JP6427808B1 - 伝熱管用耐火物製プロテクタ及びプロテクタ付伝熱管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】伝熱管を保護する耐火物製プロテクタであって、円筒状耐火物を二つに分割したような形状の第一耐火物成型体3及び第一耐火物成型体よりも小さい第二耐火物成型体4を有し、第一耐火物成型体3は、中心軸に直交する断面形状において、一端に第一耐火物成型体の内面と面一で連続する第一凸部11と、他端に第一耐火物成型体の外面と面一で連続する第二凸部12と、を有し、第二耐火物成型体4は、断面形状において、一端に第二耐火物成型体4の内面と面一で連続する第三凸部13と、他端に第二耐火物成型体の外面と面一で連続する第四凸部14と、を有し、第一凸部11と第四凸部14とを互いに向い合せるとともに、第二凸部12と第三凸部13とを互いに向い合せ、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを組み合わせて一体にする伝熱管用耐火物製プロテクタを提供する。
【選択図】図2
Description
一方、特許文献2に記載されている耐火物製プロテクタの場合、金属製プロテクタの場合と異なり、プロテクタは腐食しないが、半割管同士の溶接ができない。そこで、耐火物製プロテクタは、耐火物製半割管の外面の一部に爪を設けて、一対の耐火物製半割管同士を嵌め合う構造としている。しかし、爪が形成された箇所が突出するため、耐火物製プロテクタの断面形状は、爪が形成された箇所においては円形にならない。このため、耐火物製プロテクタを設置した伝熱管では、耐火物製プロテクタの厚み(肉厚)が全体的に均一でないことから、耐火物製プロテクタ自身の熱応力に対する耐久性が低くなる恐れや、伝熱管の熱伝導に悪影響を及ぼす恐れがある。さらに、上述のように、耐火物製プロテクタには突出した箇所があることから、排ガスの流れに偏流が生じて、プロテクタを設置していない伝熱管に局所摩耗が起こる恐れや、プロテクタを設置していない伝熱管の予期しない箇所に灰が付着する恐れがある。
以下、本発明の実施形態の伝熱管用耐火物製プロテクタ、及びこのプロテクタを用いたプロテクタ付伝熱管の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の伝熱管用耐火物製プロテクタは、金属製の伝熱管、例えば、ごみ焼却炉に設けられているボイラの伝熱管を保護するものである。耐火物製プロテクタは、円管(断面形状が円形の管)である伝熱管を、伝熱管の外側から覆って保護する。伝熱管は、直線状の箇所や曲げのある箇所があるが、ここでは、伝熱管の直線状の箇所の一部に、伝熱管用耐火物プロテクタが設置される。この伝熱管用耐火物プロテクタは、モルタルなどの接着力を有する耐熱性接着剤を介して伝熱管に取り付けられる。
なお、円筒状耐火物2を二つに分割した形状とし、三つ以上に分割した形状としていないのは、耐熱性接着剤がガスで削れるなどしてプロテクタ1の強度が減少するのを極力防止するためである。
第一凸部11は、第一耐火物成型体3の内面7bと面一で連続している。第一凸部11の肉厚T1は、T1<TAの関係にある。このため、第一耐火物成型体3の肉厚TAの部分と第一凸部11の間には段差7cがある。従って、第一凸部11の外形は、第一耐火物成型体3の肉厚TAの部分から凸状に突き出た形状である。
また、中心軸Aに直交する断面形状において、第一凸部11と第二凸部12の各々の長さは、例えば、円筒状耐火物2の円周の長さの1/20程度にすることができる。
第三凸部13は、第二耐火物成型体4の内面8bと面一で連続している。第三凸部13の肉厚T3は、T3<TAの関係にある。このため、第二耐火物成型体4の肉厚TAの部分と第三凸部13の間には、段差8cがある。従って、第三凸部13の外形は、第二耐火物成型体4の肉厚TAの部分から凸状に突き出た形状である。
また、中心軸Aに直交する断面形状において、第三凸部13と第四凸部14の各々の長さは、例えば、円筒状耐火物2の円周の長さの1/20程度にすることができる。
H ≦ (D−d)/2 ・・・(1)
突起部5は、円錐の形状をなしている。突起部5の形状は、これに限ることはなく、例えば、三角錐など、多角錐の形状としてもよい。
第一凸部11に形成されたピン孔15は、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを組み合わせて一体とした際に、第四凸部14に形成されたピン孔15と連通する。同様に、第二凸部12に形成されたピン孔15は、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを組み合わせて一体とした際に、第三凸部13に形成されたピン孔15と連通する。
プロテクタ付伝熱管の製造方法は、プロテクタ1の内面に耐熱性接着剤、例えばモルタルMを塗工する塗工工程と、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを伝熱管Pを挟んで組み合わせる一体化工程と、第一耐火物成型体3と第二耐火物成型体4とを係止する係止工程と、を有している。
プロテクタ1の内面に塗工する耐熱性接着剤は、プロテクタ1と伝熱管Pとの間を充填するとともに、プロテクタ1と伝熱管Pとを接着することができれば、モルタルMに限ることはなく、他の材料を用いることができる。
例えば、第一凸部11と第二凸部12の両方が第一耐火物成型体3の内面7bと面一で連続している形状である場合、伝熱管Pとプロテクタ1との間の隙間を大きくしないと、中心軸Aに直交する方向からプロテクタ1の内側に挿入することができない。
以下、本発明の実施形態の変形例について図面を参照して詳細に説明する。なお、本変形例では、上述した実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図5及び図6に示すように、変形例のプロテクタ1Bは、第一耐火物成型体3Bの第二凸部12と第二耐火物成型体4Bの第三凸部13が中心軸Aと平行に形成されている。一方、第一耐火物成型体3Bの第一凸部11Bと第二耐火物成型体4Bの第四凸部14Bは中心軸Aに対して斜めに形成されている。すなわち、第一凸部11Bと第四凸部14Bは、中心軸Aと平行に形成されていない。
なお、ここでは、第一耐火物成型体3Bの第二凸部12と第二耐火物成型体4Bの第三凸部13は中心軸Aと平行に形成され、第一耐火物成型体3Bの第一凸部11Bと第二耐火物成型体4Bの第四凸部14Bは中心軸Aに対して斜めに形成されているとして説明した。しかしながら、第二凸部12と第三凸部13が中心軸Aに対して斜めに形成され、第一凸部11Bと第四凸部14Bが中心軸と平行に形成された構成としてもよい。また、第一凸部、第二凸部、第三凸部、及び第四凸部のいずれも、中心軸Aに対して斜めに形成された構成としてもよい。これらの構成であっても、第一耐火物成型体と第二耐火物成型体の位置ずれを容易に認識し、修正することができるからである。
例えば、第一凸部、第二凸部、第三凸部、第四凸部の厚み(肉厚)は、円筒状耐火物2の肉厚TAの略1/2としたが、強度的に問題がなければ、適宜変更してよい。すなわち、第一耐火物成型体と第二耐火物成型体とを組み合わせて、実質的に円筒形の円筒状耐火物2が形成されればよいので、これらの厚みや長さは適宜変更することができる。
2 円筒状耐火物
3、3B 第一耐火物成型体
4、4B 第二耐火物成型体
5 突起部
11、11B 第一凸部
12 第二凸部
13 第三凸部
14、14B 第四凸部
15 ピン孔
A 中心軸
M モルタル
P 伝熱管
PN ピン
TA 厚さ(肉厚)
Claims (5)
- 伝熱管を保護する耐火物製プロテクタであって、
前記伝熱管の外径よりも大きい内径の円筒状耐火物を中心軸に沿って二つに分割したような形状の第一耐火物成型体及び前記第一耐火物成型体よりも小さい第二耐火物成型体を有し、
前記第一耐火物成型体は、前記中心軸に直交する断面形状において、一端に前記第一耐火物成型体の内面と面一で連続する第一凸部と、他端に前記第一耐火物成型体の外面と面一で連続する第二凸部と、を有し、
前記第二耐火物成型体は、前記断面形状において、一端に前記第二耐火物成型体の内面と面一で連続する第三凸部と、他端に前記第二耐火物成型体の外面と面一で連続する第四凸部と、を有し、
前記第一凸部と前記第四凸部とを互いに向い合せるとともに、前記第二凸部と前記第三凸部とを互いに向い合せ、前記中心軸に直交する方向から前記第一耐火物成型体と前記第二耐火物成型体とを組み合わせて一体にする伝熱管用耐火物製プロテクタ。 - 前記第一耐火物成型体及び前記第二耐火物成型体は炭化珪素で形成されており、前記第一耐火物成型体及び前記第二耐火物成型体の内面には、複数の突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の伝熱管用耐火物製プロテクタ。
- 前記第一凸部及び前記第二凸部は、前記中心軸と平行に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の伝熱管用耐火物製プロテクタ。
- 前記第一凸部または前記第二凸部の一方は前記中心軸と平行に形成され、他方は前記中心軸に対して斜めに形成されることを特徴とする請求項2に記載の伝熱管用耐火物製プロテクタ。
- 前記伝熱管に請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の伝熱管用耐火物製プロテクタを設置したプロテクタ付伝熱管の製造方法であって、
前記第一耐火物成型体の内面と前記第二耐火物成型体の内面に、耐熱性接着剤を塗工する塗工工程と、
前記伝熱管の外側に流れるガスの上流側に前記耐熱性接着剤を塗工した前記第二耐火物成型体を配置し、前記ガスの下流側に前記耐熱性接着剤を塗工した前記第一耐火物成型体を配置し、前記伝熱管を挟んで前記第一耐火物成型体と前記第二耐火物成型体とを組み合わせて一体にする一体化工程と、
前記第一耐火物成型体及び前記第二耐火物成型体をピンまたはひも状部材を用いて係止する係止工程と、
を有することを特徴とするプロテクタ付伝熱管の製造方法。
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