JP6428483B2 - ランキンサイクルシステム - Google Patents

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Description

この発明は、ランキンサイクルシステムに関する。
従来、例えば特許文献1には、内燃機関のウォータジャケットに流す冷媒の沸騰気化熱を利用して当該内燃機関の冷却を行うと共に、この冷却に伴って発生した蒸気(気相冷媒)のエネルギーを回収するランキンサイクルシステムが開示されている。このランキンサイクルシステムにおいて、ウォータジャケットは冷媒を循環させる閉回路の一部を構成しており、当該閉回路の途中には、ウォータジャケットの出口部から排出された気相冷媒のエネルギーを回収するエネルギー回収部が設けられている。また、このエネルギー回収部の下流には、コンデンサとウォーターポンプが設けられている。エネルギー回収部を経た気相冷媒は、コンデンサで冷やされて液体(液相冷媒)に戻り、ウォーターポンプよってウォータジャケットの入口部に送られる。
また、特許文献2には、ウォータジャケットの出口部から排出された気液二相の冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する気液分離器を備えるランキンサイクルシステムが開示されている。
特許第4683002号公報 特開2010−242516号公報
特許文献2の様な気液分離器を設けることで、この気液分離器を、気液二相の冷媒を一時的に貯留しておく冷媒貯留部として機能させることができる。そして、当該冷媒貯留部内の気液界面の位置(つまり液面の位置)を検出し、例えば液面位置が基準位置よりも低下した場合にはコンデンサから冷媒貯留部に液相冷媒を補充する、逆に液面位置が基準位置よりも上昇した場合には冷媒貯留部からコンデンサに液相冷媒を放出するといった送液制御を通じて内燃機関の冷却状態を制御することができる。
しかし、この様な冷媒貯留部を設ける場合、ウォータジャケットの出口部から冷媒貯留部へ気液二相の冷媒を搬送する過程で次のような問題がある。即ち、内燃機関の運転条件が一定であれば、ウォータジャケットで発生する蒸気量も一定であり、ウォータジャケットの出口部と冷媒貯留部を接続する経路内の圧力損失に殆ど変化はないはずである。しかし、気液二相の冷媒が当該接続経路を流れる際、液相冷媒と気相冷媒の流速が大きく異なるが故に液相冷媒が気相冷媒の流動を妨げてしまい、接続経路内の圧力損失が変化してしまう。そうすると、ウォータジャケット内の圧力がハンチングしてしまい、内燃機関の燃焼室壁温が極度に上昇してしまう。また、接続経路内の圧力損失が変化すると、冷媒貯留部内の液面もハンチングしてしまい、上述した冷却状態の制御が不安定となってしまう。特に、内燃機関の高負荷領域においてはウォータジャケットで発生する蒸気量が増えるので、上述したハンチングが大きくなってしまう。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものである。即ち、気液二相の冷媒を一時的に貯留する冷媒貯留部を設けるランキンサイクルシステムにおいて、ウォータジャケットの出口部と冷媒貯留部とを接続する経路での圧力損失の変化を抑制することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、ランキンサイクルシステムであって、
ウォータジャケットを流れる冷媒の沸騰気化熱を利用して冷却される内燃機関と、
前記内燃機関の外部において前記ウォータジャケットの入口部および出口部に接続され、前記ウォータジャケットと共に冷媒を循環させる閉回路を構成する冷媒通路と、
前記冷媒通路に設けられ、気液二相の冷媒を貯留可能な冷媒貯留部と、を備え、
前記冷媒貯留部は、その上面が前記出口部よりも鉛直方向上方に位置すると共に、その下面が前記出口部よりも鉛直方向下方に位置し、
前記出口部と前記冷媒貯留部との間の前記冷媒通路は、前記出口部と前記冷媒貯留部の上面側とを接続し、前記ウォータジャケットを気液未分離状態で流れて前記出口部に到達した冷媒のうちの気相冷媒を前記出口部の位置よりも鉛直方向上方に向けて流す気相用通路と、前記出口部と前記冷媒貯留部の下面側とを接続し、前記ウォータジャケットを気液未分離状態で流れて前記出口部に到達した冷媒のうちの液相冷媒を前記出口部の位置よりも鉛直方向下方に向けて流す液相用通路と、に分割されていることを特徴とする。
本発明によれば、ウォータジャケットの出口部と冷媒貯留部の間の冷媒通路が気相用通路と液相用通路とに分割されているので、ウォータジャケットを気液未分離状態で流れて出口部に到達した冷媒を、当該冷媒通路において気相冷媒と液相冷媒とに分離できる。従って、ウォータジャケットの出口部と冷媒貯留部とを接続する経路内の圧力損失の変化を抑制できる。
本発明の実施の形態1のランキンサイクルシステムの構成を説明する図である。 従来のランキンサイクルシステムにおける問題点を説明する図である。 従来のランキンサイクルシステムにおける問題点を説明する図である。 従来のランキンサイクルシステムにおける問題点を説明する図である。 本発明の実施の形態1の効果を説明する図である。 本発明の実施の形態1の効果を説明する図である。 実施の形態1の変形例を説明する図である。 本発明の実施の形態2のランキンサイクルシステムの構成を説明する図である。 仕切り板56周辺の上面図である。
以下、図1乃至図9を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
先ず、本発明の実施の形態1について、図1乃至図6を参照しながら説明する。
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のランキンサイクルシステムの構成を説明する図である。図1に示すように、実施の形態1に係るシステムは、内燃機関としてのエンジン10を備えている。エンジン10の気筒の周囲には、ウォータジャケット12が形成されている。ウォータジャケット12に流れる冷媒がエンジン10の熱を受け取って沸騰するときの気化熱により、エンジン10が冷却される。なお、エンジン10の気筒数および気筒配列は特に限定されない。また、ウォータジャケット12に流す冷媒は、エンジン10の熱を受け取って沸騰するものであれば特に限定されない。
ウォータジャケット12の出口部13には、冷媒通路14a,14bが接続されている。冷媒通路14a,14bは、出口部13の直下流において分岐して冷媒貯留部16に接続されている。冷媒貯留部16は、気液二相の冷媒を一時的に貯留可能に構成されており、その上面16aは出口部13よりも鉛直方向上方に位置し、その下面16bは当該出口部よりも鉛直方向下方に位置している。また、冷媒貯留部16は、冷媒通路14aと上面16a側で接続し、冷媒通路14bと下面16b側で接続している。このような位置関係となるように冷媒通路14a,14bを設けることで、出口部13から排出された気相冷媒を冷媒通路14aに優先的に流し(破線矢印参照)、液相冷媒を冷媒通路14bに優先的に流すことができる(実線矢印参照)。
ここで、冷媒通路14aは、その経路上に液相冷媒が溜まりにくい構造となっていることが好ましい。具体的には、冷媒通路14aが途中で下に凸状に屈曲する構造を有しないことが好ましい。この理由は、何らかの理由により気相冷媒が冷媒通路14aの途中で凝縮して液相冷媒となった場合、この液相冷媒が冷媒通路14aに溜まることで気相冷媒の流動を妨げるだけでなく、冷媒通路14aから冷媒貯留部16に液相冷媒が排出されてしまうためである。同様に、冷媒通路14bは、その経路上に気相冷媒が溜まりにくい構造となっていることが好ましい。具体的には、冷媒通路14bが途中で上に凸状に屈曲する構造を有しないことが好ましい。
また、冷媒通路14aと冷媒貯留部16の接続位置は、冷媒貯留部16の気液界面を検出するフロートセンサ48の稼動域の上限よりも鉛直方向上方であり、冷媒通路14bと冷媒貯留部16の接続位置は、当該稼動域の下限よりも鉛直方向下方である。このような位置関係となるように冷媒通路14a,14bを冷媒貯留部16に接続することで、冷媒通路14aを冷媒貯留部16の気相側に常時接続し、冷媒通路14bを冷媒貯留部16の気相側に常時接続することが可能となる。なお、冷媒通路14aの接続位置が上記稼動域の上限に近いと、気液界面が当該上限付近にある場合に冷媒通路14aから冷媒貯留部16に流入してきた気相冷媒によって当該気液界面に乱れが生じ易くなる。従って、冷媒通路14aの接続位置は、上記稼動域の上限よりもある程度上方とすることが好ましい。同様に、冷媒通路14bの接続位置は、上記稼動域の下限よりもある程度下方とすることが好ましい。
下面16bには、冷媒通路18が接続されている。冷媒通路18はウォータジャケット12の入口部(図示しない)に接続されている。この入口部の近傍には、ウォーターポンプ20が設けられている。ウォーターポンプ20は、エンジン10のクランクシャフトを駆動源とする機械式のポンプであるが、電動式の遠心型ポンプを使用することもできる。冷媒貯留部16内の液相冷媒の一部は、冷媒通路18を経由してウォーターポンプ20に流入し(実線矢印参照)、ウォーターポンプ20の駆動によりウォータジャケット12に送られる。
また、実施の形態1に係るシステムは、蒸発器22を備えている。蒸発器22は、エンジン10の排気通路(図示しない)に設けられている。蒸発器22は下面16bと冷媒通路24を介して接続されると共に、冷媒通路26を介して上面16a側に接続されている。冷媒貯留部16内の液相冷媒の一部が蒸発器22に流入すると(実線矢印参照)、その一部が排気熱により気相冷媒となる。この気相冷媒は、蒸発器22から冷媒通路26を経由して冷媒貯留部16に流入する(破線矢印参照)。
また、実施の形態1に係るシステムは、過熱器28と超音速ノズル30とタービン32とを備えている。過熱器28は、上記排気通路の蒸発器22の上流側に設けられている。また、過熱器28は、上面16aと冷媒通路34を介して接続されている。冷媒貯留部16内の気相冷媒が冷媒通路34を経由して過熱器28に流入すると(破線矢印参照)、排気熱により過熱蒸気となる。過熱蒸気は冷媒通路36を経由して超音速ノズル30に流入し(破線矢印参照)、タービン32に噴きつけられる。過熱蒸気が噴きつけられることで、タービン32が回転する。タービン32には発電機(図示しない)が接続されているので、タービン32が回転すると発電機において電気が発生する。発生した電気は蓄電池(図示しない)に蓄えられる。なお、タービン32に減速機(図示しない)を接続し、この減速機を介してエンジン10をアシストするように構成してもよい。
また、実施の形態1に係るシステムは、コンデンサ38とキャッチタンク40とウォーターポンプ42とを備えている。コンデンサ38は、冷媒通路44を介してタービン32と接続されている。冷媒通路44を経由してタービン32からコンデンサ38に流入した気相冷媒は(破線矢印参照)、コンデンサ38において冷却されて液相冷媒に戻り、キャッチタンク40に一時的に貯留される。ウォーターポンプ42は、キャッチタンク40に貯留された液相冷媒を冷媒通路46に送るための電動式のポンプである。ウォーターポンプ42を駆動すると、キャッチタンク40内の液相冷媒が冷媒通路46を経由して冷媒通路18に送られる(実線矢印参照)。
また、実施の形態1に係るシステムは、冷媒貯留部16の気相中の圧力を減圧するための圧力逃がし弁(図示しない)を備えている。この圧力逃がし弁は、例えば電磁弁であり、過熱器28、超音速ノズル30やタービン32をバイパスして冷媒貯留部16とコンデンサ38を接続する冷媒通路(図示しない)に設けられている。圧力逃がし弁を開くと、冷媒貯留部16の気相冷媒が過熱器28等を経由せずにコンデンサ38に流入し、これにより冷媒貯留部16内の気相中の圧力が低下する。
また、実施の形態1に係るシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50は、少なくとも入出力インタフェースとメモリとCPUとを備えている。入出力インタフェースは、各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、アクチュエータに対して操作信号を出力するために設けられる。ECU50が信号を取り込むセンサには、フロートセンサ48が含まれる。ECU50が操作信号を出すアクチュエータには、ウォーターポンプ42や圧力逃がし弁が含まれる。メモリには、各種制御プログラム、各種マップ等が記憶されている。CPUは、制御プログラム等をメモリから読み出して実行し、ECU50が取り込んだセンサ信号に基づいて操作信号を生成する。
ECU50による制御には、ウォーターポンプ42の駆動制御および圧力逃がし弁の開閉制御が含まれる。先ず、ウォーターポンプ42の駆動制御について説明する。ECU50によるウォーターポンプ42の駆動制御は、冷媒貯留部16内の液相冷媒が減少してフロートセンサ48の位置がその稼動域の下限に到達した場合に、キャッチタンク40内の液相冷媒を、ウォーターポンプ20に送る目的で行われるものである。冷媒貯留部16内の液相冷媒が極端に減少した場合には、ウォーターポンプ20からウォータジャケット12に送られる液相冷媒量が減少してしまう。この点、駆動制御によれば、キャッチタンク40内の液相冷媒を冷媒通路46,18経由でウォーターポンプ20に送ることができるので、エンジン10の燃焼室壁温が極度に上昇するのを抑制できる。また、駆動制御によれば、冷媒貯留部16から冷媒通路18への液相冷媒の流出量を減らして、冷媒通路14bからの液相冷媒によって冷媒貯留部16内の気液界面を上昇させることもできる。
ECU50による圧力逃がし弁の開閉制御は、冷媒貯留部16の気相中の圧力を減圧する目的で行われるものである。この開閉制御では、具体的に、冷媒貯留部16の気相中の圧力が常圧〜高圧領域(例えば100〜200kPaG)を下回る場合は圧力逃がし弁を閉じ、所定圧力(例えば200kPaG)以上の場合に圧力逃がし弁を開くものである。なお、冷媒貯留部16の気相中の圧力は、例えば、冷媒貯留部16に取り付けた圧力センサから検出することができる。
[実施の形態1の特徴とその効果]
図2乃至図4は、従来のランキンサイクルシステムにおける問題点を説明する図である。図2乃至図4に示すように、従来システムでは、出口部13と冷媒貯留部52とが一本の冷媒通路54を介して接続されており、出口部13から排出された気液二相の溶媒が冷媒貯留部52に流入した後に気相冷媒と液相冷媒とに分離される。つまり、冷媒通路54においては気液分離されていない。そのため、冷媒通路54内で液相冷媒が気相冷媒の流動を妨げてしまい、エンジン10の運転条件が一定でウォータジャケット12で発生する蒸気量も一定であるにも関わらず、冷媒通路54内の圧力損失が変化してしまうという問題がある。この問題は、液相冷媒と気相冷媒の流速が大きく異なることに起因している。
冷媒通路54内の圧力損失が変化すると、ウォータジャケット12内の圧力がハンチングしてしまい、エンジン10の燃焼室壁温が極度に上昇してしまう。また、冷媒通路54内の圧力損失が変化すると、冷媒貯留部52内の液面もハンチングしてしまう。具体的に、冷媒通路54を冷媒貯留部52の気液界面と平行に設けた図2の場合は冷媒通路54から噴出される液体と蒸気によって、冷媒貯留部52の鉛直方向下方に冷媒通路54を接続した図3の場合は冷媒通路54から噴出される気泡によって、冷媒貯留部52の鉛直方向下方に冷媒通路54を接続した図4の場合は冷媒通路54から落下する液体によって、それぞれ冷媒貯留部52内の液面がハンチングしてしまう。冷媒貯留部52内の液面がハンチングすると、フロートセンサ48が揺動してしまうので、フロートセンサ48の位置に基づいて行われる制御(具体的には、上述したウォーターポンプ42の駆動制御)が不安定となってしまう。特に、エンジン10を高負荷運転している場合や、上述した圧力逃し弁の開閉制御の開始直後は、ウォータジャケット12で発生する蒸気量が増えるので、上述したハンチングが大きくなってしまう。
この点、実施の形態1によれば、出口部13から排出された気液二相の冷媒を出口部13と冷媒貯留部16との間の冷媒通路において気相冷媒と液相冷媒とに分離できる。従って、出口部13と冷媒貯留部16との間の冷媒通路内、つまり、冷媒通路14a,14b内の圧力損失が変化することを抑制できる。図5乃至図6は、実施の形態1の効果を説明する図である。図5に示すように、エンジン内圧(つまり、ウォータジャケット12内の圧力)がハンチングすることを抑制できる。また、図6に示すように、冷媒貯留部内の水位(つまり、気液界面の位置)に乱れが生じるのを抑制できる。なお、図5乃至図6において、「本発明なし」が図2乃至図4で説明した従来構成での圧力や水位の経時特性を示し、「本発明あり」が実施の形態1での圧力や水位の経時特性に該当している。
ところで、上記実施の形態1においては、出口部13の直下流において冷媒通路14a,14を分岐させた。しかし、冷媒通路14a,14bの出口部13との接続位置や、冷媒通路14a,14bの本数については、各種変形が可能である。図7は、実施の形態1の変形例を説明する図である。図7に示す構成では、出口部13が冷媒通路14a,14bに対して別々に設けられている。また、冷媒通路14aはその上流側において5本に分岐している。但し、ウォータジャケット12の各出口部の上面16aとの位置関係、および、当該各出口部の下面16bとの位置関係については、図1と同様である。このような位置関係にあれば、図1同様、気相冷媒を冷媒通路14aに優先的に流し、液相冷媒を冷媒通路14bに優先的に流すことができる。従って、このような位置関係が成立する限りにおいて、冷媒通路14a,14bの出口部13との接続位置や、冷媒通路14a,14bの本数については、エンジン10の搭載角度や冷媒通路14bの水流れ方向に応じて適宜変更できる。
なお、上記実施の形態1においては、冷媒通路14a,14b,18が本発明の「冷媒通路」に、冷媒通路14aが本発明の「気相用通路」に、冷媒通路14bが本発明の「液相用通路」に、それぞれ相当している。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2ついて、図8乃至図9を参照しながら説明する。
[実施の形態2の特徴とその効果]
図8は、本発明の実施の形態2のランキンサイクルシステムの構成を説明する図である。図8に示すように、実施の形態2においては、冷媒通路14の鉛直方向の断面積が出口部13から冷媒貯留部16に向かうに従い拡大しており、冷媒通路14内には仕切り板56が設けられている。また、図9は、仕切り板56周辺の上面図である。図9に示すように、冷媒通路14の水平方向の断面積も出口部13から冷媒貯留部16に向かうに従い拡大している。つまり、冷媒通路14は出口部13から冷媒貯留部16に向かうに従い拡径する円錐台状に形成されている。また、仕切り板56は円弧状に湾曲した湾曲面56aと、湾曲面56aの両端から平行に延びる2枚の側面56bとから構成されている。
仕切り板56によれば、湾曲面56aによって冷媒通路14内の気液界面の乱れを抑制しつつ、冷媒通路14内を上下方向に分割して出口部13から排出された気相冷媒を仕切り板56の上方に流し、液相冷媒を仕切り板56の下方に流すことができる。従って、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。なお、実施の形態2では、フロートセンサ48の稼動域が仕切り板56の鉛直方向の幅よりも狭く設定されている。これにより、冷媒通路14内の気液界面が仕切り板56よりも上方まで上昇し、または、仕切り板56よりも下方まで下降することを回避して、冷媒通路14内の気液界面の乱れが冷媒貯留部16の気液界面に伝播するのを未然に防止している。
上記実施の形態2においては、冷媒通路14,18が本発明の「冷媒通路」に、冷媒通路14内の気液界面よりも鉛直方向上方の空間が本発明の「気相用通路」に、同気液界面よりも鉛直方向下方の空間が本発明の「液相用通路」に、それぞれ相当している。
10 エンジン
12 ウォータジャケット
13 出口部
14,14a,14b,18,24,26,34,36,44,46,54 冷媒通路
16,52 冷媒貯留部
16a 上面
16b 下面
28 過熱器
30 超音速ノズル
32 タービン
38 コンデンサ
40 キャッチタンク
50 ECU

Claims (1)

  1. ウォータジャケットを流れる冷媒の沸騰気化熱を利用して冷却される内燃機関と、
    前記内燃機関の外部において前記ウォータジャケットの入口部および出口部に接続され、前記ウォータジャケットと共に冷媒を循環させる閉回路を構成する冷媒通路と、
    前記冷媒通路に設けられ、気液二相の冷媒を貯留可能な冷媒貯留部と、を備え、
    前記冷媒貯留部は、その上面が前記出口部よりも鉛直方向上方に位置すると共に、その下面が前記出口部よりも鉛直方向下方に位置し、
    前記出口部と前記冷媒貯留部との間の前記冷媒通路は、前記出口部と前記冷媒貯留部の上面側とを接続し、前記ウォータジャケットを気液未分離状態で流れて前記出口部に到達した冷媒のうちの気相冷媒を前記出口部の位置よりも鉛直方向上方に向けて流す気相用通路と、前記出口部と前記冷媒貯留部の下面側とを接続し、前記ウォータジャケットを気液未分離状態で流れて前記出口部に到達した冷媒のうちの液相冷媒を前記出口部の位置よりも鉛直方向下方に向けて流す液相用通路と、に分割されていることを特徴とするランキンサイクルシステム。
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