JP6427808B1 - 伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法 - Google Patents

伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6427808B1
JP6427808B1 JP2018014155A JP2018014155A JP6427808B1 JP 6427808 B1 JP6427808 B1 JP 6427808B1 JP 2018014155 A JP2018014155 A JP 2018014155A JP 2018014155 A JP2018014155 A JP 2018014155A JP 6427808 B1 JP6427808 B1 JP 6427808B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded body
refractory
refractory molded
protector
convex portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018014155A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019132488A (ja
Inventor
道也 藤田
道也 藤田
キテイ 李
キテイ 李
泰治 内田
泰治 内田
聡 宮本
聡 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Environmental and Chemical Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Environmental and Chemical Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Environmental and Chemical Engineering Co Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Environmental and Chemical Engineering Co Ltd
Priority to JP2018014155A priority Critical patent/JP6427808B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6427808B1 publication Critical patent/JP6427808B1/ja
Publication of JP2019132488A publication Critical patent/JP2019132488A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】熱応力に対する耐久性を高く、伝熱管の熱伝導性を良好にする。
【解決手段】伝熱管を保護する耐火物製プロテクタであって、円筒状耐火物を二つに分割したような形状の第一耐火物成型体3及び第一耐火物成型体よりも小さい第二耐火物成型体4を有し、第一耐火物成型体3は、中心軸に直交する断面形状において、一端に第一耐火物成型体の内面と面一で連続する第一凸部11と、他端に第一耐火物成型体の外面と面一で連続する第二凸部12と、を有し、第二耐火物成型体4は、断面形状において、一端に第二耐火物成型体4の内面と面一で連続する第三凸部13と、他端に第二耐火物成型体の外面と面一で連続する第四凸部14と、を有し、第一凸部11と第四凸部14とを互いに向い合せるとともに、第二凸部12と第三凸部13とを互いに向い合せ、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを組み合わせて一体にする伝熱管用耐火物製プロテクタを提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法に関する。
例えば、ごみ焼却炉のボイラでは、伝熱管で排ガスの熱交換を行っている。排ガスには灰が含まれるため、伝熱管に灰が付着するが、これを放置すると伝熱管の熱伝導率が低下する。そこで、付着した灰による伝熱管の熱伝導率の低下を抑制するため、スートブローを設置し、スートブローから噴出される蒸気を伝熱管に当てることで、灰を除去している。しかしながら、伝熱管における蒸気が当たる箇所は、ドレンアタックにより減肉し易い。
そこで、2つの金属製半割管から構成されるプロテクタ(特許文献1参照)を伝熱管に設置したり、一対の耐火物製半割管から構成されるプロテクタ(特許文献2参照)を伝熱管に設置し、上記蒸気から伝熱管を保護して伝熱管の長寿命化を図っている。なお、プロテクタは、伝熱管の熱交換を良好に行うため、伝熱管の一部、すなわち伝熱管のうち保護すべき箇所にのみ設置される。
特開平7−239104号公報 特開昭63−163703号公報
ところで、特許文献1に記載されている金属製プロテクタの場合、プロテクタが腐食し、プロテクタの寿命が短くなる恐れがある。
一方、特許文献2に記載されている耐火物製プロテクタの場合、金属製プロテクタの場合と異なり、プロテクタは腐食しないが、半割管同士の溶接ができない。そこで、耐火物製プロテクタは、耐火物製半割管の外面の一部に爪を設けて、一対の耐火物製半割管同士を嵌め合う構造としている。しかし、爪が形成された箇所が突出するため、耐火物製プロテクタの断面形状は、爪が形成された箇所においては円形にならない。このため、耐火物製プロテクタを設置した伝熱管では、耐火物製プロテクタの厚み(肉厚)が全体的に均一でないことから、耐火物製プロテクタ自身の熱応力に対する耐久性が低くなる恐れや、伝熱管の熱伝導に悪影響を及ぼす恐れがある。さらに、上述のように、耐火物製プロテクタには突出した箇所があることから、排ガスの流れに偏流が生じて、プロテクタを設置していない伝熱管に局所摩耗が起こる恐れや、プロテクタを設置していない伝熱管の予期しない箇所に灰が付着する恐れがある。
この発明は、熱応力に対する耐久性が高く、伝熱管の熱伝導性を良好にすることができるともに、排ガスの偏流を防止できる伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様によれば、伝熱管用耐火物製プロテクタは、前記伝熱管の外径よりも大きい内径の円筒状耐火物を中心軸に沿って二つに分割したような形状の第一耐火物成型体及び前記第一耐火物成型体よりも小さい第二耐火物成型体を有し、前記第一耐火物成型体は、前記中心軸に直交する断面形状において、一端に前記第一耐火物成型体の内面と面一で連続する第一凸部と、他端に前記第一耐火物成型体の外面と面一で連続する第二凸部と、を有し、前記第二耐火物成型体は、前記断面形状において、一端に前記第二耐火物成型体の内面と面一で連続する第三凸部と、他端に前記第二耐火物成型体の外面と面一で連続する第四凸部と、を有し、前記第一凸部と前記第四凸部とを互いに向い合せるとともに、前記第二凸部と前記第三凸部とを互いに向い合せ、前記中心軸に直交する方向から前記第一耐火物成型体と前記第二耐火物成型体とを組み合わせて一体にする。
このような構成によれば、円筒形状の耐火物製プロテクタが得られる。従って、耐火物製プロテクタの断面形状が実質的に円形(外形は円筒形)であり、プロテクタの肉厚が実質的に均一であるので、プロテクタ自身の熱応力に対する耐久性を高くすることができる。
本発明の第二の態様によれば、プロテクタ付伝熱管の製造方法は、伝熱管に上記いずれかの伝熱管用耐火物製プロテクタを設置するプロテクタ付伝熱管の製造方法であって、第一耐火物成型体の内面と第二耐火物成型体の内面に、耐熱性接着剤を塗工する塗工工程と、伝熱管の外側に流れるガスの上流側に耐熱性接着剤を塗工した第二耐火物成型体を配置し、ガスの下流側に耐熱性接着剤を塗工した第一耐火物成型体を配置し、伝熱管を挟んで第一耐火物成型体と第二耐火物成型体とを組み合わせて一体にする一体化工程と、第一耐火物成型体及び第二耐火物成型体をピンまたはひも状部材を用いて係止する係止工程と、を有する。
このような方法によれば、耐火物製プロテクタの断面形状が円形(外形は円筒形)であるため、ガスの偏流を防止することができる。
本発明によれば、熱応力に対する耐久性を高くし、伝熱管の熱伝導性を良好にすることができる。また、ガスの偏流を防止できる。
本発明の実施形態の伝熱管用耐火物製プロテクタの斜視図である。 図1のII矢視図であって、本発明の実施形態の伝熱管用耐火物製プロテクタの正面図である。 本発明の実施形態の伝熱管の製造方法によって製造された伝熱管の側面図である。 図3のIV−IV断面図であって、伝熱管の製造方法によって製造された伝熱管の断面図である。 本発明の実施形態の変形例の伝熱管用耐火物製プロテクタの斜視図である。 本発明の実施形態の変形例の伝熱管用耐火物製プロテクタの分解斜視図である。 本発明の実施形態の変形例の伝熱管の製造方法によって製造された伝熱管の側面図である。 図7のVIII−VIII断面図である。 図7のIX−IX断面図である。 図7のX−X断面図である。
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態の伝熱管用耐火物製プロテクタ、及びこのプロテクタを用いたプロテクタ付伝熱管の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の伝熱管用耐火物製プロテクタは、金属製の伝熱管、例えば、ごみ焼却炉に設けられているボイラの伝熱管を保護するものである。耐火物製プロテクタは、円管(断面形状が円形の管)である伝熱管を、伝熱管の外側から覆って保護する。伝熱管は、直線状の箇所や曲げのある箇所があるが、ここでは、伝熱管の直線状の箇所の一部に、伝熱管用耐火物プロテクタが設置される。この伝熱管用耐火物プロテクタは、モルタルなどの接着力を有する耐熱性接着剤を介して伝熱管に取り付けられる。
図1に示すように、本実施形態の伝熱管用耐火物製プロテクタ1(以下、プロテクタ1という)は、一対の耐火物成型体、すなわち、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4を組み合わせて一体にした円筒形の円筒状耐火物2である。
プロテクタ1は、円筒状耐火物2を円筒形の中心軸A(プロテクタ1が取り付けられる伝熱管Pの中心軸)に沿って二つに分割したような形状(詳細は後述する)のうち、大きい形状の第一耐火物成型体3と、小さい形状の第二耐火物成型体4とを有している。換言すれば、第一耐火物成型体3と第一耐火物成型体より小さい第二耐火物成型体を組み合わせると、円筒形の円筒状耐火物2となる。
第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを組み合わせて構成される円筒状耐火物2は、中心軸Aに直交する断面形状が、実質的に均一の肉厚TAを有する円形となる。円筒状耐火物2の内径Dは、伝熱管の外径dよりも大きい。
プロテクタ1は、耐火物によって形成されている。例えば、プロテクタ1は、炭化珪素(SiC)によって形成されている。
第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とは同形状ではなく、第一耐火物成型体3は、第二耐火物成型体4よりも大きい。具体的には、中心軸Aに直交する断面形状を見ると、第一耐火物成型体3は半円より大きく、第二耐火物成型体4は半円より小さい。中心軸Aに沿って中心軸に平行に円筒状耐火物2を二つに分割したような形状であるため、第一耐火物成型体3の中心軸Aに直交する断面形状は、中心軸Aの任意の位置において同一である。同様に、第二耐火物成型体4の中心軸Aに直交する断面形状は、中心軸Aの任意の位置において同一である。
ここで、中心軸Aに沿って中心軸Aに平行に円筒状耐火物2を「二つに分割したような」形状と説明したのは、プロテクタ1を製造する際、円筒状耐火物2を実際に二分割して第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4を形成してもよいし、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4をそれぞれ別箇の型枠で形成してもよいからである。第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4をそれぞれ別箇の型枠で形成した場合は、これらを組み合わせると、円筒状耐火物2が得られることとなる。
なお、円筒状耐火物2を二つに分割した形状とし、三つ以上に分割した形状としていないのは、耐熱性接着剤がガスで削れるなどしてプロテクタ1の強度が減少するのを極力防止するためである。
第一耐火物成型体3は、中心軸Aに直交する断面形状において、一端に第一凸部11を備え、他端に第二凸部12を備えている。
第一凸部11は、第一耐火物成型体3の内面7bと面一で連続している。第一凸部11の肉厚T1は、T1<TAの関係にある。このため、第一耐火物成型体3の肉厚TAの部分と第一凸部11の間には段差7cがある。従って、第一凸部11の外形は、第一耐火物成型体3の肉厚TAの部分から凸状に突き出た形状である。
また、第二凸部12は、第一耐火物成型体3の外面7aと面一で連続している。第二凸部12の肉厚T2は、T2<TAの関係にある。このため、第一耐火物成型体3の肉厚TAの部分と第二凸部12の間には段差7dがある。従って、第二凸部12の外形は、第一耐火物成型体3の肉厚TAの部分から凸状に突き出た形状である。
第一凸部11は、後述する第二耐火物成型体4の第四凸部14に対応する部位である。第一凸部11は第四凸部14に組み合わされる。同様に、第二凸部12は、後述する第二耐火物成型体4の第三凸部13に対応する部位である。第二凸部12は第三凸部13に組み合わされる。
第一凸部11の肉厚T1と第二凸部12の肉厚T2は、それぞれの強度を考慮して、円筒状耐火物2の肉厚TAの略1/2としている。
また、中心軸Aに直交する断面形状において、第一凸部11と第二凸部12の各々の長さは、例えば、円筒状耐火物2の円周の長さの1/20程度にすることができる。
第一凸部11の先端と第二凸部12の先端との間の最短距離Lは、円筒状耐火物2の内径Dより小さく、かつ、伝熱管Pの外径dよりもやや大きい。このため、第一凸部11と第二凸部12の間に、中心軸Aに直交する方向から伝熱管Pを挿入して、第一耐火物成型体3で伝熱管Pの外面の一部を覆うことができる。伝熱管Pの外面の一部を第一耐火物成型体3で覆った後、後述の第二耐火物成型体4を第一耐火物成型体3に組み合わせて一体とすれば、伝熱管Pを第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4で覆うことができる。
第二耐火物成型体4は、中心軸Aに直交する断面形状において、一端に第三凸部13を備え、他端に第四凸部14を備えている。
第三凸部13は、第二耐火物成型体4の内面8bと面一で連続している。第三凸部13の肉厚T3は、T3<TAの関係にある。このため、第二耐火物成型体4の肉厚TAの部分と第三凸部13の間には、段差8cがある。従って、第三凸部13の外形は、第二耐火物成型体4の肉厚TAの部分から凸状に突き出た形状である。
また、第四凸部14は、第二耐火物成型体4の外面8aと面一で連続している。第四凸部14の肉厚T4は、T4<TAの関係にある。このため、第二耐火物成型体4の肉厚TAの部分と第四凸部14の間には、段差8dがある。従って、第四凸部14の外形は、第二耐火物成型体4の肉厚TAの部分から凸状に突き出た形状である。
第三凸部13の肉厚T3と第四凸部14の肉厚T4は、それぞれの強度を考慮して、円筒状耐火物2の肉厚TAの略1/2としている。
また、中心軸Aに直交する断面形状において、第三凸部13と第四凸部14の各々の長さは、例えば、円筒状耐火物2の円周の長さの1/20程度にすることができる。
第一耐火物成型体3及び第二耐火物成型体4の内面には、複数の突起部5が形成されている。突起部5の内面7b,8bからの高さは、プロテクタ1を伝熱管Pに取り付けた際の円筒状耐火物2の内面7b,8bと伝熱管Pとの間の隙間の寸法と略同じである。突起部5の高さH、円筒状耐火物2の内径D、伝熱管Pの外径dを用いると、高さHは、以下の数式(1)で算出することができる。
H ≦ (D−d)/2 ・・・(1)
突起部5は、円筒状耐火物2と伝熱管Pとの間に充填される耐熱接着剤に円筒状耐火物2を食い込ませ、円筒状耐火物2を伝熱管Pに強固に固定する。
突起部5は、円錐の形状をなしている。突起部5の形状は、これに限ることはなく、例えば、三角錐など、多角錐の形状としてもよい。
第一耐火物成型体3の第一凸部11と第二凸部12、第二耐火物成型体4の第三凸部13と第四凸部14には、それぞれ中心軸Aに直交する方向に貫通したピン孔15が形成されている。
第一凸部11に形成されたピン孔15は、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを組み合わせて一体とした際に、第四凸部14に形成されたピン孔15と連通する。同様に、第二凸部12に形成されたピン孔15は、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを組み合わせて一体とした際に、第三凸部13に形成されたピン孔15と連通する。
次に、本実施形態のプロテクタ1を備えたプロテクタ付伝熱管の製造方法について説明する。図3は、本発明の製造方法によって製造されたプロテクタ付伝熱管の側面図であり、図4は、図3のIV−IV断面図である。図3及び図4において、伝熱管Pで熱交換されるガスGは、プロテクタ1を構成する第二耐火物成型体4に向かって流れる。すなわち、ガスGの流れ方向の上流側に第二耐火物成型体4が配置され、下流側に第一耐火物成型体3が配置される。
背景技術で述べたように、ごみ焼却炉におけるごみ焼却で発生する排ガスの流路であるダクトにスートブロ―が設置されるが、スートブロ―は、一般的に、排ガスが下方から上方に流れるダクトに配置される。また、伝熱管Pは、当該ダクトに複数本が並列に配置されている。従って、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4のうち、大きい方の第一耐火物成型体3を伝熱管Pの上方に配置して作業者が作業すれば、並列に配置された伝熱管Pの間に作業者の手を通し易いので作業が容易となり、また、伝熱管Pに第一耐火物成型体3を安定的に載せた状態で作業することもできるため、作業効率を向上することができる。
では、以下に、本実施形態のプロテクタ1を備えたプロテクタ付伝熱管の製造方向を詳述する。
プロテクタ付伝熱管の製造方法は、プロテクタ1の内面に耐熱性接着剤、例えばモルタルMを塗工する塗工工程と、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを伝熱管Pを挟んで組み合わせる一体化工程と、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを係止する係止工程と、を有している。
塗工工程では、作業者は、第一耐火物成型体3の内面7bと第二耐火物成型体4の内面8bに、耐熱性接着剤であるモルタルMを塗工する。
プロテクタ1の内面に塗工する耐熱性接着剤は、プロテクタ1と伝熱管Pとの間を充填するとともに、プロテクタ1と伝熱管Pとを接着することができれば、モルタルMに限ることはなく、他の材料を用いることができる。
塗工工程の次の一体化工程では、作業者は、ガスの上流側にモルタルMを塗工した第二耐火物成型体4を配置し、ガスの下流側にモルタルMを塗工した第一耐火物成型体3を配置する。次いで、第一凸部11と第四凸部14を互いに向い合せるとともに、第二凸部12と第三凸部13を互いに向い合せ、伝熱管Pを挟んで第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4を組み合わせて一体にする。
一体化工程の次の係止工程では、作業者は、第一耐火物成型体3及び第二耐火物成型体4を、ピンPNを用いて係止する。ピンPNの材質は、金属でもよいし、耐火物でもよい。モルタルMが乾燥した後は、ピンPNを外してよい。即ち、ピンPNは、モルタルMが固化し、伝熱管Pにプロテクタ1が固定するまでの一時的な用途でよい。ただし、差し込んだピンPNの先端が、モルタルMの表面近傍で止まるように施工する。
上記実施形態によれば、プロテクタ1の形状が、実質的に肉厚が均一の円筒形であることにより、プロテクタ1の熱応力に対する耐久性が高く、また、伝熱管Pの熱伝導性を良好にすることができる。さらに、プロテクタ1の断面形状が円形であることにより、ガスの偏流が防止できる。このため、プロテクタ1を配置していない伝熱管に対してガス偏流により生じうる局所摩耗を防止し、かつ、予期しない箇所への灰の付着を予防することができる。
また、第一凸部11が第一耐火物成型体本体7の内面7bと面一で連続している形状であり、第二凸部12が第一耐火物成型体本体7の外面7aと面一で連続している形状であることによって、伝熱管Pとプロテクタ1との間の隙間を可能な限り小さくしながら、中心軸Aに直交する方向から伝熱管をプロテクタ1の内側に挿入することを可能にしている。
例えば、第一凸部11と第二凸部12の両方が第一耐火物成型体3の内面7bと面一で連続している形状である場合、伝熱管Pとプロテクタ1との間の隙間を大きくしないと、中心軸Aに直交する方向からプロテクタ1の内側に挿入することができない。
〔変形例〕
以下、本発明の実施形態の変形例について図面を参照して詳細に説明する。なお、本変形例では、上述した実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図5及び図6に示すように、変形例のプロテクタ1Bは、第一耐火物成型体3Bの第二凸部12と第二耐火物成型体4Bの第三凸部13が中心軸Aと平行に形成されている。一方、第一耐火物成型体3Bの第一凸部11Bと第二耐火物成型体4Bの第四凸部14Bは中心軸Aに対して斜めに形成されている。すなわち、第一凸部11Bと第四凸部14Bは、中心軸Aと平行に形成されていない。
図7、図8(図7のVIII−VIII断面図)、図9(図7のIX−IX断面図)、図10(図7のX−X断面図)に示すように、変形例のプロテクタ1Bの内面にも実施形態のプロテクタ1と同様に、複数の突起部5が形成されている。すなわち、複数の突起部5は、中心軸Aに沿ってプロテクタ1Bの内面全体に散在している。プロテクタ1Bと伝熱管Pとの間には、耐熱性接着剤であるモルタルMが充填されており、突起部5がモルタルMに食い込むことで、伝熱管Pに対してプロテクタ1Bが強固に固定される。モルタルMが乾燥して固まるまでは、第一耐火物成型体3Bと第二耐火物成型体4Bは、ピンPNにより係止することができる。
上記変形例によれば、中心軸に平行に形成されていない第一凸部11Bと第四凸部14Bを組み合わせて一体にし、円筒状耐火物2(プロテクタ1B)を形成するため、施工の際、第一耐火物成型体3Bと第二耐火物成型体4Bの位置ずれを容易に認識することができ、位置ずれを容易に修正することができる。
なお、ここでは、第一耐火物成型体3Bの第二凸部12と第二耐火物成型体4Bの第三凸部13は中心軸Aと平行に形成され、第一耐火物成型体3Bの第一凸部11Bと第二耐火物成型体4Bの第四凸部14Bは中心軸Aに対して斜めに形成されているとして説明した。しかしながら、第二凸部12と第三凸部13が中心軸Aに対して斜めに形成され、第一凸部11Bと第四凸部14Bが中心軸と平行に形成された構成としてもよい。また、第一凸部、第二凸部、第三凸部、及び第四凸部のいずれも、中心軸Aに対して斜めに形成された構成としてもよい。これらの構成であっても、第一耐火物成型体と第二耐火物成型体の位置ずれを容易に認識し、修正することができるからである。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、第一凸部、第二凸部、第三凸部、第四凸部の厚み(肉厚)は、円筒状耐火物2の肉厚TAの略1/2としたが、強度的に問題がなければ、適宜変更してよい。すなわち、第一耐火物成型体と第二耐火物成型体とを組み合わせて、実質的に円筒形の円筒状耐火物2が形成されればよいので、これらの厚みや長さは適宜変更することができる。
なお、上記実施形態及び変形例では、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とをピンPNを用いて係止する構成としたが、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4との位置関係を保持できれば係止方法はこれに限ることはない。例えば、耐火性接着剤を塗工した第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4を伝熱管Pに配置した後、ひも状の部材(例えば、結束バンド)を第一耐火物成型体3及び第二耐火物成型体4の周囲に当接させて係止してもよい。この場合は、プロテクタ1にピン孔15を形成する必要がなくなるので、プロテクタ1の熱応力に対する耐久性の観点や伝熱管の熱伝導性の観点で、より望ましい。ピンと同様、モルタルMが固まれば、ひも状部材は燃えても、外れてもよい。
1、1B プロテクタ
2 円筒状耐火物
3、3B 第一耐火物成型体
4、4B 第二耐火物成型体
5 突起部
11、11B 第一凸部
12 第二凸部
13 第三凸部
14、14B 第四凸部
15 ピン孔
A 中心軸
M モルタル
P 伝熱管
PN ピン
TA 厚さ(肉厚)

Claims (5)

  1. 伝熱管を保護する耐火物製プロテクタであって、
    前記伝熱管の外径よりも大きい内径の円筒状耐火物を中心軸に沿って二つに分割したような形状の第一耐火物成型体及び前記第一耐火物成型体よりも小さい第二耐火物成型体を有し、
    前記第一耐火物成型体は、前記中心軸に直交する断面形状において、一端に前記第一耐火物成型体の内面と面一で連続する第一凸部と、他端に前記第一耐火物成型体の外面と面一で連続する第二凸部と、を有し、
    前記第二耐火物成型体は、前記断面形状において、一端に前記第二耐火物成型体の内面と面一で連続する第三凸部と、他端に前記第二耐火物成型体の外面と面一で連続する第四凸部と、を有し、
    前記第一凸部と前記第四凸部とを互いに向い合せるとともに、前記第二凸部と前記第三凸部とを互いに向い合せ、前記中心軸に直交する方向から前記第一耐火物成型体と前記第二耐火物成型体とを組み合わせて一体にする伝熱管用耐火物製プロテクタ。
  2. 前記第一耐火物成型体及び前記第二耐火物成型体は炭化珪素で形成されており、前記第一耐火物成型体及び前記第二耐火物成型体の内面には、複数の突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の伝熱管用耐火物製プロテクタ。
  3. 前記第一凸部及び前記第二凸部は、前記中心軸と平行に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の伝熱管用耐火物製プロテクタ。
  4. 前記第一凸部または前記第二凸部の一方は前記中心軸と平行に形成され、他方は前記中心軸に対して斜めに形成されることを特徴とする請求項2に記載の伝熱管用耐火物製プロテクタ。
  5. 前記伝熱管に請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の伝熱管用耐火物製プロテクタを設置したプロテクタ付伝熱管の製造方法であって、
    前記第一耐火物成型体の内面と前記第二耐火物成型体の内面に、耐熱性接着剤を塗工する塗工工程と、
    前記伝熱管の外側に流れるガスの上流側に前記耐熱性接着剤を塗工した前記第二耐火物成型体を配置し、前記ガスの下流側に前記耐熱性接着剤を塗工した前記第一耐火物成型体を配置し、前記伝熱管を挟んで前記第一耐火物成型体と前記第二耐火物成型体とを組み合わせて一体にする一体化工程と、
    前記第一耐火物成型体及び前記第二耐火物成型体をピンまたはひも状部材を用いて係止する係止工程と、
    を有することを特徴とするプロテクタ付伝熱管の製造方法。
JP2018014155A 2018-01-30 2018-01-30 伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法 Active JP6427808B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018014155A JP6427808B1 (ja) 2018-01-30 2018-01-30 伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018014155A JP6427808B1 (ja) 2018-01-30 2018-01-30 伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6427808B1 true JP6427808B1 (ja) 2018-11-28
JP2019132488A JP2019132488A (ja) 2019-08-08

Family

ID=64480466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018014155A Active JP6427808B1 (ja) 2018-01-30 2018-01-30 伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6427808B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021010481A1 (ja) 2019-07-18 2021-01-21

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE407295C (de) * 1924-12-17 Paul Krainer Einrichtung zum Schutz von Kesselverdampfungsrohren gegen Verbrennung durch Umkleidung mit einem feuerbestaendigen Schutzmittel
JPS62156204U (ja) * 1986-03-19 1987-10-03
JPH10227403A (ja) * 1996-12-12 1998-08-25 Ngk Insulators Ltd ボイラチューブプロテクタおよびその取付方法
JPH10508938A (ja) * 1995-05-19 1998-09-02 サン−ゴバン インダストリアル セラミックス,インコーポレイティド 過熱管の新規な耐熱遮蔽構造
JP3209218U (ja) * 2016-12-15 2017-03-09 バクマ工業株式会社 耐火二層管継手及び熱膨張性部材

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE407295C (de) * 1924-12-17 Paul Krainer Einrichtung zum Schutz von Kesselverdampfungsrohren gegen Verbrennung durch Umkleidung mit einem feuerbestaendigen Schutzmittel
JPS62156204U (ja) * 1986-03-19 1987-10-03
JPH10508938A (ja) * 1995-05-19 1998-09-02 サン−ゴバン インダストリアル セラミックス,インコーポレイティド 過熱管の新規な耐熱遮蔽構造
JPH10227403A (ja) * 1996-12-12 1998-08-25 Ngk Insulators Ltd ボイラチューブプロテクタおよびその取付方法
JP3209218U (ja) * 2016-12-15 2017-03-09 バクマ工業株式会社 耐火二層管継手及び熱膨張性部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019132488A (ja) 2019-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7942004B2 (en) Tile and exo-skeleton tile structure
JP2009532605A5 (ja)
JP6427808B1 (ja) 伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法
JP2002201964A5 (ja)
JP2017089450A (ja) タービンハウジング
US20090266529A1 (en) Protected Carbon Steel Pipe for Fire Tube Heat Exchange Devices, Particularly Boilers
JP6323366B2 (ja) ラジアントチューブ
JP2008232499A (ja) 熱交換器用フィン
EP1310731A1 (en) Fireproof structure for protecting water pipes of a heat exchanger and installation method
TW200304532A (en) Installation method of fireproof structure for protecting water pipes
JP3180377U (ja) 熱交換器
ITTO20090056U1 (it) Guaina protettiva ceramica in sic
JP2017518610A5 (ja)
JP3659819B2 (ja) 高温ダクトの接続構造
US20160281976A1 (en) Heat transfer pipe support structure and waste heat recovery boiler
ES2468491T3 (es) Tubo de doble capa para el transporte flu�dico de sustancias sólidas abrasivas
JP5134393B2 (ja) 舶用ボイラ
JP7237653B2 (ja) ボイラ伝熱管の支持装置、ボイラ、ボイラ伝熱管の支持方法、ボイラ伝熱管の交換方法およびボイラ伝熱管の支持装置の交換方法
JP2017044394A (ja) 伝熱管の保護プロテクタ、これを備えたボイラ、および伝熱管の保護プロテクタ追設方法
JP2002031275A (ja) 耐摩耗用二重管
JP3939468B2 (ja) 耐摩耗性ベンド管及びその製造方法
JP6710526B2 (ja) ダクト及びガスタービン設備
JP2013249798A (ja) Egrガス冷却装置
KR100725219B1 (ko) 연결용슬리브를 가지는 바잘트관
JP4108335B2 (ja) 熱交換器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180223

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180223

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181009

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6427808

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150