溶融が避けられる低い温度でもCを分散させるべく加熱速度を下げると、加工精度に支障をきたす。つまり、熱間曲げ焼入れの条件を変更しただけでは焼入れ後の硬度と加工精度と疲労破壊回避の全てを解決することはできない。
本発明者達は3DQに供する鋼材が、フェライト−パーライト組織の鋼材ではなく、急速加熱される前からCが均一に分散している鋼材であれば、急速加熱で高温まで昇温する必要がなく、焼入れ後の硬度と加工精度と疲労破壊回避の全てを達成できると考えた。
Cが均一に分散した鋼材とは、マルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の鋼材である。
従って、3DQ用の鋼材としてマルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の鋼材を用いれば、焼入れ後の硬度と加工精度と疲労破壊回避の両方を達成できると考えられる。
更に、本発明者達はマルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の鋼材にするための熱処理の加熱によりCu合金を変質させ、Cu合金の融点を高くすることができると考えた。例えば、CuとZnとの合金である黄銅を加熱すると、Znが蒸発しCuとZnの比がCuが大の方に移動し、黄銅の融点を高くすることができる。
本明細書の好ましい実施の形態は、上記知見に基づくものである。
以下、好ましい実施の形態について説明する。なお、好ましい実施の形態では、耐疲労性が要求される車両足回り部品素材を製造する技術について説明する。
上記では、鋼材の任意の箇所を、加熱し、任意の形状に曲げ、焼入れにより高強度化する3次元熱間曲げ焼入れ(3DQ: 3Dimensional Hot Bending and Quench)技術について述べたが、本明細書の好ましい実施の形態は、鋼材の加熱した高温部分を曲げる場合のみならず、捩る場合やせん断変形する場合等、鋼材の加熱した高温部分を変形する場合も含む。従って、以下では、熱間で曲げ、捩り、せん断等の変形を行いその後焼入れを行う技術を、熱間変形焼入れ技術という。熱間変形焼入れ技術のなかで、熱間での変形が曲げのみである場合や、熱間で曲げながら捩る等、熱間での変形に曲げが含まれる場合を熱間曲げ焼入れ(3DQ)技術という。
熱間変形焼入れ用の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の焼入れ性を高めて、熱間変形焼入れ時の加熱温度を低温化するために、熱間変形焼入れ前に少なくとも1回以上、下記各元素の成分量(質量%)に対して下記実験式(1)で示されるAc3変態点以上に加熱して熱間変形焼入れ前の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の組織をマルテンサイト組織またはベイナイト組織に制御することが好ましい。
Ac3=910−203×√C−15.2×Ni+44.7×Si+104×V+31.5×Mo−30×Mn−11×Cr −20×Cu+700×P+400×Al+50×Ti ・・・・(1)
このマルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を使用した熱間変形焼入れでは、加熱は誘導加熱で行うことが好ましい。加工精度を高めるためには、車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の高温で軟化した領域を狭くした方がよく、そのためには、加熱速度は大きい方がよいからである。高温で軟化した領域を狭くするために、車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を誘導加熱で局所的に加熱し、局所的に誘導加熱する部分の位置を連続して移動させつつ、冷却装置で冷却する位置も誘導加熱にあわせて移動させる。
加熱する温度は、Ac3変態点以上950℃以下が好ましい。加熱温度が950℃を超えると、加工後の鋼材に表面割れが生じるので好ましくない。表面割れは疲労破壊の起点となるので、表面割れを回避すれば疲労破壊を防止または抑制できる。Cuの融点は1085℃である。しかし、鋼材表面に混入するCuは純粋なCuではないので融点は1085℃より低くなり、疲労破壊を回避できる熱間変形焼入れの加熱温度は、表面割れを回避できる950℃以下が好ましい。
マルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を局所的に誘導加熱した後、局所的に誘導加熱された部分を局所的に連続して変形する。変形は、曲げ、捩りおよびせん断の少なくとも一つであることが好ましい。
局所的に誘導加熱された高温部分を局所的に連続して変形した後、マルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に連続して変形された部分を連続して焼入れして、マルテンサイト変態させることによって、焼入れ鋼材である車両足回り部品素材を製造する。
マルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に誘導加熱される部分がAc3変態点に到達してから焼入れ用の冷却が行われるまでの時間は、安定したオーステナイト化を図るためには0.2秒以上、生産性の観点からは1.0秒以下であることが好ましい。
上述のように、熱間変形焼入れ前の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の組織をマルテンサイト組織またはベイナイト組織に制御することが好ましい。熱間変形焼入れ前の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の組織をマルテンサイト組織またはベイナイト組織にする熱処理においては、鋼材をAc3+10℃以上1100℃以下に加熱し、その後冷却して、マルテンサイト組織またはベイナイト組織の鋼材にすることが好ましい。720℃以上Ac3点以下の加熱温度においても冷却速度を制御して第2相をベイナイトまたはマルテンサイト組織を混在させた組織とすると、熱間変形焼入れ前の熱処理を行わないものに比べ焼入れ性が高まるが,熱間変形焼入れの加熱温度の低温化が十分ではないため、実施の形態では、Ac3+10℃以上での加熱を行うことが好ましい。また、熱間変形焼入れの加熱温度が1100℃を超えると、オーステナイト粒径が粗大化し、マルテンサイト変態時の焼入れ安定性を劣化させ、靱性を低下させるため、熱間変形焼入れの加熱温度は1100℃以下にすることが好ましい。
加熱温度と加熱時間は加熱様式によって異なり、急速加熱の場合はより高温まで加熱して完全なオーステナイト化を図ることが好ましい。一方低速加熱の場合は、急速加熱の場合よりも低温での加熱が可能となる。加熱時間は,安定したオーステナイト化を図るためにAc3+10℃以上1100℃以下の温度領域での存在時間が少なくとも0.3秒以上であることが好ましい。上限の規定はないが、過度に長時間の加熱はスケール生成や生産性の低下を招くために好ましくは10分未満である。
加熱後の冷却および温度条件は、狙いとする組織に応じて制御すればよい。ベイナイト組織を得るためには、例えば加熱後、約450℃まで冷却してその温度で80秒以上保持することが好ましい。またマルテンサイト組織を得るためには、加熱後室温まで冷却すればよく、その材料のCCT(連続冷却変態線図)を見ながら設定すればよい。
なお、マルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材は、好ましくは、マルテンサイト組織またはベイナイト組織:80体積%以上、残部:残留オーステナイト、フェライトおよび炭化物である。この組成であると、オーステナイト化する際に炭化物が溶けやすく、そのためAc3変態点を低下させることが可能となる。その結果熱間変形焼入れ時の加熱温度の低温化が可能となるからである。
マルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を製造する素材としては、好ましくはフェライト−パーライト組織の鋼材が用いられる。
熱間変形焼入れ技術は、熱間で曲げ、捩り、せん断等の変形を行いその後焼入れを行う技術であるので、金型等を必要としない。従って、熱間変形焼入れの素材となるマルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材は、鋼管形状のものを使用することができる。その中でも、溶接鋼管のマルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材が、車両足回り部品素材を製造するための熱間変形焼入れ用素材として好適に用いられる。
マルテンサイト組織またはベイナイト組織の鋼板を溶接して車両足回り部品素材製造用焼入れ用溶接鋼管を製造するのは、困難である。マルテンサイト組織またはベイナイト組織の鋼材は強度が高く延性が低いため、造管加工性に劣り、溶接の際に割れてしまうからである。そこで、予め溶接鋼管を製造しておき、その溶接鋼管の鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱しその後冷却して、マルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を製造することが好ましい。予め製造しておく溶接鋼管は、フェライト−パーライト組織の鋼板を溶接して製造したフェライト−パーライト組織の溶接鋼管であることが好ましい。フェライト−パーライト組織の鋼材は、強度が高く延性が低いため、造管加工性に優れるからである。そのため、マルテンサイト組織またはベイナイト組織の鋼板を溶接して車両足回り部品素材製造用焼入れ用の溶接鋼管を製造するのではなく、フェライト−パーライト組織の鋼板を予め溶接して溶接鋼管を製造しておき、その溶接鋼管を熱処理してマルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用の溶接鋼管を製造する方が容易である。熱間圧延後の組織は、一般にフェライト−パーライトであり、割れにくいが、熱間圧延の条件によっては、組織の一部がベイナイトになることもある。ベイナイト組織が30体積%以下であれば、割れないので、フェライト−パーライト組織の鋼材は、30体積%以下のベイナイト組織を含んでいてもよい。
次に、図1を参照して実施の形態の車両足回り部品素材の製造装置を説明する。
実施の形態の車両足回り部品素材の製造装置10は、前熱処理部11、熱間変形焼入れ部12、移動装置21、ガイド40および変形力付与装置71を備えている。
前熱処理部11は、加熱装置32と冷却装置34とを備えている。加熱装置32は鋼材移動方向2の上流側に配置され、冷却装置34は鋼材移動方向2の下流側に配置されている。
加熱装置32は、加熱部31と加熱部31に電力を供給する電源35を備えている。加熱装置32による加熱は、例えば、高周波誘導加熱や抵抗加熱が好適に用いられる。加熱部31には、高周波誘導加熱の場合には、高周波誘導コイルが好適に用いられ、車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1に誘導電流を発生させて車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1を加熱する。抵抗加熱の場合には、加熱部31にはヒータが好適に用いられる。
冷却装置34は、冷却部33と、冷却部33に冷却媒体を供給する冷却媒体供給部37とを備えている。冷却装置34による冷却は、例えば、水冷や空冷が好適に用いられる。水冷の場合には、冷却媒体としては、例えば、水が好適に用いられる。空冷の場合には、冷却媒体としては、ガスが好適に用いられる。冷却部33としては、冷却媒体供給部37から供給される冷却媒体を車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1に吹き付けるノズルが好適に用いられる。
熱間変形焼入れ部12は、高周波誘導加熱装置52と冷却装置54とを備えている。高周波誘導加熱装置52は鋼材移動方向2の上流側に配置され、冷却装置54は鋼材移動方向2の下流側に配置されている。
高周波誘導加熱装置52は、誘導加熱コイル51と誘導加熱コイル51に高周波電力を供給する高周波電源55を備えている。高周波電源55から誘導加熱コイル51に高周波電力が供給され、誘導加熱コイル51の内側の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1の一部分61に局所的に誘導電流を発生させて車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1の一部分61を局所的に誘導加熱する。
冷却装置54は、ノズル53と、ノズル53に冷却水を供給する冷却水供給部57とを備えている。冷却水供給部57から供給された冷却水をノズル53によって車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1に吹き付け、加熱された車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1(以下、単に「鋼材1」ともいう)を急速冷却して鋼材1を焼入れする。
変形力付与装置71は、変形力付与装置71の保持部72で鋼材1のノズル53よりも鋼材移動方向2の下流側の部分を保持する。保持部72としては、例えば、チャックが好適に用いられる。変形力付与装置71としては、例えば、マニピュレータが好適に用いられる。マニピュレータとチャックに代えて、可動ローラーダイスも好適に用いられる。変形力付与装置71によって、誘導加熱コイル51によって局所的に誘導加熱された一部分61とノズル53によって冷却水が吹き付けられ急速冷却される部分65との間の加熱された高温部分63に局所的に変形力が加えられる。変形力としては曲げモーメント、捩り力およびせん断力の少なくとも一つが付与されることが好ましい。変形力として、曲げモーメントが付与される場合には、熱間変形焼入れ部12は、熱間曲げ焼入れ(3DQ)部として機能する。
ガイド40は、 前熱処理部11の冷却部33と熱間変形焼入れ部12の誘導加熱コイル51との間に設けられている。
移動装置21は、移動装置21の保持部23で鋼材1の鋼材移動方向2の上流側の部分を保持して、長尺の鋼材1をその長手方向(鋼材移動方向2)に沿って連続して移動させる。
加熱部31、冷却部33、誘導加熱コイル51およびノズル53は、鋼材移動方向2にこの順に配置されている。移動装置21は、鋼材1を鋼材移動方向2に沿って連続して移動させるので、鋼材1を加熱部31、冷却部33、誘導加熱コイル51およびノズル53の順に移動させる。また、鋼材1の鋼材移動方向2に沿った連続的な移動によって、誘導加熱コイル51によって局所的に誘導加熱される車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1の一部分61、変形力付与装置71によって局所的に変形力が加えられる車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1の高温部分63およびノズル53によって冷却水が吹き付けられ急速冷却される部分65も鋼材移動方向2に沿って連続的に移動する。
なお、移動装置21による、鋼材1の加熱部31、冷却部33、誘導加熱コイル51およびノズル53に対する移動は相対的なものであり、加熱部31、冷却部33、誘導加熱コイル51およびノズル53を固定して、鋼材1を移動させてもよく、鋼材1を固定して、加熱部31、冷却部33、誘導加熱コイル51およびノズル53を移動してもよい。
移動装置21としては、例えば、電動サーボシリンダーやマニピュレータが好適に用いられる。保持部23としては、例えば、チャックが好適に用いられる。
移動装置21、加熱装置32、冷却装置34、高周波誘導加熱装置52、冷却装置54、および変形力付与装置71は制御装置100に接続され、制御装置100によって制御される。前述および後述の熱処理や熱間変形焼入れ等は、制御装置100による、移動装置21、加熱装置32、冷却装置34、高周波誘導加熱装置52、冷却装置54、および変形力付与装置71の制御によって行われる。
前熱処理部11によって、鋼材1の組織は、マルテンサイトあるいはベイナイトとなる。マルテンサイト組織あるいはベイナイト組織となった車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材1は、熱間変形焼入れ部12によって、熱間変形焼入れ処理され、焼入れ鋼材が製造される。前熱処理部11に供給される鋼材1としては、フェライト−パーライト組織の鋼材が好適に用いられる、鋼材1としては、閉じた断面形状の鋼管が好ましくは用いられ、鋼管としては、溶接鋼管が好ましく用いられる。
上記のように、前熱処理部11と熱間変形焼入れ部12とを一体化した製造装置10でインラインでマルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の鋼材を製造し、引き続いて熱間変形焼入れ処理された焼入れ鋼材を製造する場合、マルテンサイト組織あるいはベイナイト組織にした鋼材にCu合金が付着して3DQされる可能性を排除できる利点がある。他に、熱間変形焼入れ部12とは別に前熱処理部11を備える熱処理装置を設け、予め前熱処理部11を備える熱処理装置でマルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の鋼材を製造しておき、その後、熱間変形焼入れ部12を備える装置で、熱間変形焼入れ処理された焼入れ鋼材を製造してもよい。また、熱間変形焼入れ部12を備える装置のみを使用し、最初は、変形力付与装置71を使用せずに、高周波誘導加熱装置52と冷却装置54でマルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の鋼材を製造しておき、次に変形力付与装置71を使用して、高周波誘導加熱装置52と冷却装置54と変形力付与装置71とで熱間変形焼入れ処理された焼入れ鋼材を製造してもよい。
実施の形態のマルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を製造する素材である鋼材は、好ましくは、
化学組成が、質量%で、
C:0.12%以上0.60%以下、
Si:0.001%以上2.0%以下、
Mn:0.5%以上3.0%以下、
P:0.05%以下、
S:0.01%以下、
sol.Al:0.001%以上1.0%以下、
N:0.01%以下、
B:0.01%以下、
残部:Feおよび不純物である。
また,前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、
Ti:0.001%以上0.05%以下、
Nb:0.001%以上0.05%以下、
V :0.02%以上0.5%以下、
Cr:0.02%以上0.5%以下、
Mo:0.02以上0.5%以下、
Cu:0.02%以上1.0%以下および
Ni:0.02%以上1.0%以下、
からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素を含有してもよい。
(1)Cは質量%で、0.12〜0.60%の範囲に制御することが好ましい。
実施の形態における加工方法は、熱処理と加工履歴を制御して、オーステナイト相からマルテンサイト等の硬質相へ組織変態した高強度化・加工品を得る、いわゆる焼入れを利用した製造方法である。鋼板の焼入れ後の強度は、主にマルテンサイト相の硬さを支配するC含有量によって決まるため、求める強度に応じてC含有量を決定する。実施の形態での狙いの強度1200MPa以上を確保するために、C含有量を0.12%以上とすることが好ましい。より高強度を安定して得るためには0.20%超とすることがより好ましい。0.60%超のC含有量の場合、焼入れ後の組織靭性が劣化し、脆性破壊を発生する危険性が高まる。従ってC含有量の上限を0.60%とすることが好ましく、より好ましくは、0.50%以下である。
(2)Siは質量%で、0.001%〜2.0%の範囲に制御することが好ましい。
Siは、オーステナイト相から低温変態相へ変態するまでの冷却過程において炭化物の生成を抑制するため延性を劣化させることなく、あるいは、延性を向上させて、焼入れ後の強度を高める作用を有する元素である。Si含有量が0.001%未満では上記作用を得ることが困難である。したがって、Si含有量は0.001%以上とすることが好ましい。なお、Si含有量を0.05%以上にすると、延性がさらに向上する。したがって、Si含有量は0.05%以上とすることがより好ましい。一方、Si含有量が2.0%超では、上記作用による効果は飽和して経済的に不利となる上、表面性状の劣化が著しくなる。したがって、Si含有量は2.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは1.5%以下である。
(3)Mnは質量%で、0.5%〜3.0%以下の範囲に制御することが好ましい。
Mnは、鋼の焼入れ性を高め、焼入れ後の強度を安定して確保するために、非常に効果のある元素である。しかし、Mn含有量が0.5%未満では、実施の形態のような急速冷却条件下でもその効果が十分に得られず、焼入れ後の強度で1200MPa以上の引張強度を確保することが非常に困難となる。したがって、Mn含有量は0.5%以上とすることが好ましい。なお、Mn含有量を1.0%以上にすると、焼入れ後の強度で1350MPa以上の引張強度を確保することが可能となる。このため、Mn含有量は1.0%以上とすることがより好ましい。一方、Mn含有量が3.0%超では、バンド状の組織の不均一組織となり、衝撃特性の劣化が顕著となる。したがって、Mn含有量は3.0%以下とすることが好ましい。合金コスト等の観点からMn含有量を2.5%以下とすることがより好ましい。
(4)Pは質量%で0.05%以下に制御することが好ましい。
Pは、一般には鋼に不可避的に含有される不純物であるが、固溶強化により、強度を高める作用を有するので積極的に含有させてもよい。しかし、P含有量が0.05%超では本発明部材と他部材との抵抗溶接性の劣化が著しくなる。また2500MPa以上の高強度化を狙った場合に脆性破壊の危険性が高まる。したがって、P含有量は0.05%以下とすることが好ましい。P含有量はより好ましくは0.02%以下である。上記作用をより確実に得るには、P含有量を0.003%以上とすることが好ましい。
(5)Sは質量%で0.01%以下に制御することが好ましい。
Sは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、MnやTiと結合して硫化物を生成して析出する。この析出物量が過度に増加するとその析出物と主相の界面が破壊の起点となることがあるため低いほど好ましい。S含有量が0.01%超ではその悪影響が著しくなる。したがって、S含有量は0.01%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.0015%以下である。
(6)sol.Alは0.001%〜1.0%以下の範囲で制御することが好ましい。
Alは、鋼を脱酸して鋼材を健全化する作用を有する元素であり、また、Ti等の炭窒化物形成元素の歩留まりを向上させる作用を有する元素でもある。sol.Al含有量が0.001%未満では上記作用を得ることが困難となる。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.015%以上である。一方、sol.Al含有量が1.0%超では、溶接性の低下が著しくなるとともに、酸化物系介在物が増加して表面性状の劣化が著しくなる。したがって、sol.Al含有量は1.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.080%以下である。
(7)Nは質量%で0.01%以下に制御することが好ましい。
Nは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、溶接性の観点からは低いほど好ましい。N含有量が0.01%超では溶接性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.01%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.006%以下である。
(8)Bは質量%で0.01%以下に制御することが好ましい。
Bは、低温靭性を高める作用を有する元素である。したがって、Bを含有させてもよい。しかし、0.01%を超えて含有させると、熱間加工性が劣化して、熱間圧延が困難になる。したがって、B含有量は0.01%以下とすることが好ましい。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、B含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。
(9)その他添加元素
質量%で、Ti:0.001%以上0.05%以下、Nb:0.001%以上0.05%以下、V:0.02%以上0.5%以下、Cr:0.02%以上0.5%以下、Mo:0.02以上0.5%以下、Cu:0.02%以上1.0%以下およびNi:0.02%以上1.0%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素を鋼の焼入れ性を向上させ、かつ焼入れ後の強度を安定して確保するために必要応じて添加してもよい。
本発明者達は、表1に示す化学組成を有する3DQ用の素管を用いて3DQ前の組織制御が3DQ後の表面割れおよび焼入れ性に及ぼす影響を調査した。3DQ用の素管の組織は、鋼板から造管する際の加工性を確保するためにフェライト−パーライトであった。この素管は3DQ前の熱処理を行っていない。3DQ前の組織をマルテンサイトとするための素管の熱処理は、高周波誘導加熱によって3DQ時の加熱温度と同一の1000℃まで、高周波誘導加熱によって昇温速度800℃/secで加熱した後、保持時間0secで、室温まで気水にて急冷(例えば、降温速度1000℃/sec)する熱処理である。またベイナイト組織とするための素管の熱処理は、同様に高周波誘導加熱によって1000℃まで昇温速度800℃/secで加熱した後、Arガスにて450℃まで冷却(例えば、降温速度50℃/sec)し、その温度で240sec保持した後、Arガスにて室温まで冷却(例えば、降温速度50℃/sec)する熱処理である。確実にCu合金の影響を確認するため、素管の表面に黄銅(60質量%Cu−40質量%Zn)粉末をテープで貼り付け、マルテンサイト組織あるいはベイナイト組織にする熱処理を行った。3DQ前の熱処理を行わなかった素管は、素管の表面に黄銅(60質量%Cu−40質量%Zn)粉末をテープで貼り付けて3DQした。3DQ前の熱処理を行わなかったフェライト−パーライト組織の素管、3DQ前の熱処理を行なって製造したマルテンサイト組織の素管および、3DQ前の熱処理を行なって製造したベイナイト組織の素管のSEM写真を図2、図3、図4にそれぞれ示す。倍率は2000倍である。

マルテンサイト組織の素管、ベイナイト組織の素管とフェライト−パーライト組織の素管を用いて、高周波誘導加熱により800℃〜1050℃の条件でそれぞれの素管を加熱した後、曲げ半径95mmの条件で3次元熱間曲げ焼入れ加工(3DQ)を行った。その後、それぞれの加工品の曲げ外側表面を対象に、マイクロスコープを用いて観察して表面割れを分析した。さらに曲げ中央部断面を切り出し、断面の長軸側断面方向に荷重1kgfでビッカース硬度を測定して焼入れの有無を評価した。
図5に、3DQ加熱温度850℃の場合の硬度の比較を示す。3DQ前の熱処理がなく3DQ前の組織がフェライト−パーライトの場合には、850℃で狙いの硬度(ビッカース硬度470)が得られていないことがわかる。3DQ前の素管の組織をベイナイトまたはマルテンサイトとした場合は、850℃でも狙いの硬度(ビッカース硬度470)が得られることがわかる。また3DQ前の素管の組織がマルテンサイトよりはベイナイトの方がより高い硬度が得られることがわかる。
図6A、図6Bに、3DQ加熱温度900℃の場合の3DQ前の熱処理有無によるマイクロスコープによる表面割れ観察写真の比較を示す。倍率は175倍である。図6Aは、3DQ前の熱処理がなく3DQ前の組織がフェライト−パーライトの素管を使用した場合であり、図6Bは、3DQ前の熱処理を行い、3DQ前の組織をマルテンサイトとした素管を用いた場合である。3DQ前の熱処理がなく3DQ前の組織がフェライト−パーライトの素管を使用した場合には、表面割れが発生したが、3DQ前の熱処理を行い、3DQ前の組織をマルテンサイトとした素管を用いた場合は、900℃の3DQ加熱温度でも表面割れが発生しないことがわかる。
表2に評価結果をまとめて示す。割れの有無はマイクロスコープ(倍率175倍)により確認した。ビッカース硬度470以上の場合に焼入れ有と判定した。

3DQ前の熱処理を行い、3DQ前の組織をベイナイトまたはマルテンサイトとした素管を用いた場合は、800℃〜950℃の条件で表面割れがなく、また850℃以上の条件で狙いの焼入れ性が確保できることがわかる。これに対して、3DQ前の熱処理がなく3DQ前の組織がフェライト−パーライトの鋼材を3DQの素管として用いた場合には、800〜850℃の3DQ加熱温度では表面割れがないが、900℃〜1050℃で表面割れが存在した。950℃以上で狙いの焼入れ性が確保できていたが、800℃〜900℃では、狙いの焼入れ性が確保できていなかった。すなわち、3DQ前の熱処理による3DQ前の組織制御を行なわない素管を用いた場合には、表面割れなく狙いの硬さを得ることは不可能である。これに対し、3DQ前の熱処理を行い、3DQ前の組織をベイナイトまたはマルテンサイトとした素管を用いて3DQを行う場合は、850℃〜950℃の条件で表面割れもなく、安定した狙い硬さの加工品が得られた。すなわち、3DQ前の組織をベイナイトまたはマルテンサイトとした素管を用いることで焼入れ可能な3DQ加熱温度を950℃から850℃まで低下させることができる。更に、素管の組織をベイナイトまたはマルテンサイトにする熱処理に伴い、Cu合金を変質させて融点をあげることで、表面割れの発生しない温度を850℃から950℃に上昇させることができる。表面割れは、疲労破壊の起点であるので、表面割れを回避すれば疲労破壊を防止または抑制できる。
以上まとめると、3DQ前にベイナイトまたはマルテンサイト組織とする熱処理を施した素管を用いることにより、制御された素管の組織によって3DQ工程の加熱時に短時間でオーステナイト化変態が可能となって安定した焼入れ性が実現できる。すなわち、厳しい曲げ加工条件においても表面割れがなく、安定した焼入れ性を確保することができる。
以上、本発明の種々の典型的な実施の形態および実施例を説明してきたが、本発明はそれらの実施の形態および実施例に限定されない。従って、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
また、2017年4月5日に出願された日本国特許出願2017−075412号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
なお、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
マルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を、局所的に誘導加熱する部分の位置を連続して移動させつつ、Ac3変態点以上950℃以下の温度に局所的に誘導加熱することと、
前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に誘導加熱された部分を局所的に連続して変形することと、
前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に連続して変形された部分を連続して焼入れすることと、
を備える車両足回り部品素材の製造方法。
(付記2)
鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱しその後冷却して、前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を製造することをさらに備える、
付記1に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記3)
溶接鋼管の鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱しその後冷却して、前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を製造することをさらに備える、
付記1に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記4)
前記鋼材は、フェライト−パーライト組織の鋼材である、
付記2または付記3に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記5)
前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材は溶接鋼管である、
付記1から付記4のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記6)
前記マルテンサイト組織またはベイナイト組織の鋼材は、
マルテンサイト組織またはベイナイト組織:80体積%以上、
残部:残留オーステナイト、フェライトおよび炭化物である、
付記1から付記5のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記7)
前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を製造する前の鋼材は、
化学組成が、質量%で、
C:0.12%以上0.60%以下、
Si:0.001%以上2.0%以下、
Mn:0.5%以上3.0%以下、
P:0.05%以下、
S:0.01%以下、
sol.Al:0.001%以上1.0%以下、
N:0.01%以下、
B:0.01%以下、
残部:鉄および不純物
である、
付記2から付記4のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記8)
前記化学組成が、質量%で、
Ti:0.001%以上0.05%以下、
Nb:0.001%以上0.05%以下、
V :0.02%以上0.5%以下、
Cr:0.02%以上0.5%以下、
Mo:0.02以上0.5%以下、
Cu:0.02%以上1.0%以下および
Ni:0.02%以上1.0%以下、
からなる群から選択された1種または2種以上の元素を含有する、
付記7に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記9)
前記フェライト−パーライト組織の鋼材は、30体積%以下のベイナイト組織を含む、
付記4に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記10)
前記鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に、0.3秒以上、10分未満加熱する、
付記2から付記4のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記11)
前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に誘導加熱される部分がAc3変態点に到達してから焼入れ用の冷却が行われるまでの時間が0.2秒以上1.0秒以下である、
付記1から付記10のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記12)
前記変形は、曲げ、捩り、せん断の少なくとも一つである、
付記1から付記11のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材の製造方法。
(付記13)
鋼材を加熱する第1の加熱装置と、
加熱された前記鋼材を冷却する第1の冷却装置と、
前記鋼材を局所的に誘導加熱する第2の加熱装置と、
前記鋼材の局所的に誘導加熱された部分に局所的に変形力を付与する変形力付与装置と、
前記鋼材の局所的に変形力を付与された部分を冷却して焼入れする第2の冷却装置と、
前記鋼材を連続して移動させる移動装置と、を備え、
前記移動装置は、前記鋼材を、前記第1の加熱装置、前記第1の冷却装置、前記第2の加熱装置および前記第2の冷却装置に対して相対的に移動させる移動装置であり、
前記第1の加熱装置、前記第1の冷却装置、前記第2の加熱装置および前記第2の冷却装置は前記鋼材の相対的な移動方向にこの順に配置されている、
車両足回り部品素材の製造装置。
(付記14)
前記移動装置、前記第1の加熱装置、前記第1の冷却装置、前記第2の加熱装置、前記第2の冷却装置および前記変形力付与装置を制御する制御装置、をさらに備え、
前記制御装置は、前記移動装置により前記鋼材を、前記第1の加熱装置、前記第1の冷却装置、前記第2の加熱装置および前記第2の冷却装置に対してこの順で連続的に相対的に移動させながら、前記第1の加熱装置により前記鋼材をAc3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱し、前記加熱した鋼材を前記第1の冷却装置により冷却し、前記第2の加熱装置により前記鋼材をAc3変態点以上950℃以下に局所的に連続して誘導加熱し、前記鋼材の局所的に誘導加熱された部分に前記変形力付与装置により変形力を局所的に連続的に付与して前記鋼材を連続して変形し、前記第2の冷却装置により前記鋼材の局所的に変形された部分を連続して冷却して焼入れするように、前記移動装置、前記第1の加熱装置、前記第1の冷却装置、前記第2の加熱装置、前記第2の冷却装置および前記変形力付与装置を制御する、
付記13に記載の車両足回り部品素材の製造装置。
(付記15)
前記制御装置は、前記鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に、0.3秒以上、10分未満加熱するように、前記移動装置、前記第1の加熱装置および前記第1の冷却装置を制御する、
付記14に記載の車両足回り部品素材の製造装置。
(付記16)
前記制御装置は、前記鋼材の局所的に誘導加熱される部分がAc3変態点に到達してから焼入れ用の冷却が行われるまでの時間が0.2秒以上1.0秒以下であるように前記移動装置、前記第2の加熱装置および前記第2の冷却装置を制御する、
付記14または付記15に記載の車両足回り部品素材の製造装置。
(付記17)
前記変形は、曲げ、捩り、せん断の少なくとも一つである、
付記13から付記16のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材の製造装置。
(付記18)
誘導加熱後焼入れして車両足回り部品素材を製造するためのマルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記19)
前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材は、溶接鋼管である、
付記18記載の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記20)
マルテンサイト組織あるいはベイナイト組織の溶接鋼管である、
車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記21)
鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱しその後冷却して製造した、
車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記22)
溶接鋼管の鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱しその後冷却して製造した、
車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記23)
前記鋼材は、フェライト−パーライト組織の鋼材である、
付記21または付記22に記載の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記24)
前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材は、
マルテンサイト組織またはベイナイト組織:80体積%以上、
残部:残留オーステナイト、フェライトおよび炭化物である、
付記18から付記20のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記25)
前記鋼材は、
化学組成が、質量%で、
C:0.12%以上0.60%以下、
Si:0.001%以上2.0%以下、
Mn:0.5%以上3.0%以下、
P:0.05%以下、
S:0.01%以下、
sol.Al:0.001%以上1.0%以下、
N:0.01%以下、
B:0.01%以下、
残部:鉄および不純物
である、
付記21から付記23のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記26)
前記化学組成が、質量%で、
Ti:0.001%以上0.05%以下、
Nb:0.001%以上0.05%以下、
V :0.02%以上0.5%以下、
Cr:0.02%以上0.5%以下、
Mo:0.02以上0.5%以下、
Cu:0.02%以上1.0%以下および
Ni:0.02%以上1.0%以下、
からなる群から選択された1種または2種以上の元素を含有する、
付記25に記載の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記27)
前記フェライト−パーライト組織の鋼材は、30体積%以下のベイナイト組織を含む、
付記23に記載の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記28)
前記鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に、0.3秒以上、10分未満加熱する、
付記21から付記23のいずれか一つに記載の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材。
(付記29)
付記18から付記28のいずれか一つ記載の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を、局所的に誘導加熱する部分の位置を連続して移動させつつ、Ac3変態点以上950℃以下の温度に局所的に誘導加熱し、前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に誘導加熱された部分を局所的に連続して変形し、前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に連続して変形された部分を連続して焼入れして製造した車両足回り部品素材。

Claims (12)

  1. マルテンサイト組織またはベイナイト組織の車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を、局所的に誘導加熱する部分の位置を連続して移動させつつ、Ac3変態点以上950℃以下の温度に局所的に誘導加熱することと、
    前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に誘導加熱された部分を局所的に連続して変形することと、
    前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に連続して変形された部分を連続して焼入れすることと、
    を備える車両足回り部品素材の製造方法。
  2. 鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱しその後冷却して、前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を製造することをさらに備える、
    請求項1に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  3. 溶接鋼管の鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に加熱しその後冷却して、前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を製造することをさらに備える、
    請求項1に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  4. 前記鋼材は、フェライト−パーライト組織の鋼材である、
    請求項2または請求項3に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  5. 前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材は溶接鋼管である、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  6. 前記マルテンサイト組織またはベイナイト組織の鋼材は、
    マルテンサイト組織またはベイナイト組織:80体積%以上、
    残部:残留オーステナイト、フェライトおよび炭化物である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  7. 前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材を製造する前の鋼材は、
    化学組成が、質量%で、
    C:0.12%以上0.60%以下、
    Si:0.001%以上2.0%以下、
    Mn:0.5%以上3.0%以下、
    P:0.05%以下、
    S:0.01%以下、
    sol.Al:0.001%以上1.0%以下、
    N:0.01%以下、
    B:0.01%以下、
    残部:鉄および不純物
    である、
    請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  8. 前記化学組成が、質量%で、
    Ti:0.001%以上0.05%以下、
    Nb:0.001%以上0.05%以下、
    V :0.02%以上0.5%以下、
    Cr:0.02%以上0.5%以下、
    Mo:0.02以上0.5%以下、
    Cu:0.02%以上1.0%以下および
    Ni:0.02%以上1.0%以下、
    からなる群から選択された1種または2種以上の元素を含有する、
    請求項7に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  9. 前記フェライト−パーライト組織の鋼材は、30体積%以下のベイナイト組織を含む、
    請求項4に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  10. 前記鋼材を、Ac3変態点+10℃以上1100℃以下に、0.3秒以上、10分未満加熱する、
    請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  11. 前記車両足回り部品素材製造用焼入れ用鋼材の局所的に誘導加熱される部分がAc3変態点に到達してから焼入れ用の冷却が行われるまでの時間が0.2秒以上1.0秒以下である、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
  12. 前記変形は、曲げ、捩り、せん断の少なくとも一つである、
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の車両足回り部品素材の製造方法。
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